ログ集 
自分の本名を隠すためなら(1回目) 12th-14th
トロンパ(12th)-聖☆ビキニマン(14th)
【トロンパ】
いきなりこんな訳の分からない事態に巻き込まれて、彼-トロンパが取った行動は、物資の確保だった。
(どれだけの貯蓄があるか不安だったけど…餓死とかは心配しないで良さそうかな？)
ショッピングモールである程度保つ物を見繕いつつ、今後の予定について考える。
(…とりあえず、誰かとある程度協力するべきだよな…？)
雪山で真っ先に思いついた不安要素が取り除かれ、少し余裕ができた彼は次にするべき事を考えている。
【聖☆ビキニマン】
「……」
自分の手を見つめる。
「私は…ここで、なにが？」
身体が変わっていた。
呆然とし、しかし二つ、思い付く。
一つは、物資の確保。
もう一つは…
「…これで口調も変えたら……誰も私とはわからないよね♪」
るんるん気分でショッピングモールをスキップし
【トロンパ】
「…なんかデカイのが跳ねてる…いや俺も結構背デカイな…」
どうやら他にも似たような事を考えたやつがいたらしい。この状況でまともそうなやつは貴重だと、声をかけることにした。
「おーい、あんたも物資調達か？だったら手分けしないかー？俺は…トロンパって呼んでくれ！」
【聖☆ビキニマン】
「む。……ほう。吾の他に、真っ先にここを思い付く奴がおるとはな。」
ニヤリ、と巌のようなその顔が歪む。
「よかろう、トロンパとやら。貴公に協力する。」
【トロンパ】
「…お、おう…よろしく。」
(なんだその喋り方…いや、名前バレない方がいいんなら、その方がいいのか…？)
「…えーと、そっちはなんて呼べばいい？」
【聖☆ビキニマン】
「む？………………」
沈黙。実名を話すわけにもいくまい。……さて、特徴は……
「瀬、いや。セイント、そう！セイント・ビキニマンだ！」
【トロンパ】
「……………お、おう。よろしく…ビキニマン…」
……人は、自分の本名を隠すためならここまでやれると言うのか。いや知らん
「……とりあえず、缶詰とかある程度集めとこうか。吹雪いたりでもしたら外に出られなくて困るかもしれないし」
そう言って、傍のカートにツナ缶を放り込む
【聖☆ビキニマン】
「……ああ、同意しよう。」
共に拾い、入れてやり。
「ふむ……品質は、そこまで悪くないか。」
【トロンパ】
「だな…寧ろいいくらいだ。…一体、何させようってんだか…」
ここまで手の込んだ事をする辺り、あまりいい予感はしなかった。
「…あ、そうだ。この、コロパッド？のフレンド登録しとこうぜ。なんか役に立つかもしれないし。」
【聖☆ビキニマン】
「ああ、否はない。……どこかで役に立とう。」
詰め込み終わり。
「…元の身体はどうなっているか…いや。考えても仕方あるまい。吾は今暫くここを探索しようと思う。貴公、拠点を作ってはくれまいか？」
【トロンパ】
「おう、どっかちょうどいいとこ探しとくよ。」
そう言って、カートを押す。
(…これ、金とかほんとにいいんだよな？後から黒服の男とか来ないよな？)
「…ま、案外大したことないかもしれないしな。あんまり張り詰めすぎないようにいこうぜ。」
…もっとも、それが希望的憶測に過ぎないというのは、言った当人がよく分かっていたが。
【聖☆ビキニマン】
「ふ。まあ…考えても詮無きこと、という意味では同感よ。さて、では後日…そうだな、2日程度経ってから、またここで落ち合おう。ショッピングモールの次は他も散策するつもりでな。」
事実上、ショッピングモールやら、地固めやらは全て任せたというに等しい。
ただ、労力的にはイーブンであり。
【トロンパ】
「おう、こっちもあちこち回ってみるから、なんかあったら連絡くれ。じゃ、またな。」
そう言って、カートを押して行く。
軽すぎる気もするが、連絡手段の発達した今の時代の若者らしいといえばらしいか。
【トロンパ】
いきなりこんな訳の分からない事態に巻き込まれて、彼-トロンパが取った行動は、物資の確保だった。
(どれだけの貯蓄があるか不安だったけど…餓死とかは心配しないで良さそうかな？)
ショッピングモールである程度保つ物を見繕いつつ、今後の予定について考える。
(…とりあえず、誰かとある程度協力するべきだよな…？)
雪山で真っ先に思いついた不安要素が取り除かれ、少し余裕ができた彼は次にするべき事を考えている。
【聖☆ビキニマン】
「……」
自分の手を見つめる。
「私は…ここで、なにが？」
身体が変わっていた。
呆然とし、しかし二つ、思い付く。
一つは、物資の確保。
もう一つは…
「…これで口調も変えたら……誰も私とはわからないよね♪」
るんるん気分でショッピングモールをスキップし
【トロンパ】
「…なんかデカイのが跳ねてる…いや俺も結構背デカイな…」
どうやら他にも似たような事を考えたやつがいたらしい。この状況でまともそうなやつは貴重だと、声をかけることにした。
「おーい、あんたも物資調達か？だったら手分けしないかー？俺は…トロンパって呼んでくれ！」
【聖☆ビキニマン】
「む。……ほう。吾の他に、真っ先にここを思い付く奴がおるとはな。」
ニヤリ、と巌のようなその顔が歪む。
「よかろう、トロンパとやら。貴公に協力する。」
【トロンパ】
「…お、おう…よろしく。」
(なんだその喋り方…いや、名前バレない方がいいんなら、その方がいいのか…？)
「…えーと、そっちはなんて呼べばいい？」
【聖☆ビキニマン】
「む？………………」
沈黙。実名を話すわけにもいくまい。……さて、特徴は……
「瀬、いや。セイント、そう！セイント・ビキニマンだ！」
【トロンパ】
「……………お、おう。よろしく…ビキニマン…」
……人は、自分の本名を隠すためならここまでやれると言うのか。いや知らん
「……とりあえず、缶詰とかある程度集めとこうか。吹雪いたりでもしたら外に出られなくて困るかもしれないし」
そう言って、傍のカートにツナ缶を放り込む
【聖☆ビキニマン】
「……ああ、同意しよう。」
共に拾い、入れてやり。
「ふむ……品質は、そこまで悪くないか。」
【トロンパ】
「だな…寧ろいいくらいだ。…一体、何させようってんだか…」
ここまで手の込んだ事をする辺り、あまりいい予感はしなかった。
「…あ、そうだ。この、コロパッド？のフレンド登録しとこうぜ。なんか役に立つかもしれないし。」
【聖☆ビキニマン】
「ああ、否はない。……どこかで役に立とう。」
詰め込み終わり。
「…元の身体はどうなっているか…いや。考えても仕方あるまい。吾は今暫くここを探索しようと思う。貴公、拠点を作ってはくれまいか？」
【トロンパ】
「おう、どっかちょうどいいとこ探しとくよ。」
そう言って、カートを押す。
(…これ、金とかほんとにいいんだよな？後から黒服の男とか来ないよな？)
「…ま、案外大したことないかもしれないしな。あんまり張り詰めすぎないようにいこうぜ。」
…もっとも、それが希望的憶測に過ぎないというのは、言った当人がよく分かっていたが。
【聖☆ビキニマン】
「ふ。まあ…考えても詮無きこと、という意味では同感よ。さて、では後日…そうだな、2日程度経ってから、またここで落ち合おう。ショッピングモールの次は他も散策するつもりでな。」
事実上、ショッピングモールやら、地固めやらは全て任せたというに等しい。
ただ、労力的にはイーブンであり。
【トロンパ】
「おう、こっちもあちこち回ってみるから、なんかあったら連絡くれ。じゃ、またな。」
そう言って、カートを押して行く。
軽すぎる気もするが、連絡手段の発達した今の時代の若者らしいといえばらしいか。
唐揚げを食べた。 18th-24th
唐揚げ食べたい(18th)-痴漢者トーマス(24th)
【痴漢者トーマス】
ほえー…。ここが…桃源郷？
愛の世界？愛と身体の交わりあう世界？LOVE？LOVE ME？
まぁ、今ちょっと相手がおらんのやけどねぇ。
(色々不思議なことがあって。その後、自分の新しい身体をしっかり堪能してから来たホテルのフロントをうろうろしながら。どうやら、一緒にチェックイン(はぁと)する相手を探しているらしい。)
だけど、この身体ならば問題なしだね！愛のチェックインを済ませることなど赤子の手で…手を捻るよりも簡単なことのはず！ﾌｯﾌｯﾌｯﾌｰﾝ〜♪
(上機嫌でフロントをうろうろ、玄関をチラチラ。腹は減ったが、ここにそういう目的で来たヤツが狙い目のはずだ。だから、まだ飯は食わぬ。)
【唐揚げ食べたい】
「…俺はお腹が空いたので唐揚げを食べるぜェ！！！」
(そう叫びながらガラス窓を叩き割る勢いで、普通に玄関からホテル☆入室。
どうやら彼は唐揚げが食べたいみたい！名前から唐揚げ食べたそうだもんね！しっかたねぇなぁコイツは。)
「ボンジュール☆お姉さん。一部屋俺に貸さな〜い？？」
(嵐のような勢いでホテルに入り、「ハーァイお姉さん☆」と言いながらフロントの女性(死に顔)に話しかけ、普通にチェックインしようとしている。アホなのかなんなのか。アホだった。
因みに痴漢者へは見向きもしていない。
だが然し。背後から近付こうものなら、もれなく唐揚げくんのジャンピングキックがクリティカルヒットすることだろう。
流石にこんな変な雪山に来て警戒しないわけないからね仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
…！！
男…。
(性別は男だろうけどもっと何か言うことあるだろ。)
おう、男ぉ！そこの男ぉ！素敵だね！かっこいいね！一緒にチェックインしようね！一緒に愛し合おうね！いざ肉体の煌めきを！いえーす！あ、それともレストランで一緒になんか食べる？その後は私も食べて？お残しは許されないね？
(コミュ障でももう少しまともなナンパすると思う。
凄い勢いで喋りながら、唐揚げ君の隣に移動する。ついでに、腕を絡めにも行くのじゃ。)
【唐揚げ食べたい】
「どっひゃぁあああ━━━Σヾ(ﾟДﾟ)ﾉ━━━ !!!!」
(いきなり意味分かんない奴が自分のチェック☆イン(隠語)を邪魔してくるんだもん、そりゃー唐揚げくんもびっくりしちゃうよね。
エゲツない漫画のような叫び声を上げながら、ソソクサと軽く距離を取る。そう、軽く(どうあがいても相手が自分を触ることができないくらい)。)
「誰だよ！お前！！俺はお前なんか知らん…あ、やっべ☆お前も俺のこと知らんわ☆彡
愛さネーよ！お前のことなんかイートしてやるかよ！！俺は唐揚げを食べるんだよォ！？」
(とにかくこの男、唐揚げが食べたい。とても、唐揚げが食べたい。
でも目の前のヤバい人は食べたく(物理)ない。だって人だし見るからにヤバそうな味するでしょこの人。俺はカニバじゃねーっつーの！ってな。)
【痴漢者トーマス】
うわっ、びっくりした…。私さっきからフロントにずっと居たからね…？
(さすがに叫び声にはびっくりしたみたいで。)
私？私はトーマス。機関車ならぬ痴漢者トーマスだね。全ての冤罪を過去にするよ。
しかし、唐揚げかぁ…。唐揚げってき○○○みたいな形してない？美味しいよね？私にも食べさせてね？どっちかというと、ベッドでね？
…！あっ、そうだ。私の胸を揉むと唐揚げが食べられるらしいよ。それなりに優しくね？
(全国の唐揚げ好きに謝るべき。そひて、堂々と嘘を付いていく)
【唐揚げ食べたい】
「…っは、は？？…は？？？？？
………………………。
─────……は？？？？？？？？？？？」
(これには流石の唐揚げくんも動揺してるみたい！痴漢者くんすごいねぇ！！
"あ、コイツヤベェわ…"という恐怖とか、動揺とか、そういうのが相まって顔が引きつり軽く歪んでいる。
一歩二歩三歩と徐々に距離を取りながら、受付のお姉さんに「一部屋貸しで…ﾁｯｽ」と頼み込んだ。)
「……俺、こういう時、どうすればいいか知ってるゾッ…☆彡
……
早く逃げるんだよォ！！！！！！！！」
(と、言いながら一目散にレストランへ走っていく様子は珍妙というか滑稽というか。
足の速度は平均並み、遅くも早くもないと言ったところ。普通の人ならば、…まあ、追いかけたとしたらレストランまで並走ー☆といったところか。)
【痴漢者トーマス】
お？逃げるとは…あれだね？無理矢理シなきゃダメだね？おおーい！すぐ行くから待っててねー！？
(反応は遅れたし、別に足も早くないが。ゴールはすぐそこだし、逃げ場もあるわけじゃないし。追い付けないわけがないのである。)
コケーケケケ！！ラブだよね！溢れんばかりのラブだよね！！さぁ、受け取るがいいねッ！！
(後ろから飛び付いた！抱きつきにいった！思いきり、手を伸ばし、頭から行った！)
【唐揚げ食べたい】
「お触りは厳禁だぜぇえッ☆彡」
(と、余裕そうな言葉を吐くが。
内心ビクビクである。怖えもんコイツ。何なん？(素)…おっと、素が出てしまった。てへぺろっ☆
彼女が自分は抱きつきに飛んでったタイミングで、サッ…と横にズレる。そう、避ける。
アイドル(じゃないけど)、お触り厳禁。これがファンのルール。)
「何だよ！！お前！？！？俺も大概だけどよォ！？お前本当はクラスメイトじゃないだろッ！！！！人狼透けてるぞ！！！！！！！」
(いつのまにか唐揚げくんは人狼やってたみたい！どうやら彼目線トーマスは黒目みたいだね！
ソォ〜っとレストランに近付く形で距離を取り。目指せ唐揚げ、頑張れ唐揚げ。
唐揚げ(レストラン)はすぐそこだ。)
【痴漢者トーマス】
ぐはぁ…。いった…いったいねー…。
(思いっきり腹を打って悶絶するアホ。)
んー？いやいや、そんなことないね？
ほら、新しい身体ならナニしても良いよね？ってそれだけだね。
まぁ、後はえーっと、誰だっけ…ニュートンじゃなくて、ポセイドンじゃなくてねー…。まぁ、深淵の人もさ、言ってたじゃんね。深淵を覗いてるとき深淵もまたこちらを覗いてくるのだ、ってね。つまり、…どう言えばいっかねー。まぁ、多分この訳分かんないところが深淵でさ、深淵を覗いてる私達もなんかおかしくなってるじゃないかな？とか？うん？うん、だからねー、全て深淵が悪いんだよね、私は悪くないからね。拒絶されたら困るんだよね？
あと、黒はこんな分かりやすい動きはしないしね？
(この場所自体に訳分かんない責任転嫁した上で、黒殴りへの反論。所詮雰囲気人狼勢…。)
【唐揚げ食べたい】
「──────………すぅ…」
(彼女のマシンガントークを聞き流し。
深呼吸。
そして息を吸い、)
「うるせぇええぇぇえぇよォォォオ！！！！」
(一蹴。
だってうるさいもん、異世界言語話してくるもんコイツ。ヤバイって。
深淵の力使ってもこんな奴現れねーよ。深淵の人もビックリだよ、ドン引きだよ。
まあ、つまり。
俺は悪くない。俺は被害者だ。
よって、俺は唐揚げを食う。…一人でな。)
「俺は"一人で"唐揚げ食べたいんだよォ！
早く一人で食べさせる(状況にする)んだよォ！！
お前、邪魔ぴーや☆
かえって♡」
【痴漢者トーマス】
んー、んー。そうだね。しょうがないねー。
まぁ、人間なんてどこにでも居るし誰でも良いけどー…。
(今回は諦めることにしよう、と。いや、まぁ、捕まえられなさそうだからね、次はイケそうなのを狙えば良いしね。)
…その前に、私もご飯食べなきゃなんだよね？お腹減っちゃったしさ。だから、それまでは一緒だからね？一緒に居るってことは、 同じ空間で汗を蒸発させあうってことだね？感動的？感動的じゃない？
(すっげぇ嫌な言い回し。立ち上がりながら、飯だけはここで食ってくぞ、と。)
【唐揚げ食べたい】
「うぇえ……」
(動揺。なんか嫌な言い回ししてきやがる。
汗が伝う。…何が嫌かって、その。…なんか相手凄い変態チックじゃない？？？？？それ何？？？？キャラなの？？？キャラだとしてもキャラじゃなくてもこんなクラスメイト嫌だよ？？？？？？？
…と、一通り頭の中で疑問を投げつけたところで。
暫し長考して、言葉を続けた。)
「……しっかたねぇなぁ！
いいぜ、ご飯一緒に食べようぜベイビィ☆彡
ただし！
…別の席で、なっ♡」
(別の席で食べるならそれはもう"一緒"ではないのでは…？
いや、まあ！これでいいんだ。元より唐揚げくんは"一人で"唐揚げ食べたかったんだもの。
これでいい、いいはずだ。
別の席なら、そう。
どれだけ近くてもこの変態に触られることは無いもんな！(フラグ))
【痴漢者トーマス】
別席？えーと、別席ね？うん、しょうがないね、了解だよね。近い(はぁと)席と遠い(はぁと)席のどっちが良い？私はどっちもありだと思うんだけどね？
例えば、遠くから身体見るのと近くから身体見るのじゃ印象とかセクスィーさとか違うしねー。
あ、このハンバーグ美味しそうだなぁ…。ハンバーグ…。
【唐揚げ食べたい】
「……遠い席で頼むわァ」
(と、静かに答えて。
そうと決まれば、ダッシュでレストランへGO。
まあ、そこまで遠く無いしすぐ着くでしょ。
─────
と、着きました。特に何もないでしょう(希望的観測)。…ないよね？
着いたら、すぐに唐揚げを頼む何時もの唐揚げくん。唐揚げ食べたいってずっと言ってるからね。名前からして唐揚げ食べたいもんこの人。)
「君あの席ねッ☆彡
よろしくだぜぇ、早く離れるんだよォ〜…あくしろ」
(懇願するようにそう呟いて、サッサと自分は出口近くの席に座る。
遠くの席───出口とは最も離れた席か。その場所を指差して「ここね」と一言。
離れたいからね仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
そういや、君の名前聞いてなかったね。愛を注ぐ人の名前は聞いておくべきだったよねー。失敗失敗…。
というか、あまり急かさないでねー。私も、ほら。じっくりしていきたいタイプっていうかねー…。まぁ、時には急いでやらなきゃいけないこともあるけどさ！
(うだうだ言いながら席に行こうとする…その時！唐揚げ君に擦れ違うときに確かに尻を触りに行ったのだ！一つでも判断を間違えればすぐに尻を撫でられる！大ピンチである！)
【唐揚げ食べたい】
「ｯ！へ〜〜いお嬢、ダメだぜ。そりゃ、イケネ〜よ反則だぜ？」
(どーん！唐揚げくん大ピンチ。
しかし唐揚げくんは華麗にそれを避けるｩ！そう、神☆回☆避という奴である。
椅子に座る形でね、えぇ。椅子に座ったらもう尻触られないものね。)
「何すんだよお前ェ！！この野郎！！！！
早く座って♡座って♡
向こう行くんだよオラァア！！」
(ところどころ変なテンションな辺りやっぱり唐揚げくんも頭可笑しいと思う。
と、まあ。…早く向こうへ行け、と促し。あんま変な人(ブーメラン)と一緒に居たくないからね。あ、これこの状況じゃなくても同じね。
何時もの日常生活でもこういう人とは関わりたくないね。仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
はーい、わかったねー…。
(すごすごと指定された席へ向かった。…そして、自分の席に座った瞬間、椅子に居る相手ならわりかし楽に触れるんじゃない？とか思ったりしたらしい…。)
【唐揚げ食べたい】
「…………よし」
(安堵。…はぁ、一人って楽だわ。いや、複数人が苦手ってわけじゃないぜ？
でも、相手が相手だと…疲れる…疲れない？
というわけで、開始早々唐揚げくんは疲れている。
でも目の前に唐揚げが来たので、元気を取り戻したらしい。)
「…しゃオラ！！来たぜオラ！！！唐揚げやッ！！！！！！」
(と、言いながら「いただきまーす☆」と唐揚げをご馳走になった。
唐揚げくんはね、唐揚げを食べてる時が一番幸せなんですよ。ええ。
滅茶滅茶満足そうな表情をしている。(顔が)蕩ける蕩ける。)
【痴漢者トーマス】
……。
(わかる、なんか相手してるとやたら疲れる人って居るよね。
それはそれとして、じっと見てるよ。頼んだハンバーグ来るま唐揚げ君の席の方じっと見てるよ。)
…ハンバーグぅ！ハンバーグだね！いただきますねぇ！！
…うん、タレがちょっと甘めね？ありだね、美味しい美味しい。でも、そうだなー、父さんの作ったハンバーグの方が美味しいねー。うん、食べたいねー。
(唐突に家族のことを思い出すヤツ。少しボーっとしながら飯を食べてる。)
【唐揚げ食べたい】
「……うま〜ヾ(｡>﹏<｡)ﾉ」
(頬蕩ける。まじうま、唐揚げうま。
この皮サクサク感がたまらんな、そして中のジューシーな肉も最高だ！！
唐揚げはとても嬉しそうである！！！雪山で冷えた心も唐揚げであったかぽかぽか！やったね！
…──────…
と、暫くして。唐揚げくんは唐揚げを食べるのが早いのか、彼女のハンバーグが来るのが遅かったのか。
一足先に食べ終わったようで。)
「…ご馳走さまディ〜ス……
どうしようかな……あっ、…パシャっと☆
お先失礼しマ〜ス…」
(手と手を合わせて「ごち☆」と言えば、自撮りをするフリをしてトーマスをパシャっと☆…まあ、隠し撮りという奴である。ヤバイやつとして後で報告しておこう(ブーメラン)。
一通りやることを終えれば、此処に留まる理由もねぇ！何故ならヤバイやつがまだいるからだ！！
…と、そそくさと逃げ出そうとした。)
【痴漢者トーマス】
「……あれ。…あ、いつの間にか消えているね？
…。まー、今回は。今回は許してやろうね。…逃げられないためには何が必要かね？
…トラバサミ？」
ボーッとしながらハンバーグを食べ続けてたら、いつの間にか唐揚げ君が消えてた。でもまぁ、消えていたのは仕方ないので、次は逃げれないようにする方法を考えよう。
「…唐揚げも頼んでみるかねー。」
ちょっと見た様子だと、唐揚げ君はすごく幸せそなう表情で唐揚げを食べていた。ちょっと無理してでも唐揚げを食べるのはアリかもしれぬ、と。唐揚げを頼んだり…。
【痴漢者トーマス】
ほえー…。ここが…桃源郷？
愛の世界？愛と身体の交わりあう世界？LOVE？LOVE ME？
まぁ、今ちょっと相手がおらんのやけどねぇ。
(色々不思議なことがあって。その後、自分の新しい身体をしっかり堪能してから来たホテルのフロントをうろうろしながら。どうやら、一緒にチェックイン(はぁと)する相手を探しているらしい。)
だけど、この身体ならば問題なしだね！愛のチェックインを済ませることなど赤子の手で…手を捻るよりも簡単なことのはず！ﾌｯﾌｯﾌｯﾌｰﾝ〜♪
(上機嫌でフロントをうろうろ、玄関をチラチラ。腹は減ったが、ここにそういう目的で来たヤツが狙い目のはずだ。だから、まだ飯は食わぬ。)
【唐揚げ食べたい】
「…俺はお腹が空いたので唐揚げを食べるぜェ！！！」
(そう叫びながらガラス窓を叩き割る勢いで、普通に玄関からホテル☆入室。
どうやら彼は唐揚げが食べたいみたい！名前から唐揚げ食べたそうだもんね！しっかたねぇなぁコイツは。)
「ボンジュール☆お姉さん。一部屋俺に貸さな〜い？？」
(嵐のような勢いでホテルに入り、「ハーァイお姉さん☆」と言いながらフロントの女性(死に顔)に話しかけ、普通にチェックインしようとしている。アホなのかなんなのか。アホだった。
因みに痴漢者へは見向きもしていない。
だが然し。背後から近付こうものなら、もれなく唐揚げくんのジャンピングキックがクリティカルヒットすることだろう。
流石にこんな変な雪山に来て警戒しないわけないからね仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
…！！
男…。
(性別は男だろうけどもっと何か言うことあるだろ。)
おう、男ぉ！そこの男ぉ！素敵だね！かっこいいね！一緒にチェックインしようね！一緒に愛し合おうね！いざ肉体の煌めきを！いえーす！あ、それともレストランで一緒になんか食べる？その後は私も食べて？お残しは許されないね？
(コミュ障でももう少しまともなナンパすると思う。
凄い勢いで喋りながら、唐揚げ君の隣に移動する。ついでに、腕を絡めにも行くのじゃ。)
【唐揚げ食べたい】
「どっひゃぁあああ━━━Σヾ(ﾟДﾟ)ﾉ━━━ !!!!」
(いきなり意味分かんない奴が自分のチェック☆イン(隠語)を邪魔してくるんだもん、そりゃー唐揚げくんもびっくりしちゃうよね。
エゲツない漫画のような叫び声を上げながら、ソソクサと軽く距離を取る。そう、軽く(どうあがいても相手が自分を触ることができないくらい)。)
「誰だよ！お前！！俺はお前なんか知らん…あ、やっべ☆お前も俺のこと知らんわ☆彡
愛さネーよ！お前のことなんかイートしてやるかよ！！俺は唐揚げを食べるんだよォ！？」
(とにかくこの男、唐揚げが食べたい。とても、唐揚げが食べたい。
でも目の前のヤバい人は食べたく(物理)ない。だって人だし見るからにヤバそうな味するでしょこの人。俺はカニバじゃねーっつーの！ってな。)
【痴漢者トーマス】
うわっ、びっくりした…。私さっきからフロントにずっと居たからね…？
(さすがに叫び声にはびっくりしたみたいで。)
私？私はトーマス。機関車ならぬ痴漢者トーマスだね。全ての冤罪を過去にするよ。
しかし、唐揚げかぁ…。唐揚げってき○○○みたいな形してない？美味しいよね？私にも食べさせてね？どっちかというと、ベッドでね？
…！あっ、そうだ。私の胸を揉むと唐揚げが食べられるらしいよ。それなりに優しくね？
(全国の唐揚げ好きに謝るべき。そひて、堂々と嘘を付いていく)
【唐揚げ食べたい】
「…っは、は？？…は？？？？？
………………………。
─────……は？？？？？？？？？？？」
(これには流石の唐揚げくんも動揺してるみたい！痴漢者くんすごいねぇ！！
"あ、コイツヤベェわ…"という恐怖とか、動揺とか、そういうのが相まって顔が引きつり軽く歪んでいる。
一歩二歩三歩と徐々に距離を取りながら、受付のお姉さんに「一部屋貸しで…ﾁｯｽ」と頼み込んだ。)
「……俺、こういう時、どうすればいいか知ってるゾッ…☆彡
……
早く逃げるんだよォ！！！！！！！！」
(と、言いながら一目散にレストランへ走っていく様子は珍妙というか滑稽というか。
足の速度は平均並み、遅くも早くもないと言ったところ。普通の人ならば、…まあ、追いかけたとしたらレストランまで並走ー☆といったところか。)
【痴漢者トーマス】
お？逃げるとは…あれだね？無理矢理シなきゃダメだね？おおーい！すぐ行くから待っててねー！？
(反応は遅れたし、別に足も早くないが。ゴールはすぐそこだし、逃げ場もあるわけじゃないし。追い付けないわけがないのである。)
コケーケケケ！！ラブだよね！溢れんばかりのラブだよね！！さぁ、受け取るがいいねッ！！
(後ろから飛び付いた！抱きつきにいった！思いきり、手を伸ばし、頭から行った！)
【唐揚げ食べたい】
「お触りは厳禁だぜぇえッ☆彡」
(と、余裕そうな言葉を吐くが。
内心ビクビクである。怖えもんコイツ。何なん？(素)…おっと、素が出てしまった。てへぺろっ☆
彼女が自分は抱きつきに飛んでったタイミングで、サッ…と横にズレる。そう、避ける。
アイドル(じゃないけど)、お触り厳禁。これがファンのルール。)
「何だよ！！お前！？！？俺も大概だけどよォ！？お前本当はクラスメイトじゃないだろッ！！！！人狼透けてるぞ！！！！！！！」
(いつのまにか唐揚げくんは人狼やってたみたい！どうやら彼目線トーマスは黒目みたいだね！
ソォ〜っとレストランに近付く形で距離を取り。目指せ唐揚げ、頑張れ唐揚げ。
唐揚げ(レストラン)はすぐそこだ。)
【痴漢者トーマス】
ぐはぁ…。いった…いったいねー…。
(思いっきり腹を打って悶絶するアホ。)
んー？いやいや、そんなことないね？
ほら、新しい身体ならナニしても良いよね？ってそれだけだね。
まぁ、後はえーっと、誰だっけ…ニュートンじゃなくて、ポセイドンじゃなくてねー…。まぁ、深淵の人もさ、言ってたじゃんね。深淵を覗いてるとき深淵もまたこちらを覗いてくるのだ、ってね。つまり、…どう言えばいっかねー。まぁ、多分この訳分かんないところが深淵でさ、深淵を覗いてる私達もなんかおかしくなってるじゃないかな？とか？うん？うん、だからねー、全て深淵が悪いんだよね、私は悪くないからね。拒絶されたら困るんだよね？
あと、黒はこんな分かりやすい動きはしないしね？
(この場所自体に訳分かんない責任転嫁した上で、黒殴りへの反論。所詮雰囲気人狼勢…。)
【唐揚げ食べたい】
「──────………すぅ…」
(彼女のマシンガントークを聞き流し。
深呼吸。
そして息を吸い、)
「うるせぇええぇぇえぇよォォォオ！！！！」
(一蹴。
だってうるさいもん、異世界言語話してくるもんコイツ。ヤバイって。
深淵の力使ってもこんな奴現れねーよ。深淵の人もビックリだよ、ドン引きだよ。
まあ、つまり。
俺は悪くない。俺は被害者だ。
よって、俺は唐揚げを食う。…一人でな。)
「俺は"一人で"唐揚げ食べたいんだよォ！
早く一人で食べさせる(状況にする)んだよォ！！
お前、邪魔ぴーや☆
かえって♡」
【痴漢者トーマス】
んー、んー。そうだね。しょうがないねー。
まぁ、人間なんてどこにでも居るし誰でも良いけどー…。
(今回は諦めることにしよう、と。いや、まぁ、捕まえられなさそうだからね、次はイケそうなのを狙えば良いしね。)
…その前に、私もご飯食べなきゃなんだよね？お腹減っちゃったしさ。だから、それまでは一緒だからね？一緒に居るってことは、 同じ空間で汗を蒸発させあうってことだね？感動的？感動的じゃない？
(すっげぇ嫌な言い回し。立ち上がりながら、飯だけはここで食ってくぞ、と。)
【唐揚げ食べたい】
「うぇえ……」
(動揺。なんか嫌な言い回ししてきやがる。
汗が伝う。…何が嫌かって、その。…なんか相手凄い変態チックじゃない？？？？？それ何？？？？キャラなの？？？キャラだとしてもキャラじゃなくてもこんなクラスメイト嫌だよ？？？？？？？
…と、一通り頭の中で疑問を投げつけたところで。
暫し長考して、言葉を続けた。)
「……しっかたねぇなぁ！
いいぜ、ご飯一緒に食べようぜベイビィ☆彡
ただし！
…別の席で、なっ♡」
(別の席で食べるならそれはもう"一緒"ではないのでは…？
いや、まあ！これでいいんだ。元より唐揚げくんは"一人で"唐揚げ食べたかったんだもの。
これでいい、いいはずだ。
別の席なら、そう。
どれだけ近くてもこの変態に触られることは無いもんな！(フラグ))
【痴漢者トーマス】
別席？えーと、別席ね？うん、しょうがないね、了解だよね。近い(はぁと)席と遠い(はぁと)席のどっちが良い？私はどっちもありだと思うんだけどね？
例えば、遠くから身体見るのと近くから身体見るのじゃ印象とかセクスィーさとか違うしねー。
あ、このハンバーグ美味しそうだなぁ…。ハンバーグ…。
【唐揚げ食べたい】
「……遠い席で頼むわァ」
(と、静かに答えて。
そうと決まれば、ダッシュでレストランへGO。
まあ、そこまで遠く無いしすぐ着くでしょ。
─────
と、着きました。特に何もないでしょう(希望的観測)。…ないよね？
着いたら、すぐに唐揚げを頼む何時もの唐揚げくん。唐揚げ食べたいってずっと言ってるからね。名前からして唐揚げ食べたいもんこの人。)
「君あの席ねッ☆彡
よろしくだぜぇ、早く離れるんだよォ〜…あくしろ」
(懇願するようにそう呟いて、サッサと自分は出口近くの席に座る。
遠くの席───出口とは最も離れた席か。その場所を指差して「ここね」と一言。
離れたいからね仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
そういや、君の名前聞いてなかったね。愛を注ぐ人の名前は聞いておくべきだったよねー。失敗失敗…。
というか、あまり急かさないでねー。私も、ほら。じっくりしていきたいタイプっていうかねー…。まぁ、時には急いでやらなきゃいけないこともあるけどさ！
(うだうだ言いながら席に行こうとする…その時！唐揚げ君に擦れ違うときに確かに尻を触りに行ったのだ！一つでも判断を間違えればすぐに尻を撫でられる！大ピンチである！)
【唐揚げ食べたい】
「ｯ！へ〜〜いお嬢、ダメだぜ。そりゃ、イケネ〜よ反則だぜ？」
(どーん！唐揚げくん大ピンチ。
しかし唐揚げくんは華麗にそれを避けるｩ！そう、神☆回☆避という奴である。
椅子に座る形でね、えぇ。椅子に座ったらもう尻触られないものね。)
「何すんだよお前ェ！！この野郎！！！！
早く座って♡座って♡
向こう行くんだよオラァア！！」
(ところどころ変なテンションな辺りやっぱり唐揚げくんも頭可笑しいと思う。
と、まあ。…早く向こうへ行け、と促し。あんま変な人(ブーメラン)と一緒に居たくないからね。あ、これこの状況じゃなくても同じね。
何時もの日常生活でもこういう人とは関わりたくないね。仕方ないね。)
【痴漢者トーマス】
はーい、わかったねー…。
(すごすごと指定された席へ向かった。…そして、自分の席に座った瞬間、椅子に居る相手ならわりかし楽に触れるんじゃない？とか思ったりしたらしい…。)
【唐揚げ食べたい】
「…………よし」
(安堵。…はぁ、一人って楽だわ。いや、複数人が苦手ってわけじゃないぜ？
でも、相手が相手だと…疲れる…疲れない？
というわけで、開始早々唐揚げくんは疲れている。
でも目の前に唐揚げが来たので、元気を取り戻したらしい。)
「…しゃオラ！！来たぜオラ！！！唐揚げやッ！！！！！！」
(と、言いながら「いただきまーす☆」と唐揚げをご馳走になった。
唐揚げくんはね、唐揚げを食べてる時が一番幸せなんですよ。ええ。
滅茶滅茶満足そうな表情をしている。(顔が)蕩ける蕩ける。)
【痴漢者トーマス】
……。
(わかる、なんか相手してるとやたら疲れる人って居るよね。
それはそれとして、じっと見てるよ。頼んだハンバーグ来るま唐揚げ君の席の方じっと見てるよ。)
…ハンバーグぅ！ハンバーグだね！いただきますねぇ！！
…うん、タレがちょっと甘めね？ありだね、美味しい美味しい。でも、そうだなー、父さんの作ったハンバーグの方が美味しいねー。うん、食べたいねー。
(唐突に家族のことを思い出すヤツ。少しボーっとしながら飯を食べてる。)
【唐揚げ食べたい】
「……うま〜ヾ(｡>﹏<｡)ﾉ」
(頬蕩ける。まじうま、唐揚げうま。
この皮サクサク感がたまらんな、そして中のジューシーな肉も最高だ！！
唐揚げはとても嬉しそうである！！！雪山で冷えた心も唐揚げであったかぽかぽか！やったね！
…──────…
と、暫くして。唐揚げくんは唐揚げを食べるのが早いのか、彼女のハンバーグが来るのが遅かったのか。
一足先に食べ終わったようで。)
「…ご馳走さまディ〜ス……
どうしようかな……あっ、…パシャっと☆
お先失礼しマ〜ス…」
(手と手を合わせて「ごち☆」と言えば、自撮りをするフリをしてトーマスをパシャっと☆…まあ、隠し撮りという奴である。ヤバイやつとして後で報告しておこう(ブーメラン)。
一通りやることを終えれば、此処に留まる理由もねぇ！何故ならヤバイやつがまだいるからだ！！
…と、そそくさと逃げ出そうとした。)
【痴漢者トーマス】
「……あれ。…あ、いつの間にか消えているね？
…。まー、今回は。今回は許してやろうね。…逃げられないためには何が必要かね？
…トラバサミ？」
ボーッとしながらハンバーグを食べ続けてたら、いつの間にか唐揚げ君が消えてた。でもまぁ、消えていたのは仕方ないので、次は逃げれないようにする方法を考えよう。
「…唐揚げも頼んでみるかねー。」
ちょっと見た様子だと、唐揚げ君はすごく幸せそなう表情で唐揚げを食べていた。ちょっと無理してでも唐揚げを食べるのはアリかもしれぬ、と。唐揚げを頼んだり…。
お茶会面接。 7th-23rd
ロティ(7th)-海月(23rd)
【海月】
恐らくこの雪国の、中央部に位置するであろうホテルの中。
一階にはそこそこ豪華なレストランが備えられている、そこに彼女はいた。
「…ふーん…寝床、食事には困らないと。目的は違うっぽいね」
品定めするような目でレストランの中をふらふらと回っている。
人を集めているという目的もある。ここの他に行くところがあるとすれば、物資調達の為にショッピングモールだろうか。
ただ、そこを調べたい人はそこを調べればいい。まずはここに留まって誰かに話を聞かないと。
【ロティ】
｢あーあー……全く、どうしてこうなったんだい…。｣
レストランの窓際の席。
その一角に居るのは紅茶を啜って居る。
黒いスーツも上着は着崩しているものの、ネクタイはしめてある上にワイシャツも整っているのでだらしなく見える訳では無い。
ハットはテーブルの上に置いてある。
一言で言えば麗人とでも言うべきか。
声は少し低めで顔立ちは中性的、故に性別は一目で判断する材料が少し少ない。
とはいえ、1人でいる分にはかなり目立つ格好をしているわけで。
【海月】
ふと目に留まったのは、一言で言えば、何と言うか凄く性別を判断しづらい人だった。
一番目を付けやすい窓際にいる奴にさっきまで如何して気付かなかったのかもあるけど…これは、弄らざるを得ないと言えよう。
「ねえねえっ、そこのキミ！何かここについて知ってたりしない？とゆうか、男？女？見た目的にはギリギリ女に見えるけど、見た感じじゃよくわかんないから上か下見せてよ！減るものじゃないでしょ？ねえねえー！！ねえねえねえねえ！」
相手が煽りに対する耐性が低いなら一番やりやすいだろうと考えて突っ込んだけども、相手が無視をしてくるようならそれでもいい。正直"ここにいる"時点で何かと決まっているようなものだし。
だから個人的には普通に反応してほしいな、と言うか弄り甲斐のある反応を見せて欲しいな、とかも考えたり考えていなかったり。
【ロティ】
｢おっと…………すまないが、質問は纏めてではなく1つずつにしてくれると有難い。
……とはいえ、答えられる事は答えようか。
えーっと…此処について、だったかな？
それに関しては申し訳ないけど、僕も良くわかっていない。｣
紅茶は一旦後にして、節分に子供が豆を鬼に投げ付けるかの如く質問をして来た相手を見る。
聞き取れなかった訳では無い。
だが少し整理に時間が掛かるということで、まずは宥める所から。
それから質問には答えていこう。
結論から言うならばこの場所についての情報は何一つと言っていいほど持っていない。
微かに残る記憶と照らし合わせたとしても、思い当たる節がないのだから。
｢……で、性別に関しては君の推測通りだ。
でも証明する云々は無しだ、ここで見せる程僕は落ちぶれちゃあ居ないんでね。｣
とりあえず性別に関しては相手の推測は会っている……が、それを証明する為の手段は取らない。
ここでそれをやる程に落ちぶれているつもりは無いのだから。
【海月】
「ちぇー。流石にそこまではダメかー。つまんないの！
…んじゃ、ここを知らない人同士、自己紹介でもしようよ。出来れば本名を教えてくれると個人的には面白いんだけどさ！」
さり気なく相手を自滅に追い込む姿勢を見せつつ、本題に引き込む。
相手の出方、クリスマスに駄々をこねる子供を諭す大人のような相手の姿勢から、割と精神年齢は高い方か。
ただ、相手の性格どうこうで中身を判別するつもりは今はない。正直、誰が嘘を吐いているかも分からない状況なのだし。
ただ、どんな人なのかは薄々察しはついているけれど。まあ今言う事でもない。見た感じ、彼女と自分は同じ境遇だから。
【ロティ】
｢悪いね……僕は害児みたいなイカれた行動をするつもりは無いからね。
というわけで自己紹介は良いけど本名は無しだよ、理由は分かっているだろうけどね。
言う事はそれだけかい？｣
嘲笑う様な笑みを浮かべて、その様なイカれた行動をするつもりは無いと告げる。
勿論、本名をバラすなど愚の骨頂。
完全に生きるのを諦めたか、もしくはただの馬鹿野郎しかやらない行動だろう。
自己紹介は構わないが本名は名乗らないと伝えたのはその意味もある。
じゃあ何を名乗る？
当たり前だが偽名に決まっているだろう？
言う事はそれだけならば、先に自己紹介をしてから話をしてもらおうと。
それが今やる事であろうと相手も思うなら。
｢…………さて、此処で僕の事は『ロティ』とでも呼んでおくれ。
──そうだね……。
ひとつ言うことがあるとするなら……うん。
……君が僕の本名を僕の口から知る時は…君の首が曲がる時だ。｣
そして偽名は『ロティ』と名乗っておく。
意味は勝手に調べてもらえば良かろう、そして先程本名云々の話が出たので話しておこう。
ロティの本名を口から聞ける時、それはいずれの場合も死を越える時。
無論、教えるつもりなど毛頭ないけれど。
【海月】
「へえ……まあ予想はついてたけど。中々、面白いんじゃない？
ただ、
オレの首を曲げるなんて出来るならしてみてほしいものだけどね！っはは」
正直、そう来るだろうとは思っていたし、何の意外性もなかったからさっきのは嘘だ。
別にこのゲエムの信憑性を確かめる為に犠牲になってもらっても良かったのは置いておいて。
しかし、相手の姿勢からして、敵愾心を持たれちゃったりしてるかなー？まあ、ライバルは増えれば増えるほどゲエムが楽しくなるし、別にいいか。
弄り甲斐のあるヤツより倒し甲斐のあるヤツ。あ、でも情報は欲しいしまだ味方でいてほしい気もする。
…まあまずは自己紹介から、か。
「ロティちゃんだね、よろしく！食べ物から取るなんてちょっと安直だとは思うけどね。つまんなーい
んで、オレは…そーだなー、海月でいいよ！特に意味はないけど。呼びやすい方がキミにとっても何かお得じゃない？
ああ、でも、キミ的にはオレに寝首を掻かれるより先にオレをぶっ殺したいなーとか思ってたりする？」
高圧的な姿勢を取ってはいるのだろうが、それだけで煽るような態度を捨てるほど軟弱じゃない。
正直、一旦言われたのだから言い返さないと気が済まないってのはあるけど。
相手が"殺す気がある"かどうかは、見て損なモノじゃないでしょ？
【ロティ】
｢確かに、本名がバレたら死ぬ……なんて信じる方が難しいとも。
だから、僕は…それについては確かめる為には正しい考えだとは思う。
しかし…だ、それはもっと引っ掛かりそうな輩を選んでやる物だ。
………君は、Lv1でボス相手にをするのかい？
…首を曲げる云々は正直どうでも良い。
そんな事をするエネルギーが無駄だからね。
君の首を曲げる暇があるなら、もっと有意義に使うさ。｣
この程度でへし折りに行く馬鹿がいるなら是非とも会ってみたい物だ。
低俗な輩はやりかねないが、それがこいつかどうかは未だよくわからない。
恐らくそれは、ルールを客観的に見ると自然と湧く疑問と確認方法……考え的には最も適した回答であることは分かる。
それ故に、やるならば相手を選べ。
だから問いかける。
───お前は、Lv1でボスに挑むのかと。
それで“YES”と答えたならば……そいつはただの馬鹿野郎だ。
人を選べ、自分を見極める位は出来なければ意味が無いだろう。
無論、首を曲げる暇があるなら別な事に使う。
それは正しい“ルート”であり、間違った“アンサー”なのだから。
｢そして、偽名に関してはどうでも良いだろう？
どうせ捨てる名前に価値は無い……何を付けようが変わらない。
分かり切っている事じゃあないか？
……君はあれか、無駄な事が好きな人かな？
先程の質問だって色々無駄が多い、勿論それを否定する訳じゃない。
現に今は“海月”というシンプルな偽名を使っているのだからね、それに関してはGoodだ。
まあそれはどうでも良い。
寝首を掻く件についての話にしよう。
───正直、掻く価値は無い。
“殺す”と口にする奴ほど、どうせ殺せない。
勿論……僕も含めて、だけどね。
でもね……それが『0から1』になると思うと、些か楽しくなってくるだろう？｣
偽名に関してはどうでも良い。
なんなら寝首を掻くなんてもっとどうでも良い。
道端の雑草を踏み歩くのと同義。
それに“殺す”という輩ほど殺す勇気など無い。
それは自分も含めて言えることであり、勇気がないのを否定するつもりなど元から持ち合わせて居ない。
殺したくば殺す勇気のある物が殺せば良い、なんならそいつに頼んでも良いだろう。
それが正しい考えだと思うのは否定しない。
だから……だからこそ、である。
───0が1になる、とても楽しいだろう？
そしてもうここに居る理由など無い。
それを伝えれば、そのままハットを被り直してレストランから立ち去るつもりだ。
冷めた紅茶は、静かに波紋を広げている。
【海月】
「ふーん…前言撤回。キミ、あんまり面白くなさそうだね。
確かに今、何もかもが分からない状況で安易にキミみたいな人を狙うべきじゃないってのは分かってるよ。
それに、ただ殺そうって思ってるわけじゃないさ。さっきのはちょっとした嘘だよ。オレ嘘つきなんだ。嘘だけど」
そりゃ、それを考えると目の前の彼女を相手にルールを確かめようなんて半ば自殺行為だ。
恐らく、この"本名を当てられると死ぬ"というルールが真実なら、集められている人たちは何かしら近しい間柄の人間のはず。
だからこそ、一歩を踏みこみはしない。もっと簡単で短絡的ですぐにボロが出そうな人を相手にするのが賢明。
ただ、それとは違う方面で彼女は、ちょっと残念かなー。
「でもさぁー、無駄な事が好きってのは酷い言い草だよねー。
まるでキミが無駄な事を好まない人に聞こえるじゃん。どれだけつまんなくて可哀想な人生を送ってきたのか、同情しちゃうよ。
ま、それに関しては蛇足か。ゴメンゴメン、いらないこと言っちゃったね！っはは、許してよ！
キミの考えにはちょっと同感だから、今は何もしないでおこっか。じゃあ、ロティちゃんだったっけ？殺されたくなったらまた来てねー」
0が1になるというのが楽しい、というのはこちらも同意だ。
不可能を可能にする。無から有を生み出す。出来ない事をやってのけるなど、出来る人が早々いないのだし。
まあ恐らく彼女も、そのうちの一人だろうからオレに色々言ったんだろうけど。
こっちも言いたいことは言い切った、後はただ見送るだけ。
わざとらしく手を大きく振ってから紅茶に目を向けて…
「…残念。ティーカップはまだここにいる全員分、必要みたいだね？」
【海月】
恐らくこの雪国の、中央部に位置するであろうホテルの中。
一階にはそこそこ豪華なレストランが備えられている、そこに彼女はいた。
「…ふーん…寝床、食事には困らないと。目的は違うっぽいね」
品定めするような目でレストランの中をふらふらと回っている。
人を集めているという目的もある。ここの他に行くところがあるとすれば、物資調達の為にショッピングモールだろうか。
ただ、そこを調べたい人はそこを調べればいい。まずはここに留まって誰かに話を聞かないと。
【ロティ】
｢あーあー……全く、どうしてこうなったんだい…。｣
レストランの窓際の席。
その一角に居るのは紅茶を啜って居る。
黒いスーツも上着は着崩しているものの、ネクタイはしめてある上にワイシャツも整っているのでだらしなく見える訳では無い。
ハットはテーブルの上に置いてある。
一言で言えば麗人とでも言うべきか。
声は少し低めで顔立ちは中性的、故に性別は一目で判断する材料が少し少ない。
とはいえ、1人でいる分にはかなり目立つ格好をしているわけで。
【海月】
ふと目に留まったのは、一言で言えば、何と言うか凄く性別を判断しづらい人だった。
一番目を付けやすい窓際にいる奴にさっきまで如何して気付かなかったのかもあるけど…これは、弄らざるを得ないと言えよう。
「ねえねえっ、そこのキミ！何かここについて知ってたりしない？とゆうか、男？女？見た目的にはギリギリ女に見えるけど、見た感じじゃよくわかんないから上か下見せてよ！減るものじゃないでしょ？ねえねえー！！ねえねえねえねえ！」
相手が煽りに対する耐性が低いなら一番やりやすいだろうと考えて突っ込んだけども、相手が無視をしてくるようならそれでもいい。正直"ここにいる"時点で何かと決まっているようなものだし。
だから個人的には普通に反応してほしいな、と言うか弄り甲斐のある反応を見せて欲しいな、とかも考えたり考えていなかったり。
【ロティ】
｢おっと…………すまないが、質問は纏めてではなく1つずつにしてくれると有難い。
……とはいえ、答えられる事は答えようか。
えーっと…此処について、だったかな？
それに関しては申し訳ないけど、僕も良くわかっていない。｣
紅茶は一旦後にして、節分に子供が豆を鬼に投げ付けるかの如く質問をして来た相手を見る。
聞き取れなかった訳では無い。
だが少し整理に時間が掛かるということで、まずは宥める所から。
それから質問には答えていこう。
結論から言うならばこの場所についての情報は何一つと言っていいほど持っていない。
微かに残る記憶と照らし合わせたとしても、思い当たる節がないのだから。
｢……で、性別に関しては君の推測通りだ。
でも証明する云々は無しだ、ここで見せる程僕は落ちぶれちゃあ居ないんでね。｣
とりあえず性別に関しては相手の推測は会っている……が、それを証明する為の手段は取らない。
ここでそれをやる程に落ちぶれているつもりは無いのだから。
【海月】
「ちぇー。流石にそこまではダメかー。つまんないの！
…んじゃ、ここを知らない人同士、自己紹介でもしようよ。出来れば本名を教えてくれると個人的には面白いんだけどさ！」
さり気なく相手を自滅に追い込む姿勢を見せつつ、本題に引き込む。
相手の出方、クリスマスに駄々をこねる子供を諭す大人のような相手の姿勢から、割と精神年齢は高い方か。
ただ、相手の性格どうこうで中身を判別するつもりは今はない。正直、誰が嘘を吐いているかも分からない状況なのだし。
ただ、どんな人なのかは薄々察しはついているけれど。まあ今言う事でもない。見た感じ、彼女と自分は同じ境遇だから。
【ロティ】
｢悪いね……僕は害児みたいなイカれた行動をするつもりは無いからね。
というわけで自己紹介は良いけど本名は無しだよ、理由は分かっているだろうけどね。
言う事はそれだけかい？｣
嘲笑う様な笑みを浮かべて、その様なイカれた行動をするつもりは無いと告げる。
勿論、本名をバラすなど愚の骨頂。
完全に生きるのを諦めたか、もしくはただの馬鹿野郎しかやらない行動だろう。
自己紹介は構わないが本名は名乗らないと伝えたのはその意味もある。
じゃあ何を名乗る？
当たり前だが偽名に決まっているだろう？
言う事はそれだけならば、先に自己紹介をしてから話をしてもらおうと。
それが今やる事であろうと相手も思うなら。
｢…………さて、此処で僕の事は『ロティ』とでも呼んでおくれ。
──そうだね……。
ひとつ言うことがあるとするなら……うん。
……君が僕の本名を僕の口から知る時は…君の首が曲がる時だ。｣
そして偽名は『ロティ』と名乗っておく。
意味は勝手に調べてもらえば良かろう、そして先程本名云々の話が出たので話しておこう。
ロティの本名を口から聞ける時、それはいずれの場合も死を越える時。
無論、教えるつもりなど毛頭ないけれど。
【海月】
「へえ……まあ予想はついてたけど。中々、面白いんじゃない？
ただ、
オレの首を曲げるなんて出来るならしてみてほしいものだけどね！っはは」
正直、そう来るだろうとは思っていたし、何の意外性もなかったからさっきのは嘘だ。
別にこのゲエムの信憑性を確かめる為に犠牲になってもらっても良かったのは置いておいて。
しかし、相手の姿勢からして、敵愾心を持たれちゃったりしてるかなー？まあ、ライバルは増えれば増えるほどゲエムが楽しくなるし、別にいいか。
弄り甲斐のあるヤツより倒し甲斐のあるヤツ。あ、でも情報は欲しいしまだ味方でいてほしい気もする。
…まあまずは自己紹介から、か。
「ロティちゃんだね、よろしく！食べ物から取るなんてちょっと安直だとは思うけどね。つまんなーい
んで、オレは…そーだなー、海月でいいよ！特に意味はないけど。呼びやすい方がキミにとっても何かお得じゃない？
ああ、でも、キミ的にはオレに寝首を掻かれるより先にオレをぶっ殺したいなーとか思ってたりする？」
高圧的な姿勢を取ってはいるのだろうが、それだけで煽るような態度を捨てるほど軟弱じゃない。
正直、一旦言われたのだから言い返さないと気が済まないってのはあるけど。
相手が"殺す気がある"かどうかは、見て損なモノじゃないでしょ？
【ロティ】
｢確かに、本名がバレたら死ぬ……なんて信じる方が難しいとも。
だから、僕は…それについては確かめる為には正しい考えだとは思う。
しかし…だ、それはもっと引っ掛かりそうな輩を選んでやる物だ。
………君は、Lv1でボス相手にをするのかい？
…首を曲げる云々は正直どうでも良い。
そんな事をするエネルギーが無駄だからね。
君の首を曲げる暇があるなら、もっと有意義に使うさ。｣
この程度でへし折りに行く馬鹿がいるなら是非とも会ってみたい物だ。
低俗な輩はやりかねないが、それがこいつかどうかは未だよくわからない。
恐らくそれは、ルールを客観的に見ると自然と湧く疑問と確認方法……考え的には最も適した回答であることは分かる。
それ故に、やるならば相手を選べ。
だから問いかける。
───お前は、Lv1でボスに挑むのかと。
それで“YES”と答えたならば……そいつはただの馬鹿野郎だ。
人を選べ、自分を見極める位は出来なければ意味が無いだろう。
無論、首を曲げる暇があるなら別な事に使う。
それは正しい“ルート”であり、間違った“アンサー”なのだから。
｢そして、偽名に関してはどうでも良いだろう？
どうせ捨てる名前に価値は無い……何を付けようが変わらない。
分かり切っている事じゃあないか？
……君はあれか、無駄な事が好きな人かな？
先程の質問だって色々無駄が多い、勿論それを否定する訳じゃない。
現に今は“海月”というシンプルな偽名を使っているのだからね、それに関してはGoodだ。
まあそれはどうでも良い。
寝首を掻く件についての話にしよう。
───正直、掻く価値は無い。
“殺す”と口にする奴ほど、どうせ殺せない。
勿論……僕も含めて、だけどね。
でもね……それが『0から1』になると思うと、些か楽しくなってくるだろう？｣
偽名に関してはどうでも良い。
なんなら寝首を掻くなんてもっとどうでも良い。
道端の雑草を踏み歩くのと同義。
それに“殺す”という輩ほど殺す勇気など無い。
それは自分も含めて言えることであり、勇気がないのを否定するつもりなど元から持ち合わせて居ない。
殺したくば殺す勇気のある物が殺せば良い、なんならそいつに頼んでも良いだろう。
それが正しい考えだと思うのは否定しない。
だから……だからこそ、である。
───0が1になる、とても楽しいだろう？
そしてもうここに居る理由など無い。
それを伝えれば、そのままハットを被り直してレストランから立ち去るつもりだ。
冷めた紅茶は、静かに波紋を広げている。
【海月】
「ふーん…前言撤回。キミ、あんまり面白くなさそうだね。
確かに今、何もかもが分からない状況で安易にキミみたいな人を狙うべきじゃないってのは分かってるよ。
それに、ただ殺そうって思ってるわけじゃないさ。さっきのはちょっとした嘘だよ。オレ嘘つきなんだ。嘘だけど」
そりゃ、それを考えると目の前の彼女を相手にルールを確かめようなんて半ば自殺行為だ。
恐らく、この"本名を当てられると死ぬ"というルールが真実なら、集められている人たちは何かしら近しい間柄の人間のはず。
だからこそ、一歩を踏みこみはしない。もっと簡単で短絡的ですぐにボロが出そうな人を相手にするのが賢明。
ただ、それとは違う方面で彼女は、ちょっと残念かなー。
「でもさぁー、無駄な事が好きってのは酷い言い草だよねー。
まるでキミが無駄な事を好まない人に聞こえるじゃん。どれだけつまんなくて可哀想な人生を送ってきたのか、同情しちゃうよ。
ま、それに関しては蛇足か。ゴメンゴメン、いらないこと言っちゃったね！っはは、許してよ！
キミの考えにはちょっと同感だから、今は何もしないでおこっか。じゃあ、ロティちゃんだったっけ？殺されたくなったらまた来てねー」
0が1になるというのが楽しい、というのはこちらも同意だ。
不可能を可能にする。無から有を生み出す。出来ない事をやってのけるなど、出来る人が早々いないのだし。
まあ恐らく彼女も、そのうちの一人だろうからオレに色々言ったんだろうけど。
こっちも言いたいことは言い切った、後はただ見送るだけ。
わざとらしく手を大きく振ってから紅茶に目を向けて…
「…残念。ティーカップはまだここにいる全員分、必要みたいだね？」
自分の本名を隠すためなら(2回目) 3rd-12th
五番目の道化師(3rd)-トロンパ(12th)
【五番目の道化師】
目が覚めて、混乱をしている中、ホテルにチェックインした私は商店街を歩いていた。ここはどこなんだろう？と、不安に思いながら一つ一つ店を見て回っていると──道の先から目立つ赤色の服を着た身なりの良さげな男性が歩いてくる。
(───趣味悪ッ)
身なりはよくても、趣味が悪い。
恐らくピエロな私にそんなことは言われたくないだろうが、道化師のごとく、笑みを張り付けて話しかける。
「おやおやぁ？あなたはぁ、もしかしてぇ、観光客の方でぇすかぁ？」
ふざけたこの様ならピエロに見えるだろう。
【トロンパ】
「………お、ぉう……」
返事とも感嘆詞とも取れる声を上げる。
(ピエロとかもいんのかよ…なんでもありだなここ…いや、俺も人のこと言えた服じゃない気もするけど…でもピエロって…)
「……まぁ、そうなる、のか？観光っていうか、使えそうな施設を調べてたんだ。」
どうあれ、なるべくここにいる人を把握しておきたいのは事実だ。逃げ出したりはしない
【五番目の道化師】
なんか、引かれた気がする。
この服装は自分の趣味じゃないぞ！と訴えたいがグッと堪え張り付けた笑みを解くことはない。
「──と、言うことはぁ、あなたも此処で目が覚めた感じですかぁ？ワタクシィ、バスに乗っていたはずなんですけどぉ…気がついたらこぉんな姿になってぇ、おりましたぁ！クヒヒヒヒヒヒ☆」
とりあえず、なんか演じなければいけないような気がするから自分の思い描く道化師になりきる。ワタクシは道化師である。そう、自分に言い聞かせて。
「ワタクシィ、五番のぉ道化師と申しまぁす☆あなたのお名前をぉ、教えてくださいますかぁ？」
【トロンパ】
「……………あー、まぁ、そうだな。うん。俺もそんな感じだ。」
(…人は本名を隠すためなら以下略)
「俺の事は…トロンパって呼んでくれ。」
五番目の道化師て…ITくらいしかピエロ映画は知らないのだ
【五番目の道化師】
「トロンパさんでぇすねぇ？では、ト・論破さんと呼ばせてもらいまぁす♪」
クルりと回り、謎の決めポーズを決めた道化師は
「ワタクシのぉことはぁ…ピエロとでもお呼びくださぁい☆」
笑顔を消すことなく、ビシっとアピールした。
【トロンパ】
「なんかニュアンス違うよなぁ…？まあいいけどさ…」
コイツはどうにも話していても疲れるだけな気がする。
「…とりあえず、この先何かあった時のためにフレンド登録してくんねぇか？遭難とかしたらシャレにならんし」
【五番目の道化師】
「フレンド登録でぇすかぁ？おーけぇでぇす☆」
迷うことなく端末を取りだし、フレンド登録ができるように準備した。
「これで友だち０人から卒業でぇす☆」
これにいたっては、張り付けた笑みではなく、ガチで嬉しそうだった…とだけ。
【トロンパ】
「おう…これでよし、と…」
さてはコイツ根はそこまでだな？いやクラスメイトの本性こんなだったら嫌すぎる、寧ろねは普通であってくれ
「…えーと、それじゃ、またなんかあったら…連絡するわ…」
そう言って、離れていく
【五番目の道化師】
「じゃあ、また今度でぇす☆」
クラスメイトが素であんな目に悪そうなカラーが服装センスな人だったら嫌だなぁ…と、思いながら大きく手を降り、自分は自分で別の場所へと向かうのだった。
【五番目の道化師】
目が覚めて、混乱をしている中、ホテルにチェックインした私は商店街を歩いていた。ここはどこなんだろう？と、不安に思いながら一つ一つ店を見て回っていると──道の先から目立つ赤色の服を着た身なりの良さげな男性が歩いてくる。
(───趣味悪ッ)
身なりはよくても、趣味が悪い。
恐らくピエロな私にそんなことは言われたくないだろうが、道化師のごとく、笑みを張り付けて話しかける。
「おやおやぁ？あなたはぁ、もしかしてぇ、観光客の方でぇすかぁ？」
ふざけたこの様ならピエロに見えるだろう。
【トロンパ】
「………お、ぉう……」
返事とも感嘆詞とも取れる声を上げる。
(ピエロとかもいんのかよ…なんでもありだなここ…いや、俺も人のこと言えた服じゃない気もするけど…でもピエロって…)
「……まぁ、そうなる、のか？観光っていうか、使えそうな施設を調べてたんだ。」
どうあれ、なるべくここにいる人を把握しておきたいのは事実だ。逃げ出したりはしない
【五番目の道化師】
なんか、引かれた気がする。
この服装は自分の趣味じゃないぞ！と訴えたいがグッと堪え張り付けた笑みを解くことはない。
「──と、言うことはぁ、あなたも此処で目が覚めた感じですかぁ？ワタクシィ、バスに乗っていたはずなんですけどぉ…気がついたらこぉんな姿になってぇ、おりましたぁ！クヒヒヒヒヒヒ☆」
とりあえず、なんか演じなければいけないような気がするから自分の思い描く道化師になりきる。ワタクシは道化師である。そう、自分に言い聞かせて。
「ワタクシィ、五番のぉ道化師と申しまぁす☆あなたのお名前をぉ、教えてくださいますかぁ？」
【トロンパ】
「……………あー、まぁ、そうだな。うん。俺もそんな感じだ。」
(…人は本名を隠すためなら以下略)
「俺の事は…トロンパって呼んでくれ。」
五番目の道化師て…ITくらいしかピエロ映画は知らないのだ
【五番目の道化師】
「トロンパさんでぇすねぇ？では、ト・論破さんと呼ばせてもらいまぁす♪」
クルりと回り、謎の決めポーズを決めた道化師は
「ワタクシのぉことはぁ…ピエロとでもお呼びくださぁい☆」
笑顔を消すことなく、ビシっとアピールした。
【トロンパ】
「なんかニュアンス違うよなぁ…？まあいいけどさ…」
コイツはどうにも話していても疲れるだけな気がする。
「…とりあえず、この先何かあった時のためにフレンド登録してくんねぇか？遭難とかしたらシャレにならんし」
【五番目の道化師】
「フレンド登録でぇすかぁ？おーけぇでぇす☆」
迷うことなく端末を取りだし、フレンド登録ができるように準備した。
「これで友だち０人から卒業でぇす☆」
これにいたっては、張り付けた笑みではなく、ガチで嬉しそうだった…とだけ。
【トロンパ】
「おう…これでよし、と…」
さてはコイツ根はそこまでだな？いやクラスメイトの本性こんなだったら嫌すぎる、寧ろねは普通であってくれ
「…えーと、それじゃ、またなんかあったら…連絡するわ…」
そう言って、離れていく
【五番目の道化師】
「じゃあ、また今度でぇす☆」
クラスメイトが素であんな目に悪そうなカラーが服装センスな人だったら嫌だなぁ…と、思いながら大きく手を降り、自分は自分で別の場所へと向かうのだった。
オネェと雪山 〜赤い花を添えて〜 2nd-11th
みかんちゃん(2nd)-ヒガンバナ(11th)
【ヒガンバナ】
不思議な体験をした。
一度、恐らく死んで、そして姿が変わった。
今の姿は、学生服は変わらず、髪には赤い華、彼岸花が編み込まれている。
「─────。」
そして、現在は何となくで雪山を登っていた。
何故と聞かれても、答えに困る。
本当に何となくだ。
【みかんちゃん】
乗っていたバスに自分は居なくて、そもそもバスになんか乗っていなくて、それも今は自分とは違っていて…
つまるところ一言でいえば意味不明。
だけど、そんなことはお構い無しに物事はトントン拍子にすすんで、さてどうしたものかと迷った私は
思考を放棄した。
だってこんな真っ白な世界なんて見たことないじゃない？ロマンチック夢の楽園？死んだのかしら？
死んだら白銀の世界とか白い恋人じゃない！
なぁんてポジティブに考えることに。
そして現在ヒガンバナが登る雪山の少し上にいるのはそう！みかんちゃんである！
今雪山にいる理由はただ一つ。
「白銀世界にいい乙女ってね？」
スノウの上でSNOW自撮り大会開催中♡
でした。
【ヒガンバナ】
「……漢女の間違いではないのか？」
(その自撮り大会中の男に、ヒガンバナは的確に突っ込みを入れた。
女としては少し低く、結構ドスの効いた声なので、突っ込みと言うより、怒っている様にも聞こえてしまう。
更には、眼鏡の奥の赤い目も鋭いので尚更だ。)
「……貴様、一応尋ねるが……海神学園二年C組の者で、間違いないな？」
(キッ、と睨み付ける様な目付きで、彼を見つめながら、更に質問する。)
【みかんちゃん】
まさか人が来るだなんて思っても見なかったものだから突然かけられた声に手に持っていたコロパッドから視線を外してあらまと目を丸くした。
「あらま、失礼しちゃうわぁ〜。んま、確かに今は心だけの乙女だからそう言われても仕方ないわね。許しちゃう♡」
気迫ありありの圧のもりもりのオーラで話かけるヒガンバナとはまるで対照的なあっけらかんとした口調でそんなことを言って笑ってみせる。
「海神学園二組……ってことはあなたもかしら？きゃっ、誰かわからないけどこれって奇跡じゃないのぉ！ん、あれ？それともみんないるのかしら？」
あのコロパッドの通知を見た感じだと1人ではないとは思ってはいたけれど、此処に来るまで誰にも会っていなかった今誰だろうと人に会えたというのは感激ものである。
【ヒガンバナ】
「……まあいい。
では、貴様も同じクラスメイトなのだな……こんな男女、居た記憶は無いのだが。」
冷たく思われるかもしれないが、実際こんなオカマ居た記憶はない。
姿が変わったから当たり前なのだが、ヒガンバナだって混乱はしているのだ。
【みかんちゃん】
「んっんー…そうね、確かに私は男女なんかじゃないわ。ほら、元々女かもしれないじゃない？そんな無下に人を見た目で判断するのは良くないわよ？……なぁんてね？私のことは初めましてのみかんちゃんとでも思って頂戴な♡」
男女なんていなかったと言われればこちらからしても彼女みたいな人は見たことない。つまるところお互い様というやつでしょう。
「みんなにも会えたらいいんだけれど…とりあえずは私とあなたで出会えただけでも良しとしましょ！ほら、ワッツユアネーム？あ、勿論偽名よ？」
悩んでいても始まらない。寧ろわけのわからぬ状況とはいえ同じような人間がいるとなれば心強いものだろうと自己紹介を促す。
言わば彼女の不安を紛らわすためとでも言おうか。
オネェはそのくらい気をつかえるオネェなのである。
【ヒガンバナ】
「……確かにな、ここでは見た目は通用しない、か。
まあいい、初めての相手だと思う事にしよう。
宜しく頼むぞ、蜜柑殿。」
本音を言えば、相手が本当に女だろうが、結局オカマだろうがどうでも良くなった。
この調子なら、全員新たな姿になり、元の人物の片鱗すら無い可能性もある。
それなら、はじめましての人物と思った方が良いだろう。
「……私の名前か……『ヒガンバナ』とでも、呼んでくれ。
髪にも付いているんだ、分かりやすいだろう？」
【みかんちゃん】
「ヒガンバナ……あら、ほんと覚えやすいわね。私もお花の一つや二つ付いてて欲しかったわぁ」
羨ましいわ〜なんてきゃっきゃっうふうふ。
きゃっきゃうふうふしてるのはオネェ1人だけど。
「じゃ、よくはわからない状況だけれどそういうときこそのお友達。お互い何かあったときはクラスメイトとして協力しましょ？」
そう言ってコロパッドからフレンド申請を送っておいた。もしかしたら役に立つかもしれないし立たなくてもお近付きの印にはなるでしょうし。
【ヒガンバナ】
「……そうだな。何かあれば、こちらからも協力する。
好きなときに連絡してくれ。」
フレンド申請が来ると、それを承認した。
何だかんだ、こんな態度でも信用している様だ。
「……私は、どうにも落ち着かなくてな……もう暫く歩くことにするが……蜜柑殿はどうする？」
【みかんちゃん】
「私はこのままホテル？みたいなところがあるみたいだから一旦そこに行こうかしら。
ほら、ここ三十分くらいこの雪山で自撮りしてたから冷えちゃったのよ。ヒガンバナちゃんも落ち着くのは一番だけれど余り長居しないでねとだけ言っておくわね。」
オネェ三十分も自撮りしてたのかよなんてツッコミは受け付けておりません。
こちらだってそれなりに落ち着くためにそんなことをしていたのだから。ポジティブに…だなんて言ってもやっぱりこんなことになって悠長に楽しめるわけもない。
とりあえずは楽しんでおくけど。
「ま、私はホテルで落ち着いたらまた商店みたいなところ行こうと思っているから気が向いたらいらっしゃいな？もしかしたらまた会えるかもだし、ね。」
【ヒガンバナ】
「ああ……私も落ち着いたら、暖まれる場所に戻るさ。
……その後に、また、会えると良いな。」
(少しだけ、固い表情に控えめな笑顔を浮かべると、また山を登っていく。
枯れる事の無い華を咲かせた彼女は、何処へ向かうのだろうか？)
【ヒガンバナ】
不思議な体験をした。
一度、恐らく死んで、そして姿が変わった。
今の姿は、学生服は変わらず、髪には赤い華、彼岸花が編み込まれている。
「─────。」
そして、現在は何となくで雪山を登っていた。
何故と聞かれても、答えに困る。
本当に何となくだ。
【みかんちゃん】
乗っていたバスに自分は居なくて、そもそもバスになんか乗っていなくて、それも今は自分とは違っていて…
つまるところ一言でいえば意味不明。
だけど、そんなことはお構い無しに物事はトントン拍子にすすんで、さてどうしたものかと迷った私は
思考を放棄した。
だってこんな真っ白な世界なんて見たことないじゃない？ロマンチック夢の楽園？死んだのかしら？
死んだら白銀の世界とか白い恋人じゃない！
なぁんてポジティブに考えることに。
そして現在ヒガンバナが登る雪山の少し上にいるのはそう！みかんちゃんである！
今雪山にいる理由はただ一つ。
「白銀世界にいい乙女ってね？」
スノウの上でSNOW自撮り大会開催中♡
でした。
【ヒガンバナ】
「……漢女の間違いではないのか？」
(その自撮り大会中の男に、ヒガンバナは的確に突っ込みを入れた。
女としては少し低く、結構ドスの効いた声なので、突っ込みと言うより、怒っている様にも聞こえてしまう。
更には、眼鏡の奥の赤い目も鋭いので尚更だ。)
「……貴様、一応尋ねるが……海神学園二年C組の者で、間違いないな？」
(キッ、と睨み付ける様な目付きで、彼を見つめながら、更に質問する。)
【みかんちゃん】
まさか人が来るだなんて思っても見なかったものだから突然かけられた声に手に持っていたコロパッドから視線を外してあらまと目を丸くした。
「あらま、失礼しちゃうわぁ〜。んま、確かに今は心だけの乙女だからそう言われても仕方ないわね。許しちゃう♡」
気迫ありありの圧のもりもりのオーラで話かけるヒガンバナとはまるで対照的なあっけらかんとした口調でそんなことを言って笑ってみせる。
「海神学園二組……ってことはあなたもかしら？きゃっ、誰かわからないけどこれって奇跡じゃないのぉ！ん、あれ？それともみんないるのかしら？」
あのコロパッドの通知を見た感じだと1人ではないとは思ってはいたけれど、此処に来るまで誰にも会っていなかった今誰だろうと人に会えたというのは感激ものである。
【ヒガンバナ】
「……まあいい。
では、貴様も同じクラスメイトなのだな……こんな男女、居た記憶は無いのだが。」
冷たく思われるかもしれないが、実際こんなオカマ居た記憶はない。
姿が変わったから当たり前なのだが、ヒガンバナだって混乱はしているのだ。
【みかんちゃん】
「んっんー…そうね、確かに私は男女なんかじゃないわ。ほら、元々女かもしれないじゃない？そんな無下に人を見た目で判断するのは良くないわよ？……なぁんてね？私のことは初めましてのみかんちゃんとでも思って頂戴な♡」
男女なんていなかったと言われればこちらからしても彼女みたいな人は見たことない。つまるところお互い様というやつでしょう。
「みんなにも会えたらいいんだけれど…とりあえずは私とあなたで出会えただけでも良しとしましょ！ほら、ワッツユアネーム？あ、勿論偽名よ？」
悩んでいても始まらない。寧ろわけのわからぬ状況とはいえ同じような人間がいるとなれば心強いものだろうと自己紹介を促す。
言わば彼女の不安を紛らわすためとでも言おうか。
オネェはそのくらい気をつかえるオネェなのである。
【ヒガンバナ】
「……確かにな、ここでは見た目は通用しない、か。
まあいい、初めての相手だと思う事にしよう。
宜しく頼むぞ、蜜柑殿。」
本音を言えば、相手が本当に女だろうが、結局オカマだろうがどうでも良くなった。
この調子なら、全員新たな姿になり、元の人物の片鱗すら無い可能性もある。
それなら、はじめましての人物と思った方が良いだろう。
「……私の名前か……『ヒガンバナ』とでも、呼んでくれ。
髪にも付いているんだ、分かりやすいだろう？」
【みかんちゃん】
「ヒガンバナ……あら、ほんと覚えやすいわね。私もお花の一つや二つ付いてて欲しかったわぁ」
羨ましいわ〜なんてきゃっきゃっうふうふ。
きゃっきゃうふうふしてるのはオネェ1人だけど。
「じゃ、よくはわからない状況だけれどそういうときこそのお友達。お互い何かあったときはクラスメイトとして協力しましょ？」
そう言ってコロパッドからフレンド申請を送っておいた。もしかしたら役に立つかもしれないし立たなくてもお近付きの印にはなるでしょうし。
【ヒガンバナ】
「……そうだな。何かあれば、こちらからも協力する。
好きなときに連絡してくれ。」
フレンド申請が来ると、それを承認した。
何だかんだ、こんな態度でも信用している様だ。
「……私は、どうにも落ち着かなくてな……もう暫く歩くことにするが……蜜柑殿はどうする？」
【みかんちゃん】
「私はこのままホテル？みたいなところがあるみたいだから一旦そこに行こうかしら。
ほら、ここ三十分くらいこの雪山で自撮りしてたから冷えちゃったのよ。ヒガンバナちゃんも落ち着くのは一番だけれど余り長居しないでねとだけ言っておくわね。」
オネェ三十分も自撮りしてたのかよなんてツッコミは受け付けておりません。
こちらだってそれなりに落ち着くためにそんなことをしていたのだから。ポジティブに…だなんて言ってもやっぱりこんなことになって悠長に楽しめるわけもない。
とりあえずは楽しんでおくけど。
「ま、私はホテルで落ち着いたらまた商店みたいなところ行こうと思っているから気が向いたらいらっしゃいな？もしかしたらまた会えるかもだし、ね。」
【ヒガンバナ】
「ああ……私も落ち着いたら、暖まれる場所に戻るさ。
……その後に、また、会えると良いな。」
(少しだけ、固い表情に控えめな笑顔を浮かべると、また山を登っていく。
枯れる事の無い華を咲かせた彼女は、何処へ向かうのだろうか？)
喫茶店パフェデート？ 12th-20th
トロンパ(12th)-あいごころ。(20th)
【トロンパ】
さて、ピエロと別れて暫く。今度はもう少しじっくりと商店街を見て回っていた。
「…魚屋、八百屋、肉屋…服屋もあるな。…サイズ合うやつあれば変えようかな…」
そんな事を呟きながら店のショーウィンドウを見る。
(…この身長だと、屈まないと入れない店とかあるかもな…)
ショーウィンドウのガラスに映る自分の姿を見ながら、そんな事を考える。
【あいごころ。】
｢…あら、あなたも俗に言う観光、かしら？｣
そんな彼に話しかける少女が一人。その少女は黒い着物を着て、顔の半分を狐の面で覆っている黒髪の少女だった。
｢やっと私以外の人を発見したわ…私以外誰もいないんじゃないかと思ったの。｣
そういって彼女はクスッと口に手を当てて笑った。
【トロンパ】
「……まあ、そんなとこだな。」
声がやたら下の方から聞こえてきたので、一瞬返事が遅れる。
(あ、普通にかわいい…成る程、こういうメリットもあるのか…？いや別にメリットでも無いか…)
何気に初女性(？)である。いや中身は分からんけど。
「まー、ここ割と広いからなぁ…俺もそんな出くわさないし。」
ぶらぶらと歩いていたが、ほとんどクラスメイト(推定)には出会わなかった。
クラス全員、という訳では無いのか
【あいごころ。】
｢そう、あなたもなのね…｣
そういって少し逡巡したあと、また彼に話しかける。
｢そうね…少し歩きながらでいいから、情報交換した方がよさそう。そう思わないかしら？｣
そういって彼の目を見る。…本人的にはかっこよく、ミステリアスなイメージで見ているのだが些か、というより全く身長が足りずただの上目遣いになっているのだが。
｢ふふ、さて、ここて立ち話というのも勿体ないわ。軽く見回りながら話しましょ？｣
そう言って彼の前を歩もうとする…が、恐らく歩幅の関係で彼女とは全く速度が合わないだろう。
【トロンパ】
「おお…そうだな。」
何だかんだ言ってこういうちゃんとしたタイプには遭遇していない。情報交換も、特に断る理由が無かった。
(……なんか、小学校の教師になったような気分だな…)
とりあえず合わせてゆっくりと歩きながら、そんな事を考える。
決して女子のお誘いに心が揺れた訳では無い。無いよ？
【あいごころ。】
(…気の所為かしら。小学生扱いされてる気がするわ。)
実際あっているのだが、彼女自身まだ軍を抜く低身長…ロリであることに気づいていなかった。せいぜい視点が低くなったなあぐらいの感覚である。
そうして歩きながら情報交換、及び観光めいたことをしていると、ふと少女の目にある文字が飛び込んでくる。
『DXパフェ』
少し寂れたような喫茶店に上がっている旗に書かれた文字。それを見た少女は彼に向き直ると
｢…その、やっぱり落ち着いたところで話した方がゆっくり出来るんじゃないかしら？いや、別に食べたい訳じゃないのよ？ただ、ほら、やっは歩きながらだと脳が働かないというか、腹が減ってはなんとやらというか…｣
と言い始める。その視線はちらちらと旗に書かれた文字に書いてあり、誰がどう見ても少女がそれが気になっていると分かるだろう。恥ずかしいのだろうか。すこし少女の頬が赤らんでいる。
【トロンパ】
(こいつ、ほんとに同級生なのか…？かわい過ぎない？いやロリコン的な意味じゃなくて！公園ではしゃぐ子供を見てる時みたいなこの…いやほんとにコイツ同級生なの！？間違って小学生とか入って無い！？)
大分失礼な事を考えつつ、旗の方を確認する。
…ちょうど小腹も空いたし、入ろう。うん。ちょうど小腹も空いたしね。
「…そうだな。休憩がてら入ってみるか！」
そう言って、喫茶店のドアを開ける。
【あいごころ。】
｢ええ、そうね！入りましょう！｣
彼に続いて中に入る。適当な席に座り、平然とした態度でDXパフェを頼んだ…まあ、知らず知らずのうちに鼻歌を歌っていたり足をぶらぶらさせたりとどう見ても楽しみにしているのだが。
しばらくすると彼女の前にDXパフェなるものが置かれる。が、それは企画外の大きさであった。縦は器を合わせ50cmはあるだろうか。ふんだんに生クリームが使われておりそこにこれでもかと言うほどのバニラアイス、シリアル、マーブルチョコ、ポッキーが積まれている。そしてさらにチョコレートソースが生クリームの頂点からドバドバとかけられており、甘いものが苦手なものは見ただけで吐くのではないかというほどの逸品であった。
｢ふぁぁ…すごぃ…｣
彼女はそれに目を輝かせながら、右手でスプーンを取る。そしてそれを1口食べると…
｢おいしぃい！｣
とこれでもかと大きな声で言った。その様子はさながらお菓子を買ってもらえて喜ぶ幼女、と言ったところか。そんな目で見られてるであろう少女は驚くべき速度でパフェを消化していく。
【トロンパ】
「それは何よりで。」
店内を軽く見渡しながら、コーヒーを啜る。砂糖は4つ
(……なんていうか、ホントに旅行来てる気分だよなぁ…こうやってると)
実際はそんな生易しいものでは無いのだろう
そう思っているからこそ、そうでは無い理想を思い浮かべてしまうのかもしれない
「…そういえば、まだ名前聞いてなかったな。俺はトロンパ、そっちは？」
【あいごころ。】
既に食べ終わり、口をナプキンで拭く。そして彼女は
｢そうね…あいごころ。とでも名乗りましょう。心と呼んでくれればいいわ。｣
そう返す。そしてさて、と呟くと彼女は彼…トロンパを睨むと
｢ひとつ聞くわ。この状況を作ったのはあなただったりするかしら？｣
そう言った。その目には先程までのお気楽な雰囲気はなく、ただただ冷酷な目がそこにはあった。
【トロンパ】
「…だったら、こんなとこで呑気にコーヒーなんてすすらねぇよ。」
急に空気が変わった
…やはり、コイツもクラスメイトらしい。
「あいごころ、か…まあ、なんかあったら連絡くれよ。こんな状況だと、急に頭おかしくなったりするやつもいるかもしれないし。」
【あいごころ。】
｢…そう。今はその言葉、信じることにするわ。｣
そう言って彼女は席を立つ。先程までのお気楽な態度はどこにもなく、どこか暗黒めいた、そこを覗かせないような目でトロンパを見る。
｢名を呼ばれたら死ぬ、らしいわね。正直そんなことありえないと切り捨てることも可能だけれども…姿形をわざわざ変えるほどだもの。なにかよからぬ事が起きそうではあるわね。｣
そう言って口を三日月形に曲げる。狐面を触り、クスクスと笑ってみせる。
｢何かあれば連絡しろ、ね。その『何か』が起こらないことを祈るわ。｣
そう言って彼女は立ち去っていく。
【トロンパ】
「そうだな…」
この状況で考えられる最悪は-
(…いや。よそう。考えると実現するっていうしな。)
「……こっちも、それを願うよ。」
そう言って、去っていく彼女を見送る。
【トロンパ】
さて、ピエロと別れて暫く。今度はもう少しじっくりと商店街を見て回っていた。
「…魚屋、八百屋、肉屋…服屋もあるな。…サイズ合うやつあれば変えようかな…」
そんな事を呟きながら店のショーウィンドウを見る。
(…この身長だと、屈まないと入れない店とかあるかもな…)
ショーウィンドウのガラスに映る自分の姿を見ながら、そんな事を考える。
【あいごころ。】
｢…あら、あなたも俗に言う観光、かしら？｣
そんな彼に話しかける少女が一人。その少女は黒い着物を着て、顔の半分を狐の面で覆っている黒髪の少女だった。
｢やっと私以外の人を発見したわ…私以外誰もいないんじゃないかと思ったの。｣
そういって彼女はクスッと口に手を当てて笑った。
【トロンパ】
「……まあ、そんなとこだな。」
声がやたら下の方から聞こえてきたので、一瞬返事が遅れる。
(あ、普通にかわいい…成る程、こういうメリットもあるのか…？いや別にメリットでも無いか…)
何気に初女性(？)である。いや中身は分からんけど。
「まー、ここ割と広いからなぁ…俺もそんな出くわさないし。」
ぶらぶらと歩いていたが、ほとんどクラスメイト(推定)には出会わなかった。
クラス全員、という訳では無いのか
【あいごころ。】
｢そう、あなたもなのね…｣
そういって少し逡巡したあと、また彼に話しかける。
｢そうね…少し歩きながらでいいから、情報交換した方がよさそう。そう思わないかしら？｣
そういって彼の目を見る。…本人的にはかっこよく、ミステリアスなイメージで見ているのだが些か、というより全く身長が足りずただの上目遣いになっているのだが。
｢ふふ、さて、ここて立ち話というのも勿体ないわ。軽く見回りながら話しましょ？｣
そう言って彼の前を歩もうとする…が、恐らく歩幅の関係で彼女とは全く速度が合わないだろう。
【トロンパ】
「おお…そうだな。」
何だかんだ言ってこういうちゃんとしたタイプには遭遇していない。情報交換も、特に断る理由が無かった。
(……なんか、小学校の教師になったような気分だな…)
とりあえず合わせてゆっくりと歩きながら、そんな事を考える。
決して女子のお誘いに心が揺れた訳では無い。無いよ？
【あいごころ。】
(…気の所為かしら。小学生扱いされてる気がするわ。)
実際あっているのだが、彼女自身まだ軍を抜く低身長…ロリであることに気づいていなかった。せいぜい視点が低くなったなあぐらいの感覚である。
そうして歩きながら情報交換、及び観光めいたことをしていると、ふと少女の目にある文字が飛び込んでくる。
『DXパフェ』
少し寂れたような喫茶店に上がっている旗に書かれた文字。それを見た少女は彼に向き直ると
｢…その、やっぱり落ち着いたところで話した方がゆっくり出来るんじゃないかしら？いや、別に食べたい訳じゃないのよ？ただ、ほら、やっは歩きながらだと脳が働かないというか、腹が減ってはなんとやらというか…｣
と言い始める。その視線はちらちらと旗に書かれた文字に書いてあり、誰がどう見ても少女がそれが気になっていると分かるだろう。恥ずかしいのだろうか。すこし少女の頬が赤らんでいる。
【トロンパ】
(こいつ、ほんとに同級生なのか…？かわい過ぎない？いやロリコン的な意味じゃなくて！公園ではしゃぐ子供を見てる時みたいなこの…いやほんとにコイツ同級生なの！？間違って小学生とか入って無い！？)
大分失礼な事を考えつつ、旗の方を確認する。
…ちょうど小腹も空いたし、入ろう。うん。ちょうど小腹も空いたしね。
「…そうだな。休憩がてら入ってみるか！」
そう言って、喫茶店のドアを開ける。
【あいごころ。】
｢ええ、そうね！入りましょう！｣
彼に続いて中に入る。適当な席に座り、平然とした態度でDXパフェを頼んだ…まあ、知らず知らずのうちに鼻歌を歌っていたり足をぶらぶらさせたりとどう見ても楽しみにしているのだが。
しばらくすると彼女の前にDXパフェなるものが置かれる。が、それは企画外の大きさであった。縦は器を合わせ50cmはあるだろうか。ふんだんに生クリームが使われておりそこにこれでもかと言うほどのバニラアイス、シリアル、マーブルチョコ、ポッキーが積まれている。そしてさらにチョコレートソースが生クリームの頂点からドバドバとかけられており、甘いものが苦手なものは見ただけで吐くのではないかというほどの逸品であった。
｢ふぁぁ…すごぃ…｣
彼女はそれに目を輝かせながら、右手でスプーンを取る。そしてそれを1口食べると…
｢おいしぃい！｣
とこれでもかと大きな声で言った。その様子はさながらお菓子を買ってもらえて喜ぶ幼女、と言ったところか。そんな目で見られてるであろう少女は驚くべき速度でパフェを消化していく。
【トロンパ】
「それは何よりで。」
店内を軽く見渡しながら、コーヒーを啜る。砂糖は4つ
(……なんていうか、ホントに旅行来てる気分だよなぁ…こうやってると)
実際はそんな生易しいものでは無いのだろう
そう思っているからこそ、そうでは無い理想を思い浮かべてしまうのかもしれない
「…そういえば、まだ名前聞いてなかったな。俺はトロンパ、そっちは？」
【あいごころ。】
既に食べ終わり、口をナプキンで拭く。そして彼女は
｢そうね…あいごころ。とでも名乗りましょう。心と呼んでくれればいいわ。｣
そう返す。そしてさて、と呟くと彼女は彼…トロンパを睨むと
｢ひとつ聞くわ。この状況を作ったのはあなただったりするかしら？｣
そう言った。その目には先程までのお気楽な雰囲気はなく、ただただ冷酷な目がそこにはあった。
【トロンパ】
「…だったら、こんなとこで呑気にコーヒーなんてすすらねぇよ。」
急に空気が変わった
…やはり、コイツもクラスメイトらしい。
「あいごころ、か…まあ、なんかあったら連絡くれよ。こんな状況だと、急に頭おかしくなったりするやつもいるかもしれないし。」
【あいごころ。】
｢…そう。今はその言葉、信じることにするわ。｣
そう言って彼女は席を立つ。先程までのお気楽な態度はどこにもなく、どこか暗黒めいた、そこを覗かせないような目でトロンパを見る。
｢名を呼ばれたら死ぬ、らしいわね。正直そんなことありえないと切り捨てることも可能だけれども…姿形をわざわざ変えるほどだもの。なにかよからぬ事が起きそうではあるわね。｣
そう言って口を三日月形に曲げる。狐面を触り、クスクスと笑ってみせる。
｢何かあれば連絡しろ、ね。その『何か』が起こらないことを祈るわ。｣
そう言って彼女は立ち去っていく。
【トロンパ】
「そうだな…」
この状況で考えられる最悪は-
(…いや。よそう。考えると実現するっていうしな。)
「……こっちも、それを願うよ。」
そう言って、去っていく彼女を見送る。
ロリとロリコンのドタバタ混浴！ポロリはないよ 12th-17th
トロンパ(12th)-エム(17th)
【トロンパ】
〜温泉〜
「ふぅ…」
あちこち回ってやや疲れた身体が癒される。
あちこち見て回って出した結論は、「とりあえずのんびりしとこ」だった。
特にすることも無いし
「…やっぱ、温泉はいいなー。なんて言うか、こう…温泉だ。」
詩的な表現をしかけたが、特に何も思いつかずに適当な事を述べる。
【エム】
「〜〜♪」
その日、わたしはすこしはしゃぎすぎてしまったのです。
雪だー！！ と遊び回り、雪だるまだー！！ と雪を転がし、犬だぁぁぁぁぁあ！！？？ と逃げ回り。
そんなことを、思いっきりやってしまったのです。
…………ワンピースという薄着のまま。
気がついたときには、手はかじかんでいるわ、もはや寒くも感じないわ、そもそも感覚薄れてきてるわと、なかなかにひどい状態。
じぶんのことながら、何でこんなことしたのか、わかりませんでした。
とりあえず、このままだとまずいからと、適当に歩き回り、最終的にたどり着いたこの場所で、『温泉』の二文字が見えたときには、それはもう飛び上がるほど嬉しくなりました。
近くのベンチに小指をぶつけて、悶絶しながら脱衣所へと入って、ポンポーンと、ワンピース下着もろもろを脱ぎ捨てて、がらがらと、浴場の扉を開け放ちました。
多分、私は寒いやらいたいやらで、見落としていたのでしょう。
「………………あっ」
――――そこが、男湯であったことを。
【トロンパ】
「ん？」
音を聞いて、他の客が来たかと思う。
…自分が言うのもなんだが、こんな状況で温泉にのんびりと浸かっていられるというのは中々に強者だと思う。
「………は？」
音の方向に目を向けると、そこには一糸纏わぬ女児の姿が。
(………ここの運営はロリコンなのか？)
成る程、だからさっきの少女も…と、やや現実逃避気味な事を考えつつ
(…いやまずいだろコレは！)
ここでようやく顔を逸らす。
ちょっと遅くない？
【エム】
きっとこれは、俗に言う[やっちまった]というやつなんでしょう。
前にいるお兄さんも、思いっきり目をそらしてしまいましたし、何かいけなかったんだろうと、考えればすぐに結論に思い至りました。
「…………おにいさん、ごめんなさい……」
わたしはすぐに謝りました。
これはお兄さんも怒ってしまって当然です。
それくらいのことを、してしまったのですから。
「…………エムみたいな貧相な体……お目汚しもいいところでしたよね…………お兄さんには、もっとないすばでーなお姉さんがよかったですよね…………」
お兄さんのことを見れば、それなりに大人な見た目ですし。
大人なお兄さんが、わたしの体見ても喜ぶわけないですし。
あまり気にしないようにと思っていましたが、勢いよく顔を背けられたのが、思いの外ショックだったようで。
わりと落ち込みまくった、テンション低めな声で、そう返事をしました。
【トロンパ】
「ぇえ…？」
何を言ってるんだコイツは
というかこいつもクラスメイトなんだよな？
コレで中身男とかだったらもう色々とアレすぎるぞ
「…いや、別にそっちの身体どうこうじゃなくてだな…ガン見するのは色々と問題があるように感じたから目を逸らしたというかなんというか…」
さて。ほんとうに中身パァー(^q^)なら恐らく…
【エム】
「……はぇ？」
つまり、エムの体は関係ないってことでしょうか。
そーいえば、男の人はあまり女の人の姿を見ない、なんて話も聞きますし……まぁ、そういうことなんでしょう。
「えへへ〜……これはとんだ勘違いを〜」
そうと分かればエムもわざわざ落ち込んでる暇もありませんし、とりあえず笑って誤魔化すことにしましょう。
……どうせならもうちょっとましな体が良かったけどね。
【トロンパ】
「お、おう…」
なんだかよく分からんがどうにかなったらしい
(見た目どうりだったらまだ対応できるんだが、中身クラスメイトって知ってるとな…)
誰だよこんなに精神年齢幼いやつ
「……あー、まぁその、なんだ。そんな所にいつまでもいたんじゃ寒いだろうし、どっか適当に入ったらどうだ？」
取り敢えずそう言っておく。なんなら先に風呂から出ようか、などと考えつつ
【エム】
「あ、それじゃあお言葉に甘えて〜」
相変わらずえへへ〜と笑いながら、軽く体を流してから湯船の方へと向かいます。
いやほんと、なんであんな薄着で雪の中で遊んでたのかよく分かりません。
絶対寝ぼけてましたよあれ。
…………本当に、寒いのなんの。あれは死ぬ。
「……ふわぁ〜…………」
そしてそのまま、お兄さんの真隣から湯船に入りました。
あー……生き返るー……
さっきまでの寒さが嘘のように、身体中ぽぽかして、本当に生き返るような感じがしました。
お風呂バンザイ。
【エム】
「………」
何故隣にクゥル？
いや隣に女子がいる温泉とかシチュ的にはかなりいいのだろう。ロリだが
(……それをわざわざこの場でやるか？あ、分かった、コイツ多分中身男とかそんなんだなうん！)
やや思考をそらすことで理性を保つ
「…そういえば、まだ名乗って無かったな。えーと、トロンパって呼んでくれ」
【エム】
「……？ エムはエムっていいます、よろしくお願いしますね〜」
きっと自己紹介してくれるってことは、さっきのも許してくれたんでしょう。
良かった良かった、万事解決です。
このお兄さんは、トロンパさんと言うんですか……
……ほんと、本名バレれば死ぬだなんて悪趣味なルールだよ。
「……そういえばトロンパお兄さん。少しきになったんですけどね？
いまって、なんとなくすごいかんじですよね」
雪国にぽつんと放置されて、本名バレたら死んでしまうバカンス。
状況的にも、場所的にも。
……サスペンスもびっくりだよね、これ。
【トロンパ】
「…そうだな…エライ事になったもんだ…。」
なんせ隣に130ちょいの女の子がいる。温泉で。
エライ事になった
(いやいや、そうじゃないそうじゃない…)
「何が起こるか、分かんないもんな…」
【エム】
「エムは、嫌な予感がするのですよ。名前呼んだら死んじゃうなんて、怖いですし」
このあとなにか起こりそう、という言葉はさすがに飲み込んで。
うーんと一つ伸びをして、体を弛緩させる。
本名がバレたら怖いな、という思いを隠すように。
…………まぁ、誰もわからないだろうけど。
【トロンパ】
「まあ、なぁ…」
曖昧な返事を返す。
…はっきりとした事を言うと、「何か」が決まってしまいそうで。
「…そろそろ上がるか。のぼせるとアレだし。」
【エム】
「お兄さん、エムが来る前から入ってましたしねぇ……のぼせちゃうかもですからねぇ……」
そうなってしまっては、エムとしても本意ではありません。
最初に会った人ですから、目の前で倒れてしまっても困ります。
…………こんなでかいの運べる気もしないし。
「それじゃあ、私はもう少し温まってから行きますねぇ。またどこかでお会いしましょう〜」
そう言って、手を振り別れを告げた。
あんなに寒かったんだから、もっとしっかりあたたまっていたいのです。
…………割とマジで。
【トロンパ】
「おう。なんかあったら連絡してくれ」
そう言って、ザバーっと風呂から出る。
安心してください、タオルがありますよ！
そうして、温泉から出て行くのであった
(コーヒー牛乳でも飲むか)
【トロンパ】
〜温泉〜
「ふぅ…」
あちこち回ってやや疲れた身体が癒される。
あちこち見て回って出した結論は、「とりあえずのんびりしとこ」だった。
特にすることも無いし
「…やっぱ、温泉はいいなー。なんて言うか、こう…温泉だ。」
詩的な表現をしかけたが、特に何も思いつかずに適当な事を述べる。
【エム】
「〜〜♪」
その日、わたしはすこしはしゃぎすぎてしまったのです。
雪だー！！ と遊び回り、雪だるまだー！！ と雪を転がし、犬だぁぁぁぁぁあ！！？？ と逃げ回り。
そんなことを、思いっきりやってしまったのです。
…………ワンピースという薄着のまま。
気がついたときには、手はかじかんでいるわ、もはや寒くも感じないわ、そもそも感覚薄れてきてるわと、なかなかにひどい状態。
じぶんのことながら、何でこんなことしたのか、わかりませんでした。
とりあえず、このままだとまずいからと、適当に歩き回り、最終的にたどり着いたこの場所で、『温泉』の二文字が見えたときには、それはもう飛び上がるほど嬉しくなりました。
近くのベンチに小指をぶつけて、悶絶しながら脱衣所へと入って、ポンポーンと、ワンピース下着もろもろを脱ぎ捨てて、がらがらと、浴場の扉を開け放ちました。
多分、私は寒いやらいたいやらで、見落としていたのでしょう。
「………………あっ」
――――そこが、男湯であったことを。
【トロンパ】
「ん？」
音を聞いて、他の客が来たかと思う。
…自分が言うのもなんだが、こんな状況で温泉にのんびりと浸かっていられるというのは中々に強者だと思う。
「………は？」
音の方向に目を向けると、そこには一糸纏わぬ女児の姿が。
(………ここの運営はロリコンなのか？)
成る程、だからさっきの少女も…と、やや現実逃避気味な事を考えつつ
(…いやまずいだろコレは！)
ここでようやく顔を逸らす。
ちょっと遅くない？
【エム】
きっとこれは、俗に言う[やっちまった]というやつなんでしょう。
前にいるお兄さんも、思いっきり目をそらしてしまいましたし、何かいけなかったんだろうと、考えればすぐに結論に思い至りました。
「…………おにいさん、ごめんなさい……」
わたしはすぐに謝りました。
これはお兄さんも怒ってしまって当然です。
それくらいのことを、してしまったのですから。
「…………エムみたいな貧相な体……お目汚しもいいところでしたよね…………お兄さんには、もっとないすばでーなお姉さんがよかったですよね…………」
お兄さんのことを見れば、それなりに大人な見た目ですし。
大人なお兄さんが、わたしの体見ても喜ぶわけないですし。
あまり気にしないようにと思っていましたが、勢いよく顔を背けられたのが、思いの外ショックだったようで。
わりと落ち込みまくった、テンション低めな声で、そう返事をしました。
【トロンパ】
「ぇえ…？」
何を言ってるんだコイツは
というかこいつもクラスメイトなんだよな？
コレで中身男とかだったらもう色々とアレすぎるぞ
「…いや、別にそっちの身体どうこうじゃなくてだな…ガン見するのは色々と問題があるように感じたから目を逸らしたというかなんというか…」
さて。ほんとうに中身パァー(^q^)なら恐らく…
【エム】
「……はぇ？」
つまり、エムの体は関係ないってことでしょうか。
そーいえば、男の人はあまり女の人の姿を見ない、なんて話も聞きますし……まぁ、そういうことなんでしょう。
「えへへ〜……これはとんだ勘違いを〜」
そうと分かればエムもわざわざ落ち込んでる暇もありませんし、とりあえず笑って誤魔化すことにしましょう。
……どうせならもうちょっとましな体が良かったけどね。
【トロンパ】
「お、おう…」
なんだかよく分からんがどうにかなったらしい
(見た目どうりだったらまだ対応できるんだが、中身クラスメイトって知ってるとな…)
誰だよこんなに精神年齢幼いやつ
「……あー、まぁその、なんだ。そんな所にいつまでもいたんじゃ寒いだろうし、どっか適当に入ったらどうだ？」
取り敢えずそう言っておく。なんなら先に風呂から出ようか、などと考えつつ
【エム】
「あ、それじゃあお言葉に甘えて〜」
相変わらずえへへ〜と笑いながら、軽く体を流してから湯船の方へと向かいます。
いやほんと、なんであんな薄着で雪の中で遊んでたのかよく分かりません。
絶対寝ぼけてましたよあれ。
…………本当に、寒いのなんの。あれは死ぬ。
「……ふわぁ〜…………」
そしてそのまま、お兄さんの真隣から湯船に入りました。
あー……生き返るー……
さっきまでの寒さが嘘のように、身体中ぽぽかして、本当に生き返るような感じがしました。
お風呂バンザイ。
【エム】
「………」
何故隣にクゥル？
いや隣に女子がいる温泉とかシチュ的にはかなりいいのだろう。ロリだが
(……それをわざわざこの場でやるか？あ、分かった、コイツ多分中身男とかそんなんだなうん！)
やや思考をそらすことで理性を保つ
「…そういえば、まだ名乗って無かったな。えーと、トロンパって呼んでくれ」
【エム】
「……？ エムはエムっていいます、よろしくお願いしますね〜」
きっと自己紹介してくれるってことは、さっきのも許してくれたんでしょう。
良かった良かった、万事解決です。
このお兄さんは、トロンパさんと言うんですか……
……ほんと、本名バレれば死ぬだなんて悪趣味なルールだよ。
「……そういえばトロンパお兄さん。少しきになったんですけどね？
いまって、なんとなくすごいかんじですよね」
雪国にぽつんと放置されて、本名バレたら死んでしまうバカンス。
状況的にも、場所的にも。
……サスペンスもびっくりだよね、これ。
【トロンパ】
「…そうだな…エライ事になったもんだ…。」
なんせ隣に130ちょいの女の子がいる。温泉で。
エライ事になった
(いやいや、そうじゃないそうじゃない…)
「何が起こるか、分かんないもんな…」
【エム】
「エムは、嫌な予感がするのですよ。名前呼んだら死んじゃうなんて、怖いですし」
このあとなにか起こりそう、という言葉はさすがに飲み込んで。
うーんと一つ伸びをして、体を弛緩させる。
本名がバレたら怖いな、という思いを隠すように。
…………まぁ、誰もわからないだろうけど。
【トロンパ】
「まあ、なぁ…」
曖昧な返事を返す。
…はっきりとした事を言うと、「何か」が決まってしまいそうで。
「…そろそろ上がるか。のぼせるとアレだし。」
【エム】
「お兄さん、エムが来る前から入ってましたしねぇ……のぼせちゃうかもですからねぇ……」
そうなってしまっては、エムとしても本意ではありません。
最初に会った人ですから、目の前で倒れてしまっても困ります。
…………こんなでかいの運べる気もしないし。
「それじゃあ、私はもう少し温まってから行きますねぇ。またどこかでお会いしましょう〜」
そう言って、手を振り別れを告げた。
あんなに寒かったんだから、もっとしっかりあたたまっていたいのです。
…………割とマジで。
【トロンパ】
「おう。なんかあったら連絡してくれ」
そう言って、ザバーっと風呂から出る。
安心してください、タオルがありますよ！
そうして、温泉から出て行くのであった
(コーヒー牛乳でも飲むか)
食えぬ食わせぬとちょっとしたドジ 20th-23rd
あいごころ。(20th)-海月(23rd)
【あいごころ。】
(ふむ、生活に不便な所はなさそう？こんな大掛かりなステージ用意するのだから身代金の要求…でもないでしょうし。)
少女はそんな考え事をしながら探索を続けていくとある建物を発見する。
｢ここは…工場、かしら？｣
そう呟いてよくよくこの工場らしき建物の観察をする。どうやらもう稼働していないようで、中に人の気配は感じられない。それどころかなんの工場だったかすらわからなかった。
｢…ここもステージ、なのかしら｣
多分そうなのだろう。と、少女は自分の中で自問自答する。一体中に何があるか。少しの好奇心と一緒に中に入っていく。
【海月】
「んっ…あれは……第二村人発見かな？」
背丈が異様に低い女の子。恐らく彼女もここに"連れてこられた"のか、はたまた"連れてきた"方なのか。
この際見た目での甲乙は付けられない。
というか、いくら何でもずかずかと入るのは不用心なんじゃないかと思ったり、思わなかったり。
そんな無防備な背中見せられたらさぁ……
「尾行、するしかないよね？」
少女についていく形で、こそっと工場の内部へと足を踏み入れた。
【あいごころ。】
中に入っていくと、古びたガラスが散乱しているのが見えた。恐らく風化により砕けたのだろう。少女はガラスを避けながら中に入っていった。
｢…これは…ナイフかしら。随分と新しいわね。｣
声が工場内に響く。トンネルを思わせるこの音響に、自分が今一人であり、無警戒に建物の中入ってしまったこのに遅まきながら気づく。
(これは…少しまずいかしら。)
恐らくこの凶器はもともとあったものでは無いだろう。それほどまでにこのナイフは『新しいもの』であった。まるで誰かが用意したかのような…
｢もう少し探索するべきかしら…いや、それとも…｣
少女の声が反響していく…。
【海月】
少女の様子を遠巻きに眺めてはいれど、さてどうしたものか。
この工場、元はまるで使い古して風化したかのような見栄えなのに、中に散乱している物の中には不自然すぎるものがたくさん入っている。
どこへ向けての周到な準備なのかは大体予想がつくけれど、雲行きが怪しくなっては来た。
目の前の少女も少女で物騒な物を手にしているし。すぐに振るいはしないだろうけど、まあ危なくはあるよね。怖い怖い。
ただ"何もしない"わけにはいかない。尾行らしく音を立てず、不用心に反響を続ける少女の真後ろまで来て。
「……だーっれだ！」
ばっ、と手で両目を覆い隠す。小学生がよくやるアレを初対面の人物に堂々とやった。
【あいごころ。】
｢…っ？！！｣
突然のことに声を出せないほど驚いた。反射的に目をおおってるであろうものを振りほどき、小学生のようなイタズラをやってのけた犯人に対峙する。狐面を押さえ、ズレていないかを確認。それと同時に犯人を睨む。
｢…いきなり何のようかしら。名も知らない誰かさん。｣
失敗した。間違いなくそうであろう。少女はもっと警戒するべきだったと後悔すると同時に相手の観察に務める。手には牽制するようにナイフを突きつけて。
【海月】
「うわっ、怖い怖い。ちょっとー、そんなに嫌がるとは思わなかったんだって。まずその物騒なもの仕舞おうよー！
というか、キミがそうやって無防備にしてるのが良くないと思うよ？襲ってくださいって言ってるようなもんじゃん！
むしろオレが問答無用で襲い掛からなかった事に感謝してほしいくらいだよね！」
とりあえずは収穫在り、か。まず見た目相応の性格の人間ととらえるのはやめた方がいいね。
さっきの反応の速さからしても、言動からしても。
ただ、彼女も正直食えなさそうな人間だな。実験に使うのはダメと。
…ま、弄り甲斐はありそうだしいいか。少し揺さぶってみよう。
「てか、まず人の事をいきなり名も知らない誰かさんって言ってナイフ向ける方が無礼講だと思うんだけどさ！
オレにはちゃーんと海月って名前があるんだからね！もちろん偽名だよ！」
【あいごころ。】
｢…ご忠告どうも。以後気をつけるとするわ。海月さん｣
ナイフを向けて慌てたような反応をしている、が怯えてる様子はない相手に少女はさらに警戒心を強める。
(恐らくこの様子だと尾行されてたかしら？足音がなかった所からして足音を殺してきたのは明白ね。いまさっき見つけた、って様子では無いし…それに目線も外さない。…面倒な相手ね。)
少女は狐面を触る。そして軽く深呼吸すると
｢私も自己紹介はしておこうかしら。名前はあいごころ。…今後ともよろしく。｣
そういって軽く頬を上げ、クスッと笑ってみせる。
【海月】
「……ふーん。オレと同族の、人間観察がシュミって感じかな？まあいいや。
あいごころー…じゃあこころちゃんでいっか。こころちゃん、以後よろしくね！」
表面上は笑顔。正直、もう少し動揺してくれるかと思ったのにすかした気分ではある。
まあ、驚かれてばっかもつまんないしいいのだけれど。
それにしても、彼女は気付いているのだろうか？ああ、その前に、クロかシロかの判別を付けなければいけない。
ここは正直言って探索範囲が広すぎる。恐らく、それに見合った人数はいるだろう。
…一つ心当たりはあるけれどそれはまず置いておく。まずは情報集め、と相手の判別が先か。
「で、単刀直入に聞くけどさ。キミもここに連れてこられちゃった人だよね？
オレ、まだそこまーで探索してないからさぁ、誰かの情報〜とかあったら知りたいなーって思ってるんだけど！」
【あいごころ。】
｢他の人の情報、ね。それを公開することによって私にメリットはあるのかしら？｣
直ぐには襲ってこない。ということは相手もここでは何もしないという意思表示と見ていいだろう。少女はそう考えると、さらに言葉を重ねた。
｢それにたとえ教えたとしても『あなたが求めてる情報』は出てこないと思うわよ？｣
あえてそう揺さぶりかけてみる。口元の笑みを絶やさぬようにしながらクスクスと笑う。
(さて、こちらも白黒つけておきたいわね…こういう相手は、本当に面倒だから早めに…ね。)
【海月】
「公開することによる、メリット、かぁー……
…オレからの敵愾心を買わないってところがメリットかな！」
事実、今はまだ何もしてこないかもしれないが、いきなり連れてきて殺すだのどうだのと言ったルールを設ける輩がまともなことをしてくるはずはない。
…なら、何が出てきてもいいように、今は"敵を作りたくない"って考えるのが普通の人なんじゃない？オレは違うけど。
それに、相手もこちらの出方を窺って何もしてこないってことは、それだけで、後手に出たくないって念があふれ出てるように感じるし。それだけで情報になる。
もう一つ、求めている情報。
総じて言うと、今は求めている情報も何も、現地で彼女が何を見たか聞いたかを知りたいだけなんだけど。
…流石に、そう簡単には乗ってくれないかな？ま、今はこれで良しとするか。
「まあでも、こころちゃんがそこまで教えたくなーいって言うなら無理には聞き出さないことにするね！
…次に会う時は、情報を聞きに来たか殺しに来たかどっちかだから。覚えておいた方がいいよ？」
笑みには笑みで返す。おもむろに足を出口へ動かして、最後にちょっとだけ出方でも見てみようか。
【あいごころ。】
｢あら、物騒なことをいうのね…そういう時が来ないことを祈ろうかしら。｣
そういって返す。上手くきりぬけた、という訳ではなさそうだ。特に揺さぶって見たとしても帰ってきたのは平然とした反応。恐らく予想してたか、こちらが見当違いな反応を見せてしまったか…といったところか。少女は思考する。海月は信用たる人物か。恐らくあのように話しかけたのはこの人物がただ単に情報を、欲してたからではないか。そもそも黒ならここで相手の不興を買うようなまねをするだろうか…頭の中で情報を整理していく。
｢…ここは特に何もなさそうね。私はそろそろお暇するわ。｣
在り来りな言葉でこの場を脱しようと歩み出す。その間にも頭の中は情報の整理で忙しかった。…だから、だろう。足元のブロックに気づかなかったのは。
そう。少女は歩き出した途端、盛大に転んだ。
【海月】
「…………うん」
ホテルにでも戻ろうと思ったら何故か少女が転んでいた。
流石にこれはオレ関係ない、ただのこころちゃんの失態だから仕方ないよね。残念だったね！！
あ、でも証拠は貰っていくよ。なんかに使えたらいいじゃん！
さり気なく、転んだ少女の姿を写真に収めつつ…このことでうだうだと何かを言われるのも面倒なので、先に逃げることにした。
流石にそこまで鬼ではないので何も言わないでおいた。オレってば優しいよね。
【あいごころ。】
(ふむ、生活に不便な所はなさそう？こんな大掛かりなステージ用意するのだから身代金の要求…でもないでしょうし。)
少女はそんな考え事をしながら探索を続けていくとある建物を発見する。
｢ここは…工場、かしら？｣
そう呟いてよくよくこの工場らしき建物の観察をする。どうやらもう稼働していないようで、中に人の気配は感じられない。それどころかなんの工場だったかすらわからなかった。
｢…ここもステージ、なのかしら｣
多分そうなのだろう。と、少女は自分の中で自問自答する。一体中に何があるか。少しの好奇心と一緒に中に入っていく。
【海月】
「んっ…あれは……第二村人発見かな？」
背丈が異様に低い女の子。恐らく彼女もここに"連れてこられた"のか、はたまた"連れてきた"方なのか。
この際見た目での甲乙は付けられない。
というか、いくら何でもずかずかと入るのは不用心なんじゃないかと思ったり、思わなかったり。
そんな無防備な背中見せられたらさぁ……
「尾行、するしかないよね？」
少女についていく形で、こそっと工場の内部へと足を踏み入れた。
【あいごころ。】
中に入っていくと、古びたガラスが散乱しているのが見えた。恐らく風化により砕けたのだろう。少女はガラスを避けながら中に入っていった。
｢…これは…ナイフかしら。随分と新しいわね。｣
声が工場内に響く。トンネルを思わせるこの音響に、自分が今一人であり、無警戒に建物の中入ってしまったこのに遅まきながら気づく。
(これは…少しまずいかしら。)
恐らくこの凶器はもともとあったものでは無いだろう。それほどまでにこのナイフは『新しいもの』であった。まるで誰かが用意したかのような…
｢もう少し探索するべきかしら…いや、それとも…｣
少女の声が反響していく…。
【海月】
少女の様子を遠巻きに眺めてはいれど、さてどうしたものか。
この工場、元はまるで使い古して風化したかのような見栄えなのに、中に散乱している物の中には不自然すぎるものがたくさん入っている。
どこへ向けての周到な準備なのかは大体予想がつくけれど、雲行きが怪しくなっては来た。
目の前の少女も少女で物騒な物を手にしているし。すぐに振るいはしないだろうけど、まあ危なくはあるよね。怖い怖い。
ただ"何もしない"わけにはいかない。尾行らしく音を立てず、不用心に反響を続ける少女の真後ろまで来て。
「……だーっれだ！」
ばっ、と手で両目を覆い隠す。小学生がよくやるアレを初対面の人物に堂々とやった。
【あいごころ。】
｢…っ？！！｣
突然のことに声を出せないほど驚いた。反射的に目をおおってるであろうものを振りほどき、小学生のようなイタズラをやってのけた犯人に対峙する。狐面を押さえ、ズレていないかを確認。それと同時に犯人を睨む。
｢…いきなり何のようかしら。名も知らない誰かさん。｣
失敗した。間違いなくそうであろう。少女はもっと警戒するべきだったと後悔すると同時に相手の観察に務める。手には牽制するようにナイフを突きつけて。
【海月】
「うわっ、怖い怖い。ちょっとー、そんなに嫌がるとは思わなかったんだって。まずその物騒なもの仕舞おうよー！
というか、キミがそうやって無防備にしてるのが良くないと思うよ？襲ってくださいって言ってるようなもんじゃん！
むしろオレが問答無用で襲い掛からなかった事に感謝してほしいくらいだよね！」
とりあえずは収穫在り、か。まず見た目相応の性格の人間ととらえるのはやめた方がいいね。
さっきの反応の速さからしても、言動からしても。
ただ、彼女も正直食えなさそうな人間だな。実験に使うのはダメと。
…ま、弄り甲斐はありそうだしいいか。少し揺さぶってみよう。
「てか、まず人の事をいきなり名も知らない誰かさんって言ってナイフ向ける方が無礼講だと思うんだけどさ！
オレにはちゃーんと海月って名前があるんだからね！もちろん偽名だよ！」
【あいごころ。】
｢…ご忠告どうも。以後気をつけるとするわ。海月さん｣
ナイフを向けて慌てたような反応をしている、が怯えてる様子はない相手に少女はさらに警戒心を強める。
(恐らくこの様子だと尾行されてたかしら？足音がなかった所からして足音を殺してきたのは明白ね。いまさっき見つけた、って様子では無いし…それに目線も外さない。…面倒な相手ね。)
少女は狐面を触る。そして軽く深呼吸すると
｢私も自己紹介はしておこうかしら。名前はあいごころ。…今後ともよろしく。｣
そういって軽く頬を上げ、クスッと笑ってみせる。
【海月】
「……ふーん。オレと同族の、人間観察がシュミって感じかな？まあいいや。
あいごころー…じゃあこころちゃんでいっか。こころちゃん、以後よろしくね！」
表面上は笑顔。正直、もう少し動揺してくれるかと思ったのにすかした気分ではある。
まあ、驚かれてばっかもつまんないしいいのだけれど。
それにしても、彼女は気付いているのだろうか？ああ、その前に、クロかシロかの判別を付けなければいけない。
ここは正直言って探索範囲が広すぎる。恐らく、それに見合った人数はいるだろう。
…一つ心当たりはあるけれどそれはまず置いておく。まずは情報集め、と相手の判別が先か。
「で、単刀直入に聞くけどさ。キミもここに連れてこられちゃった人だよね？
オレ、まだそこまーで探索してないからさぁ、誰かの情報〜とかあったら知りたいなーって思ってるんだけど！」
【あいごころ。】
｢他の人の情報、ね。それを公開することによって私にメリットはあるのかしら？｣
直ぐには襲ってこない。ということは相手もここでは何もしないという意思表示と見ていいだろう。少女はそう考えると、さらに言葉を重ねた。
｢それにたとえ教えたとしても『あなたが求めてる情報』は出てこないと思うわよ？｣
あえてそう揺さぶりかけてみる。口元の笑みを絶やさぬようにしながらクスクスと笑う。
(さて、こちらも白黒つけておきたいわね…こういう相手は、本当に面倒だから早めに…ね。)
【海月】
「公開することによる、メリット、かぁー……
…オレからの敵愾心を買わないってところがメリットかな！」
事実、今はまだ何もしてこないかもしれないが、いきなり連れてきて殺すだのどうだのと言ったルールを設ける輩がまともなことをしてくるはずはない。
…なら、何が出てきてもいいように、今は"敵を作りたくない"って考えるのが普通の人なんじゃない？オレは違うけど。
それに、相手もこちらの出方を窺って何もしてこないってことは、それだけで、後手に出たくないって念があふれ出てるように感じるし。それだけで情報になる。
もう一つ、求めている情報。
総じて言うと、今は求めている情報も何も、現地で彼女が何を見たか聞いたかを知りたいだけなんだけど。
…流石に、そう簡単には乗ってくれないかな？ま、今はこれで良しとするか。
「まあでも、こころちゃんがそこまで教えたくなーいって言うなら無理には聞き出さないことにするね！
…次に会う時は、情報を聞きに来たか殺しに来たかどっちかだから。覚えておいた方がいいよ？」
笑みには笑みで返す。おもむろに足を出口へ動かして、最後にちょっとだけ出方でも見てみようか。
【あいごころ。】
｢あら、物騒なことをいうのね…そういう時が来ないことを祈ろうかしら。｣
そういって返す。上手くきりぬけた、という訳ではなさそうだ。特に揺さぶって見たとしても帰ってきたのは平然とした反応。恐らく予想してたか、こちらが見当違いな反応を見せてしまったか…といったところか。少女は思考する。海月は信用たる人物か。恐らくあのように話しかけたのはこの人物がただ単に情報を、欲してたからではないか。そもそも黒ならここで相手の不興を買うようなまねをするだろうか…頭の中で情報を整理していく。
｢…ここは特に何もなさそうね。私はそろそろお暇するわ。｣
在り来りな言葉でこの場を脱しようと歩み出す。その間にも頭の中は情報の整理で忙しかった。…だから、だろう。足元のブロックに気づかなかったのは。
そう。少女は歩き出した途端、盛大に転んだ。
【海月】
「…………うん」
ホテルにでも戻ろうと思ったら何故か少女が転んでいた。
流石にこれはオレ関係ない、ただのこころちゃんの失態だから仕方ないよね。残念だったね！！
あ、でも証拠は貰っていくよ。なんかに使えたらいいじゃん！
さり気なく、転んだ少女の姿を写真に収めつつ…このことでうだうだと何かを言われるのも面倒なので、先に逃げることにした。
流石にそこまで鬼ではないので何も言わないでおいた。オレってば優しいよね。
胃痛道化師の受難・物騒すぎる剣士編 3rd-11th
五番目の道化師(3rd)-ヒガンバナ(11th)
【ヒガンバナ】
一体、何を作っていたのだろうか、この風化した工場は。
色々な機械は見受けられるが、専門的な知識が無ければ、それが何の機械かなんて分からない。
「…………違うな。」
そんな中、ヒガンバナは落ちていた綺麗な鉄パイプを持って、素振りしていた。
が、何か合わなかったのか、それを放り捨て、また他の資材を漁っている。
【五番目の道化師】
中央エリアにいた道化師はどこをどう迷ったのかはわからないが何故か西エリアの廃工場に迷い混んでいた。
「なんで雪山にこんな工場があるんですかね」
床に落ちてる部品を踏んで転びそう。不安に思いながら進んでいると何処からかカランっと何かが落ちた音がした。誰かいるのだろうか。
道化師はおそるおそる音の聞こえた方向へと向かってみる
【ヒガンバナ】
「…………これ、だな。」
ヒガンバナが次に拾ったのは、鉄の板。
端の方が欠けていて、少し持ちやすくなっている。
彼女は、その部分に軽く布を巻いて更に持ちやすくすると、何度かまた素振り。
気に入ったのか、少しだけ口角を吊り上げる。
「…………他には、何かあるか……」
そして、早速簡単な打撃武器を手に入れた彼女は、またゆっくりと廃工場を見学し始めた。
【五番目の道化師】
音のする方へ進んでいくと、道化師は鉄の板で素振りをする少女を目撃する。え…っ、なんで武器なんて装備しているの！？
「あ、あのぉ！」
武装している相手に話しかけるのはかなり勇気がいるけど話しかけなければ話は進まないよね。道化師はいつものスマイルを浮かべ、武装少女に声をかけた。
【ヒガンバナ】
「…………何か用か？」
彼女は、声を掛けられるとゆっくりと振り向き、道化師を鋭い目付きで見つめる。
突然現れた相手なのに、実に冷静である。
【五番目の道化師】
鋭い視線がこちらに向き(身長が自分よりも大きかったこともあり)、少し怖い。だって、相手は武装しちゃってるんだよ！？怖いの当たり前だろ！？
「あなたはぁ、原住民の方でぇすかぁ？」
こんなわけのわからない雪山で武装をしているなら、この付近に住んでる住民かもしれない！と、的外れなことを考えながら期待の眼差しを向ける。原住民の方なら、ここから変える方法も知っているかも───と、
【ヒガンバナ】
「残念だが、私も海神学園二年C組の者だ。
そもそも、ここの住人らしき奴等は、皆人形の様な物だろう？」
淡々とした口調で、道化師の質問に答える。
一度だけ、椅子に座った老人に話し掛けたが、どこぞのゲームの様に、同じ事しか返してくれなかった。
「私としては、貴様の方が原住民に見えるがな、道化。
……まあ、違うのだろう？」
【五番目の道化師】
「え…っ、そうなんでぇすか！？」
ホテルにチェックインしたとき、最低限のやり取りしかしていなかったから気がつかなかった。(さすがにホテルのフロントの人に質問するのは悪いかな…って、質問しなかった)
「ワタクシがぁ原地の住民とかぁ…。原住民みぃんなピエロにするつもりでぇすかぁ？」
原住民が皆ピエロとか嫌だ。そんな場所が在ろうものなら訪れた人たちみんな発狂するんじゃないかなぁ！？
【ヒガンバナ】
「……全く、今まで誰とも会わなかったと見る。」
ため息一つ吐くと、改めて道化師の格好を眺める。
やはりと言うか、実に奇抜だ。
「……ここの者が全員道化の格好をしたら、それはそれはハイカラで派手になるのだろうな。
私は、御免だが。」
そして、ヒガンバナは持っていた刀もどきの切っ先を、道化師に向ける。
武器を持つのに手慣れている様な、そんな印象を受けるかもしれない。
「…………偽名を聞こうか、流石に名前を教えろとは言わぬさ。
それから、こちらの申請も頼むぞ？」
パッドを見せながら、フレンド申請しろと命令する。
【五番目の道化師】
鉄板で作られたソレの刃先を向けられ、苦笑する。脅されなくても教えるし、申請もさせてもらいますよぅ。
「ワタクシィ<五番目の道化師>と言いまぁす。ピエロもお呼びくださぁい！」
慌てて端末を取り出して、慣れない手つきで(何回か端末を落としそうにしながらもなんとか)フレンド申請する。
「申請しまぁした！」
【ヒガンバナ】
「……承認した。
五番目の道化師、か……道化で構わないな？」
武器を下ろし、フレンド申請を承認した。
先程からも『道化』と呼んでいたので、そのままの呼び方で行くことに。
「私は、ヒガンバナだ。番号は11th。
……所で気になったのだが、何故格好だけでなく、口調までそんな風にする？
私の組に、道化師なぞ居なかった筈だが？」
【五番目の道化師】
「いや、だって口調バレたら名前割れてしまうかも知れないじゃないですか。まぁ、クラスメイトにそんな特徴的な言葉を使う人はいなかったはずですけども。だいたいクラスメイトに道化師なんていたら怖いでしょう？
───あと、ワタクシィ、喋っても喋べらなくてもぉ、そんなに仲のいい人あまりいませぇんしぃ？ピエロならピエロらしくした方がぁいいと思いまぁして☆」
前半は(ピエロメイクをしていてもわかってしまうほど)かなり真顔…というか、ツラそうだった。クラスメイトにこんなキャラいたら避けるもんね。
「……ピエロのほうがぁ、ひとりぼっちにならないかなぁと、思いましてぇ…」
ボソボソと呟くが、ピエロがボソボソと喋っても不気味なだけである。
【ヒガンバナ】
「口調で名前が割れるか……一理ある。」
元々クラスメイトなら、確かに分かってしまうかもしれない。
「だが、気付け。
寧ろピエロらしく話した所で怖いだけだ。
私とて、本当は避けたい位だが……ｺﾎﾝ
あれだ、話すより何か芸でもやっていれば良いのではないか？」
軽くピエロ嫌いを露呈しながらも、一応は平静を保とうとする。
【五番目の道化師】
「ピエロ嫌い多いでぇすねぇ。まあ？外国では『ピエロ=ホラー』なジャンルですからぁ、しかたないのぉかもしれませぇんねぇ？」
芸をしてみる…か。
「ワタクシィ、ジャグリングはもちろん、玉乗りも火の輪潜りもぉできますよぉ☆」
少なくとも火の輪潜りはピエロではなく、猛獣がやるものである。
「ドラ○エのぉ旅芸人の如く！キラァジャグリングを取得したかったあものでぇ」
【ヒガンバナ】
「……ふむ、なら勝手にやっていてくれ。
芸を見るのは嫌いではないが、その化粧を落としてくれないと私は楽しめない……ｺﾎﾝｺﾎﾝ……奇抜なものが苦手でな。」
中々にピエロ恐怖症なのか、誤魔化しているが時々本音が漏れる。
ただ、メイクを落とせば友好的になれるかもしれない！
「……一先ず、他に用はあるか？
あっても手短で頼む、もしくは化粧を落とせ。」
【五番目の道化師】
「あはは…いえ、特にはないです」
ピエロ恐怖症の人にこれ以上、この格好で話しているとツラそうだ。このメイク落とすのに一時間以上かかるし…再メイクはもっと時間がかかる。
「なにかぁ、あればチャット送りまぁす」
そういって、ピエロは廃工場から立ち去ろうとする。
ヒガンバナがピエロが怖いとおもうように、ピエロはピエロで廃工場にいることが怖かったらしい。
【ヒガンバナ】
一体、何を作っていたのだろうか、この風化した工場は。
色々な機械は見受けられるが、専門的な知識が無ければ、それが何の機械かなんて分からない。
「…………違うな。」
そんな中、ヒガンバナは落ちていた綺麗な鉄パイプを持って、素振りしていた。
が、何か合わなかったのか、それを放り捨て、また他の資材を漁っている。
【五番目の道化師】
中央エリアにいた道化師はどこをどう迷ったのかはわからないが何故か西エリアの廃工場に迷い混んでいた。
「なんで雪山にこんな工場があるんですかね」
床に落ちてる部品を踏んで転びそう。不安に思いながら進んでいると何処からかカランっと何かが落ちた音がした。誰かいるのだろうか。
道化師はおそるおそる音の聞こえた方向へと向かってみる
【ヒガンバナ】
「…………これ、だな。」
ヒガンバナが次に拾ったのは、鉄の板。
端の方が欠けていて、少し持ちやすくなっている。
彼女は、その部分に軽く布を巻いて更に持ちやすくすると、何度かまた素振り。
気に入ったのか、少しだけ口角を吊り上げる。
「…………他には、何かあるか……」
そして、早速簡単な打撃武器を手に入れた彼女は、またゆっくりと廃工場を見学し始めた。
【五番目の道化師】
音のする方へ進んでいくと、道化師は鉄の板で素振りをする少女を目撃する。え…っ、なんで武器なんて装備しているの！？
「あ、あのぉ！」
武装している相手に話しかけるのはかなり勇気がいるけど話しかけなければ話は進まないよね。道化師はいつものスマイルを浮かべ、武装少女に声をかけた。
【ヒガンバナ】
「…………何か用か？」
彼女は、声を掛けられるとゆっくりと振り向き、道化師を鋭い目付きで見つめる。
突然現れた相手なのに、実に冷静である。
【五番目の道化師】
鋭い視線がこちらに向き(身長が自分よりも大きかったこともあり)、少し怖い。だって、相手は武装しちゃってるんだよ！？怖いの当たり前だろ！？
「あなたはぁ、原住民の方でぇすかぁ？」
こんなわけのわからない雪山で武装をしているなら、この付近に住んでる住民かもしれない！と、的外れなことを考えながら期待の眼差しを向ける。原住民の方なら、ここから変える方法も知っているかも───と、
【ヒガンバナ】
「残念だが、私も海神学園二年C組の者だ。
そもそも、ここの住人らしき奴等は、皆人形の様な物だろう？」
淡々とした口調で、道化師の質問に答える。
一度だけ、椅子に座った老人に話し掛けたが、どこぞのゲームの様に、同じ事しか返してくれなかった。
「私としては、貴様の方が原住民に見えるがな、道化。
……まあ、違うのだろう？」
【五番目の道化師】
「え…っ、そうなんでぇすか！？」
ホテルにチェックインしたとき、最低限のやり取りしかしていなかったから気がつかなかった。(さすがにホテルのフロントの人に質問するのは悪いかな…って、質問しなかった)
「ワタクシがぁ原地の住民とかぁ…。原住民みぃんなピエロにするつもりでぇすかぁ？」
原住民が皆ピエロとか嫌だ。そんな場所が在ろうものなら訪れた人たちみんな発狂するんじゃないかなぁ！？
【ヒガンバナ】
「……全く、今まで誰とも会わなかったと見る。」
ため息一つ吐くと、改めて道化師の格好を眺める。
やはりと言うか、実に奇抜だ。
「……ここの者が全員道化の格好をしたら、それはそれはハイカラで派手になるのだろうな。
私は、御免だが。」
そして、ヒガンバナは持っていた刀もどきの切っ先を、道化師に向ける。
武器を持つのに手慣れている様な、そんな印象を受けるかもしれない。
「…………偽名を聞こうか、流石に名前を教えろとは言わぬさ。
それから、こちらの申請も頼むぞ？」
パッドを見せながら、フレンド申請しろと命令する。
【五番目の道化師】
鉄板で作られたソレの刃先を向けられ、苦笑する。脅されなくても教えるし、申請もさせてもらいますよぅ。
「ワタクシィ<五番目の道化師>と言いまぁす。ピエロもお呼びくださぁい！」
慌てて端末を取り出して、慣れない手つきで(何回か端末を落としそうにしながらもなんとか)フレンド申請する。
「申請しまぁした！」
【ヒガンバナ】
「……承認した。
五番目の道化師、か……道化で構わないな？」
武器を下ろし、フレンド申請を承認した。
先程からも『道化』と呼んでいたので、そのままの呼び方で行くことに。
「私は、ヒガンバナだ。番号は11th。
……所で気になったのだが、何故格好だけでなく、口調までそんな風にする？
私の組に、道化師なぞ居なかった筈だが？」
【五番目の道化師】
「いや、だって口調バレたら名前割れてしまうかも知れないじゃないですか。まぁ、クラスメイトにそんな特徴的な言葉を使う人はいなかったはずですけども。だいたいクラスメイトに道化師なんていたら怖いでしょう？
───あと、ワタクシィ、喋っても喋べらなくてもぉ、そんなに仲のいい人あまりいませぇんしぃ？ピエロならピエロらしくした方がぁいいと思いまぁして☆」
前半は(ピエロメイクをしていてもわかってしまうほど)かなり真顔…というか、ツラそうだった。クラスメイトにこんなキャラいたら避けるもんね。
「……ピエロのほうがぁ、ひとりぼっちにならないかなぁと、思いましてぇ…」
ボソボソと呟くが、ピエロがボソボソと喋っても不気味なだけである。
【ヒガンバナ】
「口調で名前が割れるか……一理ある。」
元々クラスメイトなら、確かに分かってしまうかもしれない。
「だが、気付け。
寧ろピエロらしく話した所で怖いだけだ。
私とて、本当は避けたい位だが……ｺﾎﾝ
あれだ、話すより何か芸でもやっていれば良いのではないか？」
軽くピエロ嫌いを露呈しながらも、一応は平静を保とうとする。
【五番目の道化師】
「ピエロ嫌い多いでぇすねぇ。まあ？外国では『ピエロ=ホラー』なジャンルですからぁ、しかたないのぉかもしれませぇんねぇ？」
芸をしてみる…か。
「ワタクシィ、ジャグリングはもちろん、玉乗りも火の輪潜りもぉできますよぉ☆」
少なくとも火の輪潜りはピエロではなく、猛獣がやるものである。
「ドラ○エのぉ旅芸人の如く！キラァジャグリングを取得したかったあものでぇ」
【ヒガンバナ】
「……ふむ、なら勝手にやっていてくれ。
芸を見るのは嫌いではないが、その化粧を落としてくれないと私は楽しめない……ｺﾎﾝｺﾎﾝ……奇抜なものが苦手でな。」
中々にピエロ恐怖症なのか、誤魔化しているが時々本音が漏れる。
ただ、メイクを落とせば友好的になれるかもしれない！
「……一先ず、他に用はあるか？
あっても手短で頼む、もしくは化粧を落とせ。」
【五番目の道化師】
「あはは…いえ、特にはないです」
ピエロ恐怖症の人にこれ以上、この格好で話しているとツラそうだ。このメイク落とすのに一時間以上かかるし…再メイクはもっと時間がかかる。
「なにかぁ、あればチャット送りまぁす」
そういって、ピエロは廃工場から立ち去ろうとする。
ヒガンバナがピエロが怖いとおもうように、ピエロはピエロで廃工場にいることが怖かったらしい。
道化師の受難・温泉with梨編 1st-3rd
ふ〇なっしー(1st)-五番目の道化師(3rd)
【ふ〇なっしー】
命からがら雪地獄から脱出出来たふ○なっしー
寒いしシャワーを浴びたいつまり温泉に入る
『お風呂入りたいなっしー』
と混浴温泉へ向かうふ○なっしー梨汁ブシャー
【五番目の道化師】
雪山にいるからか、やっぱり外は寒い。
混浴しかないのが残念だが、こんな早い内から温泉に来るやつなんでいないだろうという考えで温泉に行くことにした道化師。
脱衣場にて、案外重いピエロの衣装を脱ぎ、バスタオルを巻いた状態でメイクを落とす。これ、落とすのにかなり時間がかかってしまうのだが…その間に人が来ないことを祈る。
【ふ〇なっしー】
『いやー気持ちいいなしなー』
と湯船に浸かるふ○なっしー
梨汁ブシャー
『良い湯なし?』
【五番目の道化師】
誰もいないよね…？
おそるおそる脱衣場から温泉への扉を潜る。
(わぁ、すごい湯気！)
湯気のせいで真っ白になった温泉。これでは誰かいても気づくことはできないだろう。道化師はシャワーで体を流した後、静かに湯に浸かった。
【ふ〇なっしー】
『こんにちはなっしー良い湯なしなー……えっと名前はなんて言うなしか？』
と着ぐるみを着たまま問い掛けるふ○なっしー
梨汁ブシャー
【五番目の道化師】
「えっ、あ…っ！？きゃぁあああああああああああッ！！」
まるで、化け物を見たかのような悲鳴をあげ湯船から上がる道化師。
「な、な、なんなの！！お化け、妖怪！？それとも怪物！？なんでこんなところに化け物がいるのよ！！」
全力で脱衣場に戻ろうとする道化師。
湯気が立ち込めるこの場所で見えたのは…人ならざる影。そりゃビビる。
【ふ〇なっしー】
『そろそろ頃合なしなー』
脱衣所から現れるふ○なっしー
ん？湯に使っているふ○なっしーは…………？
『2号機もちゃんと綺麗にしないといけないなしなー』
そう！温泉に入っていたふ○なっしーの中身は空！今まで聞こえていた声も全て幻聴だったのだ！
【五番目の道化師】
「きゃぁああああああッ！！なんなのよっ、もう！！」
素早く身を屈めて、手に取り、脱衣場から現れた化け物へ手に取ったものを投げつけ、直ぐさま身を隠す。
どうやら先ほど投げつけたのはお湯の入った桶だったようだ。
【ふ〇なっしー】
『ちっさいおっさん』
顔面に直撃する……がダメージは無さそうだ
『3号機もメンテに出さないといけないなしな』
と脱衣所から入ってきた第3のふ○なっしー
そう！つまり3号機のふ○なっしーも中身がからだったのだ！
【五番目の道化師】
(落ち着け、落ち着くのです)
呼吸の乱れを沈め、気配を消す。
下手に行動して化け物を増やしてもいけない、と考えたからこそだった。ちゃっかり、手のひらサイズの固形石鹸を握りしめながら。
【ふ〇なっしー】
『ちっさいおっさん』
なんと！なんとなんとなんと！！！！
固形石鹸もふ○なっしーだったのだ！
『4号機どこ行ったなっしー行方不明なっしー』
4号機は手に持っている石鹸だ
【五番目の道化師】
(───ひっ！？)
石鹸の形状をみて───ひきつった表情で、それを全力で温泉の外へ投げた。その固形石鹸は塀の外へ飛んで行き…
【ふ〇なっしー】
『4号機どこなっし〜？』
と脱衣所を探しまくる………道化師の場所を探すのは時間の問題だろう。
『4号機どこなしかー？』
【五番目の道化師】
(今、身に付けているのは──)
ピエロの衣装も、端末も全部脱衣所から持ち込んできたから…しかたない。あいつが脱衣場を探しにいった今、此処から脱出するのが先決だろう。
この湯気では私を発見するのは難しい。
脱出するなら今だ。
道化師はピエロの衣装を背負い、塀によじ登り、反対側へと──
【ふ〇なっしー】
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ!!!!』
そう、4号機が叫ぶ…………
『4号機の声がするなっし〜』
そう、声が聞こえた方向を見る……物の見事に塀をよじ登っているピエロちゃんがいるじゃないか！
【五番目の道化師】
「───ッ」
気づかれた。しかし、もう遅い。
道化師は塀の反対側に飛び降り、走り去ろうとしている。
バスタオル一枚だけを身に纏って。
【ふ〇なっしー】
『………………4号機の恨みなっしー！！！！！！！』
怒りを孕んだ声…………ホースを握ると栓を開け冷水を壁の向こうにいるピエロ目掛けて放とうとする
『4号機は何もしてないなっしー！！！！！許さないなっしーー！！』
【五番目の道化師】
「───ッ、つめたッ！」
塀の反対側からかけられた冷水。
少々怯むが道化師はその場から立ち去った。(尚、その場に偶然落ちていた固形石鹸は蹴り飛ばされた)
【ふ〇なっしー】
命からがら雪地獄から脱出出来たふ○なっしー
寒いしシャワーを浴びたいつまり温泉に入る
『お風呂入りたいなっしー』
と混浴温泉へ向かうふ○なっしー梨汁ブシャー
【五番目の道化師】
雪山にいるからか、やっぱり外は寒い。
混浴しかないのが残念だが、こんな早い内から温泉に来るやつなんでいないだろうという考えで温泉に行くことにした道化師。
脱衣場にて、案外重いピエロの衣装を脱ぎ、バスタオルを巻いた状態でメイクを落とす。これ、落とすのにかなり時間がかかってしまうのだが…その間に人が来ないことを祈る。
【ふ〇なっしー】
『いやー気持ちいいなしなー』
と湯船に浸かるふ○なっしー
梨汁ブシャー
『良い湯なし?』
【五番目の道化師】
誰もいないよね…？
おそるおそる脱衣場から温泉への扉を潜る。
(わぁ、すごい湯気！)
湯気のせいで真っ白になった温泉。これでは誰かいても気づくことはできないだろう。道化師はシャワーで体を流した後、静かに湯に浸かった。
【ふ〇なっしー】
『こんにちはなっしー良い湯なしなー……えっと名前はなんて言うなしか？』
と着ぐるみを着たまま問い掛けるふ○なっしー
梨汁ブシャー
【五番目の道化師】
「えっ、あ…っ！？きゃぁあああああああああああッ！！」
まるで、化け物を見たかのような悲鳴をあげ湯船から上がる道化師。
「な、な、なんなの！！お化け、妖怪！？それとも怪物！？なんでこんなところに化け物がいるのよ！！」
全力で脱衣場に戻ろうとする道化師。
湯気が立ち込めるこの場所で見えたのは…人ならざる影。そりゃビビる。
【ふ〇なっしー】
『そろそろ頃合なしなー』
脱衣所から現れるふ○なっしー
ん？湯に使っているふ○なっしーは…………？
『2号機もちゃんと綺麗にしないといけないなしなー』
そう！温泉に入っていたふ○なっしーの中身は空！今まで聞こえていた声も全て幻聴だったのだ！
【五番目の道化師】
「きゃぁああああああッ！！なんなのよっ、もう！！」
素早く身を屈めて、手に取り、脱衣場から現れた化け物へ手に取ったものを投げつけ、直ぐさま身を隠す。
どうやら先ほど投げつけたのはお湯の入った桶だったようだ。
【ふ〇なっしー】
『ちっさいおっさん』
顔面に直撃する……がダメージは無さそうだ
『3号機もメンテに出さないといけないなしな』
と脱衣所から入ってきた第3のふ○なっしー
そう！つまり3号機のふ○なっしーも中身がからだったのだ！
【五番目の道化師】
(落ち着け、落ち着くのです)
呼吸の乱れを沈め、気配を消す。
下手に行動して化け物を増やしてもいけない、と考えたからこそだった。ちゃっかり、手のひらサイズの固形石鹸を握りしめながら。
【ふ〇なっしー】
『ちっさいおっさん』
なんと！なんとなんとなんと！！！！
固形石鹸もふ○なっしーだったのだ！
『4号機どこ行ったなっしー行方不明なっしー』
4号機は手に持っている石鹸だ
【五番目の道化師】
(───ひっ！？)
石鹸の形状をみて───ひきつった表情で、それを全力で温泉の外へ投げた。その固形石鹸は塀の外へ飛んで行き…
【ふ〇なっしー】
『4号機どこなっし〜？』
と脱衣所を探しまくる………道化師の場所を探すのは時間の問題だろう。
『4号機どこなしかー？』
【五番目の道化師】
(今、身に付けているのは──)
ピエロの衣装も、端末も全部脱衣所から持ち込んできたから…しかたない。あいつが脱衣場を探しにいった今、此処から脱出するのが先決だろう。
この湯気では私を発見するのは難しい。
脱出するなら今だ。
道化師はピエロの衣装を背負い、塀によじ登り、反対側へと──
【ふ〇なっしー】
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ!!!!』
そう、4号機が叫ぶ…………
『4号機の声がするなっし〜』
そう、声が聞こえた方向を見る……物の見事に塀をよじ登っているピエロちゃんがいるじゃないか！
【五番目の道化師】
「───ッ」
気づかれた。しかし、もう遅い。
道化師は塀の反対側に飛び降り、走り去ろうとしている。
バスタオル一枚だけを身に纏って。
【ふ〇なっしー】
『………………4号機の恨みなっしー！！！！！！！』
怒りを孕んだ声…………ホースを握ると栓を開け冷水を壁の向こうにいるピエロ目掛けて放とうとする
『4号機は何もしてないなっしー！！！！！許さないなっしーー！！』
【五番目の道化師】
「───ッ、つめたッ！」
塀の反対側からかけられた冷水。
少々怯むが道化師はその場から立ち去った。(尚、その場に偶然落ちていた固形石鹸は蹴り飛ばされた)
電波塔の上で特に何を叫ぶと言う事もない 22nd-23rd
フェルナ(22nd)-海月(23rd)
【海月】
恐らく、この島…国？良く分からないけど、此処で一番高いであろう電波塔の展望台。
一応SCTって言う名前があるらしいけどこの際どうでもいい。
この場所の周囲一帯を見渡せる展望台。ここから見えてくるものも少しはあるだろう。
「…って言っても、まさか霧で塞ぐとはね。気候のことは詳しく分からないけどさ。
あの留まりようからして晴れることはない。うん、徐々にきな臭くなってきたよ！すごいワクワクするね！」
誰に言うでもなく意気込んでは見たものの。正直高すぎても誰がいるとかまでは見えない。
大体の立地把握には役立つけど…ま、人を見下ろすってのもいいものだよね。
そんな感じで、ふらふらと無防備に展望台をうろついていた。
【フェルナ】
いやあびっくり、誰にもバレない。
銀世界とこの白髪、そして腹や脚、腕に巻き付けられた包帯は、思った以上にこの世界にとってはホラーの対象となる様だ。遠くからでは気付かれにくく、近くなると此方の身体が欠けているように見えているらしい。展望台に行く途中も、誰かに見られて勝手に逃げていったのを覚えている。
景色と溶け込んだその少女を、彼女は一度見逃していたのかもしれない。
当たり前のようにそこに居て、外の景色を眺めていたのだから。
1度は四肢が無くなっているよう錯覚するかもしれない。しかし、目を凝らしてよく見れば…それは、怪我をしている少女と認識出来るだろう。
普通に立っている？気にするな包帯はファッションだ。
【海月】
「……おっ。第三村人発見？」
一瞬見逃しかけるくらい景色と同化していた少女を視認して、ぽそっと呟いた。
パッと見では病院に行く事を推奨されそうな見た目をしているが…そんなことは割かしどうでもいい。
そもそも、幼女とかもいるくらいだし別に見た目判断は良くないよね！
…それより、いつの間に此処にいたのやら。最初に来た時は見てなかったはず。
オレとしたことがちょっと鈍ったかな？…それとも、彼女が黒の可能性も無きにしもだよね。
まだ、こちらには気づいてない様子だし。
「だーれだ！」
先程も誰かにやったような、手で目を覆い隠す子供染みた悪戯を見境なく仕掛けた。
【フェルナ】
「…………。」
あれえ、丘people？
今、視界が完全に途切れているんだが、一体何があったと言うんだねぇ？
「IN fight───！！！」
手を出されるなら、此方からというのが零戦式格闘術(？)の基本である。
彼女に手を塞がれながらも、密着度合いから足踏みを予想、彼女の右つま先を踏み付けようと足を動かし、彼女の腹に当たるであろう位置に、後ろ向きのまま肘を打ち込もうとする。
目を隠されてからこの行動に移るまで、僅か3秒の出来事であった。
【海月】
「わああっ！？」
僅か3秒の出来事に普通、対応できるか？否！断じて否！
直ぐに手を引っ込めては見たものの、腹に肘を撃ち込まれて、術も無く後退した。手は受け身に添えるだけ。
…ただ、相手には分かるだろうが、致命所を狙われたのに手ごたえが極端に少ない。オレ、見かけによらず打たれ強いんだよね！
まさか開幕早々手を出されるとは考えなかったってー…こういう野蛮な事をしてくるのは、誰かな？ま、誰でもいいか。
「あー、痛い痛い！ヒドいよそうやって……オレが何をしたっていうのさ……
…うあああん…」
ちょっと泣いて情に語ってみるけど、まあ正直無理だろう。
足を固められるのが嫌だから引いてみたけど、次近づいたらどうなるかなぁ？ま、そういう立ち回りだけで得られる情報もあるし、多少は危険な道を踏み込むのも悪くないんだろうけど。
【フェルナ】
「ふぅん…？」
急所を狙った筈なのだが、やけに手応えを感じられない。
成程、これは敵対した時面倒なやつだなとだけ思っといて、改めて少女の後ろに立ってしまった哀れな者を視界に入れる。
「君が私の後ろに立ったからだよ甘えんな。」
ふぁー辛辣。
というか、手応えが無かった時点でそれが嘘だとも気付くに決まっている。だとしても、この強者の余裕みたいなオーラを出す少女がクラスに居ただろうか。
【海月】
「えー、その言いぐさは酷くないかな？別にキミの後ろに立ってもそこまでどうってことは起きなかったし！」
相手もちょっと悟っているみたいだし嘘泣きは打ち止めにして。どうしたものか。
力量差では敵いそうにないのが何とも言えない。彼女みたいなコ、記憶の中にあったっけ。
…まあ、正直、オレみたいな例もあるし見た目で判断ってのは相当分かりやすい状況でもない限りしない方がいいか。
とりあえずは情報…というより、彼女の判別を付ける方が先？どっちにしようかな。
「まあ、そんなことよりさー。此処で会ったのも何かの縁だし自己紹介でもしようよ！
ほら、互いのことは知っておいた方が、今後ラクになるんじゃない？」
【フェルナ】
「確かに無かったけど…気分で。」
警戒心が一番だったのは勿論の事だが、過剰だった事も理解はしている。そこは気分だったと割り切ってくれれば幸いだ。
え？割り切ってくれない？そうかそうか、ならそんな奴もう一度腹パンだよ。
「自己紹介、か……まあ良いだろう。
私の名前…仮名と言うべきか。フェルナと覚えてくれ、何処にでもいる包帯少女だ。」
互いにラクになるというか、知り合っている人が多い程不利な対面になる可能性も捨てきれないが、人望は広いに越した事は無い。それに中身がクラスメイトの誰かと考える以上、多少の心の余裕は持てる。
…こいつはそこそこ怪しいが。
【海月】
「ふーん……フェルナちゃん、ね！オレはそうだなぁー、海月でいいよ。」
気分だったと割り切られるのはちょっとばかし心外だけどそこはスルーしておこう。オレってば、心広いよね！
…それで、彼女も正直実験には向いてない。自分の姿に没入しているとなるとそれだけでも判断がしにくいし。
というか、分かったとしても先に捻じ伏せてきそうな人間と、こんな近距離で殺し合うのも御免だしね。
…さて。正直オレの予想があっているならここにいる人たちの大体の目星も付くんだけど、念には念を入れるべき。
それも、オレが面倒にならない方向性で。
「それとさ、ちょっと気になることがあるんだよね。
ここ、本名を知られちゃいけないってルールあるでしょ？ただ、日本だけでも1億といるなかで本名をというのは中々にシビアだ。もし殺すつもりがないならそんなルールを設ける必要はない。
ということで、オレとキミ…ひいてはここにいる人たちは、何かしら関係性のある人たちだと思うんだけど。
キミはどう思ってるかな？フェルナちゃん」
【フェルナ】
「……ふむ、君も大体予想が付いていると見るが。」
その投げかけは、恐らく相手が此方の確認を取るためのものなのだろう。一応ある程度の定義を付けておくのは悪いことじゃない。敵だとしても、味方だとしても。
「分かっていることはかなり簡潔なルールだが、現場を見るに、ここにいる人達の共通点においては凡その見当はつく。
この景色、そして道行く人を見ればいい。」
改めて、この景色を眺める。
相変わらずの降雪。
詰め込まれた観光用のスポット。
その国を歩く者達。
……それも、一人や二人。
「人口密度が異常なんだよ。この広さを有しているにも関わらず、私達は視界に2人以上を捉えられない。そして、関係があってこそ成り立つような仕組みのルール…人数比や、君のように若々しい口調…考えると、自然と私達の居場所はひとつに帰結する。」
それこそ、つまり…。
【海月】
「だよねー。なるほど、やっぱりキミもそうなんだ？」
相手に合わせて景色に目を落としつつ、考えを巡らせる。
分かっている。"海神学園2年C組"だろう。こんな大人数で、尚且つ全員が全員と関係があるとなれば、誰でも思いつく。
…とはいえ、流石にそれを言うのはナシだよね。さて、どうするか。
個人的には、自分の身元はひけらかすつもりはない。ただ、相手にこう振られた以上、返さないわけにはいかない。
なら、どうするか？
「でもビックリだよねー、まさか社員旅行中にこんなことに巻き込まれるなんてさ。
同僚のみんな元気かなー？なんてね。キミもそうでしょ？」
…嘘をつくに限る。
恐らくトリガーはあのバスの中にいて起きた出来事だから、皆そうだと思っているのだろうし。
だったら、同じような状態を用意すれば攪乱程度にはなるんじゃない？なんてね。
【フェルナ】
「まあ、そういう事だ。」
あ、こいつ…出来ると思った瞬間である。
「同僚かどうかも分からないけどな…君か私、どちらかが上司だったらと思うと戦慄するね。下手をすると格下げだ。
兎に角、災難なことに変わりはない…本当に面倒な事に巻き込まれたよ。」
ふっ…と、軽く息を吐きながら口元を緩める。
交わしている言葉は正に社員旅行のそれだが、お互いにその言葉を変換し、頭にインプットするという作業をこなす。
これは、誰かに聞かれていたとしてもきっと中身まで気づかれる事は無いだろう。彼女の瞳の奥が感じられて、此方の瞳の奥も相手には見えている、そんな距離感だ。
彼女とは味方の関係を組めたらいいものだ。その為には、味方であるというピースを掴む必要が先に存在するのだが。
【海月】
成程。相手もそれなりには使える、か。
一瞬の応答でそう思えるくらい機転の利いた言い回し。少し見直したよ！嘘だけど。
「ま、そうだった時はその時で考えればいいでしょ。今は今の事を考えないとねー。
…まあ、何であったとしても、オレは死ぬつもりないし。キミもオレに殺されないように気を付けた方がいいよ？何でもやるから！」
相手に見透かされているからこそ、というべきか。こういうタイプは直球に物を言えば普通に深読みしてくれるのが弄り甲斐がある。例えばこういう発言。
普通なら上司かもしれないヤツに殺すとか言わないけどね！オレなりの気の利いたジョークだよ！
まあ、冗談は抜きにして。相手がクラスメイトとなるといつ死ぬかも不透明なものだよ。だからこそ先手を打つのは妥当。
…ま、使いようによっては手駒にも出来そうだけど。殺しちゃうのは勿体ないかな？
【フェルナ】
「さっきの仕打ちを受けてその発言なら、君は相当な脳天ハッピーだな。」
嘲笑うような口調だが、相変わらず目は笑っていない。というのも、先手を打つような発言の時点で、相手もそう考えているのは理解した。
まあ、上下関係なんて無いのだから此方も特に気遣いせずに『自分』を演じれる訳で。
「私も私なりに行動は起こすつもりだが、君が敵と呼べる存在でなければお互いに生還を願うとしよう。」
勿論、これも釣りのようなものに過ぎない。何故なら、此方の役職によっては味方が1人も居ないような…そんな可能性だって有り得るのだから。
【海月】
「敵と呼べる存在かどうか…それはキミの行動次第かなぁー。せいぜいオレを飽きさせないようにしてよね！」
生憎、"手を組む"という範疇で人と関わることはないだろうけど。
感じさせないような満面の笑みで会釈して、展望台を去る。
まあ、彼女の正体とか面倒な事はいったん考えないようにする。
さりげなくフレンド申請を送って、"困った時は頼るといいよ"との意思は見せた。後は彼女次第。
…というわけで、オレはまた遊び相手でもさがそーっと。
【フェルナ】
「はっ、それは君が飽き性でどうしようもないヘタレなだけだよ察しろ。」
最後まで毒舌を送ったまま、彼女を会釈で送り出す。そして、すぐさま端末を開き、チャット欄を覗く。
…成程。と呟き、そこに承認のパネルをタッチする。
「…簡単に死んだら面白くないからな、死に場所は選んでおけよ。」
そう独り言を呟き、再び展望台から街を一望する包帯少女であった。
【海月】
恐らく、この島…国？良く分からないけど、此処で一番高いであろう電波塔の展望台。
一応SCTって言う名前があるらしいけどこの際どうでもいい。
この場所の周囲一帯を見渡せる展望台。ここから見えてくるものも少しはあるだろう。
「…って言っても、まさか霧で塞ぐとはね。気候のことは詳しく分からないけどさ。
あの留まりようからして晴れることはない。うん、徐々にきな臭くなってきたよ！すごいワクワクするね！」
誰に言うでもなく意気込んでは見たものの。正直高すぎても誰がいるとかまでは見えない。
大体の立地把握には役立つけど…ま、人を見下ろすってのもいいものだよね。
そんな感じで、ふらふらと無防備に展望台をうろついていた。
【フェルナ】
いやあびっくり、誰にもバレない。
銀世界とこの白髪、そして腹や脚、腕に巻き付けられた包帯は、思った以上にこの世界にとってはホラーの対象となる様だ。遠くからでは気付かれにくく、近くなると此方の身体が欠けているように見えているらしい。展望台に行く途中も、誰かに見られて勝手に逃げていったのを覚えている。
景色と溶け込んだその少女を、彼女は一度見逃していたのかもしれない。
当たり前のようにそこに居て、外の景色を眺めていたのだから。
1度は四肢が無くなっているよう錯覚するかもしれない。しかし、目を凝らしてよく見れば…それは、怪我をしている少女と認識出来るだろう。
普通に立っている？気にするな包帯はファッションだ。
【海月】
「……おっ。第三村人発見？」
一瞬見逃しかけるくらい景色と同化していた少女を視認して、ぽそっと呟いた。
パッと見では病院に行く事を推奨されそうな見た目をしているが…そんなことは割かしどうでもいい。
そもそも、幼女とかもいるくらいだし別に見た目判断は良くないよね！
…それより、いつの間に此処にいたのやら。最初に来た時は見てなかったはず。
オレとしたことがちょっと鈍ったかな？…それとも、彼女が黒の可能性も無きにしもだよね。
まだ、こちらには気づいてない様子だし。
「だーれだ！」
先程も誰かにやったような、手で目を覆い隠す子供染みた悪戯を見境なく仕掛けた。
【フェルナ】
「…………。」
あれえ、丘people？
今、視界が完全に途切れているんだが、一体何があったと言うんだねぇ？
「IN fight───！！！」
手を出されるなら、此方からというのが零戦式格闘術(？)の基本である。
彼女に手を塞がれながらも、密着度合いから足踏みを予想、彼女の右つま先を踏み付けようと足を動かし、彼女の腹に当たるであろう位置に、後ろ向きのまま肘を打ち込もうとする。
目を隠されてからこの行動に移るまで、僅か3秒の出来事であった。
【海月】
「わああっ！？」
僅か3秒の出来事に普通、対応できるか？否！断じて否！
直ぐに手を引っ込めては見たものの、腹に肘を撃ち込まれて、術も無く後退した。手は受け身に添えるだけ。
…ただ、相手には分かるだろうが、致命所を狙われたのに手ごたえが極端に少ない。オレ、見かけによらず打たれ強いんだよね！
まさか開幕早々手を出されるとは考えなかったってー…こういう野蛮な事をしてくるのは、誰かな？ま、誰でもいいか。
「あー、痛い痛い！ヒドいよそうやって……オレが何をしたっていうのさ……
…うあああん…」
ちょっと泣いて情に語ってみるけど、まあ正直無理だろう。
足を固められるのが嫌だから引いてみたけど、次近づいたらどうなるかなぁ？ま、そういう立ち回りだけで得られる情報もあるし、多少は危険な道を踏み込むのも悪くないんだろうけど。
【フェルナ】
「ふぅん…？」
急所を狙った筈なのだが、やけに手応えを感じられない。
成程、これは敵対した時面倒なやつだなとだけ思っといて、改めて少女の後ろに立ってしまった哀れな者を視界に入れる。
「君が私の後ろに立ったからだよ甘えんな。」
ふぁー辛辣。
というか、手応えが無かった時点でそれが嘘だとも気付くに決まっている。だとしても、この強者の余裕みたいなオーラを出す少女がクラスに居ただろうか。
【海月】
「えー、その言いぐさは酷くないかな？別にキミの後ろに立ってもそこまでどうってことは起きなかったし！」
相手もちょっと悟っているみたいだし嘘泣きは打ち止めにして。どうしたものか。
力量差では敵いそうにないのが何とも言えない。彼女みたいなコ、記憶の中にあったっけ。
…まあ、正直、オレみたいな例もあるし見た目で判断ってのは相当分かりやすい状況でもない限りしない方がいいか。
とりあえずは情報…というより、彼女の判別を付ける方が先？どっちにしようかな。
「まあ、そんなことよりさー。此処で会ったのも何かの縁だし自己紹介でもしようよ！
ほら、互いのことは知っておいた方が、今後ラクになるんじゃない？」
【フェルナ】
「確かに無かったけど…気分で。」
警戒心が一番だったのは勿論の事だが、過剰だった事も理解はしている。そこは気分だったと割り切ってくれれば幸いだ。
え？割り切ってくれない？そうかそうか、ならそんな奴もう一度腹パンだよ。
「自己紹介、か……まあ良いだろう。
私の名前…仮名と言うべきか。フェルナと覚えてくれ、何処にでもいる包帯少女だ。」
互いにラクになるというか、知り合っている人が多い程不利な対面になる可能性も捨てきれないが、人望は広いに越した事は無い。それに中身がクラスメイトの誰かと考える以上、多少の心の余裕は持てる。
…こいつはそこそこ怪しいが。
【海月】
「ふーん……フェルナちゃん、ね！オレはそうだなぁー、海月でいいよ。」
気分だったと割り切られるのはちょっとばかし心外だけどそこはスルーしておこう。オレってば、心広いよね！
…それで、彼女も正直実験には向いてない。自分の姿に没入しているとなるとそれだけでも判断がしにくいし。
というか、分かったとしても先に捻じ伏せてきそうな人間と、こんな近距離で殺し合うのも御免だしね。
…さて。正直オレの予想があっているならここにいる人たちの大体の目星も付くんだけど、念には念を入れるべき。
それも、オレが面倒にならない方向性で。
「それとさ、ちょっと気になることがあるんだよね。
ここ、本名を知られちゃいけないってルールあるでしょ？ただ、日本だけでも1億といるなかで本名をというのは中々にシビアだ。もし殺すつもりがないならそんなルールを設ける必要はない。
ということで、オレとキミ…ひいてはここにいる人たちは、何かしら関係性のある人たちだと思うんだけど。
キミはどう思ってるかな？フェルナちゃん」
【フェルナ】
「……ふむ、君も大体予想が付いていると見るが。」
その投げかけは、恐らく相手が此方の確認を取るためのものなのだろう。一応ある程度の定義を付けておくのは悪いことじゃない。敵だとしても、味方だとしても。
「分かっていることはかなり簡潔なルールだが、現場を見るに、ここにいる人達の共通点においては凡その見当はつく。
この景色、そして道行く人を見ればいい。」
改めて、この景色を眺める。
相変わらずの降雪。
詰め込まれた観光用のスポット。
その国を歩く者達。
……それも、一人や二人。
「人口密度が異常なんだよ。この広さを有しているにも関わらず、私達は視界に2人以上を捉えられない。そして、関係があってこそ成り立つような仕組みのルール…人数比や、君のように若々しい口調…考えると、自然と私達の居場所はひとつに帰結する。」
それこそ、つまり…。
【海月】
「だよねー。なるほど、やっぱりキミもそうなんだ？」
相手に合わせて景色に目を落としつつ、考えを巡らせる。
分かっている。"海神学園2年C組"だろう。こんな大人数で、尚且つ全員が全員と関係があるとなれば、誰でも思いつく。
…とはいえ、流石にそれを言うのはナシだよね。さて、どうするか。
個人的には、自分の身元はひけらかすつもりはない。ただ、相手にこう振られた以上、返さないわけにはいかない。
なら、どうするか？
「でもビックリだよねー、まさか社員旅行中にこんなことに巻き込まれるなんてさ。
同僚のみんな元気かなー？なんてね。キミもそうでしょ？」
…嘘をつくに限る。
恐らくトリガーはあのバスの中にいて起きた出来事だから、皆そうだと思っているのだろうし。
だったら、同じような状態を用意すれば攪乱程度にはなるんじゃない？なんてね。
【フェルナ】
「まあ、そういう事だ。」
あ、こいつ…出来ると思った瞬間である。
「同僚かどうかも分からないけどな…君か私、どちらかが上司だったらと思うと戦慄するね。下手をすると格下げだ。
兎に角、災難なことに変わりはない…本当に面倒な事に巻き込まれたよ。」
ふっ…と、軽く息を吐きながら口元を緩める。
交わしている言葉は正に社員旅行のそれだが、お互いにその言葉を変換し、頭にインプットするという作業をこなす。
これは、誰かに聞かれていたとしてもきっと中身まで気づかれる事は無いだろう。彼女の瞳の奥が感じられて、此方の瞳の奥も相手には見えている、そんな距離感だ。
彼女とは味方の関係を組めたらいいものだ。その為には、味方であるというピースを掴む必要が先に存在するのだが。
【海月】
成程。相手もそれなりには使える、か。
一瞬の応答でそう思えるくらい機転の利いた言い回し。少し見直したよ！嘘だけど。
「ま、そうだった時はその時で考えればいいでしょ。今は今の事を考えないとねー。
…まあ、何であったとしても、オレは死ぬつもりないし。キミもオレに殺されないように気を付けた方がいいよ？何でもやるから！」
相手に見透かされているからこそ、というべきか。こういうタイプは直球に物を言えば普通に深読みしてくれるのが弄り甲斐がある。例えばこういう発言。
普通なら上司かもしれないヤツに殺すとか言わないけどね！オレなりの気の利いたジョークだよ！
まあ、冗談は抜きにして。相手がクラスメイトとなるといつ死ぬかも不透明なものだよ。だからこそ先手を打つのは妥当。
…ま、使いようによっては手駒にも出来そうだけど。殺しちゃうのは勿体ないかな？
【フェルナ】
「さっきの仕打ちを受けてその発言なら、君は相当な脳天ハッピーだな。」
嘲笑うような口調だが、相変わらず目は笑っていない。というのも、先手を打つような発言の時点で、相手もそう考えているのは理解した。
まあ、上下関係なんて無いのだから此方も特に気遣いせずに『自分』を演じれる訳で。
「私も私なりに行動は起こすつもりだが、君が敵と呼べる存在でなければお互いに生還を願うとしよう。」
勿論、これも釣りのようなものに過ぎない。何故なら、此方の役職によっては味方が1人も居ないような…そんな可能性だって有り得るのだから。
【海月】
「敵と呼べる存在かどうか…それはキミの行動次第かなぁー。せいぜいオレを飽きさせないようにしてよね！」
生憎、"手を組む"という範疇で人と関わることはないだろうけど。
感じさせないような満面の笑みで会釈して、展望台を去る。
まあ、彼女の正体とか面倒な事はいったん考えないようにする。
さりげなくフレンド申請を送って、"困った時は頼るといいよ"との意思は見せた。後は彼女次第。
…というわけで、オレはまた遊び相手でもさがそーっと。
【フェルナ】
「はっ、それは君が飽き性でどうしようもないヘタレなだけだよ察しろ。」
最後まで毒舌を送ったまま、彼女を会釈で送り出す。そして、すぐさま端末を開き、チャット欄を覗く。
…成程。と呟き、そこに承認のパネルをタッチする。
「…簡単に死んだら面白くないからな、死に場所は選んでおけよ。」
そう独り言を呟き、再び展望台から街を一望する包帯少女であった。
過激すぎるトーマスと引け目の酢豚 8th-24th
酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)-痴漢者トーマス(24th)
【痴漢者トーマス】
斧かぁ、なんかしっくり来るね…。不思議だねー…。
でも、斧でセクハラってありなのかな？そんなのぶっ殺しかねない…けれど、逃げれないようにはできるね？いや、流石にダメだね、倫理的にね…。
(廃工場で色々と漁っていたらしい。その中でも何となく、目についた斧を拾ってぶんぶん、と振り回しながら独り言。)
【酢豚パイナポー】
「あの…！ここで、何をしているのですか…？」
パイナポーは廃工場へ。
理由は勿論武器と何か切り札がないか…について探すため。元々の姿と乖離したこの姿…ただバカンスするだけなら良いのだが、どっかの小説やら漫画やらのように”実は殺し合いでしたー☆ギャハハ！“なんて言われればたまったもんじゃない。
そしてきたのは一番候補としてありそうな廃工場…なのだが…なんかやばい人いる。
【痴漢者トーマス】
斧の有効活用法…何か…何か無いものか…ｱｯ。
(斧を相変わらず振り回しながら、何が出来るかを考える。できれば、樵か殺人以外で…。
そしたら、おーっと！斧が手からスッぽ抜けてパイナポーちゃんの方へすっ飛んでった！)
【酢豚パイナポー】
「…え？
ええ？
ひっっ…
ひやああああああああああ！！！！！
何ですか何ですか何ですか何なんですかああああああああ！？！？！？」
ぶんぶん振るわれる大斧。
っべー、これべー、うあべーやつやんけ関わらんどこアッフッフンなんて考えてたら何という事でしょうか。すっぽ抜けた大斧は黄金の螺旋軌道を描いてパイナポーへとダイレクトアタック！！！
やめて、マジヤメテ！！！パイナポー輪切りになっちゃうううううううう！！！！
パイナポーは自身の命が潰える危険性を”スゴ味中枢(多分脳内のどっかにある)“で感じ取り、物陰へと悲鳴をあげながら全力退避。やっぱヤベーやつやったやんけ！！！
【痴漢者トーマス】
…！？うっはー、人居たんだね？やっべぇ、撃っちゃった…。私引き金引いてないアルネ…。
(人が居て。しかも、そっちの法にぶん投げられたことに流石に動揺したらしい。おろおろしながら、パイナポーの方へ。でも、半分くらいは可愛い悲鳴でラッキーまであるとか考えてる。)
へ、ヘーイ！そこの可愛いお嬢様！えー、エターナルラヴ！この度は、わたくしめのミスがこのような結果になってしまったことを心よりお詫びしたく存じ上げるね！お詫びに、あー、何か手伝うね！
(色々言いながら突撃。とりあえず、パイナポーの姿を確認する。顔から胸から下から足まで！)
【酢豚パイナポー】
「き、気をつけてくださいっ！？当たって死んじゃったらどうするんですかっ…！！」
物陰からひょっこりと顔を出して。鶏のような悲鳴をあげてしまった事による羞恥心から顔を若干赤らめながら…パイナポーは目の前の男性へと抗議する。
流石に大斧フルスイング、一発殺害RTAとか誰得私損。死んでしまうなんてなさけない！
「…もう。次からは気をつけてくださいよ…。よっと…。」
地面に転がった斧を顔を→><みたいにしながら担いで、パイナポーは件の男性へと歩いて行く。
【痴漢者トーマス】
いやー、ごめんね？人が居るとは思わなかったからねー。うん、次からは気を付けるね。
ところで、私はね、その斧を気に入ったんだよ。それはわかるね？
(一瞬で話題を変える。本当に気を付けるつもりがあるのだろうか。)
で、お願いがあるんだよね。その斧をどう使えば良いか凄く悩んでてねー、だから、それの使い道を私と考えるか。
…もしくは私にちょっと…抱かれるとか、揉ませるとかしてほしいんだよね。クケケケケ…。
さぁ、どっちだ！どっちがいいと思うかね！？
(とりあえず、どっちかはやらせるつもりらしい。拒否されることはあまり考えない。)
【酢豚パイナポー】
「……前者で…お願いします…。」
この女性、何度初対面の印象を拭おうとしても最終的に“変態”の二文字がこびりついて離れない。というか、身体を売るか頭を使うか。
どちらを選ぶかなど一目瞭然…このまま斧を相手の脳天に突き立てたい衝動に駆られるが…我慢だ、私。
「あ、私は…その…“酢豚に極稀に入っているパイナポー”……です。よろしく…お願いします…。」
【痴漢者トーマス】
はーい、じゃ、一緒に頭を使おうね。もしくは、身体も使う？使っちゃわない？
私は良いんだよね？もっと、エッチなこと…しよう！
(うるせぇよ。)
…というか、すごい名前ね。唐揚げ君といい、皆食べ物好きなのね？私は機関車トーマス、ではなく痴漢者トーマスだね。よろしくね。
あ、このコロパットのさ、フレンドになる？私は精神的なフレンドよりも、肉体的なフレンドの方が好きかもだけどねー…あ、ところで、コロパットのコロってなんだろうね？
【酢豚パイナポー】
「え、え、エッチ…って何ですか！！はっ、破廉恥です！ダメです！…フレンドならなりますけど。」
高校生にもなってウブな生娘かと言われんばかりに…パイナポーはようやく引いてきていた顔の赤みを再度加熱させながら、両手で大きなバッテンを作って拒否する。
パイナポーも人並み程度の性教育くらい受けているのだが…何とまぁ。
とりあえず、いそいそとコロパッドを出すあたり、目の前の女性に対してそこまで悪感情を持っている訳ではなさそうだが。
「コロパッドのコロ…コロ…
コロイド粒子とかですかね？」
【痴漢者トーマス】
いやー、かわいいねー。うぶだねー。真っ赤だねー。何もしないから抱き締めてナデナデしていいね？ ヒュッフー！！愛してるよー！！大好き！！
(両手を広げて急に叫ぶキチガイ。流石にクラスではこんなんじゃないはず。)
うん、失礼。で、その前にフレンドだね。
コロイド粒子？コロンビアかな、って思ってたけどそっちの方が近そう…。 なるほどねー。
(急に冷静になると、コロパッドを取り出した。)
【酢豚パイナポー】
「ひうっ…！！
あ、こ、コロンビアの可能性もありそうですね！分かんないですけどっ！あとコロッケとかコロナとかいっぱいありますねっ！！ねっ！」
パイナポーはもはやダウン寸前、変態はぐいぐい来るから苦手なんだ全くもって。いや、人間性を否定するわけではないのだが、こう精神的メンタリズムに悪影響及ぼしそうとか…でもこういう所で性交渉を行うのは正しくアドレナリンの分泌を促してアドレナリンは生き残る為にも必要だから……
なんてパイナポーは頭の中で自身のアイデンティティと性知識をぐるぐるとねるねるねるね真っ青にかき混ぜて。とりあえず思考を打ち消すべくパイナポーは早口で捲くしたてる。勘違いやらが加速するのはパイナポーの悪い癖だ。
【痴漢者トーマス】
コロッケ…コロコロステーキいくらでもあるけど…。今は、そんなことはどうでもよろしネ…。
(フレンド登録をすませて、コロパッドをしまう。)
お…ォう、私はパイナポーちゃんを抱き締めるねェ！！愛してるよ！！いえーい！！かーわいー！！ヒューッ！！
(パイナポーに抱き付いた。
否定の言葉が聞こえなかったからね！仕方ないね！みたいな言い訳を心でしながら、パイナポーに抱き付いた。斧持ってる相手に躊躇なく抱き付いた。
そう、まさしくこれは愛である。実質純愛。)
【酢豚パイナポー】
「…きゃっ！！や、やめてくださいっ！！恥ずかしいですっ！離してください！！」
いくら女子同士(両方の中身は分からないが)とはいえ、藪から棒に抱きつかれて拒否しないわけがあるか、いやない。(反語)
パイナポーは顔を←の通りにしながら、腕に力を込めて逃げ出そうとする。しかし…どうやら相手の拘束力には勝てないようで。
「やめ…あのっ！！聞いてますかっ！？」
「あの…あの…っ！！」
「ちょっと…その…。」
「………。」
次第にパイナポーは言葉の強さと逃げ出す力が弱まっていき…とうとうパイナポーは逃げだすのはやめ、されるがままへとなっていったのであった。
【痴漢者トーマス】
恥ずかしくないねー。別に他に誰も居ないし…うッへヘヘヘヘ…。もう離さないねー、君がすべてだからね！
ふんふん、聞いてないネー。良い匂いであるねー。可愛い女の子ってなんでこんなにふわふわした匂いするんだろうねー。不思議だねー。
いやぁ、このまま美の極地を求めてゴートゥしたい衝動に駆られつつあるも、無理にしてはいけないとも思えてくるこの衝動ネ…。半分性愛半分慈愛…半分青いねー…。
…ああー、愛いやつめ…。これからは私がストーカー気味に守るね！
決めたね！一生愛するって誓うよ！ここでね！今！キャーッ！！ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁｰ。
(抱き締めて背中さすったり、頭撫でたり、肩を揉んだり、腰を揉みほぐしたり。何マッサージしとるねん。
まぁ、アレ以上はアレなのだ。申し訳ないが…ネットルームのマナー的にNGだったような気もする。
しばらく抱き締めたまま、ブツブツ言ってついでになでなでしたりしていたが、愛の誓いを立てる辺りでようやく解放した。)
【酢豚パイナポー】
「はっ…はふっ…。
あの…よろしく…お願いします…です…。」
パイナポーちゃんはされるがままなすがまま。全身をマッサージ(健全な意味で)されてパイナポーちゃんはぐったり。斧もからんと地面に落としちゃった。
顔が熱で紅く染まり、はっはっと犬のように荒い息を吐いているとしても…腰砕けになってぺたりと地面に座り込んでいたとしても、それは健全であることを保障しよう。
兎も角、パイナポーちゃんはお目目ぐるぐる疲れた状態になりながら、コロパッドに登録された“痴漢者トーマス”の名前を確認して、よろしく伝える。
ツッコミどころは多々というか全部であるが、まあこうしてお友達が出来たことはいいことだ。こんな知らない土地で知っている人が増えただけで心は大きく支えられるのだから。
「えっと…、ち…ト、トーマスさんはこれからどこへ行くのですか？」
パイナポーは数度深呼吸。息を整えて尋ねる。
【痴漢者トーマス】
はーい、よろしくね〜♪
ううん、堪能したねー。しかも、こんなところで一生愛する人が出来るなんて感動的ね…。
(頬に右手を添えてキャー、とか言いながら。左手では落ちた斧を取って、グルンと回してみる。)
さて、私？私は…うーん。
戻ってホテルに帰ろうかな、とも思うけどねー、念のためにやっておきたいことがあるから…。ショッピングモールだね？多分…。あと、温泉にも行ってみたいねー…。
パイナポちゃんは？…というか、ここに何しに来たのね？
(具体的には決まっていないが、ショッピングモールか温泉かなー、と考えているらしい。)
【酢豚パイナポー】
「わ、私は…一人で心細いから…。
何か怖い人に脅された時の対抗策があればな…って。結果、こうしてトーマスさんと会えたのは幸運でしたっ…！」
ああ、そうだと言わんばかりに。パイナポーはポンっと手を打って来た理由を話す。
パイナポーとしてはここで鉄パイプでも拾って野生動物とかへの自衛手段にしようと思っていたところ。結果的に面白い(直喩)人が居たから収穫はあった。よかったよかった。
「ええと…私はもう少しここを漁って…そのあとトーマスさん以外の方とお会いしようかと。連絡先はいっぱいあった方がお友達が多いみたいでいいですからねっ。」
【痴漢者トーマス】
おお、それは良かったねー。いやー、そう言っても貰えると私も嬉しいねー、もう一度ギューってしたくなるねー！！
おっと…。ともかく、誰かと一緒に居れればいいね…。そんなときは、私を頼るのがいいね！
(嬉しさの余り、自分を抱くように手を動かそうとしたら、持ってた斧が太股をかすめた。衝動的な行動は危ないから…辞めようね！)
ふむふむ、なるほどね。そうだね、色んな人とお話出来ると良いねー。
ところで、パイナポちゃん。パイナポちゃんが危ないときはすぐに駆け付けれるように、定期的に居る場所送ってほしいな？なんて…。
(ストーカーみたいな発想をしやがる。)
【酢豚パイナポー】
「え、居場所…ですか？えっと…恥ずかしくない範囲でしたら…いいです…よ？」
どうやらここにきてから初めて接触した相手、中々に心を許しているご様子。彼女はトーマスに散々な目にあわされたというのに、迂闊にも居場所を送る約束をしてしまった。これはチョロインですね間違いない。
「あ、トーマスさんのも教えて欲しいな…なんて。
駄目…ですか？」
【痴漢者トーマス】
うんうん、ありがとねー！これでいつでもパイナポちゃんのピンチに駆け付けられるね！
(もしもの為に、欲しいものだ。うむ、出会ってからはまだ短いが、愛は本物である。守護らねば。)
勿論良いよね。断る必要がないよねー！
何かあったら私に頼ってね。斧をぶん回して、助けるからね！
(お互いの居場所が分かれば、いざという時に助けに行くことも助けを求めることも簡単になる。良いことだ。まあ、体格や筋力を考えると多分トーマスの方が助ける側になりやすいと思うのだが。)
さて、私はそろそろ行くねー。さらばだね！
(斧を担ぐと、出口に向かって歩き始めた。…チラチラと何度もパイナポちゃんの方を見てるのは未練がましいのか、それとも心配してるのか…)
【酢豚パイナポー】
「はい…トーマスさん。また、お会いしましょうね？」
チラチラとこちらを伺うトーマスに微笑んで、右の手を小さく振って見送る。パイナポーはそこまで戦闘能力は高くない…故に今回こうして色々な面で頼りになりそうな女性に出会えたのは僥倖であった。野生動物とかを狩るときには連絡しよう。
あんな変態じみた行動をしているが、愛してるなんてお茶目な冗談を言うくらいユーモアのあるお人。安心できると言うかなんというか…兎も角一言で形容するなら凄まじい人、であった。
「ばいばい、です。トーマスさん。」
さて、トーマスが行ったらここを漁らないとね。
【痴漢者トーマス】
斧かぁ、なんかしっくり来るね…。不思議だねー…。
でも、斧でセクハラってありなのかな？そんなのぶっ殺しかねない…けれど、逃げれないようにはできるね？いや、流石にダメだね、倫理的にね…。
(廃工場で色々と漁っていたらしい。その中でも何となく、目についた斧を拾ってぶんぶん、と振り回しながら独り言。)
【酢豚パイナポー】
「あの…！ここで、何をしているのですか…？」
パイナポーは廃工場へ。
理由は勿論武器と何か切り札がないか…について探すため。元々の姿と乖離したこの姿…ただバカンスするだけなら良いのだが、どっかの小説やら漫画やらのように”実は殺し合いでしたー☆ギャハハ！“なんて言われればたまったもんじゃない。
そしてきたのは一番候補としてありそうな廃工場…なのだが…なんかやばい人いる。
【痴漢者トーマス】
斧の有効活用法…何か…何か無いものか…ｱｯ。
(斧を相変わらず振り回しながら、何が出来るかを考える。できれば、樵か殺人以外で…。
そしたら、おーっと！斧が手からスッぽ抜けてパイナポーちゃんの方へすっ飛んでった！)
【酢豚パイナポー】
「…え？
ええ？
ひっっ…
ひやああああああああああ！！！！！
何ですか何ですか何ですか何なんですかああああああああ！？！？！？」
ぶんぶん振るわれる大斧。
っべー、これべー、うあべーやつやんけ関わらんどこアッフッフンなんて考えてたら何という事でしょうか。すっぽ抜けた大斧は黄金の螺旋軌道を描いてパイナポーへとダイレクトアタック！！！
やめて、マジヤメテ！！！パイナポー輪切りになっちゃうううううううう！！！！
パイナポーは自身の命が潰える危険性を”スゴ味中枢(多分脳内のどっかにある)“で感じ取り、物陰へと悲鳴をあげながら全力退避。やっぱヤベーやつやったやんけ！！！
【痴漢者トーマス】
…！？うっはー、人居たんだね？やっべぇ、撃っちゃった…。私引き金引いてないアルネ…。
(人が居て。しかも、そっちの法にぶん投げられたことに流石に動揺したらしい。おろおろしながら、パイナポーの方へ。でも、半分くらいは可愛い悲鳴でラッキーまであるとか考えてる。)
へ、ヘーイ！そこの可愛いお嬢様！えー、エターナルラヴ！この度は、わたくしめのミスがこのような結果になってしまったことを心よりお詫びしたく存じ上げるね！お詫びに、あー、何か手伝うね！
(色々言いながら突撃。とりあえず、パイナポーの姿を確認する。顔から胸から下から足まで！)
【酢豚パイナポー】
「き、気をつけてくださいっ！？当たって死んじゃったらどうするんですかっ…！！」
物陰からひょっこりと顔を出して。鶏のような悲鳴をあげてしまった事による羞恥心から顔を若干赤らめながら…パイナポーは目の前の男性へと抗議する。
流石に大斧フルスイング、一発殺害RTAとか誰得私損。死んでしまうなんてなさけない！
「…もう。次からは気をつけてくださいよ…。よっと…。」
地面に転がった斧を顔を→><みたいにしながら担いで、パイナポーは件の男性へと歩いて行く。
【痴漢者トーマス】
いやー、ごめんね？人が居るとは思わなかったからねー。うん、次からは気を付けるね。
ところで、私はね、その斧を気に入ったんだよ。それはわかるね？
(一瞬で話題を変える。本当に気を付けるつもりがあるのだろうか。)
で、お願いがあるんだよね。その斧をどう使えば良いか凄く悩んでてねー、だから、それの使い道を私と考えるか。
…もしくは私にちょっと…抱かれるとか、揉ませるとかしてほしいんだよね。クケケケケ…。
さぁ、どっちだ！どっちがいいと思うかね！？
(とりあえず、どっちかはやらせるつもりらしい。拒否されることはあまり考えない。)
【酢豚パイナポー】
「……前者で…お願いします…。」
この女性、何度初対面の印象を拭おうとしても最終的に“変態”の二文字がこびりついて離れない。というか、身体を売るか頭を使うか。
どちらを選ぶかなど一目瞭然…このまま斧を相手の脳天に突き立てたい衝動に駆られるが…我慢だ、私。
「あ、私は…その…“酢豚に極稀に入っているパイナポー”……です。よろしく…お願いします…。」
【痴漢者トーマス】
はーい、じゃ、一緒に頭を使おうね。もしくは、身体も使う？使っちゃわない？
私は良いんだよね？もっと、エッチなこと…しよう！
(うるせぇよ。)
…というか、すごい名前ね。唐揚げ君といい、皆食べ物好きなのね？私は機関車トーマス、ではなく痴漢者トーマスだね。よろしくね。
あ、このコロパットのさ、フレンドになる？私は精神的なフレンドよりも、肉体的なフレンドの方が好きかもだけどねー…あ、ところで、コロパットのコロってなんだろうね？
【酢豚パイナポー】
「え、え、エッチ…って何ですか！！はっ、破廉恥です！ダメです！…フレンドならなりますけど。」
高校生にもなってウブな生娘かと言われんばかりに…パイナポーはようやく引いてきていた顔の赤みを再度加熱させながら、両手で大きなバッテンを作って拒否する。
パイナポーも人並み程度の性教育くらい受けているのだが…何とまぁ。
とりあえず、いそいそとコロパッドを出すあたり、目の前の女性に対してそこまで悪感情を持っている訳ではなさそうだが。
「コロパッドのコロ…コロ…
コロイド粒子とかですかね？」
【痴漢者トーマス】
いやー、かわいいねー。うぶだねー。真っ赤だねー。何もしないから抱き締めてナデナデしていいね？ ヒュッフー！！愛してるよー！！大好き！！
(両手を広げて急に叫ぶキチガイ。流石にクラスではこんなんじゃないはず。)
うん、失礼。で、その前にフレンドだね。
コロイド粒子？コロンビアかな、って思ってたけどそっちの方が近そう…。 なるほどねー。
(急に冷静になると、コロパッドを取り出した。)
【酢豚パイナポー】
「ひうっ…！！
あ、こ、コロンビアの可能性もありそうですね！分かんないですけどっ！あとコロッケとかコロナとかいっぱいありますねっ！！ねっ！」
パイナポーはもはやダウン寸前、変態はぐいぐい来るから苦手なんだ全くもって。いや、人間性を否定するわけではないのだが、こう精神的メンタリズムに悪影響及ぼしそうとか…でもこういう所で性交渉を行うのは正しくアドレナリンの分泌を促してアドレナリンは生き残る為にも必要だから……
なんてパイナポーは頭の中で自身のアイデンティティと性知識をぐるぐるとねるねるねるね真っ青にかき混ぜて。とりあえず思考を打ち消すべくパイナポーは早口で捲くしたてる。勘違いやらが加速するのはパイナポーの悪い癖だ。
【痴漢者トーマス】
コロッケ…コロコロステーキいくらでもあるけど…。今は、そんなことはどうでもよろしネ…。
(フレンド登録をすませて、コロパッドをしまう。)
お…ォう、私はパイナポーちゃんを抱き締めるねェ！！愛してるよ！！いえーい！！かーわいー！！ヒューッ！！
(パイナポーに抱き付いた。
否定の言葉が聞こえなかったからね！仕方ないね！みたいな言い訳を心でしながら、パイナポーに抱き付いた。斧持ってる相手に躊躇なく抱き付いた。
そう、まさしくこれは愛である。実質純愛。)
【酢豚パイナポー】
「…きゃっ！！や、やめてくださいっ！！恥ずかしいですっ！離してください！！」
いくら女子同士(両方の中身は分からないが)とはいえ、藪から棒に抱きつかれて拒否しないわけがあるか、いやない。(反語)
パイナポーは顔を←の通りにしながら、腕に力を込めて逃げ出そうとする。しかし…どうやら相手の拘束力には勝てないようで。
「やめ…あのっ！！聞いてますかっ！？」
「あの…あの…っ！！」
「ちょっと…その…。」
「………。」
次第にパイナポーは言葉の強さと逃げ出す力が弱まっていき…とうとうパイナポーは逃げだすのはやめ、されるがままへとなっていったのであった。
【痴漢者トーマス】
恥ずかしくないねー。別に他に誰も居ないし…うッへヘヘヘヘ…。もう離さないねー、君がすべてだからね！
ふんふん、聞いてないネー。良い匂いであるねー。可愛い女の子ってなんでこんなにふわふわした匂いするんだろうねー。不思議だねー。
いやぁ、このまま美の極地を求めてゴートゥしたい衝動に駆られつつあるも、無理にしてはいけないとも思えてくるこの衝動ネ…。半分性愛半分慈愛…半分青いねー…。
…ああー、愛いやつめ…。これからは私がストーカー気味に守るね！
決めたね！一生愛するって誓うよ！ここでね！今！キャーッ！！ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁｰ。
(抱き締めて背中さすったり、頭撫でたり、肩を揉んだり、腰を揉みほぐしたり。何マッサージしとるねん。
まぁ、アレ以上はアレなのだ。申し訳ないが…ネットルームのマナー的にNGだったような気もする。
しばらく抱き締めたまま、ブツブツ言ってついでになでなでしたりしていたが、愛の誓いを立てる辺りでようやく解放した。)
【酢豚パイナポー】
「はっ…はふっ…。
あの…よろしく…お願いします…です…。」
パイナポーちゃんはされるがままなすがまま。全身をマッサージ(健全な意味で)されてパイナポーちゃんはぐったり。斧もからんと地面に落としちゃった。
顔が熱で紅く染まり、はっはっと犬のように荒い息を吐いているとしても…腰砕けになってぺたりと地面に座り込んでいたとしても、それは健全であることを保障しよう。
兎も角、パイナポーちゃんはお目目ぐるぐる疲れた状態になりながら、コロパッドに登録された“痴漢者トーマス”の名前を確認して、よろしく伝える。
ツッコミどころは多々というか全部であるが、まあこうしてお友達が出来たことはいいことだ。こんな知らない土地で知っている人が増えただけで心は大きく支えられるのだから。
「えっと…、ち…ト、トーマスさんはこれからどこへ行くのですか？」
パイナポーは数度深呼吸。息を整えて尋ねる。
【痴漢者トーマス】
はーい、よろしくね〜♪
ううん、堪能したねー。しかも、こんなところで一生愛する人が出来るなんて感動的ね…。
(頬に右手を添えてキャー、とか言いながら。左手では落ちた斧を取って、グルンと回してみる。)
さて、私？私は…うーん。
戻ってホテルに帰ろうかな、とも思うけどねー、念のためにやっておきたいことがあるから…。ショッピングモールだね？多分…。あと、温泉にも行ってみたいねー…。
パイナポちゃんは？…というか、ここに何しに来たのね？
(具体的には決まっていないが、ショッピングモールか温泉かなー、と考えているらしい。)
【酢豚パイナポー】
「わ、私は…一人で心細いから…。
何か怖い人に脅された時の対抗策があればな…って。結果、こうしてトーマスさんと会えたのは幸運でしたっ…！」
ああ、そうだと言わんばかりに。パイナポーはポンっと手を打って来た理由を話す。
パイナポーとしてはここで鉄パイプでも拾って野生動物とかへの自衛手段にしようと思っていたところ。結果的に面白い(直喩)人が居たから収穫はあった。よかったよかった。
「ええと…私はもう少しここを漁って…そのあとトーマスさん以外の方とお会いしようかと。連絡先はいっぱいあった方がお友達が多いみたいでいいですからねっ。」
【痴漢者トーマス】
おお、それは良かったねー。いやー、そう言っても貰えると私も嬉しいねー、もう一度ギューってしたくなるねー！！
おっと…。ともかく、誰かと一緒に居れればいいね…。そんなときは、私を頼るのがいいね！
(嬉しさの余り、自分を抱くように手を動かそうとしたら、持ってた斧が太股をかすめた。衝動的な行動は危ないから…辞めようね！)
ふむふむ、なるほどね。そうだね、色んな人とお話出来ると良いねー。
ところで、パイナポちゃん。パイナポちゃんが危ないときはすぐに駆け付けれるように、定期的に居る場所送ってほしいな？なんて…。
(ストーカーみたいな発想をしやがる。)
【酢豚パイナポー】
「え、居場所…ですか？えっと…恥ずかしくない範囲でしたら…いいです…よ？」
どうやらここにきてから初めて接触した相手、中々に心を許しているご様子。彼女はトーマスに散々な目にあわされたというのに、迂闊にも居場所を送る約束をしてしまった。これはチョロインですね間違いない。
「あ、トーマスさんのも教えて欲しいな…なんて。
駄目…ですか？」
【痴漢者トーマス】
うんうん、ありがとねー！これでいつでもパイナポちゃんのピンチに駆け付けられるね！
(もしもの為に、欲しいものだ。うむ、出会ってからはまだ短いが、愛は本物である。守護らねば。)
勿論良いよね。断る必要がないよねー！
何かあったら私に頼ってね。斧をぶん回して、助けるからね！
(お互いの居場所が分かれば、いざという時に助けに行くことも助けを求めることも簡単になる。良いことだ。まあ、体格や筋力を考えると多分トーマスの方が助ける側になりやすいと思うのだが。)
さて、私はそろそろ行くねー。さらばだね！
(斧を担ぐと、出口に向かって歩き始めた。…チラチラと何度もパイナポちゃんの方を見てるのは未練がましいのか、それとも心配してるのか…)
【酢豚パイナポー】
「はい…トーマスさん。また、お会いしましょうね？」
チラチラとこちらを伺うトーマスに微笑んで、右の手を小さく振って見送る。パイナポーはそこまで戦闘能力は高くない…故に今回こうして色々な面で頼りになりそうな女性に出会えたのは僥倖であった。野生動物とかを狩るときには連絡しよう。
あんな変態じみた行動をしているが、愛してるなんてお茶目な冗談を言うくらいユーモアのあるお人。安心できると言うかなんというか…兎も角一言で形容するなら凄まじい人、であった。
「ばいばい、です。トーマスさん。」
さて、トーマスが行ったらここを漁らないとね。
梨の 妖精に 追われています 1st-13th
ふ〇なっしー(1st)-撫子(13th)
【撫子】
寒いぃ…寒いぃぃ……
（絵に描いたような雪景色。そこに季節外れの姿で足跡を残して歩く少女が一人。
左手は右腕、右手は左腕の肘を掴んで縮こまるようにしながら停留所から出てきていた。まるで夏祭りにでも行っていたかのような服装の彼女が、こんな真冬の地に放り出されて平気なわけがなかった。）
【ふ〇なっしー】
『寒いなっしぃぃぃぃぃぃ！！！！！！！』
と謎のサムシングが停留所の真後ろで激しいヘドバンしている←
『こういう時は体を動かす事に限るなっしー！』
まるで首が折れているかのような……そんな激しいヘドバン
梨汁ブシャー
【撫子】
………走れば温まるかな…
（と言って軽く走り始める。確か近くにホテルか何かがあった。そこの中ならきっと暖かい。目的地は決まったのでさっさと行くことにした。
何より、これに関わってはいけない。本能が告げた。）
【ふ〇なっしー】
『寒いなっしぃぃぃぃぃぃ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！』
変なサムシングがさらに激しくヘドバン……その姿は品性を疑う物だった
『寒いなっすぅぅぅぃぃぃぃぃ！！！！！！』
ブレイクダンスを踊り出すサムシング、ブレイクダンスを踊ったと思えばスリラーを踊り出した
梨汁ブシャー
【撫子】
（*逃げよう。
軽くしか走ってなかったのを少しだけペースアップして逃げて行く。あんな露骨な変人に付き合いたくない。逃げなければ、何かが終わる気がする。
わけのわからない恐怖心に任せて走って行く。）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
ヘドバンしながら同じ方向に走り出すサムシング
梨汁ブシャー
『置いていかないで欲しいなっしー！！！！』
熱気で雪が溶けてるではないか
梨汁ブシャー
【撫子】
来ないでよふなっしーをかたどった変態ダークマター！！？
（よくわからない呼び方。そしてふなっしーにモザイクをかけることをしない。
追いかけてくることに気づけば全力ダッシュを始める。
しかし、こちらは下駄。走りづらい。相手は着ぐるみ。走りづらい。
この勝負の行方は＿＿＿）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
まるで冬眠が出来ず冬の間餌に飢えている熊が獲物を見つけたかのような眼光
2mという身長、消して小さい訳では無い、着ぐるみのような物と相まってまるで巨人が歩いたかのような足音を立てる。
『止まるなっしー！！！！』
その癖速い、そりゃあもう梨の様に………梨汁ブシャー
【撫子】
いやぁぁぁぁぁぁ！！？これホラーゲームか何かなの！！？
（叫びながらなおも逃げ続ける…が、逃げ切れる気配はない。むしろ追いつかれそうな勢い。
着ぐるみ来た何かに追いかけられる。この概念はホラーゲームにありそうだと思わないだろうか？私は思う。）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
『ｷｬｧｧｧｧ!!!!』
転んだ、当たり前である梨汁ブシャー、着ぐるみを来た状態で走るなんて自殺行為にも等しい梨汁ブシャー
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ、ｲﾀｲﾅｯｼｰ 』
【撫子】
（転んだ姿を見てから、少し安心した。これならまだ巻けるからだ。
そう考えて、近くにある適当な路地に入り込んで行方をくらまそうとする。このまま走り続けて、見つけた路地を適当に曲がって行くつもりで。）
【ふ〇なっしー】
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ』
『ﾀｽｹﾃﾅｯｼｰ』
『ｻﾑｲﾅｯｼｰ』
体力を使いすぎた為か体がだるい＆寒い
汗が凍っているようなきがしてきた
やっぱり気の所為だった
やっぱり気の所為じゃなかった
梨汁ブシャー
【撫子】
はぁっ…はぁっ………
（しばらく走った後に足を止めた。疲れ切って走れなくなってしまったのだ。
大分体は暖まったが、汗をかいた。風邪を引きそうなので早くホテルに行こう。そう考えたところで、ふと思った。
ここどこだろう、と。）
【撫子】
寒いぃ…寒いぃぃ……
（絵に描いたような雪景色。そこに季節外れの姿で足跡を残して歩く少女が一人。
左手は右腕、右手は左腕の肘を掴んで縮こまるようにしながら停留所から出てきていた。まるで夏祭りにでも行っていたかのような服装の彼女が、こんな真冬の地に放り出されて平気なわけがなかった。）
【ふ〇なっしー】
『寒いなっしぃぃぃぃぃぃ！！！！！！！』
と謎のサムシングが停留所の真後ろで激しいヘドバンしている←
『こういう時は体を動かす事に限るなっしー！』
まるで首が折れているかのような……そんな激しいヘドバン
梨汁ブシャー
【撫子】
………走れば温まるかな…
（と言って軽く走り始める。確か近くにホテルか何かがあった。そこの中ならきっと暖かい。目的地は決まったのでさっさと行くことにした。
何より、これに関わってはいけない。本能が告げた。）
【ふ〇なっしー】
『寒いなっしぃぃぃぃぃぃ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！』
変なサムシングがさらに激しくヘドバン……その姿は品性を疑う物だった
『寒いなっすぅぅぅぃぃぃぃぃ！！！！！！』
ブレイクダンスを踊り出すサムシング、ブレイクダンスを踊ったと思えばスリラーを踊り出した
梨汁ブシャー
【撫子】
（*逃げよう。
あなたは決意で満たされた。
軽くしか走ってなかったのを少しだけペースアップして逃げて行く。あんな露骨な変人に付き合いたくない。逃げなければ、何かが終わる気がする。
わけのわからない恐怖心に任せて走って行く。）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
ヘドバンしながら同じ方向に走り出すサムシング
梨汁ブシャー
『置いていかないで欲しいなっしー！！！！』
熱気で雪が溶けてるではないか
梨汁ブシャー
【撫子】
来ないでよふなっしーをかたどった変態ダークマター！！？
（よくわからない呼び方。そしてふなっしーにモザイクをかけることをしない。
追いかけてくることに気づけば全力ダッシュを始める。
しかし、こちらは下駄。走りづらい。相手は着ぐるみ。走りづらい。
この勝負の行方は＿＿＿）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
まるで冬眠が出来ず冬の間餌に飢えている熊が獲物を見つけたかのような眼光
2mという身長、消して小さい訳では無い、着ぐるみのような物と相まってまるで巨人が歩いたかのような足音を立てる。
『止まるなっしー！！！！』
その癖速い、そりゃあもう梨の様に………梨汁ブシャー
【撫子】
いやぁぁぁぁぁぁ！！？これホラーゲームか何かなの！！？
（叫びながらなおも逃げ続ける…が、逃げ切れる気配はない。むしろ追いつかれそうな勢い。
着ぐるみ来た何かに追いかけられる。この概念はホラーゲームにありそうだと思わないだろうか？私は思う。）
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
『ｷｬｧｧｧｧ!!!!』
転んだ、当たり前である梨汁ブシャー、着ぐるみを来た状態で走るなんて自殺行為にも等しい梨汁ブシャー
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ、ｲﾀｲﾅｯｼｰ 』
【撫子】
（転んだ姿を見てから、少し安心した。これならまだ巻けるからだ。
そう考えて、近くにある適当な路地に入り込んで行方をくらまそうとする。このまま走り続けて、見つけた路地を適当に曲がって行くつもりで。）
【ふ〇なっしー】
『ｲﾀｲﾅｯｼｰ』
『ﾀｽｹﾃﾅｯｼｰ』
『ｻﾑｲﾅｯｼｰ』
体力を使いすぎた為か体がだるい＆寒い
汗が凍っているようなきがしてきた
やっぱり気の所為だった
やっぱり気の所為じゃなかった
梨汁ブシャー
【撫子】
はぁっ…はぁっ………
（しばらく走った後に足を止めた。疲れ切って走れなくなってしまったのだ。
大分体は暖まったが、汗をかいた。風邪を引きそうなので早くホテルに行こう。そう考えたところで、ふと思った。
ここどこだろう、と。）
大和撫子と凪の暇 6th-13th
臨海 凪乃(6th)-撫子(13th)
【撫子】
……へくしっ…
（くしゃみをした。
さっきの逃走劇から10分程が経った。しかし、まだ一向に知ってる道に出られない。服装もあるが、さっき走ったせいで汗をかいて寒さが加速している。
このままだとどこかで倒れそうな気もしてきた。早くしなければ、という焦りも出てきたところだった。）
【臨海 凪乃】
どこからか、逃走の一部始終を陰で見ていた少女
クラスメイトであるのではないかという彼女の考えはあの梨によって瓦解した
あんなやつ、クラスにいたっけ？
そういった疑問が脳内を支配した。
誰だアイツ？？
そして、息切らして雪国を疾走する彼女は……
サーティーンス、13番目の参加者。
「13th,ご苦労様ね」
目の前に現れては労りの言葉を投げかける。
ここは魔界であることを彼女が証明してくれた。そこは感謝しよう。
【撫子】
………誰…？
（一応補足しておくと、今は歩いている。
まぁそこはともかく、声の主の方を振り返ってそう問う。ご苦労様、ということはさっきのを見ていたのだろうか、なら助けてよ、とか思ってもいたが、寒くて言う元気がなかった。）
【臨海 凪乃】
「私は臨海凪乃……のぞみ、なぎの、それとも……6thのほうが格好がつくのかしら
6番目の参加者にして6番目の被害者よ、この狂った世界の」
淡々としゃべる彼女の声は凪のように抑揚のない声で平坦に
何の感情を込めないで、青い瞳を13thに向ける
「1stに襲われていたようね……なんなのかしらあの化け物は……。
昔TVをにぎわせた千葉のマスコットに良く似ているけれど……
なぜ今になって現れたのかしら……、不思議ね。
ああいう危険人物は『さっさと本名を突き止めるに限る』
そうは思わない？ 13th?」
クスクスっと笑っておどける。
私の推理推察を一気に瓦解させたあの梨はもはや化け物だろう。
さっさと船橋市民の怒りを買って駆逐されるべき化け物だ
【撫子】
…………何なのかわかんないのは同じだけど…君とは仲良くやれそうにないかな…
（力に乏しい震えた声でそう話す。それなりの長時間寒さに曝されているせいで弱っているのだろう。）
わかんない上に危険だと思ったからってすぐ殺す…ってそんなの非人道的って思わないの…？化物みたいなのも否定しないけど…人なのはそうでしょ…？
なんでそんな冷酷になれるんだか…
（寒さで途切れ途切れとなりながらもそう話す。
別にここにいるのがクラスメイトだけだ、とかそんな推理をしているわけでもなく、ただ「それ人としてどうなの？」ということだった。
わからないから排除。そんなの昔にあちこちで流行った迫害とやってることは大して変わらないだろう。）
【臨海 凪乃】
「君は……自分が生きてると証明できるのかしら。
目の前の他人が味方だと証明できるのかしら。
そんなの無理よ
我思う、故に我あり 私の存在しか確かなものがないんだから。
自分を守るために殺す行為は正当化されるべきなのよ、13th」
酷く冷たく聞こえるのは気温のせいでもあるだろうか。
殺せ、 といわれるなら 私は殺す自信がある。
「私は、ここにいる人間が全員海神2Cのクラスメイトだと思っている
状況、死の間際、参加者の数……その他もろもろ含めてね
……だからこそ本名をばれてはいけないなんてルールがあるのでしょう。
あの梨の化け物も、クラスメイトである可能性が高い そして
あれが本性なら 危険な人物でしょう？」
果たしてどちらが素で、どちらが本性で、何が偽物で、何を選び取る、何を諦める、決めようとしてる、私は何様だ。どちらを信じるかは、もう決まっている。
「私も仲良くしよう、なんて思ってないもの。 ここで凍えて死んだところで
私は困りはしないけれど……」
【撫子】
………あー…ねー…
（しばらく理解に時間をかけた後、返事を考える時間稼ぎとして適当に声を出しておく。無視してると思われたくないからだ。）
………まぁ大した反論は…ないかな…君に人としての論理は………多分期待できないしさ…
一つだけ言っておくとだけど…真の狂人は自身を偽る…それは常人に見えるように、ね…
よく言われることでしょ……こんなこともわかれないなんてさ…君自分のことしか考えられないんだね…頭悪い……
（言い終えてからまた短くくしゃみをする。自分が凍えていることは気にせず、せっかく近くにある助けも捨てるような言動だった。
弱ってきて力を失ったその目には、かすかな蔑みの色が浮かんでいる。それに気づけるかはわからないが。）
【臨海 凪乃】
「…………」
吹きつける寒風が彼女を薙ぐ
現実の自分だってたくさん隠したいことはある。
秘匿無き人生なんて人として気持ち悪いだけじゃない？
そう、例えば私が現実で人を殺していたとか。
頭が悪ければ、こんな人生送ってないのにね。本当皮肉。
それはさておき、目の前の彼女はもう限界か。
そのくせ、強がりで……可愛い子。
好きよ、そういう人間。嫌いじゃないわ。
近づいて、まだ温かい右手で彼女の左耳を触る。
まだ、凍傷には至っていない。 が、時間の問題。
「……まだ殺せと言われたわけではない、助けてあげよう
ついてきたまえ、 いや、そんな力もないなら私に身を任せればいい」
おぶってやるよ。 ということ
【撫子】
………助けるんだ…
……あ…いや…ちょっと意外に思っただけで…その…お願い…
（なんで耳なんて触ったんだろ、と思えば安否確認だった。
あれだけ人を殺すとか何とか言っておいて助けてもらえると思っていなかっただけに、少し困惑こそしたがすぐに相手を頼る。今、自分の力だけで生きていられると思えないし。）
【臨海 凪乃】
「凍傷で最もダメージを受けるのは指と耳よ、そこを触ればだいたいわかるわ
さて、とはいえどうしたものか……」
そういえばお風呂があったわね
仮にも彼女は女性 私も女性 何も怖いことはない
彼女を担いでお風呂場へと連れて行く
マトモに動けない彼女の衣類をはがし、温泉の内風呂、タイルに寝かせ
足から温水をかけていく。
いきなり心臓にかけるとびっくりしてしまうのだ（たぶんな）
温水に慣れてきたころに胴体や頭から熱水を流すのだ
【撫子】
……なら指で良かったんじゃ…
（運ばれる直前に小声でそう言う。文句が言いたいわけではないが、耳を掴むと少し顔が近づいたりするからどうなんだ、と。
いや、指も指で問題かもしれないが。
とにかく、後はされるがままに運ばれて行くだけだった。途中眠くなったりもしたが、何とか起きていた。）
………ごめん…
（お湯をかけられながら、少し目を逸らしながらそう言う。
助けてもらうくせになんであんな言い方したんだろう、と、自分で思ったからだ。自分が貶した相手に助けられるなんて、申し訳なかった。）
【臨海 凪乃】
「私は危険人物を殺すくらいの度胸はあるといった
だけど、無差別に殺すなんて言ってないわ。
……そもそも、何の利益もないじゃない。そうでしょう？
生きるためには何かを犠牲にする、これは自然の摂理。
あなたが今まで沢山の料理を口にした分の命は死んでいく。
生きることは殺すこと。 生きないために殺すのは冒涜だと思うけれど
生きるために殺すことは仕方のないことだと思うわ」
私たちの生は 数多の屍の上で築かれる
これは自然の道理だ。生きるために殺すしかないなら私は殺そう。
それだけの話である。
「……貴女はまだ、平和ボケしてるんじゃないかしら。
ここはもう、日常じゃないのよ
……それと、そうね。女の子は耳で大体のことが分かるわ」
また彼女の左耳を触ってはいたずらに揉む
【撫子】
………まぁ…そうなのかな…
（少し納得しきれなかったが、特にそれらしい反論もする気になれなかった。
言いたいことはないわけじゃなかったが、それを言う気分にはなれなかった。上手く形にできなかったのもあるが。）
………いや何がわかるんだか…
（何故耳を揉む。そんなツッコミだった。
というかほんと何がわかるのか。体調はわかるだろうが。）
【臨海 凪乃】
「さて、私は行くから、しばらく湯船につかってなさい。
そして、どう行動するか自分は何をするべきかよく考えておくことね」
踵を返して、自分は脱衣所へと戻っていく
きっと……この後ろくでもないことが起こる。そんな気がする。
だからこそ、私は構えているだけなのよ。
じゃあね13th,生きてたらまた会いましょう。
【撫子】
…わかった……じゃあ…またね。
（そう返事すると言われた通り湯船に浸かる。体の芯に染みていくような温かさだった。
それにしても、彼女が言うように、ここで人が死ぬことなんてあるのだろうか。凍死しかけた自分はともかく、それ以外では…
まぁいいや、と、適当に思考をやめて体を休めることに努めた。）
【撫子】
……へくしっ…
（くしゃみをした。
さっきの逃走劇から10分程が経った。しかし、まだ一向に知ってる道に出られない。服装もあるが、さっき走ったせいで汗をかいて寒さが加速している。
このままだとどこかで倒れそうな気もしてきた。早くしなければ、という焦りも出てきたところだった。）
【臨海 凪乃】
どこからか、逃走の一部始終を陰で見ていた少女
クラスメイトであるのではないかという彼女の考えはあの梨によって瓦解した
あんなやつ、クラスにいたっけ？
そういった疑問が脳内を支配した。
誰だアイツ？？
そして、息切らして雪国を疾走する彼女は……
サーティーンス、13番目の参加者。
「13th,ご苦労様ね」
目の前に現れては労りの言葉を投げかける。
ここは魔界であることを彼女が証明してくれた。そこは感謝しよう。
【撫子】
………誰…？
（一応補足しておくと、今は歩いている。
まぁそこはともかく、声の主の方を振り返ってそう問う。ご苦労様、ということはさっきのを見ていたのだろうか、なら助けてよ、とか思ってもいたが、寒くて言う元気がなかった。）
【臨海 凪乃】
「私は臨海凪乃……のぞみ、なぎの、それとも……6thのほうが格好がつくのかしら
6番目の参加者にして6番目の被害者よ、この狂った世界の」
淡々としゃべる彼女の声は凪のように抑揚のない声で平坦に
何の感情を込めないで、青い瞳を13thに向ける
「1stに襲われていたようね……なんなのかしらあの化け物は……。
昔TVをにぎわせた千葉のマスコットに良く似ているけれど……
なぜ今になって現れたのかしら……、不思議ね。
ああいう危険人物は『さっさと本名を突き止めるに限る』
そうは思わない？ 13th?」
クスクスっと笑っておどける。
私の推理推察を一気に瓦解させたあの梨はもはや化け物だろう。
さっさと船橋市民の怒りを買って駆逐されるべき化け物だ
【撫子】
…………何なのかわかんないのは同じだけど…君とは仲良くやれそうにないかな…
（力に乏しい震えた声でそう話す。それなりの長時間寒さに曝されているせいで弱っているのだろう。）
わかんない上に危険だと思ったからってすぐ殺す…ってそんなの非人道的って思わないの…？化物みたいなのも否定しないけど…人なのはそうでしょ…？
なんでそんな冷酷になれるんだか…
（寒さで途切れ途切れとなりながらもそう話す。
別にここにいるのがクラスメイトだけだ、とかそんな推理をしているわけでもなく、ただ「それ人としてどうなの？」ということだった。
わからないから排除。そんなの昔にあちこちで流行った迫害とやってることは大して変わらないだろう。）
【臨海 凪乃】
「君は……自分が生きてると証明できるのかしら。
目の前の他人が味方だと証明できるのかしら。
そんなの無理よ
我思う、故に我あり 私の存在しか確かなものがないんだから。
自分を守るために殺す行為は正当化されるべきなのよ、13th」
酷く冷たく聞こえるのは気温のせいでもあるだろうか。
殺せ、 といわれるなら 私は殺す自信がある。
「私は、ここにいる人間が全員海神2Cのクラスメイトだと思っている
状況、死の間際、参加者の数……その他もろもろ含めてね
……だからこそ本名をばれてはいけないなんてルールがあるのでしょう。
あの梨の化け物も、クラスメイトである可能性が高い そして
あれが本性なら 危険な人物でしょう？」
果たしてどちらが素で、どちらが本性で、何が偽物で、何を選び取る、何を諦める、決めようとしてる、私は何様だ。どちらを信じるかは、もう決まっている。
「私も仲良くしよう、なんて思ってないもの。 ここで凍えて死んだところで
私は困りはしないけれど……」
【撫子】
………あー…ねー…
（しばらく理解に時間をかけた後、返事を考える時間稼ぎとして適当に声を出しておく。無視してると思われたくないからだ。）
………まぁ大した反論は…ないかな…君に人としての論理は………多分期待できないしさ…
一つだけ言っておくとだけど…真の狂人は自身を偽る…それは常人に見えるように、ね…
よく言われることでしょ……こんなこともわかれないなんてさ…君自分のことしか考えられないんだね…頭悪い……
（言い終えてからまた短くくしゃみをする。自分が凍えていることは気にせず、せっかく近くにある助けも捨てるような言動だった。
弱ってきて力を失ったその目には、かすかな蔑みの色が浮かんでいる。それに気づけるかはわからないが。）
【臨海 凪乃】
「…………」
吹きつける寒風が彼女を薙ぐ
現実の自分だってたくさん隠したいことはある。
秘匿無き人生なんて人として気持ち悪いだけじゃない？
そう、例えば私が現実で人を殺していたとか。
頭が悪ければ、こんな人生送ってないのにね。本当皮肉。
それはさておき、目の前の彼女はもう限界か。
そのくせ、強がりで……可愛い子。
好きよ、そういう人間。嫌いじゃないわ。
近づいて、まだ温かい右手で彼女の左耳を触る。
まだ、凍傷には至っていない。 が、時間の問題。
「……まだ殺せと言われたわけではない、助けてあげよう
ついてきたまえ、 いや、そんな力もないなら私に身を任せればいい」
おぶってやるよ。 ということ
【撫子】
………助けるんだ…
……あ…いや…ちょっと意外に思っただけで…その…お願い…
（なんで耳なんて触ったんだろ、と思えば安否確認だった。
あれだけ人を殺すとか何とか言っておいて助けてもらえると思っていなかっただけに、少し困惑こそしたがすぐに相手を頼る。今、自分の力だけで生きていられると思えないし。）
【臨海 凪乃】
「凍傷で最もダメージを受けるのは指と耳よ、そこを触ればだいたいわかるわ
さて、とはいえどうしたものか……」
そういえばお風呂があったわね
仮にも彼女は女性 私も女性 何も怖いことはない
彼女を担いでお風呂場へと連れて行く
マトモに動けない彼女の衣類をはがし、温泉の内風呂、タイルに寝かせ
足から温水をかけていく。
いきなり心臓にかけるとびっくりしてしまうのだ（たぶんな）
温水に慣れてきたころに胴体や頭から熱水を流すのだ
【撫子】
……なら指で良かったんじゃ…
（運ばれる直前に小声でそう言う。文句が言いたいわけではないが、耳を掴むと少し顔が近づいたりするからどうなんだ、と。
いや、指も指で問題かもしれないが。
とにかく、後はされるがままに運ばれて行くだけだった。途中眠くなったりもしたが、何とか起きていた。）
………ごめん…
（お湯をかけられながら、少し目を逸らしながらそう言う。
助けてもらうくせになんであんな言い方したんだろう、と、自分で思ったからだ。自分が貶した相手に助けられるなんて、申し訳なかった。）
【臨海 凪乃】
「私は危険人物を殺すくらいの度胸はあるといった
だけど、無差別に殺すなんて言ってないわ。
……そもそも、何の利益もないじゃない。そうでしょう？
生きるためには何かを犠牲にする、これは自然の摂理。
あなたが今まで沢山の料理を口にした分の命は死んでいく。
生きることは殺すこと。 生きないために殺すのは冒涜だと思うけれど
生きるために殺すことは仕方のないことだと思うわ」
私たちの生は 数多の屍の上で築かれる
これは自然の道理だ。生きるために殺すしかないなら私は殺そう。
それだけの話である。
「……貴女はまだ、平和ボケしてるんじゃないかしら。
ここはもう、日常じゃないのよ
……それと、そうね。女の子は耳で大体のことが分かるわ」
また彼女の左耳を触ってはいたずらに揉む
【撫子】
………まぁ…そうなのかな…
（少し納得しきれなかったが、特にそれらしい反論もする気になれなかった。
言いたいことはないわけじゃなかったが、それを言う気分にはなれなかった。上手く形にできなかったのもあるが。）
………いや何がわかるんだか…
（何故耳を揉む。そんなツッコミだった。
というかほんと何がわかるのか。体調はわかるだろうが。）
【臨海 凪乃】
「さて、私は行くから、しばらく湯船につかってなさい。
そして、どう行動するか自分は何をするべきかよく考えておくことね」
踵を返して、自分は脱衣所へと戻っていく
きっと……この後ろくでもないことが起こる。そんな気がする。
だからこそ、私は構えているだけなのよ。
じゃあね13th,生きてたらまた会いましょう。
【撫子】
…わかった……じゃあ…またね。
（そう返事すると言われた通り湯船に浸かる。体の芯に染みていくような温かさだった。
それにしても、彼女が言うように、ここで人が死ぬことなんてあるのだろうか。凍死しかけた自分はともかく、それ以外では…
まぁいいや、と、適当に思考をやめて体を休めることに努めた。）
誓いの言葉は嘘か真か 15th-23rd
ペペロンチーノ(15th)-海月(23rd)
【ペペロンチーノ】
<西エリア 『教会』>
確か自分は新幹線に乗っていた筈だ。流れていく外の景色をぼうっと眺めていた筈だ。何故こんなことに？
彼は停留所に着いた後、わけも分からずパニックになっていた、自分と同じ汽車に乗っていた者達を尻目に一人西エリアに向かっていた。あそこでじっとしていても何も変わらない、そう思っての行動である。そしてそこで気づいたのだが、今息をしているこの身体は以前の自分の身体ではないらしい。幸い、身体障害などはなかった。しかし以前の体とのギャップに戸惑い普段通りに身体が動くようになったのはそれから暫く経っての事だった。
停留所から離れ適当に歩いていると、古ぼけた教会を発見｡こんな雪国だ、歩いているだけで体温を持ってかれる。建物の中に入れば吹き荒ぶ冷風は凌げるだろう。そう考えギィギィと音を立てる扉を開き中に入った。
だがその教会は彼の知るものとは大きく異なっていた。なんの神が祀られているのかも分からない、形容し難い雰囲気が辺りを支配し、まるで別世界に来てしまったようだった。いや、既にここは自分の住んでいた世界ではないのかもしれない。
「はぁ⋯⋯」
と一つため息をつき、寒さで悴んだ手を擦る。勢いで来てしまったが、これは悪手だったのではないだろうか。他の者と協力した方が生存率は上がる。だが───
「本名がバレたら死ぬ⋯⋯か。一体どういう原理なんだ？」
取り敢えず偽名を使った方が良さそうだ。しかし何にしよう？と教会に置いてあった椅子に腰掛け少し思案する。
【海月】
特に予定もアテもなく、恐らく中央部から西よりの所をふらふらしていたら。
高身長の男の人が胡散臭い教会に入る姿を目撃した。
……ホント、どいつもこいつも不用心だっての。まあ今までの感じからして、今すぐに殺しにかかるようなトラップとかは仕組まれていないんだろうけれど。
扉の中に入っていく様を眺めながら、さてどうしたものかと少し考える。
まあ、考える余地もないか、と結論付いたのは僅か3秒後。こそこそついていくのもばからしい。
教会の入り口扉の目の前までくると、その扉をバァンっと勢いよく開け放って…
「やっほー！！！誰かいるかなーー！？」
そう大声で叫んだ！
【ペペロンチーノ】
「！？誰だっ！？」
扉が開いてからの彼の行動は素早かった。まず椅子から立ち上がり、椅子の後ろに回り込む。そして刃物を持った人間の可能性を警戒し、着ていたスーツを脱いで腕に巻き付ける。そして身を低くしながら椅子の後ろでそう叫んだ。椅子の後ろに隠れたのは飛び道具を警戒したためだ。まぁ、名前を呼ばれれば無条件に死ぬので無意味といえば無意味なのだが。
「何の用だ？」
警戒心をあらわにして入ってきた人影に尋ねる。ここからでは離れているのでぼんやりとしか見えないが女のようであった。だからと言って気を抜く訳にはいかない。
しかし、仮に彼女が彼を殺す気でここに入ってきたのなら非常に不味い。何故なら先程確認した所、この教会は天井付近の窓を除けば出入口は一つしかない。そして彼は入口から最も遠い場所に座っていた。交戦なしでの脱出は難しいだろう。
【海月】
「わあ、すごいすごい。オレの事を警戒してそんなに面白い動きしてくれたの？滑稽だね！
用って言うと、キミについて来たって言うのが主な用事かな。」
ここに関しては素直に感心した。名前を知られれば死ぬっていうのは度外視にして、相手が攻撃してくることを想定したならかなり最善な行動だろう。出入り口が塞がれているのは置いといて。
ただ、彼の一番の問題点はオレが攻撃目的で来たわけじゃないってことだね！隙あらば名前実験には使いたいけど。
「ほら、キミもどうせ"連れてこられた"人なんでしょ？
同じ穴の貉同士、仲良くしようよ！まずは自己紹介からだよね！ほらほら！！」
まずは相手の警戒を面倒くさい方向にもっていかないことか。警戒されること自体は今後が楽しめるから別にいいんだけど、出会い頭に狙われるようになるのは御免だ。
相手との体格差も考えると…まあ、それは元の身体にも影響していたはずだしそこはいいか。
【ペペロンチーノ】
「信用出来ん奴に渡す情報はない。さっきのお前の言葉の通りなら、俺がここに入る前からおれのことを見てた、或いはストーキングしてたって事だろ？
同じ穴の狢かどうかは知らんが、獣にも意思疎通を行う相手を選ぶ権利くらいはある」
少し馬鹿にされたような気はするが、その場所から動かずに椅子の後ろからはっきりとした拒否反応を示した。下手に刺激するのは不味いと思うが、先程の発言が本当ならどちらにせよ危険な人物に変わりはない。普通の人は後をつけたりしないのだから。
「自己紹介とやらをしたいのならお前一人で勝手にやってろ。俺はせんがな」
【海月】
「へえ。釣れないコト言うね、キミ。中々、面白いんじゃない？」
この状況、何も分からない仕舞いの状態で停滞しているというのに何をそんなに拒否したいのだか。ちょっと理解に苦しむね。
まあ、分からなくもないけど、その気持ちは。
ただ、相手の警戒の仕方からして、恐らく集められている人達のからくりには気づけていないのか。
彼がまだ誰とも会ってないだけってのも考えられる。
やれやれ、観光を楽しんでって言われてるのに変なことして興を削がないでよね！
まあ、こういう輩は正直自分の立ち位置を理解しないと何もしないだろうし、ちょっと揺すってみるか。
「それにしても、そんな事言われるとは思わなかったよ。オレのどこが信用ならないって言うのさ！
まあ、自己紹介が無くてもキミがどんなヤツかってのは大体わかったよ。」
彼のいる椅子の方に近づく。態とらしく、音を立てて。
「そもそも、行動としては正しい方なんじゃないの？何も分からない、此処がどこかさえ掴めない、そんな状況で"何かを知っている可能性がある"他人に目を向けるのは当然の事だと思うんだけど。
それに、何もせず籠城でもするつもりかな？何も出来ないうちに本名を特定されて終わり！なんてつまんないオチは期待外れなんだけどさ。
本名を当てられたら死ぬ、って言うルールの意味…そこから何が分かるか、もうちょーっとよく考えてみるべきじゃないのかな？」
【ペペロンチーノ】
「本名を当てられなくても殺されれば死ぬだろう？なのにわざわざそんなルールを付けてきたってことは、なんの目的かは分からんが疑心暗鬼にさせて殺し合わせたいんだろうな」
そう、彼が最初に気づいた違和感がこれだ。だからわざわざ大袈裟に警戒したのだが、そこまでは相手に伝わらなかったようだ。
つまり、本名を当てられれば死ぬというルールを設け、まるで誰かを殺さねばならぬように錯覚させる。これは、本名を当てろ、と言っているようなものだ。そして本名を当てるよりも普通に殺した方が楽なことに気づく奴が現れる。後は言わなくてもわかるだろう、その殺意は伝播しやがてただの殺し合いになる。
「観光を楽しんで、の次は殺し合え、とでも言われたら失笑ものだがな。まぁ推測に過ぎんが、生死に関わるルールを設けてそれを活用しないことはあるまい。だからお前は協力し合うべきだと言いたいんだろう？」
【海月】
50点、といった所だろうか。ルールから繋げられるこの環境の本質は見抜けているが、このルール自体が何を意味しているかについては成せていない。
…本名を当てられると死ぬ、なんて大仰に書くのは、"本名を当てられる可能性がある"。つまり、自分の本名を知り得る存在が集まっている可能性が高いということ。
実際、さっき会ったコで確信した。ここには海神学園2年C組の人が集まっている。まあ、教える義理はないけど。
ただ、このルールだけで誰かを殺さねばならぬ、とまで飛躍するのはまだ早い。恐らく次段階…これを"見ている"ヤツらが痺れを切らした時が開始の合図。
それまでは恐らく何も起こらない。だからこそ、何も起こらないうちなら情報を集めやすい。
「疑心暗鬼にさせたいってのは良く突いてると思うよ。何の目的かってのはオレも予測つかないけどね。」
そして、お相手は一つ勘違いをしている。
「たーだ…オレ、別に誰とも協力するつもりはないし……むしろ、このゲエムを楽しみたいとすら思ってるよ！」
椅子を隠れ蓑にしている彼のすぐ近くまで歩み寄って、顔を覗かせた。
この状況で、半ばあり得ない、満面の笑みを浮かべる少女がそこにいる。
【ペペロンチーノ】
「⋯⋯なるほどな。合点がいった。それなら本名を当てられたら死ぬというゲームが成立するな。友人同士で疑い合え、ということか。中々にいい性格してやがる」
椅子の裏から出てくるとそう言ってニヒルな笑みを浮かべた。最後の言葉は、普段なら関わっちゃいけない類の人間と判断するのだが、今の状況で下手に善人ぶるやつよりはまだ信用出来る。そう判断したのだろう。
「先程の態度に関しては謝罪せんが、初っ端から警戒しすぎたことは謝ろう。すまなかった」
目の前の少女の言う通りならば、目の前の少女もかつての級友である可能性が高い。信じ切るのは危険だが疑い過ぎるのはよくない。
「まぁ殺し合えと言われて殺し合うやつがどこにいるんだって話だけどな」
【海月】
「っはは、まあ納得してくれたならいいや！オレも別にそんな信用ばっかしてもらうのはつまんないし。」
とりあえず対談出来る程度にはなった、か。目先のことを考える性格何かは名前実験には向いてそうだけど…まだ彼の事をほとほと何も掴めてないのが瑕かな。
というより、今の彼から聞いても何も出てこないだろう。なら偽名だけでも聞いておくか。
「じゃ、仕切り直して。オレはー、海月でいいよ！キミは？」
【ペペロンチーノ】
「あぁ⋯⋯ペペロンチーノ、だ。俺はペペロンチーノ。よろしく海月」
流石に握手は求めなかったが、先ほどよりは友好的な態度を示した。まぁ表面上だけだが。善人ぶる下心丸出しの奴よりはマシだが、それでも狂ってることには変わりない。しかし、クラスメイトという可能性が出てきた以上、無下にすることは出来ないのだ。そういう男だ。彼は。
「まぁ偽名なんてどうでもいい。お前は教会以外になにか気になるものは見つけたか？俺は停留所から真っ直ぐここに来たからよく分からん。あったら⋯まぁ無理にとは言わないが教えてくれると有難い」
【海月】
何と言うか、ここまで来て思ったこと。
ロティとか酢豚とか唐揚げとかペペロンチーノとか……キミたちまとめてレストランにでも行ってきたらどうなの…？
まあ別にいっか。オレには皆の食糧問題とか関係ないし！ああ、食糧問題と言えば。
「ここの中央部にはホテルがあってそこにはレストランが併設されてる。ショッピングモールも確認してるから、衣食住に関しては問題ないんじゃない？
あとはー…ま、オレからのヒントはここまで！色々与え過ぎたし、後はキミが自分の足で調査する番じゃないかな？」
ま、ぶっちゃけ言うともうちょっと色々調べてきてくれないと、オレとしてもライバル精神ないヤツは相手にしたくないから。
という訳でいったん突き放して調査してきてもらうよ！籠城とかつまんねーこと許さないからね！
【ペペロンチーノ】
「充分だ。世話になった」
それだけ言うと海月に背を向け歩き出そうとするが、ふとあることに気づいて立ち止まり、コロパッド片手に再び海月の元に戻った。
「なんかこのアプリでフレンド登録ができるらしい。これなら個別チャットが使えるとかなんとか。情報を掴んだ時は真っ先にお前に教えることでこの借りを返したい。嫌ならいいがな」
この借りをそのままにしておくとろくな事にならない気がする。そう思い、連絡先交換を求めるが、断られた場合は共有チャットで教えることにしよう。
【海月】
「……へー。やっぱり撤回！中々楽しめそうだね、キミ。分かった、フレンド登録すればいいんだよね？」
何か、と思ったけどフレンド登録か。言われずともしたけれど危なかった。
正直、別にこちらに情報を真っ先に教える事に関しては、してくれるのなら有難い程度だった。
…けれど、流石に共有チャットで全露呈と言うのは困る。
情報のアドバンテージを掴めなくなるし、コレを仕組んだヤツがオレらの中にいる…かもしれないし、何よりそんなことされたらつまらなくなる。
フレンド登録一つでそれを阻止出来るならやってやるってものだよね。
「というか、借りを返すとか言う義理堅さあったんだ。意外だなー。
あ、嘘だよ？ちゃんとキミのことは信用してるってー！」
まあ、それも嘘だけどさ。
【ペペロンチーノ】
「まぁこんな状況だ。お互い助け合いだろ？」
こちらも嘘。この借りを弱みにはしたくないだけである。傍から見れば仲の良い友人のような2人であるが内心は殺意渦巻く殴り合いである。一刻も早くこの場から立ち去りたい感情を抑えつつ、フレンド登録を済ませると先ほどよりも友好的な笑みを浮かべて教会を後にした。暫くこの辺りを散策しようと思ったが、海月がつけてこないとも限らないので、一度北側に向かい、再び迂回して戻ってこようと決めた。
【海月】
「…さて、これからどうしよっかな。」
彼を見送りつつ今後について考える。今、結構色んな人と対話してきたけれど、誰もどうにも掴めない。
状況把握と今後の為の正体隠匿を同時に行っている人が多い。彼はどうだろうか…
いや、この際不確定要素になぞった推理はナシにしよう。仕組んだヤツがルールを蹴って何かを強制しようものなら、それが合図なのだから。
「尾行も飽きたし、次は誰に悪戯しよっかなー♪あーあ、早く何か始まってくれるといいんだけど。」
彼とは反対の方向へ、闇雲に向かった。
【ペペロンチーノ】
<西エリア 『教会』>
確か自分は新幹線に乗っていた筈だ。流れていく外の景色をぼうっと眺めていた筈だ。何故こんなことに？
彼は停留所に着いた後、わけも分からずパニックになっていた、自分と同じ汽車に乗っていた者達を尻目に一人西エリアに向かっていた。あそこでじっとしていても何も変わらない、そう思っての行動である。そしてそこで気づいたのだが、今息をしているこの身体は以前の自分の身体ではないらしい。幸い、身体障害などはなかった。しかし以前の体とのギャップに戸惑い普段通りに身体が動くようになったのはそれから暫く経っての事だった。
停留所から離れ適当に歩いていると、古ぼけた教会を発見｡こんな雪国だ、歩いているだけで体温を持ってかれる。建物の中に入れば吹き荒ぶ冷風は凌げるだろう。そう考えギィギィと音を立てる扉を開き中に入った。
だがその教会は彼の知るものとは大きく異なっていた。なんの神が祀られているのかも分からない、形容し難い雰囲気が辺りを支配し、まるで別世界に来てしまったようだった。いや、既にここは自分の住んでいた世界ではないのかもしれない。
「はぁ⋯⋯」
と一つため息をつき、寒さで悴んだ手を擦る。勢いで来てしまったが、これは悪手だったのではないだろうか。他の者と協力した方が生存率は上がる。だが───
「本名がバレたら死ぬ⋯⋯か。一体どういう原理なんだ？」
取り敢えず偽名を使った方が良さそうだ。しかし何にしよう？と教会に置いてあった椅子に腰掛け少し思案する。
【海月】
特に予定もアテもなく、恐らく中央部から西よりの所をふらふらしていたら。
高身長の男の人が胡散臭い教会に入る姿を目撃した。
……ホント、どいつもこいつも不用心だっての。まあ今までの感じからして、今すぐに殺しにかかるようなトラップとかは仕組まれていないんだろうけれど。
扉の中に入っていく様を眺めながら、さてどうしたものかと少し考える。
まあ、考える余地もないか、と結論付いたのは僅か3秒後。こそこそついていくのもばからしい。
教会の入り口扉の目の前までくると、その扉をバァンっと勢いよく開け放って…
「やっほー！！！誰かいるかなーー！？」
そう大声で叫んだ！
【ペペロンチーノ】
「！？誰だっ！？」
扉が開いてからの彼の行動は素早かった。まず椅子から立ち上がり、椅子の後ろに回り込む。そして刃物を持った人間の可能性を警戒し、着ていたスーツを脱いで腕に巻き付ける。そして身を低くしながら椅子の後ろでそう叫んだ。椅子の後ろに隠れたのは飛び道具を警戒したためだ。まぁ、名前を呼ばれれば無条件に死ぬので無意味といえば無意味なのだが。
「何の用だ？」
警戒心をあらわにして入ってきた人影に尋ねる。ここからでは離れているのでぼんやりとしか見えないが女のようであった。だからと言って気を抜く訳にはいかない。
しかし、仮に彼女が彼を殺す気でここに入ってきたのなら非常に不味い。何故なら先程確認した所、この教会は天井付近の窓を除けば出入口は一つしかない。そして彼は入口から最も遠い場所に座っていた。交戦なしでの脱出は難しいだろう。
【海月】
「わあ、すごいすごい。オレの事を警戒してそんなに面白い動きしてくれたの？滑稽だね！
用って言うと、キミについて来たって言うのが主な用事かな。」
ここに関しては素直に感心した。名前を知られれば死ぬっていうのは度外視にして、相手が攻撃してくることを想定したならかなり最善な行動だろう。出入り口が塞がれているのは置いといて。
ただ、彼の一番の問題点はオレが攻撃目的で来たわけじゃないってことだね！隙あらば名前実験には使いたいけど。
「ほら、キミもどうせ"連れてこられた"人なんでしょ？
同じ穴の貉同士、仲良くしようよ！まずは自己紹介からだよね！ほらほら！！」
まずは相手の警戒を面倒くさい方向にもっていかないことか。警戒されること自体は今後が楽しめるから別にいいんだけど、出会い頭に狙われるようになるのは御免だ。
相手との体格差も考えると…まあ、それは元の身体にも影響していたはずだしそこはいいか。
【ペペロンチーノ】
「信用出来ん奴に渡す情報はない。さっきのお前の言葉の通りなら、俺がここに入る前からおれのことを見てた、或いはストーキングしてたって事だろ？
同じ穴の狢かどうかは知らんが、獣にも意思疎通を行う相手を選ぶ権利くらいはある」
少し馬鹿にされたような気はするが、その場所から動かずに椅子の後ろからはっきりとした拒否反応を示した。下手に刺激するのは不味いと思うが、先程の発言が本当ならどちらにせよ危険な人物に変わりはない。普通の人は後をつけたりしないのだから。
「自己紹介とやらをしたいのならお前一人で勝手にやってろ。俺はせんがな」
【海月】
「へえ。釣れないコト言うね、キミ。中々、面白いんじゃない？」
この状況、何も分からない仕舞いの状態で停滞しているというのに何をそんなに拒否したいのだか。ちょっと理解に苦しむね。
まあ、分からなくもないけど、その気持ちは。
ただ、相手の警戒の仕方からして、恐らく集められている人達のからくりには気づけていないのか。
彼がまだ誰とも会ってないだけってのも考えられる。
やれやれ、観光を楽しんでって言われてるのに変なことして興を削がないでよね！
まあ、こういう輩は正直自分の立ち位置を理解しないと何もしないだろうし、ちょっと揺すってみるか。
「それにしても、そんな事言われるとは思わなかったよ。オレのどこが信用ならないって言うのさ！
まあ、自己紹介が無くてもキミがどんなヤツかってのは大体わかったよ。」
彼のいる椅子の方に近づく。態とらしく、音を立てて。
「そもそも、行動としては正しい方なんじゃないの？何も分からない、此処がどこかさえ掴めない、そんな状況で"何かを知っている可能性がある"他人に目を向けるのは当然の事だと思うんだけど。
それに、何もせず籠城でもするつもりかな？何も出来ないうちに本名を特定されて終わり！なんてつまんないオチは期待外れなんだけどさ。
本名を当てられたら死ぬ、って言うルールの意味…そこから何が分かるか、もうちょーっとよく考えてみるべきじゃないのかな？」
【ペペロンチーノ】
「本名を当てられなくても殺されれば死ぬだろう？なのにわざわざそんなルールを付けてきたってことは、なんの目的かは分からんが疑心暗鬼にさせて殺し合わせたいんだろうな」
そう、彼が最初に気づいた違和感がこれだ。だからわざわざ大袈裟に警戒したのだが、そこまでは相手に伝わらなかったようだ。
つまり、本名を当てられれば死ぬというルールを設け、まるで誰かを殺さねばならぬように錯覚させる。これは、本名を当てろ、と言っているようなものだ。そして本名を当てるよりも普通に殺した方が楽なことに気づく奴が現れる。後は言わなくてもわかるだろう、その殺意は伝播しやがてただの殺し合いになる。
「観光を楽しんで、の次は殺し合え、とでも言われたら失笑ものだがな。まぁ推測に過ぎんが、生死に関わるルールを設けてそれを活用しないことはあるまい。だからお前は協力し合うべきだと言いたいんだろう？」
【海月】
50点、といった所だろうか。ルールから繋げられるこの環境の本質は見抜けているが、このルール自体が何を意味しているかについては成せていない。
…本名を当てられると死ぬ、なんて大仰に書くのは、"本名を当てられる可能性がある"。つまり、自分の本名を知り得る存在が集まっている可能性が高いということ。
実際、さっき会ったコで確信した。ここには海神学園2年C組の人が集まっている。まあ、教える義理はないけど。
ただ、このルールだけで誰かを殺さねばならぬ、とまで飛躍するのはまだ早い。恐らく次段階…これを"見ている"ヤツらが痺れを切らした時が開始の合図。
それまでは恐らく何も起こらない。だからこそ、何も起こらないうちなら情報を集めやすい。
「疑心暗鬼にさせたいってのは良く突いてると思うよ。何の目的かってのはオレも予測つかないけどね。」
そして、お相手は一つ勘違いをしている。
「たーだ…オレ、別に誰とも協力するつもりはないし……むしろ、このゲエムを楽しみたいとすら思ってるよ！」
椅子を隠れ蓑にしている彼のすぐ近くまで歩み寄って、顔を覗かせた。
この状況で、半ばあり得ない、満面の笑みを浮かべる少女がそこにいる。
【ペペロンチーノ】
「⋯⋯なるほどな。合点がいった。それなら本名を当てられたら死ぬというゲームが成立するな。友人同士で疑い合え、ということか。中々にいい性格してやがる」
椅子の裏から出てくるとそう言ってニヒルな笑みを浮かべた。最後の言葉は、普段なら関わっちゃいけない類の人間と判断するのだが、今の状況で下手に善人ぶるやつよりはまだ信用出来る。そう判断したのだろう。
「先程の態度に関しては謝罪せんが、初っ端から警戒しすぎたことは謝ろう。すまなかった」
目の前の少女の言う通りならば、目の前の少女もかつての級友である可能性が高い。信じ切るのは危険だが疑い過ぎるのはよくない。
「まぁ殺し合えと言われて殺し合うやつがどこにいるんだって話だけどな」
【海月】
「っはは、まあ納得してくれたならいいや！オレも別にそんな信用ばっかしてもらうのはつまんないし。」
とりあえず対談出来る程度にはなった、か。目先のことを考える性格何かは名前実験には向いてそうだけど…まだ彼の事をほとほと何も掴めてないのが瑕かな。
というより、今の彼から聞いても何も出てこないだろう。なら偽名だけでも聞いておくか。
「じゃ、仕切り直して。オレはー、海月でいいよ！キミは？」
【ペペロンチーノ】
「あぁ⋯⋯ペペロンチーノ、だ。俺はペペロンチーノ。よろしく海月」
流石に握手は求めなかったが、先ほどよりは友好的な態度を示した。まぁ表面上だけだが。善人ぶる下心丸出しの奴よりはマシだが、それでも狂ってることには変わりない。しかし、クラスメイトという可能性が出てきた以上、無下にすることは出来ないのだ。そういう男だ。彼は。
「まぁ偽名なんてどうでもいい。お前は教会以外になにか気になるものは見つけたか？俺は停留所から真っ直ぐここに来たからよく分からん。あったら⋯まぁ無理にとは言わないが教えてくれると有難い」
【海月】
何と言うか、ここまで来て思ったこと。
ロティとか酢豚とか唐揚げとかペペロンチーノとか……キミたちまとめてレストランにでも行ってきたらどうなの…？
まあ別にいっか。オレには皆の食糧問題とか関係ないし！ああ、食糧問題と言えば。
「ここの中央部にはホテルがあってそこにはレストランが併設されてる。ショッピングモールも確認してるから、衣食住に関しては問題ないんじゃない？
あとはー…ま、オレからのヒントはここまで！色々与え過ぎたし、後はキミが自分の足で調査する番じゃないかな？」
ま、ぶっちゃけ言うともうちょっと色々調べてきてくれないと、オレとしてもライバル精神ないヤツは相手にしたくないから。
という訳でいったん突き放して調査してきてもらうよ！籠城とかつまんねーこと許さないからね！
【ペペロンチーノ】
「充分だ。世話になった」
それだけ言うと海月に背を向け歩き出そうとするが、ふとあることに気づいて立ち止まり、コロパッド片手に再び海月の元に戻った。
「なんかこのアプリでフレンド登録ができるらしい。これなら個別チャットが使えるとかなんとか。情報を掴んだ時は真っ先にお前に教えることでこの借りを返したい。嫌ならいいがな」
この借りをそのままにしておくとろくな事にならない気がする。そう思い、連絡先交換を求めるが、断られた場合は共有チャットで教えることにしよう。
【海月】
「……へー。やっぱり撤回！中々楽しめそうだね、キミ。分かった、フレンド登録すればいいんだよね？」
何か、と思ったけどフレンド登録か。言われずともしたけれど危なかった。
正直、別にこちらに情報を真っ先に教える事に関しては、してくれるのなら有難い程度だった。
…けれど、流石に共有チャットで全露呈と言うのは困る。
情報のアドバンテージを掴めなくなるし、コレを仕組んだヤツがオレらの中にいる…かもしれないし、何よりそんなことされたらつまらなくなる。
フレンド登録一つでそれを阻止出来るならやってやるってものだよね。
「というか、借りを返すとか言う義理堅さあったんだ。意外だなー。
あ、嘘だよ？ちゃんとキミのことは信用してるってー！」
まあ、それも嘘だけどさ。
【ペペロンチーノ】
「まぁこんな状況だ。お互い助け合いだろ？」
こちらも嘘。この借りを弱みにはしたくないだけである。傍から見れば仲の良い友人のような2人であるが内心は殺意渦巻く殴り合いである。一刻も早くこの場から立ち去りたい感情を抑えつつ、フレンド登録を済ませると先ほどよりも友好的な笑みを浮かべて教会を後にした。暫くこの辺りを散策しようと思ったが、海月がつけてこないとも限らないので、一度北側に向かい、再び迂回して戻ってこようと決めた。
【海月】
「…さて、これからどうしよっかな。」
彼を見送りつつ今後について考える。今、結構色んな人と対話してきたけれど、誰もどうにも掴めない。
状況把握と今後の為の正体隠匿を同時に行っている人が多い。彼はどうだろうか…
いや、この際不確定要素になぞった推理はナシにしよう。仕組んだヤツがルールを蹴って何かを強制しようものなら、それが合図なのだから。
「尾行も飽きたし、次は誰に悪戯しよっかなー♪あーあ、早く何か始まってくれるといいんだけど。」
彼とは反対の方向へ、闇雲に向かった。
酢豚神と盲目(？)信者 8th-25th
酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)-柏木 愛(25th)
【酢豚パイナポー】
「あ、鉄パイプ…短いのは…3本あるし全部貰ってこ…、自衛以外なんかに使えるかも。」
「はわぁ…薬品いっぱいだなぁ…。C6H6…？何だろうこれ…授業で習ってないし…。まぁなんか怖いけど持ってこうかな…そっとそっと…。」
「あ、これ知ってる！布に振りかけて口にばってやると気絶するやつだっ！えへへ…トーマスさんに見せちゃおっ…。」
「あ、工具箱…。中は…うん、ドライバーとかスパナとかいっぱい入ってるっ。いい感じの空きがあるから薬品を詰めて、割れないようにして…完成っ！ふふっ…！」
廃工場内をウロウロ歩きまわり、お目当の鉄パイプの他にも。よく分からない薬品、ドライバーなどの工具といったものを入手する事が出来た。ほくほくである。薬品の詳細は知らないけど、野生の熊とかの罠に使えるかもだし…工具も色々と使用用途はある。ラッキーだ。
パイナポーは一通り歩き周り、パイナポーが片手で持てるギリギリの大きさの工具箱に戦果を詰め込んで。顔を重さにちょっとだけ顰めながら、外へと出ようと出口に向かって行く。
【柏木 愛】
「最悪、最悪、最悪です……」
（白銀の地面を踏みつけながら、とぼとぼと一人歩いていた）
「せっかく女の子になれたのに、どうして貧乳なんですか！つるぺたすぎますよこの体！巨乳が良かった！巨乳が良かったですよぉ！」
（彼（彼女）が嘆くのは己の貧相な体つきであった。貧乳に人権はない。彼の信念が揺らぐことはないだろう）
「しかもさむっ！寒いですよぉここ！どうせなら南国とかが良かったですよぉ！さむさむぅ！」
（身を刺すような寒風から逃避するため、いつのまにか近くにあった廃工場へと駆けこむことにした。いっけな〜い☆遅刻遅刻（絡み始めるタイミング的に）といった感じに小走りで入口へ……するとどうだろう。中から一人の少女が出て来たではないか。当然ながら対処のしようがなく、盛大にぶつかってしまうのであった）
「ｱﾋｨﾝ！」
【酢豚パイナポー】
「きゃっ…！！いたた…何ですかっ！もうっ！」
鼻歌交じり(曲名:marionnette/BOOWY)で廃工場から立ち去ろうとすると、あらまびっくり誰かと衝突！！持っていた工具箱は銀世界へとぴょーんっとダァイブ！！幸か不幸か、雪のクッションが中の薬品を守ってくれたようである。
パイナポーはそのまま雪の中へと顔から太腿までを突っ込み、全身雪まみれ水まみれ。ガバッと顔を雪からあげると、頬や眉毛に雪のお化粧が(物理)
「誰ですかっ！謝らないと許しませんよっ！」
【柏木 愛】
「うああ、冷たい冷たい！」
（あらあらまぁまぁすってんころりん。防水性の低い服は否応なしに雪の水分をバキュームし、全身冷気に覆われる。
しかしそれよりも、どうやらお怒りのご様子である相手に血の気が引く。何やら運んでいたようだし、自分のせいで壊してしまったかもしれない。自分はなんてダメな人間なんだ。生きている意味なんてないんだ。そんなことを考えながらも、許しを請うために土下座＆土下座。両手両膝をつき、頭をフルスイングで何度も雪の地面に叩きつける。焼き土下座ならぬ冷やし土下座である）
「アァァァァァご、ごめんなさいでしたぁ！すいません許してください！なんでもしますから！」
【酢豚パイナポー】
「えっ…あの…。…ええと。」
ぷんすこぷんぷん雪を溶かすほどの怒りを秘めて、パイナポーが顔をあげると雪の上で土下座する緑の髪の人物が。
うん、なんと言うべきか、何と形容すべきか。パイナポーの中にあった激情は消え、あるのは“え？何してんのこの人”というドン引きにも近い疑問だけである。
「あの…もういいですから。顔を上げてください…ね？寒いでしょう？」
とりあえず、相手は自分がまだ怒っていると考えているご様子。パイナポーはその顔に苦笑を浮かべ、顔をあげるように手を差し伸べた。
【柏木 愛】
「ア、アァ、許してくださるのですか……！ありがとうございます、ありがとうございます！」
（なんと有難きお言葉だろう。ゴミクズうんちクズカスと自覚しているこの私を許してくださるなんて……。
雪と涙と鼻水でヤバい感じになってる顔面を震わせながら、その手を握って立ち上がった）
「アッ！なんか色々散らばっちゃってますよね！ごめんなさいごめんなさい！」
（笑顔が戻ったのは束の間。先ほど相手がぶちまけた箱の中身たちを見ると、再び陳謝を始め、這いつくばりながらそれらを回収する）
【酢豚パイナポー】
「あの…そんなに畏まらないで下さい、ね？」
流石にそこまで自分を卑下されるとこちらとしても困る。たしかにぶつかった時には一番の強い感情は怒りだったものの、こうして謝罪された現状、その怒りを持続させるのは筋違いであろう。
パイナポーは、パイナポーが落とした工具や幸い割れてはいなかった薬品類を拾い集める彼女にゆっくりと近づいて彼女の手に触れる。
「大丈夫ですから。私が拾っておきますよ。」
にこりと微笑むパイナポー。酢豚の中に入ってもありありとその存在感を放つパイナポーな名前とは思えないほどの優しさを見せようとする。
別に画策とかしているわけではないのだけど…私は聞いたことがあるのだ、“人には須らく優しくしておくと良いことがあるよ”ってね。
【柏木 愛】
「あ、ごめんなさい！俺いっつもこんなんで……あ、また謝ってしまいました！ごめ……ンン！」
（パイナポーの柔らかさに感動しつつも、己を卑下することをやめない。というより、やめられない。染みついた習性であった。
触られた手を勢いよく引っ込めると、自分が拾い集めたものを相手に突き出した）
「あ、あの俺……えっと、柏木愛、っていいます。でもこれえっと、偽名でして、その、本名バレると死ぬらしいから……。
あ、愛って名前で体も女だけど、俺、男です」
（素直すぎる所は彼の長所であり短所でもあった）
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、そっか。じゃあよろしくね…愛さん。
私は…えっと…笑わないで欲しいんだけど…。
“酢豚の中に極稀に入っているパイナポー”って言うの。…こんな事ならもっとちゃんと選んでおけばよかったな…。」
受け取った色々を工具箱へと詰め直して。パイナポーは顔を赤らめさせながら自分の偽名を伝える。流石に酢豚の中に極稀に入っているパイナポーはない、絶対に。
使えることも面倒だし、そもそも頭がおかしいなんて言われても仕方のない事だ…全く。
こういう名前決めみたいなのは苦手だ。自分のネーミングセンスのなさを後から気づいてしまうのだから。…こんな事なら気付か無い方がよっぽど幸せなのだろうに。
「えっと、愛さん。良かったらコロパッドのフレンド登録…お願いしてもいいかな？まだ一人しか居なくて…ちょっぴり寂しいんだ。」
パイナポーは離れた愛の手をもう一度掴んで立ち上がらせると、パンパンと軽く付着した雪を払ってあげる。
【柏木 愛】
「…………」
（神？この人は神？この俺の手を取ってくれる人など……しかし、聞かされた偽名のインパクトがあまりに強すぎた。）
「グゥ！！あ、アヒェヒェ、あひぇ、あ、パイナポ、ヒェ、イイナマエだと、思いま、ブファ！！」
（完全にツボに入ってしまった。しかし、笑ってしまえば失礼になることは承知千万。必死に笑いを抑え込み、肩を震わせながら平然を装う。装えてない）
「アハァヒァ、フレンド、登録、もちろんで、アヒアヒアァ！」
（必死に真顔を保ちながら、懐からコロパッドを取り出した）
【酢豚パイナポー】
「…あはは…。うん、そうだよね…。」
パイナポーはどんよりとした空気を背中に纏わらせて、過去の自分への強い怨嗟を送りながらフレンド登録をすませる。
毎回…といっても2回しかやってないが、どうしてこんな様にフレンド登録は回りくどい方法でないと出来ないのだろうか。普通に現代のSNSの様でもいい気がするが…。
「と、とりあえずっ！私はこれで…。愛ちゃんも気をつけてね？寒いから風邪引いちゃダメだよ？」
パイナポーは工具箱を持ち上げて、持っていない方向の手でびしっと愛を指差す。風邪を引いてしまってはせっかくの雪山、バカンスなどできっこない。ちゃんと忠告しておかないと。
【柏木 愛】
「アヒュ、フゥ、ありがとうございます！
ハイッ！お互い気を付けましょう！俺みたいなカスでも力になれることがあったらなんでもお申し付けください！」
（どうにか笑いを抑え込み（抑え込めてない）フレンド登録を済ませる。『フレンド(1)』の表記が妙に虚しかった。
立ち去ろうとする相手に敬礼を送ると、くしゃみを一つ。頭がぼーっとしてきたし、早急に体を温めた方が良さそうだった）
【酢豚パイナポー】
「ん、分かったよ。じゃあね、愛さんっ。」
そう言ってパイナポーは、愛へと手を振りながら中央部のホテルの方向へと工具箱片手に駆け出していく。
これで知り合いが2人…友達100人できるかなってわけじゃないけど、増えていくにはなんとも言えない心地よさがある。
パイナポーは、そんな少し擽ったい感覚を楽しみながら、鼻歌を歌って中央部へと向かっていったのであった。
【酢豚パイナポー】
「あ、鉄パイプ…短いのは…3本あるし全部貰ってこ…、自衛以外なんかに使えるかも。」
「はわぁ…薬品いっぱいだなぁ…。C6H6…？何だろうこれ…授業で習ってないし…。まぁなんか怖いけど持ってこうかな…そっとそっと…。」
「あ、これ知ってる！布に振りかけて口にばってやると気絶するやつだっ！えへへ…トーマスさんに見せちゃおっ…。」
「あ、工具箱…。中は…うん、ドライバーとかスパナとかいっぱい入ってるっ。いい感じの空きがあるから薬品を詰めて、割れないようにして…完成っ！ふふっ…！」
廃工場内をウロウロ歩きまわり、お目当の鉄パイプの他にも。よく分からない薬品、ドライバーなどの工具といったものを入手する事が出来た。ほくほくである。薬品の詳細は知らないけど、野生の熊とかの罠に使えるかもだし…工具も色々と使用用途はある。ラッキーだ。
パイナポーは一通り歩き周り、パイナポーが片手で持てるギリギリの大きさの工具箱に戦果を詰め込んで。顔を重さにちょっとだけ顰めながら、外へと出ようと出口に向かって行く。
【柏木 愛】
「最悪、最悪、最悪です……」
（白銀の地面を踏みつけながら、とぼとぼと一人歩いていた）
「せっかく女の子になれたのに、どうして貧乳なんですか！つるぺたすぎますよこの体！巨乳が良かった！巨乳が良かったですよぉ！」
（彼（彼女）が嘆くのは己の貧相な体つきであった。貧乳に人権はない。彼の信念が揺らぐことはないだろう）
「しかもさむっ！寒いですよぉここ！どうせなら南国とかが良かったですよぉ！さむさむぅ！」
（身を刺すような寒風から逃避するため、いつのまにか近くにあった廃工場へと駆けこむことにした。いっけな〜い☆遅刻遅刻（絡み始めるタイミング的に）といった感じに小走りで入口へ……するとどうだろう。中から一人の少女が出て来たではないか。当然ながら対処のしようがなく、盛大にぶつかってしまうのであった）
「ｱﾋｨﾝ！」
【酢豚パイナポー】
「きゃっ…！！いたた…何ですかっ！もうっ！」
鼻歌交じり(曲名:marionnette/BOOWY)で廃工場から立ち去ろうとすると、あらまびっくり誰かと衝突！！持っていた工具箱は銀世界へとぴょーんっとダァイブ！！幸か不幸か、雪のクッションが中の薬品を守ってくれたようである。
パイナポーはそのまま雪の中へと顔から太腿までを突っ込み、全身雪まみれ水まみれ。ガバッと顔を雪からあげると、頬や眉毛に雪のお化粧が(物理)
「誰ですかっ！謝らないと許しませんよっ！」
【柏木 愛】
「うああ、冷たい冷たい！」
（あらあらまぁまぁすってんころりん。防水性の低い服は否応なしに雪の水分をバキュームし、全身冷気に覆われる。
しかしそれよりも、どうやらお怒りのご様子である相手に血の気が引く。何やら運んでいたようだし、自分のせいで壊してしまったかもしれない。自分はなんてダメな人間なんだ。生きている意味なんてないんだ。そんなことを考えながらも、許しを請うために土下座＆土下座。両手両膝をつき、頭をフルスイングで何度も雪の地面に叩きつける。焼き土下座ならぬ冷やし土下座である）
「アァァァァァご、ごめんなさいでしたぁ！すいません許してください！なんでもしますから！」
【酢豚パイナポー】
「えっ…あの…。…ええと。」
ぷんすこぷんぷん雪を溶かすほどの怒りを秘めて、パイナポーが顔をあげると雪の上で土下座する緑の髪の人物が。
うん、なんと言うべきか、何と形容すべきか。パイナポーの中にあった激情は消え、あるのは“え？何してんのこの人”というドン引きにも近い疑問だけである。
「あの…もういいですから。顔を上げてください…ね？寒いでしょう？」
とりあえず、相手は自分がまだ怒っていると考えているご様子。パイナポーはその顔に苦笑を浮かべ、顔をあげるように手を差し伸べた。
【柏木 愛】
「ア、アァ、許してくださるのですか……！ありがとうございます、ありがとうございます！」
（なんと有難きお言葉だろう。ゴミクズうんちクズカスと自覚しているこの私を許してくださるなんて……。
雪と涙と鼻水でヤバい感じになってる顔面を震わせながら、その手を握って立ち上がった）
「アッ！なんか色々散らばっちゃってますよね！ごめんなさいごめんなさい！」
（笑顔が戻ったのは束の間。先ほど相手がぶちまけた箱の中身たちを見ると、再び陳謝を始め、這いつくばりながらそれらを回収する）
【酢豚パイナポー】
「あの…そんなに畏まらないで下さい、ね？」
流石にそこまで自分を卑下されるとこちらとしても困る。たしかにぶつかった時には一番の強い感情は怒りだったものの、こうして謝罪された現状、その怒りを持続させるのは筋違いであろう。
パイナポーは、パイナポーが落とした工具や幸い割れてはいなかった薬品類を拾い集める彼女にゆっくりと近づいて彼女の手に触れる。
「大丈夫ですから。私が拾っておきますよ。」
にこりと微笑むパイナポー。酢豚の中に入ってもありありとその存在感を放つパイナポーな名前とは思えないほどの優しさを見せようとする。
別に画策とかしているわけではないのだけど…私は聞いたことがあるのだ、“人には須らく優しくしておくと良いことがあるよ”ってね。
【柏木 愛】
「あ、ごめんなさい！俺いっつもこんなんで……あ、また謝ってしまいました！ごめ……ンン！」
（パイナポーの柔らかさに感動しつつも、己を卑下することをやめない。というより、やめられない。染みついた習性であった。
触られた手を勢いよく引っ込めると、自分が拾い集めたものを相手に突き出した）
「あ、あの俺……えっと、柏木愛、っていいます。でもこれえっと、偽名でして、その、本名バレると死ぬらしいから……。
あ、愛って名前で体も女だけど、俺、男です」
（素直すぎる所は彼の長所であり短所でもあった）
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、そっか。じゃあよろしくね…愛さん。
私は…えっと…笑わないで欲しいんだけど…。
“酢豚の中に極稀に入っているパイナポー”って言うの。…こんな事ならもっとちゃんと選んでおけばよかったな…。」
受け取った色々を工具箱へと詰め直して。パイナポーは顔を赤らめさせながら自分の偽名を伝える。流石に酢豚の中に極稀に入っているパイナポーはない、絶対に。
使えることも面倒だし、そもそも頭がおかしいなんて言われても仕方のない事だ…全く。
こういう名前決めみたいなのは苦手だ。自分のネーミングセンスのなさを後から気づいてしまうのだから。…こんな事なら気付か無い方がよっぽど幸せなのだろうに。
「えっと、愛さん。良かったらコロパッドのフレンド登録…お願いしてもいいかな？まだ一人しか居なくて…ちょっぴり寂しいんだ。」
パイナポーは離れた愛の手をもう一度掴んで立ち上がらせると、パンパンと軽く付着した雪を払ってあげる。
【柏木 愛】
「…………」
（神？この人は神？この俺の手を取ってくれる人など……しかし、聞かされた偽名のインパクトがあまりに強すぎた。）
「グゥ！！あ、アヒェヒェ、あひぇ、あ、パイナポ、ヒェ、イイナマエだと、思いま、ブファ！！」
（完全にツボに入ってしまった。しかし、笑ってしまえば失礼になることは承知千万。必死に笑いを抑え込み、肩を震わせながら平然を装う。装えてない）
「アハァヒァ、フレンド、登録、もちろんで、アヒアヒアァ！」
（必死に真顔を保ちながら、懐からコロパッドを取り出した）
【酢豚パイナポー】
「…あはは…。うん、そうだよね…。」
パイナポーはどんよりとした空気を背中に纏わらせて、過去の自分への強い怨嗟を送りながらフレンド登録をすませる。
毎回…といっても2回しかやってないが、どうしてこんな様にフレンド登録は回りくどい方法でないと出来ないのだろうか。普通に現代のSNSの様でもいい気がするが…。
「と、とりあえずっ！私はこれで…。愛ちゃんも気をつけてね？寒いから風邪引いちゃダメだよ？」
パイナポーは工具箱を持ち上げて、持っていない方向の手でびしっと愛を指差す。風邪を引いてしまってはせっかくの雪山、バカンスなどできっこない。ちゃんと忠告しておかないと。
【柏木 愛】
「アヒュ、フゥ、ありがとうございます！
ハイッ！お互い気を付けましょう！俺みたいなカスでも力になれることがあったらなんでもお申し付けください！」
（どうにか笑いを抑え込み（抑え込めてない）フレンド登録を済ませる。『フレンド(1)』の表記が妙に虚しかった。
立ち去ろうとする相手に敬礼を送ると、くしゃみを一つ。頭がぼーっとしてきたし、早急に体を温めた方が良さそうだった）
【酢豚パイナポー】
「ん、分かったよ。じゃあね、愛さんっ。」
そう言ってパイナポーは、愛へと手を振りながら中央部のホテルの方向へと工具箱片手に駆け出していく。
これで知り合いが2人…友達100人できるかなってわけじゃないけど、増えていくにはなんとも言えない心地よさがある。
パイナポーは、そんな少し擽ったい感覚を楽しみながら、鼻歌を歌って中央部へと向かっていったのであった。
食えぬ食わせぬとちょっとしたドジPart2 20th-23rd
あいごころ。(20th)-海月(23rd)
【海月】
「…と言っても。特にこの後行くところってもなー…」
まだ行ってない主要地域と言えば、中央部に見えた商店街や電波塔近くのショッピングモール…くらいだろうか。
北東部もまだ探索していないし…
なんてことを考えつつ、教会で一番目立つ場所、司教座の近くでふらふらと全体を眺めている。
ああ、もう、じれったい。早く何か起きてくれればいいのに。というか、始まってくれればいいのに。
と言っても相手方には届かないだろうし。見ているのなら別だけど。
「チャット見た感じ、まだ知らない人たーくさんいるからなぁ…はーあ！足疲れたしやーになってきた。誰か来てくれないかなー」
【あいごころ。】
｢…あなたってけっこう暇人だったりするかしら？｣
あの後軽く周辺の調査をしたあと、目に付いた教会に立ち寄ると、いかにも暇そうにしている少女らしき姿を見かけた。いや、恐らく暇なのだろう。と、彼女の発言から察する。いつか再会するかも、とは思っていたがこんなにも早く再開することになるとは少々拍子抜けしたところである。
｢はぁ…なんだか馬鹿らしくなってきたわ。｣
そうしてため息を吐く。正直この少女とは既に話したし、あまり話す意味は無いかな、と少し思考の停止している頭で考える。
【海月】
「ああ、キミは…こころちゃんだっけ？やっほー。」
出会い頭に暇人認定されたのは置いておこう。
彼女の様子から察するに、特に何も情報が無いままこっちに来たものだから、貧乏くじでも引いたような心境になってるのか。
ひどいよね！人を差別するのは良くないと思うよ！嘘だよ。
とすると、特に有益な情報もないか。こちらから話せる事、とすれば。新たに出会った二人のことか…それとも。
「そういえばさー、こころちゃんってこれから何が起こるのかなーとか予想してたりする？
オレとしてはもーーちょっと面白いことが起きて欲しいんだけど！焦らしは良くないよね！」
相手が思考停止しているなら強制的にでも呼び覚ますかどうか。
【あいごころ。】
｢これからなにが起こるか、ね…｣
彼女の発言から改めて現状を考える。
少なくとも拉致してきた犯人がこのまま何も起こさないというのは考えにくい。それは通達された本名がバレると死ぬ、という言葉により明白だろう…それがブラフかどうか分からないが。少なくとも姿形を変えるほどの技術があるとなると…
｢まあ、このまま観光して終了、なんてことにはならないでしょうね。｣
少なくともどこかのタイミングでなにかが起きる。これは間違いないと見ていいだろう。そしてその何かというのは…
｢生活に困らない環境…本名がバレると死ぬ、という通達…そして廃工場に落ちている凶器…そうね、まるで悪趣味な『ゲーム』みたい。そう思わないかしら？｣
そう、彼女に問いかける。左手をそっと狐面に触れて。相手の目をしっかりと、意思表示するかのように見る。
【海月】
「ふーん…悪趣味、ねえ。まあ、普通の人はそう考えるよねー！」
結論はオレと同じ、か。何も掴めない、まだ何も分かっていない、からこそ次を予測するのが簡単。
正直、相手の技術力に関して言えば到底及ばないレベルだし、手や足が出るかは流石に考えるまでもないか。
それにしても、ゲエムねぇ。
恐らく、開催されるとするなら、"黒幕"か何かに見られているのだろう。見世物にされている。
ま、見られてるからってどうこう文句をつけるオレじゃないんだけどね。命がけのゲエムが出来るかもしれないってことでしょ？
「ただ、楽しくはなるんじゃない？未知の場所、知らない人達、何も分からない状況下で誰もハンデがない公平なゲエム！
命がけってところもポイント高いよねー！
…ねえこころちゃん。オレが何でこんなにワクワクしてるか分かる？」
分かりはしないだろうけどさ。
【あいごころ。】
｢さあ？わからないし、わかりたくもないわ。｣
そう切り捨てる。このような状況を楽しみに思うなんて、そんな狂った考えを理解するとしたら、それこそ自ら狂人にならない限り不可能であろう。
｢でも…公平かどうかなんて、まだ分からないわよ？もしかしたら企画外の化け物、なんてものも出るかもしれないわね。｣
ゲームは必ずしも同じ条件では成り立たない。それこそ犯人が企画外を用意してくるかもしれない。それどころか犯人自体がやってくるかもしれないのだ。そう、それはもう近くにいるかもしれない…。
そうして思考に落ちていく彼女は気づいていないだろう。
自分の頬が少し、無意識に上がっていることに。
【海月】
「ちぇ、釣れないな。こころちゃんにちょっとした狂育を叩きこもうと思ったんだけど」
なんて態とらしい嘘を吐いておいて。狂人願望がないなんて、ちょっとショックだなぁ。オレも狂ってるつもりはそこまでないけどね。
ただ、狂人でもないとこういう機会を楽しむなんて出来ないだろうし、まあそれが正常なんだろうね。
公平かどうかが分からない、か。
ゲエムは極力インフレを避けるように出来ている。コレがもし見世物だったのなら、一方的な虐殺なんて撮れ高に影響があるだろう。
それに、黒幕の知らない所で"企画外の化け物"がいる可能性もある。それに、もしかしたらコレを見越して"みんな"をサポートするような重要お助けキャラが…なんて、蛇足か。
…まあ、作戦は成功。
目の前の少女の表情を見て、こっちも微笑をこぼす。
相手の興味を引くことに成功したのならそれだけでいい。こころちゃんってばやっぱり面白いよね。
「公平かどうか分からない…そうだね、例えば今もこころちゃんの近くに、その企画外の化け物がいたりして？」
【あいごころ。】
｢あら、そうなると私はすぐゲームオーバーかしら？｣
そういってクスリと笑った。ただの軽口。ただのほのぼのとした会話。ゲームの中の気に求めない発言の1つ。それはこの教会に確かに響いて消える。それが少し不気味なようで、少し…面白くある気もした。
｢せっかくなら協力しあっていきましょう？ゲームというのは協力プレイはつきものよ？｣
上辺だけの言葉を並べる。恐らくそれは相手も分かってることだろう。この状況じゃ協力、なんて言葉がどれほど信用できないものか。
そうして海月に対して握手を求めるように手を差し出す。反対側の手でくろい髪をちょっとだけかきあげると、少しだけ目を細めて笑ってみせる。
【海月】
「っははは！この状況で協力プレイかぁ。うんうん、いいよね協力プレイって！」
上辺だけの会話に上辺だけの返事を濁して注ぐ。
まるでかきあげられた目で射抜かれているような錯覚を覚えはするけれど。いい度胸してるじゃん、オレと協力しようだなんて。
…こういう時の選択肢は二つ。"手を取る"か、"手を叩く"かだ。
つまり、応か否かの二択。それを今、オレは選べる状況にある。
さて、どっちの方が相手に予想外な行動か……
もちろん、答えは決まっているのだけれど。
「それじゃあ、こころちゃんも頑張ってね！」
……手を取ることも、叩くこともしない。"二択に縛られない""中立を持った"選択。
手を差し出した彼女の隣をすり抜けて、出口の方へ、ゆっくりと歩いていく。
【あいごころ。】
｢…そう。あなたもね。｣
あくまで中立。そういうことだろう。やはり食えない相手だ、と改めて思う。少しは反応することを期待してみたけれども。
ゆっくりと差し出した手を下ろす。
(まるで道化、ね。)
そう心の中で呟いた。初めにあった時だって…と、ここであることを思い出す。それは彼女にとって重大な誤算であり、残しておくことは出来ない黒歴史であった。ゆっくりと振り返り、言葉の一つ一つに重みを乗せて言う。
｢あなた…私の転んだ時の写真…撮ってなかったかしら…？｣
恐らく傍目から見れば黒いオーラが出てることだろう。
【海月】
「えっ、撮ってないよ？記憶違いじゃないの？」
心無しかこちらに近寄っている気がする少女に、表面上は笑みを絶やさず後退を続ける。
――やべ、バレた！
「ほら、こころちゃん、キミも多分まだ探索してないところあるでしょ？
黒幕がいつ手を出してくるかも分かんないし、ね、今のうちに調査を続けた方がいいんじゃないかなーってオレ思うけど…」
海月のもう一つの特性。
煽りすぎると、大体3割の確率で返り討ちに合う。
【あいごころ。】
｢ええそうね探索しないといけないわねとりあえず最初はそのコロパットでも探索しようかしらええそうしましょうそうするべきね｣
早口に捲したてる。ジリジリと海月に近づいていく。俗に言う口は笑っているが目は笑っていない表情だった。そして今にも飛びかかろうとする。
｢それをさっさと渡しなさ―｣
…彼女は怒りで周りが見えていなかった。いつもなら冷静に対処できることが、突然のことに感じられて対応が遅れた。
…袖を教会の椅子に引っ掛けてまたしても派手に転んだのである。
【海月】
「……」
静かに、コロパットを構え、目の前の無様な少女を写真に収めて。
「オレ、用事思い出したからこれで！！頑張ってねこころちゃんッ！！！」
久しぶりに死ぬほど全速力で逃げた。
とりあえず目の前の脅威から離れないといけない。今だけは後の事を考えず、本気で逃げた。
【海月】
「…と言っても。特にこの後行くところってもなー…」
まだ行ってない主要地域と言えば、中央部に見えた商店街や電波塔近くのショッピングモール…くらいだろうか。
北東部もまだ探索していないし…
なんてことを考えつつ、教会で一番目立つ場所、司教座の近くでふらふらと全体を眺めている。
ああ、もう、じれったい。早く何か起きてくれればいいのに。というか、始まってくれればいいのに。
と言っても相手方には届かないだろうし。見ているのなら別だけど。
「チャット見た感じ、まだ知らない人たーくさんいるからなぁ…はーあ！足疲れたしやーになってきた。誰か来てくれないかなー」
【あいごころ。】
｢…あなたってけっこう暇人だったりするかしら？｣
あの後軽く周辺の調査をしたあと、目に付いた教会に立ち寄ると、いかにも暇そうにしている少女らしき姿を見かけた。いや、恐らく暇なのだろう。と、彼女の発言から察する。いつか再会するかも、とは思っていたがこんなにも早く再開することになるとは少々拍子抜けしたところである。
｢はぁ…なんだか馬鹿らしくなってきたわ。｣
そうしてため息を吐く。正直この少女とは既に話したし、あまり話す意味は無いかな、と少し思考の停止している頭で考える。
【海月】
「ああ、キミは…こころちゃんだっけ？やっほー。」
出会い頭に暇人認定されたのは置いておこう。
彼女の様子から察するに、特に何も情報が無いままこっちに来たものだから、貧乏くじでも引いたような心境になってるのか。
ひどいよね！人を差別するのは良くないと思うよ！嘘だよ。
とすると、特に有益な情報もないか。こちらから話せる事、とすれば。新たに出会った二人のことか…それとも。
「そういえばさー、こころちゃんってこれから何が起こるのかなーとか予想してたりする？
オレとしてはもーーちょっと面白いことが起きて欲しいんだけど！焦らしは良くないよね！」
相手が思考停止しているなら強制的にでも呼び覚ますかどうか。
【あいごころ。】
｢これからなにが起こるか、ね…｣
彼女の発言から改めて現状を考える。
少なくとも拉致してきた犯人がこのまま何も起こさないというのは考えにくい。それは通達された本名がバレると死ぬ、という言葉により明白だろう…それがブラフかどうか分からないが。少なくとも姿形を変えるほどの技術があるとなると…
｢まあ、このまま観光して終了、なんてことにはならないでしょうね。｣
少なくともどこかのタイミングでなにかが起きる。これは間違いないと見ていいだろう。そしてその何かというのは…
｢生活に困らない環境…本名がバレると死ぬ、という通達…そして廃工場に落ちている凶器…そうね、まるで悪趣味な『ゲーム』みたい。そう思わないかしら？｣
そう、彼女に問いかける。左手をそっと狐面に触れて。相手の目をしっかりと、意思表示するかのように見る。
【海月】
「ふーん…悪趣味、ねえ。まあ、普通の人はそう考えるよねー！」
結論はオレと同じ、か。何も掴めない、まだ何も分かっていない、からこそ次を予測するのが簡単。
正直、相手の技術力に関して言えば到底及ばないレベルだし、手や足が出るかは流石に考えるまでもないか。
それにしても、ゲエムねぇ。
恐らく、開催されるとするなら、"黒幕"か何かに見られているのだろう。見世物にされている。
ま、見られてるからってどうこう文句をつけるオレじゃないんだけどね。命がけのゲエムが出来るかもしれないってことでしょ？
「ただ、楽しくはなるんじゃない？未知の場所、知らない人達、何も分からない状況下で誰もハンデがない公平なゲエム！
命がけってところもポイント高いよねー！
…ねえこころちゃん。オレが何でこんなにワクワクしてるか分かる？」
分かりはしないだろうけどさ。
【あいごころ。】
｢さあ？わからないし、わかりたくもないわ。｣
そう切り捨てる。このような状況を楽しみに思うなんて、そんな狂った考えを理解するとしたら、それこそ自ら狂人にならない限り不可能であろう。
｢でも…公平かどうかなんて、まだ分からないわよ？もしかしたら企画外の化け物、なんてものも出るかもしれないわね。｣
ゲームは必ずしも同じ条件では成り立たない。それこそ犯人が企画外を用意してくるかもしれない。それどころか犯人自体がやってくるかもしれないのだ。そう、それはもう近くにいるかもしれない…。
そうして思考に落ちていく彼女は気づいていないだろう。
自分の頬が少し、無意識に上がっていることに。
【海月】
「ちぇ、釣れないな。こころちゃんにちょっとした狂育を叩きこもうと思ったんだけど」
なんて態とらしい嘘を吐いておいて。狂人願望がないなんて、ちょっとショックだなぁ。オレも狂ってるつもりはそこまでないけどね。
ただ、狂人でもないとこういう機会を楽しむなんて出来ないだろうし、まあそれが正常なんだろうね。
公平かどうかが分からない、か。
ゲエムは極力インフレを避けるように出来ている。コレがもし見世物だったのなら、一方的な虐殺なんて撮れ高に影響があるだろう。
それに、黒幕の知らない所で"企画外の化け物"がいる可能性もある。それに、もしかしたらコレを見越して"みんな"をサポートするような重要お助けキャラが…なんて、蛇足か。
…まあ、作戦は成功。
目の前の少女の表情を見て、こっちも微笑をこぼす。
相手の興味を引くことに成功したのならそれだけでいい。こころちゃんってばやっぱり面白いよね。
「公平かどうか分からない…そうだね、例えば今もこころちゃんの近くに、その企画外の化け物がいたりして？」
【あいごころ。】
｢あら、そうなると私はすぐゲームオーバーかしら？｣
そういってクスリと笑った。ただの軽口。ただのほのぼのとした会話。ゲームの中の気に求めない発言の1つ。それはこの教会に確かに響いて消える。それが少し不気味なようで、少し…面白くある気もした。
｢せっかくなら協力しあっていきましょう？ゲームというのは協力プレイはつきものよ？｣
上辺だけの言葉を並べる。恐らくそれは相手も分かってることだろう。この状況じゃ協力、なんて言葉がどれほど信用できないものか。
そうして海月に対して握手を求めるように手を差し出す。反対側の手でくろい髪をちょっとだけかきあげると、少しだけ目を細めて笑ってみせる。
【海月】
「っははは！この状況で協力プレイかぁ。うんうん、いいよね協力プレイって！」
上辺だけの会話に上辺だけの返事を濁して注ぐ。
まるでかきあげられた目で射抜かれているような錯覚を覚えはするけれど。いい度胸してるじゃん、オレと協力しようだなんて。
…こういう時の選択肢は二つ。"手を取る"か、"手を叩く"かだ。
つまり、応か否かの二択。それを今、オレは選べる状況にある。
さて、どっちの方が相手に予想外な行動か……
もちろん、答えは決まっているのだけれど。
「それじゃあ、こころちゃんも頑張ってね！」
……手を取ることも、叩くこともしない。"二択に縛られない""中立を持った"選択。
手を差し出した彼女の隣をすり抜けて、出口の方へ、ゆっくりと歩いていく。
【あいごころ。】
｢…そう。あなたもね。｣
あくまで中立。そういうことだろう。やはり食えない相手だ、と改めて思う。少しは反応することを期待してみたけれども。
ゆっくりと差し出した手を下ろす。
(まるで道化、ね。)
そう心の中で呟いた。初めにあった時だって…と、ここであることを思い出す。それは彼女にとって重大な誤算であり、残しておくことは出来ない黒歴史であった。ゆっくりと振り返り、言葉の一つ一つに重みを乗せて言う。
｢あなた…私の転んだ時の写真…撮ってなかったかしら…？｣
恐らく傍目から見れば黒いオーラが出てることだろう。
【海月】
「えっ、撮ってないよ？記憶違いじゃないの？」
心無しかこちらに近寄っている気がする少女に、表面上は笑みを絶やさず後退を続ける。
――やべ、バレた！
「ほら、こころちゃん、キミも多分まだ探索してないところあるでしょ？
黒幕がいつ手を出してくるかも分かんないし、ね、今のうちに調査を続けた方がいいんじゃないかなーってオレ思うけど…」
海月のもう一つの特性。
煽りすぎると、大体3割の確率で返り討ちに合う。
【あいごころ。】
｢ええそうね探索しないといけないわねとりあえず最初はそのコロパットでも探索しようかしらええそうしましょうそうするべきね｣
早口に捲したてる。ジリジリと海月に近づいていく。俗に言う口は笑っているが目は笑っていない表情だった。そして今にも飛びかかろうとする。
｢それをさっさと渡しなさ―｣
…彼女は怒りで周りが見えていなかった。いつもなら冷静に対処できることが、突然のことに感じられて対応が遅れた。
…袖を教会の椅子に引っ掛けてまたしても派手に転んだのである。
【海月】
「……」
静かに、コロパットを構え、目の前の無様な少女を写真に収めて。
「オレ、用事思い出したからこれで！！頑張ってねこころちゃんッ！！！」
久しぶりに死ぬほど全速力で逃げた。
とりあえず目の前の脅威から離れないといけない。今だけは後の事を考えず、本気で逃げた。
受入の価値と等価交換ブランコ 7th-18th
ロティ(7th)-唐揚げ食べたい(18th)
【唐揚げ食べたい】
「…わ〜い(^○^)」
(彼が居るのは巨大パーク☆そう！公園だ。SCTに居ると言ったな？あれは嘘だ。気が変わったんだ、唐揚げくんの。仕方ないよね。
彼は何をしているかというと、アスレチック──────ではなく、ブランコ。
彼はブランコで空を羽ばたいている。それはもう、⊂二二二（ ＾ω＾）二二⊃ ﾌﾞｰﾝと。
気分は鳥と言ったところか。ブランコだけど。ブランコでしかないけど。)
「きらり輝け☆ファンタジーマジカルジャーンプ☆」
(と、まるで必殺技のような名前を付けながら至って普通にブランコから飛び降りる。子供の時によくやったよね。…やったよね？
まあ、そんな遊びを一人でずっと続けている。滑稽ってやつだね唐揚げくん。気分は小学生だね。)
【ロティ】
｢………なんだい…。
騒々しいと思えば、小学生か何かかい？
輝くのは構わないと思うが、少し抑えたまえ。｣
そんなキラキラ幻想郷に歩み寄る。
何がしたいのかは正直にいえば分かっていない、しかし騒ぎ立てているのは事実。
騒ぎ立てる様子は完全に小学生なのだから。
無論、必殺技の様な名前を付けて飛び降りる位はどうって事はないだろう。
よく分からない名前を付けるのを良くやっているのは見ていた。
それについてはまあやめよう。
輝くのは構わない。
しかし少し抑えて貰いたい所だ。
｢何がしたいのかは聞かない、聞いた所で何か有益になる訳じゃあ無いからね。
勿論……君の遊びを否定するつもりは無い。
……が、せめてもう少し声のボリュームを落としたまえよ。｣
勿論、相手が何をしたいのかは聞かない。
それを聞いたところで有益な情報は得られる？
────そんな訳ないだろう？
マジカルメーカーの様な遊びを否定するつもりは無い、それは個人の自由だ。
でもそれなら少しだけ声のボリュームを落として貰いたい所だが。
【唐揚げ食べたい】
「……──────ほ？」
(何回目か。"このよく分からない状況"を忘れたくて一心不乱にやっていたものだから、何回ブランコから飛び降りたかも忘れてしまった。
話しかける声に気付き、数秒の間。思考停止していたんだと思う。
で、誰？
いきなり注意された気もするけど、唐揚げくんにはよく分からない！声のボリューム落とせだと？いやまずお前誰だよ〜！という。
知らない人に注意されたって"知らない"からね。)
「誰だァ？お前。
知らねー奴に注意される筋合いなんかないっつーの！俺は気を紛らわしたいワケ。
アッ俺は"唐揚げ食べたい"っつーんでヨロシクしてもらうぜッ☆彡
唐揚げくんって呼んでくれよなッ！」
(と、問いと自己紹介。出会ってすぐ自己紹介するとか良い人かな？俺、もしかして良い人！？
ブランコに再び乗り、軽く漕いでブラーンブランと足の力を抜いて。
ジャンプはしないが、それくらいなら良いだろう。…まあ、動きからして煩いが。)
【ロティ】
｢……あぁ、そうかい、確かにそれはそうか。
まさか唐揚げに言われるとはね、だが名乗りはしようか……。
そうだね、僕の事は『ロティ』とでも呼んでくれ、唐揚げ君。｣
開幕戦としては劣勢だろう。
いや、この程度で戦など馬鹿馬鹿しいにも程があるかと1人思う。
しかし、相手の言う事も事実。
そして名乗られた以上こちらも名乗り返すべきだろうとして。
だから此方も名乗る。
安直で、実に意味の無いこの名前を。
意味の無い偽名に価値は無い。
それは相変わらず思う事だ。
…………とはいえ、名乗るのは礼儀と思うのもまた1つの事実であって。
｢さて、気を紛らわせると言ったか…。
そいつは構わないが少し考える位したらどうだい？
……いや、考えてこれなら仕方ないけどね。
何かあったのかい？
例えば……“受け入れたくない事があった”…とか。｣
まあ、話は切り替えよう。
最初に言うこととして、気を紛らわせる件に関してもう少し別の事は思いつかなかったのかと言う事。
少し考えれば良いのにと思ったが、それ程の事をする時に考えてこの行動になったのならばそれは仕方ないと言いつつ。
何かあったのだろう？
そう問いかけて、ハットを少し整える。
事故に遭った…それは、自分も変わらないけど。
【唐揚げ食べたい】
「ロティ…ちゃん、かな？へへ、ロティちゃんよろしくだぜェ！」
(ニッ、と顔に笑みを貼り付け。…まあ、ブランコを漕いでいるため表情の変化は分かりづらいだろうが。
ちゃん、か。くん、か。…まあ、どうでも良いこと。正直言って、性別の詮索など無意味。…だって性別、変わってる人も居るだろうしね！意味なんてな〜い☆⌒（＊＾∇゜）v
にこにこ、にこにこ。
絶えることが無いと思われていた笑みは、彼女の"次の言葉"────問いで、早くも存在を見失うだろう。
それは、ほんの一瞬。じっくりと観察していなければ分からないほど、瞬間的に。ブランコから見える表情の、刹那。
"受け入れたくない事があった"
嗚呼、そうだよ。…でもそれは、お前もそうだろ。
ここに居る人ほぼ全員が、思っていること。
そんな、当たり障りのないこと。最早、思うことが普通なこと。)
「…………。
修学旅行の最中に、事故にあって…そんで気付いたら此処よ。そりゃ、受け入れたくもないダロ？
まあでもよ、適用しなきゃいけねーじゃん？？
だから、ブランコ乗ってたのに。
…全く、現実を直視させるようなこと言うなよなァ……」
(そう、暗い笑みの表情で。苦笑して、そう答える。
あれ、もしかして唐揚げくん元の場所ではマトモだった？…────と思ったらそこの君ィ！！君だよ！！！！！
残念、だったな。)
「…なーんちゃって(∩^o^)⊃━━━*・.｡.:*ミ.:☆
俺は受け入れてるぜッ！この状況、なんかオモシレーじゃん？？
共有チャットにも打ったけどよ、"ドキドキ☆偽名だらけと雪山バカンス！"っつってさァ！
俺は今楽しんでるぜ、バカンス。」
(一つ、間を置いて。すぅ、と息を吸い。)
「───で、お前は？どう思う？このバカンス。」
【ロティ】
｢……悪いね、受け入れたくない事なんて沢山味わって来たんだ。
こんな物で折れる程ヤワな精神はしていないよ。
…………君もそうじゃないか。
その振る舞いの切り替え、思い切り受け入れているんだろうからね。
もし違うなら、こうしてブランコなんて漕いでいないだろう？｣
此処に来る前に、受け入れたくない事など沢山味わって来たのだ。
この程度ではどうとも思わないらしい。
……少しシリアスになる？
いいやNoだ、こんな状況だからこそ笑って受け入れる程の精神を持て。
目の前の唐揚げは、それが出来ていた。
もしそうならば、ブランコでマジカルメーカーなんてやっているわけが無いだろう？
｢……このバカンスかい？
そうだねぇ……まあ、寒いのは仕方ないけど悪くは無いね。
…ただの、バカンスとして見ればね。｣
バカンスについては、まぁ悪くは無い。
寒いがスーツのお陰で自分はまだマシだ。
バカンスとしてロケーションも悪くは無い。
勿論バカンスとして見れば、の話だが。
【唐揚げ食べたい】
「……まあ、受け入れたくないものも受け入れなきゃいけない時ってのはあるからな…今回もきっと、そういうことなんだと思うぜ☆彡」
(そう。このバカンスも、この雪山も、最後には受け入れなければいけない。
どんな辛い現実も、受け止めなければ。
そう、その通り、俺良いこと言った！ツ○ッターのプロフィール欄にコピペして載っけていいぜ。
ブランコを漕ぐのをやめ。
ただブランコと言うものを"椅子"として使用すれば、ロティを見つめ。憎たらしげに、どこか煽るように笑ってみせた。)
「…そうだな！"バカンスとしてなら"気温を抜けば最高の立地だ、俺もそう思うぜ。
まッ、だからこうして遊んでんだけどナー。なはは！」
(この状況を上手く理解していないような、そんな笑顔。
"クラスメイトの日常風景"にも取れれば、"この状況を楽しんでいる"とも取れる表情。
どちらにせよ、アホがアホみたいな笑みをしているだけなのだからそんなに変わりはあるまいが。
衣服のポケットからコロパットを取り出して、軽く眺める。
全体チャットとか、参加者一覧だとかを適当に。
そして、何の考えもなしに一つ呟いた。)
「……にしても、本名出しちゃいけないっつーのも可笑しな話だよなァ…
これからなんかあんのか？だとしたら面白そーだよな、なんか全員でビンゴ！とか」
【ロティ】
｢さぁ……それはどうかな…。
ただ一つ言える事とすれば、僕達全員が死ぬ可能性を持っている事だ。
何だろうね…操り人形みたいな気もするし、逆に操る側になるかもしれない。
それはその時にならなければ分からないのが更にタチが悪い。
しかもそれにレベルが有るかもしれない。
そうなれば更に厄介な事は変わらない、そうならない事を願うだけだよ。｣
この後に待ち受けている展開は分からない。
只、確実に言えることは万人に等しく死が隣り合わせにいる事だ。
それは操り人形に見えて。
むしろその反対なのかもしれない。
もちろんそれはその時にならなければ分からない、それだけは確実である。
それが厄介な事は変わらない。
頼むからそれだけはなって欲しくない物だから。
｢……さて、邪魔したね。
僕はそろそろ別の所へ行くさ、君も今のうちにバカンスを楽しむと良い。｣
ある程度話した所で、そろそろ立ち去ろうと思い唐揚げから距離を取る。
そしてそのまま立ち去ろうと歩いていく。
せめて、今の内にバカンスだけは楽しむといいとだけ伝えて。
【唐揚げ食べたい】
「…難しいことは俺にゃあよく分かんねえなぁ…」
(一言感想。小学生か何かかな？
彼女の並べる言葉を聞いているが、聴こえていないというか。なんだか、音としては反応しているが声としては聞こえていないというか。
そういう病気ではないのだが、おバカな唐揚げくんにはよく分からなかったみたい。
操るとか、操られるとか。
レベルとか。
ゲームか何かか？RPGの世界なのか？
ああ、もう分からない。"ゲームの世界に入り込んでしまった人"の気持ちだ。異世界転生ものかよ。
……────あれ、案外間違いじゃないな。)
「…おう！またな、お前もバカンス楽しめよ〜！」
(そう声を掛け、一息。
彼女が見えなくなる前、最後に一つ呟いた。)
「 "誰かに殺されないようにな！" 」
(それは、善意の心からか。それとも悪意の心からか。
今はまだ、分からない。
だって彼は、紛うことなき"ネタキャラ"なのだから。
そのまま去るのを見届けて、スーパーマジカルジャンプ☆を再開したのは言うまでもない。)
【唐揚げ食べたい】
「…わ〜い(^○^)」
(彼が居るのは巨大パーク☆そう！公園だ。SCTに居ると言ったな？あれは嘘だ。気が変わったんだ、唐揚げくんの。仕方ないよね。
彼は何をしているかというと、アスレチック──────ではなく、ブランコ。
彼はブランコで空を羽ばたいている。それはもう、⊂二二二（ ＾ω＾）二二⊃ ﾌﾞｰﾝと。
気分は鳥と言ったところか。ブランコだけど。ブランコでしかないけど。)
「きらり輝け☆ファンタジーマジカルジャーンプ☆」
(と、まるで必殺技のような名前を付けながら至って普通にブランコから飛び降りる。子供の時によくやったよね。…やったよね？
まあ、そんな遊びを一人でずっと続けている。滑稽ってやつだね唐揚げくん。気分は小学生だね。)
【ロティ】
｢………なんだい…。
騒々しいと思えば、小学生か何かかい？
輝くのは構わないと思うが、少し抑えたまえ。｣
そんなキラキラ幻想郷に歩み寄る。
何がしたいのかは正直にいえば分かっていない、しかし騒ぎ立てているのは事実。
騒ぎ立てる様子は完全に小学生なのだから。
無論、必殺技の様な名前を付けて飛び降りる位はどうって事はないだろう。
よく分からない名前を付けるのを良くやっているのは見ていた。
それについてはまあやめよう。
輝くのは構わない。
しかし少し抑えて貰いたい所だ。
｢何がしたいのかは聞かない、聞いた所で何か有益になる訳じゃあ無いからね。
勿論……君の遊びを否定するつもりは無い。
……が、せめてもう少し声のボリュームを落としたまえよ。｣
勿論、相手が何をしたいのかは聞かない。
それを聞いたところで有益な情報は得られる？
────そんな訳ないだろう？
マジカルメーカーの様な遊びを否定するつもりは無い、それは個人の自由だ。
でもそれなら少しだけ声のボリュームを落として貰いたい所だが。
【唐揚げ食べたい】
「……──────ほ？」
(何回目か。"このよく分からない状況"を忘れたくて一心不乱にやっていたものだから、何回ブランコから飛び降りたかも忘れてしまった。
話しかける声に気付き、数秒の間。思考停止していたんだと思う。
で、誰？
いきなり注意された気もするけど、唐揚げくんにはよく分からない！声のボリューム落とせだと？いやまずお前誰だよ〜！という。
知らない人に注意されたって"知らない"からね。)
「誰だァ？お前。
知らねー奴に注意される筋合いなんかないっつーの！俺は気を紛らわしたいワケ。
アッ俺は"唐揚げ食べたい"っつーんでヨロシクしてもらうぜッ☆彡
唐揚げくんって呼んでくれよなッ！」
(と、問いと自己紹介。出会ってすぐ自己紹介するとか良い人かな？俺、もしかして良い人！？
ブランコに再び乗り、軽く漕いでブラーンブランと足の力を抜いて。
ジャンプはしないが、それくらいなら良いだろう。…まあ、動きからして煩いが。)
【ロティ】
｢……あぁ、そうかい、確かにそれはそうか。
まさか唐揚げに言われるとはね、だが名乗りはしようか……。
そうだね、僕の事は『ロティ』とでも呼んでくれ、唐揚げ君。｣
開幕戦としては劣勢だろう。
いや、この程度で戦など馬鹿馬鹿しいにも程があるかと1人思う。
しかし、相手の言う事も事実。
そして名乗られた以上こちらも名乗り返すべきだろうとして。
だから此方も名乗る。
安直で、実に意味の無いこの名前を。
意味の無い偽名に価値は無い。
それは相変わらず思う事だ。
…………とはいえ、名乗るのは礼儀と思うのもまた1つの事実であって。
｢さて、気を紛らわせると言ったか…。
そいつは構わないが少し考える位したらどうだい？
……いや、考えてこれなら仕方ないけどね。
何かあったのかい？
例えば……“受け入れたくない事があった”…とか。｣
まあ、話は切り替えよう。
最初に言うこととして、気を紛らわせる件に関してもう少し別の事は思いつかなかったのかと言う事。
少し考えれば良いのにと思ったが、それ程の事をする時に考えてこの行動になったのならばそれは仕方ないと言いつつ。
何かあったのだろう？
そう問いかけて、ハットを少し整える。
事故に遭った…それは、自分も変わらないけど。
【唐揚げ食べたい】
「ロティ…ちゃん、かな？へへ、ロティちゃんよろしくだぜェ！」
(ニッ、と顔に笑みを貼り付け。…まあ、ブランコを漕いでいるため表情の変化は分かりづらいだろうが。
ちゃん、か。くん、か。…まあ、どうでも良いこと。正直言って、性別の詮索など無意味。…だって性別、変わってる人も居るだろうしね！意味なんてな〜い☆⌒（＊＾∇゜）v
にこにこ、にこにこ。
絶えることが無いと思われていた笑みは、彼女の"次の言葉"────問いで、早くも存在を見失うだろう。
それは、ほんの一瞬。じっくりと観察していなければ分からないほど、瞬間的に。ブランコから見える表情の、刹那。
"受け入れたくない事があった"
嗚呼、そうだよ。…でもそれは、お前もそうだろ。
ここに居る人ほぼ全員が、思っていること。
そんな、当たり障りのないこと。最早、思うことが普通なこと。)
「…………。
修学旅行の最中に、事故にあって…そんで気付いたら此処よ。そりゃ、受け入れたくもないダロ？
まあでもよ、適用しなきゃいけねーじゃん？？
だから、ブランコ乗ってたのに。
…全く、現実を直視させるようなこと言うなよなァ……」
(そう、暗い笑みの表情で。苦笑して、そう答える。
あれ、もしかして唐揚げくん元の場所ではマトモだった？…────と思ったらそこの君ィ！！君だよ！！！！！
残念、だったな。)
「…なーんちゃって(∩^o^)⊃━━━*・.｡.:*ミ.:☆
俺は受け入れてるぜッ！この状況、なんかオモシレーじゃん？？
共有チャットにも打ったけどよ、"ドキドキ☆偽名だらけと雪山バカンス！"っつってさァ！
俺は今楽しんでるぜ、バカンス。」
(一つ、間を置いて。すぅ、と息を吸い。)
「───で、お前は？どう思う？このバカンス。」
【ロティ】
｢……悪いね、受け入れたくない事なんて沢山味わって来たんだ。
こんな物で折れる程ヤワな精神はしていないよ。
…………君もそうじゃないか。
その振る舞いの切り替え、思い切り受け入れているんだろうからね。
もし違うなら、こうしてブランコなんて漕いでいないだろう？｣
此処に来る前に、受け入れたくない事など沢山味わって来たのだ。
この程度ではどうとも思わないらしい。
……少しシリアスになる？
いいやNoだ、こんな状況だからこそ笑って受け入れる程の精神を持て。
目の前の唐揚げは、それが出来ていた。
もしそうならば、ブランコでマジカルメーカーなんてやっているわけが無いだろう？
｢……このバカンスかい？
そうだねぇ……まあ、寒いのは仕方ないけど悪くは無いね。
…ただの、バカンスとして見ればね。｣
バカンスについては、まぁ悪くは無い。
寒いがスーツのお陰で自分はまだマシだ。
バカンスとしてロケーションも悪くは無い。
勿論バカンスとして見れば、の話だが。
【唐揚げ食べたい】
「……まあ、受け入れたくないものも受け入れなきゃいけない時ってのはあるからな…今回もきっと、そういうことなんだと思うぜ☆彡」
(そう。このバカンスも、この雪山も、最後には受け入れなければいけない。
どんな辛い現実も、受け止めなければ。
そう、その通り、俺良いこと言った！ツ○ッターのプロフィール欄にコピペして載っけていいぜ。
ブランコを漕ぐのをやめ。
ただブランコと言うものを"椅子"として使用すれば、ロティを見つめ。憎たらしげに、どこか煽るように笑ってみせた。)
「…そうだな！"バカンスとしてなら"気温を抜けば最高の立地だ、俺もそう思うぜ。
まッ、だからこうして遊んでんだけどナー。なはは！」
(この状況を上手く理解していないような、そんな笑顔。
"クラスメイトの日常風景"にも取れれば、"この状況を楽しんでいる"とも取れる表情。
どちらにせよ、アホがアホみたいな笑みをしているだけなのだからそんなに変わりはあるまいが。
衣服のポケットからコロパットを取り出して、軽く眺める。
全体チャットとか、参加者一覧だとかを適当に。
そして、何の考えもなしに一つ呟いた。)
「……にしても、本名出しちゃいけないっつーのも可笑しな話だよなァ…
これからなんかあんのか？だとしたら面白そーだよな、なんか全員でビンゴ！とか」
【ロティ】
｢さぁ……それはどうかな…。
ただ一つ言える事とすれば、僕達全員が死ぬ可能性を持っている事だ。
何だろうね…操り人形みたいな気もするし、逆に操る側になるかもしれない。
それはその時にならなければ分からないのが更にタチが悪い。
しかもそれにレベルが有るかもしれない。
そうなれば更に厄介な事は変わらない、そうならない事を願うだけだよ。｣
この後に待ち受けている展開は分からない。
只、確実に言えることは万人に等しく死が隣り合わせにいる事だ。
それは操り人形に見えて。
むしろその反対なのかもしれない。
もちろんそれはその時にならなければ分からない、それだけは確実である。
それが厄介な事は変わらない。
頼むからそれだけはなって欲しくない物だから。
｢……さて、邪魔したね。
僕はそろそろ別の所へ行くさ、君も今のうちにバカンスを楽しむと良い。｣
ある程度話した所で、そろそろ立ち去ろうと思い唐揚げから距離を取る。
そしてそのまま立ち去ろうと歩いていく。
せめて、今の内にバカンスだけは楽しむといいとだけ伝えて。
【唐揚げ食べたい】
「…難しいことは俺にゃあよく分かんねえなぁ…」
(一言感想。小学生か何かかな？
彼女の並べる言葉を聞いているが、聴こえていないというか。なんだか、音としては反応しているが声としては聞こえていないというか。
そういう病気ではないのだが、おバカな唐揚げくんにはよく分からなかったみたい。
操るとか、操られるとか。
レベルとか。
ゲームか何かか？RPGの世界なのか？
ああ、もう分からない。"ゲームの世界に入り込んでしまった人"の気持ちだ。異世界転生ものかよ。
……────あれ、案外間違いじゃないな。)
「…おう！またな、お前もバカンス楽しめよ〜！」
(そう声を掛け、一息。
彼女が見えなくなる前、最後に一つ呟いた。)
「 "誰かに殺されないようにな！" 」
(それは、善意の心からか。それとも悪意の心からか。
今はまだ、分からない。
だって彼は、紛うことなき"ネタキャラ"なのだから。
そのまま去るのを見届けて、スーパーマジカルジャンプ☆を再開したのは言うまでもない。)
ロリ+ロリ浴場と寂しさの意味 17th-22nd
エム(17th)-フェルナ(22nd)
【エム】
「ふわぁ〜……気持ちいいのですよ〜」
トロンパお兄さんと連絡先を交換しつつ別れて、ホテルにチェックインして、雪国でも動けるような厚着を用意して。
ひとまず、ある程度の準備を済ませて訪れたのは、また温泉。
…………感覚無くなりかけてた時に入った温泉が忘れられなかったんです、はい。
全身の力を抜いて、プカプカとお風呂の中で浮かんで。
エム1人しかいないからできる芸当なのです。
誰も来なければいいなー、なんて。
【フェルナ】
人というものは、火と水に大きく助けられて生きている。それは人が生まれて、火や水を覚えた時からずっと…人はその2つは必ず味方にして生きてきた。
まあ、何が言いたいかと言うと
「……なんだ、先客がいやがったのか。」
ガス火という温度を手に入れて温められた水、つまり温泉には人を魅了する効果が存在する訳だ。
包帯少女も、その誘惑には逆らえなかったらしい。包帯も取って、完全な生足で温泉へと足を踏み入れる。
そこで見つけたのは、自分よりも小さいであろう女の子。誰も居ないと思っていたが、人生案外厳しいものだ。
前をタオルで隠しながら、一応顔は確認しようと近寄る。
【エム】
「…………？」
プカプカと浮かんでいれば、上から顔を覗きこまれて、目線を返した。
来ないで欲しいな、なんて思っていたからでしょうか？ フラグ回収ってやつですかね？
「おねえさんも、温泉に入りにきたの？ 仲間だね〜！」
えへへ、なんて笑いながら新たな来客に笑顔で応対。
1人でぷかぷか浮いてても、やることは限られてしまうから、人が増えてくれたのは実は嬉しかったり。
【フェルナ】
「仲間…かどうかは知らんが、こんな所で会ってしまうのは奇遇だな。」
何処かで見た事あるような雰囲気が感じられるが、気の所為だろう。少女はこんな、いい歳してロリを演じるような者を知らない。本当にこれを喋ってる輩がクラスにいたのか疑うレベルだ。
「まあ、失礼するよ。」
前に押さえていた布を縁に置いて、女の子から少し離れたところで腰を下ろす。先ずは膝まで湯に浸かって、温度に慣れるというわけだ。
【エム】
「仲間だよ〜、エムもさっききたんだもん」
さすがに他の人も来たし、浮くのは辞めてお姉さんの近くの縁に寄りかかって、そう言って。
こんな状況なのだし、あった人達と仲良くしておいたらいいな、と思っているのです。
…………どうせ、気づく奴がいるわけないしね。
「……お姉さんお名前は？ エムはエムって言うんだ〜」
とにかく、自己紹介は大切だとは前々から言われ続けてきたこと。
相手の名前を聞こうと、こちらの名を名乗って。
【フェルナ】
「…はは、それは何とも無警戒な事だ。
だが…悪くは無いな。」
無警戒が過ぎると考えるのが普通だが、この特殊過ぎる環境においてはそれにも大体理由というものが存在する。
つまりは、自分が絶対にバレないという自信を持っていると考えている可能性だ。
…大したやつだが、その自信が仇となる事を伝えておきたいな。
「自分でエムと名乗ってた時点で知ってるよ。これで違う名前が来たらイカれたやつ認定する所だった。
…とまあさておき、私の名前はフェルナだ。お互い拐われたような身、良好な関係を築けるよう願うとしよう。」
二人の女の子が温泉で肩を並べて満喫しているにも関わらず、敵か味方か判断できないというのは本当に酷な話だ。願うだけというゲーム…いや、後々は動かないといけないのだが。
だが、イレギュラーな自体にこの温泉は中々染みるものがある。思わず力を抜いてしまうのだから、本格的に始まればここにはもう来れないかもしれない。じっくりと味わってやるとしようか。
【エム】
「えへへ〜よろしくね〜フェルナお姉さん」
名乗ってくれてほっと一安心。
これで相手が名乗ってくれなければ、こちらのことだけ知られて終わりだったから、すこし好感度もアップ、第一印象はいい感じです。
「ところでお姉さん？ この状況、どう思いますか？」
そうして問いかけたのは、この状況について。
気がついたら雪国、名前を呼ばれたら死ぬ、姿も変わってる。
明らかにおかしいこの状況。
それについての見解を、参考程度に聞いておこうと。
【フェルナ】
「私がお姉さんか…こんな姉を頼りにすると、一瞬で消えるぞ？2人ともな。」
ふっ…と、軽く息を吐く。
気付かれても気付かれなくてもいいが、今の少女はごく自然な笑みを浮かべている。口では語らなくとも、素に戻っている表情。
この女の子には解らないだろうが、アイツならこの笑みを見た途端に安心感を覚えるのだろう。笑顔が好きだからな、アイツ。
「……どう思う、と言われてもな。
明らかにイレギュラー極まりない。今のままでは解っている事も少ない上に、誰にも身の内を明かされてはいけないんだ。
…狂ってやがるよ。」
おっと、あまり言いたくなかった本音が出てしまった。
いや、狂っているのは少女の方かもしれない。若しかすると、少女は誰かの命を狙っている？若しかすると、少女はこのゲームを楽しもうとしている？
いやはや、狂っていても…それが本人にとって善か悪かは解らないものだ。
【エム】
「えへへ、でもエムはお姉さんのこと、頼りにしますよ？ 優しそうなお姉さんですから！！」
にこりと微笑み、そう答えれば湯船の縁に腰掛け、足をバタバタと。
さっきあったお兄さんが、大きすぎて少し安心できなかった、というのも理由の一つにはあるが、こうして最初に優しくしてもらえたのなら、つい信じたくなってしまうもので。
「……くるってる……ですか。やっぱり大変なんですね〜」
足を動かし続けたまま、のんびりと。
やっぱり今回のこれは、なにかある、と考える方が妥当なのかと、そんな思考は頭の片隅にでも置いておこう。
【フェルナ】
「……くははっ、私が優しいだって？
凄いことを言ってくれるじゃないか君は。」
本気で可笑しかったのだろう。その少女からは想像出来ないような高笑いをしてみせて、此方からも少し体を近づける。
「こんなクソみたいな世界に君みたいな前向き野郎がいるなら安心だよ。
ああ、そう…大丈夫だ。君も自分に嘘をついているんだろう？私だって、好きでこんな口調を使っている訳じゃない。自分を守る為に、自分に嘘をつくのさ。」
名乗っている名だって、口調だって、性格だって……全て嘘。嘘をつかないとやっていけないゲームだ。
嘘も方便とはよく言うが、こんな嘘で生きないといけない世界なんて、間違っている。そう考えるのは少女だけなのだろうか。少女だけと言えるほど、現実も同じくらい…狂っているのだろうか。
「大変だろうが、私は此処から生きて出てやる。それこそ、君のような馬鹿な子供も救われるような、そんなエンディングを見つけるとするよ。
…ふ、そして君に、私はどんな嘘をついたのだろうね？もう、どれが本当の私かなんて解らないさ。」
そう言うと、女の子を見下ろして微笑む。
泣きそうで、消えてしまいそうな…そんな笑みだ。
【エム】
「むぅ、野郎じゃないもんエムだもん」
すこしその呼び方が気に食わなかったのか、頬を膨らませて怒りの表情。
しかし、そのあとの言葉を聞けば、こちらも立ちあがり、背伸びをして。
「そんな悲しそうな顔しちゃ、可愛いお顔に似合わないよ？ お姉さん。
悲しい時はね？ 少し無理してでも笑うと、元気になれるって、聞いたことあるんだ！」
くしゃりと笑いながら、その頭を撫でた。
背的にも、場的にも、少々不相応な行動だが、こうしてあげたくなるのは、きっとお姉さんが悲しそうな顔をしたからだろう。
こうして、少しでも楽になればいいなって。
【エム】
「ふわぁ〜……気持ちいいのですよ〜」
トロンパお兄さんと連絡先を交換しつつ別れて、ホテルにチェックインして、雪国でも動けるような厚着を用意して。
ひとまず、ある程度の準備を済ませて訪れたのは、また温泉。
…………感覚無くなりかけてた時に入った温泉が忘れられなかったんです、はい。
全身の力を抜いて、プカプカとお風呂の中で浮かんで。
エム1人しかいないからできる芸当なのです。
誰も来なければいいなー、なんて。
【フェルナ】
人というものは、火と水に大きく助けられて生きている。それは人が生まれて、火や水を覚えた時からずっと…人はその2つは必ず味方にして生きてきた。
まあ、何が言いたいかと言うと
「……なんだ、先客がいやがったのか。」
ガス火という温度を手に入れて温められた水、つまり温泉には人を魅了する効果が存在する訳だ。
包帯少女も、その誘惑には逆らえなかったらしい。包帯も取って、完全な生足で温泉へと足を踏み入れる。
そこで見つけたのは、自分よりも小さいであろう女の子。誰も居ないと思っていたが、人生案外厳しいものだ。
前をタオルで隠しながら、一応顔は確認しようと近寄る。
【エム】
「…………？」
プカプカと浮かんでいれば、上から顔を覗きこまれて、目線を返した。
来ないで欲しいな、なんて思っていたからでしょうか？ フラグ回収ってやつですかね？
「おねえさんも、温泉に入りにきたの？ 仲間だね〜！」
えへへ、なんて笑いながら新たな来客に笑顔で応対。
1人でぷかぷか浮いてても、やることは限られてしまうから、人が増えてくれたのは実は嬉しかったり。
【フェルナ】
「仲間…かどうかは知らんが、こんな所で会ってしまうのは奇遇だな。」
何処かで見た事あるような雰囲気が感じられるが、気の所為だろう。少女はこんな、いい歳してロリを演じるような者を知らない。本当にこれを喋ってる輩がクラスにいたのか疑うレベルだ。
「まあ、失礼するよ。」
前に押さえていた布を縁に置いて、女の子から少し離れたところで腰を下ろす。先ずは膝まで湯に浸かって、温度に慣れるというわけだ。
【エム】
「仲間だよ〜、エムもさっききたんだもん」
さすがに他の人も来たし、浮くのは辞めてお姉さんの近くの縁に寄りかかって、そう言って。
こんな状況なのだし、あった人達と仲良くしておいたらいいな、と思っているのです。
…………どうせ、気づく奴がいるわけないしね。
「……お姉さんお名前は？ エムはエムって言うんだ〜」
とにかく、自己紹介は大切だとは前々から言われ続けてきたこと。
相手の名前を聞こうと、こちらの名を名乗って。
【フェルナ】
「…はは、それは何とも無警戒な事だ。
だが…悪くは無いな。」
無警戒が過ぎると考えるのが普通だが、この特殊過ぎる環境においてはそれにも大体理由というものが存在する。
つまりは、自分が絶対にバレないという自信を持っていると考えている可能性だ。
…大したやつだが、その自信が仇となる事を伝えておきたいな。
「自分でエムと名乗ってた時点で知ってるよ。これで違う名前が来たらイカれたやつ認定する所だった。
…とまあさておき、私の名前はフェルナだ。お互い拐われたような身、良好な関係を築けるよう願うとしよう。」
二人の女の子が温泉で肩を並べて満喫しているにも関わらず、敵か味方か判断できないというのは本当に酷な話だ。願うだけというゲーム…いや、後々は動かないといけないのだが。
だが、イレギュラーな自体にこの温泉は中々染みるものがある。思わず力を抜いてしまうのだから、本格的に始まればここにはもう来れないかもしれない。じっくりと味わってやるとしようか。
【エム】
「えへへ〜よろしくね〜フェルナお姉さん」
名乗ってくれてほっと一安心。
これで相手が名乗ってくれなければ、こちらのことだけ知られて終わりだったから、すこし好感度もアップ、第一印象はいい感じです。
「ところでお姉さん？ この状況、どう思いますか？」
そうして問いかけたのは、この状況について。
気がついたら雪国、名前を呼ばれたら死ぬ、姿も変わってる。
明らかにおかしいこの状況。
それについての見解を、参考程度に聞いておこうと。
【フェルナ】
「私がお姉さんか…こんな姉を頼りにすると、一瞬で消えるぞ？2人ともな。」
ふっ…と、軽く息を吐く。
気付かれても気付かれなくてもいいが、今の少女はごく自然な笑みを浮かべている。口では語らなくとも、素に戻っている表情。
この女の子には解らないだろうが、アイツならこの笑みを見た途端に安心感を覚えるのだろう。笑顔が好きだからな、アイツ。
「……どう思う、と言われてもな。
明らかにイレギュラー極まりない。今のままでは解っている事も少ない上に、誰にも身の内を明かされてはいけないんだ。
…狂ってやがるよ。」
おっと、あまり言いたくなかった本音が出てしまった。
いや、狂っているのは少女の方かもしれない。若しかすると、少女は誰かの命を狙っている？若しかすると、少女はこのゲームを楽しもうとしている？
いやはや、狂っていても…それが本人にとって善か悪かは解らないものだ。
【エム】
「えへへ、でもエムはお姉さんのこと、頼りにしますよ？ 優しそうなお姉さんですから！！」
にこりと微笑み、そう答えれば湯船の縁に腰掛け、足をバタバタと。
さっきあったお兄さんが、大きすぎて少し安心できなかった、というのも理由の一つにはあるが、こうして最初に優しくしてもらえたのなら、つい信じたくなってしまうもので。
「……くるってる……ですか。やっぱり大変なんですね〜」
足を動かし続けたまま、のんびりと。
やっぱり今回のこれは、なにかある、と考える方が妥当なのかと、そんな思考は頭の片隅にでも置いておこう。
【フェルナ】
「……くははっ、私が優しいだって？
凄いことを言ってくれるじゃないか君は。」
本気で可笑しかったのだろう。その少女からは想像出来ないような高笑いをしてみせて、此方からも少し体を近づける。
「こんなクソみたいな世界に君みたいな前向き野郎がいるなら安心だよ。
ああ、そう…大丈夫だ。君も自分に嘘をついているんだろう？私だって、好きでこんな口調を使っている訳じゃない。自分を守る為に、自分に嘘をつくのさ。」
名乗っている名だって、口調だって、性格だって……全て嘘。嘘をつかないとやっていけないゲームだ。
嘘も方便とはよく言うが、こんな嘘で生きないといけない世界なんて、間違っている。そう考えるのは少女だけなのだろうか。少女だけと言えるほど、現実も同じくらい…狂っているのだろうか。
「大変だろうが、私は此処から生きて出てやる。それこそ、君のような馬鹿な子供も救われるような、そんなエンディングを見つけるとするよ。
…ふ、そして君に、私はどんな嘘をついたのだろうね？もう、どれが本当の私かなんて解らないさ。」
そう言うと、女の子を見下ろして微笑む。
泣きそうで、消えてしまいそうな…そんな笑みだ。
【エム】
「むぅ、野郎じゃないもんエムだもん」
すこしその呼び方が気に食わなかったのか、頬を膨らませて怒りの表情。
しかし、そのあとの言葉を聞けば、こちらも立ちあがり、背伸びをして。
「そんな悲しそうな顔しちゃ、可愛いお顔に似合わないよ？ お姉さん。
悲しい時はね？ 少し無理してでも笑うと、元気になれるって、聞いたことあるんだ！」
くしゃりと笑いながら、その頭を撫でた。
背的にも、場的にも、少々不相応な行動だが、こうしてあげたくなるのは、きっとお姉さんが悲しそうな顔をしたからだろう。
こうして、少しでも楽になればいいなって。
道化師の受難・変態な機関車編 3rd-24th
五番目の道化師(3rd)-痴漢者トーマス(24th)
【五番目の道化師】
さっきはひどい目にあった。
化け物は出るし、冷水はかけられるし…ゆっくり風呂は入れないし、散々な目にあった。
ピエロの衣装を身に纏い、化粧をし直す。
今の化粧品の量では濃いメイクはできないから、ピエロメイクはぎりぎりである。
(くぅ…っ、サラシさえ忘れなければ…っ)
店内を見回り、サラシになりそうな包帯を見繕う。
【痴漢者トーマス】
さて、この店には何があるかねー？斧の予備とかあれば部屋に持って帰りたいけれどねー。
(包帯を探し終わったピエロが居る店内に入っていく。探し終えたとは言え、つけ終わるのは厳しいような、そんな時間。)
…ピエロ？うーわ、何の店なんだろうねここ…。
(もう気付いたらしい。)
【五番目の道化師】
「…これなら、代わりに…なりませぇん。」
しょんぼりとしながら包帯を手にするが、それでは短すぎてサラシにはならない。
「おやぁ？ワタクシィ、店の人間ではありませぇんよぉ？」
大袈裟にハズレアピールするピエロ。
とりあえず、サラシが巻けていないので衣装がキツい。
【痴漢者トーマス】
あっ、違うのね？はいはーい。
…しかし、ピエロさん？もしかすると…もしかするとだけどね？スタイル良いね？とりあえずさ、さわっていいね？
(掌を見せてわきわきさせながら、ピエロとの距離を詰めていく。その姿はまさしく変態)
【五番目の道化師】
「え、えぇっ！？嫌でぇす！！」
胸を両手で抑え、５歩くらい距離を取る。
クラスメイトにこんな変態いたの！？やだ、近づかないで！！
もう、化け物といい変態といい此処はいったいどうなってるの！！と叫び、泣きたくなってくる。
【痴漢者トーマス】
嫌？そんなこと言わずにさー、ほら、桃源郷を求めて二人で旅に出掛けようね？
しかし、胸を抑える辺りピエロちゃんは完全に女の子って感じだねー。かわいいねー。
(逃げ道を封鎖するようにじりじりと距離を詰める。出口はこちら側ならそう簡単には逃げられない。)
あ、使ってる偽名を教えてほしいんだけどね？
私は痴漢者トーマスって言うんだけどねー。
【五番目の道化師】
「ひ…っ！？」
ジリジリ近づかれるごとに、同じ距離離れていくが…壁にぶつかってしまう。逃げ場がない。
しかも、この変態、名前からしてアウトゾーンな名前をしているっ！！もうやだ、このクラス！！なんなの！！助けてよ！
「───あなぁたみたいな変態にぃ、名乗る名はありませぇん☆」
余裕ぶって、そう言うが…その体は恐怖に震えていた。
【痴漢者トーマス】
コケケケ…可愛い悲鳴を上げてるねぇ！
強がってもバレバレだしね？ふふふふ…。
(ピエロまで後、五歩。この辺りで前進を辞める。下手したら一瞬で逃がしちゃうしね。まだ、会話することはあるし。)
えーっと、まあ、ビビりながらでも良いけどさ、ちょっと聞きたいことあるんだよねー。ここに来るまでに危害を…あ、危害ってのは私がやってるようなのじゃなくてね、物理的な、こう、刃物でぶん殴ってくるようなヤツとかね。居たかな？って聞きたかったのよね。他にも、危険そうな動物とか見掛けたら教えてほしいしねー。
(嫁(断定)のために最低限の情報収集はしたいのだ。不審者情報とか、野性動物情報とか。)
【五番目の道化師】
「え、えぇ…っと、人間じゃない影はぁ、温泉でぇみたでぇす。ここの原住民のようなぁ人たちはぁ、決まったセリフしか言わないよぉなのでぇ…クラスメートだとは思いまぁす」
あとは…とくになかったと思われる。
あえて言うなら真っ赤な目が痛くなりそうな服装をした男性と、なんか即席の刀で武装した女性がいたが…まぁ、話が通じるなら問題ないかな。
「二メートルくらいのぉ、はっきりとはぁ見てませんがぁ人ならざる姿をしてまぁした。」
【痴漢者トーマス】
ああ、なるほどね。薄々そんな気はしてたけど…。この人はロボットみたいなものなのね？ふんふん。
だから、きちんと喋れるのは私たちと同じようなのだけだと。…でも、人以外になるって怖いねー…。
いやー、私達は人間で良かったよね…。
(こっそりと、一歩だけ距離を詰めながら。)
でも、人ならざる者ってだけじゃよくわからないね…。ここにそういうのが沢山居たら困るしね？えーと、その何色だったかわかるね？それと、身長は2mだったみたいだけど、体格とかわかるね？横幅とか、筋肉とかねー…。
【五番目の道化師】
「………んー、色はぁ、黄色っぽくぅ…着ぐるみ感がありまぁした」
悩む際、変態から目線を反らしてしまい、僅かだが近づかれたことに気づかなかった道化師。
「どこかでぇ、みたことのあるぅゆるキャラぁ？」
【痴漢者トーマス】
色は黄色の…ゆるキャラ？プー○さん？
いや、アレはゆるキャラじゃないね…。とりあえず、共通チャットに注意でも流しといた方が良いんじゃない？
(コロパッドを取り出しながら、半歩。近付いた。)
【五番目の道化師】
「どこでぇ、だれがぁ、というのはぁ乗せないでほしぃでぇす」
本当にクラスメイトだったら確実に共通チャットを見ている。さすがに誰が見たかわかってしまえば…まずい。
「と、いうかぁ…なんか近くなっていませぇんか？」
気のせいかな…？
【痴漢者トーマス】
ん？ああ、そういうことね。良いよ良いよ、わかったね。とりあえず、被害者多発！黄色い二メートルの化け物…みたいな感じで書くことにするね！
(ちょっと操作をすると、すぐにコロパッドをしまう。)
それで…近くなってないかって？それは、どうだろうねっ！！
(また一歩、近付いた。相手との距離はこれで二歩半。これでピエロちゃんがビビるか、逃げることを期待したのだ。逃げてもなんだかんだ捕まえられない訳ではない距離だし、ビビったらそのまま壁ドンじゃあ！みたいな。)
【五番目の道化師】
(絶対、気のせいなんかじゃないっ！！てか、今、近づいたじゃないですか！！)
逃げたほうがいい！逃げたほうがいい！
右？左？それとも前！？
「こっちに来ないでくださぁい！！」
慌てて逃げようとする道化師は───
((51以上で転けます。(って。いったらどうなるんでしょう)
((わーい、トーマスダイス振るのだーいすきー
[ コロコロ・・・ 1d100 = 86 ]
((65以上で何かが起きるー
[ コロコロ・・・ 1d100 = 86 ]
【痴漢者トーマス】
狙い通りだね！つーかまーえ…？
あれ？消えたね？
姿を見せね…あ、こけたのね！！
(逃げようとしたピエロちゃんに手を伸ばそうと…したら、彼女が急に消えた。
おかしいな？と思って周りを見回したら下に居たので、こけたんだと気付く。この時点で、もう大分もたついた。)
…踏みつ…は痛いからね。
そりゃあ！待つのね！
(彼女の足を踏みつけようとしたが、それは痛いかと躊躇。自分もしゃがんでピエロちゃんの足を掴みにいく。…この時点で、逃げる時間は充分出来てしまっているだろう。)
【五番目の道化師】
「きゃうッ！？」
ズボンが自分のサイズに合っていないダボダボなものをチョイスしたせいで裾を踏んで膨大に転んだ。しかも、鼻を強打してしまうおまけつき。一応、鼻血は出ていない。
あと、足は捕まれる前に引っ込めました。
【痴漢者トーマス】
あっ、こら逃げるなね！揉ませるのネ！
(エセ中国人みたいな口調になりながら、しゃがみ歩きで追いかけ、ピエロちゃんの身体を抑え込みにかかる。)
【五番目の道化師】
「い、いやですっ！！」
急いで立ち上がろうとして、再び転倒──するわけもなく、そのアンバランスな姿勢で蹴り飛ばそうとする。しかし、それは間違いなく素人の蹴りであり…
【痴漢者トーマス】
嫌だなんて私は言わせゴッホォ！うぇー…いてネー…。
(その蹴りは予想外だったらしく、肩にドカッと蹴りを食らい、尻餅をついた。今度は、すぐに立ち上がろうとする。立ち上がった方が捕まえるのは簡単だ、と考えたようだ。)
【五番目の道化師】
不安定な体制で蹴りをしたせいで、おそらく相手のほうが先に立ち上がってしまうだろう。ていうか、道化師は立ち上がるどころかまた倒れた。
「こ、こないでくださぁいッッ！！」
道化師はどうにか距離をとろうとするが…商品棚のせいでまた追いつめらるという失態を
【痴漢者トーマス】
ウケケ…。逃げるときは周りの確認をしながらが良いと思うね！焦りすぎると、かえってピンチになっちゃうからね！
(なにアドバイスしとんねん。)
さぁて、どう料理してやろうか…。
…余り逃げようとしないでね？別に斬って食おうって訳じゃないからねー。
(背中に担いだ斧が一瞬、鈍く光った気がした。気がしただけである。
ピエロちゃんの冷静さを奪うつもりで言葉を選んでいるようだ。手をわきわきさせ、ゆっくり近付いていく。)
【五番目の道化師】
「───ひぃッ！！絶対殺す気じゃないですか！」
そうじゃなきゃ、なんで斧が光るんですか！！
てか、何をするつもりですかその手は！！
逃げられない？逃げられる？
「近づかないでください！！このッ、変態！！」
そういって投げるのは、なぜか商品棚から落ちていた文鎮だった。
【痴漢者トーマス】
いや、そんなことないよ？揉みたいだけだからねー。というか、流石に野蛮な人間として晒されるのはまずいしね。
(まずくなければ斧使ってましたみたいな言い方辞めろよ。)
分かっていれば当たらない！
(左に身体を逸らして、文鎮を避ける。そして、次のアクションを起こす前に、一気に距離を詰める！)
【五番目の道化師】
再び何かを投げようとして商品棚から投擲物を取り出そうとしたところで、距離が詰められて、接近されてしまう。
「…や、やめて…っ」
必死に自分の身を守るかのように、商品棚のある後方へと下がろうとするが…、もちろんこれ以上後ろへはいけない。
【痴漢者トーマス】
へっへへ…。奥さん良い身体してますねぇ、ほら、例えばここね、ここ。たわわに実ったぽよんぽよん…。
(親父くさい言い回しをしながらおっp(自重)
を触りにいく。少年誌レベルで済むように…頑張ろうね！)
【五番目の道化師】
「ひぅ…っ！！や、やめて…さわらないで…」
胸を触られた…？
いくら同性でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。ピエロメイクをしてなかったら恥ずかしさで顔が赤くなってしまっているのがばれてしまっていただろう。
「おねがい、やめて…っ！！」
道化師は恥ずかしさから変態を突き飛ばそうと──
【痴漢者トーマス】
おお、これはマシュマロみたいなぽいんぽいん！極上だね！いやぁ、これを使えば一千万なんてすぐだね？えっちっちな身体しおってからに…ほれほれ？ここのぷっ(ry
(ここから先は自重により削除されました。)
おっふぁ！…うーん…。
(そして、吹っ飛ばされる。予想はしてたけど、夢中になってたから…ﾑﾎｳﾋﾞだったんだね！そして、自分も別の商品棚に吹っ飛ばされた。意識はあるみたいだが、ふらふらしてふ)
【五番目の道化師】
「あ…っ！！ごめんなさい！！」
こんなヤツに謝らなくていいよ。ねぇ、なんで慌てて介抱しようとするの？ねぇ、道化師ってば。なんでこんなセクハラ女を放置しないの？
「だ、大丈夫ですか…？」
ねー、逃げようよ。こういうときこそ、言う通りに行動してよ！！(いつも通り、制御下から外れるキャラ)
【痴漢者トーマス】
んにゃー…ここが桃源郷…沢山のマシュマロ…。
(ふらふらしながら立ち上がる。)
いってて…。マシュマロ…マシュマロ…。
()マシュマロしか言わないなお前な。はやくにげて(切実))
【五番目の道化師】
立ち上がった変態の様子を見て、大丈夫そう…？と、思って、また襲われる前に立ち去ろうと決める道化師は適当にいくつかのいくつかの道具を持って、その場を立ち去った。
【五番目の道化師】
さっきはひどい目にあった。
化け物は出るし、冷水はかけられるし…ゆっくり風呂は入れないし、散々な目にあった。
ピエロの衣装を身に纏い、化粧をし直す。
今の化粧品の量では濃いメイクはできないから、ピエロメイクはぎりぎりである。
(くぅ…っ、サラシさえ忘れなければ…っ)
店内を見回り、サラシになりそうな包帯を見繕う。
【痴漢者トーマス】
さて、この店には何があるかねー？斧の予備とかあれば部屋に持って帰りたいけれどねー。
(包帯を探し終わったピエロが居る店内に入っていく。探し終えたとは言え、つけ終わるのは厳しいような、そんな時間。)
…ピエロ？うーわ、何の店なんだろうねここ…。
(もう気付いたらしい。)
【五番目の道化師】
「…これなら、代わりに…なりませぇん。」
しょんぼりとしながら包帯を手にするが、それでは短すぎてサラシにはならない。
「おやぁ？ワタクシィ、店の人間ではありませぇんよぉ？」
大袈裟にハズレアピールするピエロ。
とりあえず、サラシが巻けていないので衣装がキツい。
【痴漢者トーマス】
あっ、違うのね？はいはーい。
…しかし、ピエロさん？もしかすると…もしかするとだけどね？スタイル良いね？とりあえずさ、さわっていいね？
(掌を見せてわきわきさせながら、ピエロとの距離を詰めていく。その姿はまさしく変態)
【五番目の道化師】
「え、えぇっ！？嫌でぇす！！」
胸を両手で抑え、５歩くらい距離を取る。
クラスメイトにこんな変態いたの！？やだ、近づかないで！！
もう、化け物といい変態といい此処はいったいどうなってるの！！と叫び、泣きたくなってくる。
【痴漢者トーマス】
嫌？そんなこと言わずにさー、ほら、桃源郷を求めて二人で旅に出掛けようね？
しかし、胸を抑える辺りピエロちゃんは完全に女の子って感じだねー。かわいいねー。
(逃げ道を封鎖するようにじりじりと距離を詰める。出口はこちら側ならそう簡単には逃げられない。)
あ、使ってる偽名を教えてほしいんだけどね？
私は痴漢者トーマスって言うんだけどねー。
【五番目の道化師】
「ひ…っ！？」
ジリジリ近づかれるごとに、同じ距離離れていくが…壁にぶつかってしまう。逃げ場がない。
しかも、この変態、名前からしてアウトゾーンな名前をしているっ！！もうやだ、このクラス！！なんなの！！助けてよ！
「───あなぁたみたいな変態にぃ、名乗る名はありませぇん☆」
余裕ぶって、そう言うが…その体は恐怖に震えていた。
【痴漢者トーマス】
コケケケ…可愛い悲鳴を上げてるねぇ！
強がってもバレバレだしね？ふふふふ…。
(ピエロまで後、五歩。この辺りで前進を辞める。下手したら一瞬で逃がしちゃうしね。まだ、会話することはあるし。)
えーっと、まあ、ビビりながらでも良いけどさ、ちょっと聞きたいことあるんだよねー。ここに来るまでに危害を…あ、危害ってのは私がやってるようなのじゃなくてね、物理的な、こう、刃物でぶん殴ってくるようなヤツとかね。居たかな？って聞きたかったのよね。他にも、危険そうな動物とか見掛けたら教えてほしいしねー。
(嫁(断定)のために最低限の情報収集はしたいのだ。不審者情報とか、野性動物情報とか。)
【五番目の道化師】
「え、えぇ…っと、人間じゃない影はぁ、温泉でぇみたでぇす。ここの原住民のようなぁ人たちはぁ、決まったセリフしか言わないよぉなのでぇ…クラスメートだとは思いまぁす」
あとは…とくになかったと思われる。
あえて言うなら真っ赤な目が痛くなりそうな服装をした男性と、なんか即席の刀で武装した女性がいたが…まぁ、話が通じるなら問題ないかな。
「二メートルくらいのぉ、はっきりとはぁ見てませんがぁ人ならざる姿をしてまぁした。」
【痴漢者トーマス】
ああ、なるほどね。薄々そんな気はしてたけど…。この人はロボットみたいなものなのね？ふんふん。
だから、きちんと喋れるのは私たちと同じようなのだけだと。…でも、人以外になるって怖いねー…。
いやー、私達は人間で良かったよね…。
(こっそりと、一歩だけ距離を詰めながら。)
でも、人ならざる者ってだけじゃよくわからないね…。ここにそういうのが沢山居たら困るしね？えーと、その何色だったかわかるね？それと、身長は2mだったみたいだけど、体格とかわかるね？横幅とか、筋肉とかねー…。
【五番目の道化師】
「………んー、色はぁ、黄色っぽくぅ…着ぐるみ感がありまぁした」
悩む際、変態から目線を反らしてしまい、僅かだが近づかれたことに気づかなかった道化師。
「どこかでぇ、みたことのあるぅゆるキャラぁ？」
【痴漢者トーマス】
色は黄色の…ゆるキャラ？プー○さん？
いや、アレはゆるキャラじゃないね…。とりあえず、共通チャットに注意でも流しといた方が良いんじゃない？
(コロパッドを取り出しながら、半歩。近付いた。)
【五番目の道化師】
「どこでぇ、だれがぁ、というのはぁ乗せないでほしぃでぇす」
本当にクラスメイトだったら確実に共通チャットを見ている。さすがに誰が見たかわかってしまえば…まずい。
「と、いうかぁ…なんか近くなっていませぇんか？」
気のせいかな…？
【痴漢者トーマス】
ん？ああ、そういうことね。良いよ良いよ、わかったね。とりあえず、被害者多発！黄色い二メートルの化け物…みたいな感じで書くことにするね！
(ちょっと操作をすると、すぐにコロパッドをしまう。)
それで…近くなってないかって？それは、どうだろうねっ！！
(また一歩、近付いた。相手との距離はこれで二歩半。これでピエロちゃんがビビるか、逃げることを期待したのだ。逃げてもなんだかんだ捕まえられない訳ではない距離だし、ビビったらそのまま壁ドンじゃあ！みたいな。)
【五番目の道化師】
(絶対、気のせいなんかじゃないっ！！てか、今、近づいたじゃないですか！！)
逃げたほうがいい！逃げたほうがいい！
右？左？それとも前！？
「こっちに来ないでくださぁい！！」
慌てて逃げようとする道化師は───
((51以上で転けます。(って。いったらどうなるんでしょう)
((わーい、トーマスダイス振るのだーいすきー
[ コロコロ・・・ 1d100 = 86 ]
((65以上で何かが起きるー
[ コロコロ・・・ 1d100 = 86 ]
【痴漢者トーマス】
狙い通りだね！つーかまーえ…？
あれ？消えたね？
姿を見せね…あ、こけたのね！！
(逃げようとしたピエロちゃんに手を伸ばそうと…したら、彼女が急に消えた。
おかしいな？と思って周りを見回したら下に居たので、こけたんだと気付く。この時点で、もう大分もたついた。)
…踏みつ…は痛いからね。
そりゃあ！待つのね！
(彼女の足を踏みつけようとしたが、それは痛いかと躊躇。自分もしゃがんでピエロちゃんの足を掴みにいく。…この時点で、逃げる時間は充分出来てしまっているだろう。)
【五番目の道化師】
「きゃうッ！？」
ズボンが自分のサイズに合っていないダボダボなものをチョイスしたせいで裾を踏んで膨大に転んだ。しかも、鼻を強打してしまうおまけつき。一応、鼻血は出ていない。
あと、足は捕まれる前に引っ込めました。
【痴漢者トーマス】
あっ、こら逃げるなね！揉ませるのネ！
(エセ中国人みたいな口調になりながら、しゃがみ歩きで追いかけ、ピエロちゃんの身体を抑え込みにかかる。)
【五番目の道化師】
「い、いやですっ！！」
急いで立ち上がろうとして、再び転倒──するわけもなく、そのアンバランスな姿勢で蹴り飛ばそうとする。しかし、それは間違いなく素人の蹴りであり…
【痴漢者トーマス】
嫌だなんて私は言わせゴッホォ！うぇー…いてネー…。
(その蹴りは予想外だったらしく、肩にドカッと蹴りを食らい、尻餅をついた。今度は、すぐに立ち上がろうとする。立ち上がった方が捕まえるのは簡単だ、と考えたようだ。)
【五番目の道化師】
不安定な体制で蹴りをしたせいで、おそらく相手のほうが先に立ち上がってしまうだろう。ていうか、道化師は立ち上がるどころかまた倒れた。
「こ、こないでくださぁいッッ！！」
道化師はどうにか距離をとろうとするが…商品棚のせいでまた追いつめらるという失態を
【痴漢者トーマス】
ウケケ…。逃げるときは周りの確認をしながらが良いと思うね！焦りすぎると、かえってピンチになっちゃうからね！
(なにアドバイスしとんねん。)
さぁて、どう料理してやろうか…。
…余り逃げようとしないでね？別に斬って食おうって訳じゃないからねー。
(背中に担いだ斧が一瞬、鈍く光った気がした。気がしただけである。
ピエロちゃんの冷静さを奪うつもりで言葉を選んでいるようだ。手をわきわきさせ、ゆっくり近付いていく。)
【五番目の道化師】
「───ひぃッ！！絶対殺す気じゃないですか！」
そうじゃなきゃ、なんで斧が光るんですか！！
てか、何をするつもりですかその手は！！
逃げられない？逃げられる？
「近づかないでください！！このッ、変態！！」
そういって投げるのは、なぜか商品棚から落ちていた文鎮だった。
【痴漢者トーマス】
いや、そんなことないよ？揉みたいだけだからねー。というか、流石に野蛮な人間として晒されるのはまずいしね。
(まずくなければ斧使ってましたみたいな言い方辞めろよ。)
分かっていれば当たらない！
(左に身体を逸らして、文鎮を避ける。そして、次のアクションを起こす前に、一気に距離を詰める！)
【五番目の道化師】
再び何かを投げようとして商品棚から投擲物を取り出そうとしたところで、距離が詰められて、接近されてしまう。
「…や、やめて…っ」
必死に自分の身を守るかのように、商品棚のある後方へと下がろうとするが…、もちろんこれ以上後ろへはいけない。
【痴漢者トーマス】
へっへへ…。奥さん良い身体してますねぇ、ほら、例えばここね、ここ。たわわに実ったぽよんぽよん…。
(親父くさい言い回しをしながらおっp(自重)
を触りにいく。少年誌レベルで済むように…頑張ろうね！)
【五番目の道化師】
「ひぅ…っ！！や、やめて…さわらないで…」
胸を触られた…？
いくら同性でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。ピエロメイクをしてなかったら恥ずかしさで顔が赤くなってしまっているのがばれてしまっていただろう。
「おねがい、やめて…っ！！」
道化師は恥ずかしさから変態を突き飛ばそうと──
【痴漢者トーマス】
おお、これはマシュマロみたいなぽいんぽいん！極上だね！いやぁ、これを使えば一千万なんてすぐだね？えっちっちな身体しおってからに…ほれほれ？ここのぷっ(ry
(ここから先は自重により削除されました。)
おっふぁ！…うーん…。
(そして、吹っ飛ばされる。予想はしてたけど、夢中になってたから…ﾑﾎｳﾋﾞだったんだね！そして、自分も別の商品棚に吹っ飛ばされた。意識はあるみたいだが、ふらふらしてふ)
【五番目の道化師】
「あ…っ！！ごめんなさい！！」
こんなヤツに謝らなくていいよ。ねぇ、なんで慌てて介抱しようとするの？ねぇ、道化師ってば。なんでこんなセクハラ女を放置しないの？
「だ、大丈夫ですか…？」
ねー、逃げようよ。こういうときこそ、言う通りに行動してよ！！(いつも通り、制御下から外れるキャラ)
【痴漢者トーマス】
んにゃー…ここが桃源郷…沢山のマシュマロ…。
(ふらふらしながら立ち上がる。)
いってて…。マシュマロ…マシュマロ…。
()マシュマロしか言わないなお前な。はやくにげて(切実))
【五番目の道化師】
立ち上がった変態の様子を見て、大丈夫そう…？と、思って、また襲われる前に立ち去ろうと決める道化師は適当にいくつかのいくつかの道具を持って、その場を立ち去った。
良い子も悪い子も真似をしろ 12th-22nd
トロンパ(12th)-フェルナ(22nd)
【トロンパ】
西エリア 廃工場
「なんか無いかなーと思ってきたけどさぁ…ここまで物騒か？普通…。」
工場内で思わず溜息をつく。
(刃物や劇薬のオンパレード…もう"何するか"なんて…)
頭を振って、その思考を追い出す。
「…こういう考えはよくないな。根っこの方までダメになる」
他に何かないかと再び辺りを調べる。
…平和的な物が見つかることを、密かに期待しつつ。
【フェルナ】
そこに居たのは、平和的なロリでした。
「根っこの方まで駄目になっちまったやつの近くでそんな事を言うな、泣きたくなるだろうが。」
…まあ、そんな事は一切ない訳で。
躊躇わずにカチャカチャと、棚から何かを探している少女がいる。そっちに振り向いた訳では無いが、声が聞こえたのでそれに反応したというだけだ。
「はぁ……芳しいものは見つからないな。」
諦めたように棚の引き出しを閉め、其方に顔を向ける。
やはり、一瞬だけホラーに見えることだろう。包帯少女という見た目のアドバンテージは意外と大きい。
【トロンパ】
「……おぉ、他にもいたのか…」
ややインパクトのある見た目だが、200cmのスキップとかピエロとか見てたから若干インパクトが薄れていた。
あとロリはもう割と見た
「…芳しいもの、ねぇ…自衛だったら適当な長物でいいんじゃねぇか？下手にナイフとか持ってるよりは自衛の役には立つと思うけど…」
そう言って辺りを見渡す。背が高いとこういう時に便利だ
【フェルナ】
「そうだな、ナイフくらいならまあ…此処にある。」
そう言ってポケットから取り出したのはフルーツナイフ。ホテルの個室を漁った時に拝借させてもらった。なんでこんなものがホテルにあるのか、少女にはよく分からない。
「ただ、ナイフはどうも苦手でね…どちらかと言うと、薬を武器にしたいんだよ。」
だからこそ工場に来た…というのが第一理由だ。二番目は場所の把握、三番目は…気分だ。
【トロンパ】
「物騒な物を…とか言ってる場合でも無いか。薬…薬ねぇ…」
キョロキョロと辺りを見回し
「そっちの棚に、いくつかあったと思うぞ？」
自衛のための武器が欲しい、という気持ちはふつうに分かる。ひょっとしたらこの後エイリアン襲来とかあるかもしれないし、自衛手段を持つのは悪い事では無いだろうと判断する。
【フェルナ】
「ふむ…探ってみるとしよう。」
指示された方向の棚を開き、中身を探る。何かしら、良いものが見つかればいいのだが。
「…それにしても、君は背が高いな。場所によっては入るのに苦労しそうだ。」
背が高いというのは便利なもので、探索物を見つけるのにも、視界が広がることで状況を素早く判断できる上でも強い。
…当然、弱点も存在するが。
【トロンパ】
「まあなー、たまに頭ぶつけそうになる。ただ、ここの建物は割と余裕もって作られてるからそこまで不便でも無いが」
適当に答えながら箱の中のビンを調べていく
濃硫酸
アホか
「そっちはなんかその体で困った事とかあんのか？」
【フェルナ】
「はっ、このままだと純粋なタイマンで負けそうだな。精々、敵として見られないように頑張れよ。」
嘲笑うように言ってのけると、此方もひとつの瓶を取り出す。
王水
何処で使ってんだよこれ。
「私か？そうだな…包帯が邪魔だよな。」
この少女、自分のアイデンティティである部分を全否定したぞ。いや、邪魔なのは事実だ。一応巻ききれなかった分は地面を引き摺っている訳だし。
【トロンパ】
「……これやったやつの趣味も大概謎だよな…」
自分の服装やピエロ、ビキニを思い出してしげしげと呟く。
「…うーん、こんなもんか。分かったのは武器庫ってくらいだな…」
そう言って元どうりに箱を戻す
「あ、そうだ。フレンド登録しとこうぜ、なんかあった時に使えたら便利だし」
【フェルナ】
「まじで、こんな身体誰が作ったんだろうな。さっさとそいつを見つけてぶん殴りたいところだよ。」
ゲームマスター、許すまじ。
幾つかの瓶を取り出し、棚を閉じる。
「…ふむ、早速フレンドを組んでくるとはな…まあ良いさ。連絡できる相手は多いに越したことは無い。」
お互いにアドレスを教え合い、登録を済ませる。
だが、意外と良い収入が手に入った少女の方は、彼を見上げると微笑む。
「そうだ…これから薬を作るんだが、君も見ていかないかい？」
【トロンパ】
「薬、ねぇ…何作るか恐ろしいけど、そう言われると気になるな。」
実際、ここまで揃っている状況で更に"作る"というのには興味がないと言えば嘘になる。
「…いいぜ、見ていってやるよ。あんまり密度低くないやつで頼むぜ？」
冗談交じりに応える
【フェルナ】
「なあに、高校で習うような簡単な化合実験だ。直ぐに終わるし、何よりお手軽なお薬だからな。」
用意するのは、植物に使われる肥料(硝酸カルシウム)と木炭、炭酸カリウム水溶液。
ほら、画面を見ている皆も聞いていけよ、絶対役に立つからさ。←
先ずは、肥料と木炭を何かしら棒で叩き、粉にする。
次に、容器に移し替えた炭酸カリウムに肥料を溶かし、現れた沈殿を濾過する。
後はそれに木炭を混ぜて、黒い濁った液体を作るだけ。
「これで水分を飛ばせば、お手軽お薬の完成って寸法だ。」
【トロンパ】
「お、おう…そうだな…」
とりあえず木炭と硝酸混ぜた辺りで離れてはいたが、無事に作れたら作れたで引く
「……ここで乾くのか？それ…」
外は銀世界。湿度的にも日光的にも乾かせるのかどうか少し気になる
【フェルナ】
「そうだな…火があれば簡単に乾くだろうが…ふむ、これはホテルにでも言ってキッチンを借りるしかないかもしれん。」
なら、ある程度大量生産した方がいいかも知れない。幸いもう2つくらいの瓶があるので、それを使って量は増やしておこう。
「君も、いざと言う時は使えるぞ。一つは持っていけ。私からのささやかなプレゼントだ。」
ただし、お薬だ。
【トロンパ】
「…まあ、一応貰っとく。」
使うことは無い…とは言い切れない。マジでエイリアン襲来あるかもしんないしね()
「…気をつけろよ？事故って死ぬ学生割といるんだから…」
【フェルナ】
「分かってるよ、これだけの量でも家吹き飛ぶんだからな。」
扱いがしっかりしていれば立派な武器だが、まあ事故るのなんの。やっぱり装置も作らないといけないだろうか。
「水分を飛ばせなくても使えはするが、火力が心許ないからな。一応これも見つけたから、上手く活用してくれ。」
完成した液体の瓶一つと、赤リンの欠片を渡しておく。赤リン、めちゃくちゃ有能だからね。
【トロンパ】
「えぇ…あ、ありがと…」
(…ジョシカラノプレゼントダヤッター)
思考を逃してなんとか平静を保つ。というかマジでなんでもあるなここ
「…ま、使わないで済むのが一番だと思うからさ。なんかあったら連絡してくれよ、ほんと」
知らないうちにホテル全壊とか嫌すぎる
【フェルナ】
「ああ、何かしらテロ起こすときは連絡入れとくよ。」
思った、この少女殺せば一番平和なのでは？
駄目です、この少女は健全なのです。
「じゃあ、また何処かで会うとしよう。私は此処で残りを作っておく。」
【トロンパ】
「おう…ま、こっちもなんかあったら連絡するわ…テロ以外でも、な。」
(なんかなぁ…普通に危ないとは思うけど…ロリよりはクラスメイトっぽいよなぁ…)
そんな事を考えつつ、とりあえず渡されたものだけ慎重に扱いつつ工場を去る
【トロンパ】
西エリア 廃工場
「なんか無いかなーと思ってきたけどさぁ…ここまで物騒か？普通…。」
工場内で思わず溜息をつく。
(刃物や劇薬のオンパレード…もう"何するか"なんて…)
頭を振って、その思考を追い出す。
「…こういう考えはよくないな。根っこの方までダメになる」
他に何かないかと再び辺りを調べる。
…平和的な物が見つかることを、密かに期待しつつ。
【フェルナ】
そこに居たのは、平和的なロリでした。
「根っこの方まで駄目になっちまったやつの近くでそんな事を言うな、泣きたくなるだろうが。」
…まあ、そんな事は一切ない訳で。
躊躇わずにカチャカチャと、棚から何かを探している少女がいる。そっちに振り向いた訳では無いが、声が聞こえたのでそれに反応したというだけだ。
「はぁ……芳しいものは見つからないな。」
諦めたように棚の引き出しを閉め、其方に顔を向ける。
やはり、一瞬だけホラーに見えることだろう。包帯少女という見た目のアドバンテージは意外と大きい。
【トロンパ】
「……おぉ、他にもいたのか…」
ややインパクトのある見た目だが、200cmのスキップとかピエロとか見てたから若干インパクトが薄れていた。
あとロリはもう割と見た
「…芳しいもの、ねぇ…自衛だったら適当な長物でいいんじゃねぇか？下手にナイフとか持ってるよりは自衛の役には立つと思うけど…」
そう言って辺りを見渡す。背が高いとこういう時に便利だ
【フェルナ】
「そうだな、ナイフくらいならまあ…此処にある。」
そう言ってポケットから取り出したのはフルーツナイフ。ホテルの個室を漁った時に拝借させてもらった。なんでこんなものがホテルにあるのか、少女にはよく分からない。
「ただ、ナイフはどうも苦手でね…どちらかと言うと、薬を武器にしたいんだよ。」
だからこそ工場に来た…というのが第一理由だ。二番目は場所の把握、三番目は…気分だ。
【トロンパ】
「物騒な物を…とか言ってる場合でも無いか。薬…薬ねぇ…」
キョロキョロと辺りを見回し
「そっちの棚に、いくつかあったと思うぞ？」
自衛のための武器が欲しい、という気持ちはふつうに分かる。ひょっとしたらこの後エイリアン襲来とかあるかもしれないし、自衛手段を持つのは悪い事では無いだろうと判断する。
【フェルナ】
「ふむ…探ってみるとしよう。」
指示された方向の棚を開き、中身を探る。何かしら、良いものが見つかればいいのだが。
「…それにしても、君は背が高いな。場所によっては入るのに苦労しそうだ。」
背が高いというのは便利なもので、探索物を見つけるのにも、視界が広がることで状況を素早く判断できる上でも強い。
…当然、弱点も存在するが。
【トロンパ】
「まあなー、たまに頭ぶつけそうになる。ただ、ここの建物は割と余裕もって作られてるからそこまで不便でも無いが」
適当に答えながら箱の中のビンを調べていく
濃硫酸
アホか
「そっちはなんかその体で困った事とかあんのか？」
【フェルナ】
「はっ、このままだと純粋なタイマンで負けそうだな。精々、敵として見られないように頑張れよ。」
嘲笑うように言ってのけると、此方もひとつの瓶を取り出す。
王水
何処で使ってんだよこれ。
「私か？そうだな…包帯が邪魔だよな。」
この少女、自分のアイデンティティである部分を全否定したぞ。いや、邪魔なのは事実だ。一応巻ききれなかった分は地面を引き摺っている訳だし。
【トロンパ】
「……これやったやつの趣味も大概謎だよな…」
自分の服装やピエロ、ビキニを思い出してしげしげと呟く。
「…うーん、こんなもんか。分かったのは武器庫ってくらいだな…」
そう言って元どうりに箱を戻す
「あ、そうだ。フレンド登録しとこうぜ、なんかあった時に使えたら便利だし」
【フェルナ】
「まじで、こんな身体誰が作ったんだろうな。さっさとそいつを見つけてぶん殴りたいところだよ。」
ゲームマスター、許すまじ。
幾つかの瓶を取り出し、棚を閉じる。
「…ふむ、早速フレンドを組んでくるとはな…まあ良いさ。連絡できる相手は多いに越したことは無い。」
お互いにアドレスを教え合い、登録を済ませる。
だが、意外と良い収入が手に入った少女の方は、彼を見上げると微笑む。
「そうだ…これから薬を作るんだが、君も見ていかないかい？」
【トロンパ】
「薬、ねぇ…何作るか恐ろしいけど、そう言われると気になるな。」
実際、ここまで揃っている状況で更に"作る"というのには興味がないと言えば嘘になる。
「…いいぜ、見ていってやるよ。あんまり密度低くないやつで頼むぜ？」
冗談交じりに応える
【フェルナ】
「なあに、高校で習うような簡単な化合実験だ。直ぐに終わるし、何よりお手軽なお薬だからな。」
用意するのは、植物に使われる肥料(硝酸カルシウム)と木炭、炭酸カリウム水溶液。
ほら、画面を見ている皆も聞いていけよ、絶対役に立つからさ。←
先ずは、肥料と木炭を何かしら棒で叩き、粉にする。
次に、容器に移し替えた炭酸カリウムに肥料を溶かし、現れた沈殿を濾過する。
後はそれに木炭を混ぜて、黒い濁った液体を作るだけ。
「これで水分を飛ばせば、お手軽お薬の完成って寸法だ。」
【トロンパ】
「お、おう…そうだな…」
とりあえず木炭と硝酸混ぜた辺りで離れてはいたが、無事に作れたら作れたで引く
「……ここで乾くのか？それ…」
外は銀世界。湿度的にも日光的にも乾かせるのかどうか少し気になる
【フェルナ】
「そうだな…火があれば簡単に乾くだろうが…ふむ、これはホテルにでも言ってキッチンを借りるしかないかもしれん。」
なら、ある程度大量生産した方がいいかも知れない。幸いもう2つくらいの瓶があるので、それを使って量は増やしておこう。
「君も、いざと言う時は使えるぞ。一つは持っていけ。私からのささやかなプレゼントだ。」
ただし、お薬だ。
【トロンパ】
「…まあ、一応貰っとく。」
使うことは無い…とは言い切れない。マジでエイリアン襲来あるかもしんないしね()
「…気をつけろよ？事故って死ぬ学生割といるんだから…」
【フェルナ】
「分かってるよ、これだけの量でも家吹き飛ぶんだからな。」
扱いがしっかりしていれば立派な武器だが、まあ事故るのなんの。やっぱり装置も作らないといけないだろうか。
「水分を飛ばせなくても使えはするが、火力が心許ないからな。一応これも見つけたから、上手く活用してくれ。」
完成した液体の瓶一つと、赤リンの欠片を渡しておく。赤リン、めちゃくちゃ有能だからね。
【トロンパ】
「えぇ…あ、ありがと…」
(…ジョシカラノプレゼントダヤッター)
思考を逃してなんとか平静を保つ。というかマジでなんでもあるなここ
「…ま、使わないで済むのが一番だと思うからさ。なんかあったら連絡してくれよ、ほんと」
知らないうちにホテル全壊とか嫌すぎる
【フェルナ】
「ああ、何かしらテロ起こすときは連絡入れとくよ。」
思った、この少女殺せば一番平和なのでは？
駄目です、この少女は健全なのです。
「じゃあ、また何処かで会うとしよう。私は此処で残りを作っておく。」
【トロンパ】
「おう…ま、こっちもなんかあったら連絡するわ…テロ以外でも、な。」
(なんかなぁ…普通に危ないとは思うけど…ロリよりはクラスメイトっぽいよなぁ…)
そんな事を考えつつ、とりあえず渡されたものだけ慎重に扱いつつ工場を去る
Two stupid dances 6th-23rd
臨海 凪乃(6th)-海月(23rd)
【臨海 凪乃】
【SCT 電波塔】
視界０の雪国を見下ろして風に靡かれる
13thの救出後、私は再びこの高台にいた。
これから先何が起こるのか、どこか楽しみにしている自分がいる。
「さて……と、観光を楽しめって言われても
こんな猛吹雪で何を楽しめと言うの？」
悴む手でコロパッドをもっては端末を操作する。
およそ26人 バスの人数とほぼ一致する
やはり、仮説は真実味を帯びていく
「…………」
高いところはなんとなく落ち着く。
高所から落ちる恐怖なんてすでに経験した。
そもそも、人殺しとも言える自分が、恐れるものなんてない。
いや、あるにはあるか。
緑色の感情から湧き出る殺意とか。
【海月】
追われて、はいないだろうけれど、いつの間にか塔に戻っていた。
やっぱり、霧は晴れていない。恐らくここにいる間はずっとだろう。そもそも、ここが何処なのかも把握していないんだけど。
それでも分かる事はある。
例えば、目の前の少女の事とか。
「…お隣いいかな？」
オレにしては珍しく、初対面の人へ静かに接した気がする。というのも、彼女の雰囲気からだろうけれど。
…どことなく、"同じ"ようで"違う"雰囲気。何を恐れてもいなさそうな感傷。
さて、どう崩すか。
【臨海 凪乃】
「好きにしなさい……」
何の興味もなさそうに答える。
23rd,だったかしら。 私のコロパッドに一致する人間はそれしか該当しない
涼しげに、外の寒気よりも冷たさの籠る青い瞳を伏せて
彼女もまた、被害者というわけだ。
名古屋までいっしょにいて、あの空気を吸っていた誰かだ。
そこまでは特定している。
ただし、それが誰かはわかっていない。
そしてそれは理解してはいけないのかもしれない。
「観光は、楽しんでる？」
雪国で楽しむ観光が特に思い浮かばない
小樽の運河だとか、洞爺湖のモーターボート、札幌の雪像
北海道ならこういった、アウトドアも思い浮かぶだろうが。
そもそもここは、北海道ですらないだろうし、日本かどうかも怪しい。
【海月】
釣れない。こういったタイプの人間も現れるだろうとは思っていたけど、ね。
ただ、この何に興味も持たなさそうなヤツも、元はオレと"同じ"なわけだ。
そこまでは理解している。
…その先までは踏み込めていない。
そして、踏み込む勇気を得ることも彼女にはないだろう。
この場所での観光なんて冗談交じりとしか思えないでしょ。
いつ死ぬかも分からないのに、楽しめているかどうかだなんて答えは一択だろうに。
「うんっ、楽しんでるよ！ここからいつ楽しいゲエムが始まるのかドキドキして、オレ夜しか寝れないんだよね！
キミは"楽しんでる"の？」
【臨海 凪乃】
冷ややかな目で
これは試しているような そんな感覚を感じる
夜しか寝れないなら普通でしょ！ とかそんなツッコミできるほど私は暖かくない
「愉しいゲーム、ねぇ……本当にゲームみたい。
出席番号とは違う数字を割り振られて……本名も自分も偽って
26人、偶然にもクラスメイトと同じ人数の番号
楽しみでしかないわ」
嘘をつけ
そんな期待なんてしていないだろうに
棒読みから読み取れるであろう私の薄い感情からよく分かる。
正直な話どうでもいい。
そういう結論だ。
目の前の人間も気丈に取り繕って、演技をしている感じもする。
【海月】
「ゲエムみたい、って、これからゲエムが始まるんじゃないのー？」
仮初でも"楽しみにしている"という言葉を聞くとは。オレ以外にそんなこと言うヤツが嘘でもいるなんてね。
それよりも、心底から何もかもどうでもいいっていう感情の方が駄々洩れなのは、置いておく。
…彼女も気づいているらしい。集まっているメンバーの共通点に。
ただ、それに易々と乗るほどオレは甘くない。相手がこれで揺れないなら、次は。
「クラスメイト…ふーん、学生さんなんだ？まだ若いのに可哀想にね。
それでも愉しみにしてるなんて、キミってちょっと残酷なんだね？
それに、若いうちからそんな絶望染みたカオしてるんだ。つまんない人間だなー、目先のコトを楽しもうよ！これから何が起きるんだろうね！」
【臨海 凪乃】
「……だったら誰のためのゲームなのかしらね」
金？ 人生？ 何をかけて何を得るゲーム？
それに私たちはメリットがあるの？
生きたければ殺せとか？ 誰が何のために？
そもそもゲームは娯楽であるから成立するもの。でしょう？
「……あら、私のいう事をすんなり信じるのね
核心もないのに、 騙されても私知らないわ」
あくまで憶測を語ってるだけにすぎないが、さてどうか
「愉しみで絶望、それは矛盾しているんじゃないのかしら
私は絶望なんてしてないわよ……」
まぁ、駄弁はこの程度でいいか
多少は考えて動く人間、それでいてどこか詰めの甘さを感じる。
他人を信じる純情さはあるのか
【海月】
「誰のためのゲエムなのか、なんて、今のキミが知ることじゃないんじゃない？
……キミに騙されてるつもりはないよ。オレ、人の嘘は見抜けちゃうんだよねー。さっきキミが言ったことは本当。」
実際、オレもクラスメイト云々に関しては“そう“考えているフシがあるし、別に彼女も嘘をついてまでと言うことはないだろう。
核心がないのはオレもそうだし、それに関してはお互い様ということだ。
…嘘吐け。どうせ愉しんでいるワケないだろう。
こんなコトを楽しむ人間なんて、オレ以外にはどうせいない。
掴みどころがない…というより、オレが見透かすのと同時にこちらを見透かされているような気分になる。
面倒くさいヤツだ。
「そーお？自らの絶望、他人の絶望に愉しみを感じる人もいるんじゃない？
例えばそうだなぁ。オレみたいなヤツとか？
オレ、本気でこのゲエム、愉しみにしてるんだよねー。黒幕に強いられて、とか、メリットとかデメリットとかを度外視にして。
自分の命をかけたゲエムって、それはとても、楽しくて面白くて愉快なコトになるんじゃない？って思うけど。」
【臨海 凪乃】
「……そう、すごいわね」
だったら今すぐ私の本名を当てればいいのに。
この姿も名前も全部噓なんだから。
そう、結局は嘘なのだ
私も 彼女も この世界も 嘘で
何が真実かなんてわかりっこない
「仮に絶望に興奮する変態がいるとしたら
よほどのギャルでしょうね」
誰とは言わない。
「黒幕ねぇ……黒幕、ねぇ……」
いるんだろうけれど、今はまだ考えなくてもいい。
黒幕の手のひらで踊らされてムカつくんだろう。
【海月】
「一体誰のことを言ってるのかは分からないけどー…ま、いっか。
キミは、倒し甲斐はありそうだからまだ置いておくことにしよーっと。次はもうちょっと楽しそうにしててよね！」
なんて、一方的に嘘の願望を押し付けてみたけれど。どうせ効かないのだろう。
何が真実かは分からないかもしれないけれど、オレは、何が嘘なのかは分かる。
今の自分も、目の前の彼女も、ここも真実じゃない、ちっぽけな嘘。
「という訳で、いきなり色々言っちゃってゴメンね！2割くらいは謝っておくよ！」
次、彼女に会う時は、もう少し楽しい話が出来るといいな。
例えば、喉元にナイフを突き立て合っているみたいな。
【臨海 凪乃】
「さぁ……誰のことかしらね」
私には分からないわ と付け加えて
まぁ、どうでもいいこと 私は ただ
……
「別にいいわよ、面倒くさい。
あなたに興味なんてないのだから、謝罪はいらないわ」
興味、 誰に対してもないのだけれど……
そう言い残すと展望台の窓から
「じゃあね、23th」
飛び降りた。
【臨海 凪乃】
【SCT 電波塔】
視界０の雪国を見下ろして風に靡かれる
13thの救出後、私は再びこの高台にいた。
これから先何が起こるのか、どこか楽しみにしている自分がいる。
「さて……と、観光を楽しめって言われても
こんな猛吹雪で何を楽しめと言うの？」
悴む手でコロパッドをもっては端末を操作する。
およそ26人 バスの人数とほぼ一致する
やはり、仮説は真実味を帯びていく
「…………」
高いところはなんとなく落ち着く。
高所から落ちる恐怖なんてすでに経験した。
そもそも、人殺しとも言える自分が、恐れるものなんてない。
いや、あるにはあるか。
緑色の感情から湧き出る殺意とか。
【海月】
追われて、はいないだろうけれど、いつの間にか塔に戻っていた。
やっぱり、霧は晴れていない。恐らくここにいる間はずっとだろう。そもそも、ここが何処なのかも把握していないんだけど。
それでも分かる事はある。
例えば、目の前の少女の事とか。
「…お隣いいかな？」
オレにしては珍しく、初対面の人へ静かに接した気がする。というのも、彼女の雰囲気からだろうけれど。
…どことなく、"同じ"ようで"違う"雰囲気。何を恐れてもいなさそうな感傷。
さて、どう崩すか。
【臨海 凪乃】
「好きにしなさい……」
何の興味もなさそうに答える。
23rd,だったかしら。 私のコロパッドに一致する人間はそれしか該当しない
涼しげに、外の寒気よりも冷たさの籠る青い瞳を伏せて
彼女もまた、被害者というわけだ。
名古屋までいっしょにいて、あの空気を吸っていた誰かだ。
そこまでは特定している。
ただし、それが誰かはわかっていない。
そしてそれは理解してはいけないのかもしれない。
「観光は、楽しんでる？」
雪国で楽しむ観光が特に思い浮かばない
小樽の運河だとか、洞爺湖のモーターボート、札幌の雪像
北海道ならこういった、アウトドアも思い浮かぶだろうが。
そもそもここは、北海道ですらないだろうし、日本かどうかも怪しい。
【海月】
釣れない。こういったタイプの人間も現れるだろうとは思っていたけど、ね。
ただ、この何に興味も持たなさそうなヤツも、元はオレと"同じ"なわけだ。
そこまでは理解している。
…その先までは踏み込めていない。
そして、踏み込む勇気を得ることも彼女にはないだろう。
この場所での観光なんて冗談交じりとしか思えないでしょ。
いつ死ぬかも分からないのに、楽しめているかどうかだなんて答えは一択だろうに。
「うんっ、楽しんでるよ！ここからいつ楽しいゲエムが始まるのかドキドキして、オレ夜しか寝れないんだよね！
キミは"楽しんでる"の？」
【臨海 凪乃】
冷ややかな目で
これは試しているような そんな感覚を感じる
夜しか寝れないなら普通でしょ！ とかそんなツッコミできるほど私は暖かくない
「愉しいゲーム、ねぇ……本当にゲームみたい。
出席番号とは違う数字を割り振られて……本名も自分も偽って
26人、偶然にもクラスメイトと同じ人数の番号
楽しみでしかないわ」
嘘をつけ
そんな期待なんてしていないだろうに
棒読みから読み取れるであろう私の薄い感情からよく分かる。
正直な話どうでもいい。
そういう結論だ。
目の前の人間も気丈に取り繕って、演技をしている感じもする。
【海月】
「ゲエムみたい、って、これからゲエムが始まるんじゃないのー？」
仮初でも"楽しみにしている"という言葉を聞くとは。オレ以外にそんなこと言うヤツが嘘でもいるなんてね。
それよりも、心底から何もかもどうでもいいっていう感情の方が駄々洩れなのは、置いておく。
…彼女も気づいているらしい。集まっているメンバーの共通点に。
ただ、それに易々と乗るほどオレは甘くない。相手がこれで揺れないなら、次は。
「クラスメイト…ふーん、学生さんなんだ？まだ若いのに可哀想にね。
それでも愉しみにしてるなんて、キミってちょっと残酷なんだね？
それに、若いうちからそんな絶望染みたカオしてるんだ。つまんない人間だなー、目先のコトを楽しもうよ！これから何が起きるんだろうね！」
【臨海 凪乃】
「……だったら誰のためのゲームなのかしらね」
金？ 人生？ 何をかけて何を得るゲーム？
それに私たちはメリットがあるの？
生きたければ殺せとか？ 誰が何のために？
そもそもゲームは娯楽であるから成立するもの。でしょう？
「……あら、私のいう事をすんなり信じるのね
核心もないのに、 騙されても私知らないわ」
あくまで憶測を語ってるだけにすぎないが、さてどうか
「愉しみで絶望、それは矛盾しているんじゃないのかしら
私は絶望なんてしてないわよ……」
まぁ、駄弁はこの程度でいいか
多少は考えて動く人間、それでいてどこか詰めの甘さを感じる。
他人を信じる純情さはあるのか
【海月】
「誰のためのゲエムなのか、なんて、今のキミが知ることじゃないんじゃない？
……キミに騙されてるつもりはないよ。オレ、人の嘘は見抜けちゃうんだよねー。さっきキミが言ったことは本当。」
実際、オレもクラスメイト云々に関しては“そう“考えているフシがあるし、別に彼女も嘘をついてまでと言うことはないだろう。
核心がないのはオレもそうだし、それに関してはお互い様ということだ。
…嘘吐け。どうせ愉しんでいるワケないだろう。
こんなコトを楽しむ人間なんて、オレ以外にはどうせいない。
掴みどころがない…というより、オレが見透かすのと同時にこちらを見透かされているような気分になる。
面倒くさいヤツだ。
「そーお？自らの絶望、他人の絶望に愉しみを感じる人もいるんじゃない？
例えばそうだなぁ。オレみたいなヤツとか？
オレ、本気でこのゲエム、愉しみにしてるんだよねー。黒幕に強いられて、とか、メリットとかデメリットとかを度外視にして。
自分の命をかけたゲエムって、それはとても、楽しくて面白くて愉快なコトになるんじゃない？って思うけど。」
【臨海 凪乃】
「……そう、すごいわね」
だったら今すぐ私の本名を当てればいいのに。
この姿も名前も全部噓なんだから。
そう、結局は嘘なのだ
私も 彼女も この世界も 嘘で
何が真実かなんてわかりっこない
「仮に絶望に興奮する変態がいるとしたら
よほどのギャルでしょうね」
誰とは言わない。
「黒幕ねぇ……黒幕、ねぇ……」
いるんだろうけれど、今はまだ考えなくてもいい。
黒幕の手のひらで踊らされてムカつくんだろう。
【海月】
「一体誰のことを言ってるのかは分からないけどー…ま、いっか。
キミは、倒し甲斐はありそうだからまだ置いておくことにしよーっと。次はもうちょっと楽しそうにしててよね！」
なんて、一方的に嘘の願望を押し付けてみたけれど。どうせ効かないのだろう。
何が真実かは分からないかもしれないけれど、オレは、何が嘘なのかは分かる。
今の自分も、目の前の彼女も、ここも真実じゃない、ちっぽけな嘘。
「という訳で、いきなり色々言っちゃってゴメンね！2割くらいは謝っておくよ！」
次、彼女に会う時は、もう少し楽しい話が出来るといいな。
例えば、喉元にナイフを突き立て合っているみたいな。
【臨海 凪乃】
「さぁ……誰のことかしらね」
私には分からないわ と付け加えて
まぁ、どうでもいいこと 私は ただ
……
「別にいいわよ、面倒くさい。
あなたに興味なんてないのだから、謝罪はいらないわ」
興味、 誰に対してもないのだけれど……
そう言い残すと展望台の窓から
「じゃあね、23th」
飛び降りた。
「……っははは！！！ああ、やっぱりキミつまらないヤツじゃなさそうだね。声が届かないのが少し物悲しいけど。」
無意味だろうが、下を覗いてみる。
視界が悪い。何が見えるわけでもない。死んでいたとしても奇跡的に生きていたとしてもここからじゃ視認できない。
だとしても、凡そ理解はできる。
「……あー、可笑しい。やっぱり、"そういう"のはちょっとは必要だよね。
ただ、もうちょーっと後でも良かったんじゃない？」
これから始まるゲエムは、きっとこれより残酷だ。
信用すると言った相手の喉を斬り。
共に戦っているクラスメイトの頭を撃ち抜き。
必死に生きようとする同じ人間の腸を引きずり出すような、残虐なゲエム。
…だからこそ、オレは、この後起きるゲエムを楽しみにして収まらない。
このゲエムは見世物にされている。なら。
「…壊すって言うのも、面白くなるよね？」
無意味だろうが、下を覗いてみる。
視界が悪い。何が見えるわけでもない。死んでいたとしても奇跡的に生きていたとしてもここからじゃ視認できない。
だとしても、凡そ理解はできる。
「……あー、可笑しい。やっぱり、"そういう"のはちょっとは必要だよね。
ただ、もうちょーっと後でも良かったんじゃない？」
これから始まるゲエムは、きっとこれより残酷だ。
信用すると言った相手の喉を斬り。
共に戦っているクラスメイトの頭を撃ち抜き。
必死に生きようとする同じ人間の腸を引きずり出すような、残虐なゲエム。
…だからこそ、オレは、この後起きるゲエムを楽しみにして収まらない。
このゲエムは見世物にされている。なら。
「…壊すって言うのも、面白くなるよね？」
新雪は、柔らかく、 私を抱き留めてくれる
電波塔から飛び降りた私は 雪の上で大の字を書いていた
案外、死なないものだな
新雪の深雪がギュッと受け止める
派手に印象つけたのは 面白そうだったから
白天井を仰ぎみれば、私は……感傷に浸っていた
あぁ…… XXXXX君 君に逢いたい。
君に逢って、ずっとそばにいたい
君が死ぬ 君が殺される そんな君が見たいよ……。
愛は羽のように軽く、いや……雪よりも軽い
それに泥酔する私は、きっと軽い人間だ。
死ぬ 殺す 殺す 死ぬ 死ぬ 殺す
殺す 死ぬ 死ぬ 殺す 殺す 死ぬ
殺す 死ぬ 殺す 死ぬ 死ぬ 殺す
死ぬ 殺す 死ぬ 殺す 殺す 死ぬ
愛のために 殺す覚悟は もうとうに出来ている
電波塔から飛び降りた私は 雪の上で大の字を書いていた
案外、死なないものだな
新雪の深雪がギュッと受け止める
派手に印象つけたのは 面白そうだったから
白天井を仰ぎみれば、私は……感傷に浸っていた
あぁ…… XXXXX君 君に逢いたい。
君に逢って、ずっとそばにいたい
君が死ぬ 君が殺される そんな君が見たいよ……。
愛は羽のように軽く、いや……雪よりも軽い
それに泥酔する私は、きっと軽い人間だ。
死ぬ 殺す 殺す 死ぬ 死ぬ 殺す
殺す 死ぬ 死ぬ 殺す 殺す 死ぬ
殺す 死ぬ 殺す 死ぬ 死ぬ 殺す
死ぬ 殺す 死ぬ 殺す 殺す 死ぬ
愛のために 殺す覚悟は もうとうに出来ている
「大丈夫、XXXX君 XXXXは私が守ってあげる……///」
そこにいない誰かを想って恍惚な顔をする。
心底どうでもいいのは23番目も13番目も1番目も関係ない
私にも 私にさえも 6番目の私でさえも関係ない
6番目？ 誰が？ 誰の？ 私が？ 誰の6番目？
そんなのどうでもいい 誰の6番目でも関係ない。
XXXXの1番なら XXXXの2番なら XXXXの6番なら
それで私は満足なのだから。
それ以外の興味など皆無。たとえゲームが23rdの言うように始まろうとも
関係がない。 誰も私たちの間を割くことはできない
「奈落の底に …… が 落ちて
剣山の 血の池 蜘蛛の糸……
大丈夫 XXXX が XXXX が 私が 守るもの」
探さなきゃ XXXX 逝かないで
どうか 神様 この身が散るまで 世界終わらせないで
そこにいない誰かを想って恍惚な顔をする。
心底どうでもいいのは23番目も13番目も1番目も関係ない
私にも 私にさえも 6番目の私でさえも関係ない
6番目？ 誰が？ 誰の？ 私が？ 誰の6番目？
そんなのどうでもいい 誰の6番目でも関係ない。
XXXXの1番なら XXXXの2番なら XXXXの6番なら
それで私は満足なのだから。
それ以外の興味など皆無。たとえゲームが23rdの言うように始まろうとも
関係がない。 誰も私たちの間を割くことはできない
「奈落の底に …… が 落ちて
剣山の 血の池 蜘蛛の糸……
大丈夫 XXXX が XXXX が 私が 守るもの」
探さなきゃ XXXX 逝かないで
どうか 神様 この身が散るまで 世界終わらせないで
雪山密室、積もる記憶と 12th-21st
トロンパ(12th)-翔衣(21st)
【トロンパ】
北エリア、ペンション内にて
取り敢えず行ける所に精神であちこち行ってみた彼は、暖炉の前で身体を温めていた。
「う〜さぶ…結局、普通のスキー場だったな…」
見た限りでは、一般的な、としか言いようのない施設。…ますます「これから」が不安になる
「…暫くここでゆっくりしてくかな。はぁ…あったかい…」
【翔衣】
パチパチと木の弾ける音がドア越しに聞こえた。
そこは雪山の麓のペンション内の一つの個室のようか。
廊下を歩いていた彼女はその音にふとと足を止めた。
次の瞬間には、個室の中にはバコンだとかいう衝撃音が響くことだろう。
「……………寒い、あったまる…」
自らがチェックインした部屋に行く途中だったのであろう。
そそくさと部屋の中へと入っていけば、火の音が心地好く響き渡る暖炉の前へ陣取った。
そこでやっと気付いた事がある。…知らない人物がいる。
…部屋を一つ隣と間違えた。
「…………………誰？」
じーーーっとその人物の顔を見れば、たった一言、そう口にした。
【トロンパ】
「…ん？」
部屋に入ってきてこちらをジッと見つめる少女。というかバコンっつったぞ今。蹴破ったの？
「……えーと、トロンパって呼んでくれ。…そっちは？」
とりあえず意思疎通を図ってみる。
流石にUMA襲来とかでないだろう…多分
【翔衣】
「…え、ドロンパ？ 忍者でもやってるの？」
少し耳が遠いのか、寒さにやられてしまっているのか、酷い聞き間違えをしでかした。
他人に無頓着と言うのも、これほどになってくると可哀想な子でもあるのでは。
ちなみに扉は蹴破りました。恐らく蝶番は外れていませんが、寒風がひゅうひゅうと吹き込んでいることでしょう。
「僕の名前は………なんだっけな。忘れちゃったな。…んーと……。」
…そっちは？
…自分の、名前？
一人称は僕というらしい。自らにさえ興味が無いのか、なんなのか。名前すらぱっと出てこない始末だ。
「あ、そだ。…翔衣。しょ、ー、い、だよ。」
数秒の沈黙を置いて、人差し指をピンと立てれば。やっとのことで思い出したように、その名を口にした。
【トロンパ】
「いや違う違うトロンパ！"ト"だから！」
一応考慮して変えてるんだよ？オバ"q"とか
「翔衣…か。…えーと…あったまる？」
取り敢えず隣を指す。
ドアが開いて少し寒くなった
【翔衣】
「…わかってるよ、冗談。うん、あったまる。」
わかってるよ、冗談(大嘘)
指差された男の横の方へと視線をむければ、ちょこんと移動してしゃがみ込んだ。
…どうしてこんな所に居るのだろうか。なんて、ふと考えてしまったら、頭がおかしくなりそうだ。
何故かって、彼女はここに来たまでの一切の経緯を知らない訳で。
「…ねぇ、僕さ…
…なんでここに来たのかなぁ？」
気が付いたら雪山を歩いていた。それまでの記憶がすっぽり抜けている。
ただ、ただ、寒かったという感覚だけが残っていて。
それからまた空白があって、気が付いたら建物の中。廊下をてくてくと歩く。
一体、何が始まったというのか。わけも分からず、分かるはずもない男に問うた。
【トロンパ】
「……………なんで来た、か………」
(…ひょっとすると、コイツ…)
何を言うべきか、若干迷って
「…分からないな…。…俺も、なんでこんな事になったのか、なんて全然わかんねぇし…」
個人的な意見を述べるにとどめる
「……でも、取り敢えず…あんまりいい事が起こる気はしないな。なんていうか、そんな空気なんだよ、ここ。」
【翔衣】
「………………………、そっか。」
長い沈黙の後に、そっと、そう呟いた。
「うん、僕もそんな気がするな…。いい事なんか起こりっこない…、って。思う。」
同意の言葉を口にすれば、その瞳には暖かな火が写り揺らめく。
焔を揺らすのは冬の風、吹雪にも似た冷たい空気が吹き込んで、暖炉というたった一つの灯火を吹き消そうとさえしてしまう。
こんな所に放り込まれて、まともな記憶すらなくて、どうして過ごしていけよう…？
「────────…僕たち、死ぬのかな。」
そう呟く声はか細く、然し不思議と恐怖の色は無く、聞こえるかすら微妙な。丁度のタイミングで風に掻き消されてしまいそうな声だった。
【トロンパ】
「………」
暖炉の炎を、ジッと見つめる
パチパチと音を立てて薪が燃えている。風に吹かれればたちまち消えてしまいそうなその火は、しかし消える事は無い。
暖炉が、壁が 火から風を遠ざけているからだ
「……死ぬ、か…。そう、なるのかもな…。」
これまで出来るだけ考えずにいたこと
自分の"死"についての考えが頭をよぎり
「……っ！」
頭を振り、一瞬浮かんだ考えを消す。そんな事は、考えるべきでは無いと。
「でも、俺は。生きれるように動く。死なないように、精一杯やれる事をやってやるさ。…死ぬって分かっても、それをただジッと待つ必要は無いからな。」
頭に浮かんだ考えを、不安を、恐怖を
全て振り払うかのような言葉で奮い立たせる。
【翔衣】
「………………
そうだよね、生きたいもんね。…うん、生きたいもんね。」
少しの沈黙の間に、何を考えていただろう。
彼の頭を過ったものはなんなのか、なんて知る由もないが、その様子を見ていれば自ずと自らの死に対しても思考する訳で。
『…ね、お…えな……、し…じま…！』
『あ……な…か………け……よか…た』
────────あぁ、そうだった。
「…………僕は、」
生きたくないなあ
なんて、言おうとしてしまって。
ただ、その言葉は喉に詰まって、音になることは無くて。
「…僕は、君みたいに強くなりたいよ。トロンパは強い気がするから。」
代わりの言葉で、その空白を埋めてやって。
適当な言葉だ。
普段にしても短調な声から、その薄らとも乗っていない感情を読み取れるだろうか。
【トロンパ】
「…………そうか。お前がそう言うんなら…俺も、そこまで捨てたもんじゃないな…。」
ああ
知っている
その
目は
「…そうだ、フレンド登録しとこうぜ。何かあった時に…連絡できるよう。」
【翔衣】
「………………………まぁ、観光楽しもっか。」
下手くそな笑みを浮かべて。釣り上げられたようなそれは、あまり可愛いもんじゃないが。
「フレンド？ ……あ、そんな機能もあったっけ。いーよ、しとこっか。」
ころぱっどと呼ばれるそれを取り出せば、フレンド登録の画面を開いて見せた。
【トロンパ】
「…そうだな！スキーでもやるか！」
あまり辛い事ばかり考えていても仕方がない。
そう結論づけることにした
「確か、あっちの部屋にスキー板とかあったよな…」
例えどんなに薄っぺらくても
"幸せ"は幸せで
そうである限り、"彼"はその事を忘れはしないだろう
【翔衣】
「スキーよりスノボがいいな。」
なんて、彼の提案を一蹴しながら乗ってやる。
そうすればあっちの部屋と呼ばれた方へと歩いていき。
部屋の中には備品がずらりと並んでいた。
「………なんだ、結構ちゃんとしてる…のかな…」
どこまで使って良いのかは分からないが、きっと備品はレンタル可能なのだろう。
まるでここだけを切り取れば、何の変哲もない、冬の日常。
寒さに耐えるようにマフラーをくいと上げて、うっすらと白い息を吐いた。
【トロンパ】
「おっ、ボーダーか？スノボも中々いいよな…今日はそっちにしようかな…」
備品の中から適当にボードとウェアーを見繕う。
何となく赤色を選ぶ
「お前はどうする？せっかくだから俺は少し滑ってこうと思ってるけど…」
万が一怪我した時のこととか考えると一人よりは二人の方がいいなーとか考えつつ
【翔衣】
「…ん………行く。寒いのやだけど、…行く。」
モノトーン調に拵えられたウェアを適当に纏えば、自らの身丈にあったボードを手に取った。
これから雪山に登るのか…なんて思えば少し見が引けたようだが、その楽しさと言うやつは知っている。
だから、行かないという選択肢など元よりなかったかのように。
「行こう、雪山に遭難しに。」
…ブラックジョークもいい所だ。
【トロンパ】
北エリア、ペンション内にて
取り敢えず行ける所に精神であちこち行ってみた彼は、暖炉の前で身体を温めていた。
「う〜さぶ…結局、普通のスキー場だったな…」
見た限りでは、一般的な、としか言いようのない施設。…ますます「これから」が不安になる
「…暫くここでゆっくりしてくかな。はぁ…あったかい…」
【翔衣】
パチパチと木の弾ける音がドア越しに聞こえた。
そこは雪山の麓のペンション内の一つの個室のようか。
廊下を歩いていた彼女はその音にふとと足を止めた。
次の瞬間には、個室の中にはバコンだとかいう衝撃音が響くことだろう。
「……………寒い、あったまる…」
自らがチェックインした部屋に行く途中だったのであろう。
そそくさと部屋の中へと入っていけば、火の音が心地好く響き渡る暖炉の前へ陣取った。
そこでやっと気付いた事がある。…知らない人物がいる。
…部屋を一つ隣と間違えた。
「…………………誰？」
じーーーっとその人物の顔を見れば、たった一言、そう口にした。
【トロンパ】
「…ん？」
部屋に入ってきてこちらをジッと見つめる少女。というかバコンっつったぞ今。蹴破ったの？
「……えーと、トロンパって呼んでくれ。…そっちは？」
とりあえず意思疎通を図ってみる。
流石にUMA襲来とかでないだろう…多分
【翔衣】
「…え、ドロンパ？ 忍者でもやってるの？」
少し耳が遠いのか、寒さにやられてしまっているのか、酷い聞き間違えをしでかした。
他人に無頓着と言うのも、これほどになってくると可哀想な子でもあるのでは。
ちなみに扉は蹴破りました。恐らく蝶番は外れていませんが、寒風がひゅうひゅうと吹き込んでいることでしょう。
「僕の名前は………なんだっけな。忘れちゃったな。…んーと……。」
…そっちは？
…自分の、名前？
一人称は僕というらしい。自らにさえ興味が無いのか、なんなのか。名前すらぱっと出てこない始末だ。
「あ、そだ。…翔衣。しょ、ー、い、だよ。」
数秒の沈黙を置いて、人差し指をピンと立てれば。やっとのことで思い出したように、その名を口にした。
【トロンパ】
「いや違う違うトロンパ！"ト"だから！」
一応考慮して変えてるんだよ？オバ"q"とか
「翔衣…か。…えーと…あったまる？」
取り敢えず隣を指す。
ドアが開いて少し寒くなった
【翔衣】
「…わかってるよ、冗談。うん、あったまる。」
わかってるよ、冗談(大嘘)
指差された男の横の方へと視線をむければ、ちょこんと移動してしゃがみ込んだ。
…どうしてこんな所に居るのだろうか。なんて、ふと考えてしまったら、頭がおかしくなりそうだ。
何故かって、彼女はここに来たまでの一切の経緯を知らない訳で。
「…ねぇ、僕さ…
…なんでここに来たのかなぁ？」
気が付いたら雪山を歩いていた。それまでの記憶がすっぽり抜けている。
ただ、ただ、寒かったという感覚だけが残っていて。
それからまた空白があって、気が付いたら建物の中。廊下をてくてくと歩く。
一体、何が始まったというのか。わけも分からず、分かるはずもない男に問うた。
【トロンパ】
「……………なんで来た、か………」
(…ひょっとすると、コイツ…)
何を言うべきか、若干迷って
「…分からないな…。…俺も、なんでこんな事になったのか、なんて全然わかんねぇし…」
個人的な意見を述べるにとどめる
「……でも、取り敢えず…あんまりいい事が起こる気はしないな。なんていうか、そんな空気なんだよ、ここ。」
【翔衣】
「………………………、そっか。」
長い沈黙の後に、そっと、そう呟いた。
「うん、僕もそんな気がするな…。いい事なんか起こりっこない…、って。思う。」
同意の言葉を口にすれば、その瞳には暖かな火が写り揺らめく。
焔を揺らすのは冬の風、吹雪にも似た冷たい空気が吹き込んで、暖炉というたった一つの灯火を吹き消そうとさえしてしまう。
こんな所に放り込まれて、まともな記憶すらなくて、どうして過ごしていけよう…？
「────────…僕たち、死ぬのかな。」
そう呟く声はか細く、然し不思議と恐怖の色は無く、聞こえるかすら微妙な。丁度のタイミングで風に掻き消されてしまいそうな声だった。
【トロンパ】
「………」
暖炉の炎を、ジッと見つめる
パチパチと音を立てて薪が燃えている。風に吹かれればたちまち消えてしまいそうなその火は、しかし消える事は無い。
暖炉が、壁が 火から風を遠ざけているからだ
「……死ぬ、か…。そう、なるのかもな…。」
これまで出来るだけ考えずにいたこと
自分の"死"についての考えが頭をよぎり
- どうせ死ぬなら-
「……っ！」
頭を振り、一瞬浮かんだ考えを消す。そんな事は、考えるべきでは無いと。
「でも、俺は。生きれるように動く。死なないように、精一杯やれる事をやってやるさ。…死ぬって分かっても、それをただジッと待つ必要は無いからな。」
頭に浮かんだ考えを、不安を、恐怖を
全て振り払うかのような言葉で奮い立たせる。
【翔衣】
「………………
そうだよね、生きたいもんね。…うん、生きたいもんね。」
少しの沈黙の間に、何を考えていただろう。
彼の頭を過ったものはなんなのか、なんて知る由もないが、その様子を見ていれば自ずと自らの死に対しても思考する訳で。
『…ね、お…えな……、し…じま…！』
『あ……な…か………け……よか…た』
────────あぁ、そうだった。
「…………僕は、」
生きたくないなあ
なんて、言おうとしてしまって。
ただ、その言葉は喉に詰まって、音になることは無くて。
「…僕は、君みたいに強くなりたいよ。トロンパは強い気がするから。」
代わりの言葉で、その空白を埋めてやって。
適当な言葉だ。
普段にしても短調な声から、その薄らとも乗っていない感情を読み取れるだろうか。
【トロンパ】
「…………そうか。お前がそう言うんなら…俺も、そこまで捨てたもんじゃないな…。」
ああ
知っている
その
目は
「…そうだ、フレンド登録しとこうぜ。何かあった時に…連絡できるよう。」
【翔衣】
「………………………まぁ、観光楽しもっか。」
下手くそな笑みを浮かべて。釣り上げられたようなそれは、あまり可愛いもんじゃないが。
「フレンド？ ……あ、そんな機能もあったっけ。いーよ、しとこっか。」
ころぱっどと呼ばれるそれを取り出せば、フレンド登録の画面を開いて見せた。
【トロンパ】
「…そうだな！スキーでもやるか！」
あまり辛い事ばかり考えていても仕方がない。
そう結論づけることにした
「確か、あっちの部屋にスキー板とかあったよな…」
例えどんなに薄っぺらくても
"幸せ"は幸せで
そうである限り、"彼"はその事を忘れはしないだろう
【翔衣】
「スキーよりスノボがいいな。」
なんて、彼の提案を一蹴しながら乗ってやる。
そうすればあっちの部屋と呼ばれた方へと歩いていき。
部屋の中には備品がずらりと並んでいた。
「………なんだ、結構ちゃんとしてる…のかな…」
どこまで使って良いのかは分からないが、きっと備品はレンタル可能なのだろう。
まるでここだけを切り取れば、何の変哲もない、冬の日常。
寒さに耐えるようにマフラーをくいと上げて、うっすらと白い息を吐いた。
【トロンパ】
「おっ、ボーダーか？スノボも中々いいよな…今日はそっちにしようかな…」
備品の中から適当にボードとウェアーを見繕う。
何となく赤色を選ぶ
「お前はどうする？せっかくだから俺は少し滑ってこうと思ってるけど…」
万が一怪我した時のこととか考えると一人よりは二人の方がいいなーとか考えつつ
【翔衣】
「…ん………行く。寒いのやだけど、…行く。」
モノトーン調に拵えられたウェアを適当に纏えば、自らの身丈にあったボードを手に取った。
これから雪山に登るのか…なんて思えば少し見が引けたようだが、その楽しさと言うやつは知っている。
だから、行かないという選択肢など元よりなかったかのように。
「行こう、雪山に遭難しに。」
…ブラックジョークもいい所だ。
友人の定義&燃える教会嘘だよ！ 3rd-16th
五番目の道化師(3rd)-ミライ(16th)
【五番目の道化師】
西エリアある教会に道化師は訪れていた。
ちょうど奥にある神に仕える者たちが使用する部屋から銀色のロザリオを頂戴し、今は教壇の前で祈りを捧げていた。特に神に支えているわけではないが…祈りたくなったのだ。
『どうか、元の世界に帰れますように』と。
でも、ピエロが膝をついて神に祈るって、なんかシュールだな。
【ミライ】
「お祈りかい？熱心だねぇ」
突然後ろから声がかかる、振り返るならば、そこにはスキーウェアにゴーグルを付けた桃色髪の女が立っているのが見えるだろう。カツカツと靴を鳴らしながら、あなたの後ろに寄ろうとする。
「私は運とかってのを信じてなくてね。お祈りする気持ちはちょっと理解できないのさ」
「いや、悪いとは思わないがね、ただピエロがお祈りってのは……ちょっと笑えちゃうね」
女はそう言いながら、ちかくにある長椅子に腰掛けた。
【五番目の道化師】
暫く無言で祈っていたが、祈り終わると…一応、気がつきていたらしい。後からやって来た女性へと振り替える。
「ワタクシもぉ、神は信じていませぇん。だけどぉ、親がぁ神父なのでつい祈ってしまうんでぇす☆」
困ったときは神様がお救いしてくださる。
普段は祈ったりしないが、こういう非常時にはどうしても頼りたくなってしまう。
「ピエロだってぇ、人間ですから祈りまぁす☆」
【ミライ】
「どちらにせよ敬虔なピエロだねアンタ。
笑えるよ。道化師冥利に尽きるんじゃないかい?」
「おっと！話しかけといて名乗らない奴があるかってね。私はミライってんだ」
女はミライと言った。
ミライは、窮地に際して誰にしろ他人に頼るという感覚が理解できないようだった。
「神さまとやらがいるのは結構だけど、その神さま自身が困った時はどうするんだろうね」
素朴な疑問さ、笑い飛ばしてくれヨ。そう言って彼女は手元の水筒を一飲みした。靴についた雪と泥を見るに、随分歩いた様子だった。
【五番目の道化師】
「えぇ、神様が困った時はぁですかぁ？そりゃあ、神様が神様を助けるんじゃあないでしょうか。」
この時点でこの道化師の親は唯一神信者ではないことがわかるだろう。ちなみに、逆さ十字にして持ってるわけではないので悪魔を崇拝しているわけでもない。
「あぁ、申し遅れまぁしたぁ。ワタクシィ五番目の道化師といいまぁす☆」
馬鹿みたいな仕草をしないのは、なんか疲れたからである。口調なら辛うじて心労が蓄積しにくいので口調と表情だけピエロって感じだ。
【ミライ】
「5番目？また変な名前だねぇ」
「1〜4番目もアンタみたいに敬虔な信徒なのかい？」
ミライは最初“クリスチャン”と呼ぼうとしたが、ピエロが唯一神信仰でない事を理解して言葉を選んだ。そういうところで気の利けないようでは、社交性があるとは言えないだろう
「しかしずいぶん冷えるね。外は結構な深い雪だよ」
彼女は自分の肩を抱いて身震いをしてみせる。水筒に入れてあるのはどうやら冷たい飲み物のようだった
【五番目の道化師】
「クヒヒ、いやですねぇ？この名前はワタクシィの好きなぁボカロの題名ですよぉ。だからぁ、1〜4番目の道化師はおりませぇん☆」
自分がボカロを聞いてるなんて教えたことは一度もないから知ってる人なんていないはずだ。
「んん、冷たい飲み物を飲めばぁそりゃ体も余計に冷えまぁす。さすがに毛布などはありませぇんし…教本でもぉ燃やしてぇ焚き火でもしまぁすかぁ？」
お前、それでも宗教者の子供か…っ！！と、言いたくなるがどうやらこの教会は自分が名目上だけ所属している宗教とはまた別の宗教の教会だったらしい。他宗教の教本ならもやしていいよね☆
【ミライ】
「ボカロか。音楽とはいい趣味してるね」
ボカロ…誰か居たか？と考えを馳せるが、ミライに思い当たる人物はいなかった。それが悟られないように、ピエロの話題に乗る。
「いいね！」「あぁ、いいってのは教会を燃やすって意味じゃないけどね。暖を取るのは賛成さ」
「何か燃やしやすいものあるかい?」
そういって立ち上がると、おもむろに何か暖を取れるようなものを探し始める。ガラクタのありそうな物置などがあればいいのだが。
【五番目の道化師】
「そもそぉも、教会内でぇは暖を取るのぉはなぁかなぁか難しいでぇす」
そう言って、教壇の後ろに置いておいた奥の部屋から取ってきたであろうコートを手渡す。
「こういう場所にもぉ、あるものでぇすねぇ」
ちなみに奥の部屋には原住民と思わしき神父さんがいたが…とくに何も言われなかったのでスルーしてきた。
【ミライ】
「おや、意外と親切だね」
なんて失礼か。そう言いながら肩をすくめて苦笑いをした。コートを受け取ると、すぐさまそれを羽織ってみせた
「ありがとう、ずいぶん違うよ。まぁストーブとかにゃ負けるけどね」
ずいぶんな物言いではあるが、感謝しているようだった。するとミライは腕立てやスクワットなどの軽い運動をし始めた
「こうすると身体があったまるからね。よくやってるだろ?」「ディ○カバリーチャンネルとかでさ。極寒サバイバルの基本ってやつでさ」
【五番目の道化師】
「筋を動かすのは熱生産するのに一番効率の良い方法ですからね。凍死しないようにするにはそれが一番なんでしょう」
道化師は四角いカサカサなる物に触れながら苦笑した。どうやら、道化師の持っていた道具の中にホッカイロもあったらしい。ちなみに、体を動かそうとせずホッカイロで暖まっている理由と言えば簡単だ。
(筋トレって、疲れるんですよねぇ)
【ミライ】
「まァ他にも方法はあるだろうがね、私にはこれが性にあってるのさ」
苦笑するピエロを目に、そう言って運動をやめた。半分言い訳だったが、もう半分は真実だった。スクワットと腕立てで少し肩が上下しているが、流石に息切れするほどではなかった。
「さて…そろそろお暇しようかね。ここはもうアンタの場所みたいだし」「あぁ少なくとも今は、ね」
教会は一夜を明かすにはちょっとワイルドすぎる。それに洋風映画みたいに寒さで震えて朝目覚めるのはごめんだ。
「コート、ありがとね。助かったよ」
そのまま次の目的地を探そうと、ミライと名乗る桃色髪の女は教会の出口へ向かおうとした。
【五番目の道化師】
「そぉですかぁ…っと、その前にぃ、フレンド登録しときませぇんかぁ？」
そう言って取り出すのは端末である。
既に何人かと出会っているが…実質、登録できているのは二人だけ。できるだけ、連絡先は増やしておきたいのだ。
「なぁんだか、これから嫌な予感がぁするでぇす。ワタクシィはこの見た目でぇ、警戒されやすいのでぇ…連絡先教えてくれると助かりまぁす」
この嫌な予感は案外当たります。
【ミライ】
「ふゥん…ま、アンタ怪しいもんね。それに友達も少なそう」
笑って辛辣な言葉を投げかけるが、彼女も端末を取り出してみせた。それは質問に肯定を意味していた
「で?フレンド登録だっけ?」
実のところミライはフレンド登録をしたことがなかった。というのも、人を見かけても極力接触を避けていたからであるのだが。人に結構な言葉をかけた割に、ボッチなのは彼女の方であった
【五番目の道化師】
「えぇ、フレンド登録でぇす。申請送りますねぇ？」
そう言って、道化師は申請を送った。
【ミライ】
「はい承認、と。これでいいんだよね?」
送られてきたフレンド申請を許可して、端末のフレンドが増えた。記念すべき一号がピエロとはちょっとギャグみたいだ。
【五番目の道化師】
「助かりまぁす！」
スッゴい嬉しい。だって、本来の姿の時は身内以外の登録者二人だけだよ？しかも、友人じゃないし。
でも、今回は確実にクラスメイト！ピエロなんていう怪しい存在なのに三人も登録者ができてとても嬉しゅうございます☆
【ミライ】
「んじゃあ、色々ありがとね」「ほんと助かったよ、これはマジにね。」
ピエロに向かって端末をヒラヒラ揺らすと、ニコリと笑う。コートにクラスメイトらしきフレンド。中々の報酬だ、悪くない。
今度こそ教会と別れを告げよう。再び出口に向かう。
【五番目の道化師】
「えぇ、ではまぁた会いましょう」
今度は手を振って見送る。
次会うときにわたしが予感している悲劇が起こらなければ良いんだけど。
道化師は再び教壇の前で祈り始めたのだった。
【五番目の道化師】
西エリアある教会に道化師は訪れていた。
ちょうど奥にある神に仕える者たちが使用する部屋から銀色のロザリオを頂戴し、今は教壇の前で祈りを捧げていた。特に神に支えているわけではないが…祈りたくなったのだ。
『どうか、元の世界に帰れますように』と。
でも、ピエロが膝をついて神に祈るって、なんかシュールだな。
【ミライ】
「お祈りかい？熱心だねぇ」
突然後ろから声がかかる、振り返るならば、そこにはスキーウェアにゴーグルを付けた桃色髪の女が立っているのが見えるだろう。カツカツと靴を鳴らしながら、あなたの後ろに寄ろうとする。
「私は運とかってのを信じてなくてね。お祈りする気持ちはちょっと理解できないのさ」
「いや、悪いとは思わないがね、ただピエロがお祈りってのは……ちょっと笑えちゃうね」
女はそう言いながら、ちかくにある長椅子に腰掛けた。
【五番目の道化師】
暫く無言で祈っていたが、祈り終わると…一応、気がつきていたらしい。後からやって来た女性へと振り替える。
「ワタクシもぉ、神は信じていませぇん。だけどぉ、親がぁ神父なのでつい祈ってしまうんでぇす☆」
困ったときは神様がお救いしてくださる。
普段は祈ったりしないが、こういう非常時にはどうしても頼りたくなってしまう。
「ピエロだってぇ、人間ですから祈りまぁす☆」
【ミライ】
「どちらにせよ敬虔なピエロだねアンタ。
笑えるよ。道化師冥利に尽きるんじゃないかい?」
「おっと！話しかけといて名乗らない奴があるかってね。私はミライってんだ」
女はミライと言った。
ミライは、窮地に際して誰にしろ他人に頼るという感覚が理解できないようだった。
「神さまとやらがいるのは結構だけど、その神さま自身が困った時はどうするんだろうね」
素朴な疑問さ、笑い飛ばしてくれヨ。そう言って彼女は手元の水筒を一飲みした。靴についた雪と泥を見るに、随分歩いた様子だった。
【五番目の道化師】
「えぇ、神様が困った時はぁですかぁ？そりゃあ、神様が神様を助けるんじゃあないでしょうか。」
この時点でこの道化師の親は唯一神信者ではないことがわかるだろう。ちなみに、逆さ十字にして持ってるわけではないので悪魔を崇拝しているわけでもない。
「あぁ、申し遅れまぁしたぁ。ワタクシィ五番目の道化師といいまぁす☆」
馬鹿みたいな仕草をしないのは、なんか疲れたからである。口調なら辛うじて心労が蓄積しにくいので口調と表情だけピエロって感じだ。
【ミライ】
「5番目？また変な名前だねぇ」
「1〜4番目もアンタみたいに敬虔な信徒なのかい？」
ミライは最初“クリスチャン”と呼ぼうとしたが、ピエロが唯一神信仰でない事を理解して言葉を選んだ。そういうところで気の利けないようでは、社交性があるとは言えないだろう
「しかしずいぶん冷えるね。外は結構な深い雪だよ」
彼女は自分の肩を抱いて身震いをしてみせる。水筒に入れてあるのはどうやら冷たい飲み物のようだった
【五番目の道化師】
「クヒヒ、いやですねぇ？この名前はワタクシィの好きなぁボカロの題名ですよぉ。だからぁ、1〜4番目の道化師はおりませぇん☆」
自分がボカロを聞いてるなんて教えたことは一度もないから知ってる人なんていないはずだ。
「んん、冷たい飲み物を飲めばぁそりゃ体も余計に冷えまぁす。さすがに毛布などはありませぇんし…教本でもぉ燃やしてぇ焚き火でもしまぁすかぁ？」
お前、それでも宗教者の子供か…っ！！と、言いたくなるがどうやらこの教会は自分が名目上だけ所属している宗教とはまた別の宗教の教会だったらしい。他宗教の教本ならもやしていいよね☆
【ミライ】
「ボカロか。音楽とはいい趣味してるね」
ボカロ…誰か居たか？と考えを馳せるが、ミライに思い当たる人物はいなかった。それが悟られないように、ピエロの話題に乗る。
「いいね！」「あぁ、いいってのは教会を燃やすって意味じゃないけどね。暖を取るのは賛成さ」
「何か燃やしやすいものあるかい?」
そういって立ち上がると、おもむろに何か暖を取れるようなものを探し始める。ガラクタのありそうな物置などがあればいいのだが。
【五番目の道化師】
「そもそぉも、教会内でぇは暖を取るのぉはなぁかなぁか難しいでぇす」
そう言って、教壇の後ろに置いておいた奥の部屋から取ってきたであろうコートを手渡す。
「こういう場所にもぉ、あるものでぇすねぇ」
ちなみに奥の部屋には原住民と思わしき神父さんがいたが…とくに何も言われなかったのでスルーしてきた。
【ミライ】
「おや、意外と親切だね」
なんて失礼か。そう言いながら肩をすくめて苦笑いをした。コートを受け取ると、すぐさまそれを羽織ってみせた
「ありがとう、ずいぶん違うよ。まぁストーブとかにゃ負けるけどね」
ずいぶんな物言いではあるが、感謝しているようだった。するとミライは腕立てやスクワットなどの軽い運動をし始めた
「こうすると身体があったまるからね。よくやってるだろ?」「ディ○カバリーチャンネルとかでさ。極寒サバイバルの基本ってやつでさ」
【五番目の道化師】
「筋を動かすのは熱生産するのに一番効率の良い方法ですからね。凍死しないようにするにはそれが一番なんでしょう」
道化師は四角いカサカサなる物に触れながら苦笑した。どうやら、道化師の持っていた道具の中にホッカイロもあったらしい。ちなみに、体を動かそうとせずホッカイロで暖まっている理由と言えば簡単だ。
(筋トレって、疲れるんですよねぇ)
【ミライ】
「まァ他にも方法はあるだろうがね、私にはこれが性にあってるのさ」
苦笑するピエロを目に、そう言って運動をやめた。半分言い訳だったが、もう半分は真実だった。スクワットと腕立てで少し肩が上下しているが、流石に息切れするほどではなかった。
「さて…そろそろお暇しようかね。ここはもうアンタの場所みたいだし」「あぁ少なくとも今は、ね」
教会は一夜を明かすにはちょっとワイルドすぎる。それに洋風映画みたいに寒さで震えて朝目覚めるのはごめんだ。
「コート、ありがとね。助かったよ」
そのまま次の目的地を探そうと、ミライと名乗る桃色髪の女は教会の出口へ向かおうとした。
【五番目の道化師】
「そぉですかぁ…っと、その前にぃ、フレンド登録しときませぇんかぁ？」
そう言って取り出すのは端末である。
既に何人かと出会っているが…実質、登録できているのは二人だけ。できるだけ、連絡先は増やしておきたいのだ。
「なぁんだか、これから嫌な予感がぁするでぇす。ワタクシィはこの見た目でぇ、警戒されやすいのでぇ…連絡先教えてくれると助かりまぁす」
この嫌な予感は案外当たります。
【ミライ】
「ふゥん…ま、アンタ怪しいもんね。それに友達も少なそう」
笑って辛辣な言葉を投げかけるが、彼女も端末を取り出してみせた。それは質問に肯定を意味していた
「で?フレンド登録だっけ?」
実のところミライはフレンド登録をしたことがなかった。というのも、人を見かけても極力接触を避けていたからであるのだが。人に結構な言葉をかけた割に、ボッチなのは彼女の方であった
【五番目の道化師】
「えぇ、フレンド登録でぇす。申請送りますねぇ？」
そう言って、道化師は申請を送った。
【ミライ】
「はい承認、と。これでいいんだよね?」
送られてきたフレンド申請を許可して、端末のフレンドが増えた。記念すべき一号がピエロとはちょっとギャグみたいだ。
【五番目の道化師】
「助かりまぁす！」
スッゴい嬉しい。だって、本来の姿の時は身内以外の登録者二人だけだよ？しかも、友人じゃないし。
でも、今回は確実にクラスメイト！ピエロなんていう怪しい存在なのに三人も登録者ができてとても嬉しゅうございます☆
【ミライ】
「んじゃあ、色々ありがとね」「ほんと助かったよ、これはマジにね。」
ピエロに向かって端末をヒラヒラ揺らすと、ニコリと笑う。コートにクラスメイトらしきフレンド。中々の報酬だ、悪くない。
今度こそ教会と別れを告げよう。再び出口に向かう。
【五番目の道化師】
「えぇ、ではまぁた会いましょう」
今度は手を振って見送る。
次会うときにわたしが予感している悲劇が起こらなければ良いんだけど。
道化師は再び教壇の前で祈り始めたのだった。
不干渉性協力関係 2nd-9th
みかんちゃん(2nd)-マリア(9th)
【みかんちゃん】
ヒガンバナと名乗る少女と出会ってからホテルで部屋をとり数時間ほど一休み。
ホテルにあったある程度の防寒具を改めて身に纏うとコロパッドに示されている商店街とやらに行ってみることにした。
「…なぁんか本当に観光地って感じね。温泉饅頭でも売ってそうな勢いよ。」
商店街についての感想はそれくらい。
なんでこんなに設備が整っているのかなんて考えるだけ無駄かもしれないけれど、やはりそんな直ぐに区切りをつけれるわけでもない。
おっと、ポジティブにいかなくちゃ。
せっかくなら写真に収めておこうかしら？
なんて風景の写真を1枚。
ついでに自撮りでもう1枚。
【マリア】
『…随分、呑気ね。』
男性のような肢体をスーツに包み、顔を隠した異様な風采。
これが罰ゲームか何かならば、私は実に軽蔑するところだけれど、今の私のアドバンテージと差し引きするならば、割合大損ではないような気がしてしまっている。
それが、始まってからの所感。
そして今は、幾つか必要な物品(接着剤と裁縫道具が目当て)を手に入れに、商店街に出向き。
写真を撮っている人に出会った。
呑気だな、とだけ思う。
他には何も無い。
こんな馬鹿な状況で、一々まともな推察をやるだけ無駄だからだ。
『もう、始まってるのに。』
微かに仮面の内側で笑み。
そう、意味深に呟く。
【みかんちゃん】
「──はぁ、びっくりしたわ」
かけられた声に振り返ってびっくり仰天。
むちゃくちゃ怪しい風貌の奴がいたんだからそりゃそうでしょう。
心臓飛び出ちゃうかも思ったくらい。
クラスメイトにこんな人いたかしらなんてことは考えたりはしない。外見の違う今、考えるだけわからないのだから。
「呑気って言ったって…ほら、わけもわからない状況で不安になるくらいなら気を紛らわすこと一つや二つして表だけでも楽しまなくちゃ。」
恐らくクラスメイトというていで彼女の言葉に口を尖らせて一言。
それだけならそうやって終わったのだけれど、そんな意味ありげに始まってるだなんて言われたらせっかく紛らわした気持ちも不安が舞い戻ってしまうもの。思わず首を傾げた。
「始まってるって何がよ？もしかして…この状況について何か知ってるのかしら？」
【マリア】
『気を紛らわす、か……ふふ。』
失笑。
きっと、そんなことすぐに終わってしまうのになあとほくそ笑む。
私が悪い子になったというか、なんだろう。なぞなぞを出す側、答えを知った側って、きっとこんな意地悪な笑いをするのでしょう。
『……さあね。
全てを知ってるかも知れないし、何も知らないかもしれない。
もしかしたらその両方、かも。』
だから、適当にはぐらかして。
『…けれど。これから、とても、とても悲しい事が起きる。
だから、気をつけて。
そして―――――……
どうしても怖くなったら、この件に関しては話してあげる。
私は、大体の人間の味方だから。
役には、立てると思うよ。』
端末のフレンド登録を求む。
余所見したまま、ほら、と放り出す形で。
持っておいて損は無い、と。
【みかんちゃん】
「ふぅん…よくはわからないけど詮索するなってことと受け取っておくわね。」
はぐらかされたその応えに思わず苦笑。
彼女の言い方からして無理に聞いてもより不安になっちゃいそうだし。
死んだ事実がある以上ただの観光だなんて思っていないのは当たり前で、不吉な予感なんて誰しも想像しているはず。
ただ、今はまだ知りたくないとうのが本音。
「んと、まぁ…一応よろしくね？マリアちゃん。」
フレンド申請を承諾し、その名前を見て彼女の名前を把握した。
味方とかなんとかはとにかく置いといて関係を持てるだけ心強いものだと思いたい。
【マリア】
『よろしく。貴方は…2ndね。』
名前は、覚える気は無い。
救えたならば良いけれど。
救えなかったなら悲しいから。
終わったあと、彼が、私が、生きていたなら呼ぼうと思う。
ロマンチック？
馬鹿ね。
ただの感傷。
『ところで、2nd。あなたは見た感じ、人畜無害そうだから、提案。別に、大したことないけど。
"始まった"ら、私と、組んだ方が良い、それは、約束する。
どうする？乗る？乗らない？
一人で頑張る？』
基本的に、鼻が利く性分だ。
だから、大体の場合怖くない相手は判断出来ると思う。
色々あったからね。
それを踏まえて、提案する。
貴方は助けてあげても良い。
……嘘かもしれないけど。
なんて付け足すのは、口癖になりそうだからやめておいた。
【みかんちゃん】
彼女の口ぶりからして何れ始まるソレというのは組む組まないなど人の真偽を定める必要性が出てくるものなのだろう。
仮の姿仮の名前という時点でそんなことになっても納得できてしまうだろうし。
答えを言わなくたってそう言っているようなもの。
人間というものは察したくもないことを察してしまうのね。
ほんと、嫌ね。
「んっんー…そうね、それなら是非お願いしようかしら？」
もし何かあったならばそれはそこまでの話。
せっかく出会った人間がこうして協力しようというのだ。
断る理由なんてありはしないでしょう。
【マリア】
『……英断、ね。』
今度は、くすりともせず。
台本を読むように語れば、それだけ。それ以上の追求は無い。
なるだけ、感情移入は避けた方が良いと私は思っている。
どうせ、喪うかもしれないなら。
せめてその時、傷つかない方が良いのではないかと思うの。
『まあ、頑張って。どれだけ棄てられるか。それが、勝負。甘い言葉に騙されたらオワリよ。』
けれど、微かに残った良心で一応の忠言をすると。
その場を後にした。
裁縫セットと接着剤……
武器はそれだけで良い。
【みかんちゃん】
ヒガンバナと名乗る少女と出会ってからホテルで部屋をとり数時間ほど一休み。
ホテルにあったある程度の防寒具を改めて身に纏うとコロパッドに示されている商店街とやらに行ってみることにした。
「…なぁんか本当に観光地って感じね。温泉饅頭でも売ってそうな勢いよ。」
商店街についての感想はそれくらい。
なんでこんなに設備が整っているのかなんて考えるだけ無駄かもしれないけれど、やはりそんな直ぐに区切りをつけれるわけでもない。
おっと、ポジティブにいかなくちゃ。
せっかくなら写真に収めておこうかしら？
なんて風景の写真を1枚。
ついでに自撮りでもう1枚。
【マリア】
『…随分、呑気ね。』
男性のような肢体をスーツに包み、顔を隠した異様な風采。
これが罰ゲームか何かならば、私は実に軽蔑するところだけれど、今の私のアドバンテージと差し引きするならば、割合大損ではないような気がしてしまっている。
それが、始まってからの所感。
そして今は、幾つか必要な物品(接着剤と裁縫道具が目当て)を手に入れに、商店街に出向き。
写真を撮っている人に出会った。
呑気だな、とだけ思う。
他には何も無い。
こんな馬鹿な状況で、一々まともな推察をやるだけ無駄だからだ。
『もう、始まってるのに。』
微かに仮面の内側で笑み。
そう、意味深に呟く。
【みかんちゃん】
「──はぁ、びっくりしたわ」
かけられた声に振り返ってびっくり仰天。
むちゃくちゃ怪しい風貌の奴がいたんだからそりゃそうでしょう。
心臓飛び出ちゃうかも思ったくらい。
クラスメイトにこんな人いたかしらなんてことは考えたりはしない。外見の違う今、考えるだけわからないのだから。
「呑気って言ったって…ほら、わけもわからない状況で不安になるくらいなら気を紛らわすこと一つや二つして表だけでも楽しまなくちゃ。」
恐らくクラスメイトというていで彼女の言葉に口を尖らせて一言。
それだけならそうやって終わったのだけれど、そんな意味ありげに始まってるだなんて言われたらせっかく紛らわした気持ちも不安が舞い戻ってしまうもの。思わず首を傾げた。
「始まってるって何がよ？もしかして…この状況について何か知ってるのかしら？」
【マリア】
『気を紛らわす、か……ふふ。』
失笑。
きっと、そんなことすぐに終わってしまうのになあとほくそ笑む。
私が悪い子になったというか、なんだろう。なぞなぞを出す側、答えを知った側って、きっとこんな意地悪な笑いをするのでしょう。
『……さあね。
全てを知ってるかも知れないし、何も知らないかもしれない。
もしかしたらその両方、かも。』
だから、適当にはぐらかして。
『…けれど。これから、とても、とても悲しい事が起きる。
だから、気をつけて。
そして―――――……
どうしても怖くなったら、この件に関しては話してあげる。
私は、大体の人間の味方だから。
役には、立てると思うよ。』
端末のフレンド登録を求む。
余所見したまま、ほら、と放り出す形で。
持っておいて損は無い、と。
【みかんちゃん】
「ふぅん…よくはわからないけど詮索するなってことと受け取っておくわね。」
はぐらかされたその応えに思わず苦笑。
彼女の言い方からして無理に聞いてもより不安になっちゃいそうだし。
死んだ事実がある以上ただの観光だなんて思っていないのは当たり前で、不吉な予感なんて誰しも想像しているはず。
ただ、今はまだ知りたくないとうのが本音。
「んと、まぁ…一応よろしくね？マリアちゃん。」
フレンド申請を承諾し、その名前を見て彼女の名前を把握した。
味方とかなんとかはとにかく置いといて関係を持てるだけ心強いものだと思いたい。
【マリア】
『よろしく。貴方は…2ndね。』
名前は、覚える気は無い。
救えたならば良いけれど。
救えなかったなら悲しいから。
終わったあと、彼が、私が、生きていたなら呼ぼうと思う。
ロマンチック？
馬鹿ね。
ただの感傷。
『ところで、2nd。あなたは見た感じ、人畜無害そうだから、提案。別に、大したことないけど。
"始まった"ら、私と、組んだ方が良い、それは、約束する。
どうする？乗る？乗らない？
一人で頑張る？』
基本的に、鼻が利く性分だ。
だから、大体の場合怖くない相手は判断出来ると思う。
色々あったからね。
それを踏まえて、提案する。
貴方は助けてあげても良い。
……嘘かもしれないけど。
なんて付け足すのは、口癖になりそうだからやめておいた。
【みかんちゃん】
彼女の口ぶりからして何れ始まるソレというのは組む組まないなど人の真偽を定める必要性が出てくるものなのだろう。
仮の姿仮の名前という時点でそんなことになっても納得できてしまうだろうし。
答えを言わなくたってそう言っているようなもの。
人間というものは察したくもないことを察してしまうのね。
ほんと、嫌ね。
「んっんー…そうね、それなら是非お願いしようかしら？」
もし何かあったならばそれはそこまでの話。
せっかく出会った人間がこうして協力しようというのだ。
断る理由なんてありはしないでしょう。
【マリア】
『……英断、ね。』
今度は、くすりともせず。
台本を読むように語れば、それだけ。それ以上の追求は無い。
なるだけ、感情移入は避けた方が良いと私は思っている。
どうせ、喪うかもしれないなら。
せめてその時、傷つかない方が良いのではないかと思うの。
『まあ、頑張って。どれだけ棄てられるか。それが、勝負。甘い言葉に騙されたらオワリよ。』
けれど、微かに残った良心で一応の忠言をすると。
その場を後にした。
裁縫セットと接着剤……
武器はそれだけで良い。
極寒・狐と大和の百合デート 13th-20th
撫子(13th)-あいごころ。(20th)
【あいごころ。】
｢はぁ…｣
口からため息が出る。ドジを踏むわ写真は撮られるわで全くいいところ無しであった。2回も転んだおかげで体は汚れているし、そろそろ探索を打ち切って１回休むべきだろう。
｢たしか…商店街にお風呂があったかしら？混浴とかいう巫山戯たものだけれども…｣
背に腹は変えられないだろう。また1つため息をつくと、少し乱れた髪を整えて商店街へと向かった。
｢さて、ここね。…心無しか体がベタついている気がするわ｣
少しイライラしている。それもそのはず。現在進行形で黒歴史が出回りそうと知って平然としてはいられないだろう。
【撫子】
やっぱり寒い…速くホテル行きたい…
（そこに、小さく独り言を言いながら温泉のある建物から出てくる。
凍死の危機を脱して、なんとか通常まで回復したので、早く落ち着ける場所がほしいとホテルへと向かおうとしていた。）
【あいごころ。】
｢…あら？｣
入り口でばったりと出くわした。彼女の反応から見てどうやら参加者のようだ、と考える。少々意外なタイミングであったため、少しだけ驚いてしまう。
｢あら…ごめんなさい。もう少しでぶつかるところでしたわね。｣
そういって謝っておく。さて、彼女はどういう人物なのだろうか、という疑問を頭の隅に置いて。
【撫子】
っと…こっちもごめん、周り見てなかった…
（そう軽く会釈しながら謝る。寒くて声が震えているのは気にしないで行こう。
このとき、相手が誰とかそんなことは気にしていなかった。）
【あいごころ。】
｢あら…そんなに震えて大丈夫かしら？｣
彼女の様子を見る。温泉に入ったとはいえそこまで寒くなるものだろうか？と少し疑問に思うが、きっと出たあとにゆっくりしすぎたのだろうと頭の中に自己完結する。
｢そんなに寒いのならばもう1回入ってしまうのも手だとは思うのだけれど。｣
そういって彼女を呼び止めてみる。できれば温泉に入ることと彼女と話すこと。2つを同時にできないかなぁと希望的観測をしてみる。
【撫子】
大丈夫じゃない…けど、ずっとここにいるよりは落ち着けるところに行きたいから…
（少し震えながらそう答える。いくら寒いとはいえ、今温泉から出てきたばかりなのに入る気にはなれなかったようだ。）
【あいごころ。】
｢あら、そう…残念ね。｣
やはりそう都合よくは行かないようだ。と、なるとどちらかを諦めなければならないが…震えてる少女を置いて温泉に入るのは少々気が引けた。と、なれば…
｢…なら、ホテルまで一緒に行ってもいいかしら？話しながらなら気も紛れるし、何より軽く動けば体もあったまるでしょう？｣
そういって彼女の横に立ってみる。体は所々埃っぽいし、髪もザラザラしてて正直直ぐに体を流したくはあったのだが、ここは一緒に行くべきだろう。と、自分の欲を押さえつけ提案してみる。
【撫子】
…別にいいけど…温泉に入りに来たんじゃないの…？
（別に問いただしたいわけではなく、違うのか疑問に思ったからそう言っただけで特に意味はない。
逆に、状況を考えれば風呂に入りたいに決まっているのに疑問に思わない方がおかしかった。）
【あいごころ。】
｢ええ、それはもう入りたいわよ。とってもね。｣
ちらりと自分の体を見て言う。やっぱりベタついている気がするなぁと心の隅で考えて。
｢でも、一人でお風呂に入るのは少しばかり寂しいと思わないかしら？ほら、せっかく『混浴』なのだから。温泉に一人で入るのは、私としてはあまり好きではないわ。｣
と、本心を隠して伝えてみる。ただでさえ情報が少ないのだ。ちょっとでも手がかりを見つけようとするのは道理というものだろう。狐面を左手で触って少しクスリと笑ってみる。
さてさて、あなたはどんな人なのかしらね？
【撫子】
……寂しがり屋なの？てか混浴って言ってもどっちも女じゃん、見た目は…
（ズバッと言う。歯に衣着せぬというか、無遠慮というか。
まぁ混浴に関してはそんな酷いことは言ってない…はずだが。）
【あいごころ。】
｢あら、そうだったわね！｣
アハハっと大きな声で笑う。これは1本取られた、と言わんばかりに。お腹をちょっと抑えておかしくてたまらないといったふうに。
｢まあ、理由なんていいじゃない。早くしないと凍え死んじゃうんじゃないかしら？｣
そういって返す。ホテルまではそう遠くないはずだ、と頭の中で道を思い出しながら歩いていく。…が、やはり歩幅が合わない。相手にバレないように少し早歩きをしてみる。どうにかこれなら追いつけそうだ。心の中でそう安堵する。
【撫子】
………胡散臭い…
（ぼそりと呟く。別にウケを狙ったわけでもなければ、大して面白いことを言ったわけでもない。それでも大げさに笑うような人を怪しまないわけもなかった。）
………それはそうだね…
（さっき少し危なかった身分では、その言葉には従わないわけには行かなかった。
いや、今度はさっきみたいに走るわけでもなし、そこまで急に体を冷やすことはないだろうが。）
【あいごころ。】
｢狐というのは化かすのが得意だから、多少は胡散臭くてもしょうがない。そう思わないかしら？｣
軽口を返す。正直どこかの道化よりも道化地味たあの人に会って以来、どこか自分も道化地味たフリをしてしまう。ミーム汚染か何かかしら、と自分の中でありもしない冗談を言ってみる。
｢ああ、そうそう。この話題はギクシャクしてしまうし先に聞きたいのだけれど…｣
そう前置いて本題に入ってみる。少し狐面をずらして顔をもう少し隠す。そして横目で流すようにして、
｢あなたは、この状況どう考えるのかしら？｣
そう話しかけた。
もう、蝋燭の火はつけられているの。あなたはどのぐらいその火をもたせられるのかしら、とこころの中でちょっと、期待しながら。
【撫子】
（だから胡散臭いって、と思いながら無視した。自分が狐面着けてるからってそんな話し方する相手をどう思うかなんてもう言わなくてもいいくらいだろう。）
この状況…？………寒い…
（そういうことを聞いてるんじゃない。と言いたくなる返し方。
だが、これはわざと。全く信頼できない相手にわざわざ自分の考えを教える人がいるのか。だから敢えてめちゃくちゃなことを言ったりした。）
【あいごころ。】
｢あら、まだ寒いのね。ならもう少し歩きましょうか？｣
どうやらやっぱり簡単には信用してくれないようで。まあ、これで信用してしまうのもどうかと思うけれど。さて、ここからどう切り替えそうかと考えた時、それが目に入ってくる。それは商店街の一角に店を構えているクレープ屋。ふわふわな生クリームを黄色の生地が優しく包んでいて、そこから覗くバニラアイスとバナナの身。ふんだんにチョコソースもかかっているようだ。まあ、何が言いたいかと言うと…
｢……｣
いつの間にか足が止まっていた。食べたい。すごく食べたい。
｢…別に急ぎのようでもないのよね？ならちょっとぐらい寄り道しないかしら？ええ、別に少しぐらいなら、ね？ね？｣
さっきまでの雰囲気はどこへやら。そこにいるのは狐面を半分被った幼女だった。
【撫子】
………別にいいけど…早くしてね…？
（彼女の様子から何がしたいのか察すると、寒いから、というのを言外に言いながら急ぐように伝える。
ちなみに自分は食べないつもりでいる。寒い中アイス食べるとは拷問か、という話だ。）
【あいごころ。】
｢え、うん！もちろん！｣
そう答えると同時に既にクレープ屋に向かっていた。店員の元に行き手早く注文をする。
｢スーパーDXクリーム、バニラチョコバナナ増し増しクリーム添え＆デラックスソースチョコチップキャラメルポッキーマーブルチョコクリームを1つお願いするわ。｣
しばらくしてこれでもかと夢を詰め込んだクレープがやってくると、それを持って彼女の元に戻っていく。
｢お待たせしたわね…｣
一応謝罪の意を口にするが意識のほとんどはもうそのクレープにあった。食べたい。もう限界。食べる。小さい口でクリーム増し増しなクレープという名の海にかぶりつく。そして。
｢ぉいしいー…！！｣
うっとりとしたその表情は、もはや別人かと疑う程だろう。
【撫子】
…………もう行っていい？
（さっきの態度はどこへやったおい、と思いつつも指摘するのは面倒だったのでそれはスルーしてもうさっさと行っていいか訊ねる。
別に相手がクレープ食べてようがなんだろうと知ったことではなかった。ただ、早く暖かいところに行きたかった。）
【あいごころ。】
｢ほえ？ああ、ひひわほ(いいわよ)｣
口にいっぱいクリームを頬張りながら返事をする。クレープならば片手に持って歩くこともできるし、まあ問題ないだろう。というか食べるついでに歩く、と自分の中でメインが逆転しているのだが。欲張りに頬張ったせいで鼻にクリームがついている。
｢あ、そういえば話の続きだったわね〜｣
クレープを飲み込むと、なんでもないように言う。さっきまでの雰囲気はなく、ただ雑談するかのように話しかける。
｢生活できる環境までそろえて、犯人は何考えてるのかしらね。｣
【撫子】
まぁ確かに…あと生活しやすい服装を与えない犯人…もうちょっと気を遣ってもいいんじゃないと思う…
（と言ってからぶるっと身震いする。
確かに、この状況はおかしい。人の姿が変わってたり急に謎の雪国に飛ばされたり。
さらに、他の人は過ごしやすい格好なのになぜか自分だけ寒い格好だったり。）
【あいごころ。】
｢過ごしにくい格好なのは私も一緒かしらね。｣
黒い着物を見て言う。服装にも一貫性が見られないのはなにか理由があるのだろうか。そもそも名前を当てるだけならここまでして個性を強調するような必要はあるのだろうか？
｢これは…本当に面倒ね。｣
無意識に呟いていた。相手に聞こえていたかは定かではないが、少しばかり失敗したかな？とは思う。
｢…さて、これ以上冷えても困るわ。急ぎましょう。｣
そういって歩くスピードを早めようとするが…自分が既に早歩きしていることを思い出す。
(…これ以上は早く歩けないわね…)
【撫子】
夏用の着物着てる私程じゃないと思うよ…
（着物だって別に冬に着るものだってある。
ただ、これが通気性抜群すぎるだけだ。）
………？まぁ急ごっか…
（なんか言った？と思ったが追求しなかった。わざわざ誰かの独り言にまで首を突っ込む理由はないだろう。聞かれたくないことかもしれないのに。）
【あいごころ。】
｢はぁ…｣
口からため息が出る。ドジを踏むわ写真は撮られるわで全くいいところ無しであった。2回も転んだおかげで体は汚れているし、そろそろ探索を打ち切って１回休むべきだろう。
｢たしか…商店街にお風呂があったかしら？混浴とかいう巫山戯たものだけれども…｣
背に腹は変えられないだろう。また1つため息をつくと、少し乱れた髪を整えて商店街へと向かった。
｢さて、ここね。…心無しか体がベタついている気がするわ｣
少しイライラしている。それもそのはず。現在進行形で黒歴史が出回りそうと知って平然としてはいられないだろう。
【撫子】
やっぱり寒い…速くホテル行きたい…
（そこに、小さく独り言を言いながら温泉のある建物から出てくる。
凍死の危機を脱して、なんとか通常まで回復したので、早く落ち着ける場所がほしいとホテルへと向かおうとしていた。）
【あいごころ。】
｢…あら？｣
入り口でばったりと出くわした。彼女の反応から見てどうやら参加者のようだ、と考える。少々意外なタイミングであったため、少しだけ驚いてしまう。
｢あら…ごめんなさい。もう少しでぶつかるところでしたわね。｣
そういって謝っておく。さて、彼女はどういう人物なのだろうか、という疑問を頭の隅に置いて。
【撫子】
っと…こっちもごめん、周り見てなかった…
（そう軽く会釈しながら謝る。寒くて声が震えているのは気にしないで行こう。
このとき、相手が誰とかそんなことは気にしていなかった。）
【あいごころ。】
｢あら…そんなに震えて大丈夫かしら？｣
彼女の様子を見る。温泉に入ったとはいえそこまで寒くなるものだろうか？と少し疑問に思うが、きっと出たあとにゆっくりしすぎたのだろうと頭の中に自己完結する。
｢そんなに寒いのならばもう1回入ってしまうのも手だとは思うのだけれど。｣
そういって彼女を呼び止めてみる。できれば温泉に入ることと彼女と話すこと。2つを同時にできないかなぁと希望的観測をしてみる。
【撫子】
大丈夫じゃない…けど、ずっとここにいるよりは落ち着けるところに行きたいから…
（少し震えながらそう答える。いくら寒いとはいえ、今温泉から出てきたばかりなのに入る気にはなれなかったようだ。）
【あいごころ。】
｢あら、そう…残念ね。｣
やはりそう都合よくは行かないようだ。と、なるとどちらかを諦めなければならないが…震えてる少女を置いて温泉に入るのは少々気が引けた。と、なれば…
｢…なら、ホテルまで一緒に行ってもいいかしら？話しながらなら気も紛れるし、何より軽く動けば体もあったまるでしょう？｣
そういって彼女の横に立ってみる。体は所々埃っぽいし、髪もザラザラしてて正直直ぐに体を流したくはあったのだが、ここは一緒に行くべきだろう。と、自分の欲を押さえつけ提案してみる。
【撫子】
…別にいいけど…温泉に入りに来たんじゃないの…？
（別に問いただしたいわけではなく、違うのか疑問に思ったからそう言っただけで特に意味はない。
逆に、状況を考えれば風呂に入りたいに決まっているのに疑問に思わない方がおかしかった。）
【あいごころ。】
｢ええ、それはもう入りたいわよ。とってもね。｣
ちらりと自分の体を見て言う。やっぱりベタついている気がするなぁと心の隅で考えて。
｢でも、一人でお風呂に入るのは少しばかり寂しいと思わないかしら？ほら、せっかく『混浴』なのだから。温泉に一人で入るのは、私としてはあまり好きではないわ。｣
と、本心を隠して伝えてみる。ただでさえ情報が少ないのだ。ちょっとでも手がかりを見つけようとするのは道理というものだろう。狐面を左手で触って少しクスリと笑ってみる。
さてさて、あなたはどんな人なのかしらね？
【撫子】
……寂しがり屋なの？てか混浴って言ってもどっちも女じゃん、見た目は…
（ズバッと言う。歯に衣着せぬというか、無遠慮というか。
まぁ混浴に関してはそんな酷いことは言ってない…はずだが。）
【あいごころ。】
｢あら、そうだったわね！｣
アハハっと大きな声で笑う。これは1本取られた、と言わんばかりに。お腹をちょっと抑えておかしくてたまらないといったふうに。
｢まあ、理由なんていいじゃない。早くしないと凍え死んじゃうんじゃないかしら？｣
そういって返す。ホテルまではそう遠くないはずだ、と頭の中で道を思い出しながら歩いていく。…が、やはり歩幅が合わない。相手にバレないように少し早歩きをしてみる。どうにかこれなら追いつけそうだ。心の中でそう安堵する。
【撫子】
………胡散臭い…
（ぼそりと呟く。別にウケを狙ったわけでもなければ、大して面白いことを言ったわけでもない。それでも大げさに笑うような人を怪しまないわけもなかった。）
………それはそうだね…
（さっき少し危なかった身分では、その言葉には従わないわけには行かなかった。
いや、今度はさっきみたいに走るわけでもなし、そこまで急に体を冷やすことはないだろうが。）
【あいごころ。】
｢狐というのは化かすのが得意だから、多少は胡散臭くてもしょうがない。そう思わないかしら？｣
軽口を返す。正直どこかの道化よりも道化地味たあの人に会って以来、どこか自分も道化地味たフリをしてしまう。ミーム汚染か何かかしら、と自分の中でありもしない冗談を言ってみる。
｢ああ、そうそう。この話題はギクシャクしてしまうし先に聞きたいのだけれど…｣
そう前置いて本題に入ってみる。少し狐面をずらして顔をもう少し隠す。そして横目で流すようにして、
｢あなたは、この状況どう考えるのかしら？｣
そう話しかけた。
もう、蝋燭の火はつけられているの。あなたはどのぐらいその火をもたせられるのかしら、とこころの中でちょっと、期待しながら。
【撫子】
（だから胡散臭いって、と思いながら無視した。自分が狐面着けてるからってそんな話し方する相手をどう思うかなんてもう言わなくてもいいくらいだろう。）
この状況…？………寒い…
（そういうことを聞いてるんじゃない。と言いたくなる返し方。
だが、これはわざと。全く信頼できない相手にわざわざ自分の考えを教える人がいるのか。だから敢えてめちゃくちゃなことを言ったりした。）
【あいごころ。】
｢あら、まだ寒いのね。ならもう少し歩きましょうか？｣
どうやらやっぱり簡単には信用してくれないようで。まあ、これで信用してしまうのもどうかと思うけれど。さて、ここからどう切り替えそうかと考えた時、それが目に入ってくる。それは商店街の一角に店を構えているクレープ屋。ふわふわな生クリームを黄色の生地が優しく包んでいて、そこから覗くバニラアイスとバナナの身。ふんだんにチョコソースもかかっているようだ。まあ、何が言いたいかと言うと…
｢……｣
いつの間にか足が止まっていた。食べたい。すごく食べたい。
｢…別に急ぎのようでもないのよね？ならちょっとぐらい寄り道しないかしら？ええ、別に少しぐらいなら、ね？ね？｣
さっきまでの雰囲気はどこへやら。そこにいるのは狐面を半分被った幼女だった。
【撫子】
………別にいいけど…早くしてね…？
（彼女の様子から何がしたいのか察すると、寒いから、というのを言外に言いながら急ぐように伝える。
ちなみに自分は食べないつもりでいる。寒い中アイス食べるとは拷問か、という話だ。）
【あいごころ。】
｢え、うん！もちろん！｣
そう答えると同時に既にクレープ屋に向かっていた。店員の元に行き手早く注文をする。
｢スーパーDXクリーム、バニラチョコバナナ増し増しクリーム添え＆デラックスソースチョコチップキャラメルポッキーマーブルチョコクリームを1つお願いするわ。｣
しばらくしてこれでもかと夢を詰め込んだクレープがやってくると、それを持って彼女の元に戻っていく。
｢お待たせしたわね…｣
一応謝罪の意を口にするが意識のほとんどはもうそのクレープにあった。食べたい。もう限界。食べる。小さい口でクリーム増し増しなクレープという名の海にかぶりつく。そして。
｢ぉいしいー…！！｣
うっとりとしたその表情は、もはや別人かと疑う程だろう。
【撫子】
…………もう行っていい？
（さっきの態度はどこへやったおい、と思いつつも指摘するのは面倒だったのでそれはスルーしてもうさっさと行っていいか訊ねる。
別に相手がクレープ食べてようがなんだろうと知ったことではなかった。ただ、早く暖かいところに行きたかった。）
【あいごころ。】
｢ほえ？ああ、ひひわほ(いいわよ)｣
口にいっぱいクリームを頬張りながら返事をする。クレープならば片手に持って歩くこともできるし、まあ問題ないだろう。というか食べるついでに歩く、と自分の中でメインが逆転しているのだが。欲張りに頬張ったせいで鼻にクリームがついている。
｢あ、そういえば話の続きだったわね〜｣
クレープを飲み込むと、なんでもないように言う。さっきまでの雰囲気はなく、ただ雑談するかのように話しかける。
｢生活できる環境までそろえて、犯人は何考えてるのかしらね。｣
【撫子】
まぁ確かに…あと生活しやすい服装を与えない犯人…もうちょっと気を遣ってもいいんじゃないと思う…
（と言ってからぶるっと身震いする。
確かに、この状況はおかしい。人の姿が変わってたり急に謎の雪国に飛ばされたり。
さらに、他の人は過ごしやすい格好なのになぜか自分だけ寒い格好だったり。）
【あいごころ。】
｢過ごしにくい格好なのは私も一緒かしらね。｣
黒い着物を見て言う。服装にも一貫性が見られないのはなにか理由があるのだろうか。そもそも名前を当てるだけならここまでして個性を強調するような必要はあるのだろうか？
｢これは…本当に面倒ね。｣
無意識に呟いていた。相手に聞こえていたかは定かではないが、少しばかり失敗したかな？とは思う。
｢…さて、これ以上冷えても困るわ。急ぎましょう。｣
そういって歩くスピードを早めようとするが…自分が既に早歩きしていることを思い出す。
(…これ以上は早く歩けないわね…)
【撫子】
夏用の着物着てる私程じゃないと思うよ…
（着物だって別に冬に着るものだってある。
ただ、これが通気性抜群すぎるだけだ。）
………？まぁ急ごっか…
（なんか言った？と思ったが追求しなかった。わざわざ誰かの独り言にまで首を突っ込む理由はないだろう。聞かれたくないことかもしれないのに。）
奇妙な親子の仲 17th-24th
エム(17th)-痴漢者トーマス(24th)
【エム】
長時間の温泉に、少しのぼせ気味になった後、温泉といえば浴衣、という理論により用意していたそれを着て、ホテルに戻って向かったのはレストラン。
遊んで、お風呂、準備して、お風呂、とご飯を食べていたのを忘れていたのです。
浮かれていた、と言われればそれまでですが。
「〜〜〜〜♪」
そんなわけでレストランに赴き、注文したのはお子様ランチ。
理由といえば、あまり大食らいでもないし、ちょうどいい量だった、というのもあるが。
そのせいか、浴衣を着てレストランでお子様ランチを食べる幼女という、ハートフルな絵面が生まれていて……
【痴漢者トーマス】
いやー、流石に色々歩いてお腹空いたねー。次はハンバーグじゃなくてオムライスとかもいいねー。
…ｽﾝｽﾝ…お、この匂い…。食べ物に混ざってるけど…なんとなく…人間が居る気がするね？どんな人だろね？
(外をずっと歩いてて、お腹が空いたのだろう。なので、ホテルのレストランに食事をしにきたらしい。
しかし、なんの匂いを感じ取って人間がいると断じたのだろうか。まぁ、なんだかんだレストランに入り。)
……お、oh…少女…むしろ、幼女…？
……うーん、どう…なのね？幼女…えー、おさわり…おさわりありなのね？というか、可愛すぎて、眺めてるだけでセクハラになりかねないね？故にスルーね？いや、眺めるのがただのセクハラなら別に眺めてもいいね…？うーん…。
(幼女を見て。流石にセクハラしても良いのかを迷ったらしい。セクハラ…して…していいの？…まじでいいの？みたいな顔をしながら、幼女の近くの席へ。)
【エム】
「……？ こんにちは、お姉さん。ご飯食べに来たの？」
気がつけば近くの席に腰掛けたのは、まだ見知らぬお姉さん。
何やらブツブツと言っているが、その内容なんてこちらに届くようなことは無く。
ただ、どうもじっと見つめられていたからなんだろうと、考えれば案外直ぐに思いついて。
「お姉さんも一緒に食べよう？」
にこりと笑って、小首を傾げれば、わざとやってるのではないかと言うくらいにあざといそれを、あっさりとやってのけた。
【痴漢者トーマス】
オウラァ！！食べるネ！！今すぐ食べるネ！！かわいい！愛してるよッ！！いえーい！！
まぁー、そんなこと言ってもー、お姉さんはねー、フィアンセいるからねー、浮気はダメなんだねー。
(告白しながら席を移した。あと、パイナポちゃんを自分の妻にしようとするのも辞めるべき。)
ねぇ、ところでさ、名前はなんていうのね？本名は駄目だよ、偽名でね？
私は痴漢者トーマスって名前にしてるんだけどねー。
(やや早口自己紹介。)
【エム】
「えーっとね？ エムはエムって言うんだ。
ちかんしゃトーマス……分かりにくいからちかんお姉さんって呼ぶね？」
本来であれば、トーマスお姉さんとか、色々あるのだろうが、エムはどうも最初の単語を選んでしまったようで。
何故って、トーマスよりちかんの方が呼びやすいからにほかならないわけで。
他意はないです。
【痴漢者トーマス】
良いよ！いえーい、ちかんお姉さんだねー！
それで、よろしくねエムちゃん！超かわいいね！とところで、エムちゃんは一人？保護者の方は居ないのね？一人で大丈夫？大丈夫じゃないなら、私のね、養子になる？それとも実子になる？
(オムライスを頼みつつ、会話を続ける。
お姉さんとか呼ばれてすっごく嬉しそうだけど、母親まで進化することはないんだぞ。)
【エム】
「はぇ？ ちかんお姉さんがお母さんになってくれるの？」
エムちゃん、母親ができる……
「……いや、お母さんはいいかなぁ……」
……なんてことはもちろんなく。
さすがに初対面の年上をお母さんと呼ぶのは、気が引けるやら申し訳ないやらで、さすがに断わった。
「でも、ひとりはさびしいなって……お母さんにも会えないし……」
さっきまで、にこやかにご飯食べていたあの笑顔はどこへやら。
母親のことをどうも思い出してしまったようで、少々表情に陰りが見え始めていて……
【痴漢者トーマス】
うーん、そっか。お母さんは…そうだねー、難しいもんねー…。優しくて、強いからねぇ。私にはまだ、難しいかもねー…。
(自分も。母親のことは好きだし、ああいう風にはなれないと思ってる。…母さんか。いつ戻れるか分からないとなると、少し恋しい。)
うん、それでも、エムちゃんを一人にはさせないよ。いつだって、私が助けるね！もう、お姉ちゃんにはなったみたいだからねー。ええと…だから…エムちゃんが寂しくならないように、私頑張るね！
あと、私のお嫁さんにもエムちゃん紹介すれば、お姉ちゃんが二人になるんだよね！すごくない！？
(泣かせまいと必死である。まあ、母親に敵うものはそうそうないから、笑顔を見せても結局強がりなんじゃないかな、とは思うけど…)
【エム】
「……優しいね、ちかんお姉さん……わかった、こまったらお姉さんのこと探す……」
目尻に溜まった少しの涙を袖でぐしぐしと拭えば、最初の笑顔とはほど遠いにしろ、少し笑みを浮かべる。
お姉さんが増える、と言われれば、それも少し心の救いになったのだろう。
「……とりあえず、ご飯食べよう？」
冷めちゃうよ、とつけ加えれば少し冷めてしまったお子様ランチに再び手をつけた。
【痴漢者トーマス】
うんうん、私は…これからしばらくはホテルと温泉を周るのかな？フレンド登録して、お互いの位置とか送り会えればいいねー。まぁ、フレンドじゃなくて、もうファミリー登録で良いし、GPSとか作って困ったことになったらいつでも駆け付けられるようにしたいし…。ああ、パイナポちゃんともしたいなぁ、ファミリー登録…。
(コロパッドを取り出しながら独り言。大事なものは大体GPSという現代脳。数秒で正気を失うな。)
あ、そうだね…。…いつのまにか来てたね、オムライス…。
いただきますねー！…あー、ふわっふわで少しぐちゅっとした所もある…それがチキンライスと少し混ざっててー…。私こういうタイプのオムライスすっごく好きだねー…。
(正気に戻ってからコロパッドを机に置くと、オムライスを食べ始めた。)
【エム】
「うん、わかった、フレンド登録しよう？
……エムも、温泉行くから行く時呼んで欲しいな……？」
こちらもコロパッドを取り出せば、少したどたどしい手付きで起動し、フレンドの申請だけ送り、机に置く。
「…………うん、美味しいね！」
トロっフワッという表現がぴったりなオムライス。
さっきまで食べていて美味しかったけれど、やはり誰かと食べるものは感じ方が違うようで。
気がつけば、エムの表情から影は無くなっていた。
【痴漢者トーマス】
勿論ね！エムちゃんと一緒にお風呂…お風呂かぁ…。ｸｹｰｹｹｹｹ…。
(食べる片手間でフレンド登録を済ませ、コロパッドをしまう。しかし、不気味な笑い声である。)
…そう言えば、私もねー、ここで誰かと一緒に食べるのははじめてだねー。うーん、二人で食べれば美味しいならねー、あれだねー。三人とか四人で食べるともっと美味しいね？
あにゃあ…しかしオムライスうまぁ…。次の日は何食べよっかね…。トンカツも良いね、唐揚げ…唐揚げも…ありだねー。
(エムちゃんの陰がなくなって良かったなー、とか思いながら、オムライスパックパク。
唐揚げ君の時は別の席だし一緒に食べたってことにはしなかったらしいよ。)
【エム】
「じゃあ、次はもっとたくさんの人と食べたいね！」
やはり、ニコッと笑みをつかべて。
この状態だと、中身が女か男かなんて分からないし、本名もわからなければクラスメイトの誰かすらわからない。
本名を呼ばれたらあっさり死ぬ、という物騒なルールがあるけど、こうしてのんびり誰かと時間を過ごすのも、ありなのかもしれない。
「……ごちそうさまでした！！」
それからしばらくして、お子様ランチの量はさして多くないからか、割と早めに皿は空っぽになって。
手を合わせて、食後の挨拶を済ませた。
【痴漢者トーマス】
「そうだねぇ、沢山の人と…何食べるのねー？お寿司…お寿司とかよさそうねー？」
お寿司提案お姉さん。
「ごちそうさまでしたねー…。いやぁ、結構食べちゃった…もしかすると、ちかんお姉さん太っちゃうね？
あ、ところで、エムちゃんはこれからどうするね？」
こちらも同じ頃には食べ終わったのか、こちらも手を合わせて。
【エム】
「……えっとね、今日は色んなことがたくさんあって疲れちゃったから、お部屋で休もうかなって」
初っ端から混浴して、準備して混浴して、しかもこんな突飛な状況で、だ。
体力も無限にある訳ではあるまいし、やはり疲れてしまうのも仕方の無いことで。
「……お姉さんも一緒に休も？」
せっかくここまで優しくしてもらったなら、一緒に休んでも、悪くは無いかなって……
【痴漢者トーマス】
そうだねぇ、…うん、私も疲れたし、寝るねるね…。
寝りゅぅ！！ちかんお姉さんはエムちゃんと一緒におやすみするよぉぅ！！エムちゃん大好き！！自慢の妹！優しい女神様！！んにゃぁ、パイナポちゃんも連れてきて両手にっ、両手にお花畑欲しい！わがままになっちゃうっ！！
とにかく、まずはチェックイン…ちゃんとしたチェックインして、ちゃんとした部屋に…チェックイン…！
(一人で寝るつもりだったけど、エムちゃんが一緒に寝てくれるらしい。超うれしい、嬉死しかねない。
家族が増えてるよ。やったぜ。
席からバゴン！と立ち上がると、ハイテンションでフロントに走っていった。)
【エム】
長時間の温泉に、少しのぼせ気味になった後、温泉といえば浴衣、という理論により用意していたそれを着て、ホテルに戻って向かったのはレストラン。
遊んで、お風呂、準備して、お風呂、とご飯を食べていたのを忘れていたのです。
浮かれていた、と言われればそれまでですが。
「〜〜〜〜♪」
そんなわけでレストランに赴き、注文したのはお子様ランチ。
理由といえば、あまり大食らいでもないし、ちょうどいい量だった、というのもあるが。
そのせいか、浴衣を着てレストランでお子様ランチを食べる幼女という、ハートフルな絵面が生まれていて……
【痴漢者トーマス】
いやー、流石に色々歩いてお腹空いたねー。次はハンバーグじゃなくてオムライスとかもいいねー。
…ｽﾝｽﾝ…お、この匂い…。食べ物に混ざってるけど…なんとなく…人間が居る気がするね？どんな人だろね？
(外をずっと歩いてて、お腹が空いたのだろう。なので、ホテルのレストランに食事をしにきたらしい。
しかし、なんの匂いを感じ取って人間がいると断じたのだろうか。まぁ、なんだかんだレストランに入り。)
……お、oh…少女…むしろ、幼女…？
……うーん、どう…なのね？幼女…えー、おさわり…おさわりありなのね？というか、可愛すぎて、眺めてるだけでセクハラになりかねないね？故にスルーね？いや、眺めるのがただのセクハラなら別に眺めてもいいね…？うーん…。
(幼女を見て。流石にセクハラしても良いのかを迷ったらしい。セクハラ…して…していいの？…まじでいいの？みたいな顔をしながら、幼女の近くの席へ。)
【エム】
「……？ こんにちは、お姉さん。ご飯食べに来たの？」
気がつけば近くの席に腰掛けたのは、まだ見知らぬお姉さん。
何やらブツブツと言っているが、その内容なんてこちらに届くようなことは無く。
ただ、どうもじっと見つめられていたからなんだろうと、考えれば案外直ぐに思いついて。
「お姉さんも一緒に食べよう？」
にこりと笑って、小首を傾げれば、わざとやってるのではないかと言うくらいにあざといそれを、あっさりとやってのけた。
【痴漢者トーマス】
オウラァ！！食べるネ！！今すぐ食べるネ！！かわいい！愛してるよッ！！いえーい！！
まぁー、そんなこと言ってもー、お姉さんはねー、フィアンセいるからねー、浮気はダメなんだねー。
(告白しながら席を移した。あと、パイナポちゃんを自分の妻にしようとするのも辞めるべき。)
ねぇ、ところでさ、名前はなんていうのね？本名は駄目だよ、偽名でね？
私は痴漢者トーマスって名前にしてるんだけどねー。
(やや早口自己紹介。)
【エム】
「えーっとね？ エムはエムって言うんだ。
ちかんしゃトーマス……分かりにくいからちかんお姉さんって呼ぶね？」
本来であれば、トーマスお姉さんとか、色々あるのだろうが、エムはどうも最初の単語を選んでしまったようで。
何故って、トーマスよりちかんの方が呼びやすいからにほかならないわけで。
他意はないです。
【痴漢者トーマス】
良いよ！いえーい、ちかんお姉さんだねー！
それで、よろしくねエムちゃん！超かわいいね！とところで、エムちゃんは一人？保護者の方は居ないのね？一人で大丈夫？大丈夫じゃないなら、私のね、養子になる？それとも実子になる？
(オムライスを頼みつつ、会話を続ける。
お姉さんとか呼ばれてすっごく嬉しそうだけど、母親まで進化することはないんだぞ。)
【エム】
「はぇ？ ちかんお姉さんがお母さんになってくれるの？」
エムちゃん、母親ができる……
「……いや、お母さんはいいかなぁ……」
……なんてことはもちろんなく。
さすがに初対面の年上をお母さんと呼ぶのは、気が引けるやら申し訳ないやらで、さすがに断わった。
「でも、ひとりはさびしいなって……お母さんにも会えないし……」
さっきまで、にこやかにご飯食べていたあの笑顔はどこへやら。
母親のことをどうも思い出してしまったようで、少々表情に陰りが見え始めていて……
【痴漢者トーマス】
うーん、そっか。お母さんは…そうだねー、難しいもんねー…。優しくて、強いからねぇ。私にはまだ、難しいかもねー…。
(自分も。母親のことは好きだし、ああいう風にはなれないと思ってる。…母さんか。いつ戻れるか分からないとなると、少し恋しい。)
うん、それでも、エムちゃんを一人にはさせないよ。いつだって、私が助けるね！もう、お姉ちゃんにはなったみたいだからねー。ええと…だから…エムちゃんが寂しくならないように、私頑張るね！
あと、私のお嫁さんにもエムちゃん紹介すれば、お姉ちゃんが二人になるんだよね！すごくない！？
(泣かせまいと必死である。まあ、母親に敵うものはそうそうないから、笑顔を見せても結局強がりなんじゃないかな、とは思うけど…)
【エム】
「……優しいね、ちかんお姉さん……わかった、こまったらお姉さんのこと探す……」
目尻に溜まった少しの涙を袖でぐしぐしと拭えば、最初の笑顔とはほど遠いにしろ、少し笑みを浮かべる。
お姉さんが増える、と言われれば、それも少し心の救いになったのだろう。
「……とりあえず、ご飯食べよう？」
冷めちゃうよ、とつけ加えれば少し冷めてしまったお子様ランチに再び手をつけた。
【痴漢者トーマス】
うんうん、私は…これからしばらくはホテルと温泉を周るのかな？フレンド登録して、お互いの位置とか送り会えればいいねー。まぁ、フレンドじゃなくて、もうファミリー登録で良いし、GPSとか作って困ったことになったらいつでも駆け付けられるようにしたいし…。ああ、パイナポちゃんともしたいなぁ、ファミリー登録…。
(コロパッドを取り出しながら独り言。大事なものは大体GPSという現代脳。数秒で正気を失うな。)
あ、そうだね…。…いつのまにか来てたね、オムライス…。
いただきますねー！…あー、ふわっふわで少しぐちゅっとした所もある…それがチキンライスと少し混ざっててー…。私こういうタイプのオムライスすっごく好きだねー…。
(正気に戻ってからコロパッドを机に置くと、オムライスを食べ始めた。)
【エム】
「うん、わかった、フレンド登録しよう？
……エムも、温泉行くから行く時呼んで欲しいな……？」
こちらもコロパッドを取り出せば、少したどたどしい手付きで起動し、フレンドの申請だけ送り、机に置く。
「…………うん、美味しいね！」
トロっフワッという表現がぴったりなオムライス。
さっきまで食べていて美味しかったけれど、やはり誰かと食べるものは感じ方が違うようで。
気がつけば、エムの表情から影は無くなっていた。
【痴漢者トーマス】
勿論ね！エムちゃんと一緒にお風呂…お風呂かぁ…。ｸｹｰｹｹｹｹ…。
(食べる片手間でフレンド登録を済ませ、コロパッドをしまう。しかし、不気味な笑い声である。)
…そう言えば、私もねー、ここで誰かと一緒に食べるのははじめてだねー。うーん、二人で食べれば美味しいならねー、あれだねー。三人とか四人で食べるともっと美味しいね？
あにゃあ…しかしオムライスうまぁ…。次の日は何食べよっかね…。トンカツも良いね、唐揚げ…唐揚げも…ありだねー。
(エムちゃんの陰がなくなって良かったなー、とか思いながら、オムライスパックパク。
唐揚げ君の時は別の席だし一緒に食べたってことにはしなかったらしいよ。)
【エム】
「じゃあ、次はもっとたくさんの人と食べたいね！」
やはり、ニコッと笑みをつかべて。
この状態だと、中身が女か男かなんて分からないし、本名もわからなければクラスメイトの誰かすらわからない。
本名を呼ばれたらあっさり死ぬ、という物騒なルールがあるけど、こうしてのんびり誰かと時間を過ごすのも、ありなのかもしれない。
「……ごちそうさまでした！！」
それからしばらくして、お子様ランチの量はさして多くないからか、割と早めに皿は空っぽになって。
手を合わせて、食後の挨拶を済ませた。
【痴漢者トーマス】
「そうだねぇ、沢山の人と…何食べるのねー？お寿司…お寿司とかよさそうねー？」
お寿司提案お姉さん。
「ごちそうさまでしたねー…。いやぁ、結構食べちゃった…もしかすると、ちかんお姉さん太っちゃうね？
あ、ところで、エムちゃんはこれからどうするね？」
こちらも同じ頃には食べ終わったのか、こちらも手を合わせて。
【エム】
「……えっとね、今日は色んなことがたくさんあって疲れちゃったから、お部屋で休もうかなって」
初っ端から混浴して、準備して混浴して、しかもこんな突飛な状況で、だ。
体力も無限にある訳ではあるまいし、やはり疲れてしまうのも仕方の無いことで。
「……お姉さんも一緒に休も？」
せっかくここまで優しくしてもらったなら、一緒に休んでも、悪くは無いかなって……
【痴漢者トーマス】
そうだねぇ、…うん、私も疲れたし、寝るねるね…。
寝りゅぅ！！ちかんお姉さんはエムちゃんと一緒におやすみするよぉぅ！！エムちゃん大好き！！自慢の妹！優しい女神様！！んにゃぁ、パイナポちゃんも連れてきて両手にっ、両手にお花畑欲しい！わがままになっちゃうっ！！
とにかく、まずはチェックイン…ちゃんとしたチェックインして、ちゃんとした部屋に…チェックイン…！
(一人で寝るつもりだったけど、エムちゃんが一緒に寝てくれるらしい。超うれしい、嬉死しかねない。
家族が増えてるよ。やったぜ。
席からバゴン！と立ち上がると、ハイテンションでフロントに走っていった。)
湯の中とクラスメィト 17th-25th
エム(17th)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「くそう、せっかくの女体なのに、貧乳なんて……！」
(かくなる上は、他の人間の巨乳を拝むしかないっ！！
女性の体を手に入れた今、合法的に女湯に入れるはずだった。意気揚々とやってきた温泉は結局混浴だったわけだが、服を脱ぐ過程で、貧相な己の身体に嘆くのであった)
「よ、よし、入りますよ！人生初の女湯！俺は……いや、私は女、私は女！」
(意を決して浴場へ。欲情しながら浴場へ)
【エム】
しかし、意気揚々と入った浴場では、以上に静かだった。
シャワーの音もなく、湯けむりで視界も悪い。
「…………ふわぁ〜♪」
ただ、どうも先客はいたようで。
湯船の中、水面の上、プカプカと浮かぶ幼女が1人。
バスタオルで前を隠すなんてすることも無く、完全にフルオープン。
見えていいとことか見えちゃダメなところとか、その全部をさらけ出した状態で……
【柏木 愛】
「……おや？誰もいないのでしょうか……」
(ひたひたと浴場を歩く。湯船に近寄った所で……shocking！！全裸の幼女が浮いてるじゃねぇかっ！画面越しでしか女性の裸体を目にしたことがない彼にとって、その光景はあまりにも衝撃的だった。だがしかし……)
「つるぺたじゃないですかっ！！！！」
(温泉の中心で悲劇を叫ぶ)
【エム】
「はぇ……？」
急に聞こえた悲痛の叫び声に、急にどうしたと体を起こして湯船の縁に。
そして、声の当人の方をのぞき込んだ。
「…………あの、変な人ですか？」
湯船でぷかぷかしていた幼女もそれはそれで変なのだが、浴場で急に叫び出す相手も相手で変な人で。
エムからしたら、もしかしてこの人やばい人なんじゃ、という危惧すら出てくるあたり、相当警戒しているようで。
【柏木 愛】
「え、あ、いや……俺……じゃなくて私は、決して変な人じゃないですよ、はい！お風呂に入りきただけなのです。さあ、一緒に入りましょう。何も変なことではないのです。私は女なのですから」
(突然叫んでしまったのは不覚であった。目の前の幼女の警戒を解こうと、わざとらしく声を出しながら、エムの隣へとin to 湯船。
湯船に入る前は体を流さないとだめだぞ)
【エム】
「……そう、よかった〜」
俺、という不穏な言葉を気にした様子もなく、弁解は成功したようで、警戒を解いたように体を弛緩させた。
また体の力を抜いたからか、湯船の上にプカプカと浮かび始める。
「エムはエムって言うんだ、おに……お姉さんは？」
【柏木 愛】
「お、おお……？これは……」
(再び浮かび始める幼女の裸体を、チラチラ横目で……見てるつもりだが、気がつくと顔を向けて堂々とガン見していた。貧乳に価値はないと思っていたが、真近で見ると中々……これはこれで良いものがあるではないか)
「ハヒェ！？あ、私は、えっと……柏木 愛っていいます！もちろん偽名ですけどね、はは……」
(名前を問われるとびくりと身体を震わせ、直ぐに顔を逸らして素直に名乗る。既に男性であるとバレているのだろうか？彼は先程自分が、共有チャットで男子COしたことを忘れている)
【エム】
「……お兄さん、エッチぃのは嫌いですよ」
ここまであからさまに見られれば、さすがの幼女も男だと気づく。
とはいえ、別に堂々と見られたところで、興奮されるような肢体等持ち合わせていないが、不快なものは不快。
すぐに体をお湯に隠し、ジト目で柏木を睨み付けた。
【柏木 愛】
「ファッ！？あ、あ、いや、俺、私」
(男だとバレてる！？何故だ？身体も声も女子なのに、一体どこにバレる要素が？
素で混乱し、誤魔化そうとするが、万事休す)
「ご、ごめんなさいでしたぁ！！！どうしても女の子の身体が見たかったんです！許してください！なんでもしますから！」
(ザバァと湯船から上がり、石畳の床にヘッドバット土下座を連発するのであった)
【エム】
「…………もうここまで来ると、滑稽だな……」
全裸の女の子が土下座を連発する、しかも中身が男。
こっちは女で全裸を見られて……
なんだかもう、色々と呆れやら何やらで……
「…………お兄さん、恥ずかしくないんですか？」
ただただ、冷えきった目で、土下座をするお兄さんを見つめた。
【柏木 愛】
「お、お恥ずかしい限りでございます……！穴があったら入りたいとはまさにこのことっ……！
しかしですね、男子が女子の身体に欲情するのは自然の摂理だと思うんですよ。そもそも俺みたいなミジンコ隠キャは女子との接点が常日頃から少なすぎるから欲求不満がやばいというか、そういうことなんですよ。だから俺のことは嫌いになっても男子のことは嫌いにならないでください！でも出来れば俺のことも嫌いにならないで！」
(血の滲む額を地面に擦り付けたまま、懺悔する。しかし、彼にしては珍しく、本当に珍しく、自らの意見を露わにするのであった)
【エム】
「……はぁ、エム以外にしちゃダメですよ、こんなこと」
なんかもう、あれだ、かわいそうすぎて羞恥とかもろもろが吹き飛んでしまった。
男が女のアバターをつかうとこういう輩も出てくるのかと、フレンド登録した人に送っておこう。
それだけ決めれば、再びお兄さんをジト目で見ては、ぽんぽんと自分のとなりをたたく。
要は、こっちにおいで、ということらしい。
【柏木 愛】
「！？よ、よろしいのですか……！？」
(神？天使？仏？パイナポーもそうだったが、ここにいるのは人智を超えた存在ばかり？
後光の刺している(主観)幼女の尊さに感涙しながら、よろよろとその隣へ向かうのだった)
「はぁ〜〜……。なんか、あれですよね。こうやって一緒にお風呂に入るって……恋人みたいですよね！？」
(彼があまり人に好かれる性格でないことを推察するのは容易であった)
【エム】
「…………こいびとなら、ジロジロと女の子の体を見るようなかれしはすぐきらわれちゃうけどね」
相変わらず馴れ馴れしい隣の彼に辟易としながらも、こちらに来いと言ったのは自分なのだからと、話に付き合う幼女。
ただ、すこしその言葉にちょくちょく毒が入ってくるというのは、素なのか、はたまた……
【柏木 愛】
「そ、そうなんですか！？そうか、だから俺は年齢イコールなんですね……よく考えたら俺みたいな奴と付き合いたい奴なんていないですよね、そうですよね、ごめんなさい」
(痛いところを突かれ、ズルズルと顎まで湯に浸かる。すぐネガティブモードに入るのは彼のお家芸であった)
「そういえばエムさん、一応クラスメートなんですよね？エムさんみたいな人、全然知らないですよ……あ、俺はわかりやすいと思いますけどね。俺みたいなキモいしウザい奴他にいませんし……」
【エム】
「……知らなくて当然だよ」
ふっと、笑みを浮かべて。
その表情は、エムのそれとは大きく離れた、少し寂しげなものだったけど、それが出てきたのも一瞬で。
「…………名前呼ばれたいの？」
普段通りのエムの表情に戻れば、小首を傾げて問いかけたのはそれ。
自分はクラスメイトの中じゃわかりやすいだろ、なんて言われてしまえば、そういう判断になりかねなくて。
【柏木 愛】
「いやいや呼ばないでください！なんて物騒なこと仰るんですか！俺はただ、その……クラスメートなんですし、たとえ本名がバレても、大丈夫かなって、思うんですよ。殺してやろうとか、思わないですよね？
あ、俺のことはもしかして殺したいですか？そうですよね、俺ゴミクズですし、殺したいですよね……。でも殺さないでください！なんでもしますから！」
(命の危機迫る発言を受け、大袈裟に驚き、湯の水面を波立たせる。彼は良くも悪くも、クラスメートを信用しきっていた。
誰が狂気を秘めてるかも、そもそも自分は好かれる人間でもないことも、考えずに)
【エム】
「…………はぁ、クラスメイトにそんなこと言うもんじゃないよ」
信用しているなら、尚更ね。
そう告げればその頭をポンポンと撫でて、湯船から出ていく。
軽くのぼせ気味になってたんだろう、『エム』じゃ無くなってきてる。
とてとてと、相変わらずの幼女らしい歩き方をしながらも、はぁ、とため息混じりに浴場から出ていった。
柏木が出てきた頃になると、救急箱を持ってきて待ってたりするが。
【柏木 愛】
「くそう、せっかくの女体なのに、貧乳なんて……！」
(かくなる上は、他の人間の巨乳を拝むしかないっ！！
女性の体を手に入れた今、合法的に女湯に入れるはずだった。意気揚々とやってきた温泉は結局混浴だったわけだが、服を脱ぐ過程で、貧相な己の身体に嘆くのであった)
「よ、よし、入りますよ！人生初の女湯！俺は……いや、私は女、私は女！」
(意を決して浴場へ。欲情しながら浴場へ)
【エム】
しかし、意気揚々と入った浴場では、以上に静かだった。
シャワーの音もなく、湯けむりで視界も悪い。
「…………ふわぁ〜♪」
ただ、どうも先客はいたようで。
湯船の中、水面の上、プカプカと浮かぶ幼女が1人。
バスタオルで前を隠すなんてすることも無く、完全にフルオープン。
見えていいとことか見えちゃダメなところとか、その全部をさらけ出した状態で……
【柏木 愛】
「……おや？誰もいないのでしょうか……」
(ひたひたと浴場を歩く。湯船に近寄った所で……shocking！！全裸の幼女が浮いてるじゃねぇかっ！画面越しでしか女性の裸体を目にしたことがない彼にとって、その光景はあまりにも衝撃的だった。だがしかし……)
「つるぺたじゃないですかっ！！！！」
(温泉の中心で悲劇を叫ぶ)
【エム】
「はぇ……？」
急に聞こえた悲痛の叫び声に、急にどうしたと体を起こして湯船の縁に。
そして、声の当人の方をのぞき込んだ。
「…………あの、変な人ですか？」
湯船でぷかぷかしていた幼女もそれはそれで変なのだが、浴場で急に叫び出す相手も相手で変な人で。
エムからしたら、もしかしてこの人やばい人なんじゃ、という危惧すら出てくるあたり、相当警戒しているようで。
【柏木 愛】
「え、あ、いや……俺……じゃなくて私は、決して変な人じゃないですよ、はい！お風呂に入りきただけなのです。さあ、一緒に入りましょう。何も変なことではないのです。私は女なのですから」
(突然叫んでしまったのは不覚であった。目の前の幼女の警戒を解こうと、わざとらしく声を出しながら、エムの隣へとin to 湯船。
湯船に入る前は体を流さないとだめだぞ)
【エム】
「……そう、よかった〜」
俺、という不穏な言葉を気にした様子もなく、弁解は成功したようで、警戒を解いたように体を弛緩させた。
また体の力を抜いたからか、湯船の上にプカプカと浮かび始める。
「エムはエムって言うんだ、おに……お姉さんは？」
【柏木 愛】
「お、おお……？これは……」
(再び浮かび始める幼女の裸体を、チラチラ横目で……見てるつもりだが、気がつくと顔を向けて堂々とガン見していた。貧乳に価値はないと思っていたが、真近で見ると中々……これはこれで良いものがあるではないか)
「ハヒェ！？あ、私は、えっと……柏木 愛っていいます！もちろん偽名ですけどね、はは……」
(名前を問われるとびくりと身体を震わせ、直ぐに顔を逸らして素直に名乗る。既に男性であるとバレているのだろうか？彼は先程自分が、共有チャットで男子COしたことを忘れている)
【エム】
「……お兄さん、エッチぃのは嫌いですよ」
ここまであからさまに見られれば、さすがの幼女も男だと気づく。
とはいえ、別に堂々と見られたところで、興奮されるような肢体等持ち合わせていないが、不快なものは不快。
すぐに体をお湯に隠し、ジト目で柏木を睨み付けた。
【柏木 愛】
「ファッ！？あ、あ、いや、俺、私」
(男だとバレてる！？何故だ？身体も声も女子なのに、一体どこにバレる要素が？
素で混乱し、誤魔化そうとするが、万事休す)
「ご、ごめんなさいでしたぁ！！！どうしても女の子の身体が見たかったんです！許してください！なんでもしますから！」
(ザバァと湯船から上がり、石畳の床にヘッドバット土下座を連発するのであった)
【エム】
「…………もうここまで来ると、滑稽だな……」
全裸の女の子が土下座を連発する、しかも中身が男。
こっちは女で全裸を見られて……
なんだかもう、色々と呆れやら何やらで……
「…………お兄さん、恥ずかしくないんですか？」
ただただ、冷えきった目で、土下座をするお兄さんを見つめた。
【柏木 愛】
「お、お恥ずかしい限りでございます……！穴があったら入りたいとはまさにこのことっ……！
しかしですね、男子が女子の身体に欲情するのは自然の摂理だと思うんですよ。そもそも俺みたいなミジンコ隠キャは女子との接点が常日頃から少なすぎるから欲求不満がやばいというか、そういうことなんですよ。だから俺のことは嫌いになっても男子のことは嫌いにならないでください！でも出来れば俺のことも嫌いにならないで！」
(血の滲む額を地面に擦り付けたまま、懺悔する。しかし、彼にしては珍しく、本当に珍しく、自らの意見を露わにするのであった)
【エム】
「……はぁ、エム以外にしちゃダメですよ、こんなこと」
なんかもう、あれだ、かわいそうすぎて羞恥とかもろもろが吹き飛んでしまった。
男が女のアバターをつかうとこういう輩も出てくるのかと、フレンド登録した人に送っておこう。
それだけ決めれば、再びお兄さんをジト目で見ては、ぽんぽんと自分のとなりをたたく。
要は、こっちにおいで、ということらしい。
【柏木 愛】
「！？よ、よろしいのですか……！？」
(神？天使？仏？パイナポーもそうだったが、ここにいるのは人智を超えた存在ばかり？
後光の刺している(主観)幼女の尊さに感涙しながら、よろよろとその隣へ向かうのだった)
「はぁ〜〜……。なんか、あれですよね。こうやって一緒にお風呂に入るって……恋人みたいですよね！？」
(彼があまり人に好かれる性格でないことを推察するのは容易であった)
【エム】
「…………こいびとなら、ジロジロと女の子の体を見るようなかれしはすぐきらわれちゃうけどね」
相変わらず馴れ馴れしい隣の彼に辟易としながらも、こちらに来いと言ったのは自分なのだからと、話に付き合う幼女。
ただ、すこしその言葉にちょくちょく毒が入ってくるというのは、素なのか、はたまた……
【柏木 愛】
「そ、そうなんですか！？そうか、だから俺は年齢イコールなんですね……よく考えたら俺みたいな奴と付き合いたい奴なんていないですよね、そうですよね、ごめんなさい」
(痛いところを突かれ、ズルズルと顎まで湯に浸かる。すぐネガティブモードに入るのは彼のお家芸であった)
「そういえばエムさん、一応クラスメートなんですよね？エムさんみたいな人、全然知らないですよ……あ、俺はわかりやすいと思いますけどね。俺みたいなキモいしウザい奴他にいませんし……」
【エム】
「……知らなくて当然だよ」
ふっと、笑みを浮かべて。
その表情は、エムのそれとは大きく離れた、少し寂しげなものだったけど、それが出てきたのも一瞬で。
「…………名前呼ばれたいの？」
普段通りのエムの表情に戻れば、小首を傾げて問いかけたのはそれ。
自分はクラスメイトの中じゃわかりやすいだろ、なんて言われてしまえば、そういう判断になりかねなくて。
【柏木 愛】
「いやいや呼ばないでください！なんて物騒なこと仰るんですか！俺はただ、その……クラスメートなんですし、たとえ本名がバレても、大丈夫かなって、思うんですよ。殺してやろうとか、思わないですよね？
あ、俺のことはもしかして殺したいですか？そうですよね、俺ゴミクズですし、殺したいですよね……。でも殺さないでください！なんでもしますから！」
(命の危機迫る発言を受け、大袈裟に驚き、湯の水面を波立たせる。彼は良くも悪くも、クラスメートを信用しきっていた。
誰が狂気を秘めてるかも、そもそも自分は好かれる人間でもないことも、考えずに)
【エム】
「…………はぁ、クラスメイトにそんなこと言うもんじゃないよ」
信用しているなら、尚更ね。
そう告げればその頭をポンポンと撫でて、湯船から出ていく。
軽くのぼせ気味になってたんだろう、『エム』じゃ無くなってきてる。
とてとてと、相変わらずの幼女らしい歩き方をしながらも、はぁ、とため息混じりに浴場から出ていった。
柏木が出てきた頃になると、救急箱を持ってきて待ってたりするが。
柄に合わないことなど、 18th-22nd
唐揚げ食べたい(18th)-フェルナ(22nd)
【唐揚げ食べたい】
「…………………」
(彼は今、ショッピングモール無いのプラネタリウムに居る。ブランコから移動した理由はただ一つ、飽きたからだ。
天を見上げ、天体の様子を観測している。それはもう"俺、天体詳しいんで☆"的な冷静な表情で。
だ が し か し 、
彼は全く知らない。空のことなど、1mmも知らない。それ故に、観測しているフリをして彼は寝ている。すやぁ…と夢の中である。
夢の内容は覚えていることはないだろうが、プラネタリウムでただ一人寝ている…となれば、当然周囲とは浮いている。
真ん中の席にいることもあってか、プラネタリウムに入れば嫌にでも目に付くだろう。)
「………(¦3ꇤ[▓▓] 」
【フェルナ】
後々、ここが戦場と化す可能性。
それを捨てきれない少女は不安になるもので、あらゆる場所の特徴を掴もうと周ってしまう。そんなわけでショッピングモールの店も一々訪れている。
「…ここって、寝室だったのか？」
プラネタリウムもその一つなのだが、どうやら場所を間違えたのだろう。ど真ん中の席で堂々と眠りに就いている誰かが居た。
「おい、起きろ。殺されるぞ。」
警戒はしておくに越したことはない。寧ろ優しい少女が最初に見つけて良かったと思える程だ。
そいつの耳に少し煩く感じるような声で、起床を催促する。
【唐揚げ食べたい】
「………ハッ��(ﾟДﾟ)………ちーっす」
(声を掛けられ、起床。周りをキョロキョロと見渡し、人を発見する。
多分きっと恐らく絶対この人が俺のことを起こしたんだろう。
さあ、崇めたまえ。唐揚げ王子(笑)の起床だ。
チャラい人が可愛いおねーさんを見つけた時の挨拶の如く「ちょりーす」と言えば、それに合わせて右手をチョキの形で顔の前で軽く振る感じの仕草。あれ。)
「人が寝てたってのになんだよ〜、殺されるっておまっ…お前〜〜！お前お前お前〜〜！！
冗談はほどほどにしとけよナ〜ッ☆彡」
(どうやら寝惚けているようで、"冗談"で済まそうとしている。
元から現状が把握出来ていないのか、…それとも演技か。
…多分、考えるだけで無駄だね☆コイツアホだから何しでかすか分からないもんね☆)
【フェルナ】
「おう、ちーっす。そろそろその軽口も言えなくなるかもな、うん？」
残念な事に、この子に愛想というものは通じない訳で。寧ろ遠回しに『氏ね』とでも言っているような口調だ。まあ、半分本気ではないが。
「寝てたから殺されるんだよばーか。こんな昼間に無防備な身体を投げ出してみろ、格好の的だぞ。それで良いのか？
『プラネタリウムのど真ん中で星の仲間入りを果たしちゃいました☆』みたいになるぞ？」
【唐揚げ食べたい】
「ナハハ、安心してくれよ〜！俺が喋らなくなる時は死ぬ時だけだぜ☆」
( だ か ら そ の 死 ぬ 時 だ と 。
バカなのかな？？…バカだった！コイツバカだったわ。
止まりそうもない。現実を受け止められてないんだろうな可哀想にね。…それとも、受け止めた上でのこれなのか？そうだとしたらかなり頭可笑しい(自負)。)
「あそっかぁ。…星になるのも悪くねぇかもなぁ…なんつって！死にたかねぇな、そうかそうか。
本名バレたら死ぬらしいもんなァ、…」
(何処か他人事のように呟く。こんなヤバい場所に居るのは紛れも無く自分自身な訳だが。
夢心地なのだろう、仕方ない。起きたばっかりだからね。
死ぬっていうのも、実感が湧かないし。
だってクラスメイトなんだろ？多分。…じゃあ別に殺されなくね？(早計)
…と言ったところか。彼の心は。
ただまあ、万が一の為に交友を広げておくのも悪くないな、と。俺、そう思うんだ。)
「アッ、てかお前名前なんつーの？？
俺は"唐揚げ食べたい"な！共有チャットにも何回か書き込んでるダロ？それ俺だぜェ！」
【フェルナ】
「おう、そうだな。凄く当たり前の事を確認してくる辺りがもう最高に馬鹿だ。」
悲しいな。何で少女はこんな奴と話しているんだろうか。根本的に話が噛み合っていない説が浮上しつつあることに、非常に悔やんでいる。
申し訳ない、神様。こんな奴が地球上の空気を吸ってしまっていることを、代わりに謝っておこう。
「皆、本名の話ばっかりしてるんだな。何というか…つまらん。」
重要なルールはもっと存在しているだろうに、皆が皆名前ばかりを気にする。本名なんて、こんな所に居たら勝手に見つかっていくものだ。
「ああ、あれか。いつもイカれた通知でこっちはお腹いっぱいなんだ、早く止めてくれ、反吐が出る。
…とまあ、名乗ってくれたからには此方も教えておこう。フェルナだ。覚えても、覚えなくても良い。」
【唐揚げ食べたい】
「ふふ、…
…ああ、フェルナちゃんね！ハァイ登録登録〜！」
(彼女の呟いた言葉を聞いて密かに笑えば、"OK！"と言ってコロパットを取り出してフレンド申請を送り。
まあ、フレンドは作るだけ得だろう。…何かの罠に巻き込まれる可能性が広がる、という点だけ除けばね。
それにしても、本名か。
嗚呼、そういや。…クラスメイトには些か面倒な名前の人間がチラホラいた気がする。
まあ、どうでもいいか。)
「いやー、にしても怖いね！こんなところに連れられてきて"バカンスを楽しめー！"って。
絶対何かあるフラグでしょ？ビンゴ大会でもなんのかなァ！！
嗚呼、でもそうか。…死ぬとビンゴは一緒にはならないねぇ…………
じゃあ、人狼とかかな？…──いや、それにしては人数が多いかもね。」
("早く止めてくれ"なんて、止まるわけないだろ？俺は止まらねぇからよ、的な。止まるんじゃねぇぞ…、的な。
それどころか話は加速していく。いやしかし、その9割は適当でありこの男の妄想的独り言な訳だが。
独り言を終えたところで、フェルナへ話しかけた。)
「お前は、どう思う？」
【フェルナ】
早速フレンド通知が来た。
…平和の為に切っておこうか、とても悩み所だ。
「………うん？」
え、何。今少女に投げたのか？
ちょっと待て、彼は一体何に対して質問を投げたと言うんだ。考えて考えて考えること5秒。
途中で投げ出した包帯少女であった。
「そうだな。」
【唐揚げ食べたい】
「そうだよねェ…って、おーい！！オイオイオーイ！！！
お前話聞いてなかっただろォ！まあいいけどよ、それ多分俺以外の人にやったら嫌われるぜソレ。
嫌われる勇気、ってか。…クッ、ププ…」
(自分で"嫌われる勇気"やら突っ込んで来といて、自分で笑うのはルール違反(？)だろう唐揚げくん。自分のネタで笑うとかやめたまえ。(…中の人もやるけど)
まあ、いいや。
多分似たような考えしかないだろ、と踏み。質問を繰り返すことはせず。
プラネタリウムの椅子から立ち上がり。)
「じゃあ、俺はホラ。…別のとこバカンスしてくっから！何かあったら個人チャットに頼むぜ、フェルナちゃんよ。
俺たち仲間だもんな！…なんてな、はは。…あっ、起こしてくれてありがとなァ！」
(と言いながら、そのまま歩き。プラネタリウムコーナーから出ようと。
やはり、気分屋といったところか。気紛れに観光(バカンス)しているらしい。
仲間。
…あーあ、そうだよ。仲間、だもんな。クラスメイトっていう、大きな。
でも、これでその仲間も崩れる。きっと、"死"が人を狂わせる。
なんていうのは、勝手な憶測でしかないけど。
そういう考えは柄に合わないな、と。
考えてみてから思ったりした。)
【唐揚げ食べたい】
「…………………」
(彼は今、ショッピングモール無いのプラネタリウムに居る。ブランコから移動した理由はただ一つ、飽きたからだ。
天を見上げ、天体の様子を観測している。それはもう"俺、天体詳しいんで☆"的な冷静な表情で。
だ が し か し 、
彼は全く知らない。空のことなど、1mmも知らない。それ故に、観測しているフリをして彼は寝ている。すやぁ…と夢の中である。
夢の内容は覚えていることはないだろうが、プラネタリウムでただ一人寝ている…となれば、当然周囲とは浮いている。
真ん中の席にいることもあってか、プラネタリウムに入れば嫌にでも目に付くだろう。)
「………(¦3ꇤ[▓▓] 」
【フェルナ】
後々、ここが戦場と化す可能性。
それを捨てきれない少女は不安になるもので、あらゆる場所の特徴を掴もうと周ってしまう。そんなわけでショッピングモールの店も一々訪れている。
「…ここって、寝室だったのか？」
プラネタリウムもその一つなのだが、どうやら場所を間違えたのだろう。ど真ん中の席で堂々と眠りに就いている誰かが居た。
「おい、起きろ。殺されるぞ。」
警戒はしておくに越したことはない。寧ろ優しい少女が最初に見つけて良かったと思える程だ。
そいつの耳に少し煩く感じるような声で、起床を催促する。
【唐揚げ食べたい】
「………ハッ��(ﾟДﾟ)………ちーっす」
(声を掛けられ、起床。周りをキョロキョロと見渡し、人を発見する。
多分きっと恐らく絶対この人が俺のことを起こしたんだろう。
さあ、崇めたまえ。唐揚げ王子(笑)の起床だ。
チャラい人が可愛いおねーさんを見つけた時の挨拶の如く「ちょりーす」と言えば、それに合わせて右手をチョキの形で顔の前で軽く振る感じの仕草。あれ。)
「人が寝てたってのになんだよ〜、殺されるっておまっ…お前〜〜！お前お前お前〜〜！！
冗談はほどほどにしとけよナ〜ッ☆彡」
(どうやら寝惚けているようで、"冗談"で済まそうとしている。
元から現状が把握出来ていないのか、…それとも演技か。
…多分、考えるだけで無駄だね☆コイツアホだから何しでかすか分からないもんね☆)
【フェルナ】
「おう、ちーっす。そろそろその軽口も言えなくなるかもな、うん？」
残念な事に、この子に愛想というものは通じない訳で。寧ろ遠回しに『氏ね』とでも言っているような口調だ。まあ、半分本気ではないが。
「寝てたから殺されるんだよばーか。こんな昼間に無防備な身体を投げ出してみろ、格好の的だぞ。それで良いのか？
『プラネタリウムのど真ん中で星の仲間入りを果たしちゃいました☆』みたいになるぞ？」
【唐揚げ食べたい】
「ナハハ、安心してくれよ〜！俺が喋らなくなる時は死ぬ時だけだぜ☆」
( だ か ら そ の 死 ぬ 時 だ と 。
バカなのかな？？…バカだった！コイツバカだったわ。
止まりそうもない。現実を受け止められてないんだろうな可哀想にね。…それとも、受け止めた上でのこれなのか？そうだとしたらかなり頭可笑しい(自負)。)
「あそっかぁ。…星になるのも悪くねぇかもなぁ…なんつって！死にたかねぇな、そうかそうか。
本名バレたら死ぬらしいもんなァ、…」
(何処か他人事のように呟く。こんなヤバい場所に居るのは紛れも無く自分自身な訳だが。
夢心地なのだろう、仕方ない。起きたばっかりだからね。
死ぬっていうのも、実感が湧かないし。
だってクラスメイトなんだろ？多分。…じゃあ別に殺されなくね？(早計)
…と言ったところか。彼の心は。
ただまあ、万が一の為に交友を広げておくのも悪くないな、と。俺、そう思うんだ。)
「アッ、てかお前名前なんつーの？？
俺は"唐揚げ食べたい"な！共有チャットにも何回か書き込んでるダロ？それ俺だぜェ！」
【フェルナ】
「おう、そうだな。凄く当たり前の事を確認してくる辺りがもう最高に馬鹿だ。」
悲しいな。何で少女はこんな奴と話しているんだろうか。根本的に話が噛み合っていない説が浮上しつつあることに、非常に悔やんでいる。
申し訳ない、神様。こんな奴が地球上の空気を吸ってしまっていることを、代わりに謝っておこう。
「皆、本名の話ばっかりしてるんだな。何というか…つまらん。」
重要なルールはもっと存在しているだろうに、皆が皆名前ばかりを気にする。本名なんて、こんな所に居たら勝手に見つかっていくものだ。
「ああ、あれか。いつもイカれた通知でこっちはお腹いっぱいなんだ、早く止めてくれ、反吐が出る。
…とまあ、名乗ってくれたからには此方も教えておこう。フェルナだ。覚えても、覚えなくても良い。」
【唐揚げ食べたい】
「ふふ、…
…ああ、フェルナちゃんね！ハァイ登録登録〜！」
(彼女の呟いた言葉を聞いて密かに笑えば、"OK！"と言ってコロパットを取り出してフレンド申請を送り。
まあ、フレンドは作るだけ得だろう。…何かの罠に巻き込まれる可能性が広がる、という点だけ除けばね。
それにしても、本名か。
嗚呼、そういや。…クラスメイトには些か面倒な名前の人間がチラホラいた気がする。
まあ、どうでもいいか。)
「いやー、にしても怖いね！こんなところに連れられてきて"バカンスを楽しめー！"って。
絶対何かあるフラグでしょ？ビンゴ大会でもなんのかなァ！！
嗚呼、でもそうか。…死ぬとビンゴは一緒にはならないねぇ…………
じゃあ、人狼とかかな？…──いや、それにしては人数が多いかもね。」
("早く止めてくれ"なんて、止まるわけないだろ？俺は止まらねぇからよ、的な。止まるんじゃねぇぞ…、的な。
それどころか話は加速していく。いやしかし、その9割は適当でありこの男の妄想的独り言な訳だが。
独り言を終えたところで、フェルナへ話しかけた。)
「お前は、どう思う？」
【フェルナ】
早速フレンド通知が来た。
…平和の為に切っておこうか、とても悩み所だ。
「………うん？」
え、何。今少女に投げたのか？
ちょっと待て、彼は一体何に対して質問を投げたと言うんだ。考えて考えて考えること5秒。
途中で投げ出した包帯少女であった。
「そうだな。」
【唐揚げ食べたい】
「そうだよねェ…って、おーい！！オイオイオーイ！！！
お前話聞いてなかっただろォ！まあいいけどよ、それ多分俺以外の人にやったら嫌われるぜソレ。
嫌われる勇気、ってか。…クッ、ププ…」
(自分で"嫌われる勇気"やら突っ込んで来といて、自分で笑うのはルール違反(？)だろう唐揚げくん。自分のネタで笑うとかやめたまえ。(…中の人もやるけど)
まあ、いいや。
多分似たような考えしかないだろ、と踏み。質問を繰り返すことはせず。
プラネタリウムの椅子から立ち上がり。)
「じゃあ、俺はホラ。…別のとこバカンスしてくっから！何かあったら個人チャットに頼むぜ、フェルナちゃんよ。
俺たち仲間だもんな！…なんてな、はは。…あっ、起こしてくれてありがとなァ！」
(と言いながら、そのまま歩き。プラネタリウムコーナーから出ようと。
やはり、気分屋といったところか。気紛れに観光(バカンス)しているらしい。
仲間。
…あーあ、そうだよ。仲間、だもんな。クラスメイトっていう、大きな。
でも、これでその仲間も崩れる。きっと、"死"が人を狂わせる。
なんていうのは、勝手な憶測でしかないけど。
そういう考えは柄に合わないな、と。
考えてみてから思ったりした。)
道化師の受難(？)・不思議と未知編 3rd-9th
五番目の道化師(3rd)-マリア(9th)
【五番目の道化師】
教会のあった西エリアの別の場所。
古ぼけた大きな病院で道化師はなにかを探すようにして歩き回っていた。その手にはどこから採取してきたのかわからない黄色の花の活けられた花瓶。どうやら道化師は異なる場所だと分かっていても誰かに花を渡すためにここに来たらしい。もちろん、道化師自身もここに誰かがいないことはわかっているが…病院があるとわかるとわざわざ出直してまで花を取ってきたのだ。
「…会いたいでぇす」
ここに来て、約1日しか経っていないのにも関わらず、既に家に帰りたい衝動に襲われている道化師は誰かが入院していた部屋にそっくりな場所を探して廊下を歩いていた。
【マリア】
『…誰に？』
麻酔薬か何かと思われる角瓶を、商店街から拝借した鞄に、裁縫セットと接着剤と、共に詰め。
諸々の用意が済んだ頃。
花を捧げる道化師を見つけ、自分でも驚く程に響いた声に、仮面の下で私は顔を顰めつつ、藪から棒に話しかける。
特に、取り立てて興味があった訳では無い。誰に花をあげようが構うまい。けれど。
病人や怪我人でも入院していたりするのだとしたら、目をつけておく必要がある。
何故？
さあね。好きに解釈しなさい。
『それとも…何に？』
【五番目の道化師】
「此処にはいなぁい、大切な人にでぇす」
病室に入り、花瓶を台の上に置く。
病室には入院患者らしき人は誰もおらず、未使用のベットばかりが置いてある部屋だった。
「病院を見つけたのでぇ、つい花を添えたぁくなったでぇす…」
あまり目を開けてくれない、目を覚ましても記憶が消失していってしまう誰かのために手向ける花。道化師はそれを見つめながら寂しそうに空のベットに腰かけた。
【マリア】
『……変なの。』
一蹴。
私には、ああそれはそれは素敵ね、なんて言い出す叙情詩的な感性はない。
要するに、墓を見つけたから、知り合いの故人の墓だと思って花を供える、みたいな話に聞こえた。
変なの、でも別に間違いではないだろう。相手も、それを自覚してのことなのであろうし。
『でも、気持ちは分からなくないよ。私にも、遠くに行った人、今は会えない人、今から、会いに行く人、沢山、いるから。』
が。
気持ちは分からなくない。
余程大事な人なんだろう。
なら、それを偲ぶ気持ちくらいは私だっていくらなんでも解する。
『その人、会えるの？まだ。』
だから、少し立ち入った問いを投げかける。
【五番目の道化師】
「帰れればぁ、会えるんじゃあないでしょうかぁ。でもぉ、帰った時にはぁもう話すことはぁできませぇん」
おそらく、帰った時にはあの人はもう目を覚ますことはないほど時間が経ってしまっているんだろう。本当は旅行すら行かず、ずっとそばにいたかった。だけど…行かされた。
「…あなたにもぉ、大切な人がいるんですかぁ？」
【マリア】
『居るよ。』
居たよ。
とは、言いたくない。
私の記憶している限り、居る、なのだ。誰かが忘れた時、そこで初めて居た、にならねばならない。
なんて、高尚な哲学があったわけではまさか無いんだけれど。
それでも。
無意識に、過去のものにはしたく無いと思ったのかも知れない。
『けど――――――……
もう、みんな死んでる。』
仮面の下で、私は微笑した。
明日の約束を思うような、そんな、なんとなく切ない気持ちで。
白々しい位に穏やかに、私は、そう言ってやれた。
【五番目の道化師】
「…あぁ…」
全員死んだ…か。
どうして…？と、詮索するのは流石に失礼だろうから問いかけることはしない。だけど、何を話していいかわからなくなる道化師は無言だ。
【マリア】
『なんてね、嘘かもよ。』
適当に冗談めかして。
私が何から何まで本当の事を言っているかなんて、証拠がある訳では無いのだし。冗談じゃないのかも、しれない。
本当は、こんなエピソード自体が嘘かもしれないし、この言い訳じみたものの方が、嘘かもしれない。なんて風に、かも知れないを私に追求しだしたらキリがなく。
要するに、何もかも信じるだけ無駄だという事で。
『名前と、コレ、お願い。
多分必要になるから。』
端末のフレンド登録を求む。
これだけが、変わらぬ事実だ。
【五番目の道化師】
「えぇ、わかりまぁした」
そう言ってフレンド登録の申請を送った。
「今、フレンド申請したぁ<五番目の道化師>がぁワタクシィでぇす」
【マリア】
『9th.そう呼んで。』
ぶっきらぼうに、そう伝えて。
私は何も言わずに歩いた。
肩から斜めにかけた、土産物らしいエナメルの鞄が、なんとなく、寂しげに光を映していた。
【五番目の道化師】
教会のあった西エリアの別の場所。
古ぼけた大きな病院で道化師はなにかを探すようにして歩き回っていた。その手にはどこから採取してきたのかわからない黄色の花の活けられた花瓶。どうやら道化師は異なる場所だと分かっていても誰かに花を渡すためにここに来たらしい。もちろん、道化師自身もここに誰かがいないことはわかっているが…病院があるとわかるとわざわざ出直してまで花を取ってきたのだ。
「…会いたいでぇす」
ここに来て、約1日しか経っていないのにも関わらず、既に家に帰りたい衝動に襲われている道化師は誰かが入院していた部屋にそっくりな場所を探して廊下を歩いていた。
【マリア】
『…誰に？』
麻酔薬か何かと思われる角瓶を、商店街から拝借した鞄に、裁縫セットと接着剤と、共に詰め。
諸々の用意が済んだ頃。
花を捧げる道化師を見つけ、自分でも驚く程に響いた声に、仮面の下で私は顔を顰めつつ、藪から棒に話しかける。
特に、取り立てて興味があった訳では無い。誰に花をあげようが構うまい。けれど。
病人や怪我人でも入院していたりするのだとしたら、目をつけておく必要がある。
何故？
さあね。好きに解釈しなさい。
『それとも…何に？』
【五番目の道化師】
「此処にはいなぁい、大切な人にでぇす」
病室に入り、花瓶を台の上に置く。
病室には入院患者らしき人は誰もおらず、未使用のベットばかりが置いてある部屋だった。
「病院を見つけたのでぇ、つい花を添えたぁくなったでぇす…」
あまり目を開けてくれない、目を覚ましても記憶が消失していってしまう誰かのために手向ける花。道化師はそれを見つめながら寂しそうに空のベットに腰かけた。
【マリア】
『……変なの。』
一蹴。
私には、ああそれはそれは素敵ね、なんて言い出す叙情詩的な感性はない。
要するに、墓を見つけたから、知り合いの故人の墓だと思って花を供える、みたいな話に聞こえた。
変なの、でも別に間違いではないだろう。相手も、それを自覚してのことなのであろうし。
『でも、気持ちは分からなくないよ。私にも、遠くに行った人、今は会えない人、今から、会いに行く人、沢山、いるから。』
が。
気持ちは分からなくない。
余程大事な人なんだろう。
なら、それを偲ぶ気持ちくらいは私だっていくらなんでも解する。
『その人、会えるの？まだ。』
だから、少し立ち入った問いを投げかける。
【五番目の道化師】
「帰れればぁ、会えるんじゃあないでしょうかぁ。でもぉ、帰った時にはぁもう話すことはぁできませぇん」
おそらく、帰った時にはあの人はもう目を覚ますことはないほど時間が経ってしまっているんだろう。本当は旅行すら行かず、ずっとそばにいたかった。だけど…行かされた。
「…あなたにもぉ、大切な人がいるんですかぁ？」
【マリア】
『居るよ。』
居たよ。
とは、言いたくない。
私の記憶している限り、居る、なのだ。誰かが忘れた時、そこで初めて居た、にならねばならない。
なんて、高尚な哲学があったわけではまさか無いんだけれど。
それでも。
無意識に、過去のものにはしたく無いと思ったのかも知れない。
『けど――――――……
もう、みんな死んでる。』
仮面の下で、私は微笑した。
明日の約束を思うような、そんな、なんとなく切ない気持ちで。
白々しい位に穏やかに、私は、そう言ってやれた。
【五番目の道化師】
「…あぁ…」
全員死んだ…か。
どうして…？と、詮索するのは流石に失礼だろうから問いかけることはしない。だけど、何を話していいかわからなくなる道化師は無言だ。
【マリア】
『なんてね、嘘かもよ。』
適当に冗談めかして。
私が何から何まで本当の事を言っているかなんて、証拠がある訳では無いのだし。冗談じゃないのかも、しれない。
本当は、こんなエピソード自体が嘘かもしれないし、この言い訳じみたものの方が、嘘かもしれない。なんて風に、かも知れないを私に追求しだしたらキリがなく。
要するに、何もかも信じるだけ無駄だという事で。
『名前と、コレ、お願い。
多分必要になるから。』
端末のフレンド登録を求む。
これだけが、変わらぬ事実だ。
【五番目の道化師】
「えぇ、わかりまぁした」
そう言ってフレンド登録の申請を送った。
「今、フレンド申請したぁ<五番目の道化師>がぁワタクシィでぇす」
【マリア】
『9th.そう呼んで。』
ぶっきらぼうに、そう伝えて。
私は何も言わずに歩いた。
肩から斜めにかけた、土産物らしいエナメルの鞄が、なんとなく、寂しげに光を映していた。
男な女(？)と女な男(？) 2nd-23rd
みかんちゃん(2nd)-海月(23rd)
【みかんちゃん】
白い湯けむりが景色をぼんやりと暈す。
水の音が反響する。
そう、此処は温泉。
温泉につかる人影はひとつ。
やった入浴シーンだ！誰だ！？誰の入浴シーンだ？ポロリポロリうひょっうひょひょぉぉおい！！
とか思ったそこのみんな、お待たせ
「はぁあぁ…気持ちぃわぁ♡」
オネェの入浴シーンだ敬え(中の人感)
マリアと別れた後あれから何をしたのか。
気を紛らすように適当に買い物をして歩いて回って、結局それくらいしかしなかった。
それくらいしかしてないのだけれど、酷く疲れた気がする。
「まぁ、こんな状況、こんな雪国…当たり前っちゃ当たり前…かしら」
重たい気持ちを吐き出すように独り言。
気分転換に温泉に来たのだけれど…気分転換なんて言っている時点で無理しているのは明白か。
【海月】
フラフラと商店街を歩いていたら、温泉が目についたわけで。
ぱっと入ってみようと思った次第。
…キャラに合わないって？オレだってお風呂くらい入りたいよ！
脱衣所でぱっぱと服を脱いで並べる。
そういえば"女"だったか、オレ。特に恥じらいなんてモノはないから別にどっちでもいいのだけれど。
…オレ以外にも性別が変わっている人はいるのだろうか？
共有チャットでちょっとヤバいこと書いている人がいたくらいだし、いてもおかしくないよね。
…あ、やべ。オレ狙われるかもしれない。まあいいか、逃げれば。
それより温泉だよね！
扉を開けて浴場を眺める。湯けむりであまり視界はよくないけれど…
…誰かいる？
【みかんちゃん】
扉の開いた音に振り返り、ぼんやり見える人影。
けれど、よく目を凝らさずとも体格からすれば男女の差など明確で。
あ、そういえば混浴でしたね。此処。
なんて素で思ってしまったのはほんの一瞬。
何れにせよ人が来たのであれば反応はただ、ひとつである。
「きゃぁぁぁぁあ！？なぁんで女子！？変態！！」
手で胸を隠して絶叫。
隠す場所ちゃうで工藤、お前が隠さなあかんのは前や前。大丈夫、お湯に使ってるから大丈夫や工藤。じっちゃんの名にかけて乙女心は守るから。
【海月】
「………あ、うん。やっほー！オレだよオレオレ！」
なんでオレ絶叫されたんだろ…？ここ混浴だよね…？
とかふと思ってしまった。やばいやばい、相手のペースに乗せられてはいけない。
って言うか男…ん？なんで"女子"って叫ばれたんだ？…そういう人？
「つれないなー、お風呂くらい二人で仲良く入ろうよー！ねー！」
まあ、どうでもいいか…相手を見た目で判断しないのは今に始まったことでもないし。
【みかんちゃん】
オレオレいってる女の子とは私私いってる男の子とは、果たして中身はどちらかなんて考え出したら多分カオス。
ようこそカオスin the worldへ。
「嫌よ、来るならガチムチになって出直しなさいよぉ！？」
依然、オネェのペースとやらは変わらない。
男と女完全に立場逆だろコイツら。
え？ガチムチならいいの？って？
──勿論、YESよ(意味深)
【海月】
キャラ作りしているだけなのか、素でこうなのか…正直クラスメイトの中にこんなヤツがいたらオレ死にそー…
あ、でもガチムチじゃないとダメってこの人言ってるね！じゃあセーフだね！
「ひどいよひどいよ！そういうの差別って言うんだよ！？同じ境遇の人に血も涙もないこと言わないでくれるかな！？
というか、ここ混浴なんだから、むしろ「誰でも来てください」って言ってるようなものじゃん！
それで「ガチムチじゃないとNG！」とか言えたギリじゃないと思うんだけどなー」
まあ、言葉を売られたなら買うのが礼儀だよね。
こういうタイプの人は、敵味方に回すと面倒くさいとかじゃなくて、存在しているとペース乱されて面倒くさいタイプ。
正直盲信熱血系と並んでオレが相手にしたくないんだけどなぁ。
【みかんちゃん】
正論にぐぅの音も出ず詰まるオネェ。
そりゃそうだ此処は混浴だもの。
いや、まぁ、知ってましたけどね。
「………そ、それもそうね。んっんー、おーけーおーけぇ。確かにガチムチカモンは私の欲b…思い込みだから仕方ないわね。今回は諦めるとしましょう。」
今回は、ね。
と次回のお風呂に期待を込めておこう。
「一緒に入るのは構わないけれど距離は保って頂戴よ？乙女の領域なんだから。」
若干の不貞腐れ気味な口調で渋々の了承。
大人気ないなんて言っちゃダメよ？
私だって乙女なんだから。
【海月】
「えー、どうしよっかなー。オレ捻くれ者だから、いつの間にか近くにいるかもしれないよ？」
ぱっぱと体を洗って温泉に浸かる。一応「距離は保て」と言われたから、相手が油断していないうちは保つ。
まあ、背中向いたりしたらそれはオレが悪いわけじゃないしいいよね！別にね！
「ああ、そういえばさ。此処で会ったのも何かの縁なんだし、自己紹介とかどうやってここに来たのかとか話さない？
情報交換は大事だと思うよ！」
まあ、情報に関してはほとんど知っているだろうけれど。初対面だし無知を貫くのは悪くない。
【みかんちゃん】
「あら、やぁな子ね…」
捻くれ者だなんて自分から言う奴はかなりの捻くれ者だから警戒しなくては。
なんて一応警戒はするけれど、立場逆ですね改めて。
「自己紹介…それもそうね。
私はみかんちゃんよ。かわいいでしょ♡
経緯は簡単、修学旅行のバスで事故にあってここに来たの。多分大方がそうだけれど…いや、寧ろ全員そうかもね。あなたはどうかしら？」
そんなこと誰しももう知っていることか。
赤の他人なら偽名擬態の必要もないでしょうし。
別段情報という情報でもない。
【海月】
警戒されているのは…まあいつものことだし関係ない。
むしろ"そういう人"が増えてくれた方がゲエムはハードモードになるからね！
…ところで、此処の人達は何？食べ物を偽名にしないと死んじゃう病気でも患ってるの？
共有チャットの流れも含めると5、6人くらいは食べ物なんだけど？
…まあいいか。それも置いておこう。
で。まあ、ここまで聞いた人と同じように、やっぱりクラスメイトが集められているで間違いなさそうだ。
それと、一発でここまで明言できるってことは、相手は結構頭がキレるか、それとも他の人に会っているか…今のところ後者で見ているけれど、前者の可能性も捨ててはいられない。
でも、“多分大方がそう“なんて言い方するあたり、まだ確証は得ていない感じかなぁ？
…じゃあ、ちょっと揺さぶってみよう。
「修学旅行……？へえ、学生さんなんだ。まだ若いのに事故っちゃうなんてカワイソーだね。
ま、オレとは別に関係ないからいいんだけど。
オレはー…海月でいいよ。経緯って言うと、名古屋まで社員旅行にでもーって思ってたら…土砂崩れだったかな？まあ、多分キミと状況は同じだと思うよ。」
【みかんちゃん】
あぁ、なるほど捻くれ者か。
これはほんとに嫌な子ね。
嘘、嫌なわけない。
寧ろそういう人は切れ者だったりするから。
私は好きよ。
「あら？え、そうなのぉ！？じゃあ社員さんだったのねびっくりだわぁ。でもこれも何かの縁ね海月ちゃん♡」
目を丸くしてあらまと驚いてみせた。
「でも、経緯は違えど今は同じ状況。こんな非現実的な現実に飛び込んだ身ですもの。お互いよろしくしましょう。」
今は立場は同じよなんて嬉しそうに微笑んで。
中身なんてさらさら気にしないといった素振り。
これがオネェの優しさよ。
【海月】
「…っははは！ああ、そうだね。うん、よろしくねみかんちゃん！」
そういう態とらしい返答、大好きだよ。"伝わっている"のが分かるっていいよね。
警戒が強まったかどうかは置いておいて、敵としては認識されていなさそうか。つまんないの。
ただ、相手も察するのが早いあたり、中々前者の可能性も増えてきたんじゃない？
捻くれているということを認識出来る人だからこそ、嗤いながら話が出来るというものだ。
大仰に驚いたりにこにこ微笑んだりする目の前の彼…まあいいや、彼もその一人。同じクラスメイトだからって油断は禁物だね、中々楽しい。
「あ、そういえばみかんちゃんは他に誰かと会ったりしたの？ここ、共有チャットとかでも分かるようにたくさんいるっぽいじゃん。」
詮索を深めて自爆というのもつまらないものだから、話題は切り替えることにしよう。
上手くまだ会ってない人の話を聞ければ上々なんだけど。
【みかんちゃん】
「他に？んー…そうね、2人くらいしか会ってないかしら？ヒガンバナちゃんとマリアちゃん。ヒガンバナちゃんは…ええ、確か共有チャットに顔を出していたわね。」
指を2本立てて思い出すように呟いた。
共有チャットを見ている限りみんな今のうちに情報交換情報集めとわちゃわちゃしていたみたいだけれど、あれは正直見るだけでいいかな。
…なんて。
「でも会った二人も私とそう変わらない感じでこの状況がわけもわからないって感じだったわよ。」
みんなそんなもんじゃないの？なんて
それがさも当たり前だというように付け加えて。
【海月】
「2人かぁー。オレはね、多分キミ入れて6人目になるかな！でもそのヒガンバナちゃんとマリアちゃんってのには会ってないや。」
2人。彼はあまり動かないタイプの人間なのかな。正直、オレが一番アドバンテージを持っているとは考えづらい。
クラスメイトの人数も人数だし、もう10人くらいと交流している人がいてもおかしくはないと思うけれど。
…いや、みかんちゃんがスロースターターなだけで、他は割と横並びだったりするのかな？
なんて会ってもいない人の事を考えても仕方ないか。
ヒガンバナちゃんってのは共有チャットでも名前を見たから分かる。でもそれをわざわざ言ってくれるとはねー…
これはオレも、返しに何かしら言ってあげた方がいいかな？
例えば…
「会った人の感じ、かぁ…ああ、そうそう、思い出した！
実はさ、電波塔だったかな？で、多分6thの子と会ったんだけどねー…」
敢えてココで止める手もあった。けれど、それってつまらないじゃん？
人の顔は見て楽しむモノだよ！
「その子、オレとひとしきり話した後に窓から飛び降りちゃったんだよね！」
【みかんちゃん】
「あらぁ、6人も会ってるなんて凄い遭遇率ね！？」
6人も会っておいてとぼけたように初手に情報交換は大事！だなんて言った辺り多分みんなにその手を使ってるのかしらん。
そこはツッこまない私の優しさ♡
「6th？それはなんともわけわかめって感じねぇ。この状況に悲観的になっちゃったのかしら？」
飛び降りた人物がいるという事実。
マリアに会った時点で何か知っている人間がゼロではないということは既知の上だけれど。
その人物には正直会いたくないなんて本音。
だって、この現在の状況で行動を起こすほど他人を疑い深い人物。
それだけならいいけど、それ以上に協力は見込めない人物だということだから。
警戒されるのは面倒だもの。
【海月】
「むー、もうちょっと面白い反応が見れると思ったのにつまんないの。
まあ、悲観的になったのかは分からないけどねー。人の感情なんて考えるだけムダじゃない？」
ホントに、クラスメイトが飛び降り自殺したかもしれないってのに軽いヤツ。
まあ嘘なのかもしれないけれど、それこそ"人の感情なんて考えるだけムダ"ってことだけど。
…としても、思い返してみると本当に彼女の行動は、意図は把握できるが理解は難しい。
愉しもうとしていたのなら生きればいいのに。つまんないヤツだ、と一蹴出来ないのが何ともモヤモヤする。
…そういえば、こころちゃんと話している時に言ってたか。"企画外の化け物"とやらの可能性。
6thのコがそうなのかは分からないけれど、考えるべきではある、か。
目の前の奴さんも含めてね。
「とゆーか、むしろキミは良くこの状況で悲観的にならないねー、って思うよ。
この後起きることなんて大体想像つかない？」
【みかんちゃん】
「会ってもない他人かも知れない人間が飛び降りただなんて言われたってどう反応すればいいかわからないわよ。」
自分はクラスメイトではないって赤の他人説をあなたから言ったんじゃないなんてからかいたくなったけれどそれはお口ミッフィーで。
お口ミッフィーオネェとか可愛いくない？
可愛い？そう、ありがとう♡
「やぁね、悲観的にならないわけないじゃないのぉ。でもどうしようもないからこうやって観光したり温泉入ったりして気を紛らわすのよ。あなたもそうでしょう？」
敢えて同意を求めてしまう共感心理のソレを後に付けてみる。
【海月】
「んー？別に、オレこの後のコトすっごく楽しみにしてるから、悲観的にはなってないよ？」
同意を求められたけれど、別に悲観的には捉えていないし弾くでしょ。普通。
まあ、普通の人はここ、悲観的になったり気を紛らわそうとしたりするんだろうけれども。
それと、ちゃっかりとぼけられたのは置いておこう。
キミが"ここにいる人はクラスメイトが大半なんじゃないか"とか言ったのに白々しいなぁ。
そういう白々しさ嫌いじゃないよ！
「"殺人"なんて要素が絡んできた以上、この先きっともっと凄惨なことが起きるのは間違いない。
何人死ぬのかな？どうやって死ぬのかな？あ、それとも、死ぬ以上にヒドいことさせられたりして！
まだ"起きていない"からこそ、先を予測できる。それってとっても愉しいことじゃない？」
【みかんちゃん】
「ふぅん、それは残念ながらちょっとわからないかも…。やっぱり社会人の大人はそれなりの状況に心得でもあるのかしら？……なぁんて、ね♡」
二択のうちの一択をとる彼女。
同類かと思ったけれど此処で別れてしまった。
信頼信用を得る気はさらさらない。
寧ろその逆、と言ったところか。
だからって分かり合えないと一蹴するわけでもない。きっとこれから始まるソレは分かり合うなんかより利用し合うのほうが正しいだろうから。
と、ちょっと意味深に言ってみる。
シリアスな面があるオネェみんな好きでしょ？
そろそろお暇しますか、と(タオルをしっかり前にして)立ち上がる。
「──ま！何れにしてもこれから起こることを予測しか出来ていないのはお互い様ねん。
後でフレンド申請しておくからよかったら承諾して頂戴な？」
ウィンクひとつしてそれだけ告げるとにこにこ笑顔でそちらに手を振りながらその場を後にした。
【みかんちゃん】
白い湯けむりが景色をぼんやりと暈す。
水の音が反響する。
そう、此処は温泉。
温泉につかる人影はひとつ。
やった入浴シーンだ！誰だ！？誰の入浴シーンだ？ポロリポロリうひょっうひょひょぉぉおい！！
とか思ったそこのみんな、お待たせ
「はぁあぁ…気持ちぃわぁ♡」
オネェの入浴シーンだ敬え(中の人感)
マリアと別れた後あれから何をしたのか。
気を紛らすように適当に買い物をして歩いて回って、結局それくらいしかしなかった。
それくらいしかしてないのだけれど、酷く疲れた気がする。
「まぁ、こんな状況、こんな雪国…当たり前っちゃ当たり前…かしら」
重たい気持ちを吐き出すように独り言。
気分転換に温泉に来たのだけれど…気分転換なんて言っている時点で無理しているのは明白か。
【海月】
フラフラと商店街を歩いていたら、温泉が目についたわけで。
ぱっと入ってみようと思った次第。
…キャラに合わないって？オレだってお風呂くらい入りたいよ！
脱衣所でぱっぱと服を脱いで並べる。
そういえば"女"だったか、オレ。特に恥じらいなんてモノはないから別にどっちでもいいのだけれど。
…オレ以外にも性別が変わっている人はいるのだろうか？
共有チャットでちょっとヤバいこと書いている人がいたくらいだし、いてもおかしくないよね。
…あ、やべ。オレ狙われるかもしれない。まあいいか、逃げれば。
それより温泉だよね！
扉を開けて浴場を眺める。湯けむりであまり視界はよくないけれど…
…誰かいる？
【みかんちゃん】
扉の開いた音に振り返り、ぼんやり見える人影。
けれど、よく目を凝らさずとも体格からすれば男女の差など明確で。
あ、そういえば混浴でしたね。此処。
なんて素で思ってしまったのはほんの一瞬。
何れにせよ人が来たのであれば反応はただ、ひとつである。
「きゃぁぁぁぁあ！？なぁんで女子！？変態！！」
手で胸を隠して絶叫。
隠す場所ちゃうで工藤、お前が隠さなあかんのは前や前。大丈夫、お湯に使ってるから大丈夫や工藤。じっちゃんの名にかけて乙女心は守るから。
【海月】
「………あ、うん。やっほー！オレだよオレオレ！」
なんでオレ絶叫されたんだろ…？ここ混浴だよね…？
とかふと思ってしまった。やばいやばい、相手のペースに乗せられてはいけない。
って言うか男…ん？なんで"女子"って叫ばれたんだ？…そういう人？
「つれないなー、お風呂くらい二人で仲良く入ろうよー！ねー！」
まあ、どうでもいいか…相手を見た目で判断しないのは今に始まったことでもないし。
【みかんちゃん】
オレオレいってる女の子とは私私いってる男の子とは、果たして中身はどちらかなんて考え出したら多分カオス。
ようこそカオスin the worldへ。
「嫌よ、来るならガチムチになって出直しなさいよぉ！？」
依然、オネェのペースとやらは変わらない。
男と女完全に立場逆だろコイツら。
え？ガチムチならいいの？って？
──勿論、YESよ(意味深)
【海月】
キャラ作りしているだけなのか、素でこうなのか…正直クラスメイトの中にこんなヤツがいたらオレ死にそー…
あ、でもガチムチじゃないとダメってこの人言ってるね！じゃあセーフだね！
「ひどいよひどいよ！そういうの差別って言うんだよ！？同じ境遇の人に血も涙もないこと言わないでくれるかな！？
というか、ここ混浴なんだから、むしろ「誰でも来てください」って言ってるようなものじゃん！
それで「ガチムチじゃないとNG！」とか言えたギリじゃないと思うんだけどなー」
まあ、言葉を売られたなら買うのが礼儀だよね。
こういうタイプの人は、敵味方に回すと面倒くさいとかじゃなくて、存在しているとペース乱されて面倒くさいタイプ。
正直盲信熱血系と並んでオレが相手にしたくないんだけどなぁ。
【みかんちゃん】
正論にぐぅの音も出ず詰まるオネェ。
そりゃそうだ此処は混浴だもの。
いや、まぁ、知ってましたけどね。
「………そ、それもそうね。んっんー、おーけーおーけぇ。確かにガチムチカモンは私の欲b…思い込みだから仕方ないわね。今回は諦めるとしましょう。」
今回は、ね。
と次回のお風呂に期待を込めておこう。
「一緒に入るのは構わないけれど距離は保って頂戴よ？乙女の領域なんだから。」
若干の不貞腐れ気味な口調で渋々の了承。
大人気ないなんて言っちゃダメよ？
私だって乙女なんだから。
【海月】
「えー、どうしよっかなー。オレ捻くれ者だから、いつの間にか近くにいるかもしれないよ？」
ぱっぱと体を洗って温泉に浸かる。一応「距離は保て」と言われたから、相手が油断していないうちは保つ。
まあ、背中向いたりしたらそれはオレが悪いわけじゃないしいいよね！別にね！
「ああ、そういえばさ。此処で会ったのも何かの縁なんだし、自己紹介とかどうやってここに来たのかとか話さない？
情報交換は大事だと思うよ！」
まあ、情報に関してはほとんど知っているだろうけれど。初対面だし無知を貫くのは悪くない。
【みかんちゃん】
「あら、やぁな子ね…」
捻くれ者だなんて自分から言う奴はかなりの捻くれ者だから警戒しなくては。
なんて一応警戒はするけれど、立場逆ですね改めて。
「自己紹介…それもそうね。
私はみかんちゃんよ。かわいいでしょ♡
経緯は簡単、修学旅行のバスで事故にあってここに来たの。多分大方がそうだけれど…いや、寧ろ全員そうかもね。あなたはどうかしら？」
そんなこと誰しももう知っていることか。
赤の他人なら偽名擬態の必要もないでしょうし。
別段情報という情報でもない。
【海月】
警戒されているのは…まあいつものことだし関係ない。
むしろ"そういう人"が増えてくれた方がゲエムはハードモードになるからね！
…ところで、此処の人達は何？食べ物を偽名にしないと死んじゃう病気でも患ってるの？
共有チャットの流れも含めると5、6人くらいは食べ物なんだけど？
…まあいいか。それも置いておこう。
で。まあ、ここまで聞いた人と同じように、やっぱりクラスメイトが集められているで間違いなさそうだ。
それと、一発でここまで明言できるってことは、相手は結構頭がキレるか、それとも他の人に会っているか…今のところ後者で見ているけれど、前者の可能性も捨ててはいられない。
でも、“多分大方がそう“なんて言い方するあたり、まだ確証は得ていない感じかなぁ？
…じゃあ、ちょっと揺さぶってみよう。
「修学旅行……？へえ、学生さんなんだ。まだ若いのに事故っちゃうなんてカワイソーだね。
ま、オレとは別に関係ないからいいんだけど。
オレはー…海月でいいよ。経緯って言うと、名古屋まで社員旅行にでもーって思ってたら…土砂崩れだったかな？まあ、多分キミと状況は同じだと思うよ。」
【みかんちゃん】
あぁ、なるほど捻くれ者か。
これはほんとに嫌な子ね。
嘘、嫌なわけない。
寧ろそういう人は切れ者だったりするから。
私は好きよ。
「あら？え、そうなのぉ！？じゃあ社員さんだったのねびっくりだわぁ。でもこれも何かの縁ね海月ちゃん♡」
目を丸くしてあらまと驚いてみせた。
「でも、経緯は違えど今は同じ状況。こんな非現実的な現実に飛び込んだ身ですもの。お互いよろしくしましょう。」
今は立場は同じよなんて嬉しそうに微笑んで。
中身なんてさらさら気にしないといった素振り。
これがオネェの優しさよ。
【海月】
「…っははは！ああ、そうだね。うん、よろしくねみかんちゃん！」
そういう態とらしい返答、大好きだよ。"伝わっている"のが分かるっていいよね。
警戒が強まったかどうかは置いておいて、敵としては認識されていなさそうか。つまんないの。
ただ、相手も察するのが早いあたり、中々前者の可能性も増えてきたんじゃない？
捻くれているということを認識出来る人だからこそ、嗤いながら話が出来るというものだ。
大仰に驚いたりにこにこ微笑んだりする目の前の彼…まあいいや、彼もその一人。同じクラスメイトだからって油断は禁物だね、中々楽しい。
「あ、そういえばみかんちゃんは他に誰かと会ったりしたの？ここ、共有チャットとかでも分かるようにたくさんいるっぽいじゃん。」
詮索を深めて自爆というのもつまらないものだから、話題は切り替えることにしよう。
上手くまだ会ってない人の話を聞ければ上々なんだけど。
【みかんちゃん】
「他に？んー…そうね、2人くらいしか会ってないかしら？ヒガンバナちゃんとマリアちゃん。ヒガンバナちゃんは…ええ、確か共有チャットに顔を出していたわね。」
指を2本立てて思い出すように呟いた。
共有チャットを見ている限りみんな今のうちに情報交換情報集めとわちゃわちゃしていたみたいだけれど、あれは正直見るだけでいいかな。
…なんて。
「でも会った二人も私とそう変わらない感じでこの状況がわけもわからないって感じだったわよ。」
みんなそんなもんじゃないの？なんて
それがさも当たり前だというように付け加えて。
【海月】
「2人かぁー。オレはね、多分キミ入れて6人目になるかな！でもそのヒガンバナちゃんとマリアちゃんってのには会ってないや。」
2人。彼はあまり動かないタイプの人間なのかな。正直、オレが一番アドバンテージを持っているとは考えづらい。
クラスメイトの人数も人数だし、もう10人くらいと交流している人がいてもおかしくはないと思うけれど。
…いや、みかんちゃんがスロースターターなだけで、他は割と横並びだったりするのかな？
なんて会ってもいない人の事を考えても仕方ないか。
ヒガンバナちゃんってのは共有チャットでも名前を見たから分かる。でもそれをわざわざ言ってくれるとはねー…
これはオレも、返しに何かしら言ってあげた方がいいかな？
例えば…
「会った人の感じ、かぁ…ああ、そうそう、思い出した！
実はさ、電波塔だったかな？で、多分6thの子と会ったんだけどねー…」
敢えてココで止める手もあった。けれど、それってつまらないじゃん？
人の顔は見て楽しむモノだよ！
「その子、オレとひとしきり話した後に窓から飛び降りちゃったんだよね！」
【みかんちゃん】
「あらぁ、6人も会ってるなんて凄い遭遇率ね！？」
6人も会っておいてとぼけたように初手に情報交換は大事！だなんて言った辺り多分みんなにその手を使ってるのかしらん。
そこはツッこまない私の優しさ♡
「6th？それはなんともわけわかめって感じねぇ。この状況に悲観的になっちゃったのかしら？」
飛び降りた人物がいるという事実。
マリアに会った時点で何か知っている人間がゼロではないということは既知の上だけれど。
その人物には正直会いたくないなんて本音。
だって、この現在の状況で行動を起こすほど他人を疑い深い人物。
それだけならいいけど、それ以上に協力は見込めない人物だということだから。
警戒されるのは面倒だもの。
【海月】
「むー、もうちょっと面白い反応が見れると思ったのにつまんないの。
まあ、悲観的になったのかは分からないけどねー。人の感情なんて考えるだけムダじゃない？」
ホントに、クラスメイトが飛び降り自殺したかもしれないってのに軽いヤツ。
まあ嘘なのかもしれないけれど、それこそ"人の感情なんて考えるだけムダ"ってことだけど。
…としても、思い返してみると本当に彼女の行動は、意図は把握できるが理解は難しい。
愉しもうとしていたのなら生きればいいのに。つまんないヤツだ、と一蹴出来ないのが何ともモヤモヤする。
…そういえば、こころちゃんと話している時に言ってたか。"企画外の化け物"とやらの可能性。
6thのコがそうなのかは分からないけれど、考えるべきではある、か。
目の前の奴さんも含めてね。
「とゆーか、むしろキミは良くこの状況で悲観的にならないねー、って思うよ。
この後起きることなんて大体想像つかない？」
【みかんちゃん】
「会ってもない他人かも知れない人間が飛び降りただなんて言われたってどう反応すればいいかわからないわよ。」
自分はクラスメイトではないって赤の他人説をあなたから言ったんじゃないなんてからかいたくなったけれどそれはお口ミッフィーで。
お口ミッフィーオネェとか可愛いくない？
可愛い？そう、ありがとう♡
「やぁね、悲観的にならないわけないじゃないのぉ。でもどうしようもないからこうやって観光したり温泉入ったりして気を紛らわすのよ。あなたもそうでしょう？」
敢えて同意を求めてしまう共感心理のソレを後に付けてみる。
【海月】
「んー？別に、オレこの後のコトすっごく楽しみにしてるから、悲観的にはなってないよ？」
同意を求められたけれど、別に悲観的には捉えていないし弾くでしょ。普通。
まあ、普通の人はここ、悲観的になったり気を紛らわそうとしたりするんだろうけれども。
それと、ちゃっかりとぼけられたのは置いておこう。
キミが"ここにいる人はクラスメイトが大半なんじゃないか"とか言ったのに白々しいなぁ。
そういう白々しさ嫌いじゃないよ！
「"殺人"なんて要素が絡んできた以上、この先きっともっと凄惨なことが起きるのは間違いない。
何人死ぬのかな？どうやって死ぬのかな？あ、それとも、死ぬ以上にヒドいことさせられたりして！
まだ"起きていない"からこそ、先を予測できる。それってとっても愉しいことじゃない？」
【みかんちゃん】
「ふぅん、それは残念ながらちょっとわからないかも…。やっぱり社会人の大人はそれなりの状況に心得でもあるのかしら？……なぁんて、ね♡」
二択のうちの一択をとる彼女。
同類かと思ったけれど此処で別れてしまった。
信頼信用を得る気はさらさらない。
寧ろその逆、と言ったところか。
だからって分かり合えないと一蹴するわけでもない。きっとこれから始まるソレは分かり合うなんかより利用し合うのほうが正しいだろうから。
と、ちょっと意味深に言ってみる。
シリアスな面があるオネェみんな好きでしょ？
そろそろお暇しますか、と(タオルをしっかり前にして)立ち上がる。
「──ま！何れにしてもこれから起こることを予測しか出来ていないのはお互い様ねん。
後でフレンド申請しておくからよかったら承諾して頂戴な？」
ウィンクひとつしてそれだけ告げるとにこにこ笑顔でそちらに手を振りながらその場を後にした。
殺人鬼。 1st-6th
ふ〇なっしー(1st)-臨海凪乃(6th)
【臨海 凪乃】
【ショッピングモール 無印不良品】
調理器具コーナーを品定めする少女。
包丁、まな板……かなりいいものが揃っているのね。
食べ物には困ることがなさそう
まるで餓死させる気がないみたい。
場が整いすぎている。
そこが不審な点だ。 どう考えてもおかしい。
「……まぁ、念には念を、ってね」
手にしたそれを懐にしまいこむ。
これを使うことがない日を祈りながら―――
「平穏な日常、ね」
私が望んだものは 平穏な日常だ。それが望みだ。
XXXXのいる 暖かい日常 ただそれだけが愛おしい
【ふ〇なっしー】
「こんにちはー！！！！！！！！」
と、調理器具のコーナーに馬鹿でかい声で出てきたピエロの様な格好の少女………これふ○なっしーなんだぜ…？
1号機は雪に埋もれて大破、2号機は干している、3号機も干している、4号機は行方不明、5号機は洗濯中
他にもあるがまぁ中身バレてないからふらふらしとこうと思った所存でございまする
「やぁやぁやぁ！名前は何かなー？僕の名前はフリッツ！ヨロシクネ！」
ガッツリ偽名、偽名の偽名ニッコリと嗤うと右手を差し出し握手を求める。
【臨海 凪乃】
なんだこいつ
フリッツ……そんな偽名の参加者はコロパッドに存在しない。
安い嘘をよくもついたもんだ。
参加者であれば……キグルミの中の人と推測できるが
キグルミもピエロも多い……。要するにだれか分からない。
どちらにせよ、賢い選択肢だろう。
とある着ぐるみは暴れすぎて共有チャットに晒されているレベルなのだから
否応なく出る羽目になったのであれば推測で1stだ。
だとしたら13thを凍死寸前まで追いやった人物だ。
「私は6th……6番目の参加者よ。
それ以上何物でもないわ」
【ふ〇なっしー】
「わぁー！偽名くらい教えてもいいじゃーん……」
6、もうねこれね悪魔の数字だよね
何がヤバいってこれ6だからだよね
もうねヤバタクスゼイアンだよね
フリーメイソンの陰謀が絡んでるよね
「へへへへ……さぁ！ここで何をしていたのか！何をしようとしていたのか！何を手に入れようとしていたのか！吐いてもらおうか！！！！まぁ！だいたい察しはつくけどさぁ！どうせ包丁とかだろぉ！？この殺人鬼め！☆」
と傍にあったナイフ三本を手に取るとそれでお手玉をし始める、危ない
危ない
「えへへへへへ！！！あ、蝋燭ってあるかなー？」
【臨海 凪乃】
6が悪魔の数字ではなく、獣の数字が666なので6自体は忌数ではないが
どうでもいいこと
「殺人鬼……まぁ、ご名答。
私はとうの昔に何人か殺している……」
だから殺人鬼だと煽られたところで何も感じていない。
だって事実なのだから。
巷で世間をにぎわせた連続男性刺殺事件 犯人は不明。
その正体が私だ。 何も間違いはない。
言ってしまえば、殺しのプロともいえる。
「……それで、包丁、それもまたご名答
結局、自分を守るのは自分だけなのだからね。
蝋燭なら向こうのコーナー。 勝手に持っていけばいいんじゃない？」
【ふ〇なっしー】
「わーマジモンの殺人鬼〜？これやばいしょっ〜へへへへへ」
まさか殺人鬼とは思わなんだ
「素晴らしい！素晴らしいね！レールから外れる事は！いやぁ！殺人なんて常人が出来ないことだよ！うんうん！あ、蝋燭の場所教えてくれてありがとうねーへへへへ」
と、包丁でお手玉しながら嗤う
ぶっちゃけ殺人鬼とかどうでも良い、死ぬ時は死ぬし生きる時には生きる
つまりガンダム
「んー……殺人鬼の君に聞こうか！なんで君は人を殺すのさ！つまんない答えだったら……殺しちゃうかも？かもかも？」
【臨海 凪乃】
こいつも23rdと同じ臭いがする。
言ってしまえば……‘小物臭い’
実際殺人ごとに巻き込まれたらぽっくり死ぬタイプだ。
むやみやたらと挑発する人間は虚勢を張ってるだけに過ぎない
まぁ、目の前の誰かが死のうとも興味はない。
「人を殺すのに理由なんて、いるの？」
殺してきた人間にわざわざ理由づけなんてしていない。
するだけ……無駄。
そもそも後付けされた理由なんて自分を正当化する世迷いごとでしかない
「で、要件はそれだけ？」
【ふ〇なっしー】
「うっはシンプルー！本当にそれだけ！？それだけなの！？」
「人を殺すのに理由なんて要る？って言うけどさぁ……なんとなーく殺してたらそれただの馬鹿だからね？本当は理由があるんだろぉ？欲を満たすとか！そんなのが！そういうの無いならただの馬鹿か、そういう仕事を生業としている奴だけさ！カッコよーく『人を殺すのに、理由なんて要るの？(ｷﾘｯ)』とか言っちゃってさ！いやー！こんなつまんねぇ答え聞いたのは久しぶりだわー！」
馬鹿にする、いや馬鹿にしていないな
こっちからしてみれば目的の無い殺人なんてただの糞のやる事だ
目的も無く殺す目の前のキチガイは劇場を盛り上げる道化にも演者にもなれやしない
「もう一度問おう！君が人を殺す理由ってなんなのさ？」
包丁で遊ぶのを辞め、元のあった場所に戻す。
無防備、無警戒、そもそも攻撃されるということ事態警戒もしてない
今なら楽に殺せるし、殺される
「ほらー！言っちゃいなヨ！可愛い可愛い殺人鬼ちゃん？」
【臨海 凪乃】
「…………」
コイツ、暇なのかしら。
挑発にも乗ることなくただ冷淡と、呆れ、憐み、
なんていうか救われない感情で目の前のソレの演説を聞き流す。
目の前のソレは人に誇れるような上品な人間だと思っているのだろうか。
だとしたら笑ってしまう。
人の人生に口出しできる貴方は何様だ。
ただ、わかった。 わかった。
死にたいのね？
ただ、私は目の前のソレにピリオドを打ってあげるほど暇じゃない。
人を殺す理由は 人が食事する理由と同じだ。
とどのつまり、そういうこと。
「殺してほしいなら素直に言えばいいのに」
ただ、試したくなった。
包丁の刃を上に向けて 突き刺すように 迫る。
【ふ〇なっしー】
「およ？あ、殺っちゃう？殺っちゃう？殺っちゃうんだ！へへへへ」
まぁ、何もしないし何もやらないというかする気が起きない
「いやー！お前ほんと！つまんねぇな！」
そう言うと己の命を刈ろうとする刃が……………
刺さらなーい、なんでって……後ろに避けたからさ！
「つまんねぇお前に殺られるほど俺はヤワじゃないゾ☆」
警戒してないと言ったな？普通に警戒してなかった
あれは本当だ、本能的に避けるという行動をしてしまったのだ
「うわぁー、本当にクラスメイトなのか疑っちゃうよねー高校生してねぇし☆まぁ？ワタクシも言えた事ではナインデスケドネ！ほい、じゃあ殺そうとした理由を聞こうか！何？殺してほしそうだから殺そうとしたとか馬鹿な事は言わないでよね！ぶっちゃけ死んでもいいけどお前みたいなうんこみたいな奴に殺されたくないよーだ！
あ、伏せないと……う○こみたいな奴に殺されたくないよーだ！」
命の危機が迫ったのに焦りもしないし焦る素振りもしないというか焦る必要も無い焦るとその分冷静な判断が出来なくなるし体が思うように動かなくなる。
「ほーんほーんほーん、んふふふふ……えへへへへへ………よし！うん！あれ？うんうん！さぁ！答えを聞こうか！殺そうとした理由を！！！！！！つまんない答えだったら！次は俺がナイフを振り上げる番だね！！！」
包丁を手に取りーの
――――――
「そこまでにしたまえ」
(いつの間にやら、6thと1stの間に、赤色の少女が立っていた。包丁は、忽然と消え去っている)
「僕は『観光を楽しんで』と言ったんだ。殺し合いだなんて恐ろしいもの、僕は望んでいない。
君達は箱庭の中の仔犬に過ぎない。飼い主の意向には従ってもらうよ」
(次の瞬間、彼女の姿はどこにもなかった)
――――――
【臨海 凪乃】
「…………」
死ねよ。
ゲーム開催前に死者が出たらどうなるか見たかったのに
私の淡い期待にも沿えないなんて、本当に使えない。
使えない、使えない、
使えない、使えない、使えない、使えない、
使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、
死ねよ。
死ねよ。死ね、死ね死ね、死ね。
「……臨海（のぞみ）通り、ぶっ殺してあげる……」
汚泥のようにたまる感情 殺人への強い衝動
あぁ、殺したい殺したい
なんてそんな感情が途切れる
見えた…… この事件の首謀者
目的は果たした。 もう目の前のソレはどうでもいい。
別の包丁を手に取ると、逃げるように去っていく
【ふ〇なっしー】
「あ、まてぇい(江戸っ子)」
「いやー……みんなに伝えた方がいいと思うけど……伝えなくていいか！」
そう言うとこちらも立ち去る
【臨海 凪乃】
【ショッピングモール 無印不良品】
調理器具コーナーを品定めする少女。
包丁、まな板……かなりいいものが揃っているのね。
食べ物には困ることがなさそう
まるで餓死させる気がないみたい。
場が整いすぎている。
そこが不審な点だ。 どう考えてもおかしい。
「……まぁ、念には念を、ってね」
手にしたそれを懐にしまいこむ。
これを使うことがない日を祈りながら―――
「平穏な日常、ね」
私が望んだものは 平穏な日常だ。それが望みだ。
XXXXのいる 暖かい日常 ただそれだけが愛おしい
【ふ〇なっしー】
「こんにちはー！！！！！！！！」
と、調理器具のコーナーに馬鹿でかい声で出てきたピエロの様な格好の少女………これふ○なっしーなんだぜ…？
1号機は雪に埋もれて大破、2号機は干している、3号機も干している、4号機は行方不明、5号機は洗濯中
他にもあるがまぁ中身バレてないからふらふらしとこうと思った所存でございまする
「やぁやぁやぁ！名前は何かなー？僕の名前はフリッツ！ヨロシクネ！」
ガッツリ偽名、偽名の偽名ニッコリと嗤うと右手を差し出し握手を求める。
【臨海 凪乃】
なんだこいつ
フリッツ……そんな偽名の参加者はコロパッドに存在しない。
安い嘘をよくもついたもんだ。
参加者であれば……キグルミの中の人と推測できるが
キグルミもピエロも多い……。要するにだれか分からない。
どちらにせよ、賢い選択肢だろう。
とある着ぐるみは暴れすぎて共有チャットに晒されているレベルなのだから
否応なく出る羽目になったのであれば推測で1stだ。
だとしたら13thを凍死寸前まで追いやった人物だ。
「私は6th……6番目の参加者よ。
それ以上何物でもないわ」
【ふ〇なっしー】
「わぁー！偽名くらい教えてもいいじゃーん……」
6、もうねこれね悪魔の数字だよね
何がヤバいってこれ6だからだよね
もうねヤバタクスゼイアンだよね
フリーメイソンの陰謀が絡んでるよね
「へへへへ……さぁ！ここで何をしていたのか！何をしようとしていたのか！何を手に入れようとしていたのか！吐いてもらおうか！！！！まぁ！だいたい察しはつくけどさぁ！どうせ包丁とかだろぉ！？この殺人鬼め！☆」
と傍にあったナイフ三本を手に取るとそれでお手玉をし始める、危ない
危ない
「えへへへへへ！！！あ、蝋燭ってあるかなー？」
【臨海 凪乃】
6が悪魔の数字ではなく、獣の数字が666なので6自体は忌数ではないが
どうでもいいこと
「殺人鬼……まぁ、ご名答。
私はとうの昔に何人か殺している……」
だから殺人鬼だと煽られたところで何も感じていない。
だって事実なのだから。
巷で世間をにぎわせた連続男性刺殺事件 犯人は不明。
その正体が私だ。 何も間違いはない。
言ってしまえば、殺しのプロともいえる。
「……それで、包丁、それもまたご名答
結局、自分を守るのは自分だけなのだからね。
蝋燭なら向こうのコーナー。 勝手に持っていけばいいんじゃない？」
【ふ〇なっしー】
「わーマジモンの殺人鬼〜？これやばいしょっ〜へへへへへ」
まさか殺人鬼とは思わなんだ
「素晴らしい！素晴らしいね！レールから外れる事は！いやぁ！殺人なんて常人が出来ないことだよ！うんうん！あ、蝋燭の場所教えてくれてありがとうねーへへへへ」
と、包丁でお手玉しながら嗤う
ぶっちゃけ殺人鬼とかどうでも良い、死ぬ時は死ぬし生きる時には生きる
つまりガンダム
「んー……殺人鬼の君に聞こうか！なんで君は人を殺すのさ！つまんない答えだったら……殺しちゃうかも？かもかも？」
【臨海 凪乃】
こいつも23rdと同じ臭いがする。
言ってしまえば……‘小物臭い’
実際殺人ごとに巻き込まれたらぽっくり死ぬタイプだ。
むやみやたらと挑発する人間は虚勢を張ってるだけに過ぎない
まぁ、目の前の誰かが死のうとも興味はない。
「人を殺すのに理由なんて、いるの？」
殺してきた人間にわざわざ理由づけなんてしていない。
するだけ……無駄。
そもそも後付けされた理由なんて自分を正当化する世迷いごとでしかない
「で、要件はそれだけ？」
【ふ〇なっしー】
「うっはシンプルー！本当にそれだけ！？それだけなの！？」
「人を殺すのに理由なんて要る？って言うけどさぁ……なんとなーく殺してたらそれただの馬鹿だからね？本当は理由があるんだろぉ？欲を満たすとか！そんなのが！そういうの無いならただの馬鹿か、そういう仕事を生業としている奴だけさ！カッコよーく『人を殺すのに、理由なんて要るの？(ｷﾘｯ)』とか言っちゃってさ！いやー！こんなつまんねぇ答え聞いたのは久しぶりだわー！」
馬鹿にする、いや馬鹿にしていないな
こっちからしてみれば目的の無い殺人なんてただの糞のやる事だ
目的も無く殺す目の前のキチガイは劇場を盛り上げる道化にも演者にもなれやしない
「もう一度問おう！君が人を殺す理由ってなんなのさ？」
包丁で遊ぶのを辞め、元のあった場所に戻す。
無防備、無警戒、そもそも攻撃されるということ事態警戒もしてない
今なら楽に殺せるし、殺される
「ほらー！言っちゃいなヨ！可愛い可愛い殺人鬼ちゃん？」
【臨海 凪乃】
「…………」
コイツ、暇なのかしら。
挑発にも乗ることなくただ冷淡と、呆れ、憐み、
なんていうか救われない感情で目の前のソレの演説を聞き流す。
目の前のソレは人に誇れるような上品な人間だと思っているのだろうか。
だとしたら笑ってしまう。
人の人生に口出しできる貴方は何様だ。
ただ、わかった。 わかった。
死にたいのね？
ただ、私は目の前のソレにピリオドを打ってあげるほど暇じゃない。
人を殺す理由は 人が食事する理由と同じだ。
とどのつまり、そういうこと。
「殺してほしいなら素直に言えばいいのに」
ただ、試したくなった。
包丁の刃を上に向けて 突き刺すように 迫る。
【ふ〇なっしー】
「およ？あ、殺っちゃう？殺っちゃう？殺っちゃうんだ！へへへへ」
まぁ、何もしないし何もやらないというかする気が起きない
「いやー！お前ほんと！つまんねぇな！」
そう言うと己の命を刈ろうとする刃が……………
刺さらなーい、なんでって……後ろに避けたからさ！
「つまんねぇお前に殺られるほど俺はヤワじゃないゾ☆」
警戒してないと言ったな？普通に警戒してなかった
あれは本当だ、本能的に避けるという行動をしてしまったのだ
「うわぁー、本当にクラスメイトなのか疑っちゃうよねー高校生してねぇし☆まぁ？ワタクシも言えた事ではナインデスケドネ！ほい、じゃあ殺そうとした理由を聞こうか！何？殺してほしそうだから殺そうとしたとか馬鹿な事は言わないでよね！ぶっちゃけ死んでもいいけどお前みたいなうんこみたいな奴に殺されたくないよーだ！
あ、伏せないと……う○こみたいな奴に殺されたくないよーだ！」
命の危機が迫ったのに焦りもしないし焦る素振りもしないというか焦る必要も無い焦るとその分冷静な判断が出来なくなるし体が思うように動かなくなる。
「ほーんほーんほーん、んふふふふ……えへへへへへ………よし！うん！あれ？うんうん！さぁ！答えを聞こうか！殺そうとした理由を！！！！！！つまんない答えだったら！次は俺がナイフを振り上げる番だね！！！」
包丁を手に取りーの
――――――
「そこまでにしたまえ」
(いつの間にやら、6thと1stの間に、赤色の少女が立っていた。包丁は、忽然と消え去っている)
「僕は『観光を楽しんで』と言ったんだ。殺し合いだなんて恐ろしいもの、僕は望んでいない。
君達は箱庭の中の仔犬に過ぎない。飼い主の意向には従ってもらうよ」
(次の瞬間、彼女の姿はどこにもなかった)
――――――
【臨海 凪乃】
「…………」
死ねよ。
ゲーム開催前に死者が出たらどうなるか見たかったのに
私の淡い期待にも沿えないなんて、本当に使えない。
使えない、使えない、
使えない、使えない、使えない、使えない、
使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、使えない、
死ねよ。
死ねよ。死ね、死ね死ね、死ね。
「……臨海（のぞみ）通り、ぶっ殺してあげる……」
汚泥のようにたまる感情 殺人への強い衝動
あぁ、殺したい殺したい
なんてそんな感情が途切れる
見えた…… この事件の首謀者
目的は果たした。 もう目の前のソレはどうでもいい。
別の包丁を手に取ると、逃げるように去っていく
【ふ〇なっしー】
「あ、まてぇい(江戸っ子)」
「いやー……みんなに伝えた方がいいと思うけど……伝えなくていいか！」
そう言うとこちらも立ち去る
Good boy,Bad girl 12th-23rd
トロンパ(12th)-海月(23rd)
【トロンパ】
西エリア・協会
「…この魂に憐れみを、ねぇ…」
宗教も何も分かったもんじゃない協会
しかしそんな場所でも祈りをささげる者はいるようで、煤けたところはそれ程なかった
そんな場所で、何となく思い出した台詞を呟く
(…この状況なら、憐れまれてるかもな。)
そんな事を考えながら、辺りを見回す
「…ザ、厳かって感じの場所だな…」
【海月】
あの後、特に行くところも無かったから、困った時の教会に戻ってきた。
誰か戻ってきているかな？彼とか彼女とか…ああ、でも、別の人でもいいかもしれない。
今のところ、こころちゃんと2回会った以外には…6人。
人数を考えると、あと7、8人とは話しておきたいところだけれど。
…人探しに教会なんて合うかどうかは別だけれど。さて、教会に来るなら恒例のアレ、やっておくか。
「やっほー！！！！誰かいるーーー！？」
大きく扉を開け放ったとともに、厳かな教会に場違いの声が響いた。
【トロンパ】
ちょっと前まで厳かだったので、大きな声が響いてちょっとビクってなる。
「…おう、いるぞー。」
取り敢えず振り向いて返事をする。
(声がでかいヤツは珍しい…か？)
【海月】
「ああ、キミは…新しい人か。やっほー、せっかくだし自己紹介でもしようよ！」
反応が一般人。倒し甲斐はないけど弄り甲斐はありそう。今のところの総評価では10点かな。
彼もクラスメイトなのだろうけれど、まあ今までがオレ含めて異常だっただけで。
一応、彼が一番"普通"なのだろうね。今見た限りだと、一番。
え？パッと見でそこまで分かるのかって？あはは、分かっちゃうんだよ！オレだから。
なんて冗談だけど。
【トロンパ】
(…そこの抜けたような明るい言動、それでいて向こうからの言葉は最低限、か。…あれならバレるリスクは低いかもな…)
「…俺は、そうだな…トロンパって呼んでくれ、12thだ。そっちは？」
【海月】
「トロンパちゃん、ね。オレはー、海月でいいよ！
それでそれで、トロンパちゃんはここで何してたの？ほら、今どこにいるのかも分からない状況じゃん。
だからさ、情報交換でもしたいなーって。名案じゃないかな！」
…何か、特に危機感を感じていなさそう…と言うか、観光気分が抜けていない。こういう人もいるんだ。
まあ別に"そう"いう人ならオレからも詮索はしないけれどね。優しいし！
それに、こういう人の方が振り回すのはラクだって感じるからね。
頭ごなしな人達しかいなかったし、アフターケアも重要重要。
【トロンパ】
(ふむ…まあまだ分からない)
「俺は…まあ何となく、だな。ほら、ここ割と建物低いだろ？協会が目立ってたからさ、なんかあるかなーと思って来てみたんだよ。」
【海月】
「へーえ。……なんかつまんない理由だねー！もうちょっと考えて動かないと、物理的にも名前的にも殺されちゃうよ？
例えば、オレみたいなヤツにさ。」
相手が引け目に出るなら押していく。出し渋っているなら首を絞めてでも吐かせないと。
表面はずっと笑みを絶やさず、ニコニコとしている。裏のくろーい感情は出来るだけ漏らして。
もうちょっと警戒してくれないと、オレとしてもつまんないんだよね。
「ね、ここってさ、"本名を知られたら死ぬ"ってルールがあるでしょ？でも、黒幕がそれで終わらせるかな。
きっとこれは前段階だよ。トロンパちゃんは、この後起こるだろう事について…どう考えてる？」
【トロンパ】
「…殺す？なんで？」
(なるほど、コイツはアレだな。かなりのやり手と見た。情報をある程度先に出させようとして、目的が分かったところで畳み掛ける。…詐欺師だ)
そんなやつに真面目に話す必要もあるまい。
自分を偽って生存率を上げるのは結構だが、それを利用して周りにちょっかいかけるのは感心しない。
つまるところコイツは「騙しに来てる」わけだから、本当に殺し合いになった時に一番信用できないという事になってしまう。
【海月】
「んー、何でって…むしろ、なんで？ルールを設けられたら、それを楽しむのは当たり前、でしょ？」
玩具を楽しむ子供のように当たり前で、人を殺す殺人犯のように当たり前なこと。
当たり前のように返答したつもりなのだけれど、彼にとっては予想外だった様子だね。
…まあ、それが普通か。
でも、彼は正直、オレの本質は見抜けていないように感じるね。
騙す意味が分からない、自分の首を絞めるだけ、そんな風な目してるよ。
…それが目的に決まってるじゃん！ゲエムなんてハードモードじゃないとつまらないっての。
「それとも、やっぱりキミも、殺し合ったり騙したりするのはダメーなんてつまんない事を言うつもり？」
【トロンパ】
「………ダメって事は……無いのかもな…」
(…騙す事に急に触れたな。こりゃバレたか？…うーん…ここまで"やる気"なのは初めて見るけど…まあそういうやつもいるか。)
「……でも、本当に殺す気なら、そんな事は言わないだろう？」
よし、と。
少し"やってみようか"
【海月】
「っはは」
"本当に殺す気ならそんな事は言わない"なんて。
そんなこと言われたらさ。…ちょっとくらいは相手してみたくなるよね？
―一瞬踏み込んで、一気に距離を詰める。相手との体格差は広いけれど、その分だけ屈めば少なくとも相手から反撃を受けることは少ない。
真下まで来て、相手の脛を狙って一直線に蹴り上げた。
どうせただ煽ってみたつもりなんだろうけれど、敢えて乗ってあげる。
【トロンパ】
やろうか、と思ったら急に蹴ってきた
(まあ、脛ならいいか。"慣れてる"し)
足をやや組み替え、敢えて蹴りを受ける。若干痛いが、まあ割とある痛みだ。
「…そこまで来たんなら、前借りで股間でも狙ったほうがいいぞ？」
そう言って
左足を後ろに、右足を前に軽く飛ぶようにして組み替え
左足を刈り取る様に右に向けて振り抜く
【海月】
「っうわ……ッ！？」
振り抜かれた左足を防ぐ手段は正直持ち合わせていなかった。
体勢を崩して後方に少し飛び退く。
「…ああ、痛い痛い。もうちょっと手加減とかしてくれてもよくない？って思うんだけどなー」
恐らくここまでは相手の予想通りだろう。
"振り抜いた時の手ごたえが極端に少なかった"事以外はね。
…オレ、結構打たれ強いんだよ！
「それに、仮にも女の子に暴力を振るうのは良くないと思うんだよねー。
訴えるぞ！罪状は特に決めてないけど！」
【トロンパ】
「…………………………………ククッ」
笑う
「ククッ、クヒヒ、クハハ、ウィヒィッ、クキャ、クカカ、アヒャヒャ」
嗤う
「ウィヒヒヒ、ウフフ、アハハ、ムフフ、ムヒヒャ、バハハ、クキケコキャキャキャキャ！」
破顔う
「いやー！とんだ挨拶もあったもので？正直ワタクシ感動しておりますとも！ええ！今時の若者は何と気の短く、惨めで見栄っ張りで引っ込み思案ですぐネットとかで検索してアニメとか見て楽しんで寝る間も惜しんで仲間と遊び？因果応報、あらやだ奥様？あの子また遅刻ですこと？このまま立派に大人になりやがれってよく言われる物ですが？その点アナタの何と無礼で無作法で無遠慮で不謹慎で愉快でハァッピーな事か！これぞまさに？面目躍如？子曰く学ぶに如かざるなり？四面楚歌？ワァタクシィ！とてもビックリしましたよぉもう！急に蹴ってくるなんてあなたどこの元寇ですかぁ！？アブナイヨー、モー！」
そう言って、パチパチと拍手をしながら、男は歩み寄る
【海月】
「あ、ごめん、話長かったから寝てた」
キチガイの相手なんてオネェとかより慣れている。…煩いタイプのは耳に響くけれど。
けれど、そうか。"そういう"タイプなら先程までの評価は撤回しよう。
普通な人なんて言っちゃってごめんねトロンパちゃん！そういうタイプだったんだね！オレ、そういうの…
反吐が出るくらい大っ嫌いだよ！
「キミが先に煽ってきたのが良くないーなんて、そんなこと言ったら舌戦になりかねないか！
いきなりスイッチを切り替えるなんて、やっぱりキミ面白いヤツだったね！弄り甲斐あるってワケじゃなさそうだけれど。
…ああ、でも、そのままだとちょーっと話すのは面倒くさいかな？
ほら、オレ普通の一般人だからキミみたいなタイプの相手はできないんだよねー」
歩み寄るのを止めるわけでもなく、進むわけでも退くわけでもなく、止まりながらずっと。見ている。
【トロンパ】
「なんと！こんな所でうら若き乙女が寝てしまったらあら大変！怖い怖い神様がやって来て、そっと布団をかけて焼却炉に放り込んで煽って来ますよ！？『今日は七面鳥だな』とか言って！そんな事になったら、ワタクシとても嬉しい！嬉しさのあまりお葬式で泣いてしまうでっしょい！そんな驚天動地地震雷火事親父な事！ワタクシ腹を抱えてスヤスヤと安眠してしまいますね！ええ！あ、ワタクシが寝てしまってはダメですか、そうですかぁ！？では神様に直談判せざるを得ませんねぇ！幸いにしてここは荘厳なる協会！きっと神様も『い つ も の』って感じで対応してくださる事でしょう！なんと無礼な！そのままの貴方でいて下さい！でもお正月くらいはおはなし聞いてください！」
まくし立てる様に話しながら拍手をやめる。が、歩く事はやめず、むしろ早足になる。
そして立つ海月の横を通り協会のドアの前までくると、くるりと振り返り
「ああ、自己紹介がまだでしたねぇ"御同輩"！それなのにワタクシの事を識ったように話されるなんて、片腹痛くて朝から起きてしまいそうです！ええ！とんでもない、喧嘩を売った覚えなどないのに…とは申しましても？結局人の言葉なんて容易にすれ違うものですし？あれは、鳥か、飛行機か！？なんて言葉もあるくらいですから？人々の認識に差異が生まれる事など必然とも言えるでしょうし？傍若無人、諸行無常！それもまたローマに通じるのでしょう！ええ？さて、改めて自己紹介をば！」
そう言って
その名を告げる
「ワタクシ、トロンパ=ヴァン・ルードツィッヒと申します。どうか？以後お見知り置きを？今後ともに良い関係が続くであろう唾棄すべき偉大なる同志よ！好きなものはパフェ！甘いもの嫌いなんです！ええ！」
【海月】
「……へえ、なるほど。"御同輩"か。まるでボクの事を知ってるかのような言い回しだね。やっぱりシンパシーを感じる部分があるのかな？キミの心情はちょっとボクには理解できかねるけど恐怖の具現化みたいな存在だね！
知りたくもない事を視っているかのように話す趣味はボクにもないから、キミのことを深く話したつもりはないよ！ボクから見た"キミ"と、キミから見た"キミ"は別の存在でしょう？それを同一と違えるはずがないじゃないか！
だのに容易にすれ違うなんて人間は解釈と理解力の無さにあきれて物も言えないのかなって思っちゃったりするけどね。ボクは神様とか信じないタチだけど"ゆーとぴあ"が見れるのならば葬式でも結婚式でも何にでも出てきていいよ！歓迎しちゃう！ただしその仮面はボクが頂いちゃうかもしれないけれど。
狂おしいほどに狂ってないボクの話なんて聞く余地もないよね？」
「キミのことは親しみを込めて"ヴァン"と呼ばせてもらおう、まるで何処かの殺人鬼みたいだね！ボクそういう殺人鬼大好きだよ！大嫌い！キミと手を取り合うことは二度とないだろうけれど、キミと顔を合わせてみたいとは次の日も次の次の一昨日も思うんじゃないかな。ボクは今は"ミヅキ"としか名乗れないけれど、いつかもう少しボクの事を……」
……ああ、行ってしまった？
「教会に来る者が神様など信じているワケないんですってね。見ているんでしょ？」
誰に呟いたか。
【トロンパ】
「アッハィ、どもどもみとぅきサン、ヨロー」
急にテンション下がった
「ん〜？そういうアナタこそ？なんだかんだでその自分の意見を押し付けてると言いますか？反論は聞くけど認めないと言いますか？聖徳太子は10人いっぺんに聞いたから自分は100人同時に聞くよーとか言ってる人見たいと言いますか？順風満帆？天真爛漫？餡掛け炒飯？ともかくとてもキラキラした素晴らしい容姿と心をお持ちのようで！あ、ちなみにワタクシ神様はそんなに信じておりません。なので毎日10分は祈りますとも！ええ！あと甘いものはふつうに好きですよ！お土産は辛いものでお願いします！そしてぇ？せっかくこのような所、このような機会に恵まれたのですからぁ！ここでハイさよならなんてさぁみしぃじゃぁありませんか！！ゲームしましょうよ、ゲーム！与えられたルールに則って反則するなんてお行儀のいいことをするなんて以ての外！自分で勝手に好き放題ルールを作り、それを放置さて公式ルールを守って楽しくリアルファイト！でも禁止カードは無しで！友情壊れちゃう！そんな訳でルールは簡単！鬼ごっこ！ワタクシ？今から？アナタを捕まえに行こうと思いまーす！そして見事捕まえたら犯しまーす！どう？簡単でしょう？あ、殺すのはナシで！流石にこんな所で脱落してしまっては目も当てられずに神様大爆笑必須ですよ！『おお海月、死んでしまうとはザマァ見ろ！』ってね！そんな抱腹絶倒、即ちこれ無念無想の境地なりな事はワァタクシとしても避けたい所ですし！まあ節度ある範囲で楽しみましょうよー！よろしくお願いしまぁす！」
相手の話を聞いているのか、いないのか
相手の言葉に返すようで、その実言いたい事をまくし立てているだけなのか
とにかくよく喋る、それがトロンパ=ヴァン・ルードツィッヒだ
【海月】
「あれ、言ってなかったっけ？私ちょっと人より傲慢で押しつけがましい愚かな性格をしていたりしていなかったり。そもそも人間が自分とすり合わない意見を"はいそうですね"と認める事などあり得ないと思うのだけれどそこはどう思っているのかな？狂言回しと言えどやはり意味を保っておかないと今度こそ夜になってしまうよ。
キミとはとても話が合うみたいだけれど協調性のない人と話をする気は微塵も感じられないな、私排他的社交性にあふれる人間が大好きなんだ。ゲエムを楽しむ為にはルールが必要不可欠とは良く云ったものだけれど、生憎私は"勝ち確定"も"負け確定"も無理な主義なんだよね。タイムリミットも制限カードも対抗手段も夢も希望もいない世界で私は何を糧に生きればいいのやら。死にかけの鳥は歌を歌うみたいだけど。
生憎"ゲエム"は悲しい範囲でしか遊べない人間だから。夜なのに夜になってしまうのは避けたいでしょ？キミとしても。それとも永遠に暮れる月を見ている方がお好みかな。私はどっちも嫌いだよ、終わらないことに恐怖してしまいそう。」
相手を見ているようで見ていない。
その言葉はトロンパをすり抜けた別の誰かへのメッセィジなのでしょうか。
【トロンパ】
「まったく、狂人と話すのは疲れますねぇ。話が通じてるのかよく分からない。そうは思いません？私は思いません。」
流石に断られてしまったか。どうも"目的ある狂人"のようだ
「では、また会う日を楽しみにしていますよ？ミヅキさん？今日は時間もあまり無いようなので。」
そう言って一礼すると、ドアを開けて外へ出て行く
出口の横ですたんばってるけど
【海月】
「……Good bye.
I don't want to see you anymore.」
狂っているのは誰なのか、分かりはしないけれど。
……自分が狂っている事を、自覚出来てしまうから。
"あの言葉"を"あいつら"以外に向けることになるとは。
いいや、いいや………もう誰でもいい。
オレの目的は一つなのだから。
【トロンパ】
西エリア・協会
「…この魂に憐れみを、ねぇ…」
宗教も何も分かったもんじゃない協会
しかしそんな場所でも祈りをささげる者はいるようで、煤けたところはそれ程なかった
そんな場所で、何となく思い出した台詞を呟く
(…この状況なら、憐れまれてるかもな。)
そんな事を考えながら、辺りを見回す
「…ザ、厳かって感じの場所だな…」
【海月】
あの後、特に行くところも無かったから、困った時の教会に戻ってきた。
誰か戻ってきているかな？彼とか彼女とか…ああ、でも、別の人でもいいかもしれない。
今のところ、こころちゃんと2回会った以外には…6人。
人数を考えると、あと7、8人とは話しておきたいところだけれど。
…人探しに教会なんて合うかどうかは別だけれど。さて、教会に来るなら恒例のアレ、やっておくか。
「やっほー！！！！誰かいるーーー！？」
大きく扉を開け放ったとともに、厳かな教会に場違いの声が響いた。
【トロンパ】
ちょっと前まで厳かだったので、大きな声が響いてちょっとビクってなる。
「…おう、いるぞー。」
取り敢えず振り向いて返事をする。
(声がでかいヤツは珍しい…か？)
【海月】
「ああ、キミは…新しい人か。やっほー、せっかくだし自己紹介でもしようよ！」
反応が一般人。倒し甲斐はないけど弄り甲斐はありそう。今のところの総評価では10点かな。
彼もクラスメイトなのだろうけれど、まあ今までがオレ含めて異常だっただけで。
一応、彼が一番"普通"なのだろうね。今見た限りだと、一番。
え？パッと見でそこまで分かるのかって？あはは、分かっちゃうんだよ！オレだから。
なんて冗談だけど。
【トロンパ】
(…そこの抜けたような明るい言動、それでいて向こうからの言葉は最低限、か。…あれならバレるリスクは低いかもな…)
「…俺は、そうだな…トロンパって呼んでくれ、12thだ。そっちは？」
【海月】
「トロンパちゃん、ね。オレはー、海月でいいよ！
それでそれで、トロンパちゃんはここで何してたの？ほら、今どこにいるのかも分からない状況じゃん。
だからさ、情報交換でもしたいなーって。名案じゃないかな！」
…何か、特に危機感を感じていなさそう…と言うか、観光気分が抜けていない。こういう人もいるんだ。
まあ別に"そう"いう人ならオレからも詮索はしないけれどね。優しいし！
それに、こういう人の方が振り回すのはラクだって感じるからね。
頭ごなしな人達しかいなかったし、アフターケアも重要重要。
【トロンパ】
(ふむ…まあまだ分からない)
「俺は…まあ何となく、だな。ほら、ここ割と建物低いだろ？協会が目立ってたからさ、なんかあるかなーと思って来てみたんだよ。」
【海月】
「へーえ。……なんかつまんない理由だねー！もうちょっと考えて動かないと、物理的にも名前的にも殺されちゃうよ？
例えば、オレみたいなヤツにさ。」
相手が引け目に出るなら押していく。出し渋っているなら首を絞めてでも吐かせないと。
表面はずっと笑みを絶やさず、ニコニコとしている。裏のくろーい感情は出来るだけ漏らして。
もうちょっと警戒してくれないと、オレとしてもつまんないんだよね。
「ね、ここってさ、"本名を知られたら死ぬ"ってルールがあるでしょ？でも、黒幕がそれで終わらせるかな。
きっとこれは前段階だよ。トロンパちゃんは、この後起こるだろう事について…どう考えてる？」
【トロンパ】
「…殺す？なんで？」
(なるほど、コイツはアレだな。かなりのやり手と見た。情報をある程度先に出させようとして、目的が分かったところで畳み掛ける。…詐欺師だ)
そんなやつに真面目に話す必要もあるまい。
自分を偽って生存率を上げるのは結構だが、それを利用して周りにちょっかいかけるのは感心しない。
つまるところコイツは「騙しに来てる」わけだから、本当に殺し合いになった時に一番信用できないという事になってしまう。
【海月】
「んー、何でって…むしろ、なんで？ルールを設けられたら、それを楽しむのは当たり前、でしょ？」
玩具を楽しむ子供のように当たり前で、人を殺す殺人犯のように当たり前なこと。
当たり前のように返答したつもりなのだけれど、彼にとっては予想外だった様子だね。
…まあ、それが普通か。
でも、彼は正直、オレの本質は見抜けていないように感じるね。
騙す意味が分からない、自分の首を絞めるだけ、そんな風な目してるよ。
…それが目的に決まってるじゃん！ゲエムなんてハードモードじゃないとつまらないっての。
「それとも、やっぱりキミも、殺し合ったり騙したりするのはダメーなんてつまんない事を言うつもり？」
【トロンパ】
「………ダメって事は……無いのかもな…」
(…騙す事に急に触れたな。こりゃバレたか？…うーん…ここまで"やる気"なのは初めて見るけど…まあそういうやつもいるか。)
「……でも、本当に殺す気なら、そんな事は言わないだろう？」
よし、と。
少し"やってみようか"
【海月】
「っはは」
"本当に殺す気ならそんな事は言わない"なんて。
そんなこと言われたらさ。…ちょっとくらいは相手してみたくなるよね？
―一瞬踏み込んで、一気に距離を詰める。相手との体格差は広いけれど、その分だけ屈めば少なくとも相手から反撃を受けることは少ない。
真下まで来て、相手の脛を狙って一直線に蹴り上げた。
どうせただ煽ってみたつもりなんだろうけれど、敢えて乗ってあげる。
【トロンパ】
やろうか、と思ったら急に蹴ってきた
(まあ、脛ならいいか。"慣れてる"し)
足をやや組み替え、敢えて蹴りを受ける。若干痛いが、まあ割とある痛みだ。
「…そこまで来たんなら、前借りで股間でも狙ったほうがいいぞ？」
そう言って
左足を後ろに、右足を前に軽く飛ぶようにして組み替え
左足を刈り取る様に右に向けて振り抜く
【海月】
「っうわ……ッ！？」
振り抜かれた左足を防ぐ手段は正直持ち合わせていなかった。
体勢を崩して後方に少し飛び退く。
「…ああ、痛い痛い。もうちょっと手加減とかしてくれてもよくない？って思うんだけどなー」
恐らくここまでは相手の予想通りだろう。
"振り抜いた時の手ごたえが極端に少なかった"事以外はね。
…オレ、結構打たれ強いんだよ！
「それに、仮にも女の子に暴力を振るうのは良くないと思うんだよねー。
訴えるぞ！罪状は特に決めてないけど！」
【トロンパ】
「…………………………………ククッ」
笑う
「ククッ、クヒヒ、クハハ、ウィヒィッ、クキャ、クカカ、アヒャヒャ」
嗤う
「ウィヒヒヒ、ウフフ、アハハ、ムフフ、ムヒヒャ、バハハ、クキケコキャキャキャキャ！」
破顔う
「いやー！とんだ挨拶もあったもので？正直ワタクシ感動しておりますとも！ええ！今時の若者は何と気の短く、惨めで見栄っ張りで引っ込み思案ですぐネットとかで検索してアニメとか見て楽しんで寝る間も惜しんで仲間と遊び？因果応報、あらやだ奥様？あの子また遅刻ですこと？このまま立派に大人になりやがれってよく言われる物ですが？その点アナタの何と無礼で無作法で無遠慮で不謹慎で愉快でハァッピーな事か！これぞまさに？面目躍如？子曰く学ぶに如かざるなり？四面楚歌？ワァタクシィ！とてもビックリしましたよぉもう！急に蹴ってくるなんてあなたどこの元寇ですかぁ！？アブナイヨー、モー！」
そう言って、パチパチと拍手をしながら、男は歩み寄る
【海月】
「あ、ごめん、話長かったから寝てた」
キチガイの相手なんてオネェとかより慣れている。…煩いタイプのは耳に響くけれど。
けれど、そうか。"そういう"タイプなら先程までの評価は撤回しよう。
普通な人なんて言っちゃってごめんねトロンパちゃん！そういうタイプだったんだね！オレ、そういうの…
反吐が出るくらい大っ嫌いだよ！
「キミが先に煽ってきたのが良くないーなんて、そんなこと言ったら舌戦になりかねないか！
いきなりスイッチを切り替えるなんて、やっぱりキミ面白いヤツだったね！弄り甲斐あるってワケじゃなさそうだけれど。
…ああ、でも、そのままだとちょーっと話すのは面倒くさいかな？
ほら、オレ普通の一般人だからキミみたいなタイプの相手はできないんだよねー」
歩み寄るのを止めるわけでもなく、進むわけでも退くわけでもなく、止まりながらずっと。見ている。
【トロンパ】
「なんと！こんな所でうら若き乙女が寝てしまったらあら大変！怖い怖い神様がやって来て、そっと布団をかけて焼却炉に放り込んで煽って来ますよ！？『今日は七面鳥だな』とか言って！そんな事になったら、ワタクシとても嬉しい！嬉しさのあまりお葬式で泣いてしまうでっしょい！そんな驚天動地地震雷火事親父な事！ワタクシ腹を抱えてスヤスヤと安眠してしまいますね！ええ！あ、ワタクシが寝てしまってはダメですか、そうですかぁ！？では神様に直談判せざるを得ませんねぇ！幸いにしてここは荘厳なる協会！きっと神様も『い つ も の』って感じで対応してくださる事でしょう！なんと無礼な！そのままの貴方でいて下さい！でもお正月くらいはおはなし聞いてください！」
まくし立てる様に話しながら拍手をやめる。が、歩く事はやめず、むしろ早足になる。
そして立つ海月の横を通り協会のドアの前までくると、くるりと振り返り
「ああ、自己紹介がまだでしたねぇ"御同輩"！それなのにワタクシの事を識ったように話されるなんて、片腹痛くて朝から起きてしまいそうです！ええ！とんでもない、喧嘩を売った覚えなどないのに…とは申しましても？結局人の言葉なんて容易にすれ違うものですし？あれは、鳥か、飛行機か！？なんて言葉もあるくらいですから？人々の認識に差異が生まれる事など必然とも言えるでしょうし？傍若無人、諸行無常！それもまたローマに通じるのでしょう！ええ？さて、改めて自己紹介をば！」
そう言って
その名を告げる
「ワタクシ、トロンパ=ヴァン・ルードツィッヒと申します。どうか？以後お見知り置きを？今後ともに良い関係が続くであろう唾棄すべき偉大なる同志よ！好きなものはパフェ！甘いもの嫌いなんです！ええ！」
【海月】
「……へえ、なるほど。"御同輩"か。まるでボクの事を知ってるかのような言い回しだね。やっぱりシンパシーを感じる部分があるのかな？キミの心情はちょっとボクには理解できかねるけど恐怖の具現化みたいな存在だね！
知りたくもない事を視っているかのように話す趣味はボクにもないから、キミのことを深く話したつもりはないよ！ボクから見た"キミ"と、キミから見た"キミ"は別の存在でしょう？それを同一と違えるはずがないじゃないか！
だのに容易にすれ違うなんて人間は解釈と理解力の無さにあきれて物も言えないのかなって思っちゃったりするけどね。ボクは神様とか信じないタチだけど"ゆーとぴあ"が見れるのならば葬式でも結婚式でも何にでも出てきていいよ！歓迎しちゃう！ただしその仮面はボクが頂いちゃうかもしれないけれど。
狂おしいほどに狂ってないボクの話なんて聞く余地もないよね？」
「キミのことは親しみを込めて"ヴァン"と呼ばせてもらおう、まるで何処かの殺人鬼みたいだね！ボクそういう殺人鬼大好きだよ！大嫌い！キミと手を取り合うことは二度とないだろうけれど、キミと顔を合わせてみたいとは次の日も次の次の一昨日も思うんじゃないかな。ボクは今は"ミヅキ"としか名乗れないけれど、いつかもう少しボクの事を……」
……ああ、行ってしまった？
「教会に来る者が神様など信じているワケないんですってね。見ているんでしょ？」
誰に呟いたか。
【トロンパ】
「アッハィ、どもどもみとぅきサン、ヨロー」
急にテンション下がった
「ん〜？そういうアナタこそ？なんだかんだでその自分の意見を押し付けてると言いますか？反論は聞くけど認めないと言いますか？聖徳太子は10人いっぺんに聞いたから自分は100人同時に聞くよーとか言ってる人見たいと言いますか？順風満帆？天真爛漫？餡掛け炒飯？ともかくとてもキラキラした素晴らしい容姿と心をお持ちのようで！あ、ちなみにワタクシ神様はそんなに信じておりません。なので毎日10分は祈りますとも！ええ！あと甘いものはふつうに好きですよ！お土産は辛いものでお願いします！そしてぇ？せっかくこのような所、このような機会に恵まれたのですからぁ！ここでハイさよならなんてさぁみしぃじゃぁありませんか！！ゲームしましょうよ、ゲーム！与えられたルールに則って反則するなんてお行儀のいいことをするなんて以ての外！自分で勝手に好き放題ルールを作り、それを放置さて公式ルールを守って楽しくリアルファイト！でも禁止カードは無しで！友情壊れちゃう！そんな訳でルールは簡単！鬼ごっこ！ワタクシ？今から？アナタを捕まえに行こうと思いまーす！そして見事捕まえたら犯しまーす！どう？簡単でしょう？あ、殺すのはナシで！流石にこんな所で脱落してしまっては目も当てられずに神様大爆笑必須ですよ！『おお海月、死んでしまうとはザマァ見ろ！』ってね！そんな抱腹絶倒、即ちこれ無念無想の境地なりな事はワァタクシとしても避けたい所ですし！まあ節度ある範囲で楽しみましょうよー！よろしくお願いしまぁす！」
相手の話を聞いているのか、いないのか
相手の言葉に返すようで、その実言いたい事をまくし立てているだけなのか
とにかくよく喋る、それがトロンパ=ヴァン・ルードツィッヒだ
【海月】
「あれ、言ってなかったっけ？私ちょっと人より傲慢で押しつけがましい愚かな性格をしていたりしていなかったり。そもそも人間が自分とすり合わない意見を"はいそうですね"と認める事などあり得ないと思うのだけれどそこはどう思っているのかな？狂言回しと言えどやはり意味を保っておかないと今度こそ夜になってしまうよ。
キミとはとても話が合うみたいだけれど協調性のない人と話をする気は微塵も感じられないな、私排他的社交性にあふれる人間が大好きなんだ。ゲエムを楽しむ為にはルールが必要不可欠とは良く云ったものだけれど、生憎私は"勝ち確定"も"負け確定"も無理な主義なんだよね。タイムリミットも制限カードも対抗手段も夢も希望もいない世界で私は何を糧に生きればいいのやら。死にかけの鳥は歌を歌うみたいだけど。
生憎"ゲエム"は悲しい範囲でしか遊べない人間だから。夜なのに夜になってしまうのは避けたいでしょ？キミとしても。それとも永遠に暮れる月を見ている方がお好みかな。私はどっちも嫌いだよ、終わらないことに恐怖してしまいそう。」
相手を見ているようで見ていない。
その言葉はトロンパをすり抜けた別の誰かへのメッセィジなのでしょうか。
【トロンパ】
「まったく、狂人と話すのは疲れますねぇ。話が通じてるのかよく分からない。そうは思いません？私は思いません。」
流石に断られてしまったか。どうも"目的ある狂人"のようだ
「では、また会う日を楽しみにしていますよ？ミヅキさん？今日は時間もあまり無いようなので。」
そう言って一礼すると、ドアを開けて外へ出て行く
出口の横ですたんばってるけど
【海月】
「……Good bye.
I don't want to see you anymore.」
狂っているのは誰なのか、分かりはしないけれど。
……自分が狂っている事を、自覚出来てしまうから。
"あの言葉"を"あいつら"以外に向けることになるとは。
いいや、いいや………もう誰でもいい。
オレの目的は一つなのだから。
武人少女たちの集い 11th-19th
ヒガンバナ(11th)-アダム(19th)
【ヒガンバナ】
即席の、加工もなにもしていない鉄板を使い、素振りの練習。
ヒガンバナは、西の船着き場にて、潮風を感じながらそんなことをしていた。
「──ふっ……───ふっ！」
精神を統一させながら、一振り、また一振り。
【アダム】
「何をしているの？」
西の船着場にて精神統一を阻害するかのようなタイミングで声を掛ける少女。
その声は凛と響き、声のする方を振り返ると白髪が目に映るだろう。
だが振り返って最初に感じる事。それは背がでかいという事か、事実その少女の身長は男子の平均身長を上回る程だった。
【ヒガンバナ】
「…………む？」
声をかけられると、素振りを止めて、ゆっくり振り向く。
仕方ないかもしれないが、随分と今日は声を掛けられる。
「……見ての通りだ。
只の運動だよ。」
何をしているのと聞かれても、本当に只の素振りなのだ。
因みに、身長に関しては残念ながらヒガンバナも大きい。まあ、3cm差はあるが。
【アダム】
「ただの運動…剣道でもやっているの？」
棒を振っている事から剣道を連想した。その連想は中々悪くは無い筈だ。
だけどこの人はマークした方が良い。恐らく…武術に精通している者は色々と面倒臭い。
【ヒガンバナ】
「……軽くな。
そもそも、ここ最近はやってないが。」
剣道をやっていたかと問われれば、答えとしてはYES
だが、最近はやっていなかったと付け加えた。
彼女の方に向き直ると、不敵な笑みを浮かべる。
「そう警戒するな。
滅多な事では、刃を人に向けることは無いさ。」
【アダム】
「……あっそ」
警戒するなと言われても警戒はする。人は皆いつ狂気に飲まれるか分からない。それはこの少女だってそうだし自分だってそう。だから警戒をするのだ。
「ところであんた、名前は？」
そういやここまで名前を知らない。ちょっと興味があったから聞いてみよう。
【ヒガンバナ】
「名を尋ねる時は、先に自分が名乗る物だろう……
と、言うところだが、まあ良いだろう。
私はヒガンバナだ、貴様は？」
余り警戒を解いてくれなかった為、少し苦笑いを浮かべる。
ヒガンバナ自身は、刀もどきを杖代わりにしながら、楽な体勢を取っている。
【アダム】
「それは失礼。私はアダム。女でその名前なのかという質問は受け付けない。」
自分も名乗れば質問はなしだと告げる。
今こうやってコミュニケーションをしているが、実を言うと彼女は別の用事がある。
身に付けている腕時計をチラリと見るとあまり時間が無い。
「…すまない、約束の時間が迫っているから私はそろそろお暇させてもらう。では、またあった時に」
一礼すればその場を立ち去る為に踵を返す。
女子高生にしてはかなり大人びている印象があるだろう。不自然な程に。
【ヒガンバナ】
「アダム、か。
……何だか忙しないな。まあいい、フレンド申請をしておく。
後で承認しておいてくれ。」
足早に立ち去ってしまった彼女を見送る。
一応、フレンド承認してよね！！
【アダム】
「了解」
そう相手に言えばその場を立ち去る。
暫く歩き、人毛がない所で
「うーん、中々難しい。女子高生らしさというのはどうもよく分からない。まじ卍とか言った方がイイのか？」
ぶつぶつと人に聞えない程度で呟きながらとある人を探し始めた。
【ヒガンバナ】
即席の、加工もなにもしていない鉄板を使い、素振りの練習。
ヒガンバナは、西の船着き場にて、潮風を感じながらそんなことをしていた。
「──ふっ……───ふっ！」
精神を統一させながら、一振り、また一振り。
【アダム】
「何をしているの？」
西の船着場にて精神統一を阻害するかのようなタイミングで声を掛ける少女。
その声は凛と響き、声のする方を振り返ると白髪が目に映るだろう。
だが振り返って最初に感じる事。それは背がでかいという事か、事実その少女の身長は男子の平均身長を上回る程だった。
【ヒガンバナ】
「…………む？」
声をかけられると、素振りを止めて、ゆっくり振り向く。
仕方ないかもしれないが、随分と今日は声を掛けられる。
「……見ての通りだ。
只の運動だよ。」
何をしているのと聞かれても、本当に只の素振りなのだ。
因みに、身長に関しては残念ながらヒガンバナも大きい。まあ、3cm差はあるが。
【アダム】
「ただの運動…剣道でもやっているの？」
棒を振っている事から剣道を連想した。その連想は中々悪くは無い筈だ。
だけどこの人はマークした方が良い。恐らく…武術に精通している者は色々と面倒臭い。
【ヒガンバナ】
「……軽くな。
そもそも、ここ最近はやってないが。」
剣道をやっていたかと問われれば、答えとしてはYES
だが、最近はやっていなかったと付け加えた。
彼女の方に向き直ると、不敵な笑みを浮かべる。
「そう警戒するな。
滅多な事では、刃を人に向けることは無いさ。」
【アダム】
「……あっそ」
警戒するなと言われても警戒はする。人は皆いつ狂気に飲まれるか分からない。それはこの少女だってそうだし自分だってそう。だから警戒をするのだ。
「ところであんた、名前は？」
そういやここまで名前を知らない。ちょっと興味があったから聞いてみよう。
【ヒガンバナ】
「名を尋ねる時は、先に自分が名乗る物だろう……
と、言うところだが、まあ良いだろう。
私はヒガンバナだ、貴様は？」
余り警戒を解いてくれなかった為、少し苦笑いを浮かべる。
ヒガンバナ自身は、刀もどきを杖代わりにしながら、楽な体勢を取っている。
【アダム】
「それは失礼。私はアダム。女でその名前なのかという質問は受け付けない。」
自分も名乗れば質問はなしだと告げる。
今こうやってコミュニケーションをしているが、実を言うと彼女は別の用事がある。
身に付けている腕時計をチラリと見るとあまり時間が無い。
「…すまない、約束の時間が迫っているから私はそろそろお暇させてもらう。では、またあった時に」
一礼すればその場を立ち去る為に踵を返す。
女子高生にしてはかなり大人びている印象があるだろう。不自然な程に。
【ヒガンバナ】
「アダム、か。
……何だか忙しないな。まあいい、フレンド申請をしておく。
後で承認しておいてくれ。」
足早に立ち去ってしまった彼女を見送る。
一応、フレンド承認してよね！！
【アダム】
「了解」
そう相手に言えばその場を立ち去る。
暫く歩き、人毛がない所で
「うーん、中々難しい。女子高生らしさというのはどうもよく分からない。まじ卍とか言った方がイイのか？」
ぶつぶつと人に聞えない程度で呟きながらとある人を探し始めた。
"殺人"の価値観 13th-23rd
撫子(13th)-海月(23rd)
【海月】
「………ああ、くそ。」
軽く吐いた言葉は捨てて、教会から、ホテルまで歩いて来た。
何故、といわれるかもしれないが、今のところ"寝床"としての活用法がある此処が一番落ち着くんだ。
…まあ、この場所で落ち着く所なんて、ないんだけど。
頭が痛い。フラフラする。足元も覚束ないし。最悪、最悪。
なんなんだ、"アレ"。
「……他に誰かいるかなー？できれば新しい人に会いたいんだけどっ！」
表面上で、間抜けヅラするだけで、精一杯。
【撫子】
いるけど誰ー？
（適当に返事。なんで返事したかは不明。
ちなみに、ホテルに着いてからの行動をまとめると、部屋取る前にロビーでぬくぬくして「室内サイコー！」ってなってたところ。）
【海月】
「お、いたいた！やっほー！オレはねー、海月だよ。キミは？
今いろんなトコ周ってるからさ、キミの事も聞いておきたいなって！」
切り替えて、目の前の少女の方に思考を移そう。切り替えが早いのもオレの長所だよね！
…というか、不用心に返事しちゃうんだ。罠とか疑わないのかな？
まあ、疑ったうえでの行動って可能性もなくはないけれど。
【撫子】
私のこと？大して言うことないけど…
（彼女について特別なことなんて凍死しかけたことくらいだ。
それ以外で言うならバイオフナッシーに追いかけられたことくらいか。性格についても変なところはないから、大して言うことがない。）
【海月】
「えー、そんな釣れないこと言わないでよー！名前とかー…ああほら、さっきまで何があったかとか？
ないなら話し相手くらいなってもらいたいんだよね！つまんないヤツだったら困るし」
"つまんないヤツだったら困る"ってのはドコに向けた発言なのやら。まあ、いい。
此処に来て、たいして言うことが無い…かぁ。さっき、それで――いや、"アレ"、は、思い出したくない。
実際、大したことないなんて言うヤツの方が油断ならないのは事実だ。オレの方がまだ良心的だよ！
それでも、今は踏み込んででも情報を集めないと。死ぬのは御免だし、ゲエムを愉しめないのはもっと御免だ。
【撫子】
名前？とりあえず撫子って名乗ってる。
あとさっき死にかけた。
（はい、話すこと終わり。けろっとした顔で言っておいた。
まぁ少し命の危険もあったから少ししか行動できないのも仕方ない。）
まぁ話し相手ならなるよ。暇だし。
（話し相手になるのは了承。正直暖かい場所に、快適にいられさえすれば何でもいい気分だった。）
【海月】
「ふーん、そっかぁ。撫子ちゃんよろしくねー！」
ああ、これはちょっとばかし難しいタイプかも。6thのコより物事を見ないけど排他的だから、状況把握が難しい。
だとしても、1から10まで懇切丁寧に説明するほどオレは優しくないんだよね。
…まあ、ちょっとだけなら教えてあげてもいいかな？気づいているかもしれないけど。
「そういえばさー、撫子ちゃんもここに"連れてこられた"人なんだよね？
他に誰かと会ったりしたの？あとー…どんな人が集められてるのかな、とか思い当たることある？」
【撫子】
まぁそうだよ。他には…ふなっしーを象ったモンスターに会ったのと…6thの人に会ったかな。あとよくわからない狐面。
（殆ど名前で呼んでいないが、会ったことがあれば全員誰だかわかるだろう。
一番マシなので番号呼びの6thだった。）
【海月】
うわあ、すごいラインナップ。ふなっしーを象ったモンスターって何…？
…ああ、ああ。共有チャットにあったアレか。確かに変だけど……特段怖いってほどでもないし。
あと、6thの子と…狐面？こころちゃんか。
「キミ、人の名前をちゃんと覚えるってのを習った方がいいと思うよ？
…名前は憶えておかないと、自分のさえも忘れちゃうし。
それに、本名を知られたら死ぬなんてルールがあるんだから、オレがキミを殺してもー……
ッ、と？」
…………は？
【撫子】
………ふなっしーに関しては名前聞いてないし。あと特徴教えた方が早いでしょ、相手が会ったことあるかもわからないのに。
（中の人、咄嗟に理由付けをする←
まぁ理に適ってるはずだから許して。）
…………君こそ死ねば？
（帰れ、と突き放す意味も込めてそう伝える。
何でここの人達はこうも物騒なんだか。人間に何の恨みがある。普通に生きたいだけの人の邪魔をするな。
それなりに当たり前の感覚だろう。）
【海月】
「っはは、怖い事言わないでよ。死にたくないなら、オレより先にキミがオレを殺せばいい話じゃん。
…それに、そんな釣れないこと言われるのは、"クラスメイト"としても悲しいなぁ。」
揺らげ。
もう少し、見せればいい。
何処まで踏み込む？何処まで話す？キミが破綻していることにも気づかないとはね。
「ここに集められているのは全員、そう。だよ。」
【撫子】
クラスメイトを殺すって言った君がよく言う。
そんな冷たいことを言える君こそ死ねば良いってことだよ。
（表情は変わっていない。ただ、さっきから蔑みの目は向けていた。
ただ、内心では、仲間だとわかっていた相手を殺すとか言う奴とわかり、軽蔑は加速していた。）
【海月】
「あはは。矛盾してるし、やっぱりキミ、怖いコト言うね。
そうやって返答するキミもキミで、冷たいヒトなんじゃないの？」
この目がどういう目か、知っている。
だからこそ、ほら、もっと。ゲエムをつまらないものにはしたくない。協力なんて以ての外だね。
何を知っているのか分からないけれど、キミのコトは掴めてきた。
「それにさぁ、"死ねばいい"って、オレは自殺志願者じゃないよ？
それとも…誰かにオレを殺させるつもり？そっちの方がよっぽど、残酷だね」
【撫子】
仲間じゃないって言ってんの。
あと人としても見てない。私の価値観がズレてる？
（情はないわけじゃない。ただ、非人間とも言うべき相手にまで情を抱いていたらいつか足元をすくわれる。最悪、本当に殺されかねない。）
殺されようと自殺だろうと関係ないでしょ、死ねばいいってことに。
あと、いざとなって本当に殺せる人なんてそういるものじゃないって思ってるから死んだ方がいい、なんだけど。
（死ね、とは言ってない。殺されろとも。ただ、その方がいいというだけ。
さらに言えば、殺されるのはあまり望んでいない。そんなことができる人がクラスメイトと思いたいか。
同じ理屈で、目の前のこれを仲間と見なさないのだ。）
【海月】
「さあ？キミの価値観とオレの価値観は別物だからね。少なくとも、"人が死ぬこと"に関する観点でいえばオレとはズレてるよね！」
そうだ。その反応が、一番、"普通"。殺すとか死ねとか言われて、激情しない人なんて早々いない。
死ねばいいという観点で考える、その時点でズレている。
…殺人について"こうやって"考えるのなんて、もうコリゴリだ。
所詮はゲエム。そうでしょ？
「まあ、キミの言いたいことは分かったよ。これ以上話しても通じなそうだし、オレはどっかにでもふらっと消えよっかなー」
【撫子】
その方がお互いの為だね、それじゃ。
（と言ってはいるが動く気がない。もう少し休みたいんだもん。
だからお前からどっか行けスタイル。）
【海月】
「ん。それじゃあ、また会えるといいね！」
最後まで、笑顔は絶やさない。
"こうやって"生きる事を強いられてきたんだし仕方ないでしょ？
ホテルを立ち去って、さて、次は何処に行こうか。
…頭が、痛い。
【海月】
「………ああ、くそ。」
軽く吐いた言葉は捨てて、教会から、ホテルまで歩いて来た。
何故、といわれるかもしれないが、今のところ"寝床"としての活用法がある此処が一番落ち着くんだ。
…まあ、この場所で落ち着く所なんて、ないんだけど。
頭が痛い。フラフラする。足元も覚束ないし。最悪、最悪。
なんなんだ、"アレ"。
「……他に誰かいるかなー？できれば新しい人に会いたいんだけどっ！」
表面上で、間抜けヅラするだけで、精一杯。
【撫子】
いるけど誰ー？
（適当に返事。なんで返事したかは不明。
ちなみに、ホテルに着いてからの行動をまとめると、部屋取る前にロビーでぬくぬくして「室内サイコー！」ってなってたところ。）
【海月】
「お、いたいた！やっほー！オレはねー、海月だよ。キミは？
今いろんなトコ周ってるからさ、キミの事も聞いておきたいなって！」
切り替えて、目の前の少女の方に思考を移そう。切り替えが早いのもオレの長所だよね！
…というか、不用心に返事しちゃうんだ。罠とか疑わないのかな？
まあ、疑ったうえでの行動って可能性もなくはないけれど。
【撫子】
私のこと？大して言うことないけど…
（彼女について特別なことなんて凍死しかけたことくらいだ。
それ以外で言うならバイオフナッシーに追いかけられたことくらいか。性格についても変なところはないから、大して言うことがない。）
【海月】
「えー、そんな釣れないこと言わないでよー！名前とかー…ああほら、さっきまで何があったかとか？
ないなら話し相手くらいなってもらいたいんだよね！つまんないヤツだったら困るし」
"つまんないヤツだったら困る"ってのはドコに向けた発言なのやら。まあ、いい。
此処に来て、たいして言うことが無い…かぁ。さっき、それで――いや、"アレ"、は、思い出したくない。
実際、大したことないなんて言うヤツの方が油断ならないのは事実だ。オレの方がまだ良心的だよ！
それでも、今は踏み込んででも情報を集めないと。死ぬのは御免だし、ゲエムを愉しめないのはもっと御免だ。
【撫子】
名前？とりあえず撫子って名乗ってる。
あとさっき死にかけた。
（はい、話すこと終わり。けろっとした顔で言っておいた。
まぁ少し命の危険もあったから少ししか行動できないのも仕方ない。）
まぁ話し相手ならなるよ。暇だし。
（話し相手になるのは了承。正直暖かい場所に、快適にいられさえすれば何でもいい気分だった。）
【海月】
「ふーん、そっかぁ。撫子ちゃんよろしくねー！」
ああ、これはちょっとばかし難しいタイプかも。6thのコより物事を見ないけど排他的だから、状況把握が難しい。
だとしても、1から10まで懇切丁寧に説明するほどオレは優しくないんだよね。
…まあ、ちょっとだけなら教えてあげてもいいかな？気づいているかもしれないけど。
「そういえばさー、撫子ちゃんもここに"連れてこられた"人なんだよね？
他に誰かと会ったりしたの？あとー…どんな人が集められてるのかな、とか思い当たることある？」
【撫子】
まぁそうだよ。他には…ふなっしーを象ったモンスターに会ったのと…6thの人に会ったかな。あとよくわからない狐面。
（殆ど名前で呼んでいないが、会ったことがあれば全員誰だかわかるだろう。
一番マシなので番号呼びの6thだった。）
【海月】
うわあ、すごいラインナップ。ふなっしーを象ったモンスターって何…？
…ああ、ああ。共有チャットにあったアレか。確かに変だけど……特段怖いってほどでもないし。
あと、6thの子と…狐面？こころちゃんか。
「キミ、人の名前をちゃんと覚えるってのを習った方がいいと思うよ？
…名前は憶えておかないと、自分のさえも忘れちゃうし。
それに、本名を知られたら死ぬなんてルールがあるんだから、オレがキミを殺してもー……
ッ、と？」
…………は？
【撫子】
………ふなっしーに関しては名前聞いてないし。あと特徴教えた方が早いでしょ、相手が会ったことあるかもわからないのに。
（中の人、咄嗟に理由付けをする←
まぁ理に適ってるはずだから許して。）
…………君こそ死ねば？
（帰れ、と突き放す意味も込めてそう伝える。
何でここの人達はこうも物騒なんだか。人間に何の恨みがある。普通に生きたいだけの人の邪魔をするな。
それなりに当たり前の感覚だろう。）
【海月】
「っはは、怖い事言わないでよ。死にたくないなら、オレより先にキミがオレを殺せばいい話じゃん。
…それに、そんな釣れないこと言われるのは、"クラスメイト"としても悲しいなぁ。」
揺らげ。
もう少し、見せればいい。
何処まで踏み込む？何処まで話す？キミが破綻していることにも気づかないとはね。
「ここに集められているのは全員、そう。だよ。」
【撫子】
クラスメイトを殺すって言った君がよく言う。
そんな冷たいことを言える君こそ死ねば良いってことだよ。
（表情は変わっていない。ただ、さっきから蔑みの目は向けていた。
ただ、内心では、仲間だとわかっていた相手を殺すとか言う奴とわかり、軽蔑は加速していた。）
【海月】
「あはは。矛盾してるし、やっぱりキミ、怖いコト言うね。
そうやって返答するキミもキミで、冷たいヒトなんじゃないの？」
この目がどういう目か、知っている。
だからこそ、ほら、もっと。ゲエムをつまらないものにはしたくない。協力なんて以ての外だね。
何を知っているのか分からないけれど、キミのコトは掴めてきた。
「それにさぁ、"死ねばいい"って、オレは自殺志願者じゃないよ？
それとも…誰かにオレを殺させるつもり？そっちの方がよっぽど、残酷だね」
【撫子】
仲間じゃないって言ってんの。
あと人としても見てない。私の価値観がズレてる？
（情はないわけじゃない。ただ、非人間とも言うべき相手にまで情を抱いていたらいつか足元をすくわれる。最悪、本当に殺されかねない。）
殺されようと自殺だろうと関係ないでしょ、死ねばいいってことに。
あと、いざとなって本当に殺せる人なんてそういるものじゃないって思ってるから死んだ方がいい、なんだけど。
（死ね、とは言ってない。殺されろとも。ただ、その方がいいというだけ。
さらに言えば、殺されるのはあまり望んでいない。そんなことができる人がクラスメイトと思いたいか。
同じ理屈で、目の前のこれを仲間と見なさないのだ。）
【海月】
「さあ？キミの価値観とオレの価値観は別物だからね。少なくとも、"人が死ぬこと"に関する観点でいえばオレとはズレてるよね！」
そうだ。その反応が、一番、"普通"。殺すとか死ねとか言われて、激情しない人なんて早々いない。
死ねばいいという観点で考える、その時点でズレている。
…殺人について"こうやって"考えるのなんて、もうコリゴリだ。
所詮はゲエム。そうでしょ？
「まあ、キミの言いたいことは分かったよ。これ以上話しても通じなそうだし、オレはどっかにでもふらっと消えよっかなー」
【撫子】
その方がお互いの為だね、それじゃ。
（と言ってはいるが動く気がない。もう少し休みたいんだもん。
だからお前からどっか行けスタイル。）
【海月】
「ん。それじゃあ、また会えるといいね！」
最後まで、笑顔は絶やさない。
"こうやって"生きる事を強いられてきたんだし仕方ないでしょ？
ホテルを立ち去って、さて、次は何処に行こうか。
…頭が、痛い。
毒薬系女子 8th-12th
酢豚の中に極稀に入ってるパイナポー(8th)-トロンパ(12th)
【トロンパ】
西エリア・船着き場
「…狂人ってのは、訳わかんねぇよなほんと…」
ぐったりと脱力しながら、ぼんやりと海を眺めていた。
「…しかし、なんなんだろうな…"アイツ"。」
【酢豚パイナポー】
「んぅー…寒いですね…。コートがホテルにあって良かったです…。」
パイナポーがショッピングモールへと訪れる前。ふと、廃工場からホテルへと向かう途中…船着き場へと寄ってみたくなったのだ。
特段船やタンカーには興味はないのだけれど…こんな極地に存在する船着き場。一体どんなものか気になったのだ。
「あれ…だれかいる…。
あのー…何方ですかー？」
パイナポーが訪れると。どうやらこんな場所にも先客は居るようで、何処か力無い男の背中を視界に留める。
パイナポーは現状、ただのリゾート地としての認識…人を殺すことになるなど夢にすら思ってはない。漫画や小説で見た事もあるし、一時はそれを疑っては居たが…パイナポーの固定された常識と照らし合わされて、それはただの妄想に過ぎないと結論付けられたのだ。
そんなパイナポーは、幸か不幸か不用意に彼へと声をかけてしまった。ただの好奇心である。
【トロンパ】
「ん？俺か？」
聞こえてきた声に振り向く。
「俺は…トロンパって名乗ってる。そっちは？」
正直、ホッとしていた。…狂人の相手は流石に連続ではしたくない
【酢豚パイナポー】
「あっ、初めまして。私は…その…“酢豚に極稀に入っているパイナポー”…と名乗って…ます。」
毎回名乗るパイナポー、流石にこれでは恥ずかしさが天元突破。ロボットではない。
その恥ずかしさで顔に朱を差し込ませ、手に持っている工具箱へとかける圧力が弱くなってしまいそうになってしまう。仕方ない、仕方ない。
「…あの、適当に考えて言ったら名前になっちゃっただけでふざけて訳じゃなくて…あの…。
…笑わないでください…です…。」
とりあえず落とさないようにそお、と工具箱を地面へと置いてパイナポーは赤い顔のままはにかんだ。
【トロンパ】
「いや、別に笑ったりしないよ。他にもおかしな名前なのはいるし、それに…」
名前が可笑しく無くてもおかしいやつだっている
そう言いかけてやめる。…それは、流石に言うべきでは無いだろうと。
「…いや、なんでもねぇ。それより、なんか面白い所とか無かったか？」
気分転換になる所は無いだろうか、と。
【酢豚パイナポー】
「はわぁ…あ、ありがとうございますっ！」
パイナポーは笑われなかった事に、その朱を別ベクトルでだがさらに強くさせて。
その染まった顔に柔らかな花のような笑みを浮かばせて両の指を絡めさせる。パイナポーは前の姿は分からねど、現在は少女。
嬉しい事は顔を笑みへと変えるし、悲しい事には涙を流すのだ。
「お、面白い所…ですか。そうですね…あっ！
さっき、廃工場行ってきたんですけど…私いっぱい面白いものを見つけたんですっ！
C6H6？とか(CH3)2CO？とかは分からかったんですけど…クロロホルム、でしたっけ。薬品とかいっぱいあったんですっ！」
パイナポーは微笑んだまま、トロンパへと工具箱の中身を見せる。中にはペンチやスパナといった多くの作業用工具に30cmほどの鉄パイプが3本。
あとは有機溶剤やら酸性塩基性と言った薬品がぎゅうぎゅうに推し詰められていた。…無論、瓶や容器が割れないように施されてはいるが。
【トロンパ】
「お、おう…そうか。よかったな。」
こいつもケミカルガールだった。いやまぁ下手な武器に頼るよりはいい選択肢だとは思うのだが
「…ま、ヘマするなよ？」
【酢豚パイナポー】
「えへへー…分かってますよぉ〜。
あっ、そうですっ！トロンパさんフレンド登録してくれませんか？これ差し上げますのでっ！」
パイナポーはさも名案を思いついたかのように懐からコロパッドを取り出すと、右手で持ってそれの登録画面を満面の笑みでトロンパへと見せる。
そしてもう片手には工具箱から取り出したであろう一つの薬品瓶。そこには…真っ赤な文字でDangerと書かれたラベル。そして何より目を引くのはその分子式だろう。
C7H8…有機溶剤、トルエンであった。
【トロンパ】
「…そうだな、フレンド登録はしといたほうがいいよな…」
なんなんだ？最近巷の女子の間では化学薬品をプレゼントし合うのが流行りなのか？
「…ま、使わない事を祈っとくよ。さんきゅーな。」
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、ありがとうございます！あ、まだ私の工具箱にはそれ…C7H8？でしたっけ。
分かんないですけどあるので、足りなくなったら教えて下さいねっ！」
パイナポーはそう言ってフレンド登録された画面を確認してコロパッドをしまい、危険物を押し付け……プレゼントして。
ニコニコと機嫌良さそうに工具箱の蓋を閉める。
「それじゃあ、さよならですっトロンパさん！またお会いしましょうねっ！」
そう言って、パイナポーは工具箱を片手に持って…もう一つの手を大きく振る。
これからこれを置かないといけないし、うだうだしていると日が暮れてしまう。残念だけど…仕方ない事だった。
【トロンパ】
西エリア・船着き場
「…狂人ってのは、訳わかんねぇよなほんと…」
ぐったりと脱力しながら、ぼんやりと海を眺めていた。
「…しかし、なんなんだろうな…"アイツ"。」
【酢豚パイナポー】
「んぅー…寒いですね…。コートがホテルにあって良かったです…。」
パイナポーがショッピングモールへと訪れる前。ふと、廃工場からホテルへと向かう途中…船着き場へと寄ってみたくなったのだ。
特段船やタンカーには興味はないのだけれど…こんな極地に存在する船着き場。一体どんなものか気になったのだ。
「あれ…だれかいる…。
あのー…何方ですかー？」
パイナポーが訪れると。どうやらこんな場所にも先客は居るようで、何処か力無い男の背中を視界に留める。
パイナポーは現状、ただのリゾート地としての認識…人を殺すことになるなど夢にすら思ってはない。漫画や小説で見た事もあるし、一時はそれを疑っては居たが…パイナポーの固定された常識と照らし合わされて、それはただの妄想に過ぎないと結論付けられたのだ。
そんなパイナポーは、幸か不幸か不用意に彼へと声をかけてしまった。ただの好奇心である。
【トロンパ】
「ん？俺か？」
聞こえてきた声に振り向く。
「俺は…トロンパって名乗ってる。そっちは？」
正直、ホッとしていた。…狂人の相手は流石に連続ではしたくない
【酢豚パイナポー】
「あっ、初めまして。私は…その…“酢豚に極稀に入っているパイナポー”…と名乗って…ます。」
毎回名乗るパイナポー、流石にこれでは恥ずかしさが天元突破。ロボットではない。
その恥ずかしさで顔に朱を差し込ませ、手に持っている工具箱へとかける圧力が弱くなってしまいそうになってしまう。仕方ない、仕方ない。
「…あの、適当に考えて言ったら名前になっちゃっただけでふざけて訳じゃなくて…あの…。
…笑わないでください…です…。」
とりあえず落とさないようにそお、と工具箱を地面へと置いてパイナポーは赤い顔のままはにかんだ。
【トロンパ】
「いや、別に笑ったりしないよ。他にもおかしな名前なのはいるし、それに…」
名前が可笑しく無くてもおかしいやつだっている
そう言いかけてやめる。…それは、流石に言うべきでは無いだろうと。
「…いや、なんでもねぇ。それより、なんか面白い所とか無かったか？」
気分転換になる所は無いだろうか、と。
【酢豚パイナポー】
「はわぁ…あ、ありがとうございますっ！」
パイナポーは笑われなかった事に、その朱を別ベクトルでだがさらに強くさせて。
その染まった顔に柔らかな花のような笑みを浮かばせて両の指を絡めさせる。パイナポーは前の姿は分からねど、現在は少女。
嬉しい事は顔を笑みへと変えるし、悲しい事には涙を流すのだ。
「お、面白い所…ですか。そうですね…あっ！
さっき、廃工場行ってきたんですけど…私いっぱい面白いものを見つけたんですっ！
C6H6？とか(CH3)2CO？とかは分からかったんですけど…クロロホルム、でしたっけ。薬品とかいっぱいあったんですっ！」
パイナポーは微笑んだまま、トロンパへと工具箱の中身を見せる。中にはペンチやスパナといった多くの作業用工具に30cmほどの鉄パイプが3本。
あとは有機溶剤やら酸性塩基性と言った薬品がぎゅうぎゅうに推し詰められていた。…無論、瓶や容器が割れないように施されてはいるが。
【トロンパ】
「お、おう…そうか。よかったな。」
こいつもケミカルガールだった。いやまぁ下手な武器に頼るよりはいい選択肢だとは思うのだが
「…ま、ヘマするなよ？」
【酢豚パイナポー】
「えへへー…分かってますよぉ〜。
あっ、そうですっ！トロンパさんフレンド登録してくれませんか？これ差し上げますのでっ！」
パイナポーはさも名案を思いついたかのように懐からコロパッドを取り出すと、右手で持ってそれの登録画面を満面の笑みでトロンパへと見せる。
そしてもう片手には工具箱から取り出したであろう一つの薬品瓶。そこには…真っ赤な文字でDangerと書かれたラベル。そして何より目を引くのはその分子式だろう。
C7H8…有機溶剤、トルエンであった。
【トロンパ】
「…そうだな、フレンド登録はしといたほうがいいよな…」
なんなんだ？最近巷の女子の間では化学薬品をプレゼントし合うのが流行りなのか？
「…ま、使わない事を祈っとくよ。さんきゅーな。」
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、ありがとうございます！あ、まだ私の工具箱にはそれ…C7H8？でしたっけ。
分かんないですけどあるので、足りなくなったら教えて下さいねっ！」
パイナポーはそう言ってフレンド登録された画面を確認してコロパッドをしまい、危険物を押し付け……プレゼントして。
ニコニコと機嫌良さそうに工具箱の蓋を閉める。
「それじゃあ、さよならですっトロンパさん！またお会いしましょうねっ！」
そう言って、パイナポーは工具箱を片手に持って…もう一つの手を大きく振る。
これからこれを置かないといけないし、うだうだしていると日が暮れてしまう。残念だけど…仕方ない事だった。
Good bye,boy meets girl 12th-23rd
トロンパ(12th)-海月(23rd)
【トロンパ】
中央エリア・商店街前
「仲良くしろって言われてもなぁ…」
普通に困る。半ば初対面のようなものなんだぞオイ
「…とりあえず、少し童心に帰って遊んでれば誰か来るかな。うん。」
適当に考える事をやめ、体を動かす事にする。
適当にそこらの雪を掴んで握り、手頃な大きさになったら下の雪の上を転がしていく。
ももの辺り(背が高いため)までくるような大きさになったらパーツ1完成である。
「さーて、次次ーっと」
【海月】
……さっきの放送の意味をもう一度考え直そう。
とりあえず、"修学旅行"と明確化しているから、流石にもうハッタリは効かないって考えるのが普通。だよね。
そして…本題。"ユキグニ・キボウ・プログラム"とやら。友好関係を良いものへと変えるシステムとは言っていたけれど…
…システム。ここが現実かどうかも怪しくなる単語を出してきた。
帰る方法も明文されていないし、絆を一定以上深めろって言われても、タイミングが遅すぎる。
なら、何が目的か？
このタイミングってことは、恐らく、険悪化した仲をいったん引き戻そうと考えての措置なのはわかる。
だけれど、それを何故、やる？
…見世物にされている、と考えるなら、疑心暗鬼なもの同士より、仲良くしているもの同士の方が。ってこと？
そんなことを考え乍ら、歩いていた。
「……あ。」
何故か雪だるまを作っている彼に気付いたのは、結構近くに寄ってからのこと。
【トロンパ】
「ん…？」
上半身を作ろうと雪玉を転がしていたら、うっかりと
割と気まずい人物に出会ってしまった
「…あー…えーと…雪だるまつくる？」
先の放送もあった手前、というのが本当に辛い。
そんな空気をなんとか払拭しようと提案してみる。
【海月】
「……よく言えたね？ってまず言っておこうか。」
さっきの放送のコトも考えると、黒幕側は"オレたちに仲間割れされる"ことを一番恐れているように感じる。
…それを度外視にしても、この人か。
…さっきの"アレ"は何だったんだろう？いや、オレも……言えた事では、ないんだけど、さ。
とはいっても、相手が言いたい事も分かるんだよね。オレだってこういう気まずい空気嫌いだし！
「それに、オレ雪に触れない体質なんだよね！だから眺めてるだけにするよ！
ほらほら、速くオレのために雪だるま作ってみてよー！」
【トロンパ】
「まぁ、だよなぁ…」
思わず同意。そらそんな反応になるわ
「ふーん…まあいいさ。お望みどうりどしどし作ってやる」
そう言って、出来上がった上半身を乗せる。この身長だと中々やり易いな
「せっかくなら、これでなんか顔描いてくれよ。それならできるだろ？」
そう言って、ショッピングモールで見繕った黒い小石の袋を手渡す
【海月】
「えー、どうしよっかなー。描くけど、途中でぶつけてくるかもしれないよ？
せいぜい油断しないようにね！」
まあ、折角なのでお遊びには乗るか。…さっきから、苦しい考えばっかりしていた気がするしね。
…描きながら隣を見る。背、高いってレベルじゃないよねー…はあ…オレもこのくらい、あーでもこんなにあっても化け物だね。やっぱりやめておこう
…高校生にもなって雪遊びなんてね。そんな暇もなかったよ。
「ねえ、トロンパちゃん。"さっき"のについて聞いていい？」
…ただ、頭の中の疑問を残したまま進むほど、オレは優しくないんだよね。
【トロンパ】
「…やっぱ、言わなきゃダメ？」
そんなに語りたいものでも無い。が、まぁ散々言ったしなぁ…
若干諦めつつ、次の雪玉を固めだす
【海月】
「えー、言ってくれないと投げつけるよ？
ほら、オレの方も言うからさ！面倒くさい疑問はなくしておきたいんだよねー、放送でもあったでしょ？」
放送ってのは半ばこじつけだけれど、仲良くしておきたいなら手の内を明かせってのは本当のこと。
相手も諦めの顔混じってるし、押せばいけるいける。
…ただ、こっちも明かすってのは、恥ずかしいからナシにしたいけどさ。
【トロンパ】
「…トロンパ=ヴァン・ルードツィッヒ。そう名乗ってる事以外は、話すたびにコロコロと変わる。今は俺の中にいるみたいだけど、昔は王族とか魔術師の中にもいたんだと。」
信じてもらえるかは分からないが、一応言ってみる。
「…そっちこそ、随分と話しやすくなったな？」
自分で言ってて恥ずかしくなり、取り敢えず言ってみる。
【海月】
「ふーん……押しかけ女房みたいなヤツだね。霊でも憑りついたの？かわいそー」
くすくすと笑っておこう。いや、まあ、信じるかどうかは置いておいて。面白い話だ。
本気で言っているなら録画でもしておきたいなぁ、と思ったけど、さっきの言葉をもう一回言わせるのはちょっとアレなのでやめておいた。
「んー？話しやすくなった、って？オレは変わってないよ。ああいう、"普通に気まずい"雰囲気が嫌いなだけ。
それに、放送もあったでしょ？いやー、ああいわれちゃ仲良くするしかないよね！」
嘘だ。
放送のことなんて、どうせいったんカモフラージュするだけのものに決まっている。
…まあでも、今は言い訳に使えるし、放送の事を鵜呑みにしている体で行こう。
【トロンパ】
「…そうか。まあ、そういう事でいいよな。」
審議はどうであれ、脱出方法がめいじされたのだ
やらない手はないだろう。
「…よーしっと。…形変えようかな…」
そうこうしているうちに2つ目が出来上がる。
流石に3つ目からは雪像とかにした方がいいだろうか
【海月】
「おおっ、ついにトロンパちゃんの真の手並み拝見ってところかな？
がんばれー、がんばれー！」
応援しながら、余った石の2、3個投げつけておく。これくらい怒られない怒られない。
…まあ、彼も納得してくれたし、これ以上は何も言わないでおこう。
それと、オレの事に関しても詮索しないでおいてくれたからね。いやー、流石に言い難いからね。
【トロンパ】
「ふっ、見せてやろう…」
とかなんとかほざきつつ、用意しておいたスコップを用いて作り始める。
…特に作るもんないので、モデルは目の前の少女だ。幸い(？)見目はそこそこいい。
【海月】
「………」
何に真剣になっているのか分からないけど、声を掛けるのは流石に悪いかな、と感じた。
ので石を投げておくことにした。
しかし、さっき言っていたこと。本当なのだろうか？
嘘を吐く必要性はあまり感じられない、けれど、それだけで信用し得る要素にはならない。
…こんな状況で、非科学的も何もないだろうから、それは言わないでおくけれど。
ああ、あと、放送のことも考えておかないとだよね。
…引率。恐らく、"このゲエムを仕組んだ人"って捉え方をするのが一番だろう。
この後何が起きるかは分からないけど、よからぬことが起きるのは間違いないよね！
「はーあ、何が起きるのやらって感じだよね。誰殺すかなぁ」
【トロンパ】
「……」
黙殺する
聞こえなかったかのように、雪像を作り続ける。
「……んー、もうちょい腰はこうかな。」
だんだんと、ぼんやりとした形ができてくる
【海月】
「………もー、折角良い話題振ろうとしたのに、無視するのはひどいんじゃない？」
といいつつ、顔は笑っている。お得意の嘘だよ！
ただ、"そういう"話をしたいのは本当なんだけどね。彼、頭は切れそうだからなぁ。惜しい。
「で、それ、何作ってるの？」
分かってるけど。
【トロンパ】
「どうせするなら、明るい話題がいいんでね。」
独り言か、はたまた相手へ向けたものか
そんな事を呟きながら、顔を整えて石で目を作れば完成である。
「うし、できた。ま、本物とはちょい違うけど…中々良くできてるかな！」
雪像は、良くできていた。どこから出てきたんだそのスキルは、と言いたくなる出来栄えである。
…ただ、その雪像は、綺麗に"笑って"いたが。
【海月】
「そ。まあ、聞くか聞かないかは勝手にしてくれていいよ。」
…暫くしたうちに何があったのやら。誰を真似たのかは分かるけれど。
中々、"良い趣味"してるじゃん？
「えー？良くできてるってどこが？ぶっちゃけ、実物の方が良いと思わない？」
まあ、仮の姿に何の思い入れもないから、これも嘘なんだけど。
【トロンパ】
「そこだよ。"実物の方が良い"って所。その点、この雪像は良くできてるって話だ。なんせ実物より可愛げがある。嘘つかないし」
真面目な顔でさらっと当てつける。
ま、蹴られたことへの仕返しだ。蹴り返した？知らん
「俺はそこまで頭回んないからな。何事も取り敢えずやってみるんだよ。」
パンパン、と手についた雪を落とし、スコップで散らかった雪をある程度片付けていく。
【海月】
「わあ、そんな意味が込められてたんだね。キミみたいな純粋真っすぐクンに見える人がそういう皮肉を出来るなんて思わなかったよ。」
可愛げがある、嘘をつかない、ねぇ。…オレに言いたいのなら、間違っているけれど。
だってそれはもう叶わないし。
「何事も取り敢えずやってみる、って言われてもね。オレにはそういう無計画な考えはよく分からないなぁ。
ま、オレじゃない方、ならちょっとは分かるんじゃない？」
【トロンパ】
「…へぇ？」
彼女の言葉に、少しだけ興味を惹かれたような素振りをしつつ
「……ま、今のところ他には特に何も言われてないしな。せいぜい仲良くしてこうぜ、"お互い"」
そう言って、手を差し出す
【海月】
「んー……"仲良く"、は難しいんじゃない？なにせ、オレだよ？」
こころちゃんの時と同じ。"手を取ることはしない"し、"手を叩くこともしない"。
オレはあくまでも中立犯、面倒くさいヤツとして生きたいからね。
「ま、ちょっとは楽しめたよ？嘘じゃなくて本当に。
ただ、オレが今普通だからって油断してるあたりまだトロンパちゃんって鈍いところあるよねー！」
おちょくるのは忘れないようにして。
【トロンパ】
「鈍い、ねぇ…それをお前に言われたくは…」
そこまで言って、しまった、失言だった、という顔をして。
「…いや、何でもない。何でもない。」
取られなかった手を握りしめ、片付け終わると雪像の写真をパシャリ。
「……こんな状況じゃ、楽観的じゃないとダメになるもんでね。」
【海月】
「…っはは。ま、聞かなかったことにしておくよ。
楽観主義になるなら好きにしたらいいんじゃない？」
やれやれ。オレが鈍い、なんてね。
そんなこと、オレが一番、良くわかってるのにさ。酷い事言うものだよ、全く。
…そんなに、その雪像が大切なのかはよく分からないけれど。
「じゃあ、オレはそろそろまたどっか行こうかな。
…次は"どっち"で会うのか分からないけど、せいぜいオレと会えることを願っておいてよ。」
【トロンパ】
「…ま、ここそんなに広くないしまた会えるさ。きっとな。」
去っていく彼女を見送るその声は、若干の希望を含んでいて-
【トロンパ】
中央エリア・商店街前
「仲良くしろって言われてもなぁ…」
普通に困る。半ば初対面のようなものなんだぞオイ
「…とりあえず、少し童心に帰って遊んでれば誰か来るかな。うん。」
適当に考える事をやめ、体を動かす事にする。
適当にそこらの雪を掴んで握り、手頃な大きさになったら下の雪の上を転がしていく。
ももの辺り(背が高いため)までくるような大きさになったらパーツ1完成である。
「さーて、次次ーっと」
【海月】
……さっきの放送の意味をもう一度考え直そう。
とりあえず、"修学旅行"と明確化しているから、流石にもうハッタリは効かないって考えるのが普通。だよね。
そして…本題。"ユキグニ・キボウ・プログラム"とやら。友好関係を良いものへと変えるシステムとは言っていたけれど…
…システム。ここが現実かどうかも怪しくなる単語を出してきた。
帰る方法も明文されていないし、絆を一定以上深めろって言われても、タイミングが遅すぎる。
なら、何が目的か？
このタイミングってことは、恐らく、険悪化した仲をいったん引き戻そうと考えての措置なのはわかる。
だけれど、それを何故、やる？
…見世物にされている、と考えるなら、疑心暗鬼なもの同士より、仲良くしているもの同士の方が。ってこと？
そんなことを考え乍ら、歩いていた。
「……あ。」
何故か雪だるまを作っている彼に気付いたのは、結構近くに寄ってからのこと。
【トロンパ】
「ん…？」
上半身を作ろうと雪玉を転がしていたら、うっかりと
割と気まずい人物に出会ってしまった
「…あー…えーと…雪だるまつくる？」
先の放送もあった手前、というのが本当に辛い。
そんな空気をなんとか払拭しようと提案してみる。
【海月】
「……よく言えたね？ってまず言っておこうか。」
さっきの放送のコトも考えると、黒幕側は"オレたちに仲間割れされる"ことを一番恐れているように感じる。
…それを度外視にしても、この人か。
…さっきの"アレ"は何だったんだろう？いや、オレも……言えた事では、ないんだけど、さ。
とはいっても、相手が言いたい事も分かるんだよね。オレだってこういう気まずい空気嫌いだし！
「それに、オレ雪に触れない体質なんだよね！だから眺めてるだけにするよ！
ほらほら、速くオレのために雪だるま作ってみてよー！」
【トロンパ】
「まぁ、だよなぁ…」
思わず同意。そらそんな反応になるわ
「ふーん…まあいいさ。お望みどうりどしどし作ってやる」
そう言って、出来上がった上半身を乗せる。この身長だと中々やり易いな
「せっかくなら、これでなんか顔描いてくれよ。それならできるだろ？」
そう言って、ショッピングモールで見繕った黒い小石の袋を手渡す
【海月】
「えー、どうしよっかなー。描くけど、途中でぶつけてくるかもしれないよ？
せいぜい油断しないようにね！」
まあ、折角なのでお遊びには乗るか。…さっきから、苦しい考えばっかりしていた気がするしね。
…描きながら隣を見る。背、高いってレベルじゃないよねー…はあ…オレもこのくらい、あーでもこんなにあっても化け物だね。やっぱりやめておこう
…高校生にもなって雪遊びなんてね。そんな暇もなかったよ。
「ねえ、トロンパちゃん。"さっき"のについて聞いていい？」
…ただ、頭の中の疑問を残したまま進むほど、オレは優しくないんだよね。
【トロンパ】
「…やっぱ、言わなきゃダメ？」
そんなに語りたいものでも無い。が、まぁ散々言ったしなぁ…
若干諦めつつ、次の雪玉を固めだす
【海月】
「えー、言ってくれないと投げつけるよ？
ほら、オレの方も言うからさ！面倒くさい疑問はなくしておきたいんだよねー、放送でもあったでしょ？」
放送ってのは半ばこじつけだけれど、仲良くしておきたいなら手の内を明かせってのは本当のこと。
相手も諦めの顔混じってるし、押せばいけるいける。
…ただ、こっちも明かすってのは、恥ずかしいからナシにしたいけどさ。
【トロンパ】
「…トロンパ=ヴァン・ルードツィッヒ。そう名乗ってる事以外は、話すたびにコロコロと変わる。今は俺の中にいるみたいだけど、昔は王族とか魔術師の中にもいたんだと。」
信じてもらえるかは分からないが、一応言ってみる。
「…そっちこそ、随分と話しやすくなったな？」
自分で言ってて恥ずかしくなり、取り敢えず言ってみる。
【海月】
「ふーん……押しかけ女房みたいなヤツだね。霊でも憑りついたの？かわいそー」
くすくすと笑っておこう。いや、まあ、信じるかどうかは置いておいて。面白い話だ。
本気で言っているなら録画でもしておきたいなぁ、と思ったけど、さっきの言葉をもう一回言わせるのはちょっとアレなのでやめておいた。
「んー？話しやすくなった、って？オレは変わってないよ。ああいう、"普通に気まずい"雰囲気が嫌いなだけ。
それに、放送もあったでしょ？いやー、ああいわれちゃ仲良くするしかないよね！」
嘘だ。
放送のことなんて、どうせいったんカモフラージュするだけのものに決まっている。
…まあでも、今は言い訳に使えるし、放送の事を鵜呑みにしている体で行こう。
【トロンパ】
「…そうか。まあ、そういう事でいいよな。」
審議はどうであれ、脱出方法がめいじされたのだ
やらない手はないだろう。
「…よーしっと。…形変えようかな…」
そうこうしているうちに2つ目が出来上がる。
流石に3つ目からは雪像とかにした方がいいだろうか
【海月】
「おおっ、ついにトロンパちゃんの真の手並み拝見ってところかな？
がんばれー、がんばれー！」
応援しながら、余った石の2、3個投げつけておく。これくらい怒られない怒られない。
…まあ、彼も納得してくれたし、これ以上は何も言わないでおこう。
それと、オレの事に関しても詮索しないでおいてくれたからね。いやー、流石に言い難いからね。
【トロンパ】
「ふっ、見せてやろう…」
とかなんとかほざきつつ、用意しておいたスコップを用いて作り始める。
…特に作るもんないので、モデルは目の前の少女だ。幸い(？)見目はそこそこいい。
【海月】
「………」
何に真剣になっているのか分からないけど、声を掛けるのは流石に悪いかな、と感じた。
ので石を投げておくことにした。
しかし、さっき言っていたこと。本当なのだろうか？
嘘を吐く必要性はあまり感じられない、けれど、それだけで信用し得る要素にはならない。
…こんな状況で、非科学的も何もないだろうから、それは言わないでおくけれど。
ああ、あと、放送のことも考えておかないとだよね。
…引率。恐らく、"このゲエムを仕組んだ人"って捉え方をするのが一番だろう。
この後何が起きるかは分からないけど、よからぬことが起きるのは間違いないよね！
「はーあ、何が起きるのやらって感じだよね。誰殺すかなぁ」
【トロンパ】
「……」
黙殺する
聞こえなかったかのように、雪像を作り続ける。
「……んー、もうちょい腰はこうかな。」
だんだんと、ぼんやりとした形ができてくる
【海月】
「………もー、折角良い話題振ろうとしたのに、無視するのはひどいんじゃない？」
といいつつ、顔は笑っている。お得意の嘘だよ！
ただ、"そういう"話をしたいのは本当なんだけどね。彼、頭は切れそうだからなぁ。惜しい。
「で、それ、何作ってるの？」
分かってるけど。
【トロンパ】
「どうせするなら、明るい話題がいいんでね。」
独り言か、はたまた相手へ向けたものか
そんな事を呟きながら、顔を整えて石で目を作れば完成である。
「うし、できた。ま、本物とはちょい違うけど…中々良くできてるかな！」
雪像は、良くできていた。どこから出てきたんだそのスキルは、と言いたくなる出来栄えである。
…ただ、その雪像は、綺麗に"笑って"いたが。
【海月】
「そ。まあ、聞くか聞かないかは勝手にしてくれていいよ。」
…暫くしたうちに何があったのやら。誰を真似たのかは分かるけれど。
中々、"良い趣味"してるじゃん？
「えー？良くできてるってどこが？ぶっちゃけ、実物の方が良いと思わない？」
まあ、仮の姿に何の思い入れもないから、これも嘘なんだけど。
【トロンパ】
「そこだよ。"実物の方が良い"って所。その点、この雪像は良くできてるって話だ。なんせ実物より可愛げがある。嘘つかないし」
真面目な顔でさらっと当てつける。
ま、蹴られたことへの仕返しだ。蹴り返した？知らん
「俺はそこまで頭回んないからな。何事も取り敢えずやってみるんだよ。」
パンパン、と手についた雪を落とし、スコップで散らかった雪をある程度片付けていく。
【海月】
「わあ、そんな意味が込められてたんだね。キミみたいな純粋真っすぐクンに見える人がそういう皮肉を出来るなんて思わなかったよ。」
可愛げがある、嘘をつかない、ねぇ。…オレに言いたいのなら、間違っているけれど。
だってそれはもう叶わないし。
「何事も取り敢えずやってみる、って言われてもね。オレにはそういう無計画な考えはよく分からないなぁ。
ま、オレじゃない方、ならちょっとは分かるんじゃない？」
【トロンパ】
「…へぇ？」
彼女の言葉に、少しだけ興味を惹かれたような素振りをしつつ
「……ま、今のところ他には特に何も言われてないしな。せいぜい仲良くしてこうぜ、"お互い"」
そう言って、手を差し出す
【海月】
「んー……"仲良く"、は難しいんじゃない？なにせ、オレだよ？」
こころちゃんの時と同じ。"手を取ることはしない"し、"手を叩くこともしない"。
オレはあくまでも中立犯、面倒くさいヤツとして生きたいからね。
「ま、ちょっとは楽しめたよ？嘘じゃなくて本当に。
ただ、オレが今普通だからって油断してるあたりまだトロンパちゃんって鈍いところあるよねー！」
おちょくるのは忘れないようにして。
【トロンパ】
「鈍い、ねぇ…それをお前に言われたくは…」
そこまで言って、しまった、失言だった、という顔をして。
「…いや、何でもない。何でもない。」
取られなかった手を握りしめ、片付け終わると雪像の写真をパシャリ。
「……こんな状況じゃ、楽観的じゃないとダメになるもんでね。」
【海月】
「…っはは。ま、聞かなかったことにしておくよ。
楽観主義になるなら好きにしたらいいんじゃない？」
やれやれ。オレが鈍い、なんてね。
そんなこと、オレが一番、良くわかってるのにさ。酷い事言うものだよ、全く。
…そんなに、その雪像が大切なのかはよく分からないけれど。
「じゃあ、オレはそろそろまたどっか行こうかな。
…次は"どっち"で会うのか分からないけど、せいぜいオレと会えることを願っておいてよ。」
【トロンパ】
「…ま、ここそんなに広くないしまた会えるさ。きっとな。」
去っていく彼女を見送るその声は、若干の希望を含んでいて-
馬鹿の名と電波の声 9th-18th
マリア(9th)-唐揚げ食べたい(18th)
【唐揚げ食べたい】
「…………やっぱ肉買っとくべきか？いやーでも、さっき行ったばかりだしな…」
(一通りショッピングモールで買い物をしたわけだが、唐揚げにする肉を忘れてしまったポンコツな唐揚げくん。
やっぱり肉を買おう！と思いショッピングモールに再度入ったはいいが、なんだか人の目を気にしてしまう。気にするほど人居ないし誰も唐揚げくんのこと興味ないのにね。)
「…よし、別のところでなんか買ってから"ついで"として肉を買うかァ！」
(と、意気込んでみて。
取り敢えず、アクセサリーやら衣服やらが置いてあるシャレオツなコーナーにやってきた。
しかし、唐揚げくんはそこまで服に興味はない。ユニクロとかGUとかで済ますタイプの人だ。…だから、その。
意味も分からずネクタイとか買っている。
その挙動不審な様子は怪しいというか、目立つというか…。
まあ、そんな感じである。)
【マリア】
『肉……』
ショッピングモールで、舌ピアスを二つ購入し、説明書に倣って、並列するように空けた。全ては仮面の下の癖になんだと言われそうだが、私にも私なりのお洒落くらいあっても良いだろう？
折角、観光期間なんて悪趣味にも設けてくれているんだから。
無論、本当はこれ自体、何かの仕掛けかも知れないし、諸君らを狙う罠なのかも知れない。
その辺りは、好きにしなさい。
と、私は説明を放り投げる。
暇つぶしに散策していたら、何やら騒がしい御仁がいらっしゃったからである。
『そんなに、空腹？』
【唐揚げ食べたい】
「……おわわッ！？おん？
──────…まァ、空腹って言えば空腹だなァ。別に空腹じゃなくても食いたいもんは食いたいけどナ」
(いきなり話しかけられたもんだから、そりゃもうビックリ。前に痴漢者に会ったときもいきなり話しかけられた訳だから、少しは慣れたが。
どうも、自分は唐突なことは苦手なようで。
投げられた問いに適当に答えれば、購入したネクタイをポケットに仕舞い。
流石に、食品の入ったビニールと一緒というのは嫌なもんで。)
「…で？誰だよ、お前。
アァ、俺は"唐揚げ食べたい"な！覚えてくれなくてもいいけど唐揚げくんって呼んでくれ！」
(と、軽く自己紹介。そして質問。
まあ、これくらいは人と出会ったときの礼儀か。…痴漢者と出会った時は自己紹介しなかったが。あれは人間じゃない。
ニコリ。
常に笑顔を保つべし。表情なんざ宛てにはならないが、自己紹介してる時くらいは悪くない。)
【マリア】
『唐揚げ、食べたい…？』
ああ。
類似したような名前をどこかで聞いたことがなくもない。
ついつい口元が緩み、声の調子がどことなく喜色を帯びて弾んだ。
まあ、どこぞの彼は、確か珍妙な振り付けまであったのだが。
『私は9th…ただの9thで良い。』
この名前は、大事なものだから。
名乗るにはおこがましいものではあるけれど、背負わなければならない。そんな、不思議な偽名。
だから、9thの方が気楽だと思い、私はそう自己紹介する。
私は、割と狡いから。
『…で。どうする、デート、でもする？確か、関係を深めれば、出れる、らしいよ。
子供でも出来れば出れるんじゃない？』
冷笑を仮面の下で浮かべながら、私は、鼻で笑いつつ、そんな冗談を言った。
【唐揚げ食べたい】
「9thねぇ、…まあいいや！いつかは偽名教えてよな☆って言ってもコロパット見りゃいい話だけどなァ」
(人によって、名乗り方など違うもの。
本名であろうが、偽名であろうが、番号であろうが大した違いはない。…いや、本名ならば死ぬわけだが。
だから、問おうとはしない。
それが絶妙な距離。目の前の、恐らくクラスメイトであろう彼女との近さ。
これ以上、近くなどなりたくはないけど。)
「─────…なぁにそれ、冗談？
…悪いけど俺は子供とかは興味ねぇなァ、デートも…──まァ、お前もそうだろ？」
(ケラリ、と笑いながら。そのジョークを、軽く流し。どうせ相手も本気で言ったわけがない、本気なのだとしたら相当頭がイカれている。
あーぁ、面白いな。こいつ、本当にただのクラスメイトか？
なんて思うわけだが、多分クラスメイトなんだろうなー…で思考は終わる。
…まあ、"関係を深める"という意味合いでは強ち間違いじゃないわけだが。…にしても、このタイミングで流れた"仲良くさせる放送"ってのも気になる。
ここは一つ、彼女に聞いてみるか。…彼女も同じ身なのだから、何か情報を得れるとは思わないが。)
「なァ、どう思う？…あの放送、本当だと思うか？
第一、バカンスっつーのも胡散臭いんだよなァ…バカンスしてた俺が言うのもなんだけどよ、やっぱこの後なんかあるんじゃねーのか？」
【マリア】
『そりゃあね。』
すげなくそう答える。
本気にでもしたら可愛らしかったところだと思うが。
しなかった。くそう。
とはいえ、それに拘泥はない。
本題は、放送についてだから。
『あるよ。無いわけない。』
そう言い切れる理由は、既に私の胸の内に深く刻まれている。
まさか、楽しいバカンスで終わらせてくれるはずも無いし。
仮にそうだとしたら、私の雇い主に申し訳が立たない。
まあ、これも嘘かもしれないぜ。
と、私はすかさず注釈する。
『だって、そんな話なら。
わざわざ名前知られたら死ぬように、貴方なら、する？唐揚げ。』
比較的常識的な判断基準で。
わざとらしく小首を傾げながら。
【唐揚げ食べたい】
「……。
…へぇ、随分と言い切るね。やっぱ何か心当たりがあったりするのかな…なんて、質問は愚問かなァ？
……しないね、そりゃそうだ。事故にあった俺たちを"ただ楽しませる"為にこの場所に運んだんなら、そんな危険を孕ませることはやらないな。」
(頷きながら、"ふーん"と反応し。
やはり何か、あるか。そりゃそうだ。このまま何もなく観光をして終わりな訳がない。
だからきっと、何かある。
それを彼女が断言してくれた。
推測は、確信へと近付いていく。着実に、彼の中で変化していく。
…なんで、ことはないが。考えてもみろ、先程まで遊んでいた大馬鹿者に何か分かっていると思うか？)
「……でも、俺たち形式上は"クラスメイト"なんだろ？？
もし"本名を知られてはいけない殺し合いのゲーム会場"に放り投げられたとして、殺し合うもんなのか？
それこそ人狼ゲームみたいに、人狼が居ないと成り立たないぜ？」
(と、思考を露わにし。
クラスメイト、本名を知られたら死ぬ、見知らぬ雪山、何者かのアナウンス。
そこからこの思考まで辿り着くのは、容易。
然し、それ以上が分からない。
命に関わるゲームは、最早ただの殺し合いだ。
殺そうと思えば殺される、そして何よりクラスメイト。…殺人が起こるとは思えない。
うーん、と唸ってみて。…唐揚げは思考するのを諦めた。)
【マリア】
『人狼は、居るよ。
これは、確かなこと。
…だから、気をつけた方が良い。
貴方が、唐揚げになる、かも。
でも、人狼も、クラスメイトを必ずしも殺したいとは限らないんじゃ、無いのかな。特に、友人とか、出来たなら。』
思い出す。
とある少女を。
どうして自分が、と叫んだ、本当は優しいあの少女を。
とあるお化けの粋な計らいが上手くいったならば、千年の恋に今頃浸っているのだろう、私の罪。
彼女は、言うなれば人狼であったのは確かだ。あと一人とは、生憎面識がなかったが、それでも。
殺せなかった相手はいた。
殺したいとは思わなかった。
本当に分かり合えたのだとしたら、時として奇跡は起こり得るのだと、私は、言いたいと思う。
白々しく。
偽善的に。
そして。
一抹の罪悪感を以て。
『――――……貴方は、どう思う。貴方が、殺す側、狩る側なんだとしたら。いや、それを……
強制されたなら。』
再び、かくり、と首を傾げ、私は問いかける。
貴方なら、どうするかと。
【唐揚げ食べたい】
「人狼は居る、か。……─────はは、唐揚げにはなりたくないな…。
でも、もし優しい人にその人狼のカードが回ったなら。…それは、素晴らしいだろうね。」
(何処か、虚しげに。軽く俯いて、哂う。
まるで、その"人狼"が過去に居たかのような。何となく、そんな気がした。
でも、俺にはそれは分からないから。
知らないから。
だから、取り敢えず。
馬鹿らしく、笑っておこうか。
あの、いつか見たお姉さんみたいに。)
「…俺が、か？どうだろうね。
殺しは…嫌だな。犯罪者にはなりたくない、強制されても足掻きたい。
…けど。
もしかしたら、血迷って殺しちゃうかもね。人間。」
(実のところ。…そりゃ、殺したくはない。
人狼でいう"夜の襲撃"───"犯罪"を犯すのは嫌だな。強制されても、したくないものはしたくない。
嗚呼、だけど。
万が一何か"大切なもの"が壊されたりして、錯乱しちゃって。そんで自分でも自分の動きがよく分からなくなったら、…もしかしたら。
殺ってしまうかも、と。
…“もし”があるから、"殺さない"とは断言出来なかった。
そういう時って、あるから。
…まあ、冗談。馬鹿な俺に、先のことはよく分からないな。
だから、取り敢えず。今のところは、)
「…なぁんて、冗談だよ。」
(───と。そう、嘯いてみせた。)
【マリア】
『ふうん。』
気の無い返事だけした。
国語のテストの模範解答を見た時のような気持ち。
笑っている後ろでは、貴方は考えているのでしょう。
馬鹿みたいにしてるのも、どうせ演技か何かでしょう。
問い詰めようはいくつもあるけれど、別に、その気にはなれない冷めた気持ち。
ただ。
こういう人間の敵になるのは、あまり良くないとは思った。
私は、誰かさんではないから、ぴょんぴょん騒いだりやたらめったらに叫んだりして誤魔化したいとは思わないんだけど。
というか、出来ないんだけど。
その手の人間に、一杯食わされたのは事実だから。
『なら、その時は―――――…
私が、殺してあげるわよ。』
その八つ当たりと、皮肉を込め。
仮面を外し。
『なんて、嘘かもしれないぜ。』
偽悪的に、嘯いた。
【唐揚げ食べたい】
「…………」
(ただ無言で、見つめ。馬鹿な彼が、ただ静かになるというもの珍しい話か。
…嗚呼、そんなことはどうでもいいね。俺が馬鹿でも、馬鹿じゃなくても、正直言ってどうでもいい話。
でも、彼女のことが気になるのも確か。仲良くはなりたくないが、敵として回りたくはない。
彼女はきっと、これ以上のことも知っている。
推測ですらない、ただの勘。然し、…それは確信に近く。
ニィ、と口角を上げて。仮面を外した彼女へと小さく呟いて。)
「…────楽しみにしてるよ」
(それが嘘でも真でも、なんだってよかった。
自分が人狼で、彼女が本当に殺しに来て。…そんな物語も面白いが。
いや、こんなことを思うのはやめておこうか。殺されたくはないしね。
今は、"この後何かが起こる""アナウンスは嘘の可能性が高い""人狼ならぬ者は居る"───それだけ分かってれば満足だ。
十分に、バカンスが楽しめる。さて、戻ろうか。
こういう雰囲気は、どうも苦手なもんで。)
「……嗚呼、フレンド登録。だっけ？
…────しておこうぜ、"何かあった"ときに役に立つかもしれねーからな！」
(と、一笑。
コロパットを手に取りフレンドを申請して。
ただ"友達"を見つけたとか、バカンスを楽しむ"仲間"を発見したとか。
今は、そんなふうに思っておこうか。
なんてね。
最初っから、そう思ってしかいなかったけど。…っていう、演技だけど。
だって、馬鹿だからね。)
【唐揚げ食べたい】
「…………やっぱ肉買っとくべきか？いやーでも、さっき行ったばかりだしな…」
(一通りショッピングモールで買い物をしたわけだが、唐揚げにする肉を忘れてしまったポンコツな唐揚げくん。
やっぱり肉を買おう！と思いショッピングモールに再度入ったはいいが、なんだか人の目を気にしてしまう。気にするほど人居ないし誰も唐揚げくんのこと興味ないのにね。)
「…よし、別のところでなんか買ってから"ついで"として肉を買うかァ！」
(と、意気込んでみて。
取り敢えず、アクセサリーやら衣服やらが置いてあるシャレオツなコーナーにやってきた。
しかし、唐揚げくんはそこまで服に興味はない。ユニクロとかGUとかで済ますタイプの人だ。…だから、その。
意味も分からずネクタイとか買っている。
その挙動不審な様子は怪しいというか、目立つというか…。
まあ、そんな感じである。)
【マリア】
『肉……』
ショッピングモールで、舌ピアスを二つ購入し、説明書に倣って、並列するように空けた。全ては仮面の下の癖になんだと言われそうだが、私にも私なりのお洒落くらいあっても良いだろう？
折角、観光期間なんて悪趣味にも設けてくれているんだから。
無論、本当はこれ自体、何かの仕掛けかも知れないし、諸君らを狙う罠なのかも知れない。
その辺りは、好きにしなさい。
と、私は説明を放り投げる。
暇つぶしに散策していたら、何やら騒がしい御仁がいらっしゃったからである。
『そんなに、空腹？』
【唐揚げ食べたい】
「……おわわッ！？おん？
──────…まァ、空腹って言えば空腹だなァ。別に空腹じゃなくても食いたいもんは食いたいけどナ」
(いきなり話しかけられたもんだから、そりゃもうビックリ。前に痴漢者に会ったときもいきなり話しかけられた訳だから、少しは慣れたが。
どうも、自分は唐突なことは苦手なようで。
投げられた問いに適当に答えれば、購入したネクタイをポケットに仕舞い。
流石に、食品の入ったビニールと一緒というのは嫌なもんで。)
「…で？誰だよ、お前。
アァ、俺は"唐揚げ食べたい"な！覚えてくれなくてもいいけど唐揚げくんって呼んでくれ！」
(と、軽く自己紹介。そして質問。
まあ、これくらいは人と出会ったときの礼儀か。…痴漢者と出会った時は自己紹介しなかったが。あれは人間じゃない。
ニコリ。
常に笑顔を保つべし。表情なんざ宛てにはならないが、自己紹介してる時くらいは悪くない。)
【マリア】
『唐揚げ、食べたい…？』
ああ。
類似したような名前をどこかで聞いたことがなくもない。
ついつい口元が緩み、声の調子がどことなく喜色を帯びて弾んだ。
まあ、どこぞの彼は、確か珍妙な振り付けまであったのだが。
『私は9th…ただの9thで良い。』
この名前は、大事なものだから。
名乗るにはおこがましいものではあるけれど、背負わなければならない。そんな、不思議な偽名。
だから、9thの方が気楽だと思い、私はそう自己紹介する。
私は、割と狡いから。
『…で。どうする、デート、でもする？確か、関係を深めれば、出れる、らしいよ。
子供でも出来れば出れるんじゃない？』
冷笑を仮面の下で浮かべながら、私は、鼻で笑いつつ、そんな冗談を言った。
【唐揚げ食べたい】
「9thねぇ、…まあいいや！いつかは偽名教えてよな☆って言ってもコロパット見りゃいい話だけどなァ」
(人によって、名乗り方など違うもの。
本名であろうが、偽名であろうが、番号であろうが大した違いはない。…いや、本名ならば死ぬわけだが。
だから、問おうとはしない。
それが絶妙な距離。目の前の、恐らくクラスメイトであろう彼女との近さ。
これ以上、近くなどなりたくはないけど。)
「─────…なぁにそれ、冗談？
…悪いけど俺は子供とかは興味ねぇなァ、デートも…──まァ、お前もそうだろ？」
(ケラリ、と笑いながら。そのジョークを、軽く流し。どうせ相手も本気で言ったわけがない、本気なのだとしたら相当頭がイカれている。
あーぁ、面白いな。こいつ、本当にただのクラスメイトか？
なんて思うわけだが、多分クラスメイトなんだろうなー…で思考は終わる。
…まあ、"関係を深める"という意味合いでは強ち間違いじゃないわけだが。…にしても、このタイミングで流れた"仲良くさせる放送"ってのも気になる。
ここは一つ、彼女に聞いてみるか。…彼女も同じ身なのだから、何か情報を得れるとは思わないが。)
「なァ、どう思う？…あの放送、本当だと思うか？
第一、バカンスっつーのも胡散臭いんだよなァ…バカンスしてた俺が言うのもなんだけどよ、やっぱこの後なんかあるんじゃねーのか？」
【マリア】
『そりゃあね。』
すげなくそう答える。
本気にでもしたら可愛らしかったところだと思うが。
しなかった。くそう。
とはいえ、それに拘泥はない。
本題は、放送についてだから。
『あるよ。無いわけない。』
そう言い切れる理由は、既に私の胸の内に深く刻まれている。
まさか、楽しいバカンスで終わらせてくれるはずも無いし。
仮にそうだとしたら、私の雇い主に申し訳が立たない。
まあ、これも嘘かもしれないぜ。
と、私はすかさず注釈する。
『だって、そんな話なら。
わざわざ名前知られたら死ぬように、貴方なら、する？唐揚げ。』
比較的常識的な判断基準で。
わざとらしく小首を傾げながら。
【唐揚げ食べたい】
「……。
…へぇ、随分と言い切るね。やっぱ何か心当たりがあったりするのかな…なんて、質問は愚問かなァ？
……しないね、そりゃそうだ。事故にあった俺たちを"ただ楽しませる"為にこの場所に運んだんなら、そんな危険を孕ませることはやらないな。」
(頷きながら、"ふーん"と反応し。
やはり何か、あるか。そりゃそうだ。このまま何もなく観光をして終わりな訳がない。
だからきっと、何かある。
それを彼女が断言してくれた。
推測は、確信へと近付いていく。着実に、彼の中で変化していく。
…なんで、ことはないが。考えてもみろ、先程まで遊んでいた大馬鹿者に何か分かっていると思うか？)
「……でも、俺たち形式上は"クラスメイト"なんだろ？？
もし"本名を知られてはいけない殺し合いのゲーム会場"に放り投げられたとして、殺し合うもんなのか？
それこそ人狼ゲームみたいに、人狼が居ないと成り立たないぜ？」
(と、思考を露わにし。
クラスメイト、本名を知られたら死ぬ、見知らぬ雪山、何者かのアナウンス。
そこからこの思考まで辿り着くのは、容易。
然し、それ以上が分からない。
命に関わるゲームは、最早ただの殺し合いだ。
殺そうと思えば殺される、そして何よりクラスメイト。…殺人が起こるとは思えない。
うーん、と唸ってみて。…唐揚げは思考するのを諦めた。)
【マリア】
『人狼は、居るよ。
これは、確かなこと。
…だから、気をつけた方が良い。
貴方が、唐揚げになる、かも。
でも、人狼も、クラスメイトを必ずしも殺したいとは限らないんじゃ、無いのかな。特に、友人とか、出来たなら。』
思い出す。
とある少女を。
どうして自分が、と叫んだ、本当は優しいあの少女を。
とあるお化けの粋な計らいが上手くいったならば、千年の恋に今頃浸っているのだろう、私の罪。
彼女は、言うなれば人狼であったのは確かだ。あと一人とは、生憎面識がなかったが、それでも。
殺せなかった相手はいた。
殺したいとは思わなかった。
本当に分かり合えたのだとしたら、時として奇跡は起こり得るのだと、私は、言いたいと思う。
白々しく。
偽善的に。
そして。
一抹の罪悪感を以て。
『――――……貴方は、どう思う。貴方が、殺す側、狩る側なんだとしたら。いや、それを……
強制されたなら。』
再び、かくり、と首を傾げ、私は問いかける。
貴方なら、どうするかと。
【唐揚げ食べたい】
「人狼は居る、か。……─────はは、唐揚げにはなりたくないな…。
でも、もし優しい人にその人狼のカードが回ったなら。…それは、素晴らしいだろうね。」
(何処か、虚しげに。軽く俯いて、哂う。
まるで、その"人狼"が過去に居たかのような。何となく、そんな気がした。
でも、俺にはそれは分からないから。
知らないから。
だから、取り敢えず。
馬鹿らしく、笑っておこうか。
あの、いつか見たお姉さんみたいに。)
「…俺が、か？どうだろうね。
殺しは…嫌だな。犯罪者にはなりたくない、強制されても足掻きたい。
…けど。
もしかしたら、血迷って殺しちゃうかもね。人間。」
(実のところ。…そりゃ、殺したくはない。
人狼でいう"夜の襲撃"───"犯罪"を犯すのは嫌だな。強制されても、したくないものはしたくない。
嗚呼、だけど。
万が一何か"大切なもの"が壊されたりして、錯乱しちゃって。そんで自分でも自分の動きがよく分からなくなったら、…もしかしたら。
殺ってしまうかも、と。
…“もし”があるから、"殺さない"とは断言出来なかった。
そういう時って、あるから。
…まあ、冗談。馬鹿な俺に、先のことはよく分からないな。
だから、取り敢えず。今のところは、)
「…なぁんて、冗談だよ。」
(───と。そう、嘯いてみせた。)
【マリア】
『ふうん。』
気の無い返事だけした。
国語のテストの模範解答を見た時のような気持ち。
笑っている後ろでは、貴方は考えているのでしょう。
馬鹿みたいにしてるのも、どうせ演技か何かでしょう。
問い詰めようはいくつもあるけれど、別に、その気にはなれない冷めた気持ち。
ただ。
こういう人間の敵になるのは、あまり良くないとは思った。
私は、誰かさんではないから、ぴょんぴょん騒いだりやたらめったらに叫んだりして誤魔化したいとは思わないんだけど。
というか、出来ないんだけど。
その手の人間に、一杯食わされたのは事実だから。
『なら、その時は―――――…
私が、殺してあげるわよ。』
その八つ当たりと、皮肉を込め。
仮面を外し。
『なんて、嘘かもしれないぜ。』
偽悪的に、嘯いた。
【唐揚げ食べたい】
「…………」
(ただ無言で、見つめ。馬鹿な彼が、ただ静かになるというもの珍しい話か。
…嗚呼、そんなことはどうでもいいね。俺が馬鹿でも、馬鹿じゃなくても、正直言ってどうでもいい話。
でも、彼女のことが気になるのも確か。仲良くはなりたくないが、敵として回りたくはない。
彼女はきっと、これ以上のことも知っている。
推測ですらない、ただの勘。然し、…それは確信に近く。
ニィ、と口角を上げて。仮面を外した彼女へと小さく呟いて。)
「…────楽しみにしてるよ」
(それが嘘でも真でも、なんだってよかった。
自分が人狼で、彼女が本当に殺しに来て。…そんな物語も面白いが。
いや、こんなことを思うのはやめておこうか。殺されたくはないしね。
今は、"この後何かが起こる""アナウンスは嘘の可能性が高い""人狼ならぬ者は居る"───それだけ分かってれば満足だ。
十分に、バカンスが楽しめる。さて、戻ろうか。
こういう雰囲気は、どうも苦手なもんで。)
「……嗚呼、フレンド登録。だっけ？
…────しておこうぜ、"何かあった"ときに役に立つかもしれねーからな！」
(と、一笑。
コロパットを手に取りフレンドを申請して。
ただ"友達"を見つけたとか、バカンスを楽しむ"仲間"を発見したとか。
今は、そんなふうに思っておこうか。
なんてね。
最初っから、そう思ってしかいなかったけど。…っていう、演技だけど。
だって、馬鹿だからね。)
剣士として、仲間として。 1st-11th
〇なっしー(1st)-ヒガンバナ(11th)
【ヒガンバナ】
鉄板を使った刀擬きを携えながら、ヒガンバナは風の向くまま歩いていた。
そして辿り着いたのは、キャンプ場だった。
色々な道具が揃っているので、少し物珍しそうに眺めている。
「……最悪、ここでも睡眠は出来そうだな。」
【ふ〇なっしー】
「レッツ！パーティー！！！！！！」
となんかライト的なのがふ○なっしーを照らす、意味は無い！
「やぁやぁやぁやぁやぁやぁ！！！！！！！！可愛い子ちゃん！！！！！君の名前はなんて言うのかな！？」
大声で叫ぶ、そりゃあもう煩いくらいに手を大きく広げると
「さぁ！！！！！ゲームをしようじゃないか！！！！！！ワタクシは暇だ！暇で暇で暇でしょうがない！そう！暇なのだ！暇なのは君も同じはず！同じなんだ！ということで！！！」
ふ○なっしーの周りには篝火があり、なんか儀式っぽいことしようとしている雰囲気がある←
「そうだなぁ…鬼ごっこをしよう！火のついた蝋燭が君の近くにある筈だ！そのロウソクを守りながら逃げてもらう！ちなみに火が消えたら君の恥ずかしい写真が晒されるゾ！！！！ほら！よーいドーン！ほらほら！逃げろ逃げろ！！！！！」
と言って包丁を持ってヒガンバナを追いかけようとするふ○なっしー
「ちなみに！！！俺を攻撃したり！怪我させたりしたら強制的に君の敗北になる！！！さぁ！逃げろ逃げろ！逃げないとエロい写真撮るぞ！！！！！！エロい写真撮ったら全体チャットに晒すぞ！！！！えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ！！！！！」
正気の沙汰じゃない、こいつ…………エロ目的だ
【ヒガンバナ】
「…………はぁ、騒がしい。
一度しか言わんぞ、その馬鹿げた事を止めなければ、私は貴様のその腕を使い物にならなくさせる。」
赤い瞳は、別に梨を推してる訳でもない市の非公認キャラらしき物の中身を冷たく睨み付ける。
持っていた刀擬きを構え、逃げる事なく佇む。
【ふ〇なっしー】
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！？？？？？にげろよぉぉぉぉぉ！！！？？？なんでにげねぇのぉぉ！！！？腹立つわー！！！！！」
と腹がたった、そりゃ逃げないからだ
まぁ負けたらエロい写真を晒すという理由だからそうなるだろう
「あー……そうだなぁ！！！君が負けたら………」
「死んでもらおうか！そう！それがいいだろう？緊張感もあってさ！なぁなぁなぁなぁ！！！！！いや！君自身が死ぬってのも面白くないなぁ…………★」
包丁を投げ捨て顎に手をやり考える、唸りながら数分考えると
「そうだ、君の大切な大切な家族と友人を目の前で殺してあげよう、それなら逃げるだろう？私に攻撃すれば君は強制的に負ける、そういうルールにしよう、さっきも言ったけどサ！さぁ！逃げろ！逃げるのだ！逃げないと捕まっちゃうぞ！！！」
【ヒガンバナ】
「悪いが、逃げるのは剣を持つものの恥と教えられたのでな。
……それより、貴様は何者だ？海神学園の者では無いのか？」
オネェや、ピエロ位なら、まだ認めよう。
だが、こんな狂った奴がクラスメイトなど、認めない。
「…………もしも、貴様がそれを実行するならば。
私は、貴様の腕をへし折るだけでは済まなくなる。
ああ、逆に貴様を斬る事になる。」
【ふ〇なっしー】
「うん？違うよ〜えっと…なんだっけ？……何とか学園って所は知らないなぁ………」
まぁ、真っ赤な嘘、サラッと出たものだからまぁ多分気づかない
「あと君ねー自分が強いとか思ってるの〜？へへへへ！！！！俺を倒せると思ってんのー？へへへへ！倒してみやがれー！！！というかこのゲームのルール結構考えたんだぞー！やれよー！もう負けたら何とか〜無しにさ！もう勝った方が言うことなんでも聞くでいいよー！よし、始めよう！！」
と、とりあえず鬼ごっこがしたいらしい
暇で暇でしょうがない、暇でしかない
【ヒガンバナ】
「…………そうか。」
一言、そう呟く。
その一瞬の後には、ヒガンバナは目の前に移動しており、彼女の首筋には冷たい金属が添えられているだろう。
「……言っておくが、私はそこそこ強いぞ。
そして、私の組の者では無いと言うのなら……ああ、切れはしないが、痛いだろうな？」
あくまでも、ゲームをする気は無いらしい。
いや、正確に言えば『同じ学園の者では無い奴と遊ぶ程、能天気ではない』
今のヒガンバナには、彼女が皆に危害を加える存在にしか見えていない。
【ふ〇なっしー】
「ホイホイキタコレ、脅し？うわぁーまともじゃねぇwwwwwwwwww」
普通に話せば良かったのだ、普通に嫌だと言えば良かった……
「ほむほむ、君は部外者の奴なら怪我させてもいいとか思ってるのかい？うわぁーやべーそれはやべぇ！俺が言えたことではないんだけどね！！！！」
動じないしやらないということも分かっている………というかやれないだろう、あの変な赤い専用機が現れるから
「ゲームしないならもういいよ、帰ってちょ！ほら！行った行った！しっしっ！」
まるで虫を追い払うように、手を振る。ゲームしないなら帰って貰う、詰まんねぇし。暴力マンだから
【ヒガンバナ】
「……貴様、おちょくるのも大概にしておけ！
先に脅したのは貴様だろうが！！」
人間、堪忍袋と言うものは有るもので。
人によりけりだが、彼女の緒は切れる寸前だ。
「ナイフを持ち、家族友人を殺すと言い……挙げ句の果てには私のせいにすると言うのか！？」
怒りは治まらず、彼女の胸ぐらを掴む。
明確な怒りがそこにある。
【ふ〇なっしー】
「うへーそれはごめんねー？そう言わないと参加しねぇやついるし？というかあれ、参加してても君が勝ってたんだよねぇー……蝋燭守りながら〜って言ったけども………誰も蝋燭の火が消えたら〜とも言ってないし？むしろ消えたらヤバいの篝火の方だし？ネタバレ嫌だなぁ〜、言いたくなかったのに」
ふてくされーの
「うんうん、だからねー俺が悪かったから離してくんね？もう君には近づかないしさー」
痛いなー意外と結構痛い、痛いんだぞ！痛いんだからなぁ！首が！！！
【ヒガンバナ】
怒りで震える手、今にも振り下ろしそうな刀。
それを全て、全て堪えて、彼女を地面に張り倒す。
「ああ、二度と現れるな！
私の前にも、クラスメイトの前にも！！」
そして足早にその場を立ち去る。
【ヒガンバナ】
鉄板を使った刀擬きを携えながら、ヒガンバナは風の向くまま歩いていた。
そして辿り着いたのは、キャンプ場だった。
色々な道具が揃っているので、少し物珍しそうに眺めている。
「……最悪、ここでも睡眠は出来そうだな。」
【ふ〇なっしー】
「レッツ！パーティー！！！！！！」
となんかライト的なのがふ○なっしーを照らす、意味は無い！
「やぁやぁやぁやぁやぁやぁ！！！！！！！！可愛い子ちゃん！！！！！君の名前はなんて言うのかな！？」
大声で叫ぶ、そりゃあもう煩いくらいに手を大きく広げると
「さぁ！！！！！ゲームをしようじゃないか！！！！！！ワタクシは暇だ！暇で暇で暇でしょうがない！そう！暇なのだ！暇なのは君も同じはず！同じなんだ！ということで！！！」
ふ○なっしーの周りには篝火があり、なんか儀式っぽいことしようとしている雰囲気がある←
「そうだなぁ…鬼ごっこをしよう！火のついた蝋燭が君の近くにある筈だ！そのロウソクを守りながら逃げてもらう！ちなみに火が消えたら君の恥ずかしい写真が晒されるゾ！！！！ほら！よーいドーン！ほらほら！逃げろ逃げろ！！！！！」
と言って包丁を持ってヒガンバナを追いかけようとするふ○なっしー
「ちなみに！！！俺を攻撃したり！怪我させたりしたら強制的に君の敗北になる！！！さぁ！逃げろ逃げろ！逃げないとエロい写真撮るぞ！！！！！！エロい写真撮ったら全体チャットに晒すぞ！！！！えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ！！！！！」
正気の沙汰じゃない、こいつ…………エロ目的だ
【ヒガンバナ】
「…………はぁ、騒がしい。
一度しか言わんぞ、その馬鹿げた事を止めなければ、私は貴様のその腕を使い物にならなくさせる。」
赤い瞳は、別に梨を推してる訳でもない市の非公認キャラらしき物の中身を冷たく睨み付ける。
持っていた刀擬きを構え、逃げる事なく佇む。
【ふ〇なっしー】
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！？？？？？にげろよぉぉぉぉぉ！！！？？？なんでにげねぇのぉぉ！！！？腹立つわー！！！！！」
と腹がたった、そりゃ逃げないからだ
まぁ負けたらエロい写真を晒すという理由だからそうなるだろう
「あー……そうだなぁ！！！君が負けたら………」
「死んでもらおうか！そう！それがいいだろう？緊張感もあってさ！なぁなぁなぁなぁ！！！！！いや！君自身が死ぬってのも面白くないなぁ…………★」
包丁を投げ捨て顎に手をやり考える、唸りながら数分考えると
「そうだ、君の大切な大切な家族と友人を目の前で殺してあげよう、それなら逃げるだろう？私に攻撃すれば君は強制的に負ける、そういうルールにしよう、さっきも言ったけどサ！さぁ！逃げろ！逃げるのだ！逃げないと捕まっちゃうぞ！！！」
【ヒガンバナ】
「悪いが、逃げるのは剣を持つものの恥と教えられたのでな。
……それより、貴様は何者だ？海神学園の者では無いのか？」
オネェや、ピエロ位なら、まだ認めよう。
だが、こんな狂った奴がクラスメイトなど、認めない。
「…………もしも、貴様がそれを実行するならば。
私は、貴様の腕をへし折るだけでは済まなくなる。
ああ、逆に貴様を斬る事になる。」
【ふ〇なっしー】
「うん？違うよ〜えっと…なんだっけ？……何とか学園って所は知らないなぁ………」
まぁ、真っ赤な嘘、サラッと出たものだからまぁ多分気づかない
「あと君ねー自分が強いとか思ってるの〜？へへへへ！！！！俺を倒せると思ってんのー？へへへへ！倒してみやがれー！！！というかこのゲームのルール結構考えたんだぞー！やれよー！もう負けたら何とか〜無しにさ！もう勝った方が言うことなんでも聞くでいいよー！よし、始めよう！！」
と、とりあえず鬼ごっこがしたいらしい
暇で暇でしょうがない、暇でしかない
【ヒガンバナ】
「…………そうか。」
一言、そう呟く。
その一瞬の後には、ヒガンバナは目の前に移動しており、彼女の首筋には冷たい金属が添えられているだろう。
「……言っておくが、私はそこそこ強いぞ。
そして、私の組の者では無いと言うのなら……ああ、切れはしないが、痛いだろうな？」
あくまでも、ゲームをする気は無いらしい。
いや、正確に言えば『同じ学園の者では無い奴と遊ぶ程、能天気ではない』
今のヒガンバナには、彼女が皆に危害を加える存在にしか見えていない。
【ふ〇なっしー】
「ホイホイキタコレ、脅し？うわぁーまともじゃねぇwwwwwwwwww」
普通に話せば良かったのだ、普通に嫌だと言えば良かった……
「ほむほむ、君は部外者の奴なら怪我させてもいいとか思ってるのかい？うわぁーやべーそれはやべぇ！俺が言えたことではないんだけどね！！！！」
動じないしやらないということも分かっている………というかやれないだろう、あの変な赤い専用機が現れるから
「ゲームしないならもういいよ、帰ってちょ！ほら！行った行った！しっしっ！」
まるで虫を追い払うように、手を振る。ゲームしないなら帰って貰う、詰まんねぇし。暴力マンだから
【ヒガンバナ】
「……貴様、おちょくるのも大概にしておけ！
先に脅したのは貴様だろうが！！」
人間、堪忍袋と言うものは有るもので。
人によりけりだが、彼女の緒は切れる寸前だ。
「ナイフを持ち、家族友人を殺すと言い……挙げ句の果てには私のせいにすると言うのか！？」
怒りは治まらず、彼女の胸ぐらを掴む。
明確な怒りがそこにある。
【ふ〇なっしー】
「うへーそれはごめんねー？そう言わないと参加しねぇやついるし？というかあれ、参加してても君が勝ってたんだよねぇー……蝋燭守りながら〜って言ったけども………誰も蝋燭の火が消えたら〜とも言ってないし？むしろ消えたらヤバいの篝火の方だし？ネタバレ嫌だなぁ〜、言いたくなかったのに」
ふてくされーの
「うんうん、だからねー俺が悪かったから離してくんね？もう君には近づかないしさー」
痛いなー意外と結構痛い、痛いんだぞ！痛いんだからなぁ！首が！！！
【ヒガンバナ】
怒りで震える手、今にも振り下ろしそうな刀。
それを全て、全て堪えて、彼女を地面に張り倒す。
「ああ、二度と現れるな！
私の前にも、クラスメイトの前にも！！」
そして足早にその場を立ち去る。
雪も積もらぬ電車の中で。 5th-17th
まにょ(5th)-エム(17th)
【まにょ】
たたん、ととん。
線路上を走る音が、緩やかな速度の揺れと共に身体に滑り込んでくる。車内はほんのりと効いた暖房で心地よく、ともすればこの中で何時間でも居眠りをしてしまいそうなほどだった。そんなことをすれば、虚弱な身体は風やら何やらに罹ってしまうのだろうから気をつけているが。
まどろみそうな目を覚まそうと、外の寒気に冷えた車窓へこめかみを当てた。じわりと冷たさが髪の毛越しに感じる。
外は一面雪景色だ。トンネルを抜ければそこは雪国だったと著名な作品でも出ていたが、まさにその通りに自分はここへやってきた。あの時もこうして窓に映った自分の顔をみていたような気がする。
自分以外誰もいない路面電車はどこかの駅に止まったようで、電光掲示板を見れば「中央エリア停留所」と書かれていた。
【エム】
電車が止まり、新たに入ってきたのは、とてとてといった足音が似合いそうな、金髪の幼女。
今回、この電車に初めて乗ったからか、目を輝かせながら、電車内を見回した。
「……あ、こんにちわ！ お兄さん！」
人がいた、と視界に男を捉えれば、にこりと笑みを浮かべて挨拶。
そして、その向かい側の席に腰掛けた。
【まにょ】
電子音のような女性の声のアナウンスが流れ、扉が閉まっていく。窓から顔を離したまにょは随分と幼い声の主に視線をやった。金髪碧眼、西洋風の幼子といえば万人が思い浮かべるような、愛らしいフランス人形のような姿がそこにあった。回顧的な異国感溢れる雰囲気のこの世界に、純粋に生れ落ちたような見目の幼い少女に、にこりと笑い返す。
「こんにちは、お嬢さん。こんなに寒い日にお出かけですか」
大判のカシミアのストールを肩に掛け直しながら問いかけた。着物をかっちりと着こなしており、帯で腹部は比較的温かいものの、襟口なんかはそのままでいたらかなり寒い。少し列車に乗って移動するだけでも、ストールやマフラーを外せなかった。
やはり子供は風の子なんだなぁ、と思いながら、元気に入ってきたエムを微笑ましげに見詰める。同じ車両の対面の席で、こうして洋風の相手と和風の自分が向かい合って座っているのがどことなく情緒があるような感じがして素敵な出会いの一場面だとどこか客観的に捕らえる自分もいる。
【エム】
【まにょside】
「うん、温泉に行くの！」
答えてくれたのが嬉しかったのだろう、若干テンションの上がった様子でそう答える。
着物とかカッコイイなぁ、なんて子供心(偽)に考えながら、お兄さんの方を見て。
「エムは、エムっていうの！ お兄さんは？」
あまり話題も見つからないし、とりあえずの自己紹介。
人と人との繋がりは、まずは自己紹介から、なんてどこかで聞いたことがあったりなかったり。
どちらにせよ、偽名なら別に名乗ってもいいかな、なんて。
【まにょ】
エム、それがただの愛称なのか、それとも偽の名前なのか。ただ、`本名がバレたら死ぬ`ということだけは何者かにいつの間にか渡された携帯端末への通知で知っていた。自分が何者なのか分からないように、こうして自分のそれではない肉体へと変えられているのは、それほど本名のカミングアウトと死が直結しているということだろう。
それなら相手のものも、偽名だと思うことにして自分も名乗ろう。
「…私は、まにょです。ずっと前に付けられたあだ名なんですけど、なんだか面白い響きですよね、まにょって。少し間抜けな感じがしますけど」
くすくすと笑って名乗り返し、「よろしくお願いします、エムさん」と行儀よく会釈をした。
そういえば、この列車の行き先は北のエリアだったと思い出す。確かそこには温泉が在ったが、もっと重要な何かが書いてあったはずだ。しかしど忘れしてしまったことは案外すんなり思い出せるものでもなく、引っ掛かりを覚えつつ笑顔で誤魔化す。
【エム】
【まにょside】
「よろしくね！ まにょお兄さん！！
……でも、まにょって、なんか可愛くて、エムはすきだよ？」
名乗りを返されて、嬉しそうに笑って。
今のところ、会った大体の人が優しい人だからか、こうしてちゃんと名乗り返してくれて、エムは嬉しいのです。
「まにょお兄さんは、電車に乗ってどこいくの？」
エムは言わずもがな、温泉へ向かう訳だが。
お兄さんはどうなのだろうと、小首を傾げてはそう問いかけて。
【まにょ】
「ありがとう。お兄さんはね、電車に乗るのが楽しくて乗っているので、行き先は決めていないんです」
エムに釣られて自分のことを`お兄さん`と呼んでしまって気恥ずかしくあったが、言ってしまったものは仕方ないとそのまま通して話し続けた。身体の都合で、余り長く外を歩けない。だが、こうして電車で移動している分には温かいし、街並みを眺めるのもただ座ってぼうっとしているのも心地が良くて、終着点は決めていなかったのだ。
「でも、温泉いいですね。元気なときに私も入りに行こうかなんて、思ってしまいましたよ。是非楽しんできてくださいね」
【エム】
「へぇ……お兄さんは元気じゃないの？」
お兄さんの話を聞いて、気になったところをひとつ。
聞いていい事と悪いこともある訳だが、しかしその判断、エムにできる訳もなく。
気になったらつい聞いてしまったのだ。
【まにょ】
聞かれたことに答えるのは、難しいことではなかった。自分の体のことを話すことにためらいはなかったし、ただ、気がかりなのはどう相手に伝えればいいのかというものだ。
小さな子供相手に難しい話をしても、ちんぷんかんぷんと言ったところだろう。
「う〜ん……私の身体は、病気やばい菌にとっても弱いんです」
一つ指を立てて話し始めた。
「普通の人より風邪こんこんが治りにくかったり、転んで怪我をしたら、悪いばい菌が入ってきてしまうとすごく苦しくなったりしてしまうんです。だから、いっぱい動いたり遊んだりするのが出来ないんです」
子供向けの言葉を探り探り言いつつ、どうですかね、と少し気恥ずかしげに理解が得られたか窺う様な視線を向けた。正直、稚気を帯た言葉はどことなく照れくさいもので、エム以外に聞かれていたら恥ずかしくてすぐにでも外へ飛び出し雪に頭を突っ込んでしまいそうなぐらいだった。そんなことをすれば、風邪を引いて後悔するのは眼に見えて明らかではあるが。
ペットに赤ちゃん言葉で話しかけるのを、絶対他人に見られたくないという、ああいうことである。
【エム】
【まにょside】
「ほぇ〜…………
お兄さん、お病気にならないようにお大事にね？」
どうやら、意味は伝わったようで。
こんな室内と室外の寒暖差が激しいところで、行ったり来たりしていれば無理な話かもしれないが、とはいえ心配なのは事実。
お大事に、と心配そうに呟いて。
【まにょ】
「はい。貴女も、温泉上がりに湯冷めをしないようにお気をつけて。濡れた身体は冷えやすいですから」
伝わってほっとしたように微笑むと、これから温泉に行くのだというエムにも注意の言葉を向けた。
身体が弱い自分と同じくらい、幼い身体は様々な最近や病気に対する抵抗力が弱い。傍で見守る親がいれば話は別だが、見たところそういった同伴者はいないようであるし、一人でも自立して活動が出来るほど精神的に成熟しているのか、微妙なところだ。
何事もなければいいが、有事の際には、せめて傍にいたら力になる心積もりでいようと考えつつ目を伏せた。
そうこうしているうちに、車内アナウンスが流れる。そろそろ、北のエリアにつくようだ。
【エム】
「あ、もう着いちゃった……お話してると直ぐに着いちゃうね」
アナウンスを聞けば、念願の温泉にたどり着いたのだから、喜ぶべきはずなのに、お兄さんと別れるからか、なんとも複雑な気分になって。
少し寂しげにそう言って。
「……そうだ！ お兄さん、フレンド登録ってやつしよう？ いつでもお話できるようになるんだって！」
まだ着くまでに少しだけ時間がある。
その間に、フレンド登録をしようと、自分のコロパッドを起動して。
【まにょ】
「フレンド登録？えぇと、ちょっと待ってくださいね」
はじめ、何のことか分からずにことりと首を傾げた。宛ら、孫にゲームの話を振られた祖父母がいるとしたら、丁度こんな具合の反応をするのだろう。
よいしょと立ち上がり、対面のエムの横へ腰掛ける。見真似て同じように端末を取り出し、登録画面を開いた。
【エム】
「えっとね、ここをこうして……出来た！
これでフレンド登録できたよ！」
自分の端末を操作して申請をすると、まにょの方に端末の操作を軽く教えれば、登録を完了。
どこかおじいちゃんにスマホを教える孫のような錯覚に陥ったが、さすがにそこを指摘するのはあれだったから辞めておく。
すると、ちょうどエリアについたアナウンス。
「……あっ、着いちゃった……
お兄さん、また今度会おうね？」
ぴょんと椅子から飛び降りれば、手を振って出口の方へと向かっていく。
【まにょ】
「えぇ、また今度」
初めて登録されたフレンド欄に、エムの文字が並ぶのを微笑んで見詰めると、元気に手を振って去っていく姿に手を振り返して答える。外ではしんしんと雪が降っており、ひゅう、と吹き込んできた風が目が覚めるほど冷たかった。
扉が閉まっていくまでずっと手を振っていたが、やがて電車が動き出すと手を下ろした。
もう少しだけ、乗ったら降りよう。
彼女に話したくなるような、楽しいことが見つかるかもしれないから。
【まにょ】
たたん、ととん。
線路上を走る音が、緩やかな速度の揺れと共に身体に滑り込んでくる。車内はほんのりと効いた暖房で心地よく、ともすればこの中で何時間でも居眠りをしてしまいそうなほどだった。そんなことをすれば、虚弱な身体は風やら何やらに罹ってしまうのだろうから気をつけているが。
まどろみそうな目を覚まそうと、外の寒気に冷えた車窓へこめかみを当てた。じわりと冷たさが髪の毛越しに感じる。
外は一面雪景色だ。トンネルを抜ければそこは雪国だったと著名な作品でも出ていたが、まさにその通りに自分はここへやってきた。あの時もこうして窓に映った自分の顔をみていたような気がする。
自分以外誰もいない路面電車はどこかの駅に止まったようで、電光掲示板を見れば「中央エリア停留所」と書かれていた。
【エム】
電車が止まり、新たに入ってきたのは、とてとてといった足音が似合いそうな、金髪の幼女。
今回、この電車に初めて乗ったからか、目を輝かせながら、電車内を見回した。
「……あ、こんにちわ！ お兄さん！」
人がいた、と視界に男を捉えれば、にこりと笑みを浮かべて挨拶。
そして、その向かい側の席に腰掛けた。
【まにょ】
電子音のような女性の声のアナウンスが流れ、扉が閉まっていく。窓から顔を離したまにょは随分と幼い声の主に視線をやった。金髪碧眼、西洋風の幼子といえば万人が思い浮かべるような、愛らしいフランス人形のような姿がそこにあった。回顧的な異国感溢れる雰囲気のこの世界に、純粋に生れ落ちたような見目の幼い少女に、にこりと笑い返す。
「こんにちは、お嬢さん。こんなに寒い日にお出かけですか」
大判のカシミアのストールを肩に掛け直しながら問いかけた。着物をかっちりと着こなしており、帯で腹部は比較的温かいものの、襟口なんかはそのままでいたらかなり寒い。少し列車に乗って移動するだけでも、ストールやマフラーを外せなかった。
やはり子供は風の子なんだなぁ、と思いながら、元気に入ってきたエムを微笑ましげに見詰める。同じ車両の対面の席で、こうして洋風の相手と和風の自分が向かい合って座っているのがどことなく情緒があるような感じがして素敵な出会いの一場面だとどこか客観的に捕らえる自分もいる。
【エム】
【まにょside】
「うん、温泉に行くの！」
答えてくれたのが嬉しかったのだろう、若干テンションの上がった様子でそう答える。
着物とかカッコイイなぁ、なんて子供心(偽)に考えながら、お兄さんの方を見て。
「エムは、エムっていうの！ お兄さんは？」
あまり話題も見つからないし、とりあえずの自己紹介。
人と人との繋がりは、まずは自己紹介から、なんてどこかで聞いたことがあったりなかったり。
どちらにせよ、偽名なら別に名乗ってもいいかな、なんて。
【まにょ】
エム、それがただの愛称なのか、それとも偽の名前なのか。ただ、`本名がバレたら死ぬ`ということだけは何者かにいつの間にか渡された携帯端末への通知で知っていた。自分が何者なのか分からないように、こうして自分のそれではない肉体へと変えられているのは、それほど本名のカミングアウトと死が直結しているということだろう。
それなら相手のものも、偽名だと思うことにして自分も名乗ろう。
「…私は、まにょです。ずっと前に付けられたあだ名なんですけど、なんだか面白い響きですよね、まにょって。少し間抜けな感じがしますけど」
くすくすと笑って名乗り返し、「よろしくお願いします、エムさん」と行儀よく会釈をした。
そういえば、この列車の行き先は北のエリアだったと思い出す。確かそこには温泉が在ったが、もっと重要な何かが書いてあったはずだ。しかしど忘れしてしまったことは案外すんなり思い出せるものでもなく、引っ掛かりを覚えつつ笑顔で誤魔化す。
【エム】
【まにょside】
「よろしくね！ まにょお兄さん！！
……でも、まにょって、なんか可愛くて、エムはすきだよ？」
名乗りを返されて、嬉しそうに笑って。
今のところ、会った大体の人が優しい人だからか、こうしてちゃんと名乗り返してくれて、エムは嬉しいのです。
「まにょお兄さんは、電車に乗ってどこいくの？」
エムは言わずもがな、温泉へ向かう訳だが。
お兄さんはどうなのだろうと、小首を傾げてはそう問いかけて。
【まにょ】
「ありがとう。お兄さんはね、電車に乗るのが楽しくて乗っているので、行き先は決めていないんです」
エムに釣られて自分のことを`お兄さん`と呼んでしまって気恥ずかしくあったが、言ってしまったものは仕方ないとそのまま通して話し続けた。身体の都合で、余り長く外を歩けない。だが、こうして電車で移動している分には温かいし、街並みを眺めるのもただ座ってぼうっとしているのも心地が良くて、終着点は決めていなかったのだ。
「でも、温泉いいですね。元気なときに私も入りに行こうかなんて、思ってしまいましたよ。是非楽しんできてくださいね」
【エム】
「へぇ……お兄さんは元気じゃないの？」
お兄さんの話を聞いて、気になったところをひとつ。
聞いていい事と悪いこともある訳だが、しかしその判断、エムにできる訳もなく。
気になったらつい聞いてしまったのだ。
【まにょ】
聞かれたことに答えるのは、難しいことではなかった。自分の体のことを話すことにためらいはなかったし、ただ、気がかりなのはどう相手に伝えればいいのかというものだ。
小さな子供相手に難しい話をしても、ちんぷんかんぷんと言ったところだろう。
「う〜ん……私の身体は、病気やばい菌にとっても弱いんです」
一つ指を立てて話し始めた。
「普通の人より風邪こんこんが治りにくかったり、転んで怪我をしたら、悪いばい菌が入ってきてしまうとすごく苦しくなったりしてしまうんです。だから、いっぱい動いたり遊んだりするのが出来ないんです」
子供向けの言葉を探り探り言いつつ、どうですかね、と少し気恥ずかしげに理解が得られたか窺う様な視線を向けた。正直、稚気を帯た言葉はどことなく照れくさいもので、エム以外に聞かれていたら恥ずかしくてすぐにでも外へ飛び出し雪に頭を突っ込んでしまいそうなぐらいだった。そんなことをすれば、風邪を引いて後悔するのは眼に見えて明らかではあるが。
ペットに赤ちゃん言葉で話しかけるのを、絶対他人に見られたくないという、ああいうことである。
【エム】
【まにょside】
「ほぇ〜…………
お兄さん、お病気にならないようにお大事にね？」
どうやら、意味は伝わったようで。
こんな室内と室外の寒暖差が激しいところで、行ったり来たりしていれば無理な話かもしれないが、とはいえ心配なのは事実。
お大事に、と心配そうに呟いて。
【まにょ】
「はい。貴女も、温泉上がりに湯冷めをしないようにお気をつけて。濡れた身体は冷えやすいですから」
伝わってほっとしたように微笑むと、これから温泉に行くのだというエムにも注意の言葉を向けた。
身体が弱い自分と同じくらい、幼い身体は様々な最近や病気に対する抵抗力が弱い。傍で見守る親がいれば話は別だが、見たところそういった同伴者はいないようであるし、一人でも自立して活動が出来るほど精神的に成熟しているのか、微妙なところだ。
何事もなければいいが、有事の際には、せめて傍にいたら力になる心積もりでいようと考えつつ目を伏せた。
そうこうしているうちに、車内アナウンスが流れる。そろそろ、北のエリアにつくようだ。
【エム】
「あ、もう着いちゃった……お話してると直ぐに着いちゃうね」
アナウンスを聞けば、念願の温泉にたどり着いたのだから、喜ぶべきはずなのに、お兄さんと別れるからか、なんとも複雑な気分になって。
少し寂しげにそう言って。
「……そうだ！ お兄さん、フレンド登録ってやつしよう？ いつでもお話できるようになるんだって！」
まだ着くまでに少しだけ時間がある。
その間に、フレンド登録をしようと、自分のコロパッドを起動して。
【まにょ】
「フレンド登録？えぇと、ちょっと待ってくださいね」
はじめ、何のことか分からずにことりと首を傾げた。宛ら、孫にゲームの話を振られた祖父母がいるとしたら、丁度こんな具合の反応をするのだろう。
よいしょと立ち上がり、対面のエムの横へ腰掛ける。見真似て同じように端末を取り出し、登録画面を開いた。
【エム】
「えっとね、ここをこうして……出来た！
これでフレンド登録できたよ！」
自分の端末を操作して申請をすると、まにょの方に端末の操作を軽く教えれば、登録を完了。
どこかおじいちゃんにスマホを教える孫のような錯覚に陥ったが、さすがにそこを指摘するのはあれだったから辞めておく。
すると、ちょうどエリアについたアナウンス。
「……あっ、着いちゃった……
お兄さん、また今度会おうね？」
ぴょんと椅子から飛び降りれば、手を振って出口の方へと向かっていく。
【まにょ】
「えぇ、また今度」
初めて登録されたフレンド欄に、エムの文字が並ぶのを微笑んで見詰めると、元気に手を振って去っていく姿に手を振り返して答える。外ではしんしんと雪が降っており、ひゅう、と吹き込んできた風が目が覚めるほど冷たかった。
扉が閉まっていくまでずっと手を振っていたが、やがて電車が動き出すと手を下ろした。
もう少しだけ、乗ったら降りよう。
彼女に話したくなるような、楽しいことが見つかるかもしれないから。
賭けの代償 1st-23rd
ふ〇なっしー(1st)-海月(23rd)
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
と叫び走り回るふ○なっしー、片手にはブロコッリーと梨の入ったシチューを持ちながら温泉の中を走り回る
温泉の中を走り回る
『ブロッコリーと梨のシチューなっしー！！！！！！』
【海月】
とりわけ用事があったわけでもないので、まあ、サッパリしようと言うことで温泉に向かった。
…間違いだったと気付くのはいつの話だろうね。
とりあえず、今度は頭を休ませる為に、特に何も考えず脱いで浴場に入る。
「……へえ、あれが。」
何処からどう見ても梨の妖精。が、何でシチューを持って走り回っているんだろうか。
【ふ〇なっしー】
『1号機なし』
と首がありえない角度でｸﾞﾘｨ!って曲がる、そりゃあもう曲がる
すごく回る
『ブロッコリーと梨のシチュー食べるなしか？』
と曲がった状態で23に近づくふ○なっしー
【海月】
「ブロッコリーと梨のシチュー？それはまた野菜と果物でヘルシーなシチューだね！
ただ、今はお腹空いてないから、残念だけど他をあたって欲しいかなー。」
こういうのには、本当にやんわりと断っていかないと、後々大変なことになる。
まずコレが何なのか考えよう…かとも思ったけど、まずこの状況から抜けるのが先か。
とりあえず無視してお湯に浸かろ。
【ふ〇なっしー】
『そうなしかー………………』
しょんぼり…
『ふ○なっしーのイリュージョンへ入れてくれると嬉しいなっしー』
と23に背を向ける、後ろ向きで近づきながら
【海月】
「うん、分かった！とりあえず入れておけばいいんだね？」
投げようかとも考えたけど、流石にそこまで鬼ではないので普通に入れた。
「キミは入らないの？ま、シチュー食べながら入るって結構な拷問だけどねー。」
…入ってくるのか？って言う疑問もあるけれど。まあ、そこらへんは置いておこう。
何者なんだろうね、コレ。
【ふ〇なっしー】
『………美味しいなっしー！！』
普通に上手い………………だって塩コショウで味消したから辛いけど
『そうなしなー、入るなっしー』
とザブーンと2mの着ぐるみではいる、暑苦しいから上半身だけイリュージョンから出す←
【海月】
「ああ、入るんだ。暑苦しくないのかなーって思ってるけど…まあいっか！」
ツッコミをする気力も湧かなくなってきた。暴れられると困るからいいんだけれど。
…さて、落ち着いたし考えをまとめようか。
とりあえず、ここにいる現地人は何も反応してくれないんだよね。つまり、"ここではない"ってことは確かだ。
だったら外部からの人。…一番有力なのは"みんなと同じ"なんだけれど、ね。
【ふ〇なっしー】
「やぁやぁ！！！！！！！！ふ○なっしーの中身だぜ？まぁこの状態の俺はフリッツさんとかで呼んでおくれ！」
と、上半身晒した状態のふ○なっしー
ちなみに身長は140くらい
「君の名前は何かな！さぁ！教えておくれ！」
【海月】
「わあ、中身いるんだ！！子供の夢を壊すようなことしてくれてありがとうね！」
ああ、それなら納得。一号機がどうのこうのは聞かないことにして。
「オレは海月って呼んでよ。フリッツちゃんも、ここに連れてこられたのかな？」
【ふ〇なっしー】
「そうだよーん」
とふ○なっしーを脱ぐ、普通に浸かりたい。
「ンン〜この状況どう考えてる〜？」
【海月】
…最初から普通に入った方が良かったんじゃないか、ってのはなしにしておこう。
「この状況をどう考えてるか、ってー？
そうだねー。さっきの放送からして、やっぱりみんなでニコニコ手を繋いでゴール！みたいなのになるんじゃないの？
とってもつまんないオチになるけどさ。」
【ふ〇なっしー】
「んー……ならそうはならないと思うけどなぁ……嘘って書いてあったし(？)」
意味不明な発言、頭がとち狂ってやがるぜ！！！！
「そうだなぁ……よし！賭けをしよう！君が言った皆で手を繋いでゴールになるか僕の考えた最強のデスゲームが始まるのか！！賭けに負けた奴はそいつの言うことを一生聞くって事で…いいかな？というかポーカーしようぜポーカー」
どこからとも無く取り出したトランプ……ふ○なっしーから取り出したのだが……ちなみに裏の面はふ○なっしーの顔が書かれている
【海月】
賭け、か。そういう事を言うヤツもいたんだね。まあ、この状況なら、相手にほとんどの確率で蹴られるけど面白い提案にはなる。
…ただ、その賭け、一つ致命的な点があるね？
「その賭け、成立しないんじゃない？だってオレも、このまま終わるだなんて微塵も思ってないしさ。
あ、でもポーカーは賛成！オレ、結構こういうカードゲーム強いんだよ？よーし、勝つぞー！」
奇妙な状況、奇妙な提案はすり抜けて。
こういう状況でも、ゲエムは楽しいもの。ポーカーはそこそこ強いよ？
【ふ〇なっしー】
「お、話しそらされた……まぁいいか！よしポーカーだ！ポーカー！」
ということでポーカーし始める奴
「んじゃそうだなぁ……チップはなんにしようかねー」
【海月】
「チップ、ねえ。それこそさっき言ったみたいに"負けたら一生言うことを聞く"ってのでいいんじゃない？
約束を蹴られる可能性もあるかもしれないけどね！オレが最たる例だよ。」
【ふ〇なっしー】
「へぇー………１回勝負でいいかな？」
ニッコリと嗤う
「うんうん！１回で行こうか！」
海月
♠︎3♠︎7♦︎Q♣︎A❤︎A
ふ〇なっしー
♣︎2♣︎4♣︎5♣︎9♦︎9
【海月】
「よし、オレの勝ちー♪じゃあ、言った通り"言うことを聞いてもらう"よ！」
ニュアンスからして、彼女も薄々分かってはいると思うけれど？
まあ、こういうのもありっちゃありだよね。
「…このゲエムは、恐らく誰かに見られている。黒幕の目的が金かそれとも別の何かか、それはまだ掴めていないけれど。
放送のコトは時間稼ぎと見るのが妥当、だろうね。
…あと、もう一つ。放送の中で出てきた二つの単語、"アカエル"と"ユキグニ・キボウ・プログラム"。
これは重視してみた方がいいんじゃない？
アカエル、は言うまでもなくこのゲエムの"主催者"で間違いないでしょ。
そしてもう一つ、ユキグニ・キボウ・プログラム。これは、プログラムって点がちょっと怪しいかな。
外の霧からも分かるように、ここは普通じゃあり得ないことがたくさん起きている。
まるで現実かどうかも疑いたくなるような…ね。」
ここまで言って、口を止める。
「よし！文字通り、"言うことは聞いて"もらったよ！」
【ふ〇なっしー】
「アカエルってあの止めに入った変なサムシングか………赤い彗星の如く素早くどっか行ったなぁ……と、とりあえずこれだけでいいの？」
と、あの悪魔の数字の6と殺し合いになりかけた時に止めに入ったシャア専用アカエルを思い浮かべる
「赤かったな、本当に」
【海月】
「ま、今はこれだけで…ッて、アカエルってのと会ったの？へえ、それは詳しく聞かせてもらいたいな！状況合わせて！
…って言いたいところなんだけどさ。のぼせても困るからオレはもう上がっていいかな？
その話はまた、今度しようよ。」
もし彼女の言っているソレが本当にアカエルなら、かなりの情報になる。
何故なら、主催者はこのゲエム、及び参加者に"干渉"できるのだから。
次会った時はその話もしてみたいな、と。
【ふ〇なっしー】
「うん？そうだねー次あったら話そうか〜」
と言いながらトランプを弄る
【海月】
「それじゃあ、またね！」
ぶんぶんと手を振ってから脱衣所の方に戻る。
さて、賭けで支払ったものも大きいけど、得られたものも大きい。アカエルの正体について、何かわかればいいのだけれど。
…案外普通の人だった、ってのは胸の中にしまっておこう。オレ、優しいからね！
【ふ〇なっしー】
『ﾋｬｯﾊｰ!!!!!!!!!!!!!』
と叫び走り回るふ○なっしー、片手にはブロコッリーと梨の入ったシチューを持ちながら温泉の中を走り回る
温泉の中を走り回る
『ブロッコリーと梨のシチューなっしー！！！！！！』
【海月】
とりわけ用事があったわけでもないので、まあ、サッパリしようと言うことで温泉に向かった。
…間違いだったと気付くのはいつの話だろうね。
とりあえず、今度は頭を休ませる為に、特に何も考えず脱いで浴場に入る。
「……へえ、あれが。」
何処からどう見ても梨の妖精。が、何でシチューを持って走り回っているんだろうか。
【ふ〇なっしー】
『1号機なし』
と首がありえない角度でｸﾞﾘｨ!って曲がる、そりゃあもう曲がる
すごく回る
『ブロッコリーと梨のシチュー食べるなしか？』
と曲がった状態で23に近づくふ○なっしー
【海月】
「ブロッコリーと梨のシチュー？それはまた野菜と果物でヘルシーなシチューだね！
ただ、今はお腹空いてないから、残念だけど他をあたって欲しいかなー。」
こういうのには、本当にやんわりと断っていかないと、後々大変なことになる。
まずコレが何なのか考えよう…かとも思ったけど、まずこの状況から抜けるのが先か。
とりあえず無視してお湯に浸かろ。
【ふ〇なっしー】
『そうなしかー………………』
しょんぼり…
『ふ○なっしーのイリュージョンへ入れてくれると嬉しいなっしー』
と23に背を向ける、後ろ向きで近づきながら
【海月】
「うん、分かった！とりあえず入れておけばいいんだね？」
投げようかとも考えたけど、流石にそこまで鬼ではないので普通に入れた。
「キミは入らないの？ま、シチュー食べながら入るって結構な拷問だけどねー。」
…入ってくるのか？って言う疑問もあるけれど。まあ、そこらへんは置いておこう。
何者なんだろうね、コレ。
【ふ〇なっしー】
『………美味しいなっしー！！』
普通に上手い………………だって塩コショウで味消したから辛いけど
『そうなしなー、入るなっしー』
とザブーンと2mの着ぐるみではいる、暑苦しいから上半身だけイリュージョンから出す←
【海月】
「ああ、入るんだ。暑苦しくないのかなーって思ってるけど…まあいっか！」
ツッコミをする気力も湧かなくなってきた。暴れられると困るからいいんだけれど。
…さて、落ち着いたし考えをまとめようか。
とりあえず、ここにいる現地人は何も反応してくれないんだよね。つまり、"ここではない"ってことは確かだ。
だったら外部からの人。…一番有力なのは"みんなと同じ"なんだけれど、ね。
【ふ〇なっしー】
「やぁやぁ！！！！！！！！ふ○なっしーの中身だぜ？まぁこの状態の俺はフリッツさんとかで呼んでおくれ！」
と、上半身晒した状態のふ○なっしー
ちなみに身長は140くらい
「君の名前は何かな！さぁ！教えておくれ！」
【海月】
「わあ、中身いるんだ！！子供の夢を壊すようなことしてくれてありがとうね！」
ああ、それなら納得。一号機がどうのこうのは聞かないことにして。
「オレは海月って呼んでよ。フリッツちゃんも、ここに連れてこられたのかな？」
【ふ〇なっしー】
「そうだよーん」
とふ○なっしーを脱ぐ、普通に浸かりたい。
「ンン〜この状況どう考えてる〜？」
【海月】
…最初から普通に入った方が良かったんじゃないか、ってのはなしにしておこう。
「この状況をどう考えてるか、ってー？
そうだねー。さっきの放送からして、やっぱりみんなでニコニコ手を繋いでゴール！みたいなのになるんじゃないの？
とってもつまんないオチになるけどさ。」
【ふ〇なっしー】
「んー……ならそうはならないと思うけどなぁ……嘘って書いてあったし(？)」
意味不明な発言、頭がとち狂ってやがるぜ！！！！
「そうだなぁ……よし！賭けをしよう！君が言った皆で手を繋いでゴールになるか僕の考えた最強のデスゲームが始まるのか！！賭けに負けた奴はそいつの言うことを一生聞くって事で…いいかな？というかポーカーしようぜポーカー」
どこからとも無く取り出したトランプ……ふ○なっしーから取り出したのだが……ちなみに裏の面はふ○なっしーの顔が書かれている
【海月】
賭け、か。そういう事を言うヤツもいたんだね。まあ、この状況なら、相手にほとんどの確率で蹴られるけど面白い提案にはなる。
…ただ、その賭け、一つ致命的な点があるね？
「その賭け、成立しないんじゃない？だってオレも、このまま終わるだなんて微塵も思ってないしさ。
あ、でもポーカーは賛成！オレ、結構こういうカードゲーム強いんだよ？よーし、勝つぞー！」
奇妙な状況、奇妙な提案はすり抜けて。
こういう状況でも、ゲエムは楽しいもの。ポーカーはそこそこ強いよ？
【ふ〇なっしー】
「お、話しそらされた……まぁいいか！よしポーカーだ！ポーカー！」
ということでポーカーし始める奴
「んじゃそうだなぁ……チップはなんにしようかねー」
【海月】
「チップ、ねえ。それこそさっき言ったみたいに"負けたら一生言うことを聞く"ってのでいいんじゃない？
約束を蹴られる可能性もあるかもしれないけどね！オレが最たる例だよ。」
【ふ〇なっしー】
「へぇー………１回勝負でいいかな？」
ニッコリと嗤う
「うんうん！１回で行こうか！」
海月
♠︎3♠︎7♦︎Q♣︎A❤︎A
ふ〇なっしー
♣︎2♣︎4♣︎5♣︎9♦︎9
【海月】
「よし、オレの勝ちー♪じゃあ、言った通り"言うことを聞いてもらう"よ！」
ニュアンスからして、彼女も薄々分かってはいると思うけれど？
まあ、こういうのもありっちゃありだよね。
「…このゲエムは、恐らく誰かに見られている。黒幕の目的が金かそれとも別の何かか、それはまだ掴めていないけれど。
放送のコトは時間稼ぎと見るのが妥当、だろうね。
…あと、もう一つ。放送の中で出てきた二つの単語、"アカエル"と"ユキグニ・キボウ・プログラム"。
これは重視してみた方がいいんじゃない？
アカエル、は言うまでもなくこのゲエムの"主催者"で間違いないでしょ。
そしてもう一つ、ユキグニ・キボウ・プログラム。これは、プログラムって点がちょっと怪しいかな。
外の霧からも分かるように、ここは普通じゃあり得ないことがたくさん起きている。
まるで現実かどうかも疑いたくなるような…ね。」
ここまで言って、口を止める。
「よし！文字通り、"言うことは聞いて"もらったよ！」
【ふ〇なっしー】
「アカエルってあの止めに入った変なサムシングか………赤い彗星の如く素早くどっか行ったなぁ……と、とりあえずこれだけでいいの？」
と、あの悪魔の数字の6と殺し合いになりかけた時に止めに入ったシャア専用アカエルを思い浮かべる
「赤かったな、本当に」
【海月】
「ま、今はこれだけで…ッて、アカエルってのと会ったの？へえ、それは詳しく聞かせてもらいたいな！状況合わせて！
…って言いたいところなんだけどさ。のぼせても困るからオレはもう上がっていいかな？
その話はまた、今度しようよ。」
もし彼女の言っているソレが本当にアカエルなら、かなりの情報になる。
何故なら、主催者はこのゲエム、及び参加者に"干渉"できるのだから。
次会った時はその話もしてみたいな、と。
【ふ〇なっしー】
「うん？そうだねー次あったら話そうか〜」
と言いながらトランプを弄る
【海月】
「それじゃあ、またね！」
ぶんぶんと手を振ってから脱衣所の方に戻る。
さて、賭けで支払ったものも大きいけど、得られたものも大きい。アカエルの正体について、何かわかればいいのだけれど。
…案外普通の人だった、ってのは胸の中にしまっておこう。オレ、優しいからね！
24の差を埋められない 20th-22nd
あいごころ。(20th)-フェルナ(22nd)
【あいごころ。】
｢さて、今度こそ入ろうかしらね…｣
ホテルから商店街に戻り、温泉をやっている宿の前に立つ。先程とは違い、特に誰かとぶつかる、ということは無かった。
｢やっと体を洗えるわね。｣
中に入りほっと息を吐く。早歩きにより少し疲労の溜まった体を休ませることが出来そうだ。それに温泉は嫌いではない。いや、好きと言っていいだろう。ちょっとぺたぺたしている髪を手ぐしで軽く梳く。そして脱衣所に向かおうとすると男女と書かれたのれんがないことに気づきやはり混浴なのか、と今度はため息を吐いた。
…ちなみに彼女はまだ気づいていないのだが先程食べたクレープのクリームが鼻に付いている。
【フェルナ】
「……ったく、今日は厄日だ。」
やはり、薬の扱いはかなり難しい。
先程まで誰もいない平地で起爆実験を行っていたのだが、1回で断念する羽目になった。
まあ、この格好を見れば分かる。めちゃくちゃ泥だらけ、雪に埋めてから起爆したのが逆に仇となったのか数メートル離れた筈の少女にまで被害が及んだ。
それで結局最寄りの温泉へと向かったのだが、おいおい勘弁してくれ、なんで此処にも人が居るんだ。
「…くそ、見られたくなかったのに。」
【あいごころ。】
普段なら後ろに人がいるということに簡単に気づけただろう。しかし、疲労の溜まった状態で、温泉のお預けをくらい、それにやっと入れるという状況で後ろの様子に気を配る余裕はなかった。のれんをくぐって中に入る。温泉特有の硫黄の匂いが鼻を通り、期待が大きく膨らんだ。
｢〜♪｣
軽く鼻歌を歌うほどには上機嫌になった彼女は、服を脱ごうと浴衣に手をかけた…が。
｢…これってどうやって脱ぐのかしら｣
浴衣なんて七五三以来来たことない。むしろ普段から着る方が珍しいだろう。ただ、この帯により固定されていることは知っている。なら適当に引っ張れば取れるだろうと帯の端を引っ張ってみると…
ぐいっと帯の結び目が左に動いた。
｢…｣
反対側を引っ張ってみる。帯の結び目が右に動く。反対側を。左に動く。反対側を。右に動く。
｢…あれ？｣
【フェルナ】
「………何やってんだあいつ。」
聴こえてないならそのまま入ってやるかと思ったが、あれを見る限りだと、さては自分で着付けてないな。
無視しても良かったのだが…仕方ない、あれは流石に可哀想だ。
「ほら、手を退けろ。」
いきなりの登場で相手は戸惑うかもしれないが、態々確認を取るほど少女は素直じゃない。
結構堅く結ばれていた様だが、普通に力のあるアバターで本当に良かった。指を隙間に入れてなんとか解く事に成功、浴衣が外せるようになる。
【あいごころ。】
｢ん？おお…｣
声をかけられてその通りに手をどかすとしゅるりという音とともに帯が外れた。それと同時にお腹のちょっとした圧迫感がなくなるのを感じる。
｢これは…ありがとう、と言っておくわ。｣
別に1人でもできたのに、とちょっとむっとするが助けてくれたことには変わりないので一応お礼を言っておく。納得はしていないが。いそいそと浴衣を脱ぎながら、助けてくれた相手に問いかけてみる。
｢あなたも温泉に？｣
ここに来てる時点で分かり切った質問だ。相手の服装から見ても一目瞭然だろう。これを聞くのは相手との会話のきっかけを掴むため。特にそれといった答えは期待していないのだ…
そう聞く彼女の鼻には、やはりクリームが付いているのだが。
【フェルナ】
「おう、どういたしまして。なんだ？自分でも出来たって言いたいか？」
ムスッとしている表情がバレバレだ。腑に落ちていないんだろうが、恐らく少女が放っておけばあと5分は帯と格闘していた事を保証しよう。見た目で何となく予想はついていたが、本当に不器用だったとは。
「それ以外に何がある。こんな泥だらけで外を歩けるほど、私の精神はタフじゃないんだ。」
女の子同士なら特に気にしなくてもいいかと、泥まみれの包帯や服を脱ぐ。勿論下着も脱いで裸を普通に晒すわけだが、相手が男の可能性や此方が男だから気にしないとか…そういう問題は存在しない。
どうせ偽の身体だし。
「それより、君は先に鏡を見ることを勧めるよ。中々に恥ずかしい顔を私に晒してるからな。」
そう言って洗面台の鏡を指差すと、タオルを取りに向かう。
【あいごころ。】
｢鏡？｣
服を全て脱ぎ、一糸まとわぬ姿になりながらすこし訝しげにしながら脱衣場によく備え付けとなっている洗面所の鏡を覗く。そこには小さい鼻に可愛らしく着いたクリームが付いていた。
｢っ！！｣
顔が熱くなるのを感じる。直ぐに鼻を洗い、彼女を睨んでしまうが、彼女は別に悪くないと思い直し、てんやわんやしてしまう。
｢あ、あの、これはちがくて…｣
羞恥心で頭がいっぱいになってしまっているようだ…
【フェルナ】
「うい、チーズ。」
パシャリ。
まあ、一応観光なんだし。これくらいの恥ずかしい思い出を残すのもアリではないかと。
「安心しろ、クリームがついてる方は写してない。」
そして端末を閉じると、何事も無かったかのように温泉へと足を踏み入れる。少女は先ずシャワーからになってしまうが、寧ろそっちからが普通であって、前に幼い少女と会った時は…まあ、あれは事故だろう。
【あいごころ。】
｢また写真…｣
なにかと写真を取られることに縁があるのだろうか？いつか共有チャットとかにばらまかれないよな、と不安になるが撮られてしまってはどうしようもない。たとえ消したとしたところでどっかのくらげみたいに食えないやつが写真を持ってるのだ。もう失うものなどないわ、などと半ば現実逃避しながら彼女に続き温泉のほうへと入っていく。
｢はわぁ…｣
なかなかによい光景だ。混浴とはいえしっかりとした温泉のようだしなによりこの匂いがいい。また軽く鼻歌を歌いながら体の汚れを落とそうとシャワーを浴びることにする。
狐面をしっかりとつけたまま体の汚れを落としていく。
…ちなみに彼女としてはまだどうにかかっこよく決まっているつもりだがそのかっこよさの欠片などどこにもないことは言わぬが花だろう。
【フェルナ】
「……おい、なんで此処にお面まで持ってきてるんだ。」
流石に気にしないというのは無理があった。いや、こればかりはこの少女の性格設定的にも見逃せなかったのが大きい。いつもなら気にせずに苦笑いしていたのだろうが…。
「ふむ…とりあえず、君の仮名を聞いておこうか。私の名前はフェルナ、まあ…覚えても覚えていなくても構わない。」
シャワーで髪を濡らした後、シャンプーで泡を立て始める。
【あいごころ。】
｢…？むしろなんで脱がなきゃいけないのかしら？｣
どうして外す必要があるのか。正直この狐面はどうも外す気にはならないし邪魔だとも思っていない。まあ髪を洗うにはちょっと邪魔かもだけど。多分呪われた装備か何かなのだろうと頭の中で巫山戯たことを考えてみる。
｢名前、ねぇ…この状況じゃ結局偽名しか言えないわけなのだけれど。｣
そういってクスリと笑う。髪を洗うのにやはり邪魔なので狐面を顔の半分程からしっかりと被るようにずらす。傍目から見ると狐面を被った少女が髪を洗っているのだ。かなり異質だろう。
｢あいごころ。こころと呼んでもらえればいいわ。｣
いつもの偽名を口にする。仮面を被っているので声はきっとくぐもってるだろうな、とか思いながら。
【フェルナ】
「…あ、ああ。そうだな。
こんな事を訊いてしまった私が馬鹿だった。」
まともな奴なんて居なかった。私もまともとは言えないが、皆演じるからには違う自分を見せ付けたいのだろうか。よく見知った関係である筈なのに、誰一人として正体を掴むことが出来ない。
いや…まともな奴は1人会ったな。名前は確か、大トロ、中トロ…いや、もうトロンで良い。
「…おう、久しぶりにまともな仮名を聞いたような気がするよ。」
髪を握るように泡を染み込ませ、上からぬるま湯を撫でるように掛けて洗い流していく。
声については、聞き取れればそれで良いだろう。何喋ってんだ貴様、とは流石に言いたくない。
【あいごころ。】
｢まともな平仮名。確かに私の名前は平仮名ね。｣
私の名前は確かにトロイだかドロンパだがドローンだか…まあトロサーモンでいいだろう。彼みたいな名前とは大違いの名前だ。コロパットに入っていた仮名の名簿にもまともな名前が少なかった。
｢あなたも名前としては普通じゃないかしら？まあ、仮面の名前ではあるけれども｣
そんな軽口をいって髪を洗い終わるまでの時間を潰す。本当はこんな話ではなくてもっと有益な…それこそ、相手を揺さぶるような質問をしなければならないのだろうが。それは別に急ぐことでもないだろう。
｢そうねぇ…そういえば。会う人会う人私より背が高いわ。なんでこんな身長高い姿ばかりなのかしら？｣
前々からなんとなく気になっていたことを問いかけてみる。
【フェルナ】
「普通にしてしまった方が、始まった時に自由に動けるものさ。名前というものは第一印象を決める充分なステータスと成りうる。
思い返してみろ。実際…名前が目立てばその分印象は強く残ってるだろう。」
まあ、ここから揺さぶるのもアリと言えばそうなのだが、流石にゲームが始まる迄に精気は養っておきたい。
ん？今までまともにリラックス出来たかって？
…君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
「私が言えたことでもないが、君が小さいのが問題なんだよ。寧ろ他が普通だ。
…いや、普通かどうか知らんが。」
しかし、この少女2人が普通より小さいのには疑う余地もない。狙ってこうなった訳では無いはずだが、意外とこれくらいが動きやすいと気づき始めている。
【あいごころ。】
｢…え？｣
自分が小さい？嘘だ、そんなことあるわけない。確かにちょっと歩くの遅いなとも思った。確かにちょっと疲れやすいなって思ってた。でもそれが自分が小さいからだなんて…いや、きっとこれはあれだ。相手の揺さぶりなんだ。そう自分に言い聞かせる。そう。つまりこれは宣戦布告。相手に先手を取られたと言うだけのこと。髪を洗い終え、今度は体を洗う。大丈夫。こんなの軽い応戦じゃないか。全く動揺などしていない。
｢え、ええそうね。気づいていたわよ？ええ。ちちちなみにあなたは大体身長はどれぐらいあ、あるのかしら？｣
動揺なんてしていない。そう自分に言い聞かせる。
【フェルナ】
「……君、それが演技かどうかは知らんが、間違いなく絞られるぞ。」
いや、動揺の動きを隠し切れていないのは流石に問題では無いだろうか。
言っておくが、少女は決してブラフなどかけておらず、普通に会話をこなしている。特に狙ったつもりなどはない。相手が勝手に反応して勝手に自爆しただけ、少女は悪くない。
「そうだな…私は目測だが、恐らく150ちょっとだろう。私が会う輩も背が高い者ばかりで参るね。首が疲れる。」
言っていると、本当に首に痛みが来てしまう。首をグルグルと回しながら、身体をタオルで擦っている。
【あいごころ。】
｢……｣
150cm。彼女は大体150cmらしい。ブラフだろうか？…いや、そのような様子もない。最初あった時自分は彼女より身長が目に見えて低かった。大体…10、いや、20cmほどだろう。と、なると私の身長は…
｢…だいたい130cm？｣
…いや、さすがにこれはブラフだろう。嘘だ。そう。嘘に違いない。うそだうそだうそだうそだうそだ(ryまさか自分が幼女サイズになってるなんて…そう気づいてしまった途端、もうそれは抑えきれなかった。
｢うぅ…ひっ……うわあぁ………｣
目に大粒の涙な出てくる。だめだ、ここでよわいところなんてみせちゃだめだ。わたしはぜつぼうなんかしない…
｢うわぁぁぁぁあ！ううううう！！｣
おふろのなかで、おおごえをあげてないてしまいました。きつねめんはじゃまなのでよこにずらしてなみだをうででふこうとします。
【フェルナ】
「まあ、そうなるだろうな。私よりも頭半分位小さいし。」
座高からも大体の大きさは測れるし、そう見れば隣にいるこの子も結構小さいと見れる。…同学年だが。
…まあ、ここからが私も素を隠しづらくなってくる。
「っお、おい…どうした…！？」
発端は、隣の子が泣き始めた所からだ。いや、何で泣いたし。と、今までの会話の流れを見返してみたが…成程、身長が影響していたらしい。
おいおい、これ嘘泣きだったとしても、放っておけば私はただの最低人間だぞ。
「……す、すまないな。君の気持ちも知らずに軽く口走ってしまった。
……大丈夫か？落ち着けそうか？」
彼女の頭に手を置き、ゆっくりと羽根を触るように撫でていく。やけに撫で方が上手になってしまったが、流石にそのままに出来るほどメンタルは強くなかった。少し口調が危なかったが。
取り敢えず、その子が泣き止むまでは少女が傍に居ることに。出来れば人肌も与えて更に安心感を与えたい所だが…そこは彼女に任せるしかない。
【あいごころ。】
｢あううう…うう……｣
フェルナさんがあたまをなでてくれます。そのてはとてもやさしくて、とてもあんしんします。ちょっとずつ、ちょっとずつだけれどもおちつきます。
｢ぅ…ぅぅ……｣
すんっとはなをならす。しんちょうがひくくなってないてしまったけれど、フェルナの手がすごくやさしくて…気がついたら体を彼女のほうへと倒していた。…安心する。
｢……｣
なんというかすごく恥ずかしいところを見してしまった気がする。それにすごく恥ずかしいことをしてる気がする。それでもこの時は確かに心暖かくて、偽りであろう平和の中に確かに、この一瞬は温もりを感じていた。
｢…その、もうすこしこのままでもいい？｣
…やっぱり恥ずかしくて、ちょっと顔を背けてしまうけれども。
【フェルナ】
「……………。」
ここは、ターニングポイントなのでは無いのだろうか。
当初は、誰にも懐かれず懐かない。そんなキャラ漬けにして、徹底的に自分自身を隠し切って…そうして相手にバレずに生きて帰る。それが最優先事項だと、状況を確認してからは何度も自分にそう言い聞かせてきた。
きっと、神は赦してくれるだろう。
「…ああ、気の済むまで…私の肩で休んでいろ。」
彼女のその涙は、信じてやってもいいだろう。
そう、心の中で少女は決めたのだった。
ここは温泉。
一度体を濡らしてしまった二人は、冷たい空気に身体を震わされるだろう。しかし、そんな事は起こらなかった。温泉という温もりと匂いが、二人の心を落ち着かせ…そしてお互いの人肌はお互いの為に…人としての大切な文化を分け与えている。
まあ、悪くない。
【あいごころ。】
しばらくすると気分も落ち着いてきた。さすがにずっと肩を借りている訳にもいかないのでそろそろと傾けていた体を起こす。…それと同時にちょっとした羞恥心が湧き上がってくる。恥ずかしい。
｢…その、ここで起こったことは誰にも言わないで貰えると助かるわ。｣
どうにかいつもの調子を取り戻そうとする。…本当にここにあの黒歴史パパラッチがいなくて良かったと思う。そう思っていると体が思ったよりも冷えていることに気づく。当然だ。シャワーを浴びた後浴槽にも浸からずただ座っていたのだから。
｢そろそろ、入りましょうか。｣
そういって浴槽へと向かっていく。…さすがにここでは転ばないようだ。
【フェルナ】
「安心しろ、口は堅い方だからな。」
浴槽に入ることに関しては同意し、彼女の後から入るように、隣に腰掛ける。他意はないが、寧ろ心配の念が入ってしまっていることは認めなければならないだろう。
「いや…本当に済まなかったな。まさか、あれが君にとっての禁句だとは考えてなかったんだ。」
初めて、演じすぎというデメリットを直接感じたような…そんな気がする。例え彼女の今までの行為が嘘だったとしても、ここである程度矯正出来たのは彼女に感謝するしかない。
「…ありがとう。」
小さいが、はっきりと…感謝の言葉が漏れる。
【あいごころ。】
｢気にしないでちょうだい。気づかなかった私も悪いわ。｣
肩まで浸かりながらそう答える。やはり温泉はいいものだ、と再確認しながら。隣の彼女がいなければきっとこの事実に気づくこともなかっただろう…いや、どこかの人物が言及してきたかもしれない。
そんな彼女が放ったありがとう、という言葉。それは自分にとっては意表を突くものだった。
｢…？よくわからないけど、その言葉は受け取っておくわ。｣
本当は感謝すべきは自分の方なのに。だけれど、自分の中の本性が、全てを晒すな、と警告している。形だけでもありがとう、と言えればいいのに。ここまで弱みを見してしまった彼女に対してそのような感情で礼を言う、というのは少しばかり躊躇われた。…結局、お礼は言えそうにない。
｢…後で、フレンド登録しておきましょうか。｣
代わりに出たのは今後のことも考えたであろう在り来りの言葉だった。
【フェルナ】
「…ああ、声に出ていたのか。
特に気にしないで良いよ、寧ろ私の中で解決した事だ。君は、君自身の命を守る為に…本当の自分を隠しておけ。無論、私にもだ。」
だが、信頼はさせないように釘を打っておく。まるで、彼女が礼を言おうとしない理由すら解っているかの様に。信頼し合うということはつまり、それだけ相手と情報を共有しなければならない。それは第三者にバレる可能性を上げることにも繋がる。
このゲームは孤独、少女はそれを確信しているからこそ、今まで…。
「…そうだな、後でそれはしておこう。」
言われなければ、此方から申請はしただろう。元の考えでは、来るもの拒まずといった趣向ではあったが。
それにしても、温泉はやはり良いもので…少しでも緊張感を和らげるというアドバンテージは、少女にとってはかなりの保養となるものだ。
【あいごころ。】
｢ええ、それはもちろん。｣
わかっている。これに本当の味方などいない。味方など作った時点で裏切られるのがオチだ。そんなのは、よく分かっている。
｢…そろそろのぼせてきたわね。先上がるわ。｣
そういって先に上がることにする。気分はスッキリした。多分、これ以上失態を犯すことは無いだろう…多分。
その途中、思い出したかのように振り返る。
｢ああ、そうそう。1つ言っておきましょう。…信用することはあれど、私が信頼するということは…決してありえないわよ？｣
狐面を左手で押さえ、クスリと笑う。その様子はさっきまでとは違い少し…底を見せないような、そのようなイメージを持たせる。そして軽く目を細めて、
｢それじゃ。フレンド登録しないとだから早めに上がってね。｣
そういって浴槽の扉を閉めるのであった。
【フェルナ】
「ああ、解った。私ももう直ぐに上がる。」
少女はどちらかと言うと長風呂派だが、登録までに彼女を待たせるのは気が引ける。もう少し気持ちの整理を付けてから上がるとしよう。
「ふ、やっと戻ってくれたか。
それなら安心してまた逢える…味方としても、敵としてもな。」
寧ろ、その答えを待っていた。
少女が彼女に望んでいるのは、自分に対しての信頼ではなく、開始直後の協力関係という訳でもない。
そう、自分自信の意志だ。
これが確認できた時、彼女に見せた少女の笑みは、きっと不敵なものだっただろう。クスリとした笑いと、それに真っ向から立ち向かうような嗤い。
いいプレイヤーであれ。
それは、ゲームに参加するものとして当然の権利と言えよう。
「………ふぅ。」
そして彼女が温泉から立ち去り、そして少女一人になった時…少女の心はまた変貌を遂げる。
「ふ、く…くくくく……はは、実に楽しいじゃないか。
だから止められなくなったんだろうな…この偽りの心は。」
今度は誰にも聞かれない声を温泉に響かせて、今日の残り少ない湯加減を愉しむのだった。
【あいごころ。】
｢さて、今度こそ入ろうかしらね…｣
ホテルから商店街に戻り、温泉をやっている宿の前に立つ。先程とは違い、特に誰かとぶつかる、ということは無かった。
｢やっと体を洗えるわね。｣
中に入りほっと息を吐く。早歩きにより少し疲労の溜まった体を休ませることが出来そうだ。それに温泉は嫌いではない。いや、好きと言っていいだろう。ちょっとぺたぺたしている髪を手ぐしで軽く梳く。そして脱衣所に向かおうとすると男女と書かれたのれんがないことに気づきやはり混浴なのか、と今度はため息を吐いた。
…ちなみに彼女はまだ気づいていないのだが先程食べたクレープのクリームが鼻に付いている。
【フェルナ】
「……ったく、今日は厄日だ。」
やはり、薬の扱いはかなり難しい。
先程まで誰もいない平地で起爆実験を行っていたのだが、1回で断念する羽目になった。
まあ、この格好を見れば分かる。めちゃくちゃ泥だらけ、雪に埋めてから起爆したのが逆に仇となったのか数メートル離れた筈の少女にまで被害が及んだ。
それで結局最寄りの温泉へと向かったのだが、おいおい勘弁してくれ、なんで此処にも人が居るんだ。
「…くそ、見られたくなかったのに。」
【あいごころ。】
普段なら後ろに人がいるということに簡単に気づけただろう。しかし、疲労の溜まった状態で、温泉のお預けをくらい、それにやっと入れるという状況で後ろの様子に気を配る余裕はなかった。のれんをくぐって中に入る。温泉特有の硫黄の匂いが鼻を通り、期待が大きく膨らんだ。
｢〜♪｣
軽く鼻歌を歌うほどには上機嫌になった彼女は、服を脱ごうと浴衣に手をかけた…が。
｢…これってどうやって脱ぐのかしら｣
浴衣なんて七五三以来来たことない。むしろ普段から着る方が珍しいだろう。ただ、この帯により固定されていることは知っている。なら適当に引っ張れば取れるだろうと帯の端を引っ張ってみると…
ぐいっと帯の結び目が左に動いた。
｢…｣
反対側を引っ張ってみる。帯の結び目が右に動く。反対側を。左に動く。反対側を。右に動く。
｢…あれ？｣
【フェルナ】
「………何やってんだあいつ。」
聴こえてないならそのまま入ってやるかと思ったが、あれを見る限りだと、さては自分で着付けてないな。
無視しても良かったのだが…仕方ない、あれは流石に可哀想だ。
「ほら、手を退けろ。」
いきなりの登場で相手は戸惑うかもしれないが、態々確認を取るほど少女は素直じゃない。
結構堅く結ばれていた様だが、普通に力のあるアバターで本当に良かった。指を隙間に入れてなんとか解く事に成功、浴衣が外せるようになる。
【あいごころ。】
｢ん？おお…｣
声をかけられてその通りに手をどかすとしゅるりという音とともに帯が外れた。それと同時にお腹のちょっとした圧迫感がなくなるのを感じる。
｢これは…ありがとう、と言っておくわ。｣
別に1人でもできたのに、とちょっとむっとするが助けてくれたことには変わりないので一応お礼を言っておく。納得はしていないが。いそいそと浴衣を脱ぎながら、助けてくれた相手に問いかけてみる。
｢あなたも温泉に？｣
ここに来てる時点で分かり切った質問だ。相手の服装から見ても一目瞭然だろう。これを聞くのは相手との会話のきっかけを掴むため。特にそれといった答えは期待していないのだ…
そう聞く彼女の鼻には、やはりクリームが付いているのだが。
【フェルナ】
「おう、どういたしまして。なんだ？自分でも出来たって言いたいか？」
ムスッとしている表情がバレバレだ。腑に落ちていないんだろうが、恐らく少女が放っておけばあと5分は帯と格闘していた事を保証しよう。見た目で何となく予想はついていたが、本当に不器用だったとは。
「それ以外に何がある。こんな泥だらけで外を歩けるほど、私の精神はタフじゃないんだ。」
女の子同士なら特に気にしなくてもいいかと、泥まみれの包帯や服を脱ぐ。勿論下着も脱いで裸を普通に晒すわけだが、相手が男の可能性や此方が男だから気にしないとか…そういう問題は存在しない。
どうせ偽の身体だし。
「それより、君は先に鏡を見ることを勧めるよ。中々に恥ずかしい顔を私に晒してるからな。」
そう言って洗面台の鏡を指差すと、タオルを取りに向かう。
【あいごころ。】
｢鏡？｣
服を全て脱ぎ、一糸まとわぬ姿になりながらすこし訝しげにしながら脱衣場によく備え付けとなっている洗面所の鏡を覗く。そこには小さい鼻に可愛らしく着いたクリームが付いていた。
｢っ！！｣
顔が熱くなるのを感じる。直ぐに鼻を洗い、彼女を睨んでしまうが、彼女は別に悪くないと思い直し、てんやわんやしてしまう。
｢あ、あの、これはちがくて…｣
羞恥心で頭がいっぱいになってしまっているようだ…
【フェルナ】
「うい、チーズ。」
パシャリ。
まあ、一応観光なんだし。これくらいの恥ずかしい思い出を残すのもアリではないかと。
「安心しろ、クリームがついてる方は写してない。」
そして端末を閉じると、何事も無かったかのように温泉へと足を踏み入れる。少女は先ずシャワーからになってしまうが、寧ろそっちからが普通であって、前に幼い少女と会った時は…まあ、あれは事故だろう。
【あいごころ。】
｢また写真…｣
なにかと写真を取られることに縁があるのだろうか？いつか共有チャットとかにばらまかれないよな、と不安になるが撮られてしまってはどうしようもない。たとえ消したとしたところでどっかのくらげみたいに食えないやつが写真を持ってるのだ。もう失うものなどないわ、などと半ば現実逃避しながら彼女に続き温泉のほうへと入っていく。
｢はわぁ…｣
なかなかによい光景だ。混浴とはいえしっかりとした温泉のようだしなによりこの匂いがいい。また軽く鼻歌を歌いながら体の汚れを落とそうとシャワーを浴びることにする。
狐面をしっかりとつけたまま体の汚れを落としていく。
…ちなみに彼女としてはまだどうにかかっこよく決まっているつもりだがそのかっこよさの欠片などどこにもないことは言わぬが花だろう。
【フェルナ】
「……おい、なんで此処にお面まで持ってきてるんだ。」
流石に気にしないというのは無理があった。いや、こればかりはこの少女の性格設定的にも見逃せなかったのが大きい。いつもなら気にせずに苦笑いしていたのだろうが…。
「ふむ…とりあえず、君の仮名を聞いておこうか。私の名前はフェルナ、まあ…覚えても覚えていなくても構わない。」
シャワーで髪を濡らした後、シャンプーで泡を立て始める。
【あいごころ。】
｢…？むしろなんで脱がなきゃいけないのかしら？｣
どうして外す必要があるのか。正直この狐面はどうも外す気にはならないし邪魔だとも思っていない。まあ髪を洗うにはちょっと邪魔かもだけど。多分呪われた装備か何かなのだろうと頭の中で巫山戯たことを考えてみる。
｢名前、ねぇ…この状況じゃ結局偽名しか言えないわけなのだけれど。｣
そういってクスリと笑う。髪を洗うのにやはり邪魔なので狐面を顔の半分程からしっかりと被るようにずらす。傍目から見ると狐面を被った少女が髪を洗っているのだ。かなり異質だろう。
｢あいごころ。こころと呼んでもらえればいいわ。｣
いつもの偽名を口にする。仮面を被っているので声はきっとくぐもってるだろうな、とか思いながら。
【フェルナ】
「…あ、ああ。そうだな。
こんな事を訊いてしまった私が馬鹿だった。」
まともな奴なんて居なかった。私もまともとは言えないが、皆演じるからには違う自分を見せ付けたいのだろうか。よく見知った関係である筈なのに、誰一人として正体を掴むことが出来ない。
いや…まともな奴は1人会ったな。名前は確か、大トロ、中トロ…いや、もうトロンで良い。
「…おう、久しぶりにまともな仮名を聞いたような気がするよ。」
髪を握るように泡を染み込ませ、上からぬるま湯を撫でるように掛けて洗い流していく。
声については、聞き取れればそれで良いだろう。何喋ってんだ貴様、とは流石に言いたくない。
【あいごころ。】
｢まともな平仮名。確かに私の名前は平仮名ね。｣
私の名前は確かにトロイだかドロンパだがドローンだか…まあトロサーモンでいいだろう。彼みたいな名前とは大違いの名前だ。コロパットに入っていた仮名の名簿にもまともな名前が少なかった。
｢あなたも名前としては普通じゃないかしら？まあ、仮面の名前ではあるけれども｣
そんな軽口をいって髪を洗い終わるまでの時間を潰す。本当はこんな話ではなくてもっと有益な…それこそ、相手を揺さぶるような質問をしなければならないのだろうが。それは別に急ぐことでもないだろう。
｢そうねぇ…そういえば。会う人会う人私より背が高いわ。なんでこんな身長高い姿ばかりなのかしら？｣
前々からなんとなく気になっていたことを問いかけてみる。
【フェルナ】
「普通にしてしまった方が、始まった時に自由に動けるものさ。名前というものは第一印象を決める充分なステータスと成りうる。
思い返してみろ。実際…名前が目立てばその分印象は強く残ってるだろう。」
まあ、ここから揺さぶるのもアリと言えばそうなのだが、流石にゲームが始まる迄に精気は養っておきたい。
ん？今までまともにリラックス出来たかって？
…君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
「私が言えたことでもないが、君が小さいのが問題なんだよ。寧ろ他が普通だ。
…いや、普通かどうか知らんが。」
しかし、この少女2人が普通より小さいのには疑う余地もない。狙ってこうなった訳では無いはずだが、意外とこれくらいが動きやすいと気づき始めている。
【あいごころ。】
｢…え？｣
自分が小さい？嘘だ、そんなことあるわけない。確かにちょっと歩くの遅いなとも思った。確かにちょっと疲れやすいなって思ってた。でもそれが自分が小さいからだなんて…いや、きっとこれはあれだ。相手の揺さぶりなんだ。そう自分に言い聞かせる。そう。つまりこれは宣戦布告。相手に先手を取られたと言うだけのこと。髪を洗い終え、今度は体を洗う。大丈夫。こんなの軽い応戦じゃないか。全く動揺などしていない。
｢え、ええそうね。気づいていたわよ？ええ。ちちちなみにあなたは大体身長はどれぐらいあ、あるのかしら？｣
動揺なんてしていない。そう自分に言い聞かせる。
【フェルナ】
「……君、それが演技かどうかは知らんが、間違いなく絞られるぞ。」
いや、動揺の動きを隠し切れていないのは流石に問題では無いだろうか。
言っておくが、少女は決してブラフなどかけておらず、普通に会話をこなしている。特に狙ったつもりなどはない。相手が勝手に反応して勝手に自爆しただけ、少女は悪くない。
「そうだな…私は目測だが、恐らく150ちょっとだろう。私が会う輩も背が高い者ばかりで参るね。首が疲れる。」
言っていると、本当に首に痛みが来てしまう。首をグルグルと回しながら、身体をタオルで擦っている。
【あいごころ。】
｢……｣
150cm。彼女は大体150cmらしい。ブラフだろうか？…いや、そのような様子もない。最初あった時自分は彼女より身長が目に見えて低かった。大体…10、いや、20cmほどだろう。と、なると私の身長は…
｢…だいたい130cm？｣
…いや、さすがにこれはブラフだろう。嘘だ。そう。嘘に違いない。うそだうそだうそだうそだうそだ(ryまさか自分が幼女サイズになってるなんて…そう気づいてしまった途端、もうそれは抑えきれなかった。
｢うぅ…ひっ……うわあぁ………｣
目に大粒の涙な出てくる。だめだ、ここでよわいところなんてみせちゃだめだ。わたしはぜつぼうなんかしない…
｢うわぁぁぁぁあ！ううううう！！｣
おふろのなかで、おおごえをあげてないてしまいました。きつねめんはじゃまなのでよこにずらしてなみだをうででふこうとします。
【フェルナ】
「まあ、そうなるだろうな。私よりも頭半分位小さいし。」
座高からも大体の大きさは測れるし、そう見れば隣にいるこの子も結構小さいと見れる。…同学年だが。
…まあ、ここからが私も素を隠しづらくなってくる。
「っお、おい…どうした…！？」
発端は、隣の子が泣き始めた所からだ。いや、何で泣いたし。と、今までの会話の流れを見返してみたが…成程、身長が影響していたらしい。
おいおい、これ嘘泣きだったとしても、放っておけば私はただの最低人間だぞ。
「……す、すまないな。君の気持ちも知らずに軽く口走ってしまった。
……大丈夫か？落ち着けそうか？」
彼女の頭に手を置き、ゆっくりと羽根を触るように撫でていく。やけに撫で方が上手になってしまったが、流石にそのままに出来るほどメンタルは強くなかった。少し口調が危なかったが。
取り敢えず、その子が泣き止むまでは少女が傍に居ることに。出来れば人肌も与えて更に安心感を与えたい所だが…そこは彼女に任せるしかない。
【あいごころ。】
｢あううう…うう……｣
フェルナさんがあたまをなでてくれます。そのてはとてもやさしくて、とてもあんしんします。ちょっとずつ、ちょっとずつだけれどもおちつきます。
｢ぅ…ぅぅ……｣
すんっとはなをならす。しんちょうがひくくなってないてしまったけれど、フェルナの手がすごくやさしくて…気がついたら体を彼女のほうへと倒していた。…安心する。
｢……｣
なんというかすごく恥ずかしいところを見してしまった気がする。それにすごく恥ずかしいことをしてる気がする。それでもこの時は確かに心暖かくて、偽りであろう平和の中に確かに、この一瞬は温もりを感じていた。
｢…その、もうすこしこのままでもいい？｣
…やっぱり恥ずかしくて、ちょっと顔を背けてしまうけれども。
【フェルナ】
「……………。」
ここは、ターニングポイントなのでは無いのだろうか。
当初は、誰にも懐かれず懐かない。そんなキャラ漬けにして、徹底的に自分自身を隠し切って…そうして相手にバレずに生きて帰る。それが最優先事項だと、状況を確認してからは何度も自分にそう言い聞かせてきた。
きっと、神は赦してくれるだろう。
「…ああ、気の済むまで…私の肩で休んでいろ。」
彼女のその涙は、信じてやってもいいだろう。
そう、心の中で少女は決めたのだった。
ここは温泉。
一度体を濡らしてしまった二人は、冷たい空気に身体を震わされるだろう。しかし、そんな事は起こらなかった。温泉という温もりと匂いが、二人の心を落ち着かせ…そしてお互いの人肌はお互いの為に…人としての大切な文化を分け与えている。
まあ、悪くない。
【あいごころ。】
しばらくすると気分も落ち着いてきた。さすがにずっと肩を借りている訳にもいかないのでそろそろと傾けていた体を起こす。…それと同時にちょっとした羞恥心が湧き上がってくる。恥ずかしい。
｢…その、ここで起こったことは誰にも言わないで貰えると助かるわ。｣
どうにかいつもの調子を取り戻そうとする。…本当にここにあの黒歴史パパラッチがいなくて良かったと思う。そう思っていると体が思ったよりも冷えていることに気づく。当然だ。シャワーを浴びた後浴槽にも浸からずただ座っていたのだから。
｢そろそろ、入りましょうか。｣
そういって浴槽へと向かっていく。…さすがにここでは転ばないようだ。
【フェルナ】
「安心しろ、口は堅い方だからな。」
浴槽に入ることに関しては同意し、彼女の後から入るように、隣に腰掛ける。他意はないが、寧ろ心配の念が入ってしまっていることは認めなければならないだろう。
「いや…本当に済まなかったな。まさか、あれが君にとっての禁句だとは考えてなかったんだ。」
初めて、演じすぎというデメリットを直接感じたような…そんな気がする。例え彼女の今までの行為が嘘だったとしても、ここである程度矯正出来たのは彼女に感謝するしかない。
「…ありがとう。」
小さいが、はっきりと…感謝の言葉が漏れる。
【あいごころ。】
｢気にしないでちょうだい。気づかなかった私も悪いわ。｣
肩まで浸かりながらそう答える。やはり温泉はいいものだ、と再確認しながら。隣の彼女がいなければきっとこの事実に気づくこともなかっただろう…いや、どこかの人物が言及してきたかもしれない。
そんな彼女が放ったありがとう、という言葉。それは自分にとっては意表を突くものだった。
｢…？よくわからないけど、その言葉は受け取っておくわ。｣
本当は感謝すべきは自分の方なのに。だけれど、自分の中の本性が、全てを晒すな、と警告している。形だけでもありがとう、と言えればいいのに。ここまで弱みを見してしまった彼女に対してそのような感情で礼を言う、というのは少しばかり躊躇われた。…結局、お礼は言えそうにない。
｢…後で、フレンド登録しておきましょうか。｣
代わりに出たのは今後のことも考えたであろう在り来りの言葉だった。
【フェルナ】
「…ああ、声に出ていたのか。
特に気にしないで良いよ、寧ろ私の中で解決した事だ。君は、君自身の命を守る為に…本当の自分を隠しておけ。無論、私にもだ。」
だが、信頼はさせないように釘を打っておく。まるで、彼女が礼を言おうとしない理由すら解っているかの様に。信頼し合うということはつまり、それだけ相手と情報を共有しなければならない。それは第三者にバレる可能性を上げることにも繋がる。
このゲームは孤独、少女はそれを確信しているからこそ、今まで…。
「…そうだな、後でそれはしておこう。」
言われなければ、此方から申請はしただろう。元の考えでは、来るもの拒まずといった趣向ではあったが。
それにしても、温泉はやはり良いもので…少しでも緊張感を和らげるというアドバンテージは、少女にとってはかなりの保養となるものだ。
【あいごころ。】
｢ええ、それはもちろん。｣
わかっている。これに本当の味方などいない。味方など作った時点で裏切られるのがオチだ。そんなのは、よく分かっている。
｢…そろそろのぼせてきたわね。先上がるわ。｣
そういって先に上がることにする。気分はスッキリした。多分、これ以上失態を犯すことは無いだろう…多分。
その途中、思い出したかのように振り返る。
｢ああ、そうそう。1つ言っておきましょう。…信用することはあれど、私が信頼するということは…決してありえないわよ？｣
狐面を左手で押さえ、クスリと笑う。その様子はさっきまでとは違い少し…底を見せないような、そのようなイメージを持たせる。そして軽く目を細めて、
｢それじゃ。フレンド登録しないとだから早めに上がってね。｣
そういって浴槽の扉を閉めるのであった。
【フェルナ】
「ああ、解った。私ももう直ぐに上がる。」
少女はどちらかと言うと長風呂派だが、登録までに彼女を待たせるのは気が引ける。もう少し気持ちの整理を付けてから上がるとしよう。
「ふ、やっと戻ってくれたか。
それなら安心してまた逢える…味方としても、敵としてもな。」
寧ろ、その答えを待っていた。
少女が彼女に望んでいるのは、自分に対しての信頼ではなく、開始直後の協力関係という訳でもない。
そう、自分自信の意志だ。
これが確認できた時、彼女に見せた少女の笑みは、きっと不敵なものだっただろう。クスリとした笑いと、それに真っ向から立ち向かうような嗤い。
いいプレイヤーであれ。
それは、ゲームに参加するものとして当然の権利と言えよう。
「………ふぅ。」
そして彼女が温泉から立ち去り、そして少女一人になった時…少女の心はまた変貌を遂げる。
「ふ、く…くくくく……はは、実に楽しいじゃないか。
だから止められなくなったんだろうな…この偽りの心は。」
今度は誰にも聞かれない声を温泉に響かせて、今日の残り少ない湯加減を愉しむのだった。
水平線際の不穏感 6th-12th
臨海 凪乃(6th)-トロンパ(12th)
【臨海 凪乃】
【波止場】
モーターボート これは動きそうだ
ﾌﾞﾌｩｳｳｳﾝ
とけたたましい音がなるボート
これで、海に行けそうな気がするが何せ霧が邪魔でうまくいかない
ただ、釣りとかは出来そうである
「イクラが取れる サーモンが取れる」
北の幸は 飯がうまい 飯がうまい
【トロンパ】
「お？誰かがボート動かしてら…」
散策をしていたら、音が聞こえてきた。
(こんな霧ではあまり遠くへは行けないだろうが…気晴らしには丁度いいか？)
そんな事を考えながら、その人物に声をかけて見る
「よう、俺はトロンパ。何してるんだ、こんなところで？」
【臨海 凪乃】
拝啓 XXXX
私は今、大自然の中に来ています
ここでは何もかも自分でやらないといけないわけで、
私には、田舎が向いてないと思われ、
やっぱり都会の五つ星ホテルが向いてるわけで
ほたるぅ………… ほたるぅ…… じゅん…………
北の国の暮らしは 大変
「なんだべ、こなさむいのに ゆきぐにのみなとさきてぇ
ウチは のぞみなぎのさいうべ……。
北の国でお送りしましたが 6thです あなたは、参加者ですか」
鮭をさばいて刺身にして それを食べる。
【トロンパ】
「お、おう…そうだよ。俺は12th…って事らしい。」
(な、訛り…そういうのもあるのか…)
「…刺身か？なんの魚なんだ、それ？」
場合によっては寄生虫が心配になるのだが…
【臨海 凪乃】
「寄生虫は……アニサキスは臓器にしかいない
サバイバルの知識よ。 12th トゥエルブスね。
撮れたての魚 おいしくいただけるわよ。
雪国のサバイバルなんて、そんなもんしかできない」
無印不良品から持ってきた包丁で器用に魚をさばく
「あ、そうそう、私はね 『黒幕』に近い存在に出会った
その話、きく？」
魚を盛り付け イクラを贅沢にふりかける
その姿はまるで原住民。
【トロンパ】
「ふーん…」
まあ本人がそう言って食べてるんだから大丈夫だろう、多分。
てか普通に美味そうだな…
「……黒幕？マジで！？」
が、そんな欲求はすぐに引っ込んだ。
黒幕、と彼女は言った。こんな事ができるの事を、彼女は知っているというのか？
【臨海 凪乃】
器用に器用に林檎を剥きながら話を続ける
「あれは、1stを殺し損ねた時……いや
殺そうとしたとき、だったかな……。
急に赤色の天使が出てね、私の包丁を消し飛ばしたんだ
これ、実話」
まぁ、だから大人しくバカンス？をしているのだ
船に出て漁に出て
自由にね。
「とまぁ……そんなところ。
つまり私たちは……私たちを手にかけることができない」
【トロンパ】
「赤い…天使…」
(…まさか、そんな奴が出てくるなんて。"お前"と関係あるのか…？)
「…殺す事が、できない…か。まあ、仲良くしろって事じゃないか？そういう通知もあったし…」
【臨海 凪乃】
「そう、それと……
私たちはその天使の管轄の中にいるみたいで……
つまり、かごの中の鳥
ただの言いなりでしかない、ってことで」
さて…… そうだね
と、魚を食べる うまい 海がきれいだから新鮮
「とどのつまり、ラブアパートみたい。
テラスハウス？ ってやつかな」
【トロンパ】
「…成る程、ねぇ…」
海をしげしげと眺める。…確かに、籠の中の鳥と言っても過言では-
「…………………………えぇ………？」
どっから出てきたんだ、と言いたくなる言葉だが、案外間違ってないかも知れないのが先の放送と…自分の行動で何となく分かるのが少し悔しい
【臨海 凪乃】
「さて……そうだねぇ
とりあえず私は、自分に危害がないのだから
漁で生活させてもらう
まぁ、不穏な気配はあるけれどね……」
しかし、今私たちは平和
何も警戒する必要はない
あの天使が、その証拠だからだ
ならば剣は降ろすしかない
「ま、好きなように恋人を作ればいいんじゃないの？」
【トロンパ】
「恋人、ねぇ…」
正直、こんな事を考えるやつがそう簡単に帰してくれるとも思え無い。「仲良くなった？じゃあ殺しあってね！」とかいう可能性だってあるのだ。
「……ま、取り敢えず俺もお前とは"仲良く"しときたいかな。あ、コロパッドのフレンド登録しとくか？個人チャットはそうしないと使えないみたいだし…」
【臨海 凪乃】
「好きにしなよ………
戦う意味も何もない
名前で死ぬ意味もわからない
どうでもいいわ………任せる」
あまり自分からは連絡はとらないが
断りはしない、任せる
「じゃ、私は漁にでるわ」
モーターボートを動かして、海へと繰り出す
【臨海 凪乃】
【波止場】
モーターボート これは動きそうだ
ﾌﾞﾌｩｳｳｳﾝ
とけたたましい音がなるボート
これで、海に行けそうな気がするが何せ霧が邪魔でうまくいかない
ただ、釣りとかは出来そうである
「イクラが取れる サーモンが取れる」
北の幸は 飯がうまい 飯がうまい
【トロンパ】
「お？誰かがボート動かしてら…」
散策をしていたら、音が聞こえてきた。
(こんな霧ではあまり遠くへは行けないだろうが…気晴らしには丁度いいか？)
そんな事を考えながら、その人物に声をかけて見る
「よう、俺はトロンパ。何してるんだ、こんなところで？」
【臨海 凪乃】
拝啓 XXXX
私は今、大自然の中に来ています
ここでは何もかも自分でやらないといけないわけで、
私には、田舎が向いてないと思われ、
やっぱり都会の五つ星ホテルが向いてるわけで
ほたるぅ………… ほたるぅ…… じゅん…………
北の国の暮らしは 大変
「なんだべ、こなさむいのに ゆきぐにのみなとさきてぇ
ウチは のぞみなぎのさいうべ……。
北の国でお送りしましたが 6thです あなたは、参加者ですか」
鮭をさばいて刺身にして それを食べる。
【トロンパ】
「お、おう…そうだよ。俺は12th…って事らしい。」
(な、訛り…そういうのもあるのか…)
「…刺身か？なんの魚なんだ、それ？」
場合によっては寄生虫が心配になるのだが…
【臨海 凪乃】
「寄生虫は……アニサキスは臓器にしかいない
サバイバルの知識よ。 12th トゥエルブスね。
撮れたての魚 おいしくいただけるわよ。
雪国のサバイバルなんて、そんなもんしかできない」
無印不良品から持ってきた包丁で器用に魚をさばく
「あ、そうそう、私はね 『黒幕』に近い存在に出会った
その話、きく？」
魚を盛り付け イクラを贅沢にふりかける
その姿はまるで原住民。
【トロンパ】
「ふーん…」
まあ本人がそう言って食べてるんだから大丈夫だろう、多分。
てか普通に美味そうだな…
「……黒幕？マジで！？」
が、そんな欲求はすぐに引っ込んだ。
黒幕、と彼女は言った。こんな事ができるの事を、彼女は知っているというのか？
【臨海 凪乃】
器用に器用に林檎を剥きながら話を続ける
「あれは、1stを殺し損ねた時……いや
殺そうとしたとき、だったかな……。
急に赤色の天使が出てね、私の包丁を消し飛ばしたんだ
これ、実話」
まぁ、だから大人しくバカンス？をしているのだ
船に出て漁に出て
自由にね。
「とまぁ……そんなところ。
つまり私たちは……私たちを手にかけることができない」
【トロンパ】
「赤い…天使…」
(…まさか、そんな奴が出てくるなんて。"お前"と関係あるのか…？)
「…殺す事が、できない…か。まあ、仲良くしろって事じゃないか？そういう通知もあったし…」
【臨海 凪乃】
「そう、それと……
私たちはその天使の管轄の中にいるみたいで……
つまり、かごの中の鳥
ただの言いなりでしかない、ってことで」
さて…… そうだね
と、魚を食べる うまい 海がきれいだから新鮮
「とどのつまり、ラブアパートみたい。
テラスハウス？ ってやつかな」
【トロンパ】
「…成る程、ねぇ…」
海をしげしげと眺める。…確かに、籠の中の鳥と言っても過言では-
「…………………………えぇ………？」
どっから出てきたんだ、と言いたくなる言葉だが、案外間違ってないかも知れないのが先の放送と…自分の行動で何となく分かるのが少し悔しい
【臨海 凪乃】
「さて……そうだねぇ
とりあえず私は、自分に危害がないのだから
漁で生活させてもらう
まぁ、不穏な気配はあるけれどね……」
しかし、今私たちは平和
何も警戒する必要はない
あの天使が、その証拠だからだ
ならば剣は降ろすしかない
「ま、好きなように恋人を作ればいいんじゃないの？」
【トロンパ】
「恋人、ねぇ…」
正直、こんな事を考えるやつがそう簡単に帰してくれるとも思え無い。「仲良くなった？じゃあ殺しあってね！」とかいう可能性だってあるのだ。
「……ま、取り敢えず俺もお前とは"仲良く"しときたいかな。あ、コロパッドのフレンド登録しとくか？個人チャットはそうしないと使えないみたいだし…」
【臨海 凪乃】
「好きにしなよ………
戦う意味も何もない
名前で死ぬ意味もわからない
どうでもいいわ………任せる」
あまり自分からは連絡はとらないが
断りはしない、任せる
「じゃ、私は漁にでるわ」
モーターボートを動かして、海へと繰り出す
天体観測の憧憬 8th-26th
酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)-ですにゃん(26th)
【ですにゃん】
「ううん、プラネタリウムかあ、でも映画館もなあ」
腰に手をあて案内板のようなものを眺めるキグルミが１人。楽しんでくれ、みたいな事を書かれていたが気づいたら１人。ぼっちであった。修学旅行というのに…これでは悪夢だ
「はぁぁ…プラネタリウムいくかな」
キグルミは多少背中を丸めながら歩き出す。一応楽しむつもりらしい
【酢豚パイナポー】
「あっ、プラネタリウム…面白そう…。」
パイナポーは一度ホテルでチェックイン、廃工場で見つけた鉄パイプ×3、工具一式、有機溶剤やその他諸々の危険薬物を置いてきて。
しっかり鍵を閉めて…さて次はどこへ行こうかと考えて…頭に浮かんだのは痴漢者トーマスが言っていたショッピングモール。
パイナポーもこんな名前であるが、(現在の体は)女の子。体の性別通りショッピングも行きたいし、何かレジャーに行きたい気持ちはある。
そんなこんなでやってきました酢豚の中に極稀に入っているパイナポーinショッピングモール。
色々見て回って…彼女はプラネタリウムの文字を目に止める。
原来、人とは宇宙を夢想するもの。パイナポーがそれに気を取られたしても仕方のない事だろう。
パイナポーは誰に聞かせるわけでもなく、心内でそんな言い訳を紡ぐと、意気揚々と中へ入っていった…。
【ですにゃん】
「ウウン」
プラネタリウムに行こうとしたもののキグルミはショッピングモールの元いた案内板に戻って来ていた。
いやいやいや！ショッピングモール怖！広っ！！と心の中でおお叫びし、頭を抱え込み、しゃがみこんでいたところ近くから少女の声が聞こえた。
どうやらプラネタリウムに行くみたいだ、どうしてわかったかって？一人言で聴いたのさ！
「…ぁ」
小さく、蚊の泣くような声が出た。口数少なかったしあんまし喋べんなかったからか？！おうのぉおお！！…と心の中でおお叫びし、少し遠ざかった少女の後ろをテケテケと追いかけた
【酢豚パイナポー】
「……？今、なんか声が…？」
こんな広いショッピングモール。
通常の場所にこれが建築されているであれば、この時間帯は家族連れやらカップルやらで埋め尽くされていることだろうが、ご生憎様…ここは雪山に併設されて建てられた伽藍堂の施設。
声は大きく反響し、小さくとも中々に響いてしまいものだ。
「ええと…
あのー！！誰か居るのですかー？」
パイナポーはその声を耳で拾って…。勘違いの可能性も考えてか、そこから聞こえたであろう方向へと声を投げかける…と。
居ました居ました。遠くの方向に何やら動く物体。ここからは遠くて見えないけど…確かにあれは動いている。
パイナポーはその小さな体を駆け出させて、そこへと向かって言った。
【ですにゃん】
「ひぃ、ひぃ、ふぅ」
必死に追いかけていたが、キグルミを着込んでいるお陰で少し息があがる。このキグルミ、重たいのだ。
「っ！！ひえ」
誰かいるのか？とショッピングモールに大きな声が響いた事に驚くとキグルミの顔の隙間から少女が駆けてくるのが見えて情けなく「ピギャー」と声をあげ、さっきまで追いかけていたのに反対方向に勢いよく走りだした。
…が、頭のキグルミのお陰で視界が悪かったようで、ごろんと胴体が倒れ、視界が反転する。ああ嫌だ転んだ、マジだっせぇと地面に張り付き放心する。
【酢豚パイナポー】
追いかけると逆に逃げていく。
どうやら大きさは人間大のようだが…あれか、猫かあの生命体は。あんな猫がいるなんて聞いたことが無いが…ここはどうやら雪山。環境に適応した可能性もなきにしもあらず。
そんなこんなでのチェイス。それはあっさりと終わってしまった。…相手が転んでしまったのである。更には頭がゴロンと取れるおまけ付き。
「あ、あの〜大丈夫、ですか…？」
新種の猫も可能性は潰えたけれど、それならそれで新しい知り合いになれるかもしれない人。パイナポーはたったと近づいて、右手を差し伸べながら…覗き込むようにその人物の顔を伺った。
【ですにゃん】
「…地面きもちぃ」
微に冷たいショッピングモールの床が当り一人言を呟く。そしてハッと気付く。キグルミってこれ脱げたのかよ！！と
そんな脳内騒ぎをしていると追いかけていた少女がそばまで来ており手を差し伸べていた。
「…うん」
お、女の子っ！！ひぇ犯罪にならないかな…などと、考えるつつ、小声で返事をする。顔を真っ赤にしながら差し伸べられた手に自身の手を乗っけようとしたところ、
(あっ今の俺かなり重たい)
腕を持ち上げて気付く、気付いてしまった。ああ！気付かなければ良かった！今のおれだと引ききれずに少女ごと倒れてしまうかもしれない！！と手をさ迷わせ、悩んだ末。急いで猫頭に飛んでいき、キグルミの頭をかぶり直す。
【酢豚パイナポー】
「あ、あれ…？ホントに大丈夫かな…？」
パイナポーが手を差し伸べて、その転んだ人物の顔を覗こうとすれば。その猫キグルミの人物はパッと離れてちょっと先に転がった顔を取りに、それこそ猫の如く向かって行ってしまった。
さっき大丈夫かと問うた時に返事をしていたから、恐らく大丈夫に違いはないのだが…いかんせん心配だ。転んで頭を打って血を流す…なんて事になったら一大事。
部屋にはよく分からない薬があるがそれが効くかも分からないし…。
そこでパイナポーは件の彼へと向かって、ゆっくりと歩んでいく。生憎すぐに顔の部分を取りに行ってしまったため性別や顔立ちは分からぬまま。
そこもちょっと気になる所だしね！
「大丈夫ですか…？血とか出てませんか？救急車とか…呼ばなくても大丈夫ですか？」
たったと駆け足気味にキグルミへと寄って、パイナポーは若干うざったい程度にキグルミへと問いかけた。答えてくれるといいのだけど。
【ですにゃん】
「は、はい大丈夫でっす…す」
もう外れないでくれよ？と猫頭を深くかぶり、手を耳当りに当てとく。外れ無いようにしているようだ。
「血、出てないです。救急車来てくれるなら家に、帰りたいです…」
か細い声でそう答える。人がいて話しかけてくれた事にこう、観光なのに知らない場所にいた、おまけにひとり、という隠していた孤独？緊張感？恐怖感？…を１つにまとめて家に帰りたい、と弱音をこぼす。
【酢豚パイナポー】
…やはり、か。パイナポーも感じていた思い。
確かに唐突に連れてこられて、こうしてはいバカンス楽しんでね…などと言われて楽しむ事など出来る訳がない。
どの方向から見てもスリーアウトチェンジ、完全アウトの誘拐だ。不安がるのも無理はない。
パイナポーは隠していた。その不安を。
今まであった誰もが感じてはいないように見え、同じように必死で蓋をしていた恐怖を。
パイナポーは目の前のキグルミに、どこか強い親近感を覚えた。自分の中にある小さな種と同じものを持つこの人に。…そして、パイナポーはこのキグルミの中の子の恐怖を、減らしてあげたいとも。
「…あっ、そうですっ！キグルミさんっ！！私と一緒に、プラネタリウムへ行きませんか？
きっと、不安も消えちゃうくらい…綺麗ですから…ね？」
だけど、パイナポーは臨床心理学やら人心掌握術やらに長けていない。いや、長けていたらおかしいのだが。
だから…彼女が考えたのはとりあえずはこの場所を楽しむことの提案。目の前の愚痴をこぼすキグルミの不安が…少しでも減ってくれる事を祈っての。
【ですにゃん】
つよい、この人は強いと感じた。俺より小さいのに、もしかしたら俺と同じかも知れないのに、、と
「うん、いいね、…いこう」
少女に元気つけられていると気づきなるべく明るい声をだす。
「…そうだ」
おれ、キグルミさんじゃあないって言おう、そうだそうだ。せ、せめてキグルミの猫をとって猫ですって呼んで貰おう。猫です猫です猫です…そういえば猫ってにゃんにゃんってなくよな、可愛い、へへ
「おれ、キグルミさんじゃなくて…ん…ですにゃんです」
【酢豚パイナポー】
「あ、そうでしたか。ごめんなさいです。
ですにゃんさん。私は…パイナップル、とでも呼んで下さいね。こんなにモール内に人がいないんですもの、きっと二人だけの貸切ですねっ！
…なんちゃって。」
パイナポーは若干嘘を吐いて(偽名について)ですにゃん、と名乗ったキグルミの人物の手を引いてプラネタリウムへと向かう。
どうやら提案に乗ってくれたようだ。安心、安心。この子の精神状態は(自分も結構同じようなものだが)中々に不安定。
落ち着くまでは、パイナポーが居てあげないと…何となく嫌な予感がする。多分…気のせいなのだろうけど。
そんな事を思いながら、パイナポー一行はやってきましたプラネタリウム。どうやらこの時間は“冬の星座”と”黄道十二星座“について上映しているらしい。
パイナポーはそれを確認すると、ですにゃんへと問う。
「あっ、ですにゃんさんっ。この時間は”冬の星座“と”黄道十二星座“の二つがあるみたいですけど…どっちがいいですか？」
【ですにゃん】
うわぁ！名前しくったあ！と脳内で発狂しのたうち回り、少女の、いや、パイナップルの「二人っきりだね、、、(フィルム入り)」に顔をぼん！と真っ赤にし「ぁ、ぁっ…そそそ、そうだね」と返事をする。まあ、見えないのだが、。
パイナップルに手を引かれてプラネタリウムまで行きキグルミを着ている筈なのに何故か手の感覚がしっかりしてるなぁ…と頭に花がﾎﾟﾝとさく(この子は馬鹿なのである)
「う、うーん…冬のせいざで」
ですにゃんはよくわからず、今寒いから、という理由で冬の星座をえらぶ
【酢豚パイナポー】
「冬の星座ですねっ…分かりました！じゃあえっと…4番ホールですって！始まっちゃうし…早く行きましょ！ですにゃんさん！」
冬の星座がいい、なんて聞こえたので。パイナポーは指で空をなぞるようにして場所と時間を確認。…どうやら5分後に始まってしまうようだ。
パイナポーはキグルミに包まれた人物に微笑んで、また手を引いて4番ホール…とプレートのついた部屋へと向かっていく。
さて、こんな大きなショッピングモール内にあるのだ…どのくらいのクオリティなのだろうか。いやはや…なんとも楽しみである。
「あっ、ここですね。ですにゃんさん入りましょ？」
【ですにゃん】
パイナップルに置いてかれないように手を引かれつつ少し小走りになる。
あんまし出かけるとかないからプラネタリウム楽しみだな、ああ、小学生以来だっけか、前来たより綺麗かな？
プラネタリウムに寄せる期待度が上がっていき、親の後に続く雛のようについて行く。
４番ホールに入ると椅子が並んでいて一階と二階が上がり、ですにゃんはついついまだ明るいホールを駆け、二階の高いところにある椅子に座る。
「パイナップルさん、楽しみです！」
足をバタバタとさせ隣に居るであろうパイナップルに話しかける。多少大きな声なようでホールに少し響いた
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、そうですね。ですにゃんさんっ！」
パイナポーも、ですにゃんの方へ向いて楽しみに胸を膨らませながら、目を輝かせる。
パイナポーはプラネタリウムを今のところ見たことがなく、(そもそも都会で育った彼女は星自体を文献内でしか見たことがないのだが)こうした大きなドームで見ることは、小さな心に止まった夢であった。こんな場所で叶うなどとは思わなかったが。
だからこそ、このプラネタリウムには中々に期待しているのだ。
…そして、上映が始まる。
【ですにゃん】
周辺が暗くなり綺麗な星たちが現れだす。小学生の頃にも見たがやはり、慣れたとか飽きるとかはないのだろうな、と思う。ですにゃんの心を星が奪った。
「…ほわぁ」
猫頭のせいで視界が狭まっていたが、星の見たさに負け、キグルミ(頭)を空いている椅子におき視界一杯に星を楽しむ。
キグルミをとるとさらさらとした金髪な髪の中性的な顔をした子供が表れた。
【酢豚パイナポー】
「ふわわぁー…！！！
とっても綺麗ですねっ、ですにゃんさんっ！」
まさしく満天と呼べる星空。現代の近代化の明かりに隠れてしまった小さくて大きな神秘。
その再現とはいえ…ドーム全体に光る星は、もはやパイナポーから感嘆のため息すらも奪ってしまったのだ。
少し寝てしまいそうになる程柔らかな椅子から、パイナポーは身を乗り出して星空を見渡した。
黒の背景に散りばめられた星々が、パイナポーの目には一つ一つ輝いて映る。
なんて、なんて綺麗なんだろうか。自分には勿体ないくらい…キラキラしているのだろうか。
「ふふっ、ですにゃんさんったらキグルミまで取っちゃって。まぁ…こんな綺麗ですもの。
物越しじゃ、勿体ないですもんねっ！！」
キグルミの頭を取ったですにゃんへとくすくすと…ちょっとした苦笑を送って。パイナポーはまたこの空へと目を移す。
偽物だって構わない、キラキラ光り輝ければ…それはきっと幸せなんだろう。なんてちょっとセンチメンタルな気分になりながら。
【ですにゃん】
「うん、勿体無いくらい綺麗」
ですにゃんはパイナップルに向かって言う。
二人っきりのホール、パイナップルの言葉がやけに響きですにゃんの羞恥心をくすぶる。
(高校生でプラネタリウム喜ぶってガキっぽいかな！？いやいやでも…あぁ、綺麗だなぁ)
暗いからパイナップルの苦笑いには気づかず、綺麗な星々に目をやる。荒ぶり始めたものの、それをプラネタリウムの星たちが止めた。それほど、綺麗なのだ。
だが、楽しい時間はあっという間で…いつの間にか星達は消え去っていて、ホールに明るさが取り戻されていた。
「あれ？もう……、っ！！」
明るい状態でパイナップルを見たですにゃんは急いで猫頭を被る。隣に少女の顔、ですにゃんには耐性が全くなかったのだ。
(もう、猫頭はおれの相棒だっっ)
【酢豚パイナポー】
「そうですねぇ…。はぁー…楽しかったです。」
どこか夢見ごごちで、パイナポーは乗り出した身体をぽすん…と椅子へと預ける。今日ほど、この雪山へと連れてこられて良かった…と思うことはないだろう程に。
パイナポーの思い出に刻まれた今しがたの出来事。最早、自分というアイデンティティなんて消え去っている気がしないでもないのだけれど…。
やはり、こうして未だ言葉にならない感激の情を感じることが出来ると知ると、まだまだ自分も捨てたもんじゃない様だ。
「……あっ、そうです。ですにゃんさんっ。私とフレンド登録してくれませんか？また…こうしてプラネタリウムでも観にきましょうよっ！」
パイナポーは暫しの放心を終えると、意識を取り戻すべくぱんと両の手を叩きあわせて、ですにゃんへとフレンドの登録を提案する。
また…来たいなって。
【ですにゃん】
そういえば仲良くなれば帰れるんだっけか……と暗い気持ちが込み上げてくるのを手でキグルミの腹を強く握り押さえ込む。
(いかんいかん！せっかくのプラネタリウムの思い出を暗くしてはいけない！！)
ブンブンと首をふり、かえったら修学旅行の思い出をあいつに聞かせなくちゃいけないしな！試練だ！これは！！がんばるぞ！
「いいよ！、フレンドなりましょう」
気合いを入れすぎたようで大きな声が出た。
多分これの事だよな？と黒のふさふさの毛に埋もれてあったコロパットを取り出す。
【酢豚パイナポー】
「もうっ…ですにゃんさん声大きすぎですよっ！
びっくりしたじゃないですかっ。」
「ええと…これをこうして…はいっ、申請許可しましたっ。これからよろしくお願いしますね、ですにゃんさん！」
パイナポーは突然の大声にびくりと少しだけ身体を縮こまらせて、なんとなしに笑みを浮かべる。
その後、パイナポーはたたたっ、と小慣れた手つきでコロパッドを操作し、そのフレンド欄に一人…また追加した。
「何かあったら、いつでもメッセージ下さいねっ。雑談でも相談でも…私、なんでも受けちゃいますからっ！」
パイナポーはコロパッドを服の内側へと仕舞うと、微笑みを浮かべたままぴょいと椅子から飛び上がって地面に綺麗に着地。
両手をVの形にして更に笑みを濃くした。
【ですにゃん】
「ご、ごめっ」
ションボリと謝るが、フレンドに一人追加された事によろこび「ぁ、ありがとうう！」と胸にコロパットを当て、お辞儀する。
「うん、うん、パイナップルさん、困ったら連絡して、何かあったら…て、手伝うから」
照れたようにそう言いですにゃんはホールを出て窓側に視線をやる。
「…うわぁ、天気崩れそうな雲してるよ、…っあ、ホテル行かなくちゃ…」
ホテルに泊まる手続きをしていないのを思いだし、パイナップルに告げる
【酢豚パイナポー】
「そうですねー…もうそろそろホテルへ戻った方がいいかもしれませんね。私はチェックインしてますので、案内しますよっ！」
「だって私達、友達ですもんねっ！！」
パイナポーは無邪気に喜ぶ。また新たな友人がここに出来たことに感謝して。始めは不安しかなかったけれど…このままバカンスも楽しむことが出来そうだ。
さて、一体他にはどんな人がこの島にいるのだろうか…もしかしたら友人がこの島にいたりして。
そんな淡い思いを感じながら、パイナポーはですにゃんの腕を引っ張って…ホテルへと向かうのであった。
【ですにゃん】
「ううん、プラネタリウムかあ、でも映画館もなあ」
腰に手をあて案内板のようなものを眺めるキグルミが１人。楽しんでくれ、みたいな事を書かれていたが気づいたら１人。ぼっちであった。修学旅行というのに…これでは悪夢だ
「はぁぁ…プラネタリウムいくかな」
キグルミは多少背中を丸めながら歩き出す。一応楽しむつもりらしい
【酢豚パイナポー】
「あっ、プラネタリウム…面白そう…。」
パイナポーは一度ホテルでチェックイン、廃工場で見つけた鉄パイプ×3、工具一式、有機溶剤やその他諸々の危険薬物を置いてきて。
しっかり鍵を閉めて…さて次はどこへ行こうかと考えて…頭に浮かんだのは痴漢者トーマスが言っていたショッピングモール。
パイナポーもこんな名前であるが、(現在の体は)女の子。体の性別通りショッピングも行きたいし、何かレジャーに行きたい気持ちはある。
そんなこんなでやってきました酢豚の中に極稀に入っているパイナポーinショッピングモール。
色々見て回って…彼女はプラネタリウムの文字を目に止める。
原来、人とは宇宙を夢想するもの。パイナポーがそれに気を取られたしても仕方のない事だろう。
パイナポーは誰に聞かせるわけでもなく、心内でそんな言い訳を紡ぐと、意気揚々と中へ入っていった…。
【ですにゃん】
「ウウン」
プラネタリウムに行こうとしたもののキグルミはショッピングモールの元いた案内板に戻って来ていた。
いやいやいや！ショッピングモール怖！広っ！！と心の中でおお叫びし、頭を抱え込み、しゃがみこんでいたところ近くから少女の声が聞こえた。
どうやらプラネタリウムに行くみたいだ、どうしてわかったかって？一人言で聴いたのさ！
「…ぁ」
小さく、蚊の泣くような声が出た。口数少なかったしあんまし喋べんなかったからか？！おうのぉおお！！…と心の中でおお叫びし、少し遠ざかった少女の後ろをテケテケと追いかけた
【酢豚パイナポー】
「……？今、なんか声が…？」
こんな広いショッピングモール。
通常の場所にこれが建築されているであれば、この時間帯は家族連れやらカップルやらで埋め尽くされていることだろうが、ご生憎様…ここは雪山に併設されて建てられた伽藍堂の施設。
声は大きく反響し、小さくとも中々に響いてしまいものだ。
「ええと…
あのー！！誰か居るのですかー？」
パイナポーはその声を耳で拾って…。勘違いの可能性も考えてか、そこから聞こえたであろう方向へと声を投げかける…と。
居ました居ました。遠くの方向に何やら動く物体。ここからは遠くて見えないけど…確かにあれは動いている。
パイナポーはその小さな体を駆け出させて、そこへと向かって言った。
【ですにゃん】
「ひぃ、ひぃ、ふぅ」
必死に追いかけていたが、キグルミを着込んでいるお陰で少し息があがる。このキグルミ、重たいのだ。
「っ！！ひえ」
誰かいるのか？とショッピングモールに大きな声が響いた事に驚くとキグルミの顔の隙間から少女が駆けてくるのが見えて情けなく「ピギャー」と声をあげ、さっきまで追いかけていたのに反対方向に勢いよく走りだした。
…が、頭のキグルミのお陰で視界が悪かったようで、ごろんと胴体が倒れ、視界が反転する。ああ嫌だ転んだ、マジだっせぇと地面に張り付き放心する。
【酢豚パイナポー】
追いかけると逆に逃げていく。
どうやら大きさは人間大のようだが…あれか、猫かあの生命体は。あんな猫がいるなんて聞いたことが無いが…ここはどうやら雪山。環境に適応した可能性もなきにしもあらず。
そんなこんなでのチェイス。それはあっさりと終わってしまった。…相手が転んでしまったのである。更には頭がゴロンと取れるおまけ付き。
「あ、あの〜大丈夫、ですか…？」
新種の猫も可能性は潰えたけれど、それならそれで新しい知り合いになれるかもしれない人。パイナポーはたったと近づいて、右手を差し伸べながら…覗き込むようにその人物の顔を伺った。
【ですにゃん】
「…地面きもちぃ」
微に冷たいショッピングモールの床が当り一人言を呟く。そしてハッと気付く。キグルミってこれ脱げたのかよ！！と
そんな脳内騒ぎをしていると追いかけていた少女がそばまで来ており手を差し伸べていた。
「…うん」
お、女の子っ！！ひぇ犯罪にならないかな…などと、考えるつつ、小声で返事をする。顔を真っ赤にしながら差し伸べられた手に自身の手を乗っけようとしたところ、
(あっ今の俺かなり重たい)
腕を持ち上げて気付く、気付いてしまった。ああ！気付かなければ良かった！今のおれだと引ききれずに少女ごと倒れてしまうかもしれない！！と手をさ迷わせ、悩んだ末。急いで猫頭に飛んでいき、キグルミの頭をかぶり直す。
【酢豚パイナポー】
「あ、あれ…？ホントに大丈夫かな…？」
パイナポーが手を差し伸べて、その転んだ人物の顔を覗こうとすれば。その猫キグルミの人物はパッと離れてちょっと先に転がった顔を取りに、それこそ猫の如く向かって行ってしまった。
さっき大丈夫かと問うた時に返事をしていたから、恐らく大丈夫に違いはないのだが…いかんせん心配だ。転んで頭を打って血を流す…なんて事になったら一大事。
部屋にはよく分からない薬があるがそれが効くかも分からないし…。
そこでパイナポーは件の彼へと向かって、ゆっくりと歩んでいく。生憎すぐに顔の部分を取りに行ってしまったため性別や顔立ちは分からぬまま。
そこもちょっと気になる所だしね！
「大丈夫ですか…？血とか出てませんか？救急車とか…呼ばなくても大丈夫ですか？」
たったと駆け足気味にキグルミへと寄って、パイナポーは若干うざったい程度にキグルミへと問いかけた。答えてくれるといいのだけど。
【ですにゃん】
「は、はい大丈夫でっす…す」
もう外れないでくれよ？と猫頭を深くかぶり、手を耳当りに当てとく。外れ無いようにしているようだ。
「血、出てないです。救急車来てくれるなら家に、帰りたいです…」
か細い声でそう答える。人がいて話しかけてくれた事にこう、観光なのに知らない場所にいた、おまけにひとり、という隠していた孤独？緊張感？恐怖感？…を１つにまとめて家に帰りたい、と弱音をこぼす。
【酢豚パイナポー】
…やはり、か。パイナポーも感じていた思い。
確かに唐突に連れてこられて、こうしてはいバカンス楽しんでね…などと言われて楽しむ事など出来る訳がない。
どの方向から見てもスリーアウトチェンジ、完全アウトの誘拐だ。不安がるのも無理はない。
パイナポーは隠していた。その不安を。
今まであった誰もが感じてはいないように見え、同じように必死で蓋をしていた恐怖を。
パイナポーは目の前のキグルミに、どこか強い親近感を覚えた。自分の中にある小さな種と同じものを持つこの人に。…そして、パイナポーはこのキグルミの中の子の恐怖を、減らしてあげたいとも。
「…あっ、そうですっ！キグルミさんっ！！私と一緒に、プラネタリウムへ行きませんか？
きっと、不安も消えちゃうくらい…綺麗ですから…ね？」
だけど、パイナポーは臨床心理学やら人心掌握術やらに長けていない。いや、長けていたらおかしいのだが。
だから…彼女が考えたのはとりあえずはこの場所を楽しむことの提案。目の前の愚痴をこぼすキグルミの不安が…少しでも減ってくれる事を祈っての。
【ですにゃん】
つよい、この人は強いと感じた。俺より小さいのに、もしかしたら俺と同じかも知れないのに、、と
「うん、いいね、…いこう」
少女に元気つけられていると気づきなるべく明るい声をだす。
「…そうだ」
おれ、キグルミさんじゃあないって言おう、そうだそうだ。せ、せめてキグルミの猫をとって猫ですって呼んで貰おう。猫です猫です猫です…そういえば猫ってにゃんにゃんってなくよな、可愛い、へへ
「おれ、キグルミさんじゃなくて…ん…ですにゃんです」
【酢豚パイナポー】
「あ、そうでしたか。ごめんなさいです。
ですにゃんさん。私は…パイナップル、とでも呼んで下さいね。こんなにモール内に人がいないんですもの、きっと二人だけの貸切ですねっ！
…なんちゃって。」
パイナポーは若干嘘を吐いて(偽名について)ですにゃん、と名乗ったキグルミの人物の手を引いてプラネタリウムへと向かう。
どうやら提案に乗ってくれたようだ。安心、安心。この子の精神状態は(自分も結構同じようなものだが)中々に不安定。
落ち着くまでは、パイナポーが居てあげないと…何となく嫌な予感がする。多分…気のせいなのだろうけど。
そんな事を思いながら、パイナポー一行はやってきましたプラネタリウム。どうやらこの時間は“冬の星座”と”黄道十二星座“について上映しているらしい。
パイナポーはそれを確認すると、ですにゃんへと問う。
「あっ、ですにゃんさんっ。この時間は”冬の星座“と”黄道十二星座“の二つがあるみたいですけど…どっちがいいですか？」
【ですにゃん】
うわぁ！名前しくったあ！と脳内で発狂しのたうち回り、少女の、いや、パイナップルの「二人っきりだね、、、(フィルム入り)」に顔をぼん！と真っ赤にし「ぁ、ぁっ…そそそ、そうだね」と返事をする。まあ、見えないのだが、。
パイナップルに手を引かれてプラネタリウムまで行きキグルミを着ている筈なのに何故か手の感覚がしっかりしてるなぁ…と頭に花がﾎﾟﾝとさく(この子は馬鹿なのである)
「う、うーん…冬のせいざで」
ですにゃんはよくわからず、今寒いから、という理由で冬の星座をえらぶ
【酢豚パイナポー】
「冬の星座ですねっ…分かりました！じゃあえっと…4番ホールですって！始まっちゃうし…早く行きましょ！ですにゃんさん！」
冬の星座がいい、なんて聞こえたので。パイナポーは指で空をなぞるようにして場所と時間を確認。…どうやら5分後に始まってしまうようだ。
パイナポーはキグルミに包まれた人物に微笑んで、また手を引いて4番ホール…とプレートのついた部屋へと向かっていく。
さて、こんな大きなショッピングモール内にあるのだ…どのくらいのクオリティなのだろうか。いやはや…なんとも楽しみである。
「あっ、ここですね。ですにゃんさん入りましょ？」
【ですにゃん】
パイナップルに置いてかれないように手を引かれつつ少し小走りになる。
あんまし出かけるとかないからプラネタリウム楽しみだな、ああ、小学生以来だっけか、前来たより綺麗かな？
プラネタリウムに寄せる期待度が上がっていき、親の後に続く雛のようについて行く。
４番ホールに入ると椅子が並んでいて一階と二階が上がり、ですにゃんはついついまだ明るいホールを駆け、二階の高いところにある椅子に座る。
「パイナップルさん、楽しみです！」
足をバタバタとさせ隣に居るであろうパイナップルに話しかける。多少大きな声なようでホールに少し響いた
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、そうですね。ですにゃんさんっ！」
パイナポーも、ですにゃんの方へ向いて楽しみに胸を膨らませながら、目を輝かせる。
パイナポーはプラネタリウムを今のところ見たことがなく、(そもそも都会で育った彼女は星自体を文献内でしか見たことがないのだが)こうした大きなドームで見ることは、小さな心に止まった夢であった。こんな場所で叶うなどとは思わなかったが。
だからこそ、このプラネタリウムには中々に期待しているのだ。
…そして、上映が始まる。
【ですにゃん】
周辺が暗くなり綺麗な星たちが現れだす。小学生の頃にも見たがやはり、慣れたとか飽きるとかはないのだろうな、と思う。ですにゃんの心を星が奪った。
「…ほわぁ」
猫頭のせいで視界が狭まっていたが、星の見たさに負け、キグルミ(頭)を空いている椅子におき視界一杯に星を楽しむ。
キグルミをとるとさらさらとした金髪な髪の中性的な顔をした子供が表れた。
【酢豚パイナポー】
「ふわわぁー…！！！
とっても綺麗ですねっ、ですにゃんさんっ！」
まさしく満天と呼べる星空。現代の近代化の明かりに隠れてしまった小さくて大きな神秘。
その再現とはいえ…ドーム全体に光る星は、もはやパイナポーから感嘆のため息すらも奪ってしまったのだ。
少し寝てしまいそうになる程柔らかな椅子から、パイナポーは身を乗り出して星空を見渡した。
黒の背景に散りばめられた星々が、パイナポーの目には一つ一つ輝いて映る。
なんて、なんて綺麗なんだろうか。自分には勿体ないくらい…キラキラしているのだろうか。
「ふふっ、ですにゃんさんったらキグルミまで取っちゃって。まぁ…こんな綺麗ですもの。
物越しじゃ、勿体ないですもんねっ！！」
キグルミの頭を取ったですにゃんへとくすくすと…ちょっとした苦笑を送って。パイナポーはまたこの空へと目を移す。
偽物だって構わない、キラキラ光り輝ければ…それはきっと幸せなんだろう。なんてちょっとセンチメンタルな気分になりながら。
【ですにゃん】
「うん、勿体無いくらい綺麗」
ですにゃんはパイナップルに向かって言う。
二人っきりのホール、パイナップルの言葉がやけに響きですにゃんの羞恥心をくすぶる。
(高校生でプラネタリウム喜ぶってガキっぽいかな！？いやいやでも…あぁ、綺麗だなぁ)
暗いからパイナップルの苦笑いには気づかず、綺麗な星々に目をやる。荒ぶり始めたものの、それをプラネタリウムの星たちが止めた。それほど、綺麗なのだ。
だが、楽しい時間はあっという間で…いつの間にか星達は消え去っていて、ホールに明るさが取り戻されていた。
「あれ？もう……、っ！！」
明るい状態でパイナップルを見たですにゃんは急いで猫頭を被る。隣に少女の顔、ですにゃんには耐性が全くなかったのだ。
(もう、猫頭はおれの相棒だっっ)
【酢豚パイナポー】
「そうですねぇ…。はぁー…楽しかったです。」
どこか夢見ごごちで、パイナポーは乗り出した身体をぽすん…と椅子へと預ける。今日ほど、この雪山へと連れてこられて良かった…と思うことはないだろう程に。
パイナポーの思い出に刻まれた今しがたの出来事。最早、自分というアイデンティティなんて消え去っている気がしないでもないのだけれど…。
やはり、こうして未だ言葉にならない感激の情を感じることが出来ると知ると、まだまだ自分も捨てたもんじゃない様だ。
「……あっ、そうです。ですにゃんさんっ。私とフレンド登録してくれませんか？また…こうしてプラネタリウムでも観にきましょうよっ！」
パイナポーは暫しの放心を終えると、意識を取り戻すべくぱんと両の手を叩きあわせて、ですにゃんへとフレンドの登録を提案する。
また…来たいなって。
【ですにゃん】
そういえば仲良くなれば帰れるんだっけか……と暗い気持ちが込み上げてくるのを手でキグルミの腹を強く握り押さえ込む。
(いかんいかん！せっかくのプラネタリウムの思い出を暗くしてはいけない！！)
ブンブンと首をふり、かえったら修学旅行の思い出をあいつに聞かせなくちゃいけないしな！試練だ！これは！！がんばるぞ！
「いいよ！、フレンドなりましょう」
気合いを入れすぎたようで大きな声が出た。
多分これの事だよな？と黒のふさふさの毛に埋もれてあったコロパットを取り出す。
【酢豚パイナポー】
「もうっ…ですにゃんさん声大きすぎですよっ！
びっくりしたじゃないですかっ。」
「ええと…これをこうして…はいっ、申請許可しましたっ。これからよろしくお願いしますね、ですにゃんさん！」
パイナポーは突然の大声にびくりと少しだけ身体を縮こまらせて、なんとなしに笑みを浮かべる。
その後、パイナポーはたたたっ、と小慣れた手つきでコロパッドを操作し、そのフレンド欄に一人…また追加した。
「何かあったら、いつでもメッセージ下さいねっ。雑談でも相談でも…私、なんでも受けちゃいますからっ！」
パイナポーはコロパッドを服の内側へと仕舞うと、微笑みを浮かべたままぴょいと椅子から飛び上がって地面に綺麗に着地。
両手をVの形にして更に笑みを濃くした。
【ですにゃん】
「ご、ごめっ」
ションボリと謝るが、フレンドに一人追加された事によろこび「ぁ、ありがとうう！」と胸にコロパットを当て、お辞儀する。
「うん、うん、パイナップルさん、困ったら連絡して、何かあったら…て、手伝うから」
照れたようにそう言いですにゃんはホールを出て窓側に視線をやる。
「…うわぁ、天気崩れそうな雲してるよ、…っあ、ホテル行かなくちゃ…」
ホテルに泊まる手続きをしていないのを思いだし、パイナップルに告げる
【酢豚パイナポー】
「そうですねー…もうそろそろホテルへ戻った方がいいかもしれませんね。私はチェックインしてますので、案内しますよっ！」
「だって私達、友達ですもんねっ！！」
パイナポーは無邪気に喜ぶ。また新たな友人がここに出来たことに感謝して。始めは不安しかなかったけれど…このままバカンスも楽しむことが出来そうだ。
さて、一体他にはどんな人がこの島にいるのだろうか…もしかしたら友人がこの島にいたりして。
そんな淡い思いを感じながら、パイナポーはですにゃんの腕を引っ張って…ホテルへと向かうのであった。
湯船上の"おかあさん" 11th-17th
ヒガンバナ(11th)-エム(17th)
【エム】
【ヒガンバナside】
ところ変わって、温泉。
寒く凍えるような外とは違い、湯の熱で室内もそれなりに暖かくなっているその場所。
「ぬ、ぐぬぬぬぬ…………」
エムはそこの脱衣所で、浴衣と格闘していた。
大方、固く結びすぎて解けなくなったのだろう。
早く温泉に入りたいのに、服が脱げなくて困っているという様子で、幼女は唸り声を上げていた。
【ヒガンバナ】
「……解けないのか？」
ヒガンバナは、気分転換にと、前に見つけていた温泉に来ていた。
すると先客が居た様で、小さなロリが浴衣と格闘していた。
「……手伝おうか？」
危ない刀擬きは離れた場所に置いておき、彼女の目線に合わせる様に屈んで尋ねる。
……どうにも変えられない為に、目付きは鋭いのだが。
【エム】
「…………うん、お姉さんお願い」
声をかけられ、その方へ向けば、少し怖そうなお姉さん。
でも、今はそんなことよりも温泉に入れない、という方が死活問題で。
お願いしようと、両腕を上げて浴衣の結び目がある方をお姉さんの前にだして、解いてもらおうと
【ヒガンバナ】
「分かった……少しじっとしていろ。」
バンザイしてくれたので、そのまま結び目に手を掛ける。
確かに、固く結ばれていてちょっと手間取ったが、何とか解く事ができた。
「……ほら、解けたぞ。
きさ……お前さんも、温泉に入るのか？」
癖で貴様と呼ぼうとしてしまったが、流石に不味いだろうと言い直した。
【エム】
【ヒガンバナside】
「ありがとう！ お姉さん」
解けたと分かれば、にこりと笑んでお礼を言って。
“今の”自分では、どうにも手先が不器用なようで、こうも固く結んであると困ってしまうのだ。
いや、本当に助かった。
「……？ うん、温泉はいるよ。お姉さんも入るでしょ？ 一緒に入ろう？」
ここに来たのなら、きっと入るんだろうと簡単に考えては、せっかくだからとそう言って。
【ヒガンバナ】
「そうか……ああ、一緒に入ろうか。」
まあ、こんな所まで来て温泉に入らないと言うのもおかしな話だ。
それに……恐らく同じクラスの筈なのに、縮んで幼くなってしまっている彼女を一人にする事も出来ない。
一緒に入ろうと言うと、ヒガンバナも服を脱いだ。
「……一応確認するが、お前さんも海神学園の生徒なんだよな？」
【エム】
「……？ そうだよ？」
特に隠す必要もないように、当たり前でしょ？ というように首を傾げて。
ここまで幼女らしく振舞ってはいるが、中身は腐っても高校生である。
「お姉さんもでしょ？ ほら、早く一緒に行こー？」
そんなこといいじゃないかと、その手を引っ張って早速浴場に向かおうと。
【ヒガンバナ】
「そうか……ああ、行こうか。」
手を引かれるまま、温泉へと向かう。
結局初めて温泉に来たヒガンバナだが、少し目が輝いている。やはり温泉は良いものだと思うんだ。
「……うむ、いい湯加減だ。」
そっと、湯に触れて温度を確かめた後に、ゆっくり身体を沈めていく。
【エム】
「だねぇ……」
軽く体を流してから、温泉に浸かる。
冷えていた体には少し熱すぎて感じるけれど、初回の温泉に比べたらまだまだで、むしろ今は心地いい。
ふと気づいたように、ヒガンバナの方、もっと言えば胸のあたりを見て、その後自分の方を見下ろす。
「…………はぁ」
大きなため息をひとつ、ついた。
【ヒガンバナ】
「……何をため息なぞ吐いているのだ？」
温かな温泉は、身体を芯から暖めてくれる。
だが、ふと隣の彼女がこちらを見てため息を吐いたので、気になってしまった。
……本人は気付いてないが、確かにお湯に浸かっても分かるくらいにはある。
「……それにしても、こう姿が変わられると、誰もが初対面の相手の様に見えてしまうな。
お前さんとも、友人だったのかもしれないと言うのに。」
【エム】
「……お姉さんは、のぞきまお兄さんに気をつけてね……」
せめてもの忠告。
言わずもがな、前回であった体をガン見してくるやばいお兄さんのことである。
エムはあれをまだ許してはいない。
せめてコーヒー牛乳でもかってもらわないと。
「……あぁ、それはないと思うよ？
――――エム、1人だったから。」
【ヒガンバナ】
「覗き魔？そんな奴がいるのか、けしからん。
分かった、気を付ける事にしよう。」
ヒガンバナの裸体を覗き見したら、その次のロルには確定で彼岸花が添えられた死体になっている事でしょう。
ええ、確定です。運命です。
「…………エム……そうか。
まあ……こう言っておいて変な話だが……私も同じだな。」
一人と聞いて、静かに目線を宙に向ける。
とは言え、さも友達が居たように言ったが、実際はヒガンバナも親しい者が居た訳ではない。
……そもそも、このクラス一人で過ごしている者が多かった気がするのは気のせいでは無いはず。
「……そうだ、私の名はヒガンバナだ。
お前さんは、エムでいいんだな？」
【エム】
うん、エムはエムだよ、よろしくね、ヒガンバナお姉さん！」
とりあえず、忠告は成功したかと、胸を撫で下ろす。
空を切ったのは考えない。
「……お姉さん、今回のこれって、どう思う？」
ふと気になって、そう問いかけた。
今回の異常事態についての見解を聞きたかった。
心細いというのもあったから。
【ヒガンバナ】
「今回の…か……さあな、あのアカエル…と名乗る奴が何かを企んでいるのだろうが……」
華を編み込んだ髪を見つめながら、そう呟く。
ヒガンバナ自身も、この状況を理解していないのだ。
「……だが、奴の言う通りに、絆を深めれば出れるとは思えないな。
……それなら、態々本名を知られたら死ぬなんて事を仕組む必要がないからな。」
【エム】
「……ふうん、アカエルって、だぁれ？」
見知らぬ名前。
今まで出会ったことの無いクラスメイトのことだろうか。
みんながみんな偽名を名乗るのだから、有り得そうな話だが、ここでそれが出てくるのは不可解だ。
これは知っておいた方がいいのかなと、そう問いかけて。。
【ヒガンバナ】
「……ん？
いや、アカエルと言うのは、クラスメイト……と言うよりは、これを仕組んだ者だ。
ほら、先程放送があっただろう？」
どうやら、放送に気づいて無かった様なので、コロパッドも見せながら説明する。
これは、教えておいた方が良いだろう。
「……私としては……何か、悪いことが起きそうで、不安なのだ。
このまま何もなく、出られれば良いのだが。」
【エム】
「…………こんなこと仕組むなんて、イヤな人だね」
クラスメイトだろうがなかろうが、どちらにせよこの状況を仕組んだというのなら、それはエムにとっては嫌悪の対象だった。
エムが『エム』になったのも、ほかのお兄さんやお姉さんと出会えたのも、そのアカエルとやらのおかげなのかもしれないが、それでも、だ。
【ヒガンバナ】
「……ああ、機会があるならば……斬りたい所だ。」
だが、こう言う手の者は、大抵裏に引きこもって出ては来ないだろう。
もしも、迂闊に出てきたならば……その時は、お灸を据えてやろう。
「……そうだ、背中でも流そうか？
その体では一人で身体を洗うのも大変だろう？」
【エム】
「斬るなんて……怖いこと言っちゃダメだよ？」
お姉さんの怒りも最もだが、けれどそれで人を殺す、なんて物騒なことを言うのはいけない。
この後どんなことになるか分からないのだから、余計に。
「……はぇ？ いいの？ お姉さん」
ただ、次の言葉に首をかしげた。
一応洗えないことも無いが、確かに難しいことではあるし、お願いしたいのも山々だが、出会ったばかりでいいのだろうか、という疑問で。
【ヒガンバナ】
「あ、ああ、すまない……では、洗ってやるから、こちらに来てくれ。」
お湯から上がり、彼女を洗うために石鹸を泡立てておく。
他人の身体を洗うなんて、久々ではあるのだが。
【エム】
「……わぁ……うん！」
誰かに体を洗ってもらうなんて、いつ以来だろうか。
少なくとも、小学校の時にはもう1人で入っていた気がする。
久方ぶりの洗いっこにテンションが上がったように笑いながら、お姉さんの方へと走っていく。
幸い、転ぶ様子はなさそうで。
【ヒガンバナ】
「こらこら、滑るから走るんじゃない。」
転ばなかったから良かったものの、危ないのでちゃんと注意する。
そして、エムを椅子に座らせると、その小さな身体を洗い始めた。
「いたかったり、痒かったりしたら言ってくれ。」
【エム】
「はーい！」
元気よく返事をすれば、そのまま洗われる手に体を委ねた。
久しぶりだからか、ただ単に慣れていないからか、泡で体を洗われるというのは、少し擽ったい。
「…………んっ、くすぐったい……」
そして、この体で洗ってもらうのは初めてだからか、声を我慢することは出来なかった。
【ヒガンバナ】
「……む、くすぐったいか？
中々難しいな……」
相手の身体が余りにも小さく、か弱そうなせいで、どうしても力を弱めてしまう。
だが、ちゃんと爪は立てない様に気をつけながら、撫でる様に洗っていく。
「…………なんだか、子供でも出来た気分だな。」
そんな言葉を、ぼそり。
まだそんな歳ではないのだが、どうしてもそんな気分になってしまう。
【エム】
「お姉さん、お母さんになるの？ そう呼んだ方がいい？」
後ろで洗ってくれているお姉さんを見ながら、軽く首を傾げて。
お母さん、なんて言ったのはほかのお姉さんにもいたけど、ヒガンバナお姉さんの方がお母さんらしくはあるなって思って。
少しいたずらっぽく、そう言ってみるのです。
【ヒガンバナ】
「い、いや、流石にそんな気分がするだけであってだな……！
その……お、お前さんが呼びたいなら、お母さんでも構わないと言うか……」
色々複雑な気持ちなのか、かなり挙動不審になっている。
だが、本音としては呼んで欲しいのだろう。
……まあ、相手は自分と同い年なのだが。
【エム】
「……じゃあ、おかあさんって、呼んでもいいの？」
エムがお姉さんをなんて呼ぶかだけで、こんなに困っちゃう人は、多分初めてです……いや、1人だけいましたっけ。
でも、それも少し面白いから、少しからかうようにそう言いました。
【ヒガンバナ】
「……ああ、なら、そう呼んでくれ。」
彼女になら、呼ばれても良いかななんて。
寧ろ、嬉しいかな、と。
「……と、取り敢えず……流すぞ？」
少し恥ずかしかったので、シャワーを持って彼女の身体の泡を永そうと。
【エム】
「うん、おねがーい」
お母さん、なんて呼んでほしいなんて、少し変わった人なのかな。
ただ、こんな突飛な状況で経験したことがないことを体験しておきたい、というのももしかしたらあるのかもしれないけど。
それからは、シャワーで泡を流されるままで。
ただ、流されるままというのも申し訳ないから。
「次は、おかあさんの背中洗ってあげる！」
エムはそう、提案しました。
【ヒガンバナ】
「え、ぁ……い、良いの、か？」
普段は、こんなたじろいだり、動揺する性格では無いのに、彼女の前だとこんなにも心を揺り動かされてしまう。
ロリ、恐るべし。
彼女の一番の敵はロリかもしれない。
「……なら、頼む。」
色々葛藤した結果、今度はヒガンバナが椅子に座った。
【エム】
「えへへ〜まかせてよ」
にっと笑って、エムはボディソープを泡立てておかあさんの背中に手を当てました。
ゴシゴシと、背中を洗っていきます。
ただ、おかあさんの背中は大きいから、よいしょよいしょと、少し頑張らないと全部は洗えません。
もう少し身長があったら良かったんですけどね……そしたら、おかあさんなんて呼ばせてもらえてないかもしれないけど。
「おかあさん、きもちいい……？」
たぶん気持ちよくはないんだろうなと思いながらも、そう聞きました。
【ヒガンバナ】
「……ああ、凄く……気持ちいいぞ。」
彼女の手は小さく、柔らかく……少し強さが足らない気もするが、またそれも微笑ましく思えて。
自然と優しい表情になっていて、本当に気持ち良さそうだ。
「エムは、洗うのが上手…だな。」
なんて、なんか親っぽい事も言ってみたり。
やっぱり、恥ずかしいけども。
【エム】
「えへへ〜よかった！」
少し心配だったけど、優しい顔にもなっていて、きっと嘘は言ってないんだろうなって思いました。
こうやって誰かの背中を洗うのは、少しだけ慣れていたから、ほっと一安心。
これで気持ちよくない、なんて言われたら、泣こうかなんて考えてましたから、よかったです。
【ヒガンバナ】
「…………。」
ずっと、こんな時間が続けば良いな、なんて思ってみたり。
だが、やはり何もないまま、この怪事件が終わるとも思えなくて。
何時か、彼女の名前も呼ばないといけない時が───
「……エムの事は、私が護るからな。」
そう、ヒガンバナは決意した。
そんな決意を体現するかの様に、彼女の髪に、また一輪の赤い華が咲いた。
【エム】
「…………よくわからないけど、おねがいするね？ おかあさん！」
エムを護ってくれるって、言ってもらえました。
確かに危ない状況だし、エムは護られるほど弱くはないと思うけど……でも、護ってもらえるのなら、嬉しいのでお願いしました。
なぜって、その方が安心、ですし。
――――本当に、安心できるかは、置いといて。
【ヒガンバナ】
「……ああ。」
枯れぬ、儚い華を揺らしながら頷いた。
例え、裏切られたとしても……彼女になら後悔は無いだろう。
【エム】
【ヒガンバナside】
ところ変わって、温泉。
寒く凍えるような外とは違い、湯の熱で室内もそれなりに暖かくなっているその場所。
「ぬ、ぐぬぬぬぬ…………」
エムはそこの脱衣所で、浴衣と格闘していた。
大方、固く結びすぎて解けなくなったのだろう。
早く温泉に入りたいのに、服が脱げなくて困っているという様子で、幼女は唸り声を上げていた。
【ヒガンバナ】
「……解けないのか？」
ヒガンバナは、気分転換にと、前に見つけていた温泉に来ていた。
すると先客が居た様で、小さなロリが浴衣と格闘していた。
「……手伝おうか？」
危ない刀擬きは離れた場所に置いておき、彼女の目線に合わせる様に屈んで尋ねる。
……どうにも変えられない為に、目付きは鋭いのだが。
【エム】
「…………うん、お姉さんお願い」
声をかけられ、その方へ向けば、少し怖そうなお姉さん。
でも、今はそんなことよりも温泉に入れない、という方が死活問題で。
お願いしようと、両腕を上げて浴衣の結び目がある方をお姉さんの前にだして、解いてもらおうと
【ヒガンバナ】
「分かった……少しじっとしていろ。」
バンザイしてくれたので、そのまま結び目に手を掛ける。
確かに、固く結ばれていてちょっと手間取ったが、何とか解く事ができた。
「……ほら、解けたぞ。
きさ……お前さんも、温泉に入るのか？」
癖で貴様と呼ぼうとしてしまったが、流石に不味いだろうと言い直した。
【エム】
【ヒガンバナside】
「ありがとう！ お姉さん」
解けたと分かれば、にこりと笑んでお礼を言って。
“今の”自分では、どうにも手先が不器用なようで、こうも固く結んであると困ってしまうのだ。
いや、本当に助かった。
「……？ うん、温泉はいるよ。お姉さんも入るでしょ？ 一緒に入ろう？」
ここに来たのなら、きっと入るんだろうと簡単に考えては、せっかくだからとそう言って。
【ヒガンバナ】
「そうか……ああ、一緒に入ろうか。」
まあ、こんな所まで来て温泉に入らないと言うのもおかしな話だ。
それに……恐らく同じクラスの筈なのに、縮んで幼くなってしまっている彼女を一人にする事も出来ない。
一緒に入ろうと言うと、ヒガンバナも服を脱いだ。
「……一応確認するが、お前さんも海神学園の生徒なんだよな？」
【エム】
「……？ そうだよ？」
特に隠す必要もないように、当たり前でしょ？ というように首を傾げて。
ここまで幼女らしく振舞ってはいるが、中身は腐っても高校生である。
「お姉さんもでしょ？ ほら、早く一緒に行こー？」
そんなこといいじゃないかと、その手を引っ張って早速浴場に向かおうと。
【ヒガンバナ】
「そうか……ああ、行こうか。」
手を引かれるまま、温泉へと向かう。
結局初めて温泉に来たヒガンバナだが、少し目が輝いている。やはり温泉は良いものだと思うんだ。
「……うむ、いい湯加減だ。」
そっと、湯に触れて温度を確かめた後に、ゆっくり身体を沈めていく。
【エム】
「だねぇ……」
軽く体を流してから、温泉に浸かる。
冷えていた体には少し熱すぎて感じるけれど、初回の温泉に比べたらまだまだで、むしろ今は心地いい。
ふと気づいたように、ヒガンバナの方、もっと言えば胸のあたりを見て、その後自分の方を見下ろす。
「…………はぁ」
大きなため息をひとつ、ついた。
【ヒガンバナ】
「……何をため息なぞ吐いているのだ？」
温かな温泉は、身体を芯から暖めてくれる。
だが、ふと隣の彼女がこちらを見てため息を吐いたので、気になってしまった。
……本人は気付いてないが、確かにお湯に浸かっても分かるくらいにはある。
「……それにしても、こう姿が変わられると、誰もが初対面の相手の様に見えてしまうな。
お前さんとも、友人だったのかもしれないと言うのに。」
【エム】
「……お姉さんは、のぞきまお兄さんに気をつけてね……」
せめてもの忠告。
言わずもがな、前回であった体をガン見してくるやばいお兄さんのことである。
エムはあれをまだ許してはいない。
せめてコーヒー牛乳でもかってもらわないと。
「……あぁ、それはないと思うよ？
――――エム、1人だったから。」
【ヒガンバナ】
「覗き魔？そんな奴がいるのか、けしからん。
分かった、気を付ける事にしよう。」
ヒガンバナの裸体を覗き見したら、その次のロルには確定で彼岸花が添えられた死体になっている事でしょう。
ええ、確定です。運命です。
「…………エム……そうか。
まあ……こう言っておいて変な話だが……私も同じだな。」
一人と聞いて、静かに目線を宙に向ける。
とは言え、さも友達が居たように言ったが、実際はヒガンバナも親しい者が居た訳ではない。
……そもそも、このクラス一人で過ごしている者が多かった気がするのは気のせいでは無いはず。
「……そうだ、私の名はヒガンバナだ。
お前さんは、エムでいいんだな？」
【エム】
うん、エムはエムだよ、よろしくね、ヒガンバナお姉さん！」
とりあえず、忠告は成功したかと、胸を撫で下ろす。
空を切ったのは考えない。
「……お姉さん、今回のこれって、どう思う？」
ふと気になって、そう問いかけた。
今回の異常事態についての見解を聞きたかった。
心細いというのもあったから。
【ヒガンバナ】
「今回の…か……さあな、あのアカエル…と名乗る奴が何かを企んでいるのだろうが……」
華を編み込んだ髪を見つめながら、そう呟く。
ヒガンバナ自身も、この状況を理解していないのだ。
「……だが、奴の言う通りに、絆を深めれば出れるとは思えないな。
……それなら、態々本名を知られたら死ぬなんて事を仕組む必要がないからな。」
【エム】
「……ふうん、アカエルって、だぁれ？」
見知らぬ名前。
今まで出会ったことの無いクラスメイトのことだろうか。
みんながみんな偽名を名乗るのだから、有り得そうな話だが、ここでそれが出てくるのは不可解だ。
これは知っておいた方がいいのかなと、そう問いかけて。。
【ヒガンバナ】
「……ん？
いや、アカエルと言うのは、クラスメイト……と言うよりは、これを仕組んだ者だ。
ほら、先程放送があっただろう？」
どうやら、放送に気づいて無かった様なので、コロパッドも見せながら説明する。
これは、教えておいた方が良いだろう。
「……私としては……何か、悪いことが起きそうで、不安なのだ。
このまま何もなく、出られれば良いのだが。」
【エム】
「…………こんなこと仕組むなんて、イヤな人だね」
クラスメイトだろうがなかろうが、どちらにせよこの状況を仕組んだというのなら、それはエムにとっては嫌悪の対象だった。
エムが『エム』になったのも、ほかのお兄さんやお姉さんと出会えたのも、そのアカエルとやらのおかげなのかもしれないが、それでも、だ。
【ヒガンバナ】
「……ああ、機会があるならば……斬りたい所だ。」
だが、こう言う手の者は、大抵裏に引きこもって出ては来ないだろう。
もしも、迂闊に出てきたならば……その時は、お灸を据えてやろう。
「……そうだ、背中でも流そうか？
その体では一人で身体を洗うのも大変だろう？」
【エム】
「斬るなんて……怖いこと言っちゃダメだよ？」
お姉さんの怒りも最もだが、けれどそれで人を殺す、なんて物騒なことを言うのはいけない。
この後どんなことになるか分からないのだから、余計に。
「……はぇ？ いいの？ お姉さん」
ただ、次の言葉に首をかしげた。
一応洗えないことも無いが、確かに難しいことではあるし、お願いしたいのも山々だが、出会ったばかりでいいのだろうか、という疑問で。
【ヒガンバナ】
「あ、ああ、すまない……では、洗ってやるから、こちらに来てくれ。」
お湯から上がり、彼女を洗うために石鹸を泡立てておく。
他人の身体を洗うなんて、久々ではあるのだが。
【エム】
「……わぁ……うん！」
誰かに体を洗ってもらうなんて、いつ以来だろうか。
少なくとも、小学校の時にはもう1人で入っていた気がする。
久方ぶりの洗いっこにテンションが上がったように笑いながら、お姉さんの方へと走っていく。
幸い、転ぶ様子はなさそうで。
【ヒガンバナ】
「こらこら、滑るから走るんじゃない。」
転ばなかったから良かったものの、危ないのでちゃんと注意する。
そして、エムを椅子に座らせると、その小さな身体を洗い始めた。
「いたかったり、痒かったりしたら言ってくれ。」
【エム】
「はーい！」
元気よく返事をすれば、そのまま洗われる手に体を委ねた。
久しぶりだからか、ただ単に慣れていないからか、泡で体を洗われるというのは、少し擽ったい。
「…………んっ、くすぐったい……」
そして、この体で洗ってもらうのは初めてだからか、声を我慢することは出来なかった。
【ヒガンバナ】
「……む、くすぐったいか？
中々難しいな……」
相手の身体が余りにも小さく、か弱そうなせいで、どうしても力を弱めてしまう。
だが、ちゃんと爪は立てない様に気をつけながら、撫でる様に洗っていく。
「…………なんだか、子供でも出来た気分だな。」
そんな言葉を、ぼそり。
まだそんな歳ではないのだが、どうしてもそんな気分になってしまう。
【エム】
「お姉さん、お母さんになるの？ そう呼んだ方がいい？」
後ろで洗ってくれているお姉さんを見ながら、軽く首を傾げて。
お母さん、なんて言ったのはほかのお姉さんにもいたけど、ヒガンバナお姉さんの方がお母さんらしくはあるなって思って。
少しいたずらっぽく、そう言ってみるのです。
【ヒガンバナ】
「い、いや、流石にそんな気分がするだけであってだな……！
その……お、お前さんが呼びたいなら、お母さんでも構わないと言うか……」
色々複雑な気持ちなのか、かなり挙動不審になっている。
だが、本音としては呼んで欲しいのだろう。
……まあ、相手は自分と同い年なのだが。
【エム】
「……じゃあ、おかあさんって、呼んでもいいの？」
エムがお姉さんをなんて呼ぶかだけで、こんなに困っちゃう人は、多分初めてです……いや、1人だけいましたっけ。
でも、それも少し面白いから、少しからかうようにそう言いました。
【ヒガンバナ】
「……ああ、なら、そう呼んでくれ。」
彼女になら、呼ばれても良いかななんて。
寧ろ、嬉しいかな、と。
「……と、取り敢えず……流すぞ？」
少し恥ずかしかったので、シャワーを持って彼女の身体の泡を永そうと。
【エム】
「うん、おねがーい」
お母さん、なんて呼んでほしいなんて、少し変わった人なのかな。
ただ、こんな突飛な状況で経験したことがないことを体験しておきたい、というのももしかしたらあるのかもしれないけど。
それからは、シャワーで泡を流されるままで。
ただ、流されるままというのも申し訳ないから。
「次は、おかあさんの背中洗ってあげる！」
エムはそう、提案しました。
【ヒガンバナ】
「え、ぁ……い、良いの、か？」
普段は、こんなたじろいだり、動揺する性格では無いのに、彼女の前だとこんなにも心を揺り動かされてしまう。
ロリ、恐るべし。
彼女の一番の敵はロリかもしれない。
「……なら、頼む。」
色々葛藤した結果、今度はヒガンバナが椅子に座った。
【エム】
「えへへ〜まかせてよ」
にっと笑って、エムはボディソープを泡立てておかあさんの背中に手を当てました。
ゴシゴシと、背中を洗っていきます。
ただ、おかあさんの背中は大きいから、よいしょよいしょと、少し頑張らないと全部は洗えません。
もう少し身長があったら良かったんですけどね……そしたら、おかあさんなんて呼ばせてもらえてないかもしれないけど。
「おかあさん、きもちいい……？」
たぶん気持ちよくはないんだろうなと思いながらも、そう聞きました。
【ヒガンバナ】
「……ああ、凄く……気持ちいいぞ。」
彼女の手は小さく、柔らかく……少し強さが足らない気もするが、またそれも微笑ましく思えて。
自然と優しい表情になっていて、本当に気持ち良さそうだ。
「エムは、洗うのが上手…だな。」
なんて、なんか親っぽい事も言ってみたり。
やっぱり、恥ずかしいけども。
【エム】
「えへへ〜よかった！」
少し心配だったけど、優しい顔にもなっていて、きっと嘘は言ってないんだろうなって思いました。
こうやって誰かの背中を洗うのは、少しだけ慣れていたから、ほっと一安心。
これで気持ちよくない、なんて言われたら、泣こうかなんて考えてましたから、よかったです。
【ヒガンバナ】
「…………。」
ずっと、こんな時間が続けば良いな、なんて思ってみたり。
だが、やはり何もないまま、この怪事件が終わるとも思えなくて。
何時か、彼女の名前も呼ばないといけない時が───
「……エムの事は、私が護るからな。」
そう、ヒガンバナは決意した。
そんな決意を体現するかの様に、彼女の髪に、また一輪の赤い華が咲いた。
【エム】
「…………よくわからないけど、おねがいするね？ おかあさん！」
エムを護ってくれるって、言ってもらえました。
確かに危ない状況だし、エムは護られるほど弱くはないと思うけど……でも、護ってもらえるのなら、嬉しいのでお願いしました。
なぜって、その方が安心、ですし。
――――本当に、安心できるかは、置いといて。
【ヒガンバナ】
「……ああ。」
枯れぬ、儚い華を揺らしながら頷いた。
例え、裏切られたとしても……彼女になら後悔は無いだろう。
二人BBQも楽しいもの！ 3rd-25th
五番目の道化師(3rd)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「うー寒い寒い……」
（星空の下、公園の一角でいそいそとBBQの準備を始めている。幸いにも天候は晴れ。雪景色を眺めながらバーベキューなんて、身体も心も温まるではないか！
そう思った彼は共有チャットでBBQの募集をかけた（wikiの方には書いてないけどそういうことで））
「えー本日は……BBQ当日ですけれども。まぁちょっと遅れて着いたんですけどもね。ほんでーかれこれ一時間ぐらい待って、一人で準備始めたんですけれども
参加者は、誰一人、来ませんでした。ガチャ（網をセットする音）
誰一人来ることはなかったです。残念ながら」
【五番目の道化師】
東エリアの公園からキャンプ場へ走る一人の女性がいた。モコモコのパジャマを身に纏い、首からは教会で拝借した金色のロザリオを下げた女性だ。
「はぁ…はぁ…お風呂入ってたら、遅くなりました…BBQ、間に合いますか！？」
一時間遅れの到着である。
急いできたのだろう、そのモコモコのパジャマは少しはだけており、普段は押さえつけているサラシも少し緩んだのだろう。ピエロ衣装を来ているときよりも…まぁ、うん、割愛。
【柏木 愛】
「えっ……？
あ、ありがとうございます！ありがとうございます！来ていただけるなんて、光栄の極みですよ！二人で楽しみましょう！」
（駆け寄ってきた少女の姿を見て、驚きのあまり、手に抱えていた木炭をボロボロと落とす。一人くらいくるやろな〜と思ってたんですけど……来た……本当に来た！感激のあまり涙を流しながら、ピエロちゃんの手を握る。なお、目線はずっと胸を向いているのであった）
【五番目の道化師】
「え…っ、あれ？他の人たち来てないんですか？」
悲しいことに胸にいく視線に気がつかない道化師。お前、少しは警戒心持てよ。
「BBQで一人は寂しいですもんね！って、うぇえ…っ！？泣かないでくださいよぉ！！二人でBBQ楽しんで皆に自慢しましょ？ね？」
寂しかったんだろう。とおもった道化師はその子に駆け寄り、手を取る。きっと、BBQが楽しければ他の皆も積極的に参加してくれると信じて───
【柏木 愛】
「ええ！ええ！写真もたくさん撮りましょう！SNOWもありますし！」
(完全に意気投合である。なお、目線は胸)
「えーとセッティングは終わったんで、材料を一緒に切ってもらっていいですか？ショッピングモールで取ってきたんですよ、一人で！」
(備え付けの屋外台所を指差す。そこに置いてあるビニール袋の中には、野菜やら肉やら、新鮮な食材が入っていた。なお、目線(ry)
【五番目の道化師】
「この量を一人で運んできたんですか！すごいです！」
これだけの量を運ぶとなると相当力が必要なはずだ。少なくとも何回も往復したに違いない。
「えぇ…っと、これを切ればいいんでしょうか」
BBQをするのが初めてなのか、料理を普段することがないのか道化師は困惑ぎみだ。
【柏木 愛】
「頑張りましたよ！誰も手伝ってくれなかったので！まあ俺なんてゴミクズですし仕方ないんですけどね！」
(そう言って台所に向かい、材料を一通り広げる)
「料理とかしたことないんですか？えっと……名前聞いてもいいですか？俺、柏木愛っていいます」
【五番目の道化師】
「自分をごみくずだなんて言わないでください！あなたはゴミ何かじゃありません！」
真剣に目を見て言う道化師。
だから、お前はもう少し警戒心を─
「えっ、私ですか…えーっとぉ…(五番目の道化師っていったらばれちゃうしなぁ…)ピエロです！料理とかはいつもお母さんが作ってくれてて…手伝いも何もしたことなくて…」
バレバレな偽名の偽名。
女子なのに家庭的なことがやったことがないのでションボリとする。因みに家庭科の授業は五段階評価で3だったと言っておこう。
【柏木 愛】
「えっ、俺が、ゴミクズじゃない……？」
(それは、あまり言われない言葉だった。いつもいつも自分を卑下しているので、周りにウザがられ、相手にされない柏木。そんな言葉をかけてもらったのは、久方ぶりであった。でも、目線は胸)
「あ、えっと、俺結構料理できるんですよ！家でよく作らされてたので！ていうかこの際切り方なんて気にしないですよ、適当に切っちゃってください！」
(放心状態だったが、包丁を手に取ると、物凄い勢いで具材のカットを始める。たまに目線が(ry)
【五番目の道化師】
「ごみくずってバカにする方がごみくずなんです！だいたい人様を罵倒するのがおかしいんですよ！」
笑顔でそう言いきる道化師。
とりあえず、包丁をもって、言われたように適当に素材を切っていく…がなぜだろう。正方形である。�价碓未發困譴裟騎里弊喫�形である。
「こんな感じでしょうか？」
一言言おう。違う。
【柏木 愛】
「ピエロさん、僕は貴方という人に出会えて……」
(目に涙を溜めながら、ピエロの方を向く。まず胸。次に手元。おかしい。何かがおかしい)
「えっ、それすごくないです！？しいたけがサイコロみたいになってるんですけど！え、すご！写真撮っとこ！」(パシャ
【五番目の道化師】
「え…っ？そんな凄いことですか？」
変なところで器用さ出さなくていいよ、と中の人は訴える。
「愛さんの切り方もうまいですよ！さすが毎日料理してるだけあります！私も料理できたらよかったんですけどねぇ…」
ほら、料理できる女子って羨ましくない？
でも、それ以上に料理のできる男の人ってかっこいいよね！私好きよ？料理できる男性といっぱい食べる系女子
【柏木 愛】
「いやいや俺なんてゴm……全然ですよ！ほんと、やらされてるだけっていうか」
(褒められることの少ない人生だったので嬉しいようだ。ニコニコしながらハイペースで具材を切っていく。こうしていると、少し家に帰りたくなるのだった)
「ピエロちゃんも絶対才能ありますよ。料理練習した方がいいです！そんな綺麗に切れないですよ、普通」
(具材のカットが終わると、それらをボウルに分けていく)
【五番目の道化師】
「そうですかね…えへへ…じゃあ、今度から料理も練習してみようかなぁ」
恥ずかしそうに少しだけ頬を赤く染めながらも先ほどと同じように食材を切っていく。照れ隠しなのか、包丁を握りなれていないくせに少しだけペースを早めようとするが…うん、さすがに無理。
そんなことをすれば手を切る。
現に何回か手を切りそうになっていた。
【柏木 愛】
「なんなら俺教えますよ！ここから帰ったら……ってちょっとちょっと、危ないですよ！左手はこう置くんです、包丁の入れ方は、こんな感じで…」
(コンロに着火しながらピエロの方を向くと、なにやら危険な手の動きをしているようで、慌てて駆け寄る。横で自分の手を見本のように動かしながら、包丁の扱い方を教えるのであった)
【五番目の道化師】
「え…っ、こうですか？」
とりあえず、愛さんの手本を見て、真似る。
猫の手…？というやつだろうか。包丁の刃で指を切らないようにひっこめて材料を切っていく。でも、やっぱり寸分違わず正方形。
「なるほど…そのまま下ろすのではなく、スライドするように…」
先ほどまで力ずくで切っていたようなものだったのにサクサク切れる。まぁ、スピードは乗せられないが。
【柏木 愛】
「そうそう！うまいですよ！いや全部正方形なのすごいです、神です」
(食べやすさは置いといて、完全に才能である。彼女ならもっと高みを目指せる……！そう確信するのであった。
そんなこんなで材料のカットは終わり。後は簡単、焼いて食う！)
【五番目の道化師】
BBQは串に刺して焼くんだっけ？それとも網にのせて焼くんだっけ？あれ、でも後者はただの焼き肉な気がする。
「BBQってそのまま焼くんでしたっけ？それとも串に刺すんでしたっけ？」
とりあえず、BBQをやったことがないから聞いてみることにした道化師。うん、かってに行動するよりはマシだよね。
【柏木 愛】
「……え？……うーん、やっぱり串に刺す……んじゃないですかね、多分。でもよく考えると、具材によって火の通り方が……。俺もやったことないので、わからないのですが」
(BBQといえば、串に刺したアレコレをアレコレして食べてるイメージが強かった。しかし、彼自身も実際にBBQをしたことがなく、自信がないようだった)
「ちゃんと串も買ってあるんで大丈夫ですよ。もう深く考えず刺しちゃいましょう！うおおお！」
(掛け声と共に適当に具材を串にぶっ刺していく)
【五番目の道化師】
素材にによって火の通りかたが違うのか。
なら、火を通した方が良いものがあるのか。そうすると…肉は熱を通さなければいけないイメージがあるから…
木に漆を塗るように野菜を何かでコーティングするか、もしくは野菜は大きめ肉は小さめで刺すか。とりあえず、肉は小さめ野菜は大きめを選んで刺していくか。
「お肉、野菜、お肉、野菜…で、いいかな…」
ニンジン、肉、ニンジン、肉、ニンジン、肉…うん、彩り悪いわ。
【柏木 愛】
「に、ニンジン好きなんですか？確かに美味いですけど、色々食べた方が栄養バランス的にもいいと思いますよ。あ、なんか偉そうにすいません……調子乗りました、ごめんなさい。
もう焼いていきましょう！Foooo！」
(具材をぶっ刺した串たちをコンロの上に叩きつけていく)
【五番目の道化師】
「いいえ？特にニンジンが好きと言うわけではありませんよ？ほら、根野菜は火が通りにくいって聞いたことがあったのでつい…。彩りや栄養バランスのこと、考えてませんでした！教えてくれてありがとう！」
だから、謝る必要なんて無いんだよ？と微笑む。
とりあえず…あれか。串を乗っけてけばいいのかな？と、自分が刺した串も乗せていく。
「おいしく焼けるといいですね！」
【柏木 愛】
「お、おお……貴方は神ですか……」
(神？天使？仏？ここにはいい人しかいない？しかも巨乳？天国？もうずっとここに住む？中の人的にデジャヴ？
そんなことに感動しながら、具材が焼けるのを待つのであった)
「あっ、一緒に写真撮りません？肉も写しながら、ほら、SNOWで……あ、でも俺と撮るのが嫌だったら全然いいんですけど。ええ、ごめんなさい」
【五番目の道化師】
「えぇ…っ？なぜ私が神様になってしまうんですか…？」
そこまで高貴な存在じゃないので…まぁ、<仮に>もし成れたとしても神に仕える天使あたりだろう。
「えっと、写真はOKですよ？別に恥ずかしくはありませんし、別に男性とツーショット取るわけじゃありませんし」
この言葉でお分かりだろうか。
外見と中身の性別が一致していると勘違いしているうえに、男である可能性については一切考えていない。もう少し、警戒心というものを…！！
【柏木 愛】
「え……？」
(なんということでしょう。一人称俺で話していたにも関わらず、どうやら女子だと思われているようだ。それなら、女子のフリをして、あんなことや、こんなことも可能なのでは……？
邪な考えが頭を過るが、考え直した。天使が如き優しさの彼女を騙すなど、いくらなんでも許されない。彼は正直に話すことにした)
「あの、俺身体は女ですけど……中身は男ですよ。すいません、なんか、ごめんなさい。やっぱ男とツーショットは無理ですよね、ごめんなさい」
【五番目の道化師】
「え…？」
男の人？今、女の子だよね？え…っ、つまり偽りの姿で異性になっていた可能性もあったってこと？
でも、今女の子だよ？と、きょとんとする道化師だが、申し訳なさそうにする愛さんを見て…まぁ、写真くらいだしセーフでしょ！って軽い考えで
「写真取るよー♪」
いきなり仲良しな女の子同士な感じで肩を組んで写真を取った。
「あっ、フレンド登録して！写真送るから！」
だから、警戒心を(略)
【柏木 愛】
「ヒェ！？近い近い！！」
(突然肩を組まれ、露骨にキョドる。女子と触れ合ったことなど皆無なので、当然なのだ。写真にはめっちゃキモい表情で映ってしまった)
「あ、ウ、ウィッス！こんな俺とフレンドなんてありがとうございます！」
(勢いに押されてコロパッドを取り出し、フレンド登録を済ませるのであった)
【五番目の道化師】
フレンド登録を済ませると少し失敗しちゃったけど先ほど取った写真を添付し、コメントを打ち、送信した。
「気にしないで！男だろうが女だろうが友達でしょ？」
とりあえず、そろそろ…BBQのことを心配しないと焦げそうである。一部の串焼きは既に焦げ付いており──
【柏木 愛】
「あ、ありがとうございます！俺、女子の友達が出来たの、生まれて初めてかもしれません！
ここから恋人とかに発展していくものなんですかね、ヒヒ、ハヒ」
(悲しきかな、抑圧された欲求がキモさに拍車をかけるのであった)
「あっ、肉焦げちゃいますよ！食べましょう！」
(紙皿にタレを注いだものをシュパパと手渡し)
【五番目の道化師】
「さすがに『生まれてはじめて』は大袈裟だよぉ！」
だって、幼い頃はまだ人格形成時期であるため<みんな友達>な時期なのだ。本当に友達が出来なくなってくるのは思春期辺りからである。
「あっ、ホントだ」
焼き肉のタレの注がれた紙ざらを受け取り、『いただきます』をしてから串を手に取る。とても美味しそうだ。
【柏木 愛】
「はふはふ……うん、美味しいですね！景色も綺麗だし、ここは良いところですよ！こっちの修学旅行に来て良かったかもです！」
(湯気の立つ肉をタレにつけ、齧り付く。金に糸目をつけなかった為、高級な肉である。新鮮な空気も相まって、格別なお味だった。
描写してなかったけど、今の時刻は夜である。夜の底が白くなった、とは昔の作家もよく言ったものだ。紺色の夜空には星が瞬き、その底には白銀の世界が広がっている。絶景であった)
【五番目の道化師】
「えぇ、とっても美味しいです！現実じゃないみたいに景色も綺麗だし、別の姿になってしまったのも悪いことばかりじゃないんですね♪」
道化師よ…お前は偽りの姿になってなにか不都合なことがあったのか。身長以外は対して元の姿と変わりないだろう。
「はふはふ、もぐもぐ」
そして、なぜ肉より野菜(主にピーマン)が多く刺さったモノばかり食べるんだ。おい、それピーマンとニンジンだけじゃないか。なぜ、野菜ばかりを美味しそうに食べるんだ(困惑)
【柏木 愛】
「すごい野菜食いますね。俺も野菜嫌いじゃないですけど。あっ、飲み物も色々ありますよ！好きなの選んでください！」
(遠慮してるのだろうか？とも考えたが、余るほど食材を持って来た(数人くると思ってたから)ので、そんな必要もない。変わっ人だ、と思いながら、BBQを楽しむのであった)
【柏木 愛】
「うー寒い寒い……」
（星空の下、公園の一角でいそいそとBBQの準備を始めている。幸いにも天候は晴れ。雪景色を眺めながらバーベキューなんて、身体も心も温まるではないか！
そう思った彼は共有チャットでBBQの募集をかけた（wikiの方には書いてないけどそういうことで））
「えー本日は……BBQ当日ですけれども。まぁちょっと遅れて着いたんですけどもね。ほんでーかれこれ一時間ぐらい待って、一人で準備始めたんですけれども
参加者は、誰一人、来ませんでした。ガチャ（網をセットする音）
誰一人来ることはなかったです。残念ながら」
【五番目の道化師】
東エリアの公園からキャンプ場へ走る一人の女性がいた。モコモコのパジャマを身に纏い、首からは教会で拝借した金色のロザリオを下げた女性だ。
「はぁ…はぁ…お風呂入ってたら、遅くなりました…BBQ、間に合いますか！？」
一時間遅れの到着である。
急いできたのだろう、そのモコモコのパジャマは少しはだけており、普段は押さえつけているサラシも少し緩んだのだろう。ピエロ衣装を来ているときよりも…まぁ、うん、割愛。
【柏木 愛】
「えっ……？
あ、ありがとうございます！ありがとうございます！来ていただけるなんて、光栄の極みですよ！二人で楽しみましょう！」
（駆け寄ってきた少女の姿を見て、驚きのあまり、手に抱えていた木炭をボロボロと落とす。一人くらいくるやろな〜と思ってたんですけど……来た……本当に来た！感激のあまり涙を流しながら、ピエロちゃんの手を握る。なお、目線はずっと胸を向いているのであった）
【五番目の道化師】
「え…っ、あれ？他の人たち来てないんですか？」
悲しいことに胸にいく視線に気がつかない道化師。お前、少しは警戒心持てよ。
「BBQで一人は寂しいですもんね！って、うぇえ…っ！？泣かないでくださいよぉ！！二人でBBQ楽しんで皆に自慢しましょ？ね？」
寂しかったんだろう。とおもった道化師はその子に駆け寄り、手を取る。きっと、BBQが楽しければ他の皆も積極的に参加してくれると信じて───
【柏木 愛】
「ええ！ええ！写真もたくさん撮りましょう！SNOWもありますし！」
(完全に意気投合である。なお、目線は胸)
「えーとセッティングは終わったんで、材料を一緒に切ってもらっていいですか？ショッピングモールで取ってきたんですよ、一人で！」
(備え付けの屋外台所を指差す。そこに置いてあるビニール袋の中には、野菜やら肉やら、新鮮な食材が入っていた。なお、目線(ry)
【五番目の道化師】
「この量を一人で運んできたんですか！すごいです！」
これだけの量を運ぶとなると相当力が必要なはずだ。少なくとも何回も往復したに違いない。
「えぇ…っと、これを切ればいいんでしょうか」
BBQをするのが初めてなのか、料理を普段することがないのか道化師は困惑ぎみだ。
【柏木 愛】
「頑張りましたよ！誰も手伝ってくれなかったので！まあ俺なんてゴミクズですし仕方ないんですけどね！」
(そう言って台所に向かい、材料を一通り広げる)
「料理とかしたことないんですか？えっと……名前聞いてもいいですか？俺、柏木愛っていいます」
【五番目の道化師】
「自分をごみくずだなんて言わないでください！あなたはゴミ何かじゃありません！」
真剣に目を見て言う道化師。
だから、お前はもう少し警戒心を─
「えっ、私ですか…えーっとぉ…(五番目の道化師っていったらばれちゃうしなぁ…)ピエロです！料理とかはいつもお母さんが作ってくれてて…手伝いも何もしたことなくて…」
バレバレな偽名の偽名。
女子なのに家庭的なことがやったことがないのでションボリとする。因みに家庭科の授業は五段階評価で3だったと言っておこう。
【柏木 愛】
「えっ、俺が、ゴミクズじゃない……？」
(それは、あまり言われない言葉だった。いつもいつも自分を卑下しているので、周りにウザがられ、相手にされない柏木。そんな言葉をかけてもらったのは、久方ぶりであった。でも、目線は胸)
「あ、えっと、俺結構料理できるんですよ！家でよく作らされてたので！ていうかこの際切り方なんて気にしないですよ、適当に切っちゃってください！」
(放心状態だったが、包丁を手に取ると、物凄い勢いで具材のカットを始める。たまに目線が(ry)
【五番目の道化師】
「ごみくずってバカにする方がごみくずなんです！だいたい人様を罵倒するのがおかしいんですよ！」
笑顔でそう言いきる道化師。
とりあえず、包丁をもって、言われたように適当に素材を切っていく…がなぜだろう。正方形である。�价碓未發困譴裟騎里弊喫�形である。
「こんな感じでしょうか？」
一言言おう。違う。
【柏木 愛】
「ピエロさん、僕は貴方という人に出会えて……」
(目に涙を溜めながら、ピエロの方を向く。まず胸。次に手元。おかしい。何かがおかしい)
「えっ、それすごくないです！？しいたけがサイコロみたいになってるんですけど！え、すご！写真撮っとこ！」(パシャ
【五番目の道化師】
「え…っ？そんな凄いことですか？」
変なところで器用さ出さなくていいよ、と中の人は訴える。
「愛さんの切り方もうまいですよ！さすが毎日料理してるだけあります！私も料理できたらよかったんですけどねぇ…」
ほら、料理できる女子って羨ましくない？
でも、それ以上に料理のできる男の人ってかっこいいよね！私好きよ？料理できる男性といっぱい食べる系女子
【柏木 愛】
「いやいや俺なんてゴm……全然ですよ！ほんと、やらされてるだけっていうか」
(褒められることの少ない人生だったので嬉しいようだ。ニコニコしながらハイペースで具材を切っていく。こうしていると、少し家に帰りたくなるのだった)
「ピエロちゃんも絶対才能ありますよ。料理練習した方がいいです！そんな綺麗に切れないですよ、普通」
(具材のカットが終わると、それらをボウルに分けていく)
【五番目の道化師】
「そうですかね…えへへ…じゃあ、今度から料理も練習してみようかなぁ」
恥ずかしそうに少しだけ頬を赤く染めながらも先ほどと同じように食材を切っていく。照れ隠しなのか、包丁を握りなれていないくせに少しだけペースを早めようとするが…うん、さすがに無理。
そんなことをすれば手を切る。
現に何回か手を切りそうになっていた。
【柏木 愛】
「なんなら俺教えますよ！ここから帰ったら……ってちょっとちょっと、危ないですよ！左手はこう置くんです、包丁の入れ方は、こんな感じで…」
(コンロに着火しながらピエロの方を向くと、なにやら危険な手の動きをしているようで、慌てて駆け寄る。横で自分の手を見本のように動かしながら、包丁の扱い方を教えるのであった)
【五番目の道化師】
「え…っ、こうですか？」
とりあえず、愛さんの手本を見て、真似る。
猫の手…？というやつだろうか。包丁の刃で指を切らないようにひっこめて材料を切っていく。でも、やっぱり寸分違わず正方形。
「なるほど…そのまま下ろすのではなく、スライドするように…」
先ほどまで力ずくで切っていたようなものだったのにサクサク切れる。まぁ、スピードは乗せられないが。
【柏木 愛】
「そうそう！うまいですよ！いや全部正方形なのすごいです、神です」
(食べやすさは置いといて、完全に才能である。彼女ならもっと高みを目指せる……！そう確信するのであった。
そんなこんなで材料のカットは終わり。後は簡単、焼いて食う！)
【五番目の道化師】
BBQは串に刺して焼くんだっけ？それとも網にのせて焼くんだっけ？あれ、でも後者はただの焼き肉な気がする。
「BBQってそのまま焼くんでしたっけ？それとも串に刺すんでしたっけ？」
とりあえず、BBQをやったことがないから聞いてみることにした道化師。うん、かってに行動するよりはマシだよね。
【柏木 愛】
「……え？……うーん、やっぱり串に刺す……んじゃないですかね、多分。でもよく考えると、具材によって火の通り方が……。俺もやったことないので、わからないのですが」
(BBQといえば、串に刺したアレコレをアレコレして食べてるイメージが強かった。しかし、彼自身も実際にBBQをしたことがなく、自信がないようだった)
「ちゃんと串も買ってあるんで大丈夫ですよ。もう深く考えず刺しちゃいましょう！うおおお！」
(掛け声と共に適当に具材を串にぶっ刺していく)
【五番目の道化師】
素材にによって火の通りかたが違うのか。
なら、火を通した方が良いものがあるのか。そうすると…肉は熱を通さなければいけないイメージがあるから…
木に漆を塗るように野菜を何かでコーティングするか、もしくは野菜は大きめ肉は小さめで刺すか。とりあえず、肉は小さめ野菜は大きめを選んで刺していくか。
「お肉、野菜、お肉、野菜…で、いいかな…」
ニンジン、肉、ニンジン、肉、ニンジン、肉…うん、彩り悪いわ。
【柏木 愛】
「に、ニンジン好きなんですか？確かに美味いですけど、色々食べた方が栄養バランス的にもいいと思いますよ。あ、なんか偉そうにすいません……調子乗りました、ごめんなさい。
もう焼いていきましょう！Foooo！」
(具材をぶっ刺した串たちをコンロの上に叩きつけていく)
【五番目の道化師】
「いいえ？特にニンジンが好きと言うわけではありませんよ？ほら、根野菜は火が通りにくいって聞いたことがあったのでつい…。彩りや栄養バランスのこと、考えてませんでした！教えてくれてありがとう！」
だから、謝る必要なんて無いんだよ？と微笑む。
とりあえず…あれか。串を乗っけてけばいいのかな？と、自分が刺した串も乗せていく。
「おいしく焼けるといいですね！」
【柏木 愛】
「お、おお……貴方は神ですか……」
(神？天使？仏？ここにはいい人しかいない？しかも巨乳？天国？もうずっとここに住む？中の人的にデジャヴ？
そんなことに感動しながら、具材が焼けるのを待つのであった)
「あっ、一緒に写真撮りません？肉も写しながら、ほら、SNOWで……あ、でも俺と撮るのが嫌だったら全然いいんですけど。ええ、ごめんなさい」
【五番目の道化師】
「えぇ…っ？なぜ私が神様になってしまうんですか…？」
そこまで高貴な存在じゃないので…まぁ、<仮に>もし成れたとしても神に仕える天使あたりだろう。
「えっと、写真はOKですよ？別に恥ずかしくはありませんし、別に男性とツーショット取るわけじゃありませんし」
この言葉でお分かりだろうか。
外見と中身の性別が一致していると勘違いしているうえに、男である可能性については一切考えていない。もう少し、警戒心というものを…！！
【柏木 愛】
「え……？」
(なんということでしょう。一人称俺で話していたにも関わらず、どうやら女子だと思われているようだ。それなら、女子のフリをして、あんなことや、こんなことも可能なのでは……？
邪な考えが頭を過るが、考え直した。天使が如き優しさの彼女を騙すなど、いくらなんでも許されない。彼は正直に話すことにした)
「あの、俺身体は女ですけど……中身は男ですよ。すいません、なんか、ごめんなさい。やっぱ男とツーショットは無理ですよね、ごめんなさい」
【五番目の道化師】
「え…？」
男の人？今、女の子だよね？え…っ、つまり偽りの姿で異性になっていた可能性もあったってこと？
でも、今女の子だよ？と、きょとんとする道化師だが、申し訳なさそうにする愛さんを見て…まぁ、写真くらいだしセーフでしょ！って軽い考えで
「写真取るよー♪」
いきなり仲良しな女の子同士な感じで肩を組んで写真を取った。
「あっ、フレンド登録して！写真送るから！」
だから、警戒心を(略)
【柏木 愛】
「ヒェ！？近い近い！！」
(突然肩を組まれ、露骨にキョドる。女子と触れ合ったことなど皆無なので、当然なのだ。写真にはめっちゃキモい表情で映ってしまった)
「あ、ウ、ウィッス！こんな俺とフレンドなんてありがとうございます！」
(勢いに押されてコロパッドを取り出し、フレンド登録を済ませるのであった)
【五番目の道化師】
フレンド登録を済ませると少し失敗しちゃったけど先ほど取った写真を添付し、コメントを打ち、送信した。
「気にしないで！男だろうが女だろうが友達でしょ？」
とりあえず、そろそろ…BBQのことを心配しないと焦げそうである。一部の串焼きは既に焦げ付いており──
【柏木 愛】
「あ、ありがとうございます！俺、女子の友達が出来たの、生まれて初めてかもしれません！
ここから恋人とかに発展していくものなんですかね、ヒヒ、ハヒ」
(悲しきかな、抑圧された欲求がキモさに拍車をかけるのであった)
「あっ、肉焦げちゃいますよ！食べましょう！」
(紙皿にタレを注いだものをシュパパと手渡し)
【五番目の道化師】
「さすがに『生まれてはじめて』は大袈裟だよぉ！」
だって、幼い頃はまだ人格形成時期であるため<みんな友達>な時期なのだ。本当に友達が出来なくなってくるのは思春期辺りからである。
「あっ、ホントだ」
焼き肉のタレの注がれた紙ざらを受け取り、『いただきます』をしてから串を手に取る。とても美味しそうだ。
【柏木 愛】
「はふはふ……うん、美味しいですね！景色も綺麗だし、ここは良いところですよ！こっちの修学旅行に来て良かったかもです！」
(湯気の立つ肉をタレにつけ、齧り付く。金に糸目をつけなかった為、高級な肉である。新鮮な空気も相まって、格別なお味だった。
描写してなかったけど、今の時刻は夜である。夜の底が白くなった、とは昔の作家もよく言ったものだ。紺色の夜空には星が瞬き、その底には白銀の世界が広がっている。絶景であった)
【五番目の道化師】
「えぇ、とっても美味しいです！現実じゃないみたいに景色も綺麗だし、別の姿になってしまったのも悪いことばかりじゃないんですね♪」
道化師よ…お前は偽りの姿になってなにか不都合なことがあったのか。身長以外は対して元の姿と変わりないだろう。
「はふはふ、もぐもぐ」
そして、なぜ肉より野菜(主にピーマン)が多く刺さったモノばかり食べるんだ。おい、それピーマンとニンジンだけじゃないか。なぜ、野菜ばかりを美味しそうに食べるんだ(困惑)
【柏木 愛】
「すごい野菜食いますね。俺も野菜嫌いじゃないですけど。あっ、飲み物も色々ありますよ！好きなの選んでください！」
(遠慮してるのだろうか？とも考えたが、余るほど食材を持って来た(数人くると思ってたから)ので、そんな必要もない。変わっ人だ、と思いながら、BBQを楽しむのであった)
出オチジョージ+そういうはなし 16th-18th
ミライ(16th)-唐揚げ食べたい(18th)
【ミライ】
【西エリア・ショッピングモール】
スキーウェアに桃色髪の女——名前はミライといった——は、ショッピングモール内にある服屋を物色していた。女性用下着のブースでストッキングとワイヤー入りブラを購入したミライは、今度はユニセックスのブースに立ち寄った。
「これ…じゃないなァ」
目当てのものは見つからないようだ。中身はどうあれ側から見れば、中々整った容姿であるため、ナンパが来てもおかしくないくらいだった
【唐揚げ食べたい】
「ハァイ、ジョージィ…」
(ヌッ！とミライの真後ろに突如として現れたのは男にしては身長が小さめな唐揚げくん。
服は特に興味もなく、謎の使命感からここに着てからはメンズ服しか着ていない為このブースに彼が居る理由などない。全くない。
じゃあ何故ここに居るか？
答えは単純。
…─────そこに人が居たから、である。)
「チーッスチッスチッス！よっ、お前此処で何してんだ？そんでお前誰だ？
俺は"唐揚げ食べたい"ってんだぜ！唐揚げくんって呼んでくれよな！」
(と、ベラベラ。
勝手に話しかけ勝手に質問をして勝手に自己紹介をする。
覚えてもらおうなどどうでも良いが、交流の為。
変に名を隠すより自分から名乗ったほうが印象が良い上、こんな訳分からん場所なのだから交友関係は出来るだけ広い方がいい。
ほら、ね？唐揚げくん頭いいでしょ？
え？悪い？
…勝手にそう思っておけ(目逸らし)。)
【ミライ】
「………(訝しむジョージィの顔)」
ペニーワイズの出現に思わず黄色いカッパの少年顔をしてしまうミライ。とっさにネタをネタで返すあたり、ネットスラングに詳しいのかもしれない。ややあって、
「すっとんきょうな名前してんねぇ。唐揚げくん?だっけ?」「ずいぶん回る口だなぁ。潤滑油でも塗ってる? 油で唇テカってない?大丈夫?」
いきなり持ちかけられたマシンガントークにこちらも早口に返す。マシンガントークにはマシンガントークを持って制するが吉なのだ
「あーでもアタシ竜田揚げのが好きなんだわ。竜田揚げ君って呼ぶね」
漢字多めでゴツゴツ感が竜田揚げっぽいでしょ、と意味不明な言葉を加えて、近くにあった白いマフラーを手に取る。喋りながらもショッピングは止めない模様
【唐揚げ食べたい】
「う〜ん、残念！w
悪いけど油は塗ってねぇ〜な〜〜！！
あ、でも今から油取りに行く予定だから塗ることになるかもなァ、…なんてなァ！」
(と、ちゃっかり否定。
油塗ってテッカテカにしてたら引く。そういう人を見かけてもバカにはしないが素直に引く。流石の唐揚げくんも許容範囲外。
相手がマシンガントークして居るのに反して、彼はゆったり喋っている。無駄な対抗心というか、反比例してるのかな？)
「おい！！！！
俺は唐揚げだぜェ！！竜田揚げじゃねーっつーの！！！まァ竜田揚げも好きだけど！！！」
(彼は唐揚げが好きなだけではなく。…そう、肉料理全般好きなのだ！！フゥーハハハハ！！！
…と、いうことで。竜田揚げでも別にいい。唐揚げだけどね。
というか、もうローストビーフとかでもいい。唐揚げだけどね。)
「で、お前誰だよ！"海神学園"の人間か？
偽名で良いから名前教えてくれよな！」
【ミライ】
「英語で言うなら、MにIにRにAにIって書いて、ローマ字読みで”ミライ”ってモンだよ私ゃ」
英語でいう必要があったのかは分からないが、どうもご丁寧にローマ字読みまで教えてくれた。親切！やったね！！
「アンタも海神学園の人？竜田揚げ君なんて名前の同級生いたかなｧ」
「しかしやけに同級生に会うなぁ。同窓会でもやってんの?まだ卒業もしてないんだけど」
まぁ別にいいけどサ、そう言ってカートを押しながら服屋から併設の雑貨屋へ移動しようとする。別に付いてくることに抵抗はない様子だ
【唐揚げ食べたい】
「ミライちゃんね！よろしくな！！
てかラインやってる？(笑)ともだち申請しとくぜ♡」
(と、言いながらコロパットを取り出してフレンド申請をミライへ送る。
若干ラインチックになったのは気のせいだろう。まあ同じチャットだし変わらないね。ウンウン！
ヘラリ、と笑えば。
ミライがフレンド申請を許可したのならば、すぐに「ヨロシクな！」というメッセージが届くことだろう。)
「そりゃオメー、こんな名前の奴が居たら頭可笑しいだろ。偽名だぜ、偽名。お前もそうじゃねーか。
…やけに、ねぇ。ホントだよなァ……確かにクラスで修学旅行中だったのはそうだけどナ。」
(と、知らないフリ。
無知なまま、ただただバカンスを楽しんでいる人間の真似。
バレても困ることはないが。一応、隠しておこう。尋ねられるまでは、ソッとしておこう。
"9thと名乗った彼女から教えられたことが、本当という確信が持てるまで。"────なんて、尤もらしい理由を掲げて。
本当は、"こうなるであろう"現実を見せたくないだけであるが。)
「なんか、アレらしいぜ。
交友を深めれば此処出れるらしいぜ？」
【ミライ】
「肉料理のフレンドなんて始めてだけどね」
なんて軽口を叩きながらフレンド申請を許可。流れる手つきで電球4個とスコップをカートに入れようとする。現在拠点にしている山小屋の雪かき用と、切れそうな電球の替えである。
「アッハッハ！確かにそうだ！私も偽名だし人のことは言えねェわな」
「予定変更が突然だったけどヨ、雪国でバカンスも悪くないよな?」
口ではこんな事をしているが、本当は現状の異質さを薄々勘付いていた。明らかに変異した身体、いきなり飛ばされた雪国。偽名ばかりのクラスメイト───。悪い予感が当たらなければいいのだが。ミライはそう願うばかりであった
「親睦を深めれば脱出ぅ?」「レクリエーション的な催しなのかねぇコレ。今時トリックで色々出来そうだし、まあり得ない話じゃないよな」
（信憑性は…正直薄かった。こんな胡散臭い──名前を竜田揚げだか素揚げだとかいう──奴から聞いた話でなければ信じただろうか。いや、それも怪しい。そもそも親睦を深めて云々というルールは誰が決めたんだよ？正式に行事でそうなら、こんなサバイバルじみたことをしなくても良いんじゃないのか。誰かルール説明してもいいんじゃないのか?）
そこでミライは思い立ち、素揚げ（さつま揚げだったかも）に直接聞いてみることに決めたのだった。
「──てかさァ、そのルールって素揚げくんは誰から聞いたのサ?」
極めてフランクなノリでさつま揚げ君の肩に手を回し、グイっと引き寄せようと試みる。ここだけの話でさ、といった雰囲気で。
【唐揚げ食べたい】
「悪くないね。白いからちょっと目チカチカするけどな。
それなりに楽しんでるぜ、俺は。」
(なーんて言って、ヘラヘラ笑う。
もう楽しむ予定なんざ無いが、バカらしく遊んでるって言った方が色々と映えるもの。
まあ、何に対してかなんて分からないが。
嗚呼、なんかまだ話が続いてるみたいだ。
と、適当に彼女の話を聞き。そこまで話に耳を傾けているわけじゃないが。
まあ、彼女は一考の価値あり。俺みたいなバカな人間に比べて、ちゃんと物事を考えていると見た。
─────まあ、その"バカ"ってのも演技かもしれないがな。
そんな話は、今はいい。次の質問が大事、か？)
「…よっ…と、フゥー…危ねぇ危ねぇ。
で？どこで聞いたって？
そりゃアナウンスだよ。お前も聞いただろ？聞いてないのかァ？結構な音量で流れてだと思うけどねぇ。
ただ、まぁ…"信憑性に欠ける"ってのはその通りだと思うぜ。」
(引き寄せようとした彼女の腕を、しゃがみ込み避ければ。"危ねえ"と一言付けてヘラリと笑っていた。
言い出したのはソースも何もない何処かの人じゃない。恐らくこの雪山に俺たちを連れてきた人物だ。
そして彼女の"情報の出所を尋ねる"点。…そこから、信用を得ていないと考えるのは容易である。
だから、信憑性が無い。
彼女がアナウンスを知っていても知らなくても、信憑性が薄いのは確か。
俺の言ったことなんか信用しないだろうし、自分もあのアナウンスなんか信用していない。
はなから全部フェイクだ、と考える方が簡単だ。)
「嗚呼、もう一つ言っておくと。
…多分、この後何か起こると思うぜ。確定事項じゃ無いが、な。
死なない準備でもしながらバカンスしようぜ！って話よ。俺が言いたいのは最初からそれだけ。」
【ミライ】
「なんだよ連れないねェ…
アナウンスか。いや、聞いてないね。間が悪かったみたいでね」
肩に腕を回せないことを悔しそうにしながら、ミライは考えを改めた。意外にこの素揚げとかいう奴は頭が回るらしい。情報源を聞いただけでこっちが信憑性を疑ってる事をすぐ理解したし、むやたらな接触も嫌がると来た。
「奇遇だね、私も思ってるよ」
「これから何か起こるだろう、ってネ。
まァ、とりあえず“楽しんどこう”って考えには同感。それこそ──何かあっても悔いないようにね」
たとえこの釜揚げうどん君の言うことが全て直感由来のものであっても、こういう奴の勘はよく効くのだ。それだけでも一考の価値ありと判断した。
【唐揚げ食べたい】
「へへ、お触り厳禁だぜ？」
(なんて、憎たらしげに呟けば。
ミライの方を向いたまま、少しずつ後ろへ下がり。警戒とかそういうわけでもなく、言うなれば観察か。
嗚呼、意外と。
…──────彼女には、注意が必要だなと。
"賢い"てのは、嫌いなもんで。
だから、こうしてバカな人間を演っているわけだが。
…いいや、これが演技とは言ってないぜ？
"バカな人間を演じている賢い人間の真似をしたバカ"かもしれないからな。…なんて、ね。)
「ふーん、じゃあ俺と同じ考えな訳か。
んじゃ…精々、余生生きようぜ。
…─────マッ、とか言って死なねーかもしれねーけどな！
そん時は笑ってくれよ、ミライちゃん。」
(確信が持てないようじゃ、何とでも言える。
自分が思ってるもんじゃなくて、もしかしたら本当に交友を深めれば抜け出せるかもしれないし。…人狼ゲームなんかじゃなくて、問答無用でプレス機にかけられて死ぬかもしれない。
総じて言えるのは。
この場所にいることに対して嫌な気はしないな、と。
なんてね。怖いし、出来るなら元の世界に帰りたいけど。
…でも、一度きりの人生だから。楽しまなきゃね。
そんなことを思いながら、ミライから静かに離れようとするのだ。)
「じゃ、そろそろ俺は別んとこに行こうかな。
何かあったら個別チャットによろしく頼むよ。」
【ミライ】
「物腰に比べて食えない奴だねアンタ。
……結構嫌いだよ」
ズバリど直球、歯に衣着せぬ言い方でテン揚げ君をdisる。彼から言葉を借りるなら、『注意が必要』なのはこちらも同じだった。
（このフロアブチ揚げ君は……見かけバカのようだが、アホじゃないね。あきらかに“回る”人種。）
（今がどんな盤面なのか正直不明瞭だけど…どうあれ、敵になると苦労しそうだ）
（──そう、お互いにね。)
「いいよォ、約束してあげる。生きて再会できたら盛大にアンタを笑ってあげるヨ」
ニヤリ、口角をあげる。
自分とこの揚げ足君の考えがアタリなら、今後は友好関係って奴がキーになるはずだ。正直不得手だけど、とりあえず面識を増やさなきゃね。ピエロやすっとんきょうなアゲ揚げ君もいいけど、もっと“やりやすい”奴と知り合いになりたいもんさ
「奇遇だね、私もそろそろいこうと思ってたよ」「……まァ、何かが無いことを祈るヨ」
そういって、両者共に背を向ける形に進もうとした
【ミライ】
【西エリア・ショッピングモール】
スキーウェアに桃色髪の女——名前はミライといった——は、ショッピングモール内にある服屋を物色していた。女性用下着のブースでストッキングとワイヤー入りブラを購入したミライは、今度はユニセックスのブースに立ち寄った。
「これ…じゃないなァ」
目当てのものは見つからないようだ。中身はどうあれ側から見れば、中々整った容姿であるため、ナンパが来てもおかしくないくらいだった
【唐揚げ食べたい】
「ハァイ、ジョージィ…」
(ヌッ！とミライの真後ろに突如として現れたのは男にしては身長が小さめな唐揚げくん。
服は特に興味もなく、謎の使命感からここに着てからはメンズ服しか着ていない為このブースに彼が居る理由などない。全くない。
じゃあ何故ここに居るか？
答えは単純。
…─────そこに人が居たから、である。)
「チーッスチッスチッス！よっ、お前此処で何してんだ？そんでお前誰だ？
俺は"唐揚げ食べたい"ってんだぜ！唐揚げくんって呼んでくれよな！」
(と、ベラベラ。
勝手に話しかけ勝手に質問をして勝手に自己紹介をする。
覚えてもらおうなどどうでも良いが、交流の為。
変に名を隠すより自分から名乗ったほうが印象が良い上、こんな訳分からん場所なのだから交友関係は出来るだけ広い方がいい。
ほら、ね？唐揚げくん頭いいでしょ？
え？悪い？
…勝手にそう思っておけ(目逸らし)。)
【ミライ】
「………(訝しむジョージィの顔)」
ペニーワイズの出現に思わず黄色いカッパの少年顔をしてしまうミライ。とっさにネタをネタで返すあたり、ネットスラングに詳しいのかもしれない。ややあって、
「すっとんきょうな名前してんねぇ。唐揚げくん?だっけ?」「ずいぶん回る口だなぁ。潤滑油でも塗ってる? 油で唇テカってない?大丈夫?」
いきなり持ちかけられたマシンガントークにこちらも早口に返す。マシンガントークにはマシンガントークを持って制するが吉なのだ
「あーでもアタシ竜田揚げのが好きなんだわ。竜田揚げ君って呼ぶね」
漢字多めでゴツゴツ感が竜田揚げっぽいでしょ、と意味不明な言葉を加えて、近くにあった白いマフラーを手に取る。喋りながらもショッピングは止めない模様
【唐揚げ食べたい】
「う〜ん、残念！w
悪いけど油は塗ってねぇ〜な〜〜！！
あ、でも今から油取りに行く予定だから塗ることになるかもなァ、…なんてなァ！」
(と、ちゃっかり否定。
油塗ってテッカテカにしてたら引く。そういう人を見かけてもバカにはしないが素直に引く。流石の唐揚げくんも許容範囲外。
相手がマシンガントークして居るのに反して、彼はゆったり喋っている。無駄な対抗心というか、反比例してるのかな？)
「おい！！！！
俺は唐揚げだぜェ！！竜田揚げじゃねーっつーの！！！まァ竜田揚げも好きだけど！！！」
(彼は唐揚げが好きなだけではなく。…そう、肉料理全般好きなのだ！！フゥーハハハハ！！！
…と、いうことで。竜田揚げでも別にいい。唐揚げだけどね。
というか、もうローストビーフとかでもいい。唐揚げだけどね。)
「で、お前誰だよ！"海神学園"の人間か？
偽名で良いから名前教えてくれよな！」
【ミライ】
「英語で言うなら、MにIにRにAにIって書いて、ローマ字読みで”ミライ”ってモンだよ私ゃ」
英語でいう必要があったのかは分からないが、どうもご丁寧にローマ字読みまで教えてくれた。親切！やったね！！
「アンタも海神学園の人？竜田揚げ君なんて名前の同級生いたかなｧ」
「しかしやけに同級生に会うなぁ。同窓会でもやってんの?まだ卒業もしてないんだけど」
まぁ別にいいけどサ、そう言ってカートを押しながら服屋から併設の雑貨屋へ移動しようとする。別に付いてくることに抵抗はない様子だ
【唐揚げ食べたい】
「ミライちゃんね！よろしくな！！
てかラインやってる？(笑)ともだち申請しとくぜ♡」
(と、言いながらコロパットを取り出してフレンド申請をミライへ送る。
若干ラインチックになったのは気のせいだろう。まあ同じチャットだし変わらないね。ウンウン！
ヘラリ、と笑えば。
ミライがフレンド申請を許可したのならば、すぐに「ヨロシクな！」というメッセージが届くことだろう。)
「そりゃオメー、こんな名前の奴が居たら頭可笑しいだろ。偽名だぜ、偽名。お前もそうじゃねーか。
…やけに、ねぇ。ホントだよなァ……確かにクラスで修学旅行中だったのはそうだけどナ。」
(と、知らないフリ。
無知なまま、ただただバカンスを楽しんでいる人間の真似。
バレても困ることはないが。一応、隠しておこう。尋ねられるまでは、ソッとしておこう。
"9thと名乗った彼女から教えられたことが、本当という確信が持てるまで。"────なんて、尤もらしい理由を掲げて。
本当は、"こうなるであろう"現実を見せたくないだけであるが。)
「なんか、アレらしいぜ。
交友を深めれば此処出れるらしいぜ？」
【ミライ】
「肉料理のフレンドなんて始めてだけどね」
なんて軽口を叩きながらフレンド申請を許可。流れる手つきで電球4個とスコップをカートに入れようとする。現在拠点にしている山小屋の雪かき用と、切れそうな電球の替えである。
「アッハッハ！確かにそうだ！私も偽名だし人のことは言えねェわな」
「予定変更が突然だったけどヨ、雪国でバカンスも悪くないよな?」
口ではこんな事をしているが、本当は現状の異質さを薄々勘付いていた。明らかに変異した身体、いきなり飛ばされた雪国。偽名ばかりのクラスメイト───。悪い予感が当たらなければいいのだが。ミライはそう願うばかりであった
「親睦を深めれば脱出ぅ?」「レクリエーション的な催しなのかねぇコレ。今時トリックで色々出来そうだし、まあり得ない話じゃないよな」
（信憑性は…正直薄かった。こんな胡散臭い──名前を竜田揚げだか素揚げだとかいう──奴から聞いた話でなければ信じただろうか。いや、それも怪しい。そもそも親睦を深めて云々というルールは誰が決めたんだよ？正式に行事でそうなら、こんなサバイバルじみたことをしなくても良いんじゃないのか。誰かルール説明してもいいんじゃないのか?）
そこでミライは思い立ち、素揚げ（さつま揚げだったかも）に直接聞いてみることに決めたのだった。
「──てかさァ、そのルールって素揚げくんは誰から聞いたのサ?」
極めてフランクなノリでさつま揚げ君の肩に手を回し、グイっと引き寄せようと試みる。ここだけの話でさ、といった雰囲気で。
【唐揚げ食べたい】
「悪くないね。白いからちょっと目チカチカするけどな。
それなりに楽しんでるぜ、俺は。」
(なーんて言って、ヘラヘラ笑う。
もう楽しむ予定なんざ無いが、バカらしく遊んでるって言った方が色々と映えるもの。
まあ、何に対してかなんて分からないが。
嗚呼、なんかまだ話が続いてるみたいだ。
と、適当に彼女の話を聞き。そこまで話に耳を傾けているわけじゃないが。
まあ、彼女は一考の価値あり。俺みたいなバカな人間に比べて、ちゃんと物事を考えていると見た。
─────まあ、その"バカ"ってのも演技かもしれないがな。
そんな話は、今はいい。次の質問が大事、か？)
「…よっ…と、フゥー…危ねぇ危ねぇ。
で？どこで聞いたって？
そりゃアナウンスだよ。お前も聞いただろ？聞いてないのかァ？結構な音量で流れてだと思うけどねぇ。
ただ、まぁ…"信憑性に欠ける"ってのはその通りだと思うぜ。」
(引き寄せようとした彼女の腕を、しゃがみ込み避ければ。"危ねえ"と一言付けてヘラリと笑っていた。
言い出したのはソースも何もない何処かの人じゃない。恐らくこの雪山に俺たちを連れてきた人物だ。
そして彼女の"情報の出所を尋ねる"点。…そこから、信用を得ていないと考えるのは容易である。
だから、信憑性が無い。
彼女がアナウンスを知っていても知らなくても、信憑性が薄いのは確か。
俺の言ったことなんか信用しないだろうし、自分もあのアナウンスなんか信用していない。
はなから全部フェイクだ、と考える方が簡単だ。)
「嗚呼、もう一つ言っておくと。
…多分、この後何か起こると思うぜ。確定事項じゃ無いが、な。
死なない準備でもしながらバカンスしようぜ！って話よ。俺が言いたいのは最初からそれだけ。」
【ミライ】
「なんだよ連れないねェ…
アナウンスか。いや、聞いてないね。間が悪かったみたいでね」
肩に腕を回せないことを悔しそうにしながら、ミライは考えを改めた。意外にこの素揚げとかいう奴は頭が回るらしい。情報源を聞いただけでこっちが信憑性を疑ってる事をすぐ理解したし、むやたらな接触も嫌がると来た。
「奇遇だね、私も思ってるよ」
「これから何か起こるだろう、ってネ。
まァ、とりあえず“楽しんどこう”って考えには同感。それこそ──何かあっても悔いないようにね」
たとえこの釜揚げうどん君の言うことが全て直感由来のものであっても、こういう奴の勘はよく効くのだ。それだけでも一考の価値ありと判断した。
【唐揚げ食べたい】
「へへ、お触り厳禁だぜ？」
(なんて、憎たらしげに呟けば。
ミライの方を向いたまま、少しずつ後ろへ下がり。警戒とかそういうわけでもなく、言うなれば観察か。
嗚呼、意外と。
…──────彼女には、注意が必要だなと。
"賢い"てのは、嫌いなもんで。
だから、こうしてバカな人間を演っているわけだが。
…いいや、これが演技とは言ってないぜ？
"バカな人間を演じている賢い人間の真似をしたバカ"かもしれないからな。…なんて、ね。)
「ふーん、じゃあ俺と同じ考えな訳か。
んじゃ…精々、余生生きようぜ。
…─────マッ、とか言って死なねーかもしれねーけどな！
そん時は笑ってくれよ、ミライちゃん。」
(確信が持てないようじゃ、何とでも言える。
自分が思ってるもんじゃなくて、もしかしたら本当に交友を深めれば抜け出せるかもしれないし。…人狼ゲームなんかじゃなくて、問答無用でプレス機にかけられて死ぬかもしれない。
総じて言えるのは。
この場所にいることに対して嫌な気はしないな、と。
なんてね。怖いし、出来るなら元の世界に帰りたいけど。
…でも、一度きりの人生だから。楽しまなきゃね。
そんなことを思いながら、ミライから静かに離れようとするのだ。)
「じゃ、そろそろ俺は別んとこに行こうかな。
何かあったら個別チャットによろしく頼むよ。」
【ミライ】
「物腰に比べて食えない奴だねアンタ。
……結構嫌いだよ」
ズバリど直球、歯に衣着せぬ言い方でテン揚げ君をdisる。彼から言葉を借りるなら、『注意が必要』なのはこちらも同じだった。
（このフロアブチ揚げ君は……見かけバカのようだが、アホじゃないね。あきらかに“回る”人種。）
（今がどんな盤面なのか正直不明瞭だけど…どうあれ、敵になると苦労しそうだ）
（──そう、お互いにね。)
「いいよォ、約束してあげる。生きて再会できたら盛大にアンタを笑ってあげるヨ」
ニヤリ、口角をあげる。
自分とこの揚げ足君の考えがアタリなら、今後は友好関係って奴がキーになるはずだ。正直不得手だけど、とりあえず面識を増やさなきゃね。ピエロやすっとんきょうなアゲ揚げ君もいいけど、もっと“やりやすい”奴と知り合いになりたいもんさ
「奇遇だね、私もそろそろいこうと思ってたよ」「……まァ、何かが無いことを祈るヨ」
そういって、両者共に背を向ける形に進もうとした
食卓と自分騙しの妄想 18th-23rd
唐揚げ食べたい(18th)-海月(23rd)
【海月】
ホテル一階に併設されているレストランの、割と真ん中な方の席。
そこで料理を待つ少女。
オレだって正直ここまで何も食べてないし、ショッピングモールまで寄るには遠いし。何より品揃えを知っているからレストランの方が安心だよね！
…一人で食べるっていうのも変な話かな？正直、大人数で何かをするってあまりやったことないから分からないけど。
あ、でも人には会ってみたいかも。出来れば顔馴染みじゃない人ね。
特にこころちゃんとか梨のヤツとか6番の子とかには会いたくないなぁ。
【唐揚げ食べたい】
(唐揚げはこの前食ったんだけど。そして今唐揚げを作ろうとしてるんだけど。
ちょっと、我慢できなかったもんで。レストランに来てしまった。
唐揚げ食べたい、とは書いたが。流石にずっと唐揚げは飽き…ないけど、別の味も食べたいのは確か。
なので唐揚げ(塩味)を注文した。)
「……………おっ…？」
(どの席に座ろうか、なんて考えていたら。此処の人間ではなさそうな───…所謂"俺と同じ"ような人間を見つけたので、反射的に声を出してしまった。
友好関係。
会話。
うん、近くの席に座ろう。…そう思い、隣のテーブルの席に腰掛けた。)
【海月】
「…ん？お、やっほー！見ない顔だね？」
レストランに入ってきた時点で気づいてはいたのだけれど、鋭すぎる事を露呈させてもよくないし、わざわざ近づいてきてくれたので話すタイミングも出来た。
相手もこちらに来たってことは話すのが目的だろうし、声を掛けるのはあながち間違いじゃないでしょ？
「キミも連れてこられた人、かな？コロパッドはちょくちょく見てるけど、やっぱりたくさん連れてこられてるんだねー。
ああ、そうだ！自己紹介からだよね？名前名前！教えて！」
【唐揚げ食べたい】
「チーッス…うむ、連れてこられたって言ったらいいのかな。まあ、大体御察しの経緯だと思うぜ。
…───俺か？俺は"唐揚げ食べたい"っつーんだ！ヨロシクな！
で、お前は？名前なんて言うんだ？」
(と、聞かれた通り自己紹介。
自己紹介しないのは怪しいし、何より交流の輪を広げるためには自己紹介は必要だ。…痴漢者と会ったときしてないけど。まだ来たばかりだったからね仕方ない。
当然のようにテンプレと化した言葉を言い、当然のように彼女へ名前を聞き返した。)
「お前は海神学園っつーのの関係者か？」
(そして、追い質問。
十中八九そうだ。本名が公開された今、此処に居るのは全員クラスメイトであることは確定している。
然し、相手がすっとぼけて嘘をついたとしたら？───それはもうなんて言うか、バカでも分かる。其奴すっげえ怪しい。
なんて、考えて。
本当は別に、彼女が生徒かどうかなんてどうだっていいけど。
所詮、後付けである。)
【海月】
「お察しの経緯かぁ。まあ、そうだよね！……オレは海月って呼んでよ、よろしく！」
何とも言えない気分。
理由？キミの名前にでも聞いてみたら？キミたちもうちょっと食欲を抑える事を学んできたらどうなの？
まあいいや。唐揚げちゃんって呼んでおこ。
…で、海神学園の名前をすーぐにそうやって出してくるか。
バカっぽい顔してるしそんなに考えてなさそうなんだけれど。見た目判断は禁物だよね！
正直、"放送"で明言されている以上、フェルナちゃんとかみかんさんに使ったような手段はムリ。
って言うなら、まあ、騙す必要もないかなぁなんて。
「んー？そういう聞き方してくる、ってことは、キミもそうなんだね？
いやー、愉しみだよね！学校ぐるみの行事か何かだったりするのかな？
この後何が起こるのか、ワクワクが止らないって感じなんだけどさ。キミはどうー？唐揚げちゃん！」
まあ、バカかどうかなんてこの返答次第で決まって欲しいけど。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ、海月ちゃんか〜！改めてヨロシクな！」
(と、返事をして。
飯を待ち侘びているからなのかは分からないが、"フレンド登録"の類の一連の流れを完全に忘れているようで。
ニコニコ、と。取り敢えず笑っとけ精神。ほら、バカってよく笑ってる印象あるでしょ。(偏見))
「…へへ、どうかナ。もしかしたら学園の名前を知ってる別の人間かもしれないぜ？……なんてな！同じだよ、同じ。
え？この後？俺もワックワクが止まらないぜ！
ドキッ☆偽名だらけのビンゴゲーム大会！とかやるんじゃねーか？…ってな！ナハハ！」
(一先ず此処は、"人狼ゲーム紛いなこと"がこの後起こるであろう事は知らないことにしておこう。
バカなフリをしておこう。…とか言って、本当はフリじゃなくて本当にバカかもしれないけど。
まあ、"ゲーム"なのは合ってるから。
命懸けのゲーム"もどき"なんざしたくないが。
…取り敢えず、知らないテイで。
嘘がバレても、それはそれで問題は無い。
此処は一つ、適当な質問を送っておこう。)
「海月ちゃんは"この後何が起こればいいなー！"とか、希望あるか？」
【海月】
単純なのか、装っているのか、装っているフリをしているだけなのか。
コイントスをしているような気分になるからこういう思考はあまりしたくないのだけどね。
ゲエムを愉しみにしているっていうのは本当に見える。どういう意図かは分からないけど。
…オレが、何が起こればいいか、か。
まあ、オレも一端の健全で一般的な感性を持つ高校生だから！
"ゲエム"が起きて欲しいって事には同意だよね。
「この後、何が起こればいいなー、っていう希望かぁ。
"普通じゃ起こらないようなコト"とか？
例えば仲良しこよしのクラスメイトが集められて。
例えばそのクラスメイト同士が名前を知られてはいけないなんていう制限を付けられて。
例えば名前が知られたら死んじゃうなんていうルールに縛られて。
例えば、その中で"自分の命を懸けたゲエム"をして。…なんて、ね？普通じゃ起こらないでしょ？」
本心がどうあれ。オレがゲエムを望んでいるのは事実ってコト。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ、"普通じゃ起こらないようなコト"…か。
俺もそれ、面白いと思うぜ。…へへ、なんてな。」
(嗚呼、コイツは。…───ゲームの為に、命を簡単に賭けれるタチか。面白ければいいっていう、そんな狂人思考。
俺には出来ないな、そんなマネは。たかがゲームで、殺し合い。"ゲーム上"の人狼ならまだしも、"人生上"での人狼。…いろんな意味で「苦手」その一言に尽きる。
まあ、全て演技でフェイクかもしれないけど。
彼女が"普通じゃ無いことを望んでいる人間の演技"をしているかもしれないし、俺が"ゲーム如きに命なんか賭けれない人間の演技"をしているかもしれない。
こうやって疑心暗鬼に蝕まれていくのは、悪い癖か。ここまで来て、"この"思考を放棄した。)
「まァ、でも…確かにそりゃ。…普通の場で起こったら大惨事だナ。
でも命、命かー…。今現在確かに、"本名がバレたら死"ってルールがあったよな。
もしかしたらそれ、強ち間違いじゃないかもしれないぜ。」
【海月】
"面白いと思う"ねぇ。そんなコトを言ってくるようなタチには見えてこないのだけれど。
彼が本心で何を考えてくるのかはこちらからは読めないけどね。それこそ、いつしかに言ったようなモノ。
「っはは。普通の場で起こったら大惨事…だからこういう場があって、そこにオレらは連れてこられた。そう捉えることも出来る。
それに、"そのルールがあるから"って点で考えた案だしね。放送ではあんなこと言ってたけど。
次、何を言ってくるのか。どんなルールを提示してくるのか。推理できるのは今だけでしょ？」
今しか考えられないからこそ、今も楽しむ。
ゲエムが開催されたなら、そのゲエムを愉しむ。何て合理的な思考だと思わない？
"普通の人間"なら、コロシアイなんて、命がけのゲームなんてと言うに違いないだろうけれど。
直近では撫子ちゃんがそういうタイプだったかな？
でも、そんなのつまらないじゃないか。
ゲエムは遊戯。娯楽。楽しむ為のモノだし、楽しませる為のモノだ。"参加者"は死にもの狂いで楽しむ権利を有しているし、"主催者"はその参加者を操ることが出来る。
愉しめるなら、愉しまないと。
「キミは、"もしそういうゲエムが本当に起こったら"…どうする？」
【唐揚げ食べたい】
「まァ、確かになぁ。
推理出来る間に、推理しないとね。」
(と、当たり障りのない短い返事。
自分の意見を言うでもなく、ただ相手の言葉を聞くだけ。
自分の言葉を余り相手に聞いてほしくない…なんてわけじゃないが、言葉が思いつかなかった。
それだけ。
推理、とか。予測、とか。
そういうの、ちょっと苦手なもんで。
でも"それ"を楽しめる間に楽しみたいってのは、彼女も同じかな？)
「"もしも"か。
そうだね…本音としては。…まあ、その時は────…ゲームを楽しまなきゃ、だよナ。
…でも、本当になったら楽しむも何もなさそうだけど。俺みたいなビビリは特にな。」
(嗚呼、本音。これは本音だ。……ってのも、演技かもね。
一つだけ言うなら、楽しみたいってのは本当だ。
どんなゲームでも、ゲームでありゲームでしかないのだから。
命を賭けるのは、嫌いだけど。
命は、大切だから。"どれだけ辛くても"ね。
"なんちゃって"
もう、誰が本当かも分からない。誰の心が真実で、誰の心が嘘なのか。
疑心暗鬼、人間不信。自分すら信じられなくなりそうだ。
だから、平穏を保つ為に。少しでも面白そうだな、なんて思ったら。)
「……なぁ、フレンド申請してもいいか？」
(と、言うことにした。今、決めた。)
【海月】
差し当たりのない。特別の字もない。図らずなのか、それとも意図してなのか、言葉を選んでいる感覚がする。
ゲームを楽しみたいと言うのは、彼も同じなのだろうけれど。
"普通"は、命も惜しいし、実現したら何も出来ないだろうし、恐怖で竦んで足も動かないのだろう。
オレでも容易に想像できる。
だったら何なのか。
相手の真意なんて読み取れはしないけれど、なーんか、"オレと同じ"匂いがするんだよね。
自分の思考でさえ、どれが真実か、どれが嘘か分からなそうな。それは、いつのオレと同じなんだっけ？
他人が信じられない。自分が信じられない。"嘘""真実"何が正解なのかも分からない。
まるで山彦のように応答を繰り返すだけの、けれど頭の中は疑心でいっぱいの。びっくり箱？
「うん、いいよ！いつでも連絡してよ。
…相談相手にも、信用できる相棒にもなるつもりはないけれど、狂言回しなら聴かせてあげられるよ？」
何であれ、人を知る唯一の手段は"言葉"だ。何よりも相手を読み取ることが出来る。
だから、連絡はしておきたい。よね。
【唐揚げ食べたい】
「……おう！狂言回しは興味ないが、何かあったら連絡させてもらうぜッ☆彡」
(と、気の緩い返事。先程の不穏なオーラはどこへ言ったのやら。
コロパットを取り出して、フレンド申請。登録されたならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが来ることだろう。
業務的な作業。其処には何の感情もなく、ただ"フレンド登録しなきゃ…！"みたいな使命感だけ。
いや、まあ。…仲間は増やしときたい、というのはあるけど。
どうせ、彼女は仲間にはなってくれないだろうから。
そして、俺も。)
「なんか、お前とはちょっと似てる気がするぜ。」
(そんな、突拍子も無いことを呟き。
何が似てるとか、何が似てないとか、そんな細かいことはどうでもよく。言葉を添えるとしたら、"何となくのオーラ"くらいにしか言い表せない。
だって、別に。
そんなに似てるなんて思ってないもの。
本当の心は、分かっているつもりだが。どこか、疑っているような。そんな感じ。
一応、自分の心までは偽り演技出来ないつもり。
"つもり"なんて、信用出来ないけど。
嗚呼、そろそろ。料理が運ばれて来る頃かな。)
【海月】
「興味ないなんて真正面から言われると悲しいなぁ！ヒドいコトばっか言ってると女の子からは嫌われたりするものなんだよ〜？」
とか、茶化してみたり。
フレンド登録なんて便宜はしているけれど、どうせ、形だけなのだろう。優しいから、言わないでおくけどさ。
"何かあったら"なんてのは遅いってのも、随分よくわかってそうな人間なんだけれどね。
「ふーん…？似てる気がする、ねえ。オレ、別にキミとはそんな似てないと思うよ？
ほら、オレってこーゆう性格だからさ！ヒトの不幸は蜜の味、みたいな？」
そういう性格だからなんだと言うのか。コイツがそういう性格ではない証拠でもあるのか。
…別に、ないけれど。言ってみたかっただけ、だったり。
自分の心なんてそんなものだ。騙そうと思えば、すぐに騙せるし。騙せない時もある。
騙されてコロコロ気持ちが変わっていくのが、人間なのだから。
ああ、今、オレは上手く騙せているだろうか？誰を、とは、言えないけれど。
「…あ、そうだ！そろそろ料理届くんじゃないの？キミも何か注文してるんでしょ。
オレはねー、こんな寒い中だしトマトシチュー頼んであるんだけど、唐揚げちゃんは何にしたの？唐揚げ？」
…こういう思考をしていると頭が痛くなってくるから、突拍子もない話題にすり替えてみたり。
正直、もう、腹は減っていないのだけれど。言っておいた方がいい気がした。
【唐揚げ食べたい】
「ハハ、ごめんな。」
(思ってもない謝罪を呟いて、ケラケラと笑う。
コロパットを暫く眺め、そして仕舞って。…フレンド登録したとはいえ、使う時なんてないんだろうな。
嗚呼、いや。あるかも。そういう決意とか、すぐ揺らぐタチだから。
どうせ、何か思った時には時既に遅いし。そういう人間だから。)
「へぇ、じゃ。…やっぱ俺とは違うかもナ。」
(ヘラリとして嘯いてみせた。
確かに違う。彼女とは、決定的に。根本っていうのか、そういうの。
だって他人の不幸とか、どうでも良い。自分が楽しければ満足だから、他人の不幸まで手が回せないから。
これも演技かもね。
だなんて、お決まりの事を思って。演技とかそういうのは、あのお姉さんに似たのかな。)
「俺？唐揚げだよ！醤油で味付けされた奴を前買ったから、今回は塩味だぜ。
トマトシチューか…それも美味そうだなァ…」
(じゅるり、と。やっぱ食べ物の話をしたらお腹が空く。
話題の転換は、別に気にしない。俺自身も、よく話を変える。
食べ物って最高だよな。嘘付かないもん。
…なんて考えてたら、料理が来た。噂をすれば何とやら、という奴か。自分が言ったように、塩味の唐揚げである。
「いただきまーす」なんて言って、食べ始めた。こんな御時世でも、相変わらず御飯は美味い。)
【海月】
オレとは違う、か。"やっぱり"そう言うか。
何がどう違うのかというのは聞かないことにしておくけれど、そう言うのなら、やはり似てないのかもしれないね。
なんて、これも嘘。かもしれないね？
ああ。こういうコトを考えると、決まって頭が痛くなる。本当に。
「やっぱりか。醤油も塩も食べて…そんなに唐揚げ食べてて飽きないの？
オレ、あんま肉食べないから良く分からないんだけどさ。」
自分の元に運ばれてきたトマトシチュー、についてきたスプーンをくるくると回しながら。
…食べないのかって？まだ熱いのに食べれるわけないじゃん！オレ猫舌なんだからね！
「ま、唐揚げに限らず、良く食べるんだろうねとは想像つくけどさ。
…食べるコトはオレも嫌いじゃないけどね！後寝ることとか。」
特に好きという感情を湧くわけでもないけれど。
でも、"そういう"時だけ、ちょっとだけ、ちょっとだけ幸せになれるから。
…なんて、これも嘘かもしれない。こんな安らぐときでも、性根は変わらないのだから。
【唐揚げ食べたい】
「飽きない…わけじゃないけどナ。別に三日間くらい全部唐揚げでも大丈夫だぜ？」
(それくらい唐揚げが好き、というやつか。一種の精神安定剤というか、別に其処までじゃないけど。
まあ、唐揚げ食べたいって名付けたのも気分だから。…そんなに、唐揚げだけあれば生きていける！ってほど好きなわけじゃない。
さて、この男。唐揚げに関しては食べるのが早い。好きだからか、大抵唐揚げに関してはお腹が空いた時に食べるからなのか。もう半分近く食べている。)
「まあ、食べるくらいしかやる事ないしな。特にこんな場所だと。…嗚呼、太ってたりはしないけどナ。ほら、今スレンダーだろ？
後。…俺も嫌いじゃないぜ、寝るの。何も考えなくて済むからナ。」
("今はスレンダー"だから、元の姿がスレンダーとは言っていない。誰かを特定されない為にも、言い方には気を付けているつもりだ。
"何も、考えなくて良い。"
これって、素敵な事だと思う。人間ってのは、ずっと考えてるから。そう、…今もね。
…まあ、別に。普段の生活が嫌いなわけじゃない。
なんてな。
これも嘘かもな、とか。何回思ったんだ、というセリフを残して。
嘘か真かとか考えることすら億劫だ。
今は食べることに集中しよう。)
【海月】
ホテル一階に併設されているレストランの、割と真ん中な方の席。
そこで料理を待つ少女。
オレだって正直ここまで何も食べてないし、ショッピングモールまで寄るには遠いし。何より品揃えを知っているからレストランの方が安心だよね！
…一人で食べるっていうのも変な話かな？正直、大人数で何かをするってあまりやったことないから分からないけど。
あ、でも人には会ってみたいかも。出来れば顔馴染みじゃない人ね。
特にこころちゃんとか梨のヤツとか6番の子とかには会いたくないなぁ。
【唐揚げ食べたい】
(唐揚げはこの前食ったんだけど。そして今唐揚げを作ろうとしてるんだけど。
ちょっと、我慢できなかったもんで。レストランに来てしまった。
唐揚げ食べたい、とは書いたが。流石にずっと唐揚げは飽き…ないけど、別の味も食べたいのは確か。
なので唐揚げ(塩味)を注文した。)
「……………おっ…？」
(どの席に座ろうか、なんて考えていたら。此処の人間ではなさそうな───…所謂"俺と同じ"ような人間を見つけたので、反射的に声を出してしまった。
友好関係。
会話。
うん、近くの席に座ろう。…そう思い、隣のテーブルの席に腰掛けた。)
【海月】
「…ん？お、やっほー！見ない顔だね？」
レストランに入ってきた時点で気づいてはいたのだけれど、鋭すぎる事を露呈させてもよくないし、わざわざ近づいてきてくれたので話すタイミングも出来た。
相手もこちらに来たってことは話すのが目的だろうし、声を掛けるのはあながち間違いじゃないでしょ？
「キミも連れてこられた人、かな？コロパッドはちょくちょく見てるけど、やっぱりたくさん連れてこられてるんだねー。
ああ、そうだ！自己紹介からだよね？名前名前！教えて！」
【唐揚げ食べたい】
「チーッス…うむ、連れてこられたって言ったらいいのかな。まあ、大体御察しの経緯だと思うぜ。
…───俺か？俺は"唐揚げ食べたい"っつーんだ！ヨロシクな！
で、お前は？名前なんて言うんだ？」
(と、聞かれた通り自己紹介。
自己紹介しないのは怪しいし、何より交流の輪を広げるためには自己紹介は必要だ。…痴漢者と会ったときしてないけど。まだ来たばかりだったからね仕方ない。
当然のようにテンプレと化した言葉を言い、当然のように彼女へ名前を聞き返した。)
「お前は海神学園っつーのの関係者か？」
(そして、追い質問。
十中八九そうだ。本名が公開された今、此処に居るのは全員クラスメイトであることは確定している。
然し、相手がすっとぼけて嘘をついたとしたら？───それはもうなんて言うか、バカでも分かる。其奴すっげえ怪しい。
なんて、考えて。
本当は別に、彼女が生徒かどうかなんてどうだっていいけど。
所詮、後付けである。)
【海月】
「お察しの経緯かぁ。まあ、そうだよね！……オレは海月って呼んでよ、よろしく！」
何とも言えない気分。
理由？キミの名前にでも聞いてみたら？キミたちもうちょっと食欲を抑える事を学んできたらどうなの？
まあいいや。唐揚げちゃんって呼んでおこ。
…で、海神学園の名前をすーぐにそうやって出してくるか。
バカっぽい顔してるしそんなに考えてなさそうなんだけれど。見た目判断は禁物だよね！
正直、"放送"で明言されている以上、フェルナちゃんとかみかんさんに使ったような手段はムリ。
って言うなら、まあ、騙す必要もないかなぁなんて。
「んー？そういう聞き方してくる、ってことは、キミもそうなんだね？
いやー、愉しみだよね！学校ぐるみの行事か何かだったりするのかな？
この後何が起こるのか、ワクワクが止らないって感じなんだけどさ。キミはどうー？唐揚げちゃん！」
まあ、バカかどうかなんてこの返答次第で決まって欲しいけど。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ、海月ちゃんか〜！改めてヨロシクな！」
(と、返事をして。
飯を待ち侘びているからなのかは分からないが、"フレンド登録"の類の一連の流れを完全に忘れているようで。
ニコニコ、と。取り敢えず笑っとけ精神。ほら、バカってよく笑ってる印象あるでしょ。(偏見))
「…へへ、どうかナ。もしかしたら学園の名前を知ってる別の人間かもしれないぜ？……なんてな！同じだよ、同じ。
え？この後？俺もワックワクが止まらないぜ！
ドキッ☆偽名だらけのビンゴゲーム大会！とかやるんじゃねーか？…ってな！ナハハ！」
(一先ず此処は、"人狼ゲーム紛いなこと"がこの後起こるであろう事は知らないことにしておこう。
バカなフリをしておこう。…とか言って、本当はフリじゃなくて本当にバカかもしれないけど。
まあ、"ゲーム"なのは合ってるから。
命懸けのゲーム"もどき"なんざしたくないが。
…取り敢えず、知らないテイで。
嘘がバレても、それはそれで問題は無い。
此処は一つ、適当な質問を送っておこう。)
「海月ちゃんは"この後何が起こればいいなー！"とか、希望あるか？」
【海月】
単純なのか、装っているのか、装っているフリをしているだけなのか。
コイントスをしているような気分になるからこういう思考はあまりしたくないのだけどね。
ゲエムを愉しみにしているっていうのは本当に見える。どういう意図かは分からないけど。
…オレが、何が起こればいいか、か。
まあ、オレも一端の健全で一般的な感性を持つ高校生だから！
"ゲエム"が起きて欲しいって事には同意だよね。
「この後、何が起こればいいなー、っていう希望かぁ。
"普通じゃ起こらないようなコト"とか？
例えば仲良しこよしのクラスメイトが集められて。
例えばそのクラスメイト同士が名前を知られてはいけないなんていう制限を付けられて。
例えば名前が知られたら死んじゃうなんていうルールに縛られて。
例えば、その中で"自分の命を懸けたゲエム"をして。…なんて、ね？普通じゃ起こらないでしょ？」
本心がどうあれ。オレがゲエムを望んでいるのは事実ってコト。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ、"普通じゃ起こらないようなコト"…か。
俺もそれ、面白いと思うぜ。…へへ、なんてな。」
(嗚呼、コイツは。…───ゲームの為に、命を簡単に賭けれるタチか。面白ければいいっていう、そんな狂人思考。
俺には出来ないな、そんなマネは。たかがゲームで、殺し合い。"ゲーム上"の人狼ならまだしも、"人生上"での人狼。…いろんな意味で「苦手」その一言に尽きる。
まあ、全て演技でフェイクかもしれないけど。
彼女が"普通じゃ無いことを望んでいる人間の演技"をしているかもしれないし、俺が"ゲーム如きに命なんか賭けれない人間の演技"をしているかもしれない。
こうやって疑心暗鬼に蝕まれていくのは、悪い癖か。ここまで来て、"この"思考を放棄した。)
「まァ、でも…確かにそりゃ。…普通の場で起こったら大惨事だナ。
でも命、命かー…。今現在確かに、"本名がバレたら死"ってルールがあったよな。
もしかしたらそれ、強ち間違いじゃないかもしれないぜ。」
【海月】
"面白いと思う"ねぇ。そんなコトを言ってくるようなタチには見えてこないのだけれど。
彼が本心で何を考えてくるのかはこちらからは読めないけどね。それこそ、いつしかに言ったようなモノ。
「っはは。普通の場で起こったら大惨事…だからこういう場があって、そこにオレらは連れてこられた。そう捉えることも出来る。
それに、"そのルールがあるから"って点で考えた案だしね。放送ではあんなこと言ってたけど。
次、何を言ってくるのか。どんなルールを提示してくるのか。推理できるのは今だけでしょ？」
今しか考えられないからこそ、今も楽しむ。
ゲエムが開催されたなら、そのゲエムを愉しむ。何て合理的な思考だと思わない？
"普通の人間"なら、コロシアイなんて、命がけのゲームなんてと言うに違いないだろうけれど。
直近では撫子ちゃんがそういうタイプだったかな？
でも、そんなのつまらないじゃないか。
ゲエムは遊戯。娯楽。楽しむ為のモノだし、楽しませる為のモノだ。"参加者"は死にもの狂いで楽しむ権利を有しているし、"主催者"はその参加者を操ることが出来る。
愉しめるなら、愉しまないと。
「キミは、"もしそういうゲエムが本当に起こったら"…どうする？」
【唐揚げ食べたい】
「まァ、確かになぁ。
推理出来る間に、推理しないとね。」
(と、当たり障りのない短い返事。
自分の意見を言うでもなく、ただ相手の言葉を聞くだけ。
自分の言葉を余り相手に聞いてほしくない…なんてわけじゃないが、言葉が思いつかなかった。
それだけ。
推理、とか。予測、とか。
そういうの、ちょっと苦手なもんで。
でも"それ"を楽しめる間に楽しみたいってのは、彼女も同じかな？)
「"もしも"か。
そうだね…本音としては。…まあ、その時は────…ゲームを楽しまなきゃ、だよナ。
…でも、本当になったら楽しむも何もなさそうだけど。俺みたいなビビリは特にな。」
(嗚呼、本音。これは本音だ。……ってのも、演技かもね。
一つだけ言うなら、楽しみたいってのは本当だ。
どんなゲームでも、ゲームでありゲームでしかないのだから。
命を賭けるのは、嫌いだけど。
命は、大切だから。"どれだけ辛くても"ね。
"なんちゃって"
もう、誰が本当かも分からない。誰の心が真実で、誰の心が嘘なのか。
疑心暗鬼、人間不信。自分すら信じられなくなりそうだ。
だから、平穏を保つ為に。少しでも面白そうだな、なんて思ったら。)
「……なぁ、フレンド申請してもいいか？」
(と、言うことにした。今、決めた。)
【海月】
差し当たりのない。特別の字もない。図らずなのか、それとも意図してなのか、言葉を選んでいる感覚がする。
ゲームを楽しみたいと言うのは、彼も同じなのだろうけれど。
"普通"は、命も惜しいし、実現したら何も出来ないだろうし、恐怖で竦んで足も動かないのだろう。
オレでも容易に想像できる。
だったら何なのか。
相手の真意なんて読み取れはしないけれど、なーんか、"オレと同じ"匂いがするんだよね。
自分の思考でさえ、どれが真実か、どれが嘘か分からなそうな。それは、いつのオレと同じなんだっけ？
他人が信じられない。自分が信じられない。"嘘""真実"何が正解なのかも分からない。
まるで山彦のように応答を繰り返すだけの、けれど頭の中は疑心でいっぱいの。びっくり箱？
「うん、いいよ！いつでも連絡してよ。
…相談相手にも、信用できる相棒にもなるつもりはないけれど、狂言回しなら聴かせてあげられるよ？」
何であれ、人を知る唯一の手段は"言葉"だ。何よりも相手を読み取ることが出来る。
だから、連絡はしておきたい。よね。
【唐揚げ食べたい】
「……おう！狂言回しは興味ないが、何かあったら連絡させてもらうぜッ☆彡」
(と、気の緩い返事。先程の不穏なオーラはどこへ言ったのやら。
コロパットを取り出して、フレンド申請。登録されたならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが来ることだろう。
業務的な作業。其処には何の感情もなく、ただ"フレンド登録しなきゃ…！"みたいな使命感だけ。
いや、まあ。…仲間は増やしときたい、というのはあるけど。
どうせ、彼女は仲間にはなってくれないだろうから。
そして、俺も。)
「なんか、お前とはちょっと似てる気がするぜ。」
(そんな、突拍子も無いことを呟き。
何が似てるとか、何が似てないとか、そんな細かいことはどうでもよく。言葉を添えるとしたら、"何となくのオーラ"くらいにしか言い表せない。
だって、別に。
そんなに似てるなんて思ってないもの。
本当の心は、分かっているつもりだが。どこか、疑っているような。そんな感じ。
一応、自分の心までは偽り演技出来ないつもり。
"つもり"なんて、信用出来ないけど。
嗚呼、そろそろ。料理が運ばれて来る頃かな。)
【海月】
「興味ないなんて真正面から言われると悲しいなぁ！ヒドいコトばっか言ってると女の子からは嫌われたりするものなんだよ〜？」
とか、茶化してみたり。
フレンド登録なんて便宜はしているけれど、どうせ、形だけなのだろう。優しいから、言わないでおくけどさ。
"何かあったら"なんてのは遅いってのも、随分よくわかってそうな人間なんだけれどね。
「ふーん…？似てる気がする、ねえ。オレ、別にキミとはそんな似てないと思うよ？
ほら、オレってこーゆう性格だからさ！ヒトの不幸は蜜の味、みたいな？」
そういう性格だからなんだと言うのか。コイツがそういう性格ではない証拠でもあるのか。
…別に、ないけれど。言ってみたかっただけ、だったり。
自分の心なんてそんなものだ。騙そうと思えば、すぐに騙せるし。騙せない時もある。
騙されてコロコロ気持ちが変わっていくのが、人間なのだから。
ああ、今、オレは上手く騙せているだろうか？誰を、とは、言えないけれど。
「…あ、そうだ！そろそろ料理届くんじゃないの？キミも何か注文してるんでしょ。
オレはねー、こんな寒い中だしトマトシチュー頼んであるんだけど、唐揚げちゃんは何にしたの？唐揚げ？」
…こういう思考をしていると頭が痛くなってくるから、突拍子もない話題にすり替えてみたり。
正直、もう、腹は減っていないのだけれど。言っておいた方がいい気がした。
【唐揚げ食べたい】
「ハハ、ごめんな。」
(思ってもない謝罪を呟いて、ケラケラと笑う。
コロパットを暫く眺め、そして仕舞って。…フレンド登録したとはいえ、使う時なんてないんだろうな。
嗚呼、いや。あるかも。そういう決意とか、すぐ揺らぐタチだから。
どうせ、何か思った時には時既に遅いし。そういう人間だから。)
「へぇ、じゃ。…やっぱ俺とは違うかもナ。」
(ヘラリとして嘯いてみせた。
確かに違う。彼女とは、決定的に。根本っていうのか、そういうの。
だって他人の不幸とか、どうでも良い。自分が楽しければ満足だから、他人の不幸まで手が回せないから。
これも演技かもね。
だなんて、お決まりの事を思って。演技とかそういうのは、あのお姉さんに似たのかな。)
「俺？唐揚げだよ！醤油で味付けされた奴を前買ったから、今回は塩味だぜ。
トマトシチューか…それも美味そうだなァ…」
(じゅるり、と。やっぱ食べ物の話をしたらお腹が空く。
話題の転換は、別に気にしない。俺自身も、よく話を変える。
食べ物って最高だよな。嘘付かないもん。
…なんて考えてたら、料理が来た。噂をすれば何とやら、という奴か。自分が言ったように、塩味の唐揚げである。
「いただきまーす」なんて言って、食べ始めた。こんな御時世でも、相変わらず御飯は美味い。)
【海月】
オレとは違う、か。"やっぱり"そう言うか。
何がどう違うのかというのは聞かないことにしておくけれど、そう言うのなら、やはり似てないのかもしれないね。
なんて、これも嘘。かもしれないね？
ああ。こういうコトを考えると、決まって頭が痛くなる。本当に。
「やっぱりか。醤油も塩も食べて…そんなに唐揚げ食べてて飽きないの？
オレ、あんま肉食べないから良く分からないんだけどさ。」
自分の元に運ばれてきたトマトシチュー、についてきたスプーンをくるくると回しながら。
…食べないのかって？まだ熱いのに食べれるわけないじゃん！オレ猫舌なんだからね！
「ま、唐揚げに限らず、良く食べるんだろうねとは想像つくけどさ。
…食べるコトはオレも嫌いじゃないけどね！後寝ることとか。」
特に好きという感情を湧くわけでもないけれど。
でも、"そういう"時だけ、ちょっとだけ、ちょっとだけ幸せになれるから。
…なんて、これも嘘かもしれない。こんな安らぐときでも、性根は変わらないのだから。
【唐揚げ食べたい】
「飽きない…わけじゃないけどナ。別に三日間くらい全部唐揚げでも大丈夫だぜ？」
(それくらい唐揚げが好き、というやつか。一種の精神安定剤というか、別に其処までじゃないけど。
まあ、唐揚げ食べたいって名付けたのも気分だから。…そんなに、唐揚げだけあれば生きていける！ってほど好きなわけじゃない。
さて、この男。唐揚げに関しては食べるのが早い。好きだからか、大抵唐揚げに関してはお腹が空いた時に食べるからなのか。もう半分近く食べている。)
「まあ、食べるくらいしかやる事ないしな。特にこんな場所だと。…嗚呼、太ってたりはしないけどナ。ほら、今スレンダーだろ？
後。…俺も嫌いじゃないぜ、寝るの。何も考えなくて済むからナ。」
("今はスレンダー"だから、元の姿がスレンダーとは言っていない。誰かを特定されない為にも、言い方には気を付けているつもりだ。
"何も、考えなくて良い。"
これって、素敵な事だと思う。人間ってのは、ずっと考えてるから。そう、…今もね。
…まあ、別に。普段の生活が嫌いなわけじゃない。
なんてな。
これも嘘かもな、とか。何回思ったんだ、というセリフを残して。
嘘か真かとか考えることすら億劫だ。
今は食べることに集中しよう。)
素顔とスケート効果？ 3rd-12th
五番目の道化師(3rd)-トロンパ(12th)
【五番目の道化師】
北エリアの屋内スケートリンクにピエロの姿があった。ピエロの格好をしているときにはいている奇抜な靴の変わりに、スケートシューズを履いて…リンク上でめっちゃプルプルしてた。
(ムリムリムリムリムリ！！転ぶ！！動いたら転ぶ！！)
どうやら、スケートにチャレンジしていたらしいのだが…ふとした隙に壁から手を離してしまい、スーっと真ん中に滑った挙げ句動けなくなったらしい。なぜ、一人でチャレンジしようとしたのかは謎だ。
正直、一回転んでしまった方がそこから動けるのだが…パニックになっているようでプルプルと震えているだけで恐怖心から姿勢を動かせないようだ。
【トロンパ】
「僕〜は〜っ…と？」
装いを一転、派手な赤の装いから変えてさ遊ぶかとスケートリンクに来てみたら
ピエロがいた
「…何してんだ？」
産まれたての子鹿のように震えている。
みかねて思わず声をかける
【五番目の道化師】
プルプルと震えながらも必死に転ばないようにするピエロは声をかけられていることに気がつき、まるで錆びて動かなくなった機械のようなぎこちない動きでトロンパをみた。(尚、バランスを取ることに必死過ぎるだけである)
「…たすけて…っ…」
ピエロメイクしてるのにピエロできてないけど、それほどピンチだからである。なんで滑れないくせにここに来たんだろうね。プルプルしながらバランスをとり、助けを乞う道化師は既に涙目だった。
【トロンパ】
「何をどうやったらそうなるんだよ…」
若干呆れつつ、取り敢えず救出に向かう。
「……えーと、ここをこうやって…よし、履けた。待ってろよー」
リンクをゆっくりと滑りながら移動し、ピエロの元へ。
【五番目の道化師】
もう、どれくらいの時間ここでプルプルしているのだろうか。少なくても１０分以上は転ばないようにバランス取っていたのは確実である。
(はやく…っ、たすけてぇ！！)
誰が助けに来てくれてるのかはわからないが、それがわからないほどバランスを取るのに必死である。なにせ、ピエロの姿勢は本来ならとっくに転倒しててもおかしくないアンバランスな立ち方だったからである。むしろ、その姿勢で転ばなかったのが謎なくらいな悪い姿勢と言えばいいのだろうか…。(中の人がスケート未経験なので詳しくは描写できない、すまぬ)
【トロンパ】
必死な声を聞きつつ、あくまでゆっくりと近づいて行く。ここで急いで行ったりしたら衝突して大惨事間違い無しである。
「よーし、待たせたな。しっかりと掴まれよー…」
そう言って、肩を貸すように近づく。
ここでうっかり腕とか差し出そうものなら咄嗟に掴まれて共にすっ転ぶのがオチだ。
…と、ここまでは悪くは無いのだが。悲しいかな、既に彼は選択をミスっていた。スケートリンクで転ばないように耐えている人を救助しに行くのなら、"止まって"はいけなかった。ゆっくりと滑りながら、そのまま流れるように回収するべきだったのだ。何故なら
慣れない人が踏ん張ってる人を助けようとして、肩や腕を貸すと…普通に二人ともこける
【五番目の道化師】
掴まれ、といわれて素直に肩を掴んでしまおうとする道化師は───直前で自分がバランス系統の芸の練習をしている時のことを思い出して手を引っ込めた。
「い、いえ…っ、今、掴まったら…スッ転びまぁす…っ」
プルプルしながらバランスを保つ道化師。きっと、その姿勢で転ばないのはそのバランス芸のおかげだな。
「バランスの取り方を…っ、教えてくださぁい」
とりあえず、ピエロ口調(？)が回復する余裕はできたらしい。たぶん、教えてくれれば…なんとかなるかも、しれない。
【トロンパ】
「おっと、そうだったか…えーと、バランスの取り方、ねぇ…」
そんな事を言われても正直困る。こういうのは端で練習した方がよっぽど早いのだ。
「えーと、踵をつま先が90度になるように付けて立ってみろよ。"できたら"多分転ばないから。」
取り敢えず基本の立ち方を教えてみる
【五番目の道化師】
(90度！？)
パニックから回復しているとはいえ、いきなり角度言われてもどれくらいが90なのかパッと思い浮かべるのとができない。まぁ、うん…一応言っとくけど中の人が理解できないわけではない。だって、『あぁ、スキーと一緒か』って納得してたからね。←
(ええっと、９０？きゅうじゅう？えっ、90ってどれくらだっけ！？)
なぜか更にパニックになった挙げ句に再びスーっと滑り、真ん中からずれるピエロ。因みにわざとではない。
「きゃう！？」
そして、わりと緩やかなスピードで壁に衝突し、尻餅をつくこととなった。
【トロンパ】
(意外とかわいい…)
そんな事を考えながら、尻餅をつくピエロの方へ近づいていく。
「あー、やっぱりいきなり真ん中だと無理か…立てるか？足をこんな風にするとこけにくいんだが…」
そう声をかけつつ、踵をピッタリと付けて足と足の間を直角にしてみせる。
【五番目の道化師】
「うぅ…っ、一応、大丈夫でぇす…」
ツルーっと滑る前に壁伝いに立ち上がり、トロンパの足の角度をみる。
「こ、うですかね…」
とりあえず、真似をするのが一番だ。道化師はトロンパと同じ姿勢を取ったうえで壁から手を離す。まだ少しだけフラフラしているように見えるだろうがちゃんとバランスが取れるようになるにはそう時間はかからないだろう。
【トロンパ】
「おお、そうそう。中々上手いじゃん！」
割とすぐにできていて関心する。
(俺は立てるまでもう少しかかったよな…やっぱ、バランス感覚とかいいのか…？)
「んで、次はそのまま歩いてみるんだ。足の角度を崩さず、片方ずつな。」
【五番目の道化師】
「え…っ、歩くんでぇすか？」
うん、完全に平静を取りもど────角度が保ててなかったらしいまたスーっと滑っていってしまった。片足で。
「なぁんでこうなるでぇえす！？」
壁にはぶつからなかった。一応、ストップのかけ方はわかったのか少しずつスピードを緩めて止まることに成功していた。いや、一応、滑るという点では成功しているのか…？
【トロンパ】
「いや、なんでそこで滑る！？」
コイツはひょっとしてホントは滑れるけどわざとこんな事してるんじゃ無いのか？
そんな疑問が頭をよぎるが、取り敢えずまたピエロの所へ。
「いや、普通に掴まりながらやってみろって…」
【五番目の道化師】
「私だってこんなにスーって行くと思ってなかったんですっ！！」
自分だって歩くつもり踏み出したのにッ！！って半場八つ当たりのように大きめな声で言うが…おまっ、素で言ってどうするんだよ。しかも、本気で怖かったらしい。再び涙目である。
「壁に伝って、歩く…ぅ、っきゃわ！？」
ツルン…っ！と転倒。
理由は普通に力みすぎである。
【トロンパ】
「えぇ…そんなのなのになんで一人で滑ってんだ…まぁ、取り敢えず掴まれよ。一旦戻ろうぜ？な？」
何にせよ、彼女は一旦落ち着いた方がいいだろうと、そう思い提案をする。
【五番目の道化師】
「…ぁぃ」
どうやら鼻を強打したらしい。
鼻血は出ていないが相当痛かったようで…
「…もう、氷上怖い…」
道化師よ、それは一人で滑ろうとするからだ。
【トロンパ】
「本当に何で一人で滑ろうとしたんだよ…そら」
半ば持ち上げるようにしてピエロを起こし、リンクの出口まで引っ張って行く。
(…この体でよかった…)
割とつらい
【五番目の道化師】
「こんなに怖いものだとは思ってなかったんでぇす…」
そりゃ、基礎もできていなければどんなスポーツも恐怖対象になり得るわな。まぁ、基礎からやっても転ぶが…ちゃんと付添人がいれば今よりも怖くはなかっただろう。
【トロンパ】
「そ、そうか…まあ、次やる時は誰か知ってる人とやれよ…」
よく分からないピエロだ。やはり素だと普通らしいし…
「ま、取り敢えず少し休むこった。だいぶ疲れてるだろうしな…飲み物とか取ってくるけど、リクエストあるか？」
【五番目の道化師】
「スケートできる人がぁいたらぁ誘ってみるでぇす…」
スケートできる人に心当たりがないけどね。
「できれば温かい飲み物がいいでぇす…。あっ、コーヒーは飲めないので…」
なんか妙にぐったりしながら申し訳なさそうに頼む。
【トロンパ】
「あいよー。んじゃ、ココアでも…」
そう言って飲み物コーナーへ。自分用にコーヒーも取り、リンクへ戻る
「取ってきたぞーっと」
【五番目の道化師】
「ありがとう」
ココアを受け取り、一口。ピエロメイクしていることが残念だが、とても幸せそうな表情をする道化師。ただ…口回りも白塗なピエロだったのでココアが…
「！？」
そうだ、ピエロメイクをしているときに飲食は気を付けなきゃいけないんだった。と、ハッとしたときにはもう遅い。慌てて口回りを隠す。
「ちょっと、メイク直してくるでぇす！」
尚、ココアは飲みかけである。
そして、まだシューズも脱いでいない。
【トロンパ】
「………お、おう…フフッ…」
堪えようと思ったのだが、一瞬見えた顔に思わず笑ってしまった。
「…あのまま行くの？」
【五番目の道化師】
なんか、バランスが取りづらいんだけどなぜだろう。
とりあえず化粧室に行って…しまった、メイク道具なんて持ってきてない。水でココアは──落ちないよなぁ。
下手に口回りだけを弄っても酷くなるばかりだろうし…大人しく化粧落とすか。ﾁｸｼｮｳ。
「…はぁ」
とりあえず、せっかくだから着替えとく───あぁ、歩きにくいと思ったらシューズ履きっぱだったのか。さっさと終わらせて戻ろう。
【トロンパ】
「…にしても、あいつ誰なんだろうな…ピエロかと思ったけどまあ割と隠せてないし…」
コーヒーを飲みながら、一応のんびりと待つ。
「…しかし、あの下どうなってるんだろうな…いや、どうもしないはず…」
取り留めもないことを考えていると。
【五番目の道化師】
髪を固めていたからまだ少し髪は固まってるが…着替え終わった。ちゃっかりシューズも普通の靴に履き替えてリンクに戻る。
「…シューズ履きっぱなの指摘してくれてもよかったのに」
そう呟きながら戻ってくる道化師はピエロ衣装ではなく、普通の服。あの姿と比べると髪色、背丈、声くらいしか面影がない()
【トロンパ】
「……えーと。」
えーと。
(えーと)
「………どちら様ですか？」
誰なんだろうなこの子。俺が待っていたのはピエロの筈だったんだが。いつのまにかワンダーランドにでも入ったか？
【五番目の道化師】
「ちょっと、その反応酷くないですか？ト・論破さん。私…いえ、『ワタクシィ、五番目の道化師でございまぁす☆』
───……あの、この姿でこの口調するの嫌なんですけど」
だって、普段ピエロしている人の素顔なんて見たくないし。キグルミの中で演じている作業員を発見してしまった時と同じくらい空しくなるんじゃないか…？
「…声で気づいてくださいよ、ト・論破さん」
道化師はまず、人の名前をミスってるからそれ直すべきである。
【トロンパ】
(ええええええええこういうパターン！？予想外すぎるんだけど！？てか普通に喋れたの！？)
「……ああ、いや、その…悪い。あまりにイメージが違うというか何というか…」
完全に予想外だ。だって初対面でピエロかましてくる奴だぞ？
「…ていうか、そっちこそなんかイントネーションおかしくないか？トロンパだ、トロンパ。」
【五番目の道化師】
「…その反応、完全に私のこと完全に奇人ピエロが素だと思ってたんだね…。あれは一応、本名がバレないように演じてたんだけどなぁ…」
だいたい、もしあんなピエロなヤツが素でクラスメイトにいたら速攻転校したいレベルだ。よくてクラス替えを所望したい。
「トロンパ…？」
ト論破じゃなくて、トロンパ？
きょとーん、として暫くして…自分のミスに気がつき顔を真っ赤にする道化師。感情が顔に出やすいな…。
【トロンパ】
(可愛い)
正義トハ可愛イ事。可愛イハ正義、ダロウ？
「あー…まあ、なんだ。お互いに間違えてたって事で…うん。流そうか？」
間違いの度合いが違う気もするがそこはスルーだ、過ちは忘れろ…
「……えーっと……その…なんだ。またスケートしたくなった連絡くれよ。ちょっとくらいなら教えてれると思うし…」
【五番目の道化師】
「そ、そうだね！お互い間違えてたんだ、うん！」
人の名前を間違えることは失礼なことだし、素で奇人だと勘違いされてたのはお互い勘違いしてたことだし忘れよう。
「えっ！？教えてくれるの！！ありがとう！」
やったぁ！スケートを教えてもらえる♪と、素直に喜ぶ道化師。次、スケートにチャレンジするときはトロンパさんに連絡しよう。
【トロンパ】
コイツもうこのままでいいんじゃないかな
「おう…ま、今日は疲れただろうし、また今度な。」
流石に今日再チャレンジする気にはならないだろう。あれだけこけたし
「…んじゃ、またな。」
そう言って、歩いていく。
全然滑ってない？まあ、収穫(？)はあったしいいか
【五番目の道化師】
「うん、またねー！」
手を振ってトロンパを見送って、自分は自分で持ってきた道具などを片付けてからその場を立ち去った。
【五番目の道化師】
北エリアの屋内スケートリンクにピエロの姿があった。ピエロの格好をしているときにはいている奇抜な靴の変わりに、スケートシューズを履いて…リンク上でめっちゃプルプルしてた。
(ムリムリムリムリムリ！！転ぶ！！動いたら転ぶ！！)
どうやら、スケートにチャレンジしていたらしいのだが…ふとした隙に壁から手を離してしまい、スーっと真ん中に滑った挙げ句動けなくなったらしい。なぜ、一人でチャレンジしようとしたのかは謎だ。
正直、一回転んでしまった方がそこから動けるのだが…パニックになっているようでプルプルと震えているだけで恐怖心から姿勢を動かせないようだ。
【トロンパ】
「僕〜は〜っ…と？」
装いを一転、派手な赤の装いから変えてさ遊ぶかとスケートリンクに来てみたら
ピエロがいた
「…何してんだ？」
産まれたての子鹿のように震えている。
みかねて思わず声をかける
【五番目の道化師】
プルプルと震えながらも必死に転ばないようにするピエロは声をかけられていることに気がつき、まるで錆びて動かなくなった機械のようなぎこちない動きでトロンパをみた。(尚、バランスを取ることに必死過ぎるだけである)
「…たすけて…っ…」
ピエロメイクしてるのにピエロできてないけど、それほどピンチだからである。なんで滑れないくせにここに来たんだろうね。プルプルしながらバランスをとり、助けを乞う道化師は既に涙目だった。
【トロンパ】
「何をどうやったらそうなるんだよ…」
若干呆れつつ、取り敢えず救出に向かう。
「……えーと、ここをこうやって…よし、履けた。待ってろよー」
リンクをゆっくりと滑りながら移動し、ピエロの元へ。
【五番目の道化師】
もう、どれくらいの時間ここでプルプルしているのだろうか。少なくても１０分以上は転ばないようにバランス取っていたのは確実である。
(はやく…っ、たすけてぇ！！)
誰が助けに来てくれてるのかはわからないが、それがわからないほどバランスを取るのに必死である。なにせ、ピエロの姿勢は本来ならとっくに転倒しててもおかしくないアンバランスな立ち方だったからである。むしろ、その姿勢で転ばなかったのが謎なくらいな悪い姿勢と言えばいいのだろうか…。(中の人がスケート未経験なので詳しくは描写できない、すまぬ)
【トロンパ】
必死な声を聞きつつ、あくまでゆっくりと近づいて行く。ここで急いで行ったりしたら衝突して大惨事間違い無しである。
「よーし、待たせたな。しっかりと掴まれよー…」
そう言って、肩を貸すように近づく。
ここでうっかり腕とか差し出そうものなら咄嗟に掴まれて共にすっ転ぶのがオチだ。
…と、ここまでは悪くは無いのだが。悲しいかな、既に彼は選択をミスっていた。スケートリンクで転ばないように耐えている人を救助しに行くのなら、"止まって"はいけなかった。ゆっくりと滑りながら、そのまま流れるように回収するべきだったのだ。何故なら
慣れない人が踏ん張ってる人を助けようとして、肩や腕を貸すと…普通に二人ともこける
【五番目の道化師】
掴まれ、といわれて素直に肩を掴んでしまおうとする道化師は───直前で自分がバランス系統の芸の練習をしている時のことを思い出して手を引っ込めた。
「い、いえ…っ、今、掴まったら…スッ転びまぁす…っ」
プルプルしながらバランスを保つ道化師。きっと、その姿勢で転ばないのはそのバランス芸のおかげだな。
「バランスの取り方を…っ、教えてくださぁい」
とりあえず、ピエロ口調(？)が回復する余裕はできたらしい。たぶん、教えてくれれば…なんとかなるかも、しれない。
【トロンパ】
「おっと、そうだったか…えーと、バランスの取り方、ねぇ…」
そんな事を言われても正直困る。こういうのは端で練習した方がよっぽど早いのだ。
「えーと、踵をつま先が90度になるように付けて立ってみろよ。"できたら"多分転ばないから。」
取り敢えず基本の立ち方を教えてみる
【五番目の道化師】
(90度！？)
パニックから回復しているとはいえ、いきなり角度言われてもどれくらいが90なのかパッと思い浮かべるのとができない。まぁ、うん…一応言っとくけど中の人が理解できないわけではない。だって、『あぁ、スキーと一緒か』って納得してたからね。←
(ええっと、９０？きゅうじゅう？えっ、90ってどれくらだっけ！？)
なぜか更にパニックになった挙げ句に再びスーっと滑り、真ん中からずれるピエロ。因みにわざとではない。
「きゃう！？」
そして、わりと緩やかなスピードで壁に衝突し、尻餅をつくこととなった。
【トロンパ】
(意外とかわいい…)
そんな事を考えながら、尻餅をつくピエロの方へ近づいていく。
「あー、やっぱりいきなり真ん中だと無理か…立てるか？足をこんな風にするとこけにくいんだが…」
そう声をかけつつ、踵をピッタリと付けて足と足の間を直角にしてみせる。
【五番目の道化師】
「うぅ…っ、一応、大丈夫でぇす…」
ツルーっと滑る前に壁伝いに立ち上がり、トロンパの足の角度をみる。
「こ、うですかね…」
とりあえず、真似をするのが一番だ。道化師はトロンパと同じ姿勢を取ったうえで壁から手を離す。まだ少しだけフラフラしているように見えるだろうがちゃんとバランスが取れるようになるにはそう時間はかからないだろう。
【トロンパ】
「おお、そうそう。中々上手いじゃん！」
割とすぐにできていて関心する。
(俺は立てるまでもう少しかかったよな…やっぱ、バランス感覚とかいいのか…？)
「んで、次はそのまま歩いてみるんだ。足の角度を崩さず、片方ずつな。」
【五番目の道化師】
「え…っ、歩くんでぇすか？」
うん、完全に平静を取りもど────角度が保ててなかったらしいまたスーっと滑っていってしまった。片足で。
「なぁんでこうなるでぇえす！？」
壁にはぶつからなかった。一応、ストップのかけ方はわかったのか少しずつスピードを緩めて止まることに成功していた。いや、一応、滑るという点では成功しているのか…？
【トロンパ】
「いや、なんでそこで滑る！？」
コイツはひょっとしてホントは滑れるけどわざとこんな事してるんじゃ無いのか？
そんな疑問が頭をよぎるが、取り敢えずまたピエロの所へ。
「いや、普通に掴まりながらやってみろって…」
【五番目の道化師】
「私だってこんなにスーって行くと思ってなかったんですっ！！」
自分だって歩くつもり踏み出したのにッ！！って半場八つ当たりのように大きめな声で言うが…おまっ、素で言ってどうするんだよ。しかも、本気で怖かったらしい。再び涙目である。
「壁に伝って、歩く…ぅ、っきゃわ！？」
ツルン…っ！と転倒。
理由は普通に力みすぎである。
【トロンパ】
「えぇ…そんなのなのになんで一人で滑ってんだ…まぁ、取り敢えず掴まれよ。一旦戻ろうぜ？な？」
何にせよ、彼女は一旦落ち着いた方がいいだろうと、そう思い提案をする。
【五番目の道化師】
「…ぁぃ」
どうやら鼻を強打したらしい。
鼻血は出ていないが相当痛かったようで…
「…もう、氷上怖い…」
道化師よ、それは一人で滑ろうとするからだ。
【トロンパ】
「本当に何で一人で滑ろうとしたんだよ…そら」
半ば持ち上げるようにしてピエロを起こし、リンクの出口まで引っ張って行く。
(…この体でよかった…)
割とつらい
【五番目の道化師】
「こんなに怖いものだとは思ってなかったんでぇす…」
そりゃ、基礎もできていなければどんなスポーツも恐怖対象になり得るわな。まぁ、基礎からやっても転ぶが…ちゃんと付添人がいれば今よりも怖くはなかっただろう。
【トロンパ】
「そ、そうか…まあ、次やる時は誰か知ってる人とやれよ…」
よく分からないピエロだ。やはり素だと普通らしいし…
「ま、取り敢えず少し休むこった。だいぶ疲れてるだろうしな…飲み物とか取ってくるけど、リクエストあるか？」
【五番目の道化師】
「スケートできる人がぁいたらぁ誘ってみるでぇす…」
スケートできる人に心当たりがないけどね。
「できれば温かい飲み物がいいでぇす…。あっ、コーヒーは飲めないので…」
なんか妙にぐったりしながら申し訳なさそうに頼む。
【トロンパ】
「あいよー。んじゃ、ココアでも…」
そう言って飲み物コーナーへ。自分用にコーヒーも取り、リンクへ戻る
「取ってきたぞーっと」
【五番目の道化師】
「ありがとう」
ココアを受け取り、一口。ピエロメイクしていることが残念だが、とても幸せそうな表情をする道化師。ただ…口回りも白塗なピエロだったのでココアが…
「！？」
そうだ、ピエロメイクをしているときに飲食は気を付けなきゃいけないんだった。と、ハッとしたときにはもう遅い。慌てて口回りを隠す。
「ちょっと、メイク直してくるでぇす！」
尚、ココアは飲みかけである。
そして、まだシューズも脱いでいない。
【トロンパ】
「………お、おう…フフッ…」
堪えようと思ったのだが、一瞬見えた顔に思わず笑ってしまった。
「…あのまま行くの？」
【五番目の道化師】
なんか、バランスが取りづらいんだけどなぜだろう。
とりあえず化粧室に行って…しまった、メイク道具なんて持ってきてない。水でココアは──落ちないよなぁ。
下手に口回りだけを弄っても酷くなるばかりだろうし…大人しく化粧落とすか。ﾁｸｼｮｳ。
「…はぁ」
とりあえず、せっかくだから着替えとく───あぁ、歩きにくいと思ったらシューズ履きっぱだったのか。さっさと終わらせて戻ろう。
【トロンパ】
「…にしても、あいつ誰なんだろうな…ピエロかと思ったけどまあ割と隠せてないし…」
コーヒーを飲みながら、一応のんびりと待つ。
「…しかし、あの下どうなってるんだろうな…いや、どうもしないはず…」
取り留めもないことを考えていると。
【五番目の道化師】
髪を固めていたからまだ少し髪は固まってるが…着替え終わった。ちゃっかりシューズも普通の靴に履き替えてリンクに戻る。
「…シューズ履きっぱなの指摘してくれてもよかったのに」
そう呟きながら戻ってくる道化師はピエロ衣装ではなく、普通の服。あの姿と比べると髪色、背丈、声くらいしか面影がない()
【トロンパ】
「……えーと。」
えーと。
(えーと)
「………どちら様ですか？」
誰なんだろうなこの子。俺が待っていたのはピエロの筈だったんだが。いつのまにかワンダーランドにでも入ったか？
【五番目の道化師】
「ちょっと、その反応酷くないですか？ト・論破さん。私…いえ、『ワタクシィ、五番目の道化師でございまぁす☆』
───……あの、この姿でこの口調するの嫌なんですけど」
だって、普段ピエロしている人の素顔なんて見たくないし。キグルミの中で演じている作業員を発見してしまった時と同じくらい空しくなるんじゃないか…？
「…声で気づいてくださいよ、ト・論破さん」
道化師はまず、人の名前をミスってるからそれ直すべきである。
【トロンパ】
(ええええええええこういうパターン！？予想外すぎるんだけど！？てか普通に喋れたの！？)
「……ああ、いや、その…悪い。あまりにイメージが違うというか何というか…」
完全に予想外だ。だって初対面でピエロかましてくる奴だぞ？
「…ていうか、そっちこそなんかイントネーションおかしくないか？トロンパだ、トロンパ。」
【五番目の道化師】
「…その反応、完全に私のこと完全に奇人ピエロが素だと思ってたんだね…。あれは一応、本名がバレないように演じてたんだけどなぁ…」
だいたい、もしあんなピエロなヤツが素でクラスメイトにいたら速攻転校したいレベルだ。よくてクラス替えを所望したい。
「トロンパ…？」
ト論破じゃなくて、トロンパ？
きょとーん、として暫くして…自分のミスに気がつき顔を真っ赤にする道化師。感情が顔に出やすいな…。
【トロンパ】
(可愛い)
正義トハ可愛イ事。可愛イハ正義、ダロウ？
「あー…まあ、なんだ。お互いに間違えてたって事で…うん。流そうか？」
間違いの度合いが違う気もするがそこはスルーだ、過ちは忘れろ…
「……えーっと……その…なんだ。またスケートしたくなった連絡くれよ。ちょっとくらいなら教えてれると思うし…」
【五番目の道化師】
「そ、そうだね！お互い間違えてたんだ、うん！」
人の名前を間違えることは失礼なことだし、素で奇人だと勘違いされてたのはお互い勘違いしてたことだし忘れよう。
「えっ！？教えてくれるの！！ありがとう！」
やったぁ！スケートを教えてもらえる♪と、素直に喜ぶ道化師。次、スケートにチャレンジするときはトロンパさんに連絡しよう。
【トロンパ】
コイツもうこのままでいいんじゃないかな
「おう…ま、今日は疲れただろうし、また今度な。」
流石に今日再チャレンジする気にはならないだろう。あれだけこけたし
「…んじゃ、またな。」
そう言って、歩いていく。
全然滑ってない？まあ、収穫(？)はあったしいいか
【五番目の道化師】
「うん、またねー！」
手を振ってトロンパを見送って、自分は自分で持ってきた道具などを片付けてからその場を立ち去った。
純粋小動物と悪戯妖精 1st-26th
ふ〇なっしー(1st)-ですにゃん(26th)
【ふ〇なっしー】
【南エリアショッピングモールにある映画館内】
ショッピングモールにある映画館の中………その1番前のど真ん中に座っているふ○なっしー
お行儀悪く隣の椅子を使いその肘掛に足を掛けながら横になっている
「トランプ〜トランプ〜………あ、トランプ大統領とか来てないのかな？」
裏面にふ○なっしーを模した絵が書かれているトランプを弄りながらなんか変な事言ってる。
【ですにゃん】
パイナップルの手を借りて無事ホテルにチェックインできたですにゃんはプラネタリウムはもう見たし、映画館にでも行ってみるかとホテルの個室に籠らずに映画館の扉をあけ中に入る。
「…やっぱり、人いない…」
人生初の一人映画、少しわくわくしながら椅子に座ろうとしたら、横たわってる黄色い何か。とても大きく恐怖を感じる。その為か黄色い何かがしゃべっているのが唸っているように感じる。
が
「あ、ふなっしートランプだ」
黄色の何かが弄っているのを見ての一言。
んんん！？何で俺は！言葉に出してしまったんぁぁあ！？やっべーって、この黄色いのきっと二メートルくらいあるって、今からでも逃げようかな？と来た道を二三歩下がる
【ふ〇なっしー】
「およ？こんにちわぁぁぁぁ！暇かな？暇かな？暇？暇暇？暇なら何かゲームをしようよ！ポーカー！投げナイフ！ダーツ！あ、何か見たいならマジックとか見せるよ！」
と誰かの声が聞こえた途端、ガバッと勢いよく起き上がり声がした方を見る
なんというか名状しがたい容姿をしている
「さぁさぁ！何がしたい！？ポーカーでもいいよ！まぁ！僕が勝つんだけどサ！」
とスクリーンの縁……ステージに立つ、トランプでお手玉をし始めるふ○なっしー、器用に3つの束にしながらお手玉をすると
「さぁ！何がやりたい？私は寂しいんだ…………誰ともフレンド交換してないし？なーんか怖がられたり恨まれてるし？まぁ？自業自得って奴なんだけどね！」
愉快に笑う、そりゃあもう笑う笑いまくる
笑うしかねぇや……ﾊﾊ
【ですにゃん】
「うわ、うわわわわわ…マジック？」
いきなりのマシンガンのような言葉達に驚き多少背中を仰け反らせる。最後に聞こえたのがマジックだ。
ステージに上がった黄色い何かをよく見るとちょっと色がヤバイよくテレビでみてたマスコットを思い出す。器用にお手玉をしてて、小声で「すごい」と声をこぼす。
「…っ」
ふなっしーが笑っていた。どこか悲しいような気分とお手玉の上手さで逃げる足は止まっていた。
「ぁ、あのおれ！…ですにゃんです、大きいからと言って連絡とれなかったら不安…ですよね？」
ですにゃんは舞台に上がったふなっしーにコロパットを見せ、フレンドになろうとゆっくり近づく。それは、パイナップルがですにゃんに優しくしてくれたからだろう。
【ふ〇なっしー】
「ん？大きい？んん？？んんんん？んんんんんんんん？まぁいいか！まぁフレンド交換してくれるならありがたいね！！！！！！」
そう言うとトランプをポケットの中にしまう。
「ほい、フレンド交換しようぜ〜」
とコロパットを左手で取り出し………
手に隠していたジョーカーで左手首を切り落とす
「う、うぎゃぁぁぁぁ！ワタシクシの左手がぁぁぁぁ！いたいよぉぉぉぉぉぉぉ！！！！ほんとうはいたくないけどぉぉぉぉさぁぁぁぁあ！！！！！」
勢いよく吹き出す血、真っ赤な鮮血……ボトリと落ちたコロパットを握った左手………
左手首を抑えながら泣きじゃくる
まぁ、マネキンの左手で血のりなんだけども←
【ですにゃん】
「っっ！！」
一瞬の事だった。何でかは、全くわからなかった。何で目の前の子が腕を押さえ込み赤い、何かが広がっているのかも、コロパットをもった手首が何故転がっているのにも、もう…頭が追い付かなかった。
ですにゃんは、マジックを頼んだことをバッチリ忘れ泣きじゃくっている子に血などきにせず少女の手首につかみかかろうとした。
「ケガをしたら心臓の上ケガをしたら心臓の上」とブツブツと呟きながら…
【ふ〇なっしー】
「まぁ、痛くも無いんすけどね！」
そう言うとばっと手を振り払いコロパットを拾い上げる。
「ほい、ビックリしたー？んじゃフレンド交換しようかー」
満面の笑みでコロパットを開く、まぁちょっとしたジョーク出し気にしてないっしょっていう考え
「ほら、僕の左手は元気だぜー？」
ブラブラと左手首を振る、なんとも無いように……まぁなんともないんだが
【ですにゃん】
「あ？…え、……エ？」
少女に手を振り払われたことにびっくりしてしばらく放心していると、少女から左手首が生えていた。
わからないけど、本当にわからん。え？ええ？えーっと？手首落ちた、のに生えてる。つ、つまり、ﾅﾒｯｸｾｲｼﾞﾝ！！？
安心(？)したためか床にべたりと座りこみ頭を抱えぐわんぐわんと回す。８回転くらいさせたところでぴたりと回すのをやめ、
「……腕治すの…疲れた？」
とマジックに気づかず馬鹿みたいに聞く
【ふ〇なっしー】
「あはは！！次は首斬ろうか！？」
なんか予想以上の反応をするですにゃんを見て笑う。そりゃあもう笑いまくる
「はははは！いやーいい反応見れたわー！」
とりあえずこちらも座る
【ですにゃん】
「ダメ！ダメダメ！首切りはダメです！！」
大声でそう言いバッテンをつくりダメですアピールをする。
「泣いてたり、笑ってたり、もう、…忙しい人ですね」
はぁぁ、と少しながいため息をはき「あ、そうだ、フレンド」とコロパットを少女に渡す。ですにゃんは疲れたみたいだ。
【ふ〇なっしー】
「おう、フレンド交換済ませたぜ〜じゃ！」
と、コロパットを返す
「俺は他の所行ってくるから！」
と、まるで風の後のくその場を立ち去って行くふ○なっしー
「何かあったら伝えてくれ〜！多分助けになるからさ！」
【ですにゃん】
「うん、おれも力になるから呼んでねー！！」
走り去っていったふなっしーに聞こえるように大声で叫ぶが聞こえたのかは定かではない。
嵐のような子だったな…そんなことを思いながら少し歩くと足に血がついているのに気づき、洗い流すために風呂に入ろうと足を進めた。
【ふ〇なっしー】
【南エリアショッピングモールにある映画館内】
ショッピングモールにある映画館の中………その1番前のど真ん中に座っているふ○なっしー
お行儀悪く隣の椅子を使いその肘掛に足を掛けながら横になっている
「トランプ〜トランプ〜………あ、トランプ大統領とか来てないのかな？」
裏面にふ○なっしーを模した絵が書かれているトランプを弄りながらなんか変な事言ってる。
【ですにゃん】
パイナップルの手を借りて無事ホテルにチェックインできたですにゃんはプラネタリウムはもう見たし、映画館にでも行ってみるかとホテルの個室に籠らずに映画館の扉をあけ中に入る。
「…やっぱり、人いない…」
人生初の一人映画、少しわくわくしながら椅子に座ろうとしたら、横たわってる黄色い何か。とても大きく恐怖を感じる。その為か黄色い何かがしゃべっているのが唸っているように感じる。
が
「あ、ふなっしートランプだ」
黄色の何かが弄っているのを見ての一言。
んんん！？何で俺は！言葉に出してしまったんぁぁあ！？やっべーって、この黄色いのきっと二メートルくらいあるって、今からでも逃げようかな？と来た道を二三歩下がる
【ふ〇なっしー】
「およ？こんにちわぁぁぁぁ！暇かな？暇かな？暇？暇暇？暇なら何かゲームをしようよ！ポーカー！投げナイフ！ダーツ！あ、何か見たいならマジックとか見せるよ！」
と誰かの声が聞こえた途端、ガバッと勢いよく起き上がり声がした方を見る
なんというか名状しがたい容姿をしている
「さぁさぁ！何がしたい！？ポーカーでもいいよ！まぁ！僕が勝つんだけどサ！」
とスクリーンの縁……ステージに立つ、トランプでお手玉をし始めるふ○なっしー、器用に3つの束にしながらお手玉をすると
「さぁ！何がやりたい？私は寂しいんだ…………誰ともフレンド交換してないし？なーんか怖がられたり恨まれてるし？まぁ？自業自得って奴なんだけどね！」
愉快に笑う、そりゃあもう笑う笑いまくる
笑うしかねぇや……ﾊﾊ
【ですにゃん】
「うわ、うわわわわわ…マジック？」
いきなりのマシンガンのような言葉達に驚き多少背中を仰け反らせる。最後に聞こえたのがマジックだ。
ステージに上がった黄色い何かをよく見るとちょっと色がヤバイよくテレビでみてたマスコットを思い出す。器用にお手玉をしてて、小声で「すごい」と声をこぼす。
「…っ」
ふなっしーが笑っていた。どこか悲しいような気分とお手玉の上手さで逃げる足は止まっていた。
「ぁ、あのおれ！…ですにゃんです、大きいからと言って連絡とれなかったら不安…ですよね？」
ですにゃんは舞台に上がったふなっしーにコロパットを見せ、フレンドになろうとゆっくり近づく。それは、パイナップルがですにゃんに優しくしてくれたからだろう。
【ふ〇なっしー】
「ん？大きい？んん？？んんんん？んんんんんんんん？まぁいいか！まぁフレンド交換してくれるならありがたいね！！！！！！」
そう言うとトランプをポケットの中にしまう。
「ほい、フレンド交換しようぜ〜」
とコロパットを左手で取り出し………
手に隠していたジョーカーで左手首を切り落とす
「う、うぎゃぁぁぁぁ！ワタシクシの左手がぁぁぁぁ！いたいよぉぉぉぉぉぉぉ！！！！ほんとうはいたくないけどぉぉぉぉさぁぁぁぁあ！！！！！」
勢いよく吹き出す血、真っ赤な鮮血……ボトリと落ちたコロパットを握った左手………
左手首を抑えながら泣きじゃくる
まぁ、マネキンの左手で血のりなんだけども←
【ですにゃん】
「っっ！！」
一瞬の事だった。何でかは、全くわからなかった。何で目の前の子が腕を押さえ込み赤い、何かが広がっているのかも、コロパットをもった手首が何故転がっているのにも、もう…頭が追い付かなかった。
ですにゃんは、マジックを頼んだことをバッチリ忘れ泣きじゃくっている子に血などきにせず少女の手首につかみかかろうとした。
「ケガをしたら心臓の上ケガをしたら心臓の上」とブツブツと呟きながら…
【ふ〇なっしー】
「まぁ、痛くも無いんすけどね！」
そう言うとばっと手を振り払いコロパットを拾い上げる。
「ほい、ビックリしたー？んじゃフレンド交換しようかー」
満面の笑みでコロパットを開く、まぁちょっとしたジョーク出し気にしてないっしょっていう考え
「ほら、僕の左手は元気だぜー？」
ブラブラと左手首を振る、なんとも無いように……まぁなんともないんだが
【ですにゃん】
「あ？…え、……エ？」
少女に手を振り払われたことにびっくりしてしばらく放心していると、少女から左手首が生えていた。
わからないけど、本当にわからん。え？ええ？えーっと？手首落ちた、のに生えてる。つ、つまり、ﾅﾒｯｸｾｲｼﾞﾝ！！？
安心(？)したためか床にべたりと座りこみ頭を抱えぐわんぐわんと回す。８回転くらいさせたところでぴたりと回すのをやめ、
「……腕治すの…疲れた？」
とマジックに気づかず馬鹿みたいに聞く
【ふ〇なっしー】
「あはは！！次は首斬ろうか！？」
なんか予想以上の反応をするですにゃんを見て笑う。そりゃあもう笑いまくる
「はははは！いやーいい反応見れたわー！」
とりあえずこちらも座る
【ですにゃん】
「ダメ！ダメダメ！首切りはダメです！！」
大声でそう言いバッテンをつくりダメですアピールをする。
「泣いてたり、笑ってたり、もう、…忙しい人ですね」
はぁぁ、と少しながいため息をはき「あ、そうだ、フレンド」とコロパットを少女に渡す。ですにゃんは疲れたみたいだ。
【ふ〇なっしー】
「おう、フレンド交換済ませたぜ〜じゃ！」
と、コロパットを返す
「俺は他の所行ってくるから！」
と、まるで風の後のくその場を立ち去って行くふ○なっしー
「何かあったら伝えてくれ〜！多分助けになるからさ！」
【ですにゃん】
「うん、おれも力になるから呼んでねー！！」
走り去っていったふなっしーに聞こえるように大声で叫ぶが聞こえたのかは定かではない。
嵐のような子だったな…そんなことを思いながら少し歩くと足に血がついているのに気づき、洗い流すために風呂に入ろうと足を進めた。
まあよくあるジョークの一環なわけで 11th-16th
ヒガンバナ(11th)-ミライ(16th)
【ミライ】
【中央エリア・ショッピングモール】
広場に設けられた園芸コーナーのブースを眺める桃色髪の女が一人。彼女は園芸用肥料やラベンダーにひとしきり目を通した後、園芸バサミのコーナーを見ていた。
（小屋には薪ストーブしかなかったからなぁ…薪になりそうな枝を集められるハサミでもあればいいんだケド）
元からあった薪の量は少なかった上に、周りに手頃な枯れ木もなさそうだった。そうなると、離れた場所の木から枝を拝借して乾燥させるしかないだろう。考えている方法があってるかは怪しいが、まァなるようになるさ。
そんな事を考えていた
【ヒガンバナ】
コツコツコツ────
靴の音を響かせて、園芸コーナーへとやって来たヒガンバナ。
あの刀擬きは、仕入れたばかりのベルトを凄く加工して作った物に差している。
なので、園芸コーナーに用があった訳ではないのだが、誰か居るのに気づいたらしく、足を踏み入れた。
「…………何か、探しているのか？」
派手な髪色の者に、そう声をかける。
人の事は言えない？これは髪ではなく、飾りです。
【ミライ】
「ん？————あぁ」
靴の足音と声によって、桃色髪の女は後ろに振り返った。それも結構な特徴ある振り向き方で。シャフ度的な角度のアレで。
「まぁね。小枝を切るのにいい具合のハサミを探してるのサ」
チラリ腰の刀を見て、悟られないように警戒する。流石に真剣ではないだろう…そう思いつつも、どこかで“まさか”の思いが拭えなかった
【ヒガンバナ】
「小枝、か……何か盆栽でもするのか？」
そんな訳ないだろう、と言いたい所だが。
こんな状況だと、趣味の人ならやりだしそうだ。
それに、ヒガンバナに小枝を切ってする事は、それくらいしか思い付かなかったから。
「……ああ、そうだ……私はヒガンバナと言う。
貴様、偽名は？」
【ミライ】
「そ。シブイ趣味でしょ?
私が切る盆栽の松はちょいとばかしデカ過ぎるけどね」
ヒガンバナと名乗った人物の言葉をジョークと捉えたのか、その桃色髪の女は冗談で返してきた。森の松を盆栽がわりにするアーティストも探せばいそうだが、彼女はそうではないだろう
「貴様だなんてずいぶんな二人称だねェ」「ま、気にしないけどサ…」
ヒガンバナだっけ？私はミライって名乗ってるよ。そう言って右手を差し出す。握手を求めているようである
【ヒガンバナ】
「……なっ……本当に、あの松で盆栽をするのか？」
予想外の答えが返ってきたので、少し目を丸くして驚いている。
ヒガンバナは、嘘が通じないらしい。
「……と、取り敢えず……ミライ、だな。
宜しく頼む。」
差し出された右手を握り、宜しくと言う。
【ミライ】
「………はァ…」
軽快なジョークが通じないときて、ガックリ肩を落とす。皮肉とジョークは会話の華。これが通じないとなれば、会話で談笑という名の花束は作ることは難しい
ミライは快く握ってくれた右手をしっかり握り返して、苦笑いしながらたずねた。
「よく『お堅い』って言われない?」
「ショージキなトコ“真面目ちゃん”って感じ。ご立派ァ」
フリーな左手でややオーバーに茶化してみる。ほぼ煽りに近いし失礼な領域に達してるが、それでもズバズバ言うのがミライであった
【ヒガンバナ】
「……むっ……いや、事実だな。
確かに、堅いと言われる……と言うことは、盆栽は、嘘か？」
少し、ムッとした表情をするが、事実な為に認める。
そして、盆栽が趣味なのは嘘なのかと聞く。
思い切り、本気にしてた
【ミライ】
「ハハッ…まァねえ」
「あれは薪集めと盆栽を掛けた中級ジョークで——ていいかコレは」
ジョークや皮肉の説明を口頭ですることほど馬鹿馬鹿しくて恥ずかしいものもない。度々これを強いられるからミライは堅物が苦手だった
「んでヒガンバナさんはどうしてココにいるのさ?ショッピングモールって買い物するところなんだぜ」
偽名を聞いて来たあたりからして盆栽ブースの店員ではなさそう——腰に刀を差す店員がいたら驚きだが——と察し、クラスメイトの誰かと予想を立てる。その名前までは判断しかねるが。
【ヒガンバナ】
「薪の為だったのか……いやすまない、私には洒落と言うのが分からなくてな。」
薪を集める為と聞けば、直ぐに納得する。
全く考えてもみなかった事ではあるが。
だって、暖房効いてるし。
「私も買い物をしてきた所だ……これをずっと手に持っておくのも面倒なので、このベルトを自作したのだ……中々いいだろう？」
手作りの刀擬きを挿す為に、簡単な加工を施したベルトを見せる。
ちょっとだけ自慢気なのは許して欲しい。
【ミライ】
「へェ！結構な趣味してんね」
堅物にしてはカッコいいじゃんと嫌味な褒め方をしながらヒガンバナのベルトを眺めた。彼女の周りを一周して、すみずみまで観察した上で。
「こういうの好きな感じ?なんだか見かけによらないネ」
いやまぁパリッとした容姿に刀で似合わない訳はないのだが、ミライ自身、堅物でジョークの通じない雰囲気とはちょっと離れたイメージを持っていた。
【ヒガンバナ】
「む……そうか？まあ、百均で買った有り合わせの物で作った物だがな。
うん、我ながら傑作だ。」
こう誉められると、直ぐに持ち上げられてしまうタイプらしく、胸を張ってドヤる。
「普段は……まあ、余りこう言うのを作る方では無いのだがな……
いや、こう言うのに才能が有ったのか、私は？」
【ミライ】
（あ、これ…チョロいな）
褒めたら満足気になったところを見るに、もしやおだてていればチョロいのでは？
堅物だ堅物だとばかり思っていたが、ドヤるあたり中々面白そうな奴のようだ
「手先が器用なんじゃない?」
「いままで作る機会無かったってンなら気づくタイミングもないっしょ?」
才能って案外気づきにくいモンっていうじゃん?と付け加え、ヘラヘラニヤニヤ褒めてヒガンバナの顔を見る。
【ヒガンバナ】
「確かに、気づかなかっただけで、私には物作りの才能が有るのかもな！
ハハハハハ！！」
まさにチョロい。
煽てられればられる程、どんどん付け上がっていく。
「……よし、ならば……次は真剣でも作るか！」
そして、思考がヤバイ方面に向かう。
少し考えた後に『次は砥石だな！』とか言ってる。
【ミライ】
「研ぎ石も一から作れちゃったりするんじゃないすかァ？」
肘でヒガンバナをつついて茶化そうとしながら、おだててどこまでいくかの様な怖いもの見たさで褒めまくろうとする。
「真剣研ぐの結構コツいるって聞くけど、まァ大丈夫なんじゃない?」
ずいぶん適当なものいいだが、ミライ自身がヒガンバナに本気で取り合ってない事を示していた。
「てかフレンドならない?」「真剣研げたら見してよ、連絡くれればいくからサ」
本当に真剣ができるとは考えていない。しかし連絡先を交換する上での口実として、この場で最も適した選択肢の一つだろう
【ヒガンバナ】
「砥石は流石に採石場？とかに行かないと無いのではないか？
……まあ、真剣作りなら何とかなるだろう！」
何処から沸いてくるのか、自信満々にそう言ってのける。
「む？フレンドだな！
よし、申請送るから待ってろ！そして真剣できたら送るからな！」
【ミライ】
【中央エリア・ショッピングモール】
広場に設けられた園芸コーナーのブースを眺める桃色髪の女が一人。彼女は園芸用肥料やラベンダーにひとしきり目を通した後、園芸バサミのコーナーを見ていた。
（小屋には薪ストーブしかなかったからなぁ…薪になりそうな枝を集められるハサミでもあればいいんだケド）
元からあった薪の量は少なかった上に、周りに手頃な枯れ木もなさそうだった。そうなると、離れた場所の木から枝を拝借して乾燥させるしかないだろう。考えている方法があってるかは怪しいが、まァなるようになるさ。
そんな事を考えていた
【ヒガンバナ】
コツコツコツ────
靴の音を響かせて、園芸コーナーへとやって来たヒガンバナ。
あの刀擬きは、仕入れたばかりのベルトを凄く加工して作った物に差している。
なので、園芸コーナーに用があった訳ではないのだが、誰か居るのに気づいたらしく、足を踏み入れた。
「…………何か、探しているのか？」
派手な髪色の者に、そう声をかける。
人の事は言えない？これは髪ではなく、飾りです。
【ミライ】
「ん？————あぁ」
靴の足音と声によって、桃色髪の女は後ろに振り返った。それも結構な特徴ある振り向き方で。シャフ度的な角度のアレで。
「まぁね。小枝を切るのにいい具合のハサミを探してるのサ」
チラリ腰の刀を見て、悟られないように警戒する。流石に真剣ではないだろう…そう思いつつも、どこかで“まさか”の思いが拭えなかった
【ヒガンバナ】
「小枝、か……何か盆栽でもするのか？」
そんな訳ないだろう、と言いたい所だが。
こんな状況だと、趣味の人ならやりだしそうだ。
それに、ヒガンバナに小枝を切ってする事は、それくらいしか思い付かなかったから。
「……ああ、そうだ……私はヒガンバナと言う。
貴様、偽名は？」
【ミライ】
「そ。シブイ趣味でしょ?
私が切る盆栽の松はちょいとばかしデカ過ぎるけどね」
ヒガンバナと名乗った人物の言葉をジョークと捉えたのか、その桃色髪の女は冗談で返してきた。森の松を盆栽がわりにするアーティストも探せばいそうだが、彼女はそうではないだろう
「貴様だなんてずいぶんな二人称だねェ」「ま、気にしないけどサ…」
ヒガンバナだっけ？私はミライって名乗ってるよ。そう言って右手を差し出す。握手を求めているようである
【ヒガンバナ】
「……なっ……本当に、あの松で盆栽をするのか？」
予想外の答えが返ってきたので、少し目を丸くして驚いている。
ヒガンバナは、嘘が通じないらしい。
「……と、取り敢えず……ミライ、だな。
宜しく頼む。」
差し出された右手を握り、宜しくと言う。
【ミライ】
「………はァ…」
軽快なジョークが通じないときて、ガックリ肩を落とす。皮肉とジョークは会話の華。これが通じないとなれば、会話で談笑という名の花束は作ることは難しい
ミライは快く握ってくれた右手をしっかり握り返して、苦笑いしながらたずねた。
「よく『お堅い』って言われない?」
「ショージキなトコ“真面目ちゃん”って感じ。ご立派ァ」
フリーな左手でややオーバーに茶化してみる。ほぼ煽りに近いし失礼な領域に達してるが、それでもズバズバ言うのがミライであった
【ヒガンバナ】
「……むっ……いや、事実だな。
確かに、堅いと言われる……と言うことは、盆栽は、嘘か？」
少し、ムッとした表情をするが、事実な為に認める。
そして、盆栽が趣味なのは嘘なのかと聞く。
思い切り、本気にしてた
【ミライ】
「ハハッ…まァねえ」
「あれは薪集めと盆栽を掛けた中級ジョークで——ていいかコレは」
ジョークや皮肉の説明を口頭ですることほど馬鹿馬鹿しくて恥ずかしいものもない。度々これを強いられるからミライは堅物が苦手だった
「んでヒガンバナさんはどうしてココにいるのさ?ショッピングモールって買い物するところなんだぜ」
偽名を聞いて来たあたりからして盆栽ブースの店員ではなさそう——腰に刀を差す店員がいたら驚きだが——と察し、クラスメイトの誰かと予想を立てる。その名前までは判断しかねるが。
【ヒガンバナ】
「薪の為だったのか……いやすまない、私には洒落と言うのが分からなくてな。」
薪を集める為と聞けば、直ぐに納得する。
全く考えてもみなかった事ではあるが。
だって、暖房効いてるし。
「私も買い物をしてきた所だ……これをずっと手に持っておくのも面倒なので、このベルトを自作したのだ……中々いいだろう？」
手作りの刀擬きを挿す為に、簡単な加工を施したベルトを見せる。
ちょっとだけ自慢気なのは許して欲しい。
【ミライ】
「へェ！結構な趣味してんね」
堅物にしてはカッコいいじゃんと嫌味な褒め方をしながらヒガンバナのベルトを眺めた。彼女の周りを一周して、すみずみまで観察した上で。
「こういうの好きな感じ?なんだか見かけによらないネ」
いやまぁパリッとした容姿に刀で似合わない訳はないのだが、ミライ自身、堅物でジョークの通じない雰囲気とはちょっと離れたイメージを持っていた。
【ヒガンバナ】
「む……そうか？まあ、百均で買った有り合わせの物で作った物だがな。
うん、我ながら傑作だ。」
こう誉められると、直ぐに持ち上げられてしまうタイプらしく、胸を張ってドヤる。
「普段は……まあ、余りこう言うのを作る方では無いのだがな……
いや、こう言うのに才能が有ったのか、私は？」
【ミライ】
（あ、これ…チョロいな）
褒めたら満足気になったところを見るに、もしやおだてていればチョロいのでは？
堅物だ堅物だとばかり思っていたが、ドヤるあたり中々面白そうな奴のようだ
「手先が器用なんじゃない?」
「いままで作る機会無かったってンなら気づくタイミングもないっしょ?」
才能って案外気づきにくいモンっていうじゃん?と付け加え、ヘラヘラニヤニヤ褒めてヒガンバナの顔を見る。
【ヒガンバナ】
「確かに、気づかなかっただけで、私には物作りの才能が有るのかもな！
ハハハハハ！！」
まさにチョロい。
煽てられればられる程、どんどん付け上がっていく。
「……よし、ならば……次は真剣でも作るか！」
そして、思考がヤバイ方面に向かう。
少し考えた後に『次は砥石だな！』とか言ってる。
【ミライ】
「研ぎ石も一から作れちゃったりするんじゃないすかァ？」
肘でヒガンバナをつついて茶化そうとしながら、おだててどこまでいくかの様な怖いもの見たさで褒めまくろうとする。
「真剣研ぐの結構コツいるって聞くけど、まァ大丈夫なんじゃない?」
ずいぶん適当なものいいだが、ミライ自身がヒガンバナに本気で取り合ってない事を示していた。
「てかフレンドならない?」「真剣研げたら見してよ、連絡くれればいくからサ」
本当に真剣ができるとは考えていない。しかし連絡先を交換する上での口実として、この場で最も適した選択肢の一つだろう
【ヒガンバナ】
「砥石は流石に採石場？とかに行かないと無いのではないか？
……まあ、真剣作りなら何とかなるだろう！」
何処から沸いてくるのか、自信満々にそう言ってのける。
「む？フレンドだな！
よし、申請送るから待ってろ！そして真剣できたら送るからな！」
花は短し笑えよ乙女 2nd-8th
みかんちゃん(2nd)-酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)
【酢豚パイナポー】
「う〜ん…来たには来たのですけど…。
ここには何があるのですかね…。お店自体は古い様ですけど…。」
パイナポーがプラネタリウムでの出会いを経験してから数時間後。彼女はですにゃんのチェックインを手伝い終え、一時にこやかに分かれて。
パイナポーは前々から気になっていた商店街へと足を運ぶ。コロパッドの簡素な案内には、どうやら結構古い商店街のようだが…
見渡して見ても“カメラ屋”“畳屋”“花屋”なんて、現在ではショッピングセンターに吸収されて無くなっているような個人経営店がずらりと並んでいるのがパッと観ただけでも分かる。
なんだか店員はみんな一様にして静かで、それこそ気配のみなのがなんだか不安を誘うが…。
【みかんちゃん】
「きゃぁぁあ〜超エモいんだけどぉ！」
そんな何処か不気味な雰囲気を掻き消したのは黄色い女子の声。否、黄色いオネェの声であった。
彼女の歩く数メートル先にある駄菓子屋。その横にある少し古びたバス停をパシャパシャと連射する男が見えるだろう。
それこそその声の出処。
みかんちゃんである。
「んー…やっぱりこの商店街が一番盛り上がるのよねぇん。おっと、いけないいけない…いざというときの何かを買おうって来たんだったわぁ…私ったらうっかりさん♡」
これ全部独り言である。
【酢豚パイナポー】
「あっ、ごめんなさいです。私は、酢豚に極稀に入っているパイナポー…と申します。どうぞよろしくお願いしますです。」
申し訳なさそうに言葉尻を小さくさせながら、謝罪。その後パイナポーは自分の本当の偽名(偽名なのに本当とはなんともおかしい話だが)を目の前の女性のような人物へと伝える。
もう4回目となれば、この名前にも慣れたものだ。
今では前までに言葉を震えさせて強い赤を頬へと化粧する事なく、ただ薄く染めるだけで言える様にまでなった。
なんとも悲しい成長であろう。
「えっと…貴方はここで何を？」
そして、パイナポーは本来の目的変態ornot変態チェック“のために、目の前の人物へと言葉を投げかける。個人的にはこの人は変態寄りだけど。
【みかんちゃん】
「酢豚に…え、なに…なっがいわねぇ！？面倒だしパイナポーちゃんでいいかしらん？」
そこら辺辛辣なツッコミ。
顔を赤らめているあたり自覚はあるのだろう。
だからあまり深くツッこむのはやめて適当な略称で呼びことにした。
「ちなみに、私はみかんちゃんって呼んで頂戴な？今はここでちょっとしたお買い物ついでに観光してたのよ。ほら、この哀愁漂う昭和感が堪らないじゃなぁい？」
観光だなんて呑気なものだと誰しも思うだろうが私も思う。でも観光しておく以外時間の潰し方もイマイチわからないから仕方ないじゃない？
それに動き回れば人(主に男)に会える可能性はあるでしょう？
ならば観光だって馬鹿にしてはいけない。
ビバイケメン探…観光めぐり！
【酢豚パイナポー】
「どうぞ、パイナポー…と呼んでください。」
「みかんちゃんさんですね。分かりました、改めてよろしくお願いします。」
パイナポーは若干赤い頬を隠す様にぶんぶんと何度も頭を振って。みかんちゃんへと挨拶をする。みかんちゃんまでが名前なのか、みかんをちゃんと呼べばいいのか分からない。
しかし、パイナポーは感覚でわかる。某海洋大学教授と同じだ…と。
「レトロな雰囲気…確かにそうですね。ちょっと不気味な感じもしますけど…。」
言われてみれば情緒ある様にも見えるここ、商店街。不気味な雰囲気が先に感じとれてしまったが、どことなく懐かしい様な感覚を覚える。
…それが良いものか悪いものかは分からないが。
【みかんちゃん】
「やぁね、ちゃんってあるんだからさんつけないで頂戴よ。可愛くなくなるじゃない。」
みかんちゃんにさんは不要です。
なんかわけわかめな名前になるし。
可愛さ第1主義でいきましょうか。
「不気味？ふぅん…不気味だなんて思うのは気持ちが沈んでいるからよん。ほらほらはぁい笑ってぇ♡」
なんて楽観的な笑顔を浮かべながらすかさずはいチーズ！なんて写真撮影。撮った写真を見せるようにくるりとパッドを翻して首を傾げた。
「ほぉら…あなた今すんごいブッサイク面じゃないのぉ。女の子がそんな湿気っ面しちゃあ勿体ないわよ？」
【酢豚パイナポー】
「あっ…ごめんなさい。てっきりちゃん、までが名前なのかと思いまして。みかん…ちゃん…で大丈夫でしょうか？」
パイナポーは間違えた事へと恥じ、みかんちゃんさんをみかんちゃんへと自身の中の認識を変える。某海洋大学教授と同じではなかった様だ…反省反省。
パイナポーは反省できる子、今までだってミスしても反省の繰り返しだ。大丈夫大丈夫。
「す、すみません…。私、あまり笑うのは得意じゃ無くて…こ、こうですか？」
ぱしゃり、と取られて自分のあまりにこやかではない顔にちょっとがっかりして。やっぱりあまり笑うのは得意じゃない。毎回毎回…無理して笑っちゃう。
【みかんちゃん】
ちゃんまでが名前ではあるのだけれど…某海洋大学教授と同じでアタリなのだけれど、それを言ったらさん付けされそうだったのでお口ミッフィーしておいた。
「んっんー…まぁだ引き攣ってるわ。別段無理して笑えってわけじゃないわ？今くらい楽しんどきなさいって言ってんのよ。」
なんて人に言えたことじゃないけど上辺だけはそう言っておく。
みんながみんな何かが何かがと詮索ばっかりつまらないもの。
「とりあえずはお近付きの印にフレンド登録しない？女子友がいると心強いじゃない？」
お前は女子じゃないだろとかツッコミは受け入れません。乙女だから女子に含まれるのです。
【酢豚パイナポー】
「そうですね…私、もうちょっと此処を楽しまないといけませんねっ…。」
パイナポーは確かに殆どの不安は解消された。
然し、未だ残る“脱出できるのか”という不安はしこりの様に彼女の中へ残されたままであったのだ。
それこそ、大学生が将来に対して漠然とした不安感を覚える様に。パイナポーは心が揺れ動かぬ氷の様に固まっていたのだ。
「フレンド登録…私からも是非お願いしますねっ。何かあったら、私も力になりますのでっ！」
そう言ってパイナポーはコロパッドを取り出してフレンド登録の準備を進める。
【みかんちゃん】
「ええ、そうよ。今はこの一瞬しかないんだから♡」
ウィンクをかますオネェ。
最近さらにウィンク上手くなった気がする。
☆彡.。が飛びそうな勢いには。
いつかﾊﾞﾁｨｨｨｲﾝｯ☆彡.。とか聞こえそ(中の人感)
パッドのチャット画面を開くとパイナポー少女にフレンド申請を送った。
承認されれば直ぐに［よろしく♡］というメッセージと共に可愛らしいスタンプが飛んでくることだろう。
「それはお互い様。私もあなたが困ったときは協力するわ？こういうときこそ協力、しなくちゃだものね？」
【酢豚パイナポー】
「私、頑張りますねっ。みかんちゃん！」
パイナポーはチャットのフレンド欄に増えた知り合いをにやにやとしながら眺めて。
パイナポーは柔らかく、(見る人が見ればぎこちなく見えるが)笑みを浮かべる。また、一人知り合いができた。
どうやらこの女性は第一印象の変態とは違う様だ。やはり先入観というものはあてにならない。
【みかんちゃん】
笑う彼女を見て微笑んで。
先程みたく写真を撮ることはしなかった。
言ってしまえばまた意識して逆戻りだと思ったから。
それにしてもどうして今更こんなことしているのか。
多分、重ねたからだろう。
誰に？
多分、誰かに。
重ねても結局は他人に変わりはないのだが、
そもそもその誰かがいるかも確証はないのだけれど。
「それじゃあまたね？パイナポーちゃん♡」
手のひらをヒラヒラしてまたねと別れを告げた。
またね、と敢えて言ってみた。
【酢豚パイナポー】
「う〜ん…来たには来たのですけど…。
ここには何があるのですかね…。お店自体は古い様ですけど…。」
パイナポーがプラネタリウムでの出会いを経験してから数時間後。彼女はですにゃんのチェックインを手伝い終え、一時にこやかに分かれて。
パイナポーは前々から気になっていた商店街へと足を運ぶ。コロパッドの簡素な案内には、どうやら結構古い商店街のようだが…
見渡して見ても“カメラ屋”“畳屋”“花屋”なんて、現在ではショッピングセンターに吸収されて無くなっているような個人経営店がずらりと並んでいるのがパッと観ただけでも分かる。
なんだか店員はみんな一様にして静かで、それこそ気配のみなのがなんだか不安を誘うが…。
【みかんちゃん】
「きゃぁぁあ〜超エモいんだけどぉ！」
そんな何処か不気味な雰囲気を掻き消したのは黄色い女子の声。否、黄色いオネェの声であった。
彼女の歩く数メートル先にある駄菓子屋。その横にある少し古びたバス停をパシャパシャと連射する男が見えるだろう。
それこそその声の出処。
みかんちゃんである。
「んー…やっぱりこの商店街が一番盛り上がるのよねぇん。おっと、いけないいけない…いざというときの何かを買おうって来たんだったわぁ…私ったらうっかりさん♡」
これ全部独り言である。
【酢豚パイナポー】
「あっ、ごめんなさいです。私は、酢豚に極稀に入っているパイナポー…と申します。どうぞよろしくお願いしますです。」
申し訳なさそうに言葉尻を小さくさせながら、謝罪。その後パイナポーは自分の本当の偽名(偽名なのに本当とはなんともおかしい話だが)を目の前の女性のような人物へと伝える。
もう4回目となれば、この名前にも慣れたものだ。
今では前までに言葉を震えさせて強い赤を頬へと化粧する事なく、ただ薄く染めるだけで言える様にまでなった。
なんとも悲しい成長であろう。
「えっと…貴方はここで何を？」
そして、パイナポーは本来の目的変態ornot変態チェック“のために、目の前の人物へと言葉を投げかける。個人的にはこの人は変態寄りだけど。
【みかんちゃん】
「酢豚に…え、なに…なっがいわねぇ！？面倒だしパイナポーちゃんでいいかしらん？」
そこら辺辛辣なツッコミ。
顔を赤らめているあたり自覚はあるのだろう。
だからあまり深くツッこむのはやめて適当な略称で呼びことにした。
「ちなみに、私はみかんちゃんって呼んで頂戴な？今はここでちょっとしたお買い物ついでに観光してたのよ。ほら、この哀愁漂う昭和感が堪らないじゃなぁい？」
観光だなんて呑気なものだと誰しも思うだろうが私も思う。でも観光しておく以外時間の潰し方もイマイチわからないから仕方ないじゃない？
それに動き回れば人(主に男)に会える可能性はあるでしょう？
ならば観光だって馬鹿にしてはいけない。
ビバイケメン探…観光めぐり！
【酢豚パイナポー】
「どうぞ、パイナポー…と呼んでください。」
「みかんちゃんさんですね。分かりました、改めてよろしくお願いします。」
パイナポーは若干赤い頬を隠す様にぶんぶんと何度も頭を振って。みかんちゃんへと挨拶をする。みかんちゃんまでが名前なのか、みかんをちゃんと呼べばいいのか分からない。
しかし、パイナポーは感覚でわかる。某海洋大学教授と同じだ…と。
「レトロな雰囲気…確かにそうですね。ちょっと不気味な感じもしますけど…。」
言われてみれば情緒ある様にも見えるここ、商店街。不気味な雰囲気が先に感じとれてしまったが、どことなく懐かしい様な感覚を覚える。
…それが良いものか悪いものかは分からないが。
【みかんちゃん】
「やぁね、ちゃんってあるんだからさんつけないで頂戴よ。可愛くなくなるじゃない。」
みかんちゃんにさんは不要です。
なんかわけわかめな名前になるし。
可愛さ第1主義でいきましょうか。
「不気味？ふぅん…不気味だなんて思うのは気持ちが沈んでいるからよん。ほらほらはぁい笑ってぇ♡」
なんて楽観的な笑顔を浮かべながらすかさずはいチーズ！なんて写真撮影。撮った写真を見せるようにくるりとパッドを翻して首を傾げた。
「ほぉら…あなた今すんごいブッサイク面じゃないのぉ。女の子がそんな湿気っ面しちゃあ勿体ないわよ？」
【酢豚パイナポー】
「あっ…ごめんなさい。てっきりちゃん、までが名前なのかと思いまして。みかん…ちゃん…で大丈夫でしょうか？」
パイナポーは間違えた事へと恥じ、みかんちゃんさんをみかんちゃんへと自身の中の認識を変える。某海洋大学教授と同じではなかった様だ…反省反省。
パイナポーは反省できる子、今までだってミスしても反省の繰り返しだ。大丈夫大丈夫。
「す、すみません…。私、あまり笑うのは得意じゃ無くて…こ、こうですか？」
ぱしゃり、と取られて自分のあまりにこやかではない顔にちょっとがっかりして。やっぱりあまり笑うのは得意じゃない。毎回毎回…無理して笑っちゃう。
【みかんちゃん】
ちゃんまでが名前ではあるのだけれど…某海洋大学教授と同じでアタリなのだけれど、それを言ったらさん付けされそうだったのでお口ミッフィーしておいた。
「んっんー…まぁだ引き攣ってるわ。別段無理して笑えってわけじゃないわ？今くらい楽しんどきなさいって言ってんのよ。」
なんて人に言えたことじゃないけど上辺だけはそう言っておく。
みんながみんな何かが何かがと詮索ばっかりつまらないもの。
「とりあえずはお近付きの印にフレンド登録しない？女子友がいると心強いじゃない？」
お前は女子じゃないだろとかツッコミは受け入れません。乙女だから女子に含まれるのです。
【酢豚パイナポー】
「そうですね…私、もうちょっと此処を楽しまないといけませんねっ…。」
パイナポーは確かに殆どの不安は解消された。
然し、未だ残る“脱出できるのか”という不安はしこりの様に彼女の中へ残されたままであったのだ。
それこそ、大学生が将来に対して漠然とした不安感を覚える様に。パイナポーは心が揺れ動かぬ氷の様に固まっていたのだ。
「フレンド登録…私からも是非お願いしますねっ。何かあったら、私も力になりますのでっ！」
そう言ってパイナポーはコロパッドを取り出してフレンド登録の準備を進める。
【みかんちゃん】
「ええ、そうよ。今はこの一瞬しかないんだから♡」
ウィンクをかますオネェ。
最近さらにウィンク上手くなった気がする。
☆彡.。が飛びそうな勢いには。
いつかﾊﾞﾁｨｨｨｲﾝｯ☆彡.。とか聞こえそ(中の人感)
パッドのチャット画面を開くとパイナポー少女にフレンド申請を送った。
承認されれば直ぐに［よろしく♡］というメッセージと共に可愛らしいスタンプが飛んでくることだろう。
「それはお互い様。私もあなたが困ったときは協力するわ？こういうときこそ協力、しなくちゃだものね？」
【酢豚パイナポー】
「私、頑張りますねっ。みかんちゃん！」
パイナポーはチャットのフレンド欄に増えた知り合いをにやにやとしながら眺めて。
パイナポーは柔らかく、(見る人が見ればぎこちなく見えるが)笑みを浮かべる。また、一人知り合いができた。
どうやらこの女性は第一印象の変態とは違う様だ。やはり先入観というものはあてにならない。
【みかんちゃん】
笑う彼女を見て微笑んで。
先程みたく写真を撮ることはしなかった。
言ってしまえばまた意識して逆戻りだと思ったから。
それにしてもどうして今更こんなことしているのか。
多分、重ねたからだろう。
誰に？
多分、誰かに。
重ねても結局は他人に変わりはないのだが、
そもそもその誰かがいるかも確証はないのだけれど。
「それじゃあまたね？パイナポーちゃん♡」
手のひらをヒラヒラしてまたねと別れを告げた。
またね、と敢えて言ってみた。
モールのパフェデート！ 17th-20th
エム(17th)-あいごころ。(20th)
【エム】
温泉にも入り終わっておかあさんと別れて、次に向かったのはショッピングモール。
少し前にゴミをポイ捨てしていた同じくらいの背の女の子がいたあそこ。
結局、ゴミを押し付けたあと汚いところは嫌だからと、そうそうにその場を去ったわけだけど……
「…………はぁ」
また来てみれば、定期的に捨ててある包み紙のゴミ。
あのこ結局捨てたんだ、という失望やら何やらで。
とりあえず、片付けようと定期的に落ちるゴミをため息混じりに拾い始めました。
【あいごころ。】
｢なんだか最近失態しか晒してない気がするわ…｣
そういってため息をはく。このままでは自分のイメージがドジっ子みたいな立ち位置になってしまうことは明白であった。…もうなってる気がしなくもないが。
｢ともかく、あまり探索が進んでないわね…。少々まずいかしら？とりあえずこのショッピングモールにでも行ってみましょうかね…。｣
そう独り言を言いながら狐面を少し横へとずらし、気持ちを切り替える。そして、デパートへと向かっていくのだった。
…温泉から出てきた彼女の浴衣は帯の結び方がまったく出来ておらず、軽く引っ張るだけで帯が解けてしまいそうになっていたりするのだが。
【ショッピングモール】
｢さて、ここね。｣
少しばかり時間がかかってしまった。…いや、この体なら標準の速度なのだが、やはり身長がちっちゃくなってるのだなぁと軽く落ち込む。まあ、もう泣くことは無いが。…多分。勝手にムッとしていると人影を発見する。
｢…あら？｣
恐らく様子から見て参加者だろう。いままでの参加者よりも一回り小さく、恐らく自分と、同じぐらいの身長だとあたりを付ける。…まあ、仮初の姿ではあるのだろうが。
ここからは失敗しない。そう自分の中で気を引き締め、彼女を油断なく見つめて近づいていく。彼女が拾っているのは何なのだろうか…ゴミ？ゴミ掃除？
彼女の行動を見て、そして考える。意識は彼女に向けたまま、何故そのような行動をしてるかの理由を考え…自分の足元にあったゴミに気づかずいた。
｢…にゃ？！｣
…まあ、ご想像どおりだ。ゴミに足を滑らせ、その少女へと倒れ込んでしまう。
【エム】
「ふぇっ……！？ …………あ、大丈夫？！」
急に後ろから、女の子の叫び声が聞こえてきたのに驚いて、エムも少し声を出しながら、慌てて後ろを向きました。
そしたら居たのは、転んでしまった女の子。
エムよりも、少し小さいくらいでしょうか。
これより小さい身長の姿なんてあったんだ、と軽く思いながら、持っていたゴミを近場のゴミ箱に突っ込んで、転んでしまった女の子の方へと走っていきました。
【あいごころ。】
｢あぅ…｣
またやった。やってしまった…話しかけようとしていた子がこっちにやってくるのが見える。
｢…え、ええ。大丈夫よ。心配しないで。｣
そういってから体を起こす。大丈夫。まだ私のカリスマは死んでない…はず。最近転び慣れているのでこの状況には慣れているのだ。
｢見苦しい姿を見したわね。ごめんなさい。｣
そういって少しズレた狐面を定位置へと戻す。そして改めて相手のことを見るのだが…どうやら相手の方が身長は高いようで。少しばかりムッとしてしまう。
【エム】
「ううん？ 怪我がないみたいで良かったよ！」
とりあえず、どこか怪我をしているような様子もないからほっと一安心。
わりと凄い音が聞こえたから、心配だったのです。
「……それより、おね…………あなたは誰？
エムはエムって言うんだ！」
ただ、自分より背の小さい彼女をお姉さん、と呼ぶのはなんか違う気がして、あなた、と言い替えました。
多分初対面のはずだし、エムが他の人にお兄さんお姉さんと呼んでることはバレないはずだから、気を悪くすることはないと思うけど……
そんなことを考えながら、エムは簡単に名乗りました。
【あいごころ。】
…いまおねって聞こえたけれどももしかしてお姉さんからあなたに言い替えた、みたいなことないよね？いや、それはきっと無いだろう…多分。身長見て言い替えたみたいなことは無いだろうと信じつつ質問に答えることにする。
｢そうね…あいごころ。というわ。こころでいいわよ。｣
もはや恒例となった自分の名前を返す。恐らく例の放送からしてこのようにコミュニケーションが取れる人物は間違いなくクラスメイトであった、と考えても良いだろう。と、なると…まずは情報を集めるべきだろう。とりあえずまずは気になっていたことをきっかけとして話かける。
｢一体あなたはここで何をしているのかしら？｣
自分浴衣が少しズレていることに気づくが…まあ、問題ないだろう。そう判断する。
【エム】
「え……？ ごみ拾いだけど……」
何をしてるのか、と言われてもやってることはそれだけで。
もしかして、それ以外の何かに見えるのかな、なんて自分の身なりを軽く見下ろして確認してみたり。
ショッピングモールで真面目にゴミ拾いなんてする子供がいないからそう聞くのは間違っていないと気づくのは、もう少しあとの話。
「……それより、浴衣脱げちゃうけどいいの？」
ひとまず指摘するのはそれ。
すぐ脱げることは無いだろうけど、それでも治すに越したことはないだろうし。
【あいごころ。】
｢ああ、ゴミ拾いね…ゴミ拾い。｣
…慈善事業か何かだろうか？ゴミ拾いという平和な時にしか聞かぬであろう言葉に少しポケーっとしてしまう。この人は現状を理解しているのだろうか？と疑ってしまう。
｢ああ…これは…その…わざとよ。うん。わざと。｣
浴衣に関しては結び方がわからないだけだった。一応共有チャットにも聞いてみたが帰ってきたのはゼリー生物の胡散臭い言葉のみ。正直あまりあてにもしてなかったので諦めて適当に結んだわけなのだが…ここにきてそれを指摘されるとは思っていなかった。ここで正直に結び方がわからないと相手に言うなんてかっこ悪いことは自分にはできない。仕方なくわざだ、と嘘をついてみて。
【エム】
「……へぇ……最近のふぁっしょん？って少し変わってるんだね」
疑うこともせず、にこりと笑って頷いた。
きっとこころちゃんが言った通りなんだろう。
エムはそういうふぁっしょんとかに疎いから、どうしてもそういう所が分からなくなっちゃうの。
しっかりしないと……
【あいごころ。】
｢そうそう最新のファッションよ。｣
どうにか言いくるめられた…のだろうか？ただこの状況、私的には全く良くない気がする。なんというか帯が心もとないというかなんというか…いや、きっと杞憂だろう。そう考えなおし彼女と向き直る。さて、どうするべきだろうか。
｢そうね…ゴミ拾いもいいけれども、少し中を見て回らないかしら？話したいこともあるでしょうし…ね？｣
狐面を左手で触ってすこし笑みを浮かべなからクスッと笑う。もうすっかり慣れてしまった表情のひとつだ。今はこのショッピングモールの中を見て回っておきたい。そして役に立つものがあれば持っていきたいところではあるのだが…まあ、相手はどう返してくるだろうか、とすこしだけ期待してみて。
【エム】
「わぁ……うん！ 一緒に行こ！」
結局、エムは今のところショッピングモールはごみ拾いの思い出しかない訳でして。
だから、一緒に見て回ろうと言って貰えたのは、とても嬉しくて、少し声が大きくなっちゃいました。
でもまぁ、幼女なんてこんなものだと思います。
【あいごころ。】
｢…喜んで貰えて嬉しいわ。｣
これが本心なのか。それとも、ただ隠しているだけなのか。…判断が付きにくい。正直、こういうタイプの判別というのはなかなか難しいものだ。彼女がただの幼女なのか、それとも…皮を被った狼なのか。…とても可愛らしい仕草をしていて、普通だったら幼女パワーにやられるのだろうが悲しいかな、自分の方が背が低いゆえ、どちらかと言えば近所の親しみやすいお姉さんといった印象だ。…いや、それだと私の方が幼女みたいな言い方になる。それは負けた気がする。何にとは言わないけれど。
｢さて、見ると言っても…どこに行きましょうか？｣
まあ、私としては適当にブラブラ出来ればそれでいいのだけれど。とりあえず希望はあるだろうかと考えて少女に尋ねてみる
【エム】
「あ、エムね？ あれ食べたい！！」
そうして指さした先にあるのは、クレープ屋。
女の子の食べ物代表、基本的にクレープ女の子が食べてるイメージ強いよね、という偏見。
それはそれとして、単純に甘いものが食べたかったのです。
「こころちゃんは？ クレープどうですか？」
にこりと微笑んで、そう問いかけます。
相手が食べたくないものを無理に食べさせるのは、申し訳ないですから。
《クレープ屋の店員》
『いらっしゃいませ』
クレープ屋の店員は酷く無愛想だ。虚ろな目をしており、生気がない。
最も、ここにいるNPCは全員そうなのだが。
【あいごころ。】
彼女が指をさした先にあったのはそう。クレープ屋だった。さっき温泉で恥をかかされたクレープ屋。鼻に付いてしまったクリームがどれだけ恨めしいものだったか。そう。もうクレープなんて懲り懲りだ。自分の中でそう呟くと彼女の質問に答えるため口を開いた。
｢そ、その、エムちゃんが食べたいのであればべつに、その……いいょ…｣
恥ずかしさにより後半声が萎んでしまったが、上手く断れただろうか。…あれ、なんか自分の中で思ってることと喋ったことが乖離している気がする。いや、そんなことは無い。本当はクレープを食べたくない訳では無い。むしろ今すぐにクリームを増し増しにしてふわふわの海にダイブしたい。しかし、それをするとまた鼻にクリームがついてしまう気がして…
い、いや、今回はちゃんと断って…あれ？
【エム】
「えへへ、じゃあ決まりだね！」
そして、こころちゃんの手を引いてクレープ屋の前へ。
ショーケースに並んでいる数多くのメニューを見て目を輝かせて。
やっぱり、甘いものは食べたくなっちゃうよね？
ただ、視界の端。
今では見上げるような形になってしまった、店員の顔が見えて……
「……………………チッ」
幼女らしからぬ舌打ちが、その場で響いたのでした。
【あいごころ。】
｢う、うん…｣
彼女に手を引かれショーウィンドウの前へ。そこにはいっぱいの夢が置かれていた。思わずふぁあ…と声を出しそうになるがなんとか耐える。なんとなく、負けた気がするから。どうにか自分の中の欲望と格闘する。我慢である。そうして自分の中のことで精一杯であった。…周りの声が聞こえないほどには。
｢そ、その…私はエムちゃんと同じものでいいよ｣
そういってどうにかショーウィンドウから目を逸らす。これ以上見ていたら多分、何かが自分の中で壊れる気がしたからだ。…本当はトッピングでクリーム増し増しにしてチョコソースとかもたっぷりとかける｢こころスペシャル｣なるクレープを頼みたいのだけれども。
【エム】
「……あっ、えっとねぇ……これ！」
こころちゃんの声でハッと我に帰れば、慌ててショーウィンドウに目を走らせて、とりあえず適当に指さして、これください！ と店員さんに言います。
適当に選んだけど、幸い、エムが好きなタイプだったのでよかったです。
さっきのに気づかれていないのも、よかったです。
「……でも、こころちゃん他のが食べたいんじゃないの？」
ただ、一緒のと言われても、こころちゃんの態度をみれば、きっとほかのが食べたいんだろうなっていうのはあっさりと気づけるもので。
「食べたいもの食べたらいいと思うよ？」
どうせこんな状況なんだし、少しくらいは楽しまないと、なんて。
笑ってこころちゃんに言うのです。
【あいごころ。】
｢うぅ…｣
どうやら離脱は失敗したらしい。というかその言葉はダメだ。好きな物を食べたいだなんて言われたら…と少しだけ堕ちそう(？)になるがまだ耐える。自分はそこまで安い人間ではないのだ…ないよね？崩壊しそうになる理性をどうにか抑えながらショーウィンドウと向き合う。
｢…こ、これで！｣
適当に指をさして決める。…どうやら自分の好きなタイプのもの、と言うより、完璧に大好物なタイプのものだった。嫌いなクレープなんてないけれども。さて、ここで少しまっていればすぐクレープは来るだろうが…
【エム】
「……あ、クレープきたよ！」
それからは、特にエムも何か言うようなこともせず、店員から手渡されたクレープを受け取れば、こころちゃんが選んだ方のクレープを差し出します。
もう、店員の顔は見ないようにしました。
【あいごころ。】
【エムside】
｢あ、ありがとぅ…｣
まずい。来てしまった…いや、まだ私の理性は保っている。こんなクレープなどに崩壊されるほどやわでは…クリームがいっぱい。チョコソースもたっぷり。とても美味しそうです…
｢いただきます…｣
1口食べる。そして私の理性は亡くなりました。ええ。
｢おぃしぃ…！！｣
クリームがふわふわしてて、生地もしっとりしててとても幸せな気持ちになります。いっぱいいっぱいのふわふわにほっぺたが落ちちゃいます。しあわせ。
｢エムちゃん！これおいしーね！｣
両手でクレープを持って、笑顔でエムちゃんにそういいます。
【エム】
「ねぇ、美味しいねぇ」
やっと素直になったようです、計画通り(大嘘)冗談はさておき、先程までのどこか威厳に満ち溢れていた様子からは一転、見た目相応の性格というかそれになっていて、エムは少し嬉しくなりました。
似たような見た目でも、今まで出会ったのはゴミ捨てるやばいやつでしたから。
「こころちゃん、エムのも美味しいよ？」
適当にそこらのベンチへと向かい、そこに座れば、自分の持っていたクレープをこころちゃんの方へと寄せました。
1口どうぞ、という意味で。
【あいごころ。】
【エムside】
｢ぅん？ほんとう？｣
差し出されたクレープを1口食べます。こっちもこっちでとても幸せいっぱいでおいしいです。
｢おいしぃ！｣
思わず両手を上げて美味しさを表現してしまいます。ちょっと恥ずかしいかな？それでも美味しいから仕方ないですよね。
｢〜♪｣
鼻歌まで歌っちゃいます、けれどしあわせいっぱいのこの時間は終わってしまいます。
｢あ、無くなっちゃった…｣
この瞬間は少し寂しくなります。ちょっとしゅんと、してしまいますがしあわせな時間というものは長くは続かないものなのです。…鼻にクリームがまたついてしまいましたが、私は気づけませんでした。
【エム】
「おいしぃ！！」
こころちゃんと同じように、エムも両手を上げて美味しさを表現します。
やっぱり誰かと一緒に食べる甘いものは普段より何倍も美味しく感じます。
ただ、こころちゃんが急に落ち込んだようになっちゃったのを見て、どうしたんだろうと思っていたら、案外答えはすぐにわかりました。
「……あぁ、食べ終わっちゃったね……」
確かに、食べ終わったら少し寂しくなりますから、落ち込んじゃうのもわかります。
と、ふと、こころちゃんの顔を見て
「こころちゃん、おはなにクリームついちゃってるよ？」
このままじゃ可愛そうだと思って、とりあえず持っていたティッシュで鼻を拭ってあげました。
…………さすがに鼻についてたクリームまで食べようとは、しないと思いますし。
【あいごころ。】
｢あ、ありがとぅ…｣
鼻のクリームを取ってもらってお礼をいいます…けれど恥ずかしいです。さっきと同じことやっちゃったなぁ。あのときはフェルナさんが取ってくれたけれども。
｢おいしかったねぇ｣
エムちゃんにそういって笑います。エムちゃんはクレープを持ってきてくれたり、鼻を拭ってくれたりして、とても優しいです。お姉さんがいたらこんな感じなのかな？
｢こころね、エムちゃんお姉さんみたいだなって。｣
思ったことを正直に言ってみます。こんなこと言われてエムちゃんは迷惑かな？ちょっとだけ不安になります。
【エム】
「…………エムが、お姉さん？」
へぇ、お姉さん。
……お姉さん？
お姉さんって、エムがお兄さんとかお姉さんとか言ってる、あのお姉さん？
………………えっ！？ あのお姉さん！？
すこし、言われた意味を理解するのに時間がかかりました。
言われ慣れなさすぎていた、と言うだけの簡単な結論でしたけど。
「うん！ 全然思ってくれていいよ！？ むしろエムお姉ちゃんって呼んで！ ぜひぜひ呼んで！！」
いつもは自分がみんなをお姉さんと呼んでいたから、自分が呼ばれることなんて1回も考えたことがありませんでした。
だから、言われてみると思いの外すごい嬉しくて、こう、胸の奥からなんかキラキラしたものが出てきて。
少し、いやすごくテンションが上がってしまいました。
【あいごころ。】
【エムside】
｢う、うん！エムお姉ちゃん！｣
とても喜ばれました。びっくりするぐらい。でも、喜んでもらえたなら言ったかいがあったというものです。喜んでいるエムお姉ちゃんをみてるとこっちまで嬉しくなっちゃいます。キラキラがすごいです。
｢エムお姉ちゃんエムお姉ちゃん、フレンドこーかんしよ？｣
そういって私はコロパットを出します。フレンド交換すれば、エムお姉ちゃんといつでも連絡出来るからです。安心するのです。ちょっとワクワクしながらエムお姉ちゃんに提案しました。にぱー。
【エム】
「いいよー、エムもしようって言おうと思ってたんだ」
なにこの幼女可愛い(素)
それはさておき、エムもコロパッドを取り出せば、起動して、こころちゃんへとフレンドの申請を送りました。
妹って、いいね！！！！
【あいごころ。】
【エムside】
｢やった！お姉ちゃんとお友達ー！！｣
とっても嬉しいです。お姉ちゃんとお友達になれたこと。それは紛いのない事実ですから。だからおのずとこの気持ちは“本物”ということになるはずなのです。
｢お姉ちゃん、こころ…そろそろ別の場所行くね？｣
お姉ちゃんともっとお話したかったけれども、それはまた今度。…今はやらなきゃいけない事があります。まだ、いっぱいお友達を作らないといけないのです！
そしてみんなで修学旅行なのです！
そうこころのなかで決意して、お姉ちゃんに手を振ります。
【エム】
「うん、浴衣の紐ちゃんと気をつけるんだよ〜！」
少し寂しいですが、こころちゃんにも都合というものがあるのでしょう、引き止める訳にも行かないので、手を振り返します。
もちろん、解けやすそうだった紐のことも注意しておいて。
こころちゃんが見えなくなるまで、手を振り続けました。
「…………はぁ、お姉ちゃん……ねぇ」
そんな風に他人から呼ばれたのは、いつぶりだったろうなんて、簡単に思い返せば、またエムはほかのところへと遊びに行くのでした。
【エム】
温泉にも入り終わっておかあさんと別れて、次に向かったのはショッピングモール。
少し前にゴミをポイ捨てしていた同じくらいの背の女の子がいたあそこ。
結局、ゴミを押し付けたあと汚いところは嫌だからと、そうそうにその場を去ったわけだけど……
「…………はぁ」
また来てみれば、定期的に捨ててある包み紙のゴミ。
あのこ結局捨てたんだ、という失望やら何やらで。
とりあえず、片付けようと定期的に落ちるゴミをため息混じりに拾い始めました。
【あいごころ。】
｢なんだか最近失態しか晒してない気がするわ…｣
そういってため息をはく。このままでは自分のイメージがドジっ子みたいな立ち位置になってしまうことは明白であった。…もうなってる気がしなくもないが。
｢ともかく、あまり探索が進んでないわね…。少々まずいかしら？とりあえずこのショッピングモールにでも行ってみましょうかね…。｣
そう独り言を言いながら狐面を少し横へとずらし、気持ちを切り替える。そして、デパートへと向かっていくのだった。
…温泉から出てきた彼女の浴衣は帯の結び方がまったく出来ておらず、軽く引っ張るだけで帯が解けてしまいそうになっていたりするのだが。
【ショッピングモール】
｢さて、ここね。｣
少しばかり時間がかかってしまった。…いや、この体なら標準の速度なのだが、やはり身長がちっちゃくなってるのだなぁと軽く落ち込む。まあ、もう泣くことは無いが。…多分。勝手にムッとしていると人影を発見する。
｢…あら？｣
恐らく様子から見て参加者だろう。いままでの参加者よりも一回り小さく、恐らく自分と、同じぐらいの身長だとあたりを付ける。…まあ、仮初の姿ではあるのだろうが。
ここからは失敗しない。そう自分の中で気を引き締め、彼女を油断なく見つめて近づいていく。彼女が拾っているのは何なのだろうか…ゴミ？ゴミ掃除？
彼女の行動を見て、そして考える。意識は彼女に向けたまま、何故そのような行動をしてるかの理由を考え…自分の足元にあったゴミに気づかずいた。
｢…にゃ？！｣
…まあ、ご想像どおりだ。ゴミに足を滑らせ、その少女へと倒れ込んでしまう。
【エム】
「ふぇっ……！？ …………あ、大丈夫？！」
急に後ろから、女の子の叫び声が聞こえてきたのに驚いて、エムも少し声を出しながら、慌てて後ろを向きました。
そしたら居たのは、転んでしまった女の子。
エムよりも、少し小さいくらいでしょうか。
これより小さい身長の姿なんてあったんだ、と軽く思いながら、持っていたゴミを近場のゴミ箱に突っ込んで、転んでしまった女の子の方へと走っていきました。
【あいごころ。】
｢あぅ…｣
またやった。やってしまった…話しかけようとしていた子がこっちにやってくるのが見える。
｢…え、ええ。大丈夫よ。心配しないで。｣
そういってから体を起こす。大丈夫。まだ私のカリスマは死んでない…はず。最近転び慣れているのでこの状況には慣れているのだ。
｢見苦しい姿を見したわね。ごめんなさい。｣
そういって少しズレた狐面を定位置へと戻す。そして改めて相手のことを見るのだが…どうやら相手の方が身長は高いようで。少しばかりムッとしてしまう。
【エム】
「ううん？ 怪我がないみたいで良かったよ！」
とりあえず、どこか怪我をしているような様子もないからほっと一安心。
わりと凄い音が聞こえたから、心配だったのです。
「……それより、おね…………あなたは誰？
エムはエムって言うんだ！」
ただ、自分より背の小さい彼女をお姉さん、と呼ぶのはなんか違う気がして、あなた、と言い替えました。
多分初対面のはずだし、エムが他の人にお兄さんお姉さんと呼んでることはバレないはずだから、気を悪くすることはないと思うけど……
そんなことを考えながら、エムは簡単に名乗りました。
【あいごころ。】
…いまおねって聞こえたけれどももしかしてお姉さんからあなたに言い替えた、みたいなことないよね？いや、それはきっと無いだろう…多分。身長見て言い替えたみたいなことは無いだろうと信じつつ質問に答えることにする。
｢そうね…あいごころ。というわ。こころでいいわよ。｣
もはや恒例となった自分の名前を返す。恐らく例の放送からしてこのようにコミュニケーションが取れる人物は間違いなくクラスメイトであった、と考えても良いだろう。と、なると…まずは情報を集めるべきだろう。とりあえずまずは気になっていたことをきっかけとして話かける。
｢一体あなたはここで何をしているのかしら？｣
自分浴衣が少しズレていることに気づくが…まあ、問題ないだろう。そう判断する。
【エム】
「え……？ ごみ拾いだけど……」
何をしてるのか、と言われてもやってることはそれだけで。
もしかして、それ以外の何かに見えるのかな、なんて自分の身なりを軽く見下ろして確認してみたり。
ショッピングモールで真面目にゴミ拾いなんてする子供がいないからそう聞くのは間違っていないと気づくのは、もう少しあとの話。
「……それより、浴衣脱げちゃうけどいいの？」
ひとまず指摘するのはそれ。
すぐ脱げることは無いだろうけど、それでも治すに越したことはないだろうし。
【あいごころ。】
｢ああ、ゴミ拾いね…ゴミ拾い。｣
…慈善事業か何かだろうか？ゴミ拾いという平和な時にしか聞かぬであろう言葉に少しポケーっとしてしまう。この人は現状を理解しているのだろうか？と疑ってしまう。
｢ああ…これは…その…わざとよ。うん。わざと。｣
浴衣に関しては結び方がわからないだけだった。一応共有チャットにも聞いてみたが帰ってきたのはゼリー生物の胡散臭い言葉のみ。正直あまりあてにもしてなかったので諦めて適当に結んだわけなのだが…ここにきてそれを指摘されるとは思っていなかった。ここで正直に結び方がわからないと相手に言うなんてかっこ悪いことは自分にはできない。仕方なくわざだ、と嘘をついてみて。
【エム】
「……へぇ……最近のふぁっしょん？って少し変わってるんだね」
疑うこともせず、にこりと笑って頷いた。
きっとこころちゃんが言った通りなんだろう。
エムはそういうふぁっしょんとかに疎いから、どうしてもそういう所が分からなくなっちゃうの。
しっかりしないと……
【あいごころ。】
｢そうそう最新のファッションよ。｣
どうにか言いくるめられた…のだろうか？ただこの状況、私的には全く良くない気がする。なんというか帯が心もとないというかなんというか…いや、きっと杞憂だろう。そう考えなおし彼女と向き直る。さて、どうするべきだろうか。
｢そうね…ゴミ拾いもいいけれども、少し中を見て回らないかしら？話したいこともあるでしょうし…ね？｣
狐面を左手で触ってすこし笑みを浮かべなからクスッと笑う。もうすっかり慣れてしまった表情のひとつだ。今はこのショッピングモールの中を見て回っておきたい。そして役に立つものがあれば持っていきたいところではあるのだが…まあ、相手はどう返してくるだろうか、とすこしだけ期待してみて。
【エム】
「わぁ……うん！ 一緒に行こ！」
結局、エムは今のところショッピングモールはごみ拾いの思い出しかない訳でして。
だから、一緒に見て回ろうと言って貰えたのは、とても嬉しくて、少し声が大きくなっちゃいました。
でもまぁ、幼女なんてこんなものだと思います。
【あいごころ。】
｢…喜んで貰えて嬉しいわ。｣
これが本心なのか。それとも、ただ隠しているだけなのか。…判断が付きにくい。正直、こういうタイプの判別というのはなかなか難しいものだ。彼女がただの幼女なのか、それとも…皮を被った狼なのか。…とても可愛らしい仕草をしていて、普通だったら幼女パワーにやられるのだろうが悲しいかな、自分の方が背が低いゆえ、どちらかと言えば近所の親しみやすいお姉さんといった印象だ。…いや、それだと私の方が幼女みたいな言い方になる。それは負けた気がする。何にとは言わないけれど。
｢さて、見ると言っても…どこに行きましょうか？｣
まあ、私としては適当にブラブラ出来ればそれでいいのだけれど。とりあえず希望はあるだろうかと考えて少女に尋ねてみる
【エム】
「あ、エムね？ あれ食べたい！！」
そうして指さした先にあるのは、クレープ屋。
女の子の食べ物代表、基本的にクレープ女の子が食べてるイメージ強いよね、という偏見。
それはそれとして、単純に甘いものが食べたかったのです。
「こころちゃんは？ クレープどうですか？」
にこりと微笑んで、そう問いかけます。
相手が食べたくないものを無理に食べさせるのは、申し訳ないですから。
《クレープ屋の店員》
『いらっしゃいませ』
クレープ屋の店員は酷く無愛想だ。虚ろな目をしており、生気がない。
最も、ここにいるNPCは全員そうなのだが。
【あいごころ。】
彼女が指をさした先にあったのはそう。クレープ屋だった。さっき温泉で恥をかかされたクレープ屋。鼻に付いてしまったクリームがどれだけ恨めしいものだったか。そう。もうクレープなんて懲り懲りだ。自分の中でそう呟くと彼女の質問に答えるため口を開いた。
｢そ、その、エムちゃんが食べたいのであればべつに、その……いいょ…｣
恥ずかしさにより後半声が萎んでしまったが、上手く断れただろうか。…あれ、なんか自分の中で思ってることと喋ったことが乖離している気がする。いや、そんなことは無い。本当はクレープを食べたくない訳では無い。むしろ今すぐにクリームを増し増しにしてふわふわの海にダイブしたい。しかし、それをするとまた鼻にクリームがついてしまう気がして…
い、いや、今回はちゃんと断って…あれ？
【エム】
「えへへ、じゃあ決まりだね！」
そして、こころちゃんの手を引いてクレープ屋の前へ。
ショーケースに並んでいる数多くのメニューを見て目を輝かせて。
やっぱり、甘いものは食べたくなっちゃうよね？
ただ、視界の端。
今では見上げるような形になってしまった、店員の顔が見えて……
「……………………チッ」
幼女らしからぬ舌打ちが、その場で響いたのでした。
【あいごころ。】
｢う、うん…｣
彼女に手を引かれショーウィンドウの前へ。そこにはいっぱいの夢が置かれていた。思わずふぁあ…と声を出しそうになるがなんとか耐える。なんとなく、負けた気がするから。どうにか自分の中の欲望と格闘する。我慢である。そうして自分の中のことで精一杯であった。…周りの声が聞こえないほどには。
｢そ、その…私はエムちゃんと同じものでいいよ｣
そういってどうにかショーウィンドウから目を逸らす。これ以上見ていたら多分、何かが自分の中で壊れる気がしたからだ。…本当はトッピングでクリーム増し増しにしてチョコソースとかもたっぷりとかける｢こころスペシャル｣なるクレープを頼みたいのだけれども。
【エム】
「……あっ、えっとねぇ……これ！」
こころちゃんの声でハッと我に帰れば、慌ててショーウィンドウに目を走らせて、とりあえず適当に指さして、これください！ と店員さんに言います。
適当に選んだけど、幸い、エムが好きなタイプだったのでよかったです。
さっきのに気づかれていないのも、よかったです。
「……でも、こころちゃん他のが食べたいんじゃないの？」
ただ、一緒のと言われても、こころちゃんの態度をみれば、きっとほかのが食べたいんだろうなっていうのはあっさりと気づけるもので。
「食べたいもの食べたらいいと思うよ？」
どうせこんな状況なんだし、少しくらいは楽しまないと、なんて。
笑ってこころちゃんに言うのです。
【あいごころ。】
｢うぅ…｣
どうやら離脱は失敗したらしい。というかその言葉はダメだ。好きな物を食べたいだなんて言われたら…と少しだけ堕ちそう(？)になるがまだ耐える。自分はそこまで安い人間ではないのだ…ないよね？崩壊しそうになる理性をどうにか抑えながらショーウィンドウと向き合う。
｢…こ、これで！｣
適当に指をさして決める。…どうやら自分の好きなタイプのもの、と言うより、完璧に大好物なタイプのものだった。嫌いなクレープなんてないけれども。さて、ここで少しまっていればすぐクレープは来るだろうが…
【エム】
「……あ、クレープきたよ！」
それからは、特にエムも何か言うようなこともせず、店員から手渡されたクレープを受け取れば、こころちゃんが選んだ方のクレープを差し出します。
もう、店員の顔は見ないようにしました。
【あいごころ。】
【エムside】
｢あ、ありがとぅ…｣
まずい。来てしまった…いや、まだ私の理性は保っている。こんなクレープなどに崩壊されるほどやわでは…クリームがいっぱい。チョコソースもたっぷり。とても美味しそうです…
｢いただきます…｣
1口食べる。そして私の理性は亡くなりました。ええ。
｢おぃしぃ…！！｣
クリームがふわふわしてて、生地もしっとりしててとても幸せな気持ちになります。いっぱいいっぱいのふわふわにほっぺたが落ちちゃいます。しあわせ。
｢エムちゃん！これおいしーね！｣
両手でクレープを持って、笑顔でエムちゃんにそういいます。
【エム】
「ねぇ、美味しいねぇ」
やっと素直になったようです、計画通り(大嘘)冗談はさておき、先程までのどこか威厳に満ち溢れていた様子からは一転、見た目相応の性格というかそれになっていて、エムは少し嬉しくなりました。
似たような見た目でも、今まで出会ったのはゴミ捨てるやばいやつでしたから。
「こころちゃん、エムのも美味しいよ？」
適当にそこらのベンチへと向かい、そこに座れば、自分の持っていたクレープをこころちゃんの方へと寄せました。
1口どうぞ、という意味で。
【あいごころ。】
【エムside】
｢ぅん？ほんとう？｣
差し出されたクレープを1口食べます。こっちもこっちでとても幸せいっぱいでおいしいです。
｢おいしぃ！｣
思わず両手を上げて美味しさを表現してしまいます。ちょっと恥ずかしいかな？それでも美味しいから仕方ないですよね。
｢〜♪｣
鼻歌まで歌っちゃいます、けれどしあわせいっぱいのこの時間は終わってしまいます。
｢あ、無くなっちゃった…｣
この瞬間は少し寂しくなります。ちょっとしゅんと、してしまいますがしあわせな時間というものは長くは続かないものなのです。…鼻にクリームがまたついてしまいましたが、私は気づけませんでした。
【エム】
「おいしぃ！！」
こころちゃんと同じように、エムも両手を上げて美味しさを表現します。
やっぱり誰かと一緒に食べる甘いものは普段より何倍も美味しく感じます。
ただ、こころちゃんが急に落ち込んだようになっちゃったのを見て、どうしたんだろうと思っていたら、案外答えはすぐにわかりました。
「……あぁ、食べ終わっちゃったね……」
確かに、食べ終わったら少し寂しくなりますから、落ち込んじゃうのもわかります。
と、ふと、こころちゃんの顔を見て
「こころちゃん、おはなにクリームついちゃってるよ？」
このままじゃ可愛そうだと思って、とりあえず持っていたティッシュで鼻を拭ってあげました。
…………さすがに鼻についてたクリームまで食べようとは、しないと思いますし。
【あいごころ。】
｢あ、ありがとぅ…｣
鼻のクリームを取ってもらってお礼をいいます…けれど恥ずかしいです。さっきと同じことやっちゃったなぁ。あのときはフェルナさんが取ってくれたけれども。
｢おいしかったねぇ｣
エムちゃんにそういって笑います。エムちゃんはクレープを持ってきてくれたり、鼻を拭ってくれたりして、とても優しいです。お姉さんがいたらこんな感じなのかな？
｢こころね、エムちゃんお姉さんみたいだなって。｣
思ったことを正直に言ってみます。こんなこと言われてエムちゃんは迷惑かな？ちょっとだけ不安になります。
【エム】
「…………エムが、お姉さん？」
へぇ、お姉さん。
……お姉さん？
お姉さんって、エムがお兄さんとかお姉さんとか言ってる、あのお姉さん？
………………えっ！？ あのお姉さん！？
すこし、言われた意味を理解するのに時間がかかりました。
言われ慣れなさすぎていた、と言うだけの簡単な結論でしたけど。
「うん！ 全然思ってくれていいよ！？ むしろエムお姉ちゃんって呼んで！ ぜひぜひ呼んで！！」
いつもは自分がみんなをお姉さんと呼んでいたから、自分が呼ばれることなんて1回も考えたことがありませんでした。
だから、言われてみると思いの外すごい嬉しくて、こう、胸の奥からなんかキラキラしたものが出てきて。
少し、いやすごくテンションが上がってしまいました。
【あいごころ。】
【エムside】
｢う、うん！エムお姉ちゃん！｣
とても喜ばれました。びっくりするぐらい。でも、喜んでもらえたなら言ったかいがあったというものです。喜んでいるエムお姉ちゃんをみてるとこっちまで嬉しくなっちゃいます。キラキラがすごいです。
｢エムお姉ちゃんエムお姉ちゃん、フレンドこーかんしよ？｣
そういって私はコロパットを出します。フレンド交換すれば、エムお姉ちゃんといつでも連絡出来るからです。安心するのです。ちょっとワクワクしながらエムお姉ちゃんに提案しました。にぱー。
【エム】
「いいよー、エムもしようって言おうと思ってたんだ」
なにこの幼女可愛い(素)
それはさておき、エムもコロパッドを取り出せば、起動して、こころちゃんへとフレンドの申請を送りました。
妹って、いいね！！！！
【あいごころ。】
【エムside】
｢やった！お姉ちゃんとお友達ー！！｣
とっても嬉しいです。お姉ちゃんとお友達になれたこと。それは紛いのない事実ですから。だからおのずとこの気持ちは“本物”ということになるはずなのです。
｢お姉ちゃん、こころ…そろそろ別の場所行くね？｣
お姉ちゃんともっとお話したかったけれども、それはまた今度。…今はやらなきゃいけない事があります。まだ、いっぱいお友達を作らないといけないのです！
そしてみんなで修学旅行なのです！
そうこころのなかで決意して、お姉ちゃんに手を振ります。
【エム】
「うん、浴衣の紐ちゃんと気をつけるんだよ〜！」
少し寂しいですが、こころちゃんにも都合というものがあるのでしょう、引き止める訳にも行かないので、手を振り返します。
もちろん、解けやすそうだった紐のことも注意しておいて。
こころちゃんが見えなくなるまで、手を振り続けました。
「…………はぁ、お姉ちゃん……ねぇ」
そんな風に他人から呼ばれたのは、いつぶりだったろうなんて、簡単に思い返せば、またエムはほかのところへと遊びに行くのでした。
※未成年の方は絶対に真似しないでください。 12th-25th
トロンパ(12th)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「……ビ……
……ビール…………ください…………」
(逡巡に逡巡を重ね、決断っ！！
厳しい両親に育てられた彼は、酒の類を口にしたことがない。同時に、一度でいいから飲んでみたいと常々思っていたのだった。
夕食を摂ろうとレストランにやってきた彼は、メニューの「生ビール(中)」の文字を見て、思案。今なら、誰にも咎められずにお酒が飲めるのでは……？
ビクビクしながらNPCの店員に頼んでみると、了承された。酒デビューは目前である)
【トロンパ】
「…ウォッカくださーい。」
若干頼むかどうか悩んでいたところに、酒を頼んでいるやつが！これは便乗するしかないだろ！
「…お、そっちも？」
若干白々しい気もするが、声をかける
【柏木 愛】
「うぉ！？いつの間に！？」
(気がつくと長身金髪の男性が同じ空間にいた。驚きのあまり漫画のように椅子から転げ落ちた)
「いや、まあ、ちょっと飲んでみたいなと思いまして。ゴミですよねほんと、ごめんなさい。
えと、うぉっか？ってお酒でしたっけ。美味しいんですか？」
(椅子に座りなおしながら、何度も頭を下げる。ぺこぺこ)
【トロンパ】
「いや、別にいいと思うんだけど…ああ、ウォッカは酒だよ。アルコール度数高いやつ。」
(…なんかやたらと腰が低くいな…)
「…ま、こんなとこじゃないと中々手に入らないからな。頼むかどうか悩んでだところでそっちが注文してくれて、助かったよ。」
【柏木 愛】
「はぇ〜、ちょっと興味がありますね。
ふへへ、お互い悪いヤツ同士ですねぇ、フヘヘ！
あ、せっかくですし乾杯しません？」
(悪いことは友達とやると楽しいものである。小学生か。
NPCによりビールが運ばれると、それを持ってトロンパの向かいの席に移動した
【トロンパ】
「おう、そうだな。"悪イヤツ"同士、乾杯といこうか」
そう言って、運ばれてきたウォッカを愛のグラスへ、ビールを自分のグラスに入れる。
「んじゃ…かんぱーい！」
【柏木 愛】
「かんぱーい！」
(グラスをカチンと鳴らし合うと、謎の液体を一気にgo to 喉！！！(偏差値6))
「ブーーーーーーー」
(ギャグ漫画が如くそれをトロンパの顔面に吹き出す。無理である。消毒液を口に入れたかのような拒絶感がハンパではない)
【トロンパ】
「だろうなぁ…」
ちゃんと予測済みだ。いや、吹き付けられるのは予想外だったが。
「ほら、これで口すすげよ。」
そう言って、"自分のグラス"を差し出す。
【柏木 愛】
「ゴホゴホッ！！まっず！これ飲み物なんですか？ありがとうございます！」
(口に残り離れない苦いウォッカの匂い
雪が降り止むまでは帰れない
受け取ったグラスを勢いよく胃に流し込む)
「オボボボボバボビボ」
(無理だった。もう噴き出すとかいう漫画の世界ではなく、普通に吐いた。テーブルや服がビールでべちょべちょになる)
【トロンパ】
「ちょ、お前全然飲めねぇじゃねぇか！店員さーん！タオル！あと袋！」
大惨事である、まさかこんな事になるとは
「……色々酷いなこりゃ…」
【柏木 愛】
「おええぇ……！ま、マズ過ぎる……！こ、こんなのを大人は飲んでるんですか！
俺には無理です、俺はやっぱり社会不適合者でした、死にます」
(持ってきていただいたタオルと袋で、自分の不始末をお片づけする)
【トロンパ】
「いや、落ち着け、取り敢えずそれどうにかしようぜ…えーと、このホテルたしか…風呂は…兎に角、一回風呂入って服着替えた方がいいってそれ…」
彼女の出した物をタオルで拭き取りつつ、水を飲ませる。
【柏木 愛】
「ふう、そうした方が良さそうですね……。あっ、俺なんかの為にありがとうございます、ごめんなさい……」
(取り敢えず掃除できる所まではなんとかした。しかし服はどうにもならないので、新たに探す必要があるだろう。申し訳なさそうに水を受け取ると、それをグビグビと飲み干した)
「プハー！ご親切にありがとうございます。あの、酒ぶっかけちゃってごめんなさいでした！許してください！なんでもしますから！」
(ここで登場ヘッドバット土下座)
【トロンパ】
「いや、なんでもじゃなくて取り敢えず風呂に…」
そこまで言いかけて
ふと思う
(……いや、大丈夫だよな…流石に…うん…)
「じゃあ、取り敢えずここ出ようぜ？動けるか？」
【柏木 愛】
「あ、ありがとうございます。大丈夫です！
あれ、なんか世界が揺れています……ワールド・エンドでしょうか？廻る、廻る、世界がぐるぐる」
(土下座から立ち上がり、出口に向かう……が、どうやら酒が回ったらしく、覚束ない足取りである。
彼は思い出した……保健の授業でやったアルコールパッチテストで、腕が真っ赤になったことを……)
【トロンパ】
「………送る………」
頭が痛いぞ、おかしいな酒は飲んでないんだけど？？？
ふらつく柏木に肩を貸し、取り敢えず宿を目指す。
(……なんで混浴温泉しか風呂ないの？ここ…)
【柏木 愛】
＝＝＝諸々カットして風呂場へ＝＝＝
「ふぃ〜〜……あ、俺の身体女ですけど……別にいいですよね。こんなペチャパイ、興奮なんてしないですよ。はーあ、巨乳になりたかった。死にたい」
(なんの躊躇もなく服を脱いで裸になる。酒に酔っているせいもあり、自制心が壊れているのであった)
【トロンパ】
「いや、俺は別にその辺あんまり気にしないんだが…まぁ…」
駄目だなコイツ、多分このままだと数分後には余裕で湯の底にいる
(……ちくしょう、出来心で飲ませたバチか……)
仕方ないから上がるまで見ておく事にする。ついでに自分も入る、吹き付けられたのが臭う…
「……服、また新調かな…」
【柏木 愛】
「ふぁー、ふぁー、ふへー……」
(非常に残念だ。誠に残念だが、体は女でも心は男である。そのような事態に発展することなく、普通に入浴を済ませてしまうのだった。ちくせう)
「ふぅ、少し頭がすっきりしましたよ……」
【トロンパ】
「そりゃ、何よりだ。」
体を拭いて、さて服をどうしようかと悩む。
(…まあ、ちょうど宿は取ってるし…部屋の赤スーツ着とくか…)
取り敢えず洗濯機に汚れた服を入れる。
おおーっと、ここで盛大なアクシデント！うっかり相手の衣服も詰め込んだぁぁぁぁ！
ちょっと前の入浴で下着含めた衣服を運んだのが響いたか！？
【柏木 愛】
「……ん？あれ？お？俺の服がない……。
えーと、心当たりありませんか？いや、まさか……」
(身体を拭いて脱衣所に戻ると、籠に置いてあった服がないことに気づく。トロンパが知らないかと近寄ると、動いている洗濯機が目に入る。これはもしや……？？)
【トロンパ】
「ん…？あ」
(思っきりやらかした…)
思いっきりやらかした
「やらかした…」
さて、洗濯が終わっても服はどうせ濡れている
…どうする？
【柏木 愛】
「ちょっと、一体どうするんですか！？
この極寒の中、全裸で外に出たら死にますよ！？洗濯終わって服が乾くまで我々全裸なんですか！？嫌ですよそんなの！どうにかしてください！」
(珍しく強気になり、トロンパの腰辺りに掴みかかる。全裸で戯れる、若人が二人……)
【トロンパ】
「…いや、まあ…服に当てがない訳じゃ無い…」
ここの宿は拠点として使えるように色々と貯めてあるのだ
「……俺の部屋まで行けば、一応変えの服はある。」
【柏木 愛】
「へ、部屋ですか……。そんなに離れていない筈ですよね？じゃあ、そこまで行きましょう。なんか、今更ながら、自分の裸が恥ずかしくなってきました」
(長いこと女の体でいたからだろうか？妙な羞恥心というものが芽生え始めてしまっているようだった)
「誰にも会わないことを祈りますよ。こんな姿誰かに見られたら、おしまいですよ」
【トロンパ】
「…まあ、多分大丈夫だろ…女将さんとかには見られるけど…。」
そそくさと部屋に移動する間
意思のないであろう者たちの視線がやたら気になったのであった
【柏木 愛】
(物騒な発言をする女将の横を通り抜け、なんとか参加者とは出会わずトロンパの部屋へ。そもそも身体を洗うのが目的だったので、身体が大して温まっていない。というより、中途半端に湯に浸かったせいで、寒い。寒すぎる)
「ああああ、は、早く着替えを出してくれませんかかかかか」
【トロンパ】
「えーと、確かこっちに…取り敢えずこれとこれと、これで。あと毛布」
ワイシャツとパーカー、ジャージと毛布とかいう謎のラインナップが投げ渡される。正直他のやつはサイズが合わないんだ！ホントだよ！
【柏木 愛】
「ありがとうございます……ってなんで上だけなんですか！？毛布とかもはや服じゃないですよね！？変態なの！？変態なんですか！？」
(渡される服の中に下衣がないことに盛大にツッコむ。裸パーカーは確かにめちゃ可愛だが、中身男の彼がやってもなぁ！！)
【トロンパ】
「落ち着け、一応ジャージは上下ある…ん？そもそも俺はなんで…いかん、酒回ったか？」
本格的に頭痛が酷くなってきた
体も熱っぽい
呼吸も荒くなってきた
【柏木 愛】
「ああ、それならジャージをいただきますよ……下着がないのは変な気分ですけれども。
ええ、大丈夫ですか！？せめて服着てから倒れてくださいね！
なんなら俺もフラフラしてるんですよ、やばいですよこれ」
(受け取ったジャージを着ようとするが、急にフラつき始めたトロンパを支える方に気を取られる。自分も酔いは抜けきっていない。なんかもう、阿鼻叫喚である)
【トロンパ】
「…寝る…」
そう言って、取り敢えず下着とシャツだけ着て布団に倒れ込む
【柏木 愛】
「ええ！？寝るんですか！？俺の服ちゃんと洗濯してくださいよ！」
(酔いが回るとすぐ寝るなんて、こいつは中の人か？とりあえず布団はかけてあげる優しさ)
「はーあ、もう俺が干しますよ……」
(いそいそとジャージに着替え、洗濯機へと向かうのであった)
【トロンパ】
「……………頼んだ…ゴホッゴホッ……」
風邪引いた
【柏木 愛】
「はーあ、なんで俺が男の看病なんて……。巨乳の女の子の看病したかった……。
ピエロちゃんは結構巨乳だったなあ、フヘフへ、ゲヒ」
(なんだかんだで薬や冷えピタを持って来たりして看病をしてあげる優しい愛クン。良い子なんやで)
【柏木 愛】
「……ビ……
……ビール…………ください…………」
(逡巡に逡巡を重ね、決断っ！！
厳しい両親に育てられた彼は、酒の類を口にしたことがない。同時に、一度でいいから飲んでみたいと常々思っていたのだった。
夕食を摂ろうとレストランにやってきた彼は、メニューの「生ビール(中)」の文字を見て、思案。今なら、誰にも咎められずにお酒が飲めるのでは……？
ビクビクしながらNPCの店員に頼んでみると、了承された。酒デビューは目前である)
【トロンパ】
「…ウォッカくださーい。」
若干頼むかどうか悩んでいたところに、酒を頼んでいるやつが！これは便乗するしかないだろ！
「…お、そっちも？」
若干白々しい気もするが、声をかける
【柏木 愛】
「うぉ！？いつの間に！？」
(気がつくと長身金髪の男性が同じ空間にいた。驚きのあまり漫画のように椅子から転げ落ちた)
「いや、まあ、ちょっと飲んでみたいなと思いまして。ゴミですよねほんと、ごめんなさい。
えと、うぉっか？ってお酒でしたっけ。美味しいんですか？」
(椅子に座りなおしながら、何度も頭を下げる。ぺこぺこ)
【トロンパ】
「いや、別にいいと思うんだけど…ああ、ウォッカは酒だよ。アルコール度数高いやつ。」
(…なんかやたらと腰が低くいな…)
「…ま、こんなとこじゃないと中々手に入らないからな。頼むかどうか悩んでだところでそっちが注文してくれて、助かったよ。」
【柏木 愛】
「はぇ〜、ちょっと興味がありますね。
ふへへ、お互い悪いヤツ同士ですねぇ、フヘヘ！
あ、せっかくですし乾杯しません？」
(悪いことは友達とやると楽しいものである。小学生か。
NPCによりビールが運ばれると、それを持ってトロンパの向かいの席に移動した
【トロンパ】
「おう、そうだな。"悪イヤツ"同士、乾杯といこうか」
そう言って、運ばれてきたウォッカを愛のグラスへ、ビールを自分のグラスに入れる。
「んじゃ…かんぱーい！」
【柏木 愛】
「かんぱーい！」
(グラスをカチンと鳴らし合うと、謎の液体を一気にgo to 喉！！！(偏差値6))
「ブーーーーーーー」
(ギャグ漫画が如くそれをトロンパの顔面に吹き出す。無理である。消毒液を口に入れたかのような拒絶感がハンパではない)
【トロンパ】
「だろうなぁ…」
ちゃんと予測済みだ。いや、吹き付けられるのは予想外だったが。
「ほら、これで口すすげよ。」
そう言って、"自分のグラス"を差し出す。
【柏木 愛】
「ゴホゴホッ！！まっず！これ飲み物なんですか？ありがとうございます！」
(口に残り離れない苦いウォッカの匂い
雪が降り止むまでは帰れない
受け取ったグラスを勢いよく胃に流し込む)
「オボボボボバボビボ」
(無理だった。もう噴き出すとかいう漫画の世界ではなく、普通に吐いた。テーブルや服がビールでべちょべちょになる)
【トロンパ】
「ちょ、お前全然飲めねぇじゃねぇか！店員さーん！タオル！あと袋！」
大惨事である、まさかこんな事になるとは
「……色々酷いなこりゃ…」
【柏木 愛】
「おええぇ……！ま、マズ過ぎる……！こ、こんなのを大人は飲んでるんですか！
俺には無理です、俺はやっぱり社会不適合者でした、死にます」
(持ってきていただいたタオルと袋で、自分の不始末をお片づけする)
【トロンパ】
「いや、落ち着け、取り敢えずそれどうにかしようぜ…えーと、このホテルたしか…風呂は…兎に角、一回風呂入って服着替えた方がいいってそれ…」
彼女の出した物をタオルで拭き取りつつ、水を飲ませる。
【柏木 愛】
「ふう、そうした方が良さそうですね……。あっ、俺なんかの為にありがとうございます、ごめんなさい……」
(取り敢えず掃除できる所まではなんとかした。しかし服はどうにもならないので、新たに探す必要があるだろう。申し訳なさそうに水を受け取ると、それをグビグビと飲み干した)
「プハー！ご親切にありがとうございます。あの、酒ぶっかけちゃってごめんなさいでした！許してください！なんでもしますから！」
(ここで登場ヘッドバット土下座)
【トロンパ】
「いや、なんでもじゃなくて取り敢えず風呂に…」
そこまで言いかけて
ふと思う
(……いや、大丈夫だよな…流石に…うん…)
「じゃあ、取り敢えずここ出ようぜ？動けるか？」
【柏木 愛】
「あ、ありがとうございます。大丈夫です！
あれ、なんか世界が揺れています……ワールド・エンドでしょうか？廻る、廻る、世界がぐるぐる」
(土下座から立ち上がり、出口に向かう……が、どうやら酒が回ったらしく、覚束ない足取りである。
彼は思い出した……保健の授業でやったアルコールパッチテストで、腕が真っ赤になったことを……)
【トロンパ】
「………送る………」
頭が痛いぞ、おかしいな酒は飲んでないんだけど？？？
ふらつく柏木に肩を貸し、取り敢えず宿を目指す。
(……なんで混浴温泉しか風呂ないの？ここ…)
【柏木 愛】
＝＝＝諸々カットして風呂場へ＝＝＝
「ふぃ〜〜……あ、俺の身体女ですけど……別にいいですよね。こんなペチャパイ、興奮なんてしないですよ。はーあ、巨乳になりたかった。死にたい」
(なんの躊躇もなく服を脱いで裸になる。酒に酔っているせいもあり、自制心が壊れているのであった)
【トロンパ】
「いや、俺は別にその辺あんまり気にしないんだが…まぁ…」
駄目だなコイツ、多分このままだと数分後には余裕で湯の底にいる
(……ちくしょう、出来心で飲ませたバチか……)
仕方ないから上がるまで見ておく事にする。ついでに自分も入る、吹き付けられたのが臭う…
「……服、また新調かな…」
【柏木 愛】
「ふぁー、ふぁー、ふへー……」
(非常に残念だ。誠に残念だが、体は女でも心は男である。そのような事態に発展することなく、普通に入浴を済ませてしまうのだった。ちくせう)
「ふぅ、少し頭がすっきりしましたよ……」
【トロンパ】
「そりゃ、何よりだ。」
体を拭いて、さて服をどうしようかと悩む。
(…まあ、ちょうど宿は取ってるし…部屋の赤スーツ着とくか…)
取り敢えず洗濯機に汚れた服を入れる。
おおーっと、ここで盛大なアクシデント！うっかり相手の衣服も詰め込んだぁぁぁぁ！
ちょっと前の入浴で下着含めた衣服を運んだのが響いたか！？
【柏木 愛】
「……ん？あれ？お？俺の服がない……。
えーと、心当たりありませんか？いや、まさか……」
(身体を拭いて脱衣所に戻ると、籠に置いてあった服がないことに気づく。トロンパが知らないかと近寄ると、動いている洗濯機が目に入る。これはもしや……？？)
【トロンパ】
「ん…？あ」
(思っきりやらかした…)
思いっきりやらかした
「やらかした…」
さて、洗濯が終わっても服はどうせ濡れている
…どうする？
【柏木 愛】
「ちょっと、一体どうするんですか！？
この極寒の中、全裸で外に出たら死にますよ！？洗濯終わって服が乾くまで我々全裸なんですか！？嫌ですよそんなの！どうにかしてください！」
(珍しく強気になり、トロンパの腰辺りに掴みかかる。全裸で戯れる、若人が二人……)
【トロンパ】
「…いや、まあ…服に当てがない訳じゃ無い…」
ここの宿は拠点として使えるように色々と貯めてあるのだ
「……俺の部屋まで行けば、一応変えの服はある。」
【柏木 愛】
「へ、部屋ですか……。そんなに離れていない筈ですよね？じゃあ、そこまで行きましょう。なんか、今更ながら、自分の裸が恥ずかしくなってきました」
(長いこと女の体でいたからだろうか？妙な羞恥心というものが芽生え始めてしまっているようだった)
「誰にも会わないことを祈りますよ。こんな姿誰かに見られたら、おしまいですよ」
【トロンパ】
「…まあ、多分大丈夫だろ…女将さんとかには見られるけど…。」
そそくさと部屋に移動する間
意思のないであろう者たちの視線がやたら気になったのであった
【柏木 愛】
(物騒な発言をする女将の横を通り抜け、なんとか参加者とは出会わずトロンパの部屋へ。そもそも身体を洗うのが目的だったので、身体が大して温まっていない。というより、中途半端に湯に浸かったせいで、寒い。寒すぎる)
「ああああ、は、早く着替えを出してくれませんかかかかか」
【トロンパ】
「えーと、確かこっちに…取り敢えずこれとこれと、これで。あと毛布」
ワイシャツとパーカー、ジャージと毛布とかいう謎のラインナップが投げ渡される。正直他のやつはサイズが合わないんだ！ホントだよ！
【柏木 愛】
「ありがとうございます……ってなんで上だけなんですか！？毛布とかもはや服じゃないですよね！？変態なの！？変態なんですか！？」
(渡される服の中に下衣がないことに盛大にツッコむ。裸パーカーは確かにめちゃ可愛だが、中身男の彼がやってもなぁ！！)
【トロンパ】
「落ち着け、一応ジャージは上下ある…ん？そもそも俺はなんで…いかん、酒回ったか？」
本格的に頭痛が酷くなってきた
体も熱っぽい
呼吸も荒くなってきた
【柏木 愛】
「ああ、それならジャージをいただきますよ……下着がないのは変な気分ですけれども。
ええ、大丈夫ですか！？せめて服着てから倒れてくださいね！
なんなら俺もフラフラしてるんですよ、やばいですよこれ」
(受け取ったジャージを着ようとするが、急にフラつき始めたトロンパを支える方に気を取られる。自分も酔いは抜けきっていない。なんかもう、阿鼻叫喚である)
【トロンパ】
「…寝る…」
そう言って、取り敢えず下着とシャツだけ着て布団に倒れ込む
【柏木 愛】
「ええ！？寝るんですか！？俺の服ちゃんと洗濯してくださいよ！」
(酔いが回るとすぐ寝るなんて、こいつは中の人か？とりあえず布団はかけてあげる優しさ)
「はーあ、もう俺が干しますよ……」
(いそいそとジャージに着替え、洗濯機へと向かうのであった)
【トロンパ】
「……………頼んだ…ゴホッゴホッ……」
風邪引いた
【柏木 愛】
「はーあ、なんで俺が男の看病なんて……。巨乳の女の子の看病したかった……。
ピエロちゃんは結構巨乳だったなあ、フヘフへ、ゲヒ」
(なんだかんだで薬や冷えピタを持って来たりして看病をしてあげる優しい愛クン。良い子なんやで)
絵面は駄々っ子と不審者 1st-12th
ふ〇なっしー(1st)-トロンパ(12th)
【トロンパ】
植物園
「…こんな所にも、あるんだなぁ…」
なぜかある植物園で、そんな事を呟く。
ホントなんであるんだろうね、不思議だね。
「…なんか面白いもんねーかな…」
適当に植物をみながら歩く。
【ふ〇なっしー】
「やぁやぁやぁ！こんにちわ！！！！！私の名前はフリッツさんだ！！！！気軽にフリッツと呼んでいいよ！」
植物園に生い茂っている植物の中から得たえのしれないピエロのような何かが出てくる。
その名はふ○なっしー…今はきぐるみを着ていない為かフリッツと名乗る
「君の名前はなーにかな？」
服に着いた葉っぱを手で払いながらニッコリと満面の笑みを浮かべる
【トロンパ】
「お、おう？……俺は、トロンパだ。よろしく…」
急になんか出てきた。なんだこいつ
「…そんなとこで、何してたんだ？」
【ふ〇なっしー】
「何してんだ……って何もして無いけど？」
まぁ、目的も何も無くフラフラしていた訳だが
「そんな事よりゲームしようぜ！！何が良い？」
ニンマリとポケットの中からトランプを取り出す。
ふ○なっしーの、絵柄が書かれた
【トロンパ】
「トランプ…？まあ、いいけど…」
『仲良くしてね！』とは自称黒幕の談ではあるが、今は他にする事も無かった。
「……うーん、ブラックジャック…とか？」
【ふ〇なっしー】
「んーブラックジャックもいいと思うけど……トランプばっか使ってるからいいや！なんか謎掛けしようよ！」
とトランプを空中にばら撒く、特に意味は無い
「そーだなぁ〜……んー……」
すんごく悩む、悩みまくる。
「こんなのはどうだい？君の親友とも言える友人と親が困っている！君はどちらか一方を助ける事しか出来ない……さぁ！君はどっちを助ける？」
謎掛けと言えるかは分からないがとりあえず謎掛けみたいなのしてみる
【トロンパ】
「えー…？うーん…親、かなぁ……」
こう言う手の質問は、大体答えを選びにくい物だ。事実彼もあまりいい気分はしていない
「…言っちゃあなんだが、親居なくなったら中々生きるのに苦労するしな…」
【ふ〇なっしー】
「お、親選ぶのか！ふむふむ……プレゼントにハートの1を上げよう！」
とばら蒔かれたトランプを拾い上げそれを渡す
マークと数字は言ってた通りハートの1、特に意味は無い
「ほい、次は君の番だよ？楽しみだな〜」
とニッコリと笑う
【トロンパ】
「え、俺？………そうだなぁ……」
さて、自分の番と言われ、どうしたものかと考える
「…んじゃ、こんなのはどうだ？ある所に、男がいた。その男は、キャベツと羊と狼を所持していた。この男は、川を渡りたかった。しかし、川を渡るためのいかだには2つしか持ち物を乗せることができないのだ。もし男が狼と羊を連れて川を渡れば、キャベツを取りに戻っている間に狼は羊を食べてしまうだろう。狼だけを先に運べば、残された羊がキャベツを食べてしまうだろう。さて、男はどうすれば3つとも川の向こうまで運べる？」
【ふ〇なっしー】
「え？簡単だよ〜そんなの」
「狼と羊殺せば良くね？あとキャベツも殺す」
特に考えてない、特に考えてないからパッと出た
「うん、全部殺せば良いと僕は答えるよ！だってどうやって運ぶとかそんな面倒臭い事せずに殺して一変に運んだ方が早いし」
【トロンパ】
「えぇ…」
まあなんとなくそんな気はしてた。
因みに正解と言えるのは「狼と羊を連れて渡り、狼を連れて戻り、狼とキャベツを乗せて渡る」だ。往復させれば簡単に行けるのだ
「…………じゃ、景品にこれをやろう。あずきパーだ。硬いぞ」
そう言ってさっき見つけた袋を取り出す
【ふ〇なっしー】
「あずきぱー？えー？梨味のガリガリ君がいいー！」
わがまま言うふ○なっしー、
「ガリガリ君がいい！」
【トロンパ】
「チッ、こっちは俺のだったんだが…まあいい。」
そう言って梨味のやつをあげる
あずきパーはまだ硬い
「あ、そうそう。コロパッドのフレンド登録しとかないか？」
【ふ〇なっしー】
「ふれんどー？なんでー？」
ガリガリ君食べながら喋る
汚い
「ふれんどこうかーんしたいのー？」
とコロパットだしーの
【トロンパ】
「まあ、一応な。ほら、もしまた姿変えられたりしてもこれなら分かるだろ？」
こちらもコロパッドを取り出す
まあ半分くらい癖になってるんだけど
【ふ〇なっしー】
「うぇー？姿が変わるのー？こえーなww」
とまぁ、言われた通りコロパットを出して
「ふれんどこうかんしたくないなぁ……したくないなぁ……なんか突然呼びたされて犯されたら怖いし？」
ありもしない事を言うアホ、やはりアホ
誰がどう見てもアホ、何も考えてないぞこいつ
【トロンパ】
「まあ、可能性があるってだけだな。……いや、そんな怪しい呼びかけはしないだろ……」
(てか犯されるって言うけどお前……)
思った事は口には出さず、フレンド登録を済ませようとする
【ふ〇なっしー】
「えー、やっぱふれんどいらなぁい……怖いし、お母さんから知らねぇやつと連絡先交換したらダメって言われてるもん！」
急に真面目になったふ○なっしー……今まで私は何をやっていたのか……あんな人を馬鹿にするような事………私は私は………なぁんも間違ってなかったな
【トロンパ】
「ええ…」
こいつ、たかるだけたかっといて…
「ま、そういうことなら無理は言わないさ。」
【ふ〇なっしー】
「可愛そうだから交換しとく」
と、フレンド交換しようとするクソ野郎
【トロンパ】
「結局、どっちなんだよ…」
するならする、しないならしないではっきりしてほしいものだ。
ガリガリ君また買ってこなきゃ
「…よろしくって事で、いいのか？」
【ふ〇なっしー】
「うん、よろしく！」
とニッコリとフレンド交換を済ませる。
「えーと君の名前なんだっけ？聞いてたっけ？」
名前を呼ぼうとするものの記憶に無い、適当に怖いおじさんで良いか…
「んじゃ怖いおじさん僕はこれから他の場所に行くから！さようなら！」
手を振るふ○なっしー、珍しく今回は大人しかったな。
【トロンパ】
植物園
「…こんな所にも、あるんだなぁ…」
なぜかある植物園で、そんな事を呟く。
ホントなんであるんだろうね、不思議だね。
「…なんか面白いもんねーかな…」
適当に植物をみながら歩く。
【ふ〇なっしー】
「やぁやぁやぁ！こんにちわ！！！！！私の名前はフリッツさんだ！！！！気軽にフリッツと呼んでいいよ！」
植物園に生い茂っている植物の中から得たえのしれないピエロのような何かが出てくる。
その名はふ○なっしー…今はきぐるみを着ていない為かフリッツと名乗る
「君の名前はなーにかな？」
服に着いた葉っぱを手で払いながらニッコリと満面の笑みを浮かべる
【トロンパ】
「お、おう？……俺は、トロンパだ。よろしく…」
急になんか出てきた。なんだこいつ
「…そんなとこで、何してたんだ？」
【ふ〇なっしー】
「何してんだ……って何もして無いけど？」
まぁ、目的も何も無くフラフラしていた訳だが
「そんな事よりゲームしようぜ！！何が良い？」
ニンマリとポケットの中からトランプを取り出す。
ふ○なっしーの、絵柄が書かれた
【トロンパ】
「トランプ…？まあ、いいけど…」
『仲良くしてね！』とは自称黒幕の談ではあるが、今は他にする事も無かった。
「……うーん、ブラックジャック…とか？」
【ふ〇なっしー】
「んーブラックジャックもいいと思うけど……トランプばっか使ってるからいいや！なんか謎掛けしようよ！」
とトランプを空中にばら撒く、特に意味は無い
「そーだなぁ〜……んー……」
すんごく悩む、悩みまくる。
「こんなのはどうだい？君の親友とも言える友人と親が困っている！君はどちらか一方を助ける事しか出来ない……さぁ！君はどっちを助ける？」
謎掛けと言えるかは分からないがとりあえず謎掛けみたいなのしてみる
【トロンパ】
「えー…？うーん…親、かなぁ……」
こう言う手の質問は、大体答えを選びにくい物だ。事実彼もあまりいい気分はしていない
「…言っちゃあなんだが、親居なくなったら中々生きるのに苦労するしな…」
【ふ〇なっしー】
「お、親選ぶのか！ふむふむ……プレゼントにハートの1を上げよう！」
とばら蒔かれたトランプを拾い上げそれを渡す
マークと数字は言ってた通りハートの1、特に意味は無い
「ほい、次は君の番だよ？楽しみだな〜」
とニッコリと笑う
【トロンパ】
「え、俺？………そうだなぁ……」
さて、自分の番と言われ、どうしたものかと考える
「…んじゃ、こんなのはどうだ？ある所に、男がいた。その男は、キャベツと羊と狼を所持していた。この男は、川を渡りたかった。しかし、川を渡るためのいかだには2つしか持ち物を乗せることができないのだ。もし男が狼と羊を連れて川を渡れば、キャベツを取りに戻っている間に狼は羊を食べてしまうだろう。狼だけを先に運べば、残された羊がキャベツを食べてしまうだろう。さて、男はどうすれば3つとも川の向こうまで運べる？」
【ふ〇なっしー】
「え？簡単だよ〜そんなの」
「狼と羊殺せば良くね？あとキャベツも殺す」
特に考えてない、特に考えてないからパッと出た
「うん、全部殺せば良いと僕は答えるよ！だってどうやって運ぶとかそんな面倒臭い事せずに殺して一変に運んだ方が早いし」
【トロンパ】
「えぇ…」
まあなんとなくそんな気はしてた。
因みに正解と言えるのは「狼と羊を連れて渡り、狼を連れて戻り、狼とキャベツを乗せて渡る」だ。往復させれば簡単に行けるのだ
「…………じゃ、景品にこれをやろう。あずきパーだ。硬いぞ」
そう言ってさっき見つけた袋を取り出す
【ふ〇なっしー】
「あずきぱー？えー？梨味のガリガリ君がいいー！」
わがまま言うふ○なっしー、
「ガリガリ君がいい！」
【トロンパ】
「チッ、こっちは俺のだったんだが…まあいい。」
そう言って梨味のやつをあげる
あずきパーはまだ硬い
「あ、そうそう。コロパッドのフレンド登録しとかないか？」
【ふ〇なっしー】
「ふれんどー？なんでー？」
ガリガリ君食べながら喋る
汚い
「ふれんどこうかーんしたいのー？」
とコロパットだしーの
【トロンパ】
「まあ、一応な。ほら、もしまた姿変えられたりしてもこれなら分かるだろ？」
こちらもコロパッドを取り出す
まあ半分くらい癖になってるんだけど
【ふ〇なっしー】
「うぇー？姿が変わるのー？こえーなww」
とまぁ、言われた通りコロパットを出して
「ふれんどこうかんしたくないなぁ……したくないなぁ……なんか突然呼びたされて犯されたら怖いし？」
ありもしない事を言うアホ、やはりアホ
誰がどう見てもアホ、何も考えてないぞこいつ
【トロンパ】
「まあ、可能性があるってだけだな。……いや、そんな怪しい呼びかけはしないだろ……」
(てか犯されるって言うけどお前……)
思った事は口には出さず、フレンド登録を済ませようとする
【ふ〇なっしー】
「えー、やっぱふれんどいらなぁい……怖いし、お母さんから知らねぇやつと連絡先交換したらダメって言われてるもん！」
急に真面目になったふ○なっしー……今まで私は何をやっていたのか……あんな人を馬鹿にするような事………私は私は………なぁんも間違ってなかったな
【トロンパ】
「ええ…」
こいつ、たかるだけたかっといて…
「ま、そういうことなら無理は言わないさ。」
【ふ〇なっしー】
「可愛そうだから交換しとく」
と、フレンド交換しようとするクソ野郎
【トロンパ】
「結局、どっちなんだよ…」
するならする、しないならしないではっきりしてほしいものだ。
ガリガリ君また買ってこなきゃ
「…よろしくって事で、いいのか？」
【ふ〇なっしー】
「うん、よろしく！」
とニッコリとフレンド交換を済ませる。
「えーと君の名前なんだっけ？聞いてたっけ？」
名前を呼ぼうとするものの記憶に無い、適当に怖いおじさんで良いか…
「んじゃ怖いおじさん僕はこれから他の場所に行くから！さようなら！」
手を振るふ○なっしー、珍しく今回は大人しかったな。
対峙。 20th-23rd-GM
あいごころ。(20th)-海月(23rd)
【海月】
ショッピングモール。南エリア、って言えばいいのかな？にあるソレは、中々な広さだった。
映画館にプラネタリウム…まあ、自分は興味はないんだけれど。道具調達が目的だし。
ショッピングモールと言えば、何か色々道具があるのが定番だよね？ナイフとかー、シャベルとか？
何が起きるともまだ言えないけれど、今のうちに何かをしておくのは良い、はず。
起きてしまってからでは何もかも遅い。
「……だから、うん。これは間違いじゃない」
さっき羅列したものが絶対ないだろう食品売り場を放浪中。
大丈夫。探索の一環。大丈夫大丈夫…
【あいごころ。】
｢ショッピングモール、ねぇ…｣
娯楽施設なども併用されているこの場所。特にプラネタリウムや映画などには用はない。重要なのはここに大量の｢道具｣がある、ということであろう。
｢に、しても本当になんでもあるわね、ここ。｣
ナイフや包丁というこの状況においてはあまり笑えないようなものから鼻眼鏡なんていうジョークグッツまで。ランドセルなんていうコスプレにしか使わないであろうものもあった。
｢まあ、こちらとしてはありがたいのかしらね。｣
これから起こるであろう何か。それが起こる前に出来ることはやっておこうとは思う。最善を願いつつも最低を想定する。それは自然なことだろう。
…ちなみに呑気なことに彼女は今、食品売り場周辺のベンチでソフトクリームを食べていたりする。
【海月】
はあ。食欲につられたってワケじゃない、とは思いたいけれど、早く抜け出したい。気が散る。
…食品だけでも何でもある、って言うのは良い情報だろうけれど。
相手は少なくとも、オレたちを"自然死"させたいワケではなさそうだね。ホテルにしろ、レストランにしろ、温泉にしろ。
だとすると、逆に…って感じなんだけど。
早く何か起きてくれないかなー、なんて。
「……、あ。」
不意に声を上げそうになるのをこらえつつ、ベンチでゆったりとしている少女に目を向ける。
何と都合がいいのか、こちらから背を向ける形で。
…何と言うか、彼女は運が悪いのか、それとも態となのか何なのか。
勿論音を立てないように近づいて、
――あ、初対面でもコレやったなぁ。
とか思いつつ。
「だーーっれだ！！！」
恒例のように、彼女の目元を手で隠す。アイスを食べている側からしたら大迷惑だろう。
【あいごころ。】
【海月side】
｢にゃっ！？｣
それは最初とは違い、完全にリラックスしてる状況でやられた。それにより思わぬ声が出てしまう。咄嗟に目をおおっているものを振り払いベンチから立ちあがる。そして直ぐに後ろを向いて…奇しくもベンチを挟んで最初の時と同じような構図となる。
…違うのは突きつけているものがナイフでは無く食べかけソフトクリームであるということか。
｢…一体なんのようかしら。｣
咄嗟とはいえソフトクリームを突きつけてしまったことに対して少々後悔をする。おそらく、相手としては特に用は無いのだろう。少なくとも自分のことを見つけた、というだけで。
【海月】
お、いい声出た。
…と思ったんだけど、流石にソフトクリーム向けるのはやめない？食べ物粗末にしちゃダメなんじゃないかなーってオレ思うんだけど。あ、でもオレの言えたことでもないかもしれないね！
しかし、おかしいなぁ。こころちゃんに変なことをした覚えはないんだけれど？
…嘘だよ、もちろんね。
「何の用かってー？うーん、じゃあむしろ当ててみてよ！オレ、何の用で来たと思う？」
1.道具を調達しに来た。
2.そこにキミがいた。
3.情報交換ついでに驚かせようと思った。
さあ三択だよこころちゃん！正解はどれでしょうか！
【あいごころ。】
【海月side】
｢…はぁ｣
ため息を吐きつつソフトクリームを持った手を下ろす…と落とすので口元に少し寄せるだけに留める。正直これほど会話してて疲れる相手もいないだろうと思う。もう面倒臭いし無視してどこか行ってしまおうかとか考えてしまうが…それは少々得策では無いだろう。少なくともこちらは、用がないという訳では無いのだから。
｢さあね、食品にでも加工されに来たのかしら？｣
すこしジト目をしながら相手を見る。ついでに手を振り払った時にズレた狐面を元に戻しておく。本当はこんなやつ放置してソフトクリームをたべたいのだけれど。
【海月】
「ええー、つれないこと言わないでほしいなぁ。オレ、別に死んでもいいけどつまんない死に方はしたくない主義だよ？」
流石にゲエムの内容も知らずに脱落するわけにはいかないからね、なんて。
そういえばくらげってそこまで美味しいのかな？
まあ、でも、ちゃんとした理由はある。彼女がこんなところにいるあたり、彼女からは新出の情報なんてないだろうけれど。
「実は実は…オレ、このゲエムの黒幕らしき人と会ってきたんだよね！」
嘘。フリッツちゃんからの情報から組み立てただけ。
でもこれでもこころちゃんが揺らぐことくらい、オレ知ってるからね！
【あいごころ。】
｢黒幕に…？｣
少しだけ眉をひそめる。黒幕にあった。これはブラフだろうか…いや、本当にブラフだとしてもそれをする理由が薄い、となると。その黒幕にあったというのは真実なのだろう。…これの性格上、嘘偽り無く全てを喋る、なんていうことはしないであろうから全てを信用するのは危険ではあるが。そっと狐を触る。
｢それは、確かに興味深いかもしれないわね。｣
それを話すということは少なくとも情報はある、ということだ。それを話すかどうかはわからないが…情報交換はこちらとしては願ってもいないことである。…だが、こちらにある情報はおそらく相手も持っていること。となると情報交換、というよりも情報提供。それも、相手の気分次第…これは、最悪諦情報を諦ても問題ないだろう。少なくとも黒幕が近くにいる、ということを把握出来ただけでも収穫と言える。
【海月】
思ったより、あいごころちゃんって、分かりやすいよね。とは言わない。
そのお面触ってる時って、深く考え込んでる時か恥ずかしい時かのどちらかでしょ？…まあ、教えないけれど。
「ね、興味深いでしょ？どうせキミの情報は期待できないし、それならオレがヒントの一つでも持ってきてあげようかなって！感謝してほしいよね！
それじゃ、一言一句聞き逃さないでおいてね？
恐らくこのゲエムの黒幕の名前は"アカエル"。放送でも言ってたね。まあ、オレの前に現れたコとおんなじかは分からないけど。
で、そのコなんだけどさ、急に出てきて武器を消して急に消えちゃった！んだよね
びっくりな話でしょ？」
別に見てはいないけれど、フリッツちゃんところどころ物騒だし、おかしくはない話だよね。
…消す、の意味がどう捉えられるかは別に関係なくていいや。こころちゃんの反応次第っと。
黒幕＝アカエルちゃんの説は割と踏んでるんだよねー。放送もそうだけれど、それ以外にも…ってね。
【あいごころ。】
｢…なるほどね。｣
さて、その話しが本当だとして。まず武器が消えたというのは何らかの要因で使えなくなった、と考えていいだろう。それはそこまで重要な情報ではない。問題は…アカエルというGM及び黒幕と思わしき人物が姿を現した、ということだ。武器を持っているから姿を現したという訳ではなさそうだ。というかその場合は最初にナイフを付けつけた時点で現れるはず。では何故…そこまで考えたところである｢仮説｣が頭をよぎる。しかし、その場合海月が遭遇した、という部分に違和感が残る。
｢…そう。その情報、有難く頂いておくわ。｣
…試してみる価値はあるだろうか。
【海月】
考え込んでいる、か。まあ、すぐに信じられる話ではないだろうね。
ぶっちゃけオレもちょっと信じにくい部分あるし。鵜呑みにしていいほどな情報ではない、のは事実。
ただアカエルちゃんの部分だけ汲み取ってくれれば問題ない話。
「で、情報を貰ったからにはこころちゃんには死んでもらうしかないね！！
オレからただで抜き取ろうなんて思えるんじゃないよ？」
自分から言ってきたクセして。まあ、通訳すると、何か面白いコトやって、という意味になるんだけれど。
こころちゃんとしても、この情報は割と美味しかっただろうしそこそこの無理難題は答えてくれそうだよね。
【あいごころ。】
｢…一体、何をお望みなのかしら。｣
真偽はともかく少なくとも情報を得たことは事実。本当はここではいさようなら、で去ってしまってもいいが…こちらとしては恨みはあれど敵対までするつもりは無い。この状況で好き好んで敵対するようなものなど…1部の物好きぐらいしか居ないだろう。共有チャット度々情報のでる黄色い化け物などはそうだろうか？
｢正直、全く持って気が乗らないのだけれどね。｣
心境を包み隠さず言う。変なこと言ったら殺すわよ、と目で送り付ける。おそらく伝わっているだろう。
ソフトクリームが溶けそうになっているので少しだけパクッと食べる。おいしい。
【海月】
「うーん。そう。だなぁー。」
気が乗らないってのは本当だろう。正直オレからしてみてもこころちゃんは気が乗らなさそうに見えるし。
一体何でなんだろうね？オレ恨まれたり嫌われるようなことをしたつもりはないんだけどなぁ。
…なんて、嘘だけどね！やっぱりヘイトを集めておいた方がゲエムの時は動きづらくなって楽しいし？
「三回回ってワンとかでも別に問題なさそうだけれど…
ああ、そうだ！やっぱりこういう時はああ言うのが一番だよね！」
さり気なく、移動する。
ベンチを挟んで向かい合っていたのを、少し彼女のいる方向に。"手が出やすい距離"を探す。
いや、正確には、"相手がこちらに手を出してしまうような距離"を探す。
オレとしては、一度くらい、怒らせてもみたいかなってね。
それに、さっき、ショッピングモールに来たのだから第一にとっておいたモノ。
「キミには此処で死んでもらおうか！」
ニコニコとナイフを、目の前の少女の首筋に当てつけた。
…まあ、玩具だけれど。
【あいごころ。】
ナイフをつけつけられる。一瞬驚くが、それ以上は何も思わない。…そっか。そうくるかぁ。どうやら彼女としてはこれで動揺すると思ったのだろう。事実動揺はする。けれども。
｢そう…｣
そうやって小さく呟く。彼女が私にしたことは思ったよりも『つまらない』ことであった。少しだけ、失望するかな、と心の中で思う。だから。
腕を伸ばせば届くぐらいの距離で。落ち着いて相手の顔を目掛け。右手に持っていたソフトクリームを投げつける。
それと同時に、拾っておいたものを袖口から左手へと滑らせる。浴衣の袖口って思ったより便利だなと心の中で言ってみたり。
【海月】
「わっ…っと」
投げつけられたソフトクリームは、一応左手で受け止めた。…残念、失敗か。
まあいい。失望した？面白くなかった？表情を落とす彼女を少し、寂しそうに見つめて。
…何をしたかは知らないけれど、まあ、いいや。
――今、彼女は、じっとオレの顔を見ている。"オレ"を見ている。それならいい。
それに…
"上"を見てちゃ、"下"は見えないよ！こころちゃん！
「っと！」
折角なので、つまらなくさせてしまったお詫びとして、こころちゃんの足に自分の足を滑らせてみた。
痛みがあるわけでもない、何かの構えでもない。――ただ、高確率で転ぶだけ。
【あいごころ。】
【海月side】
｢……｣
1回目、2回目は予期できなかった。でも、3回目のこの状況としてはどうだろう。足をかけられる。まあ、このままでは転んでしまうだろう。
咄嗟に地についている足を軸として体を反転させる。と、同時に。左手に持ったナイフを思いっきり相手へと突き刺しにいく。このナイフは廃工場で拾っておいたものだ。倒れながらの荒業だ。だけれど、狙う必要はない。刺さるかどうかも考えなくていい。ただ、もし｢仮説｣が本当であるならば。
ーーこれが私からの情報提供になる。そうでしょう？
――――――
「こらーーーーー！！」
(突如、二人の間に現れる赤い少女。あいごころ。が手にしていたナイフは煙のように消え失せる。少女は腰に手を当て、ぷんすかと喚き立てた)
「んも〜っ！☆喧嘩はメッ！だよ！言うこと聞かないと、アカエル怒っちゃうんだから！ぷんぷん！☆」
――――――
【海月】
……うん？
――ああ、そういう。別に刺されても良かったんだけど。
しかし、引きずり出せたなら良かった。中々面白いコトするじゃん、こころちゃんも。
ますます敵にしたくなってくる。
「っうわ、なになに！？ナイフが……消えた？
…えーっとー、キミは…アカエルちゃんでいいのかな？」
取り敢えず、この少女とは初対面。こころちゃんにも気づかれてはいるだろうし。
…しかし、何と言うか、目に痛い人だね。いろんな意味で。
「何しに来たの？オレとこころちゃんは仲良くイチャイチャしてただけなんだけどなー！
二人の仲を引き裂きにでもきたつもり？」
【アカエル】
「ふぇえ！？わ、私は皆に仲良くして欲しいだけなんだもん！☆
イチャイチャなんてしてなかったもん！ナイフ、痛くて、危ないもん！☆」
(海月に責められ、ビクッと縮こまる。それに抗うように、手をブンブンと振り回しながらわーわー喚くのであった)
【あいごころ。】
おそらく、海月には私の意図が伝わっただろう。それと同時に、仮説があたっていることを確認する。やはり。そういうことだろう。2人が会話しているのを聴きながらのそのそと体を起こす。さて、これは私にとっても、海月にとっても。都合良い状況だろう。
｢そうね…私にとってはそこの軟体生物を痛めつけられるところを邪魔されて不機嫌なのだけれど。｣
狐面を直しながら少しニヤッと笑ってみる。さて、まずは様子をてみようかしらね。
【アカエル】
「ふ、ふええ……わ、私は悪くないもん！み、皆がなかよしでいれるように……。
……うん、茶番はやめよう。こうなることがわかってたんだろう？」
(目に涙を溜めながら、小動物のようにプルプル震える。自分はただ、この修学旅行が円滑に終わるようにして欲しいだけなのに……と、いう仮面は脱ぎ捨て、ふっと真顔になると、姿勢を正し、淡々と言い放った)
【海月】
「…えっ、そんな…仲良しでいられるようにオレたちの面倒を見てくれたんじゃなかったの…！？」
一応返答はしておく。茶番なのは知っているけれどほら、一応。
それで、黒幕…アカエルちゃんがここまで干渉してくるなんて。何を考えているんだ？この期に及んで、"何も考えていない"なんてことはないだろう。
「で、何しに来たの？というか、目的は何なの？
どうせ、仲良くさせたいなんてワケじゃないんでしょ。だったら、こうやって暴力なんかを取り締まるのは何故？
これから何が起こるの？そもそも、此処はどこでキミはナニモノなのか…
なんて、こんないっぺんには答えられないよね！」
流石に、相手が懇切丁寧に教えてくれる、とも思ってはいないし。だったら、オレは聞きたいことだけ聞いておくよ。
ちょうど、一つあったからね。
「きっとこれから、何か起こるんでしょ？…で、そのゲエムは、"勝ったらオレに何の得がある"の？
ゲエムで損得鑑定はしたくないけど、一応…ね！」
【アカエル】
「はてさて？何のことか僕にはさっぱりわからないなぁ。こんなに楽しい環境を用意しているのに、君達がどうしてそこまで邪推に走るのか、僕には理解しかねるよ」
(アカエルの姿勢はあくまで「修学旅行の引率」ということらしい。茶番だとわかっていても、シラを切り通し続けるだろう)
「ゲエムに勝つだ負けるだ、何のことなのかねぇ。ただ、そうだな。君が家に帰ったなら、その時は……"強くなれる"よ」
【あいごころ。】
もちろん、分かってやっていた。この仮説があっていることだけでも大きな収穫だ。…ちなみに別に仮説が当たらなかったとしても鬱憤は晴らせるので問題ない。しかしどうやらアカエルとかいうテレビにでたらそれだけで目がやられそうなやつに聞けるチャンスまである。正直ここまでサービスがいいと拍子抜けするところだが…まあ、貰えるものは貰っておこう。
…強くなれる。それが何を示しているかはわからないが。おそらく、ぼかすということはそれ以上は答えるつもりは無いのだろう。
｢私からも質問させて頂くわ。｣
ならば。私は私で、気になっていることを聞こうじゃないか。
｢あなたの言うその“修学旅行”っていうのは…何回目なのかしらね？｣
目を細めてアカエルを見る。そっと狐面を左手で障る。…このくせは直した方がいいのかしら。
【アカエル】
「修学旅行の回数？変なことを聞くね。
そんなことを聞いて何になるのやら……そうだな、確かこれで……21回目、かな？」
("修学旅行"が隠語であることを理解しつつ、かなり親切に、かつ正直に答えるのであった)
【海月】
「…ふーん。これは質問タイムの流れ、ってことでいいのかな？
それならどしどし行っちゃおうか！オレも気になってたことあったし！」
修学旅行、については深く言及はしないでおこう。今分からない状況の中で"分からない"を増やすのも良くない。
なら…？
「じゃ、端的に。キミはナニモノで、この修学旅行の主催って何なの？
学園がらみじゃないことは分かってる。こんな大規模なコトを出来るヤツらなんて、早々思い浮かばないんだけどね。
あと、キミのそういう超人的な力も。」
実直に気になっていた事を質問しよう。
見たところ、仄めかしはすれど正直に答えてはくれるのだから。
…いや？答えなければ、なのかもだけどね。
【アカエル】
「僕はこの修学旅行の引率。君たちと同じ生身の人間だし、この身体も君達と同じような仮の身体だ。ただ、君達よりもやれることが圧倒的に多い。簡単に言えばチートだよね。
修学旅行の主催については、悪いけど極秘だよ」
(一定のペースでその辺りをぐるぐる歩きながら、聞かれたことに流暢に答えていく。しかし、答えられる部分と、そうでない部分が、明確に分かれているようだった)
【あいごころ。】
【海月、GMside】
｢これは大盤振る舞いってことかしら？体張ったかいがあったわね。｣
さて、気まぐれかどうかは知らないが答えてくれるなら使わない手はないだろう。と、言ってもこの先の事を聞いてもどうせはぐらかされて終わりだろう。ならば、今聞くべきはこの質問だろうか。
｢ずっと気になっているのだけれど…ここは、いったいどこなのかしら？もちろんショッピングモール、なんていう回答は要らないわよ？｣
そのようなはぐらかしはないと思うが釘は打っておく。…恐らく“普通の場所ではない”ことぐらいはわかる。しかし超自然的な、という信じ難い現象が関わってくる以上何が起こっているか絞り込むことはなかなか難しいだろう。だから、この質問で多少のことはわかるはず。…答える部分と答えられない部分には明確な違いがあるはず、だから。
【アカエル】
「ここがどこか、か……それを言葉にするのは難しいね。でも、ある程度の推察はできてるんじゃないかな？
明らかに日本ではない雪国なのに、揃っている施設はばっちり日本語。極寒の地にこのような施設を建てたのかもしれないね？でも、ここでは物理法則なんてなんのその。そう、もはや地球ですらない。
"異世界"と形容するのが、一番正しいのかもしれないな」
(歩みを止め、両腕を広げてくるりと回る)
【海月】
異世界、ねぇ。信用するかは…いや？信じるには値するか。
先程から、アカエルちゃんは…はぐらかしたり、返答を拒否はすれど、嘘はついてない。
それでここまで断言してくるのなら…
つまり、相手は相当の技術力を持っていて、世界くらい作り出せても問題ないってわけだ。
っはは、オレらと同じ人間とか言っておいて。
…ただ、これで少しは読めた。アカエルちゃんは組織のことについては話せない。んじゃない？
つまりその組織…これを仕組んだ黒幕たちのこと。それが一番深く関係している？
…質問。質問か。ああ、そういえば。
「どうやらキミは一人みたいだけど、もしかして一人でこの異世界とやらを全部運営してるわけじゃないよね？
もしかして、ぼっち？」
【アカエル】
「アハハ、酷いなぁ。こんなこと、一人でできるわけないじゃないか。僕は魔法使いでもなんでもないんだから」
（両翼を広げ、ふわりと浮かび上がる。これさっきの物理法則云々の話しながらやりたかったんだけど忘れてた。だから今浮く。ふわふわ）
【あいごころ。】
｢ふぅん…｣
つまり協力者がいると。ここまではっきり言うということはこれも真。本当と見てよさそうか。…さて、次に聞くべきこと。ここですべてがわかる訳でもないし、そろそろネタ切れも近くなってきた気もしなくはないが…まあ、あるにはある。
｢これはもしもの話よ。もしもの話だけれども…ここで死んだら、どうなるのかしら？もしかして元の世界に戻れたりするのかしら？｣
どうせ悪趣味な答えしか帰ってこないのだろうが…一応聞いておこうか。正直、予想はしてるけれども。
【アカエル】
「死んだら、元の世界に……？ふ、ふふふふ。
どうだろうねぇ？戻れるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。やってみたらどうかなぁ？アハハ！」
（ふわりふわりと空中を旋回しながら、いやらしく笑う。今までにない、曖昧な返答だった）
【海月】
「っはは！やってみたらどうかな、なんて、キミがそれを止めに来たんじゃないか。」
けれど、それは、そういう意味ではないのだろう。
ここが異世界だとして、異世界で死んだ人間は元に戻れるのか？そういう話。
正直、オレはそんな都合の良い話はないと思っている。
人生は一回きり。だからこそ一回ですべてを楽しまなければいけないし、人の命は儚いし、それがむざむざ散っていくさまが楽しい。
けれど。
目の前の”良い趣味をした”ヤツなら、生き殺しにするのも厭わなそうだね。
オレと気が合う。
「…オレからはもう質問はないよ。だいぶ知れたし、それに…ゲエムだけじゃなくて、ここで出来ることもたくさんある。
…もし帰れることになったら、そのときは強くなれるんだよね？
期待してるよ？」
ああ。ゲエムを損得で判断するなんていつぶりかな。
【アカエル】
「ふふ、何度も言うがこれは修学旅行だ。君たちの中を深め合うための。
仲良くしていれば、そのうち帰れるんだからさ」
（大嘘である。もっとも嘘であるとバレているであろうが、この茶番はやはり崩さない）
「おちびちゃんは、まだ聞きたいことがあるのかな？え？どうして君にそんな小さな体を与えたのかって？さあ、面白そうだったからかなぁ。アハハハ！」
【あいごころ。】
【海月、アカエルside】
｢あら、そう。私はあなたがロリコンなんだと思っていたわ。｣
身長のことに触れられ少々イラっとするが…ここで怒っても相手を喜ばせるだけだと思いぐっと堪える。狐面を触っていた手を下ろしふぅ、と息を吐く。
｢…私からももうないわね。さっさと消えたらどうかしら。ゲームマスターさん？｣
自分から呼び出しておいてしっしと追い払うような仕草を見せつける。…正直、隣のゼリーよりも嫌いなタイプだ。まあ、情報は手に入ったから良しとするべきか。ふわふわと浮くアカエルを面倒くさそうに睥睨する。さてと…情報の整理が必要か。
【アカエル】
「ふええ〜☆そんなこと言うなんて酷いポヨ〜☆
こ、これからはちゃんと仲良くしないと、メッ！だからね☆」
（当初のテンションでおどける。次の瞬間、その姿は瞬く間に消え失せるのであった）
【海月】
……いやー！嵐のように現れては消えたヤツだったね。
しかし、これで、何となく全体像は掴めてきたんじゃないかな？…情報共有相手があいごころちゃんなのがちょっと歯がゆいけど。
「…いやあ。本当に、始まるみたいだね？ゲエム。
何が起きるんだろうね！何人死ぬかなぁ？全員死ぬかもしれないよね。楽しみだな！」
でも、まあ。正体がなんであれ、こんな良い趣味したゲエムを思い付ける連中なんだ。
そんな一筋縄ではいかない。
だったら、やれることは、全てやるか。
「それで？これからどうしよっか。」
【あいごころ。】
【海月side】
消えた、か。もう特に話すことは無いので問題は無いが。…今の話を聞いたのが私と隣の半透明存在ってのはすこしいただけないわね。 それに…この修学旅行は簡単には終わりにはならないでしょうしね。
｢…そうね。始まるようね。｣
…きっと気分のいいようなことは始まらないだろう。それこそ…いや、もう分かっている。名前を呼ばれたら死ぬのも本当だろう。先の話からしてもどう考えても、殺し合いは起きるだろう。どうすればここまで悪趣味なことを考えつくのだろうか。殺し合い、ほど無意味なことはないだろう…やはり、私には狂人の気持ちというのは分からないようだ。それこそ、悪趣味仲間でもない限り…ね。
｢これからどうするべき、ねぇ…そうね。せっかくだから“仲良く”でもしてようかしら？｣
そういってコロパットを取り出す。そう。“仲良く”しようじゃない？と少し頬をつりあげて。
【海月】
仲良く、ね。
こころちゃんが”そうゆう”タイプなのは少しは予想していたけれど…
いや、よそう。オレの考えが狂っていて、誰にも理解してもらうことなど出来ないなんてとうの昔から知っている。
同じ狂人でさえ、オレを理解することはできなかった。
だから、オレは、誰にも頼らないし頼れないのか。
仲良く、ね。
嘘つき。キミはオレを敵に回したくないとは思っていても、仲良くしようなんて微塵も考えてはないじゃないか。
嘘つき。嘘つき。
「わー、オレもちょうどそれ考えてたトコだったんだ！
折角だし、また何か情報があるかもしれないし？連絡先を持っておくのは大事だよね！」
嘘だ。
嘘。嘘。ごちゃごちゃに混ぜられたモノ。
けれども、行動だけは真実を語っているのか。自然と、コロパッドを取り出していた。
…そして何故か、嫌な予感がして、数歩後ろにひいていた。
【あいごころ。】
【海月side】
｢ええ、あなたもそう思うのね？｣
そう。仲良く、なんていうのはこの状況で成り立つわけが無い。そんなことは知っている。結局この交換は今後のための布石。なにが役に立つかわからないからこそのただの保健。やっておこう、程度の。フレンド、なんてよく言ったものだ。先に経つ未来において。ーー友情なんて役に立つものでもないのに。
数歩後ろに下がった彼女にゆっくりと近づく。取り出したコロパットを掴むと、勝手にフレンド交換をしてしまう。…別に問題はないだろう。
…フレンド交換なんていう、皮肉らしい行為を行う。仲良くする気もないくせに。
【海月】
…………………。
友情、友達、関係か。身近なモノ、身近な……
「んもー、強引にやらなくてもちゃんと登録するのにさ。」
仮のモノだけれどね。
クラスメイトと言うには崩れ落ちてしまった関係だけれど。
本名を知られてはいけない…なんて、残酷で退廃的でとても面白いルールを作ったものだ。
もし、キミがオレの本名を知ったとき、
もし、オレがキミの本名を知ったとき、
オレたちはまだ、友達でいられる？
「そう言えば、フレンド登録だけで他には何もしなかったね？
こころちゃんのことだから、しゃ……あー、いや、ごめん。何でもない」
…本当にポロッと出てしまった。気づいていなければいいけれど。
【あいごころ。】
｢そうね…あなた、ネットの恐ろしさって知ってるかしら？｣
唐突にそう切り出す。
｢ネットっていうのは１回出回ったら最後。その情報は世界に拡散されて大量の目に晒されるわ。｣
もう一歩距離を詰める。
｢そしてそれは限定されたコミュニティでも一緒。少しでも晒された情報は直ぐに他の端末へと送信されるわ。｣
右手を強く握りしめて。
｢そう言えば最近？私の写真が？共有チャットにあったのだけれど？どういう事なのかしらね？｣
彼女に“用”があったのでそれを問う。それはもう笑顔で。
【海月】
「あ、あのさこころちゃん？オレはキミが何を言いたいのか分からないんだけどさ…
その、手掴まれたままだと痛いなー…って…」
身体能力は、元の身体も関係しているらしい。
普通なら130cmの少女の手なんて普通に振り解けるんだろうけれど。オレが弱いのか彼女が強いのか。
いや、断じて認めない。これはこころちゃんが強すぎるだけ。そう。
「アレは…ほら、ただのジョークじゃん…？
こころちゃんが笑ってくれるかなーって思ってさ…ほら、現に今こころちゃん笑顔でしょ…？
もうそれで良くない…？ハッピーエンドで終われるんだよ？」
海月の特性。
人を煽り、嘲笑うような言動が多い。
それ故に、一度逆転されたら返り討ちに合うことも多い。
【あいごころ。】
｢そうね。あなたが分からないのならそれでいいわ。｣
左手で握りこぶしを作り、それと同時に右手にさらに力を込めて。
｢なら、あなたにわかりやすいよう端的に言うわね？｣
この笑顔の理由？簡単だ。願っていたことが叶うのだから。
｢そのあなたのニヤケ面…｣
右手を引っ張り、
｢1発殴らせなさい！｣
左手を海月の“腹”に打ち込む。
【海月】
「ッ………！」
痛い。右手が使えないから蹲ることも出来ない。
最初からこれがこころちゃんの狙いだった…？いや、一個想定外か。
手応えがとても少ないこと……オレ、打たれ強い…んだよね。
でも、流石に…直で食らうのは、きつい。
きつい。痛い。痛い…？痛い、痛い。痛い。
痛い、痛い…あつい、さむい、苦しい、ああ、やめて…
「ッ…いっ、たいなぁ、こころちゃん！
少しは手加減とか学んだらどうなの？ってか、そろそろ離してほしいな。痛いのは嘘じゃないからさ。」
動揺してはいけない。もの。
「謝るからさぁ…それでいいかな？」
頭の中ではそう願っているのに。
彼女の目の前で必死に見せている不敵な笑みも、頭の中の狂った痛みも、どちらも止まってくれない。
「それに、何でもかんでも暴力で訴えかけるのも良くないと思うんだよね！フェルナちゃんしかり。」
【あいごころ。】
｢ふん。知らないわよ。｣
少しだけ、気が晴れた。そんな気がする。暴力を振るったのはいつ以来だろうか。…少なくとも、記憶のあるうちにはない気がする。むしろ私は…
｢…もう、ここにはようはないわね。｣
気付かぬうちに相手を殴った腕が震えていた。それに気づかれたくなくて、咄嗟にそんなにことを言ってしまう。…だめだ、ここにいては。いつの間にか、彼女の前から逃げるように立ち去る。そうだ、顔を殴ろうとしたはずなんだ。なぜ、腹にしてしまったのか。
だって、顔はーー
あるはずのない傷が痛み始める。これ以上はだめだ。これ以上はここから先のことと関係ないのだから。
ショッピングモールを出る。あまり、ここにいたくなかったから。…結局。どこにいても最後は一緒なのに。
【海月】
「…そっか。うん、じゃあね、こころちゃん！」
結局、自分のせいだと言うのだから彼女に非はない。変わらないはず、なのだけれど。
掴まれていた手も、腹も、痛い。のは、オレのせい。
本人には自覚がないのだろうけれど、覚束ない足でここから去っていく彼女を、静かに見送った。
そうしなければ、何もすることがなくなった左手が、頭を抱え込んでしまう。
暴力を振るわれたのはいつ以来だっけ。ああ、フェルナちゃんとかトロンパちゃんにも振るわれてたね。
いつも、そうだ。オレのせい。オレはキラワレモノで、ヒネクレモノだから、これでいいって。そう教わってきた。
今となっては、其れも嘘なんだろうけど。
ああ、嫌だ。思考を止めてしまいたい。やめて。
「……っはは。さて、何が起こるのかな。」
誰にも聞かれてないのに呟いた。そうしないと切り替えられない。これは、今から始まることとは何も関係ないんだから。
逃げるように去った彼女の、通り道を見つめる。結局、どこまで追いかけても結果は同じなんだ。
【海月】
ショッピングモール。南エリア、って言えばいいのかな？にあるソレは、中々な広さだった。
映画館にプラネタリウム…まあ、自分は興味はないんだけれど。道具調達が目的だし。
ショッピングモールと言えば、何か色々道具があるのが定番だよね？ナイフとかー、シャベルとか？
何が起きるともまだ言えないけれど、今のうちに何かをしておくのは良い、はず。
起きてしまってからでは何もかも遅い。
「……だから、うん。これは間違いじゃない」
さっき羅列したものが絶対ないだろう食品売り場を放浪中。
大丈夫。探索の一環。大丈夫大丈夫…
【あいごころ。】
｢ショッピングモール、ねぇ…｣
娯楽施設なども併用されているこの場所。特にプラネタリウムや映画などには用はない。重要なのはここに大量の｢道具｣がある、ということであろう。
｢に、しても本当になんでもあるわね、ここ。｣
ナイフや包丁というこの状況においてはあまり笑えないようなものから鼻眼鏡なんていうジョークグッツまで。ランドセルなんていうコスプレにしか使わないであろうものもあった。
｢まあ、こちらとしてはありがたいのかしらね。｣
これから起こるであろう何か。それが起こる前に出来ることはやっておこうとは思う。最善を願いつつも最低を想定する。それは自然なことだろう。
…ちなみに呑気なことに彼女は今、食品売り場周辺のベンチでソフトクリームを食べていたりする。
【海月】
はあ。食欲につられたってワケじゃない、とは思いたいけれど、早く抜け出したい。気が散る。
…食品だけでも何でもある、って言うのは良い情報だろうけれど。
相手は少なくとも、オレたちを"自然死"させたいワケではなさそうだね。ホテルにしろ、レストランにしろ、温泉にしろ。
だとすると、逆に…って感じなんだけど。
早く何か起きてくれないかなー、なんて。
「……、あ。」
不意に声を上げそうになるのをこらえつつ、ベンチでゆったりとしている少女に目を向ける。
何と都合がいいのか、こちらから背を向ける形で。
…何と言うか、彼女は運が悪いのか、それとも態となのか何なのか。
勿論音を立てないように近づいて、
――あ、初対面でもコレやったなぁ。
とか思いつつ。
「だーーっれだ！！！」
恒例のように、彼女の目元を手で隠す。アイスを食べている側からしたら大迷惑だろう。
【あいごころ。】
【海月side】
｢にゃっ！？｣
それは最初とは違い、完全にリラックスしてる状況でやられた。それにより思わぬ声が出てしまう。咄嗟に目をおおっているものを振り払いベンチから立ちあがる。そして直ぐに後ろを向いて…奇しくもベンチを挟んで最初の時と同じような構図となる。
…違うのは突きつけているものがナイフでは無く食べかけソフトクリームであるということか。
｢…一体なんのようかしら。｣
咄嗟とはいえソフトクリームを突きつけてしまったことに対して少々後悔をする。おそらく、相手としては特に用は無いのだろう。少なくとも自分のことを見つけた、というだけで。
【海月】
お、いい声出た。
…と思ったんだけど、流石にソフトクリーム向けるのはやめない？食べ物粗末にしちゃダメなんじゃないかなーってオレ思うんだけど。あ、でもオレの言えたことでもないかもしれないね！
しかし、おかしいなぁ。こころちゃんに変なことをした覚えはないんだけれど？
…嘘だよ、もちろんね。
「何の用かってー？うーん、じゃあむしろ当ててみてよ！オレ、何の用で来たと思う？」
1.道具を調達しに来た。
2.そこにキミがいた。
3.情報交換ついでに驚かせようと思った。
さあ三択だよこころちゃん！正解はどれでしょうか！
【あいごころ。】
【海月side】
｢…はぁ｣
ため息を吐きつつソフトクリームを持った手を下ろす…と落とすので口元に少し寄せるだけに留める。正直これほど会話してて疲れる相手もいないだろうと思う。もう面倒臭いし無視してどこか行ってしまおうかとか考えてしまうが…それは少々得策では無いだろう。少なくともこちらは、用がないという訳では無いのだから。
｢さあね、食品にでも加工されに来たのかしら？｣
すこしジト目をしながら相手を見る。ついでに手を振り払った時にズレた狐面を元に戻しておく。本当はこんなやつ放置してソフトクリームをたべたいのだけれど。
【海月】
「ええー、つれないこと言わないでほしいなぁ。オレ、別に死んでもいいけどつまんない死に方はしたくない主義だよ？」
流石にゲエムの内容も知らずに脱落するわけにはいかないからね、なんて。
そういえばくらげってそこまで美味しいのかな？
まあ、でも、ちゃんとした理由はある。彼女がこんなところにいるあたり、彼女からは新出の情報なんてないだろうけれど。
「実は実は…オレ、このゲエムの黒幕らしき人と会ってきたんだよね！」
嘘。フリッツちゃんからの情報から組み立てただけ。
でもこれでもこころちゃんが揺らぐことくらい、オレ知ってるからね！
【あいごころ。】
｢黒幕に…？｣
少しだけ眉をひそめる。黒幕にあった。これはブラフだろうか…いや、本当にブラフだとしてもそれをする理由が薄い、となると。その黒幕にあったというのは真実なのだろう。…これの性格上、嘘偽り無く全てを喋る、なんていうことはしないであろうから全てを信用するのは危険ではあるが。そっと狐を触る。
｢それは、確かに興味深いかもしれないわね。｣
それを話すということは少なくとも情報はある、ということだ。それを話すかどうかはわからないが…情報交換はこちらとしては願ってもいないことである。…だが、こちらにある情報はおそらく相手も持っていること。となると情報交換、というよりも情報提供。それも、相手の気分次第…これは、最悪諦情報を諦ても問題ないだろう。少なくとも黒幕が近くにいる、ということを把握出来ただけでも収穫と言える。
【海月】
思ったより、あいごころちゃんって、分かりやすいよね。とは言わない。
そのお面触ってる時って、深く考え込んでる時か恥ずかしい時かのどちらかでしょ？…まあ、教えないけれど。
「ね、興味深いでしょ？どうせキミの情報は期待できないし、それならオレがヒントの一つでも持ってきてあげようかなって！感謝してほしいよね！
それじゃ、一言一句聞き逃さないでおいてね？
恐らくこのゲエムの黒幕の名前は"アカエル"。放送でも言ってたね。まあ、オレの前に現れたコとおんなじかは分からないけど。
で、そのコなんだけどさ、急に出てきて武器を消して急に消えちゃった！んだよね
びっくりな話でしょ？」
別に見てはいないけれど、フリッツちゃんところどころ物騒だし、おかしくはない話だよね。
…消す、の意味がどう捉えられるかは別に関係なくていいや。こころちゃんの反応次第っと。
黒幕＝アカエルちゃんの説は割と踏んでるんだよねー。放送もそうだけれど、それ以外にも…ってね。
【あいごころ。】
｢…なるほどね。｣
さて、その話しが本当だとして。まず武器が消えたというのは何らかの要因で使えなくなった、と考えていいだろう。それはそこまで重要な情報ではない。問題は…アカエルというGM及び黒幕と思わしき人物が姿を現した、ということだ。武器を持っているから姿を現したという訳ではなさそうだ。というかその場合は最初にナイフを付けつけた時点で現れるはず。では何故…そこまで考えたところである｢仮説｣が頭をよぎる。しかし、その場合海月が遭遇した、という部分に違和感が残る。
｢…そう。その情報、有難く頂いておくわ。｣
…試してみる価値はあるだろうか。
【海月】
考え込んでいる、か。まあ、すぐに信じられる話ではないだろうね。
ぶっちゃけオレもちょっと信じにくい部分あるし。鵜呑みにしていいほどな情報ではない、のは事実。
ただアカエルちゃんの部分だけ汲み取ってくれれば問題ない話。
「で、情報を貰ったからにはこころちゃんには死んでもらうしかないね！！
オレからただで抜き取ろうなんて思えるんじゃないよ？」
自分から言ってきたクセして。まあ、通訳すると、何か面白いコトやって、という意味になるんだけれど。
こころちゃんとしても、この情報は割と美味しかっただろうしそこそこの無理難題は答えてくれそうだよね。
【あいごころ。】
｢…一体、何をお望みなのかしら。｣
真偽はともかく少なくとも情報を得たことは事実。本当はここではいさようなら、で去ってしまってもいいが…こちらとしては恨みはあれど敵対までするつもりは無い。この状況で好き好んで敵対するようなものなど…1部の物好きぐらいしか居ないだろう。共有チャット度々情報のでる黄色い化け物などはそうだろうか？
｢正直、全く持って気が乗らないのだけれどね。｣
心境を包み隠さず言う。変なこと言ったら殺すわよ、と目で送り付ける。おそらく伝わっているだろう。
ソフトクリームが溶けそうになっているので少しだけパクッと食べる。おいしい。
【海月】
「うーん。そう。だなぁー。」
気が乗らないってのは本当だろう。正直オレからしてみてもこころちゃんは気が乗らなさそうに見えるし。
一体何でなんだろうね？オレ恨まれたり嫌われるようなことをしたつもりはないんだけどなぁ。
…なんて、嘘だけどね！やっぱりヘイトを集めておいた方がゲエムの時は動きづらくなって楽しいし？
「三回回ってワンとかでも別に問題なさそうだけれど…
ああ、そうだ！やっぱりこういう時はああ言うのが一番だよね！」
さり気なく、移動する。
ベンチを挟んで向かい合っていたのを、少し彼女のいる方向に。"手が出やすい距離"を探す。
いや、正確には、"相手がこちらに手を出してしまうような距離"を探す。
オレとしては、一度くらい、怒らせてもみたいかなってね。
それに、さっき、ショッピングモールに来たのだから第一にとっておいたモノ。
「キミには此処で死んでもらおうか！」
ニコニコとナイフを、目の前の少女の首筋に当てつけた。
…まあ、玩具だけれど。
【あいごころ。】
ナイフをつけつけられる。一瞬驚くが、それ以上は何も思わない。…そっか。そうくるかぁ。どうやら彼女としてはこれで動揺すると思ったのだろう。事実動揺はする。けれども。
｢そう…｣
そうやって小さく呟く。彼女が私にしたことは思ったよりも『つまらない』ことであった。少しだけ、失望するかな、と心の中で思う。だから。
腕を伸ばせば届くぐらいの距離で。落ち着いて相手の顔を目掛け。右手に持っていたソフトクリームを投げつける。
それと同時に、拾っておいたものを袖口から左手へと滑らせる。浴衣の袖口って思ったより便利だなと心の中で言ってみたり。
【海月】
「わっ…っと」
投げつけられたソフトクリームは、一応左手で受け止めた。…残念、失敗か。
まあいい。失望した？面白くなかった？表情を落とす彼女を少し、寂しそうに見つめて。
…何をしたかは知らないけれど、まあ、いいや。
――今、彼女は、じっとオレの顔を見ている。"オレ"を見ている。それならいい。
それに…
"上"を見てちゃ、"下"は見えないよ！こころちゃん！
「っと！」
折角なので、つまらなくさせてしまったお詫びとして、こころちゃんの足に自分の足を滑らせてみた。
痛みがあるわけでもない、何かの構えでもない。――ただ、高確率で転ぶだけ。
【あいごころ。】
【海月side】
｢……｣
1回目、2回目は予期できなかった。でも、3回目のこの状況としてはどうだろう。足をかけられる。まあ、このままでは転んでしまうだろう。
咄嗟に地についている足を軸として体を反転させる。と、同時に。左手に持ったナイフを思いっきり相手へと突き刺しにいく。このナイフは廃工場で拾っておいたものだ。倒れながらの荒業だ。だけれど、狙う必要はない。刺さるかどうかも考えなくていい。ただ、もし｢仮説｣が本当であるならば。
ーーこれが私からの情報提供になる。そうでしょう？
――――――
「こらーーーーー！！」
(突如、二人の間に現れる赤い少女。あいごころ。が手にしていたナイフは煙のように消え失せる。少女は腰に手を当て、ぷんすかと喚き立てた)
「んも〜っ！☆喧嘩はメッ！だよ！言うこと聞かないと、アカエル怒っちゃうんだから！ぷんぷん！☆」
――――――
【海月】
……うん？
――ああ、そういう。別に刺されても良かったんだけど。
しかし、引きずり出せたなら良かった。中々面白いコトするじゃん、こころちゃんも。
ますます敵にしたくなってくる。
「っうわ、なになに！？ナイフが……消えた？
…えーっとー、キミは…アカエルちゃんでいいのかな？」
取り敢えず、この少女とは初対面。こころちゃんにも気づかれてはいるだろうし。
…しかし、何と言うか、目に痛い人だね。いろんな意味で。
「何しに来たの？オレとこころちゃんは仲良くイチャイチャしてただけなんだけどなー！
二人の仲を引き裂きにでもきたつもり？」
【アカエル】
「ふぇえ！？わ、私は皆に仲良くして欲しいだけなんだもん！☆
イチャイチャなんてしてなかったもん！ナイフ、痛くて、危ないもん！☆」
(海月に責められ、ビクッと縮こまる。それに抗うように、手をブンブンと振り回しながらわーわー喚くのであった)
【あいごころ。】
おそらく、海月には私の意図が伝わっただろう。それと同時に、仮説があたっていることを確認する。やはり。そういうことだろう。2人が会話しているのを聴きながらのそのそと体を起こす。さて、これは私にとっても、海月にとっても。都合良い状況だろう。
｢そうね…私にとってはそこの軟体生物を痛めつけられるところを邪魔されて不機嫌なのだけれど。｣
狐面を直しながら少しニヤッと笑ってみる。さて、まずは様子をてみようかしらね。
【アカエル】
「ふ、ふええ……わ、私は悪くないもん！み、皆がなかよしでいれるように……。
……うん、茶番はやめよう。こうなることがわかってたんだろう？」
(目に涙を溜めながら、小動物のようにプルプル震える。自分はただ、この修学旅行が円滑に終わるようにして欲しいだけなのに……と、いう仮面は脱ぎ捨て、ふっと真顔になると、姿勢を正し、淡々と言い放った)
【海月】
「…えっ、そんな…仲良しでいられるようにオレたちの面倒を見てくれたんじゃなかったの…！？」
一応返答はしておく。茶番なのは知っているけれどほら、一応。
それで、黒幕…アカエルちゃんがここまで干渉してくるなんて。何を考えているんだ？この期に及んで、"何も考えていない"なんてことはないだろう。
「で、何しに来たの？というか、目的は何なの？
どうせ、仲良くさせたいなんてワケじゃないんでしょ。だったら、こうやって暴力なんかを取り締まるのは何故？
これから何が起こるの？そもそも、此処はどこでキミはナニモノなのか…
なんて、こんないっぺんには答えられないよね！」
流石に、相手が懇切丁寧に教えてくれる、とも思ってはいないし。だったら、オレは聞きたいことだけ聞いておくよ。
ちょうど、一つあったからね。
「きっとこれから、何か起こるんでしょ？…で、そのゲエムは、"勝ったらオレに何の得がある"の？
ゲエムで損得鑑定はしたくないけど、一応…ね！」
【アカエル】
「はてさて？何のことか僕にはさっぱりわからないなぁ。こんなに楽しい環境を用意しているのに、君達がどうしてそこまで邪推に走るのか、僕には理解しかねるよ」
(アカエルの姿勢はあくまで「修学旅行の引率」ということらしい。茶番だとわかっていても、シラを切り通し続けるだろう)
「ゲエムに勝つだ負けるだ、何のことなのかねぇ。ただ、そうだな。君が家に帰ったなら、その時は……"強くなれる"よ」
【あいごころ。】
もちろん、分かってやっていた。この仮説があっていることだけでも大きな収穫だ。…ちなみに別に仮説が当たらなかったとしても鬱憤は晴らせるので問題ない。しかしどうやらアカエルとかいうテレビにでたらそれだけで目がやられそうなやつに聞けるチャンスまである。正直ここまでサービスがいいと拍子抜けするところだが…まあ、貰えるものは貰っておこう。
…強くなれる。それが何を示しているかはわからないが。おそらく、ぼかすということはそれ以上は答えるつもりは無いのだろう。
｢私からも質問させて頂くわ。｣
ならば。私は私で、気になっていることを聞こうじゃないか。
｢あなたの言うその“修学旅行”っていうのは…何回目なのかしらね？｣
目を細めてアカエルを見る。そっと狐面を左手で障る。…このくせは直した方がいいのかしら。
【アカエル】
「修学旅行の回数？変なことを聞くね。
そんなことを聞いて何になるのやら……そうだな、確かこれで……21回目、かな？」
("修学旅行"が隠語であることを理解しつつ、かなり親切に、かつ正直に答えるのであった)
【海月】
「…ふーん。これは質問タイムの流れ、ってことでいいのかな？
それならどしどし行っちゃおうか！オレも気になってたことあったし！」
修学旅行、については深く言及はしないでおこう。今分からない状況の中で"分からない"を増やすのも良くない。
なら…？
「じゃ、端的に。キミはナニモノで、この修学旅行の主催って何なの？
学園がらみじゃないことは分かってる。こんな大規模なコトを出来るヤツらなんて、早々思い浮かばないんだけどね。
あと、キミのそういう超人的な力も。」
実直に気になっていた事を質問しよう。
見たところ、仄めかしはすれど正直に答えてはくれるのだから。
…いや？答えなければ、なのかもだけどね。
【アカエル】
「僕はこの修学旅行の引率。君たちと同じ生身の人間だし、この身体も君達と同じような仮の身体だ。ただ、君達よりもやれることが圧倒的に多い。簡単に言えばチートだよね。
修学旅行の主催については、悪いけど極秘だよ」
(一定のペースでその辺りをぐるぐる歩きながら、聞かれたことに流暢に答えていく。しかし、答えられる部分と、そうでない部分が、明確に分かれているようだった)
【あいごころ。】
【海月、GMside】
｢これは大盤振る舞いってことかしら？体張ったかいがあったわね。｣
さて、気まぐれかどうかは知らないが答えてくれるなら使わない手はないだろう。と、言ってもこの先の事を聞いてもどうせはぐらかされて終わりだろう。ならば、今聞くべきはこの質問だろうか。
｢ずっと気になっているのだけれど…ここは、いったいどこなのかしら？もちろんショッピングモール、なんていう回答は要らないわよ？｣
そのようなはぐらかしはないと思うが釘は打っておく。…恐らく“普通の場所ではない”ことぐらいはわかる。しかし超自然的な、という信じ難い現象が関わってくる以上何が起こっているか絞り込むことはなかなか難しいだろう。だから、この質問で多少のことはわかるはず。…答える部分と答えられない部分には明確な違いがあるはず、だから。
【アカエル】
「ここがどこか、か……それを言葉にするのは難しいね。でも、ある程度の推察はできてるんじゃないかな？
明らかに日本ではない雪国なのに、揃っている施設はばっちり日本語。極寒の地にこのような施設を建てたのかもしれないね？でも、ここでは物理法則なんてなんのその。そう、もはや地球ですらない。
"異世界"と形容するのが、一番正しいのかもしれないな」
(歩みを止め、両腕を広げてくるりと回る)
【海月】
異世界、ねぇ。信用するかは…いや？信じるには値するか。
先程から、アカエルちゃんは…はぐらかしたり、返答を拒否はすれど、嘘はついてない。
それでここまで断言してくるのなら…
つまり、相手は相当の技術力を持っていて、世界くらい作り出せても問題ないってわけだ。
っはは、オレらと同じ人間とか言っておいて。
…ただ、これで少しは読めた。アカエルちゃんは組織のことについては話せない。んじゃない？
つまりその組織…これを仕組んだ黒幕たちのこと。それが一番深く関係している？
…質問。質問か。ああ、そういえば。
「どうやらキミは一人みたいだけど、もしかして一人でこの異世界とやらを全部運営してるわけじゃないよね？
もしかして、ぼっち？」
【アカエル】
「アハハ、酷いなぁ。こんなこと、一人でできるわけないじゃないか。僕は魔法使いでもなんでもないんだから」
（両翼を広げ、ふわりと浮かび上がる。これさっきの物理法則云々の話しながらやりたかったんだけど忘れてた。だから今浮く。ふわふわ）
【あいごころ。】
｢ふぅん…｣
つまり協力者がいると。ここまではっきり言うということはこれも真。本当と見てよさそうか。…さて、次に聞くべきこと。ここですべてがわかる訳でもないし、そろそろネタ切れも近くなってきた気もしなくはないが…まあ、あるにはある。
｢これはもしもの話よ。もしもの話だけれども…ここで死んだら、どうなるのかしら？もしかして元の世界に戻れたりするのかしら？｣
どうせ悪趣味な答えしか帰ってこないのだろうが…一応聞いておこうか。正直、予想はしてるけれども。
【アカエル】
「死んだら、元の世界に……？ふ、ふふふふ。
どうだろうねぇ？戻れるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。やってみたらどうかなぁ？アハハ！」
（ふわりふわりと空中を旋回しながら、いやらしく笑う。今までにない、曖昧な返答だった）
【海月】
「っはは！やってみたらどうかな、なんて、キミがそれを止めに来たんじゃないか。」
けれど、それは、そういう意味ではないのだろう。
ここが異世界だとして、異世界で死んだ人間は元に戻れるのか？そういう話。
正直、オレはそんな都合の良い話はないと思っている。
人生は一回きり。だからこそ一回ですべてを楽しまなければいけないし、人の命は儚いし、それがむざむざ散っていくさまが楽しい。
けれど。
目の前の”良い趣味をした”ヤツなら、生き殺しにするのも厭わなそうだね。
オレと気が合う。
「…オレからはもう質問はないよ。だいぶ知れたし、それに…ゲエムだけじゃなくて、ここで出来ることもたくさんある。
…もし帰れることになったら、そのときは強くなれるんだよね？
期待してるよ？」
ああ。ゲエムを損得で判断するなんていつぶりかな。
【アカエル】
「ふふ、何度も言うがこれは修学旅行だ。君たちの中を深め合うための。
仲良くしていれば、そのうち帰れるんだからさ」
（大嘘である。もっとも嘘であるとバレているであろうが、この茶番はやはり崩さない）
「おちびちゃんは、まだ聞きたいことがあるのかな？え？どうして君にそんな小さな体を与えたのかって？さあ、面白そうだったからかなぁ。アハハハ！」
【あいごころ。】
【海月、アカエルside】
｢あら、そう。私はあなたがロリコンなんだと思っていたわ。｣
身長のことに触れられ少々イラっとするが…ここで怒っても相手を喜ばせるだけだと思いぐっと堪える。狐面を触っていた手を下ろしふぅ、と息を吐く。
｢…私からももうないわね。さっさと消えたらどうかしら。ゲームマスターさん？｣
自分から呼び出しておいてしっしと追い払うような仕草を見せつける。…正直、隣のゼリーよりも嫌いなタイプだ。まあ、情報は手に入ったから良しとするべきか。ふわふわと浮くアカエルを面倒くさそうに睥睨する。さてと…情報の整理が必要か。
【アカエル】
「ふええ〜☆そんなこと言うなんて酷いポヨ〜☆
こ、これからはちゃんと仲良くしないと、メッ！だからね☆」
（当初のテンションでおどける。次の瞬間、その姿は瞬く間に消え失せるのであった）
【海月】
……いやー！嵐のように現れては消えたヤツだったね。
しかし、これで、何となく全体像は掴めてきたんじゃないかな？…情報共有相手があいごころちゃんなのがちょっと歯がゆいけど。
「…いやあ。本当に、始まるみたいだね？ゲエム。
何が起きるんだろうね！何人死ぬかなぁ？全員死ぬかもしれないよね。楽しみだな！」
でも、まあ。正体がなんであれ、こんな良い趣味したゲエムを思い付ける連中なんだ。
そんな一筋縄ではいかない。
だったら、やれることは、全てやるか。
「それで？これからどうしよっか。」
【あいごころ。】
【海月side】
消えた、か。もう特に話すことは無いので問題は無いが。…今の話を聞いたのが私と隣の半透明存在ってのはすこしいただけないわね。 それに…この修学旅行は簡単には終わりにはならないでしょうしね。
｢…そうね。始まるようね。｣
…きっと気分のいいようなことは始まらないだろう。それこそ…いや、もう分かっている。名前を呼ばれたら死ぬのも本当だろう。先の話からしてもどう考えても、殺し合いは起きるだろう。どうすればここまで悪趣味なことを考えつくのだろうか。殺し合い、ほど無意味なことはないだろう…やはり、私には狂人の気持ちというのは分からないようだ。それこそ、悪趣味仲間でもない限り…ね。
｢これからどうするべき、ねぇ…そうね。せっかくだから“仲良く”でもしてようかしら？｣
そういってコロパットを取り出す。そう。“仲良く”しようじゃない？と少し頬をつりあげて。
【海月】
仲良く、ね。
こころちゃんが”そうゆう”タイプなのは少しは予想していたけれど…
いや、よそう。オレの考えが狂っていて、誰にも理解してもらうことなど出来ないなんてとうの昔から知っている。
同じ狂人でさえ、オレを理解することはできなかった。
だから、オレは、誰にも頼らないし頼れないのか。
仲良く、ね。
嘘つき。キミはオレを敵に回したくないとは思っていても、仲良くしようなんて微塵も考えてはないじゃないか。
嘘つき。嘘つき。
「わー、オレもちょうどそれ考えてたトコだったんだ！
折角だし、また何か情報があるかもしれないし？連絡先を持っておくのは大事だよね！」
嘘だ。
嘘。嘘。ごちゃごちゃに混ぜられたモノ。
けれども、行動だけは真実を語っているのか。自然と、コロパッドを取り出していた。
…そして何故か、嫌な予感がして、数歩後ろにひいていた。
【あいごころ。】
【海月side】
｢ええ、あなたもそう思うのね？｣
そう。仲良く、なんていうのはこの状況で成り立つわけが無い。そんなことは知っている。結局この交換は今後のための布石。なにが役に立つかわからないからこそのただの保健。やっておこう、程度の。フレンド、なんてよく言ったものだ。先に経つ未来において。ーー友情なんて役に立つものでもないのに。
数歩後ろに下がった彼女にゆっくりと近づく。取り出したコロパットを掴むと、勝手にフレンド交換をしてしまう。…別に問題はないだろう。
…フレンド交換なんていう、皮肉らしい行為を行う。仲良くする気もないくせに。
【海月】
…………………。
友情、友達、関係か。身近なモノ、身近な……
「んもー、強引にやらなくてもちゃんと登録するのにさ。」
仮のモノだけれどね。
クラスメイトと言うには崩れ落ちてしまった関係だけれど。
本名を知られてはいけない…なんて、残酷で退廃的でとても面白いルールを作ったものだ。
もし、キミがオレの本名を知ったとき、
もし、オレがキミの本名を知ったとき、
オレたちはまだ、友達でいられる？
「そう言えば、フレンド登録だけで他には何もしなかったね？
こころちゃんのことだから、しゃ……あー、いや、ごめん。何でもない」
…本当にポロッと出てしまった。気づいていなければいいけれど。
【あいごころ。】
｢そうね…あなた、ネットの恐ろしさって知ってるかしら？｣
唐突にそう切り出す。
｢ネットっていうのは１回出回ったら最後。その情報は世界に拡散されて大量の目に晒されるわ。｣
もう一歩距離を詰める。
｢そしてそれは限定されたコミュニティでも一緒。少しでも晒された情報は直ぐに他の端末へと送信されるわ。｣
右手を強く握りしめて。
｢そう言えば最近？私の写真が？共有チャットにあったのだけれど？どういう事なのかしらね？｣
彼女に“用”があったのでそれを問う。それはもう笑顔で。
【海月】
「あ、あのさこころちゃん？オレはキミが何を言いたいのか分からないんだけどさ…
その、手掴まれたままだと痛いなー…って…」
身体能力は、元の身体も関係しているらしい。
普通なら130cmの少女の手なんて普通に振り解けるんだろうけれど。オレが弱いのか彼女が強いのか。
いや、断じて認めない。これはこころちゃんが強すぎるだけ。そう。
「アレは…ほら、ただのジョークじゃん…？
こころちゃんが笑ってくれるかなーって思ってさ…ほら、現に今こころちゃん笑顔でしょ…？
もうそれで良くない…？ハッピーエンドで終われるんだよ？」
海月の特性。
人を煽り、嘲笑うような言動が多い。
それ故に、一度逆転されたら返り討ちに合うことも多い。
【あいごころ。】
｢そうね。あなたが分からないのならそれでいいわ。｣
左手で握りこぶしを作り、それと同時に右手にさらに力を込めて。
｢なら、あなたにわかりやすいよう端的に言うわね？｣
この笑顔の理由？簡単だ。願っていたことが叶うのだから。
｢そのあなたのニヤケ面…｣
右手を引っ張り、
｢1発殴らせなさい！｣
左手を海月の“腹”に打ち込む。
【海月】
「ッ………！」
痛い。右手が使えないから蹲ることも出来ない。
最初からこれがこころちゃんの狙いだった…？いや、一個想定外か。
手応えがとても少ないこと……オレ、打たれ強い…んだよね。
でも、流石に…直で食らうのは、きつい。
きつい。痛い。痛い…？痛い、痛い。痛い。
痛い、痛い…あつい、さむい、苦しい、ああ、やめて…
「ッ…いっ、たいなぁ、こころちゃん！
少しは手加減とか学んだらどうなの？ってか、そろそろ離してほしいな。痛いのは嘘じゃないからさ。」
動揺してはいけない。もの。
「謝るからさぁ…それでいいかな？」
頭の中ではそう願っているのに。
彼女の目の前で必死に見せている不敵な笑みも、頭の中の狂った痛みも、どちらも止まってくれない。
「それに、何でもかんでも暴力で訴えかけるのも良くないと思うんだよね！フェルナちゃんしかり。」
【あいごころ。】
｢ふん。知らないわよ。｣
少しだけ、気が晴れた。そんな気がする。暴力を振るったのはいつ以来だろうか。…少なくとも、記憶のあるうちにはない気がする。むしろ私は…
｢…もう、ここにはようはないわね。｣
気付かぬうちに相手を殴った腕が震えていた。それに気づかれたくなくて、咄嗟にそんなにことを言ってしまう。…だめだ、ここにいては。いつの間にか、彼女の前から逃げるように立ち去る。そうだ、顔を殴ろうとしたはずなんだ。なぜ、腹にしてしまったのか。
だって、顔はーー
あるはずのない傷が痛み始める。これ以上はだめだ。これ以上はここから先のことと関係ないのだから。
ショッピングモールを出る。あまり、ここにいたくなかったから。…結局。どこにいても最後は一緒なのに。
【海月】
「…そっか。うん、じゃあね、こころちゃん！」
結局、自分のせいだと言うのだから彼女に非はない。変わらないはず、なのだけれど。
掴まれていた手も、腹も、痛い。のは、オレのせい。
本人には自覚がないのだろうけれど、覚束ない足でここから去っていく彼女を、静かに見送った。
そうしなければ、何もすることがなくなった左手が、頭を抱え込んでしまう。
暴力を振るわれたのはいつ以来だっけ。ああ、フェルナちゃんとかトロンパちゃんにも振るわれてたね。
いつも、そうだ。オレのせい。オレはキラワレモノで、ヒネクレモノだから、これでいいって。そう教わってきた。
今となっては、其れも嘘なんだろうけど。
ああ、嫌だ。思考を止めてしまいたい。やめて。
「……っはは。さて、何が起こるのかな。」
誰にも聞かれてないのに呟いた。そうしないと切り替えられない。これは、今から始まることとは何も関係ないんだから。
逃げるように去った彼女の、通り道を見つめる。結局、どこまで追いかけても結果は同じなんだ。
動かぬ大和と情報交換 13th-15th
撫子(13th)-ペペロンチーノ(15th)
【撫子】
（あれから、なんか動く気力が起きなかった。暖かい。快適。ずっとこのまま寝てたい。
すごい自堕落になっていた。）
【ペペロンチーノ】
<中央エリア 『ホテル』>
北エリアの探索を終えた彼は西エリアに戻る前に少し寄り道をしていた。中央エリアにあるホテルに入ると、空いてる部屋にチェックインをし、食堂で食事を取ってから部屋に向かった。
ホテルの廊下まで来ると辺りをキョロキョロと見回しながら何かを警戒するような様子で探索を始める。まぁホテルがあるのだから、泊まっている客が彼一人などと言うことは無いだろう。もし仮に、敵意を持った者が潜んでいれば、この狭い空間内では逃げられる気がしない。だからこその警戒である。
部屋の扉を一つずつノックしながら調査をする。返事があれば様子を伺うつもりだ。しかし、殆どの部屋は空室でノックをしても反応がなかった。そして彼は、撫子の居る部屋の前に到着する。
一呼吸おいてから3回、決まったリズムで扉をノックする。これはホテルの従業員が客の部屋をノックする時の方法だ──まぁ実際にそんなことはなく、不審がられたらホテルの従業員として誤魔化そうと考えている。
【撫子】
はーい、どちらー？
（そう言ってドアの方へ向かって行き鍵を開ける。
自堕落になっていても人の相手はちゃんとしないといけない、ときっちり出迎えるつもり…だったが、寝癖が付いていた。）
【ペペロンチーノ】
「あー⋯すまない。寝ていたところ悪かったな。このゲームの参加者だ。進展がないこの期間に情報を集めておきたくてな。なにか知っていることはないか？」
扉の向こうから出てきた女性を見て、睡眠中だったと推測し一応謝りを入れておく。本来なら迷惑極まりない行為なのだから、こちらが気を使うのは当然のことである。取り敢えず、ストレートに質問をぶつけてみる。本当なら、軽い雑談等を行ったあとの方が聞きやすいのだろうが、生憎彼はそんなに回りくどいやり方は出来ない。
【撫子】
え？あぁ、うーん…とりあえず寝てたわけじゃないから大丈夫。
知ってること…とりあえずふなっしーからは逃げて、というのと凍死には気をつけてってところ？それ以外は大体わかってるだろうし。
（休んでこそいたが、寝ていたというわけではないので気にするな、ということを伝えておく。
その後知ってることについても話したが、片方は共有チャットに流した情報、もう片方は使えなくはないけど使えない情報だった。）
【ペペロンチーノ】
「ふなっしー⋯？そうか、貴重な情報をありがとう。ところで一つ聞きたいんだが、このホテルで俺以外に他の参加者に会ったか？俺が調べてた限りでは誰もいないようだったのだが⋯」
色々バタバタしており、共有チャットを見れていない彼にとっては新鮮な情報だった。海月やあの幼女、そして目の前の女性。彼がここに来てから会った3人の人物は皆、独自に調査、或いは推理をして情報を集めていた。(幼女はともかく)しかし彼は、移動時間こそ多いが殆どろくな情報を集められていない。これには理由があるはずだ。
【撫子】
あー、一人だけいたよ。海月とかいう名前だったかな…忘れた。
あれは気をつけておいた方がいいよ。いざとなったら誰でも殺すだろうからね。会ってみればわかるとは思うけど。
（もう既に、勝手にしろ、できれば死ね判定を下した相手のことは覚えてなかった。おそらく、あと数時間経てば名前も怪しくなるだろう。
が、少なくとも今は要点も覚えていたし、名前もギリギリ出てきた。それなりに使えはする情報が出せているはずだ。）
【ペペロンチーノ】
「あぁ⋯俺ももう会った。あいつは信用出来ん。だが、利用価値はあるな。恐らくあいつはかなりの人間に会っている。それだけ幅広い情報を持っているという事だ」
彼女を危険と判断したのは自分だけだと思っていたが、どうやら他の参加者にも同じように思われているらしい。彼の時のような対応を色んな人間にしているのだろう。あまり敵を増やすべきではないと思うのだが、それは彼の知ったことではない。
【撫子】
そう？あれに協力しないと情報なんて分けてもらえないだろうし、表面上だけやったりしたらバレたときリスクもあると思うんだけど。
どっちにしたって私は会いたくないかな。
（と、答えてみる。確かに彼女が多くの人と会っていて、その分情報を多く持ってるのは確かだろう。
ただ、あれを利用するのには骨が折れる。下手すれば自分が利用されるかもしれないし、できれば相手にしたくない人だった。）
【ペペロンチーノ】
「やりようによっては上手い具合に利用できるさ。例えばあいつの本名を書いた紙を目の前に突きつけたり、とかな」
命を握られている状況でそれでも尚嘘を吐き続けるなら大したものだが。あいつならやりかねないのが怖い。しかし、情報という点において圧倒的に差をつけられている今の状況では、まともな交渉さえ難しいだろう。
「まぁ、あくまで例え話だからな。リスクが高すぎる。とはいえ、選択肢の一つであることには変わりない。⋯⋯っと。すまない、肝心な情報を何も持ってなくてな。これから集めるつもりだ。取り敢えず、フレンド登録だけしておいてもいいか？」
【撫子】
【ペネロペサイド】
それ相手死にそうだけどね。そもそもそういうことがある前提で動くのってどうなの？
フレ登録はいいけど。
（本名バレてるじゃん、と言いたい。が、そもそも仲間内で殺し合うようなことが起きる前提で動いていること自体が問題で、何より気に入らなかった。
ただ、相手も海月のように殺し合いが好きなわけじゃないのはそう…だと思うのでフレンド登録は受け入れた。）
【ペペロンチーノ】
「そりゃあ、俺だって人殺しになんかなりたくないさ。ただ、相手を殺さなければ、自分が死ぬ状況だったら迷いなくやる。だからその位の覚悟は持っといた方がいいということだ」
彼は誰に対しても冷静で理性的な対応を心がけているが、仮に自分の命を脅かす存在が現れるとするなら、彼は真っ先にその存在を排除しようとするだろう。だから、最初に殺す殺さないの決断をしなければならない。先程の例は少し極端であったが、要するに、死にたくないが人を殺したくないという我儘は通用しないということである。
「⋯⋯⋯すまない、どうも暗い話になってしまった。あ、フレンド登録ありがとな。で、俺はこれから西の方に向かうが⋯調べてきて欲しいことはあるか？突然押しかけたのにも関わらず快く俺の話を聞いてくれたお前への礼だと思って遠慮なく言ってくれて構わない」
【撫子】
………まぁそうしたいならそうすればいいんじゃない。
（余りいい顔はしなかった。自分が殺されるかもしれないからって不用意に先制攻撃仕掛けたら要らない犠牲を生むかもしれない。
が、そうやって警戒しただけで終わりかねないのなら自分の身を守らないといけないのも事実。彼の言うことを否定はできなかった。）
………特にはないかな。遠慮とかじゃなく、ほんとにないよ。ただ教えた方がいいって思ったことは教えてくれれば何でも。
（少し考えたが、やがてそう答える。
暖かく過ごす方法、は気になっていたがそれくらい自分で考えろ、というものだし、聞く気になれなかった。）
【ペペロンチーノ】
「そうか⋯⋯じゃ、俺は行く。気になったことがあれば個人チャットの方に送っておこう。それと、なんか手を貸して欲しいことがあったらいつでも言ってくれ。協力しよう」
それだけ言うと少女に背を向けて、歩き出し、ホテルの入口の方に向かって行った。
確かにどんな理由で着飾っても人殺しとは、命を奪うという行為は悪そのものだ。しかし、それを理解した上で彼はどうしても生き残らければいけない理由がある。例え相手がクラスメイトであろうが、狂人であろうが、殺人鬼であろうが、彼は生きて元の日常に帰らなければならない。
【撫子】
（あれから、なんか動く気力が起きなかった。暖かい。快適。ずっとこのまま寝てたい。
すごい自堕落になっていた。）
【ペペロンチーノ】
<中央エリア 『ホテル』>
北エリアの探索を終えた彼は西エリアに戻る前に少し寄り道をしていた。中央エリアにあるホテルに入ると、空いてる部屋にチェックインをし、食堂で食事を取ってから部屋に向かった。
ホテルの廊下まで来ると辺りをキョロキョロと見回しながら何かを警戒するような様子で探索を始める。まぁホテルがあるのだから、泊まっている客が彼一人などと言うことは無いだろう。もし仮に、敵意を持った者が潜んでいれば、この狭い空間内では逃げられる気がしない。だからこその警戒である。
部屋の扉を一つずつノックしながら調査をする。返事があれば様子を伺うつもりだ。しかし、殆どの部屋は空室でノックをしても反応がなかった。そして彼は、撫子の居る部屋の前に到着する。
一呼吸おいてから3回、決まったリズムで扉をノックする。これはホテルの従業員が客の部屋をノックする時の方法だ──まぁ実際にそんなことはなく、不審がられたらホテルの従業員として誤魔化そうと考えている。
【撫子】
はーい、どちらー？
（そう言ってドアの方へ向かって行き鍵を開ける。
自堕落になっていても人の相手はちゃんとしないといけない、ときっちり出迎えるつもり…だったが、寝癖が付いていた。）
【ペペロンチーノ】
「あー⋯すまない。寝ていたところ悪かったな。このゲームの参加者だ。進展がないこの期間に情報を集めておきたくてな。なにか知っていることはないか？」
扉の向こうから出てきた女性を見て、睡眠中だったと推測し一応謝りを入れておく。本来なら迷惑極まりない行為なのだから、こちらが気を使うのは当然のことである。取り敢えず、ストレートに質問をぶつけてみる。本当なら、軽い雑談等を行ったあとの方が聞きやすいのだろうが、生憎彼はそんなに回りくどいやり方は出来ない。
【撫子】
え？あぁ、うーん…とりあえず寝てたわけじゃないから大丈夫。
知ってること…とりあえずふなっしーからは逃げて、というのと凍死には気をつけてってところ？それ以外は大体わかってるだろうし。
（休んでこそいたが、寝ていたというわけではないので気にするな、ということを伝えておく。
その後知ってることについても話したが、片方は共有チャットに流した情報、もう片方は使えなくはないけど使えない情報だった。）
【ペペロンチーノ】
「ふなっしー⋯？そうか、貴重な情報をありがとう。ところで一つ聞きたいんだが、このホテルで俺以外に他の参加者に会ったか？俺が調べてた限りでは誰もいないようだったのだが⋯」
色々バタバタしており、共有チャットを見れていない彼にとっては新鮮な情報だった。海月やあの幼女、そして目の前の女性。彼がここに来てから会った3人の人物は皆、独自に調査、或いは推理をして情報を集めていた。(幼女はともかく)しかし彼は、移動時間こそ多いが殆どろくな情報を集められていない。これには理由があるはずだ。
【撫子】
あー、一人だけいたよ。海月とかいう名前だったかな…忘れた。
あれは気をつけておいた方がいいよ。いざとなったら誰でも殺すだろうからね。会ってみればわかるとは思うけど。
（もう既に、勝手にしろ、できれば死ね判定を下した相手のことは覚えてなかった。おそらく、あと数時間経てば名前も怪しくなるだろう。
が、少なくとも今は要点も覚えていたし、名前もギリギリ出てきた。それなりに使えはする情報が出せているはずだ。）
【ペペロンチーノ】
「あぁ⋯俺ももう会った。あいつは信用出来ん。だが、利用価値はあるな。恐らくあいつはかなりの人間に会っている。それだけ幅広い情報を持っているという事だ」
彼女を危険と判断したのは自分だけだと思っていたが、どうやら他の参加者にも同じように思われているらしい。彼の時のような対応を色んな人間にしているのだろう。あまり敵を増やすべきではないと思うのだが、それは彼の知ったことではない。
【撫子】
そう？あれに協力しないと情報なんて分けてもらえないだろうし、表面上だけやったりしたらバレたときリスクもあると思うんだけど。
どっちにしたって私は会いたくないかな。
（と、答えてみる。確かに彼女が多くの人と会っていて、その分情報を多く持ってるのは確かだろう。
ただ、あれを利用するのには骨が折れる。下手すれば自分が利用されるかもしれないし、できれば相手にしたくない人だった。）
【ペペロンチーノ】
「やりようによっては上手い具合に利用できるさ。例えばあいつの本名を書いた紙を目の前に突きつけたり、とかな」
命を握られている状況でそれでも尚嘘を吐き続けるなら大したものだが。あいつならやりかねないのが怖い。しかし、情報という点において圧倒的に差をつけられている今の状況では、まともな交渉さえ難しいだろう。
「まぁ、あくまで例え話だからな。リスクが高すぎる。とはいえ、選択肢の一つであることには変わりない。⋯⋯っと。すまない、肝心な情報を何も持ってなくてな。これから集めるつもりだ。取り敢えず、フレンド登録だけしておいてもいいか？」
【撫子】
【ペネロペサイド】
それ相手死にそうだけどね。そもそもそういうことがある前提で動くのってどうなの？
フレ登録はいいけど。
（本名バレてるじゃん、と言いたい。が、そもそも仲間内で殺し合うようなことが起きる前提で動いていること自体が問題で、何より気に入らなかった。
ただ、相手も海月のように殺し合いが好きなわけじゃないのはそう…だと思うのでフレンド登録は受け入れた。）
【ペペロンチーノ】
「そりゃあ、俺だって人殺しになんかなりたくないさ。ただ、相手を殺さなければ、自分が死ぬ状況だったら迷いなくやる。だからその位の覚悟は持っといた方がいいということだ」
彼は誰に対しても冷静で理性的な対応を心がけているが、仮に自分の命を脅かす存在が現れるとするなら、彼は真っ先にその存在を排除しようとするだろう。だから、最初に殺す殺さないの決断をしなければならない。先程の例は少し極端であったが、要するに、死にたくないが人を殺したくないという我儘は通用しないということである。
「⋯⋯⋯すまない、どうも暗い話になってしまった。あ、フレンド登録ありがとな。で、俺はこれから西の方に向かうが⋯調べてきて欲しいことはあるか？突然押しかけたのにも関わらず快く俺の話を聞いてくれたお前への礼だと思って遠慮なく言ってくれて構わない」
【撫子】
………まぁそうしたいならそうすればいいんじゃない。
（余りいい顔はしなかった。自分が殺されるかもしれないからって不用意に先制攻撃仕掛けたら要らない犠牲を生むかもしれない。
が、そうやって警戒しただけで終わりかねないのなら自分の身を守らないといけないのも事実。彼の言うことを否定はできなかった。）
………特にはないかな。遠慮とかじゃなく、ほんとにないよ。ただ教えた方がいいって思ったことは教えてくれれば何でも。
（少し考えたが、やがてそう答える。
暖かく過ごす方法、は気になっていたがそれくらい自分で考えろ、というものだし、聞く気になれなかった。）
【ペペロンチーノ】
「そうか⋯⋯じゃ、俺は行く。気になったことがあれば個人チャットの方に送っておこう。それと、なんか手を貸して欲しいことがあったらいつでも言ってくれ。協力しよう」
それだけ言うと少女に背を向けて、歩き出し、ホテルの入口の方に向かって行った。
確かにどんな理由で着飾っても人殺しとは、命を奪うという行為は悪そのものだ。しかし、それを理解した上で彼はどうしても生き残らければいけない理由がある。例え相手がクラスメイトであろうが、狂人であろうが、殺人鬼であろうが、彼は生きて元の日常に帰らなければならない。
疲れ、浸かれ、吐き忘れ 5th-9th
まにょ(5th)-マリア(9th)
【まにょ】
そこに入ったのは、単なる好奇心という理由ではなかった。
エントランスから中に入り、患者の一人もいない薄暗いロビーの寒々しさに薄く肌が粟立った。病院は、日常生活の中で一般市民にも比較的安易に`生死の境`に触れられる場所だ。大きな病院ともなれば尚更そのコントラストは強く感じられ、そこから生の気配を、生きた生身の人間の気配を差し引けば、当然とも言えるのだが病院というのは途端に薄気味悪いものになる。
その病院を、こんこん、と咳の音を立てて歩く。和服で肩にはストールを羽織り、傍について支えてくれる人もいないので代わりに杖を突いた。見た目はそれほど老けていないにも拘らず、どこか老人然としたような雰囲気があるのはそのせいだろう。
身体の異変は、概ね二週間続いたら病院にいくと良いというのがよく言われることだが、自分の場合はそうではない。悪くなったら、すぐ対処をしなければ見る見るうちに悪化してしまう。ただの風邪と侮ってはいけない。受付のナースは気にかけるでもなく黙って座っているだけで、これは自分で何とかしないとならないなと半ば諦めた心地になりつつ、ここまで移動してきてだけで疲れてしまった身体をロビーの冷たいソファに据える。
微熱があるからか余計に院内が寒く感じて、小さく身震いした。
【マリア】
『大丈夫？』
スケッチブックを抱え、スーツを寒空に靡かせながら、私は病院の中に入る。さては、外で絵を描くにもそろそろ寒かったから、無意識に屋内にいたかったのではなかろうか。合点が行く。
非常に、つまらない。
そう嘆息しながら、私は風邪気味と見える少年に声をかける。
和服とは驚いたが、自分も自分で、よくよく見ると中々に古い型のスーツなのに気づく。
あの古めかしく、リボンのついたカンカン帽が無いから良いが、雪国に合わせでもしたのか、グレーの背広は如何にもで。
さながら。時代の遡ったようだと思われる。
『風邪……引いたの？』
スケッチブックを抱えたまま、隣に座り。無愛想に問いかける。
【まにょ】
こん、と手を当てた口元に吐いた咳を止めて、隣に腰掛けた人物に目をやった。自分が言うのもなんだが、少し古めかしい身なりに奇抜な仮面をつけた相貌にゆっくりと目を瞬かせる。なにやら化けて出たのだろうか、そんな風に思わせられるようだった。
「…はい、このとおり、余り身体が強くはないもので」
着物で誤魔化せてはいるが、袖から伸びた細腕は肉が薄くて血色が悪いせいで色も薄い。杖を握る指先は本当に骨と皮と最低限の肉で形成されているのがわかるほどだ。そのひ弱そうな雰囲気が、肉体年齢の男女のふり幅を大きく変動させるのかもしれない。見る人によって、少年にも、青年にも、中年にも取れる。
静かな院内でそこだけ切り取ったように時代錯誤な格好をする二人には、やはり、看護師は一瞥もくれない。
「酷くなる前に、お医者様に見ていただこうと思ったのですが…この分では、診察は難しいかもしれませんね」
あまりにも自分たちに興味を示さない職員の姿を見て、どうしたものか、いやはや困ったと、そういう雰囲気で苦笑いを浮かべた。
【マリア】
『確かに、無理かも。』
辺りを見渡し、それもそうかと思う。まともにここが機能していたのだとしたなら、私が薬を持ち出せる訳もないし、何よりこんな様子では、診察どころか、おしのように黙りこくって終わりだろう。
流石に、それは不憫だと思った。
身体が弱い、とはいえ動けぬほどの大病では無いのなら、移っただのなんだの、間違いもあるまい。
困っているのに出くわしたのもまた、何かの縁。手を貸してあげようではないか。
『付いてきて。薬なら、ある場所、分かるから。貴方が、薬、自分で取っていけば良い。
見た感じ、専門的、ではあるし。
薬、市販しかないわけじゃないだろうから。
温泉でも入って寝れば、すぐ体調は戻る。……と、思う。
別に、看病……してもいいよ。
私の"準備"は済んだから。』
手を差し出し、私はそう伝える。
なるだけ、感情移入しないようにとは努めているものの、こればかりは仕方あるまい。
少しばかり、自分でも過保護な気がするが、誰かに似たのかな。
私の、絵の得意な友人にでも。
【まにょ】
「……？」
準備、という言葉に咄嗟に思いつくものがなく不思議そうな顔をしたが、優しい言葉にそっと微笑む。
「ありがとう。優しいお嬢さんに出会えて私は運がいいみたいですね」
差し出された手に自分のそれを重ねた。仄かに暖かさを感じるが、外からきたばかりだったから、恐らく二人してそれほど暖かい手ではないのだろう。自分とは違い、以前にもここに来たことがある様子のマリアにここは素直に頼ろうとその誘いを受け取った。
「お言葉に甘えさせていただきましょうか。私はまにょといいます。本名を名乗ってはいけないそうですので、あだ名で申し訳ないのですが…」
【マリア】
『9th……で良い。
後、別に私は優しい人、じゃないから。気をつけて。』
スケッチブックを鞄にぶち込み。
なんとも、適当に付けた名前なんだろうなあ、と、私は推察する。
いや、別に、何がしかごもっともな所以由来があるのならば失礼な限りなんだけれど。
まあ、ないでしょ。
と、取り敢えず名前には触れないことにして、私は9thを名乗る。
生憎、優しい人間じゃないから。
『気を抜いた時に、バーン。
なんて、ね。』
薬品棚らしい、何やら物々しい雰囲気の瓶だの錠剤だのが保管された、気に食わないくらい病院然としたその場所に連れ立って。
額に、指でピストルを作り、自嘲気味にふざける。
私のある日の勝利を決めたジョーカーであり、私がある日の罪を背負ったのはこのためなんだけど。
今なら、軽い冗談に出来る辺り、私は荒んだのでしょうか。
大人に、なったのでしょうか。
『冗談、だから。
取り敢えず、薬、とっていけば良い。辛いなら、早く治すべき。』
【まにょ】
「えぇと、では、九番さんとお呼びしますね」
そういえば自分も何らかの番号を割り振られたのを思い出した。確かに、わざわざ偽名を考えずともこの番号を名乗るというのは良策なのかもしれない。下手に自分の情報を奪われにくくもあり、また壊滅的にネーミングセンスがなかった場合も誤魔化せる。
今更、名乗ってしまっては後の祭りだが。
ポジティブに考えよう。いかにも何か深い事情を抱えていそうな、ほの暗さのあるこの九番が、自分のことを`まにょ`と呼ぶのだ。だいぶ印象がまろやかになる。
「ふふ…何です、それ。懐かしいですね、小学校のときに流行ったのを思い出します。あぁ…こういうときはこう、うぐうっ、なんてやってみたり」
とても冗談を言っているような心鏡には見えなかったが、彼女がそれを冗談だと話しているうちは、そのままであるのが今の彼女にとっては一番最適な状態なんだろう。であるなら、きちんと冗談として受け止めるのが今は良いのだ。打たれた額を軽く仰け反らせ、きゅっと目を瞑って`＞＜`とでも表せるような表情になる。
【マリア】
『……く、す、り、は？』
仮面の下で、ムッとして。
私は基本的にせっかちなので、というか、割と酷いところがあるので、自分で振っておいてこれである。勘弁してくれ。
と、私は他人事のように言う。
『病院って言っても、何があるか、分からないし。
長居は、禁物、多分。』
精一杯の最もらしい言い訳と共に。少しだけ、懐かしくなった気分に照れ笑いする。
なんとなく。こうすると、似てるような、似てないような。
【まにょ】
「ふふふ、ごめんなさい」
悪びれた様子もなくくすくすと笑って、棚の中を見ていく。薬品にも色々とあるものだが、あからさまな毒ではなくても、人間の身体は一部機能が止められるだけで身体に大きな不調を抱えたり、その生で後遺症が出たり、死に到ったりするものだ。そして、そういう類の薬品は劇薬とはされておらず、勿論この病院内にもその一環として、そういう薬品が置いてあることも不自然とはいえないだろう。
「そうですね、寒いし、あんまり身体によくなさそうですから」
こっくりと頷いてはやや的外れな答えを返す。ボケボケしている間にも薬を見つけたようで、置いてあった病院の紙袋に入れると袖の下に収めた。
【マリア】
『確かに。……寒い。』
そりゃあ雪国なら寒い。
というか、寒くないなら雪など降るまいという話だ。
病院の中に居ても、まだひんやりとしている。私は、割と南の方の田舎の出だからこれは厳しい。
故郷には割と有名な温泉地云々もあった。懐かしい。
『温泉でも行く？』
という訳で、ふと、行きたくなった。何、別に変な話ではない。
男女も何も、すっかり交換されてしまったんだから今更であろうと、この辺りはこなれている。
ただし。
『触れたらぶっ飛ばすけれど。』
別に、貞操観念が無に帰した訳では無いのは言っておこう。
偽りの身体なら、見られるまでは、ゲームのアバターを見られるようなものでしかなく、知ることかと構えていられるが、触れられてそれを感じるのは自分なのだ。
ついつい、素に戻って釘をさし、そうと決まれば(もとい、決めれば)行こうじゃないかと、出口に向かい目配せする。
【まにょ】
「ふふ、貴女にぶっ飛ばされたら、私は瀕死の重傷ですね」
虚飾交じりに言ったわけではなく、実際にまにょはマリアに腹部を一発殴られれば、守る脂肪も筋肉も極度に薄いから内臓にエグいダメージが入るだろう。肩にかけたストールを掛け直して微笑む。
「でも、温泉は一度入ってみたかったので、行きたいです」
先日電車の中で出会った少女が行っていた場所。身体が冷え切ってしまったからか、今、とてもそこへ行きたくなった。杖をこつり、と鳴らして歩き始める。流石に足元だけは防寒用のブーツをはいているからか、靴底が病院のつるつるした床と擦れた音を立てた。
【マリア】
『私、そんな野蛮じゃない。』
アメリカの拳闘士でもあるまいし、私は大力無双で鳴らした訳でもないのだから、拳の一撃で瀕死に至らしむ事など無理である―――幾ら彼の肉体が薄弱でも、流石に、という思いが大いにあった―――から、失礼千万な話であると思い、私は仮面の下で、不服を申立てし、口を尖らす。
『まあ、良いけど。』
けれどまあ、温泉に行く連れ合いが出来たのには、私はある程度機嫌を治した。良い美男子を見つけたから、滑稽にも舞い上がっているわけではもちろん無い。
なんとなく、一人で温泉に行けないのである。
無論、風呂に一人では入れないほど耄碌した訳では無いし、行けと言われて銭を渡されたなら、私は行くであろうが、どうにも。
恐らく、郷里で様々な農作物を持ち寄り訪ねてくる近所の子供らを連れ立って、遠足によろしく引率すること度重なったから、今更慣れないのだろうと思われる。
彼は、子供か。
声を出さず、一笑。
なるほどそんな気もしなくない。
『いざ休んでからやるのもあれだから、コレ。先にやっておいて』
西洋に、スノードロップだかという恐ろしい花言葉の華があるが、こういう雪国の雪は、何方かと言えば、桜の散るに似ている。
音もなく肩に落ち、何も告げず露と消える、風花を一瞥し、そこの白くなった地平を軽々と踏みしめる。綿の上に寝転ぶがごとく雪ははらはらと抵抗なく私の足を沈め、何やら心地よい。
雪国も、良いと思う。
さて、情緒を楽しむならなおのこと、手早くやることはやらねばならないと、端末のフレンド登録を申請。連絡先を交換しようと。
遊びと事務的なものは分けたい。
【まにょ】
外に出るとハンチング帽を被る。傘の一つでもさせればいいのだが、いかんせん杖で片手がふさがっている上に傘まで差したら両手がふさがってしまう。雪の敷き詰められた道をそんな常態で歩くのはあまりにも危険だったため、やむなく帽子を被ることを選んだのだ。インナーも暖かいものを着ているが、吐く息が白くなるほどの肌を刺すような寒さに身が縮こまる思いだ。
「これ、と言いますと…あぁ、ふれんど登録ですね」
端末を見せられて今度はすぐに分かった様子で頷く。覚えたてのそれをかじかんだ指先で行うと、登録された吸盤の名前を見て満足そうに微笑む。彼の指先に触れた綿雪はふわりと暫く解けることなく、気づいた彼がふっと息を吹きかけるとそのまま綿毛が飛ぶように宙に消えていった。
「これで二人目ですね。後何人と`ふれんど`になれるのか、楽しみです」
端末で口元を隠してはにかむと、端末を袖の下に戻してマリアの隣に並び立つと電車の停留所へと歩き始めた。
【マリア】
『そんなものだっけ。』
友達何人できるかな。ではないのだから、と、やや呆れる。
端末自体、鬼謀神算の人なら、それ自体猛毒にしたてあげる。
とある、白い布を被ったお化けなんかが実に顕著だったけれど。
実践さえまだなら、割とこのくらい軽い考えでも良いのかも。
なんて、不思議だった。
『旅館じゃなくて上、行くのね。
寒いから、これ。』
念の為確認を取り。
路面電車を待つしばしの時間。
見ていてあんまり寒そうなので、私の背広をかけてやった。
私は体は強い質だから、このくらいじゃ風も引かないし、丁度良いだろうと思う。
性別、逆ではないかしら。
なんて、言い出したら悲しき。
『山、登れるの貴方。』
取り敢えず、連れ立って電車の席に座りつつ、一番の不安要素を問いかける。
【まにょ】
ふわ、とストールの上に重なる布地に少しきょとんとなった。それから温かさと女性物のオーデコロンの香りがじわりと感じられて目が細まる。マリアが着ていたからだろう、内側はぽかぽかと温かくてほっとした。
「ありがとうございます」
指先で背広に触れると礼を言い電車を待つ僅かな間、彼女の優しさを素直に甘受した。やがて電車がやってきて、乗り込んだ後、背広を返す為に座った膝の上で畳んでいたが横から飛んできた質問に瞠目する。
「……？温泉に、いくのでは？」
何故急に、山登りの話になったのだろうかと不思議がった。無理もない。普段殆ど外に出られない彼は探索する為にマップを開くこともなく、来たばかりとのことも在って土地勘もない。加えて、先日であった少女が北のエリアに`温泉に行く`と行って出て行った姿を見送ったのだ。幼子の向かった北のエリアの温泉が、山の上にあるなどとは思いもよらなかったのだろう。
【マリア】
『温泉、山の上なんだけど。』
とはいえ、劔岳の如き峨峨とした断崖絶壁というわけでもあるまい。遊歩道もあるそうだから、多分軽くハイキング気分で行けるような話であろう。
だから、難易度的な心配をしている訳では無い。
『まさか………
貴方、知らなかったの？』
体力の方の話だ。
彼がそれを知るか知らぬかという話で。知らずに安易に来たのなら、いよいよ大変である。
病人とはいえ、ある程度動けるかの加減はできるものだが、その気で無かったのがいきなり運動をやるのは些か以上に体に応える。
『まあ、軽そうだしいける……かも、とは思うけど。
体、無理そうなら、確か商店街の方にもあった、はず。
どちらでも、貴方が判断して。』
最悪、抱えてでも行ってやろうかとは言ってみる。
引き返して旅館の方で入っても私は構わないが、どうしても、というのなら、何、野良仕事は悔しいが慣れさせられたし、野山は私の下を尋ねる小童達の遊び場で、よく連れ回された。
子供より軽げな彼程度なら何のことやあらんと言う気概はあるが、身体をあまり冷やすのは心配にならなくもなかった。
どうにも、こう、ほけほけと呑気な相手に私は甘い気がする。
誰かさんのせいである。
【まにょ】
「う、うぅ〜ん……私が、もう少し元気な身体でしたら、吝かでもなかったのですが…」
マリアから話を聞いて初めて知った様子で、驚いて眼を瞬かせる。そして言葉を濁した。もしこれがぽかぽかと陽気の麗らかな時分でのトレッキング程度のものだったら、少しぐらい身体を鍛えるつもりでぐらいの気概も持てたのだろうが本日は生憎の降雪である。舗装してあっても雪で道は滑りやすくなっているし、動きやすい衣服とはいえない格好である自覚はあった。登れたとしてもまた無事に降りることが出来るかどうか、とても怪しい。いきはよいよい、かえりはこわいと言っても過言ではないだろう。
「…無理して悪化したり、怪我をしたり…私がなる分には自業自得ですが、もし私のせいで貴女が怪我をすることがあっては面目しだいもございません。…遠出に心惹かれるところはありますが、無茶はせず、商店街のほうにしようと思います」
先ほどまでのぽわぽわした雰囲気も彼の性質ではあるが、あまりにも無謀だったり、無計画ではない慎重さを内々に秘めているようだった。勘違いしたことに対して恥ずかしそうにしている節も垣間見えるものの、折角ですから楽しい思い出にしたいですからね、などと言いながら軽く畳んだ背広を返した。
【マリア】
『……そ。』
咎めも、残念そうにもする訳もなく。それならそれで良いと軽く頷けば、途中で降り、商店街の旅館の方へ向かう事に。
背広を放り投げるように荒く羽織り直せば、襟を正し。
『そう離れてなくて、良かった。
この街、あんまり広くないし。
ぐるぐる回らされそう。』
私が言うのもなんだが、ぶっきらぼうにそれだけを伝えて、旅館の門をくぐる。
なんとなく、久々に暖かくなった気がして閉口する。
前はまだマシだったと、苦々しい顔を仮面の下でしつつ。
そろそろ良いか、と仮面を外し。
【まにょ】
異国のそれに近かった町の風景から一転、旅館の中に入るとどこか安心感を覚えるのは日本人の性というものだろう。外国旅行中に醤油が恋しくなるのと同じ話で、ホームシックほど酷い不安感はないが、どこかいつもあるものが傍にないような落ち着きのなさを感じていたがゆえに、懐かしい心地になる旅館の雰囲気にほっとした。
「私も、移動の距離が短いのはとても助かります。…回らされそう、と言うのは……もしかして、また私が知らないだけで何か催し物があるのですか？まらそん大会は出来ませんよ？あぁでも、すたんぷらりーなら、頑張れそうですが…」
同意するように頷いた話の後に続いたそれへの疑問に小さな違和感を覚えて呟くと、一拍の間をおいてはっと口元に手を当てて困り顔を浮かべる。マリアが外した仮面の下にあった顔よりもそちらへの焦りが勝ったようで、病院にて銃で撃たれた振りをしたときのような表情を浮かべた。心なしか、青いアザラシの漫画でよく見る焦りの汗表現のようなものを幻視しそうな雰囲気がある。
【マリア】
『…違う。交通網的に、一回行き過ぎたら、また引き返して、そこから電車待ちするのが面倒っていう話。まらそんは、しない。』
まあだから、取り敢えず走り回る心配はいらないと、ため息混じりに伝える。
タネを知らない人間なら、こうなるべきかと考えれば怒る気にもなれず、折角羽を伸ばそうというのに、きゃあきゃあ騒いでいたら本末転倒である。
『取り敢えず、寒いし早く入ろ。私、先入ってるから。』
まずは、温泉に浸かりに来たのだから、そちらが先である。
ぽん、と軽く頭を撫で、私は先を歩いた。一応、彼が男性なら、という諸々の最低限の配慮だ。
幸い、私はそうか弱い女の子という訳でもなかったりするので、いざとなれば薬だけ残して身ぐるみを剥ぎ、金目のものをかっぱらう……なんて山賊じみたマネはしないものの。自衛位はできるので、大した頓着はない。
♦
服を脱ぎ、風呂の道具を借りる。
幸い、誰も居ないのが嬉しい。
別に、露出狂では無いから。
しかし、畜生、と思う。
何故？
そう。
死活問題、胸がない。
確かに、スーツで通じる肢体という時点でまあ、察してはいたのだけれど。こうして目の当たりにすると、悔しい。
元の体になれば、スタイル抜群ボンキュッボンの………
虚しいからやめる。
しかし。前より胸がなくなった気がするのは確かなことだ。
それは譲らない。
さて、そろそろ来るかななんて。いたずら心は無きにしも非ず。
【まにょ】
「あぁ、よかった…。そうですね、私は脱ぐのに少し時間がかかりますし…わ、ふふ」
ほっと胸をなでおろして呟き、先に行っていると言うマリアに頷いた。混浴と言えど更衣室は別れており、和服の自分より余程早く脱ぎ終えるだろう彼女を寒い場所に待たせてしまうのは気が引けた。こくりと頷いて男子更衣室のほうに視線を向けると頭をなでられて驚き、くすぐったそうにはにかんだ。
マリアの去っていった女子更衣室に、少しだけ思うところのあるような視線を向けた後、小さく息を溢して男子更衣室に入っていった。
.........
からから、からから。脱衣室から浴場へ続くスライド式のドアが音を立てた。
服を脱いだから寒いだろうかと思ったが、湯煙の上がる浴場は存外それほどの寒さを感じることなく、少しだけ粟立つ二の腕を軽く擦った。
さすが温泉旅館のサービスと言えばいいのか、貸し出しのアメニティは木桶の中に纏められていた。ありがたく拝借したそれを細腕に抱え、胸元までタオルを巻いた姿は、なまじ挙動がしとやかであるからかどこか女性然としていた。
「お待たせしました。何だか、私たちの貸切みたいですね…」
思ったより静かだった場内にほっとしたような、滅多にない環境にわくわくしたような声音で言うとタイルの上をひたひたと歩く。
【マリア】
『まあ、ね。』
基本的に、温泉地近くで育った私は、生活様式的に、タオルを特に巻かないので、せいぜい腰周りに巻いて、そのままだった。
さにあらず。
それだけが所以ではない。
普段の習慣に更に加えて、奇しくも胸が無いという憎たらしい現状な為、いっそ腹いせに、隠さなくても良いだろうと、妙な思い切りをしたためであるのも一応付け足しておこう。
あの天使には―――諸事情により削除――――せねばならぬ。
『………そんな女の子みたいにしてると、なんか、こっちが恥ずかしいんだけど。』
さて。閑話休題。千年の恨みつらみを語るはこの辺りにして。
あまりに淑女然とした彼を見て、微妙な顔になる。
元は女性だったりするのかもしれないけれど、うん。
なんとなくこちらが恥ずかしい。
痴女みたいではないか。
♦️
因みに。
私に性による頓着が薄いのは、私の師によるものも多分である。
かの女史はれっきとした女性であるが、千変万化少年から年寄りにまで、秘蔵の道具で商売柄化けるので、性別の境がわからぬ。
計ったように、私を起こす時なんかには隣に服のはだけた美男子が寝ていて、甘く囁いたりするものだから、もういよいよ心臓が強くなるわけである。
『あ……セクハラ、か。これ。』
なんて、言い訳じみた回想をしながら、自分の発言が色々酷いのに閉口しながら、速やかに身体を洗い流す。烏の行水という奴で、並の女子の半分位しか風呂に時間はかけない(誰です、不潔とか言ったのは。失礼な。)ので、手際良く済ませて行ってしまう。
割合、事務的である。
【まにょ】
それが相手の照れ隠しなのか、それとも単純に気分を害しただけだったのか、そこまでを推し量ることは仮面を外した表情からでも読み取るのは困難だった。
ただどうしようもない羞恥心が胸を満たして、湯に浸かってもいないのに頬が赤くなる。
「あ……そ、そうです、よね、すみません」
か細い声で吃り、目を伏せる。
これ以上の言葉が浮かばなくなって、それを誤魔化すように別のシャワー台の前に移動する。マリアと対照的に時間がかかるのはまにょがのんびりやというだけではなく、きびきびと動けるだけの筋力もないからだった。洗い終えた髪の毛の水気を切るころには、もうマリアは温泉にでも使っているのだろう。
タオルを巻き直す時にはっとして、先程言われたことを思い出す。胸元まで隠してしまったタオルを押さえるが、またもう一度、というのもあからさまなようで、微かに吹っ切れた気持ちと共にそのまま湯船の方へ向かった。
【マリア】
『別に、責めてない。大丈夫。』
これまたやりにくいと苦笑しながら、髪をタオルで巻く。
素直な子なのであろうが、なんだかこちらが悪いことをした気になる。なんとなく。
とはいえ、およそ検討するに元々女子なのであろう。
ならまあ、いわれのない話。
今更何も言うまい。
『……ねぇ。貴方、怖い？
こんなことになって。』
実は少しだけペースを合わせて、同じくらいに湯船に体を預ければ、出し抜けにこの状況について問いかける。
【まにょ】
肩まで湯船に浸かって、漸く人心地ついてゆるく息を吐いた。冷えた体がじわりと溶かされる気分を味わっていたところにされた質問に、少しだけマリアの方へ視線を向けると、湯の中で膝を抱えた。
「怖くない、と言えば、嘘になってしまいますね…。町の人は皆、心がないみたいに虚ろで、自分の姿かたちも、こんなに変わってしまって、名前を知られたら死んでしまうなんて言われて……悪い夢でも見ているのかと何度も思いました」
そしてその度に、虚弱な体がふとしたことであげる悲鳴で現実の感覚だと思い知らされる。思ったように身体は動かないし、頼ろうにも誰も自分の役割を全うする以外の関心がないし、頼れる相手が見つかったとしても、本当の名前を知られないように気をつけてなくてはいけない。
心細いのに、それを埋められる唯一の方法すら気を張っていなければならないのだ。
並みの神経じゃ、こんな生活は長く続けられないだろう。
「…だから、本当に、嬉しかったんです。病院で貴女が話しかけてくれたことが」
完全に気を抜くことは許されないけれど、冗談を言ったりふざけたり、非凡な世界の中で他愛のないやり取りをしてくれる。ほんの少し、甘えることを許してくれている。そんな存在がいる事実は、大いに安心させられることだった。
【マリア】
『なら―――――………』
無機質な空を見上げ。
思い出すのは、ある日の後悔。
彼が私の親友だと知っていたならば、私は殺していたかしら。
夢に潜った少女が、私とより早く会っていたのだとしたら、それも殺していたかしら。
私の雇い主の少年が、急に訪ねてこなければ、私はなんだかんだ、諦めていたかしら。
どれも、是であろう。
だが。
否、と言いたい意地がある。
だから、私は。
嘘つきらしく、嘘をつく。
口先だけでも、悲劇のヒロインを卒業したいと思う。
親友の面影残る彼に、手前勝手な懺悔と八つ当たりとして。
決意表明として。
『私が、貴方がもう、怖い思いをしないように守ってあげる。
まあ――――なんて、嘘かもしれないぜ。』
あ。
……嘘、つき忘れた。
【まにょ】
そこに入ったのは、単なる好奇心という理由ではなかった。
エントランスから中に入り、患者の一人もいない薄暗いロビーの寒々しさに薄く肌が粟立った。病院は、日常生活の中で一般市民にも比較的安易に`生死の境`に触れられる場所だ。大きな病院ともなれば尚更そのコントラストは強く感じられ、そこから生の気配を、生きた生身の人間の気配を差し引けば、当然とも言えるのだが病院というのは途端に薄気味悪いものになる。
その病院を、こんこん、と咳の音を立てて歩く。和服で肩にはストールを羽織り、傍について支えてくれる人もいないので代わりに杖を突いた。見た目はそれほど老けていないにも拘らず、どこか老人然としたような雰囲気があるのはそのせいだろう。
身体の異変は、概ね二週間続いたら病院にいくと良いというのがよく言われることだが、自分の場合はそうではない。悪くなったら、すぐ対処をしなければ見る見るうちに悪化してしまう。ただの風邪と侮ってはいけない。受付のナースは気にかけるでもなく黙って座っているだけで、これは自分で何とかしないとならないなと半ば諦めた心地になりつつ、ここまで移動してきてだけで疲れてしまった身体をロビーの冷たいソファに据える。
微熱があるからか余計に院内が寒く感じて、小さく身震いした。
【マリア】
『大丈夫？』
スケッチブックを抱え、スーツを寒空に靡かせながら、私は病院の中に入る。さては、外で絵を描くにもそろそろ寒かったから、無意識に屋内にいたかったのではなかろうか。合点が行く。
非常に、つまらない。
そう嘆息しながら、私は風邪気味と見える少年に声をかける。
和服とは驚いたが、自分も自分で、よくよく見ると中々に古い型のスーツなのに気づく。
あの古めかしく、リボンのついたカンカン帽が無いから良いが、雪国に合わせでもしたのか、グレーの背広は如何にもで。
さながら。時代の遡ったようだと思われる。
『風邪……引いたの？』
スケッチブックを抱えたまま、隣に座り。無愛想に問いかける。
【まにょ】
こん、と手を当てた口元に吐いた咳を止めて、隣に腰掛けた人物に目をやった。自分が言うのもなんだが、少し古めかしい身なりに奇抜な仮面をつけた相貌にゆっくりと目を瞬かせる。なにやら化けて出たのだろうか、そんな風に思わせられるようだった。
「…はい、このとおり、余り身体が強くはないもので」
着物で誤魔化せてはいるが、袖から伸びた細腕は肉が薄くて血色が悪いせいで色も薄い。杖を握る指先は本当に骨と皮と最低限の肉で形成されているのがわかるほどだ。そのひ弱そうな雰囲気が、肉体年齢の男女のふり幅を大きく変動させるのかもしれない。見る人によって、少年にも、青年にも、中年にも取れる。
静かな院内でそこだけ切り取ったように時代錯誤な格好をする二人には、やはり、看護師は一瞥もくれない。
「酷くなる前に、お医者様に見ていただこうと思ったのですが…この分では、診察は難しいかもしれませんね」
あまりにも自分たちに興味を示さない職員の姿を見て、どうしたものか、いやはや困ったと、そういう雰囲気で苦笑いを浮かべた。
【マリア】
『確かに、無理かも。』
辺りを見渡し、それもそうかと思う。まともにここが機能していたのだとしたなら、私が薬を持ち出せる訳もないし、何よりこんな様子では、診察どころか、おしのように黙りこくって終わりだろう。
流石に、それは不憫だと思った。
身体が弱い、とはいえ動けぬほどの大病では無いのなら、移っただのなんだの、間違いもあるまい。
困っているのに出くわしたのもまた、何かの縁。手を貸してあげようではないか。
『付いてきて。薬なら、ある場所、分かるから。貴方が、薬、自分で取っていけば良い。
見た感じ、専門的、ではあるし。
薬、市販しかないわけじゃないだろうから。
温泉でも入って寝れば、すぐ体調は戻る。……と、思う。
別に、看病……してもいいよ。
私の"準備"は済んだから。』
手を差し出し、私はそう伝える。
なるだけ、感情移入しないようにとは努めているものの、こればかりは仕方あるまい。
少しばかり、自分でも過保護な気がするが、誰かに似たのかな。
私の、絵の得意な友人にでも。
【まにょ】
「……？」
準備、という言葉に咄嗟に思いつくものがなく不思議そうな顔をしたが、優しい言葉にそっと微笑む。
「ありがとう。優しいお嬢さんに出会えて私は運がいいみたいですね」
差し出された手に自分のそれを重ねた。仄かに暖かさを感じるが、外からきたばかりだったから、恐らく二人してそれほど暖かい手ではないのだろう。自分とは違い、以前にもここに来たことがある様子のマリアにここは素直に頼ろうとその誘いを受け取った。
「お言葉に甘えさせていただきましょうか。私はまにょといいます。本名を名乗ってはいけないそうですので、あだ名で申し訳ないのですが…」
【マリア】
『9th……で良い。
後、別に私は優しい人、じゃないから。気をつけて。』
スケッチブックを鞄にぶち込み。
なんとも、適当に付けた名前なんだろうなあ、と、私は推察する。
いや、別に、何がしかごもっともな所以由来があるのならば失礼な限りなんだけれど。
まあ、ないでしょ。
と、取り敢えず名前には触れないことにして、私は9thを名乗る。
生憎、優しい人間じゃないから。
『気を抜いた時に、バーン。
なんて、ね。』
薬品棚らしい、何やら物々しい雰囲気の瓶だの錠剤だのが保管された、気に食わないくらい病院然としたその場所に連れ立って。
額に、指でピストルを作り、自嘲気味にふざける。
私のある日の勝利を決めたジョーカーであり、私がある日の罪を背負ったのはこのためなんだけど。
今なら、軽い冗談に出来る辺り、私は荒んだのでしょうか。
大人に、なったのでしょうか。
『冗談、だから。
取り敢えず、薬、とっていけば良い。辛いなら、早く治すべき。』
【まにょ】
「えぇと、では、九番さんとお呼びしますね」
そういえば自分も何らかの番号を割り振られたのを思い出した。確かに、わざわざ偽名を考えずともこの番号を名乗るというのは良策なのかもしれない。下手に自分の情報を奪われにくくもあり、また壊滅的にネーミングセンスがなかった場合も誤魔化せる。
今更、名乗ってしまっては後の祭りだが。
ポジティブに考えよう。いかにも何か深い事情を抱えていそうな、ほの暗さのあるこの九番が、自分のことを`まにょ`と呼ぶのだ。だいぶ印象がまろやかになる。
「ふふ…何です、それ。懐かしいですね、小学校のときに流行ったのを思い出します。あぁ…こういうときはこう、うぐうっ、なんてやってみたり」
とても冗談を言っているような心鏡には見えなかったが、彼女がそれを冗談だと話しているうちは、そのままであるのが今の彼女にとっては一番最適な状態なんだろう。であるなら、きちんと冗談として受け止めるのが今は良いのだ。打たれた額を軽く仰け反らせ、きゅっと目を瞑って`＞＜`とでも表せるような表情になる。
【マリア】
『……く、す、り、は？』
仮面の下で、ムッとして。
私は基本的にせっかちなので、というか、割と酷いところがあるので、自分で振っておいてこれである。勘弁してくれ。
と、私は他人事のように言う。
『病院って言っても、何があるか、分からないし。
長居は、禁物、多分。』
精一杯の最もらしい言い訳と共に。少しだけ、懐かしくなった気分に照れ笑いする。
なんとなく。こうすると、似てるような、似てないような。
【まにょ】
「ふふふ、ごめんなさい」
悪びれた様子もなくくすくすと笑って、棚の中を見ていく。薬品にも色々とあるものだが、あからさまな毒ではなくても、人間の身体は一部機能が止められるだけで身体に大きな不調を抱えたり、その生で後遺症が出たり、死に到ったりするものだ。そして、そういう類の薬品は劇薬とはされておらず、勿論この病院内にもその一環として、そういう薬品が置いてあることも不自然とはいえないだろう。
「そうですね、寒いし、あんまり身体によくなさそうですから」
こっくりと頷いてはやや的外れな答えを返す。ボケボケしている間にも薬を見つけたようで、置いてあった病院の紙袋に入れると袖の下に収めた。
【マリア】
『確かに。……寒い。』
そりゃあ雪国なら寒い。
というか、寒くないなら雪など降るまいという話だ。
病院の中に居ても、まだひんやりとしている。私は、割と南の方の田舎の出だからこれは厳しい。
故郷には割と有名な温泉地云々もあった。懐かしい。
『温泉でも行く？』
という訳で、ふと、行きたくなった。何、別に変な話ではない。
男女も何も、すっかり交換されてしまったんだから今更であろうと、この辺りはこなれている。
ただし。
『触れたらぶっ飛ばすけれど。』
別に、貞操観念が無に帰した訳では無いのは言っておこう。
偽りの身体なら、見られるまでは、ゲームのアバターを見られるようなものでしかなく、知ることかと構えていられるが、触れられてそれを感じるのは自分なのだ。
ついつい、素に戻って釘をさし、そうと決まれば(もとい、決めれば)行こうじゃないかと、出口に向かい目配せする。
【まにょ】
「ふふ、貴女にぶっ飛ばされたら、私は瀕死の重傷ですね」
虚飾交じりに言ったわけではなく、実際にまにょはマリアに腹部を一発殴られれば、守る脂肪も筋肉も極度に薄いから内臓にエグいダメージが入るだろう。肩にかけたストールを掛け直して微笑む。
「でも、温泉は一度入ってみたかったので、行きたいです」
先日電車の中で出会った少女が行っていた場所。身体が冷え切ってしまったからか、今、とてもそこへ行きたくなった。杖をこつり、と鳴らして歩き始める。流石に足元だけは防寒用のブーツをはいているからか、靴底が病院のつるつるした床と擦れた音を立てた。
【マリア】
『私、そんな野蛮じゃない。』
アメリカの拳闘士でもあるまいし、私は大力無双で鳴らした訳でもないのだから、拳の一撃で瀕死に至らしむ事など無理である―――幾ら彼の肉体が薄弱でも、流石に、という思いが大いにあった―――から、失礼千万な話であると思い、私は仮面の下で、不服を申立てし、口を尖らす。
『まあ、良いけど。』
けれどまあ、温泉に行く連れ合いが出来たのには、私はある程度機嫌を治した。良い美男子を見つけたから、滑稽にも舞い上がっているわけではもちろん無い。
なんとなく、一人で温泉に行けないのである。
無論、風呂に一人では入れないほど耄碌した訳では無いし、行けと言われて銭を渡されたなら、私は行くであろうが、どうにも。
恐らく、郷里で様々な農作物を持ち寄り訪ねてくる近所の子供らを連れ立って、遠足によろしく引率すること度重なったから、今更慣れないのだろうと思われる。
彼は、子供か。
声を出さず、一笑。
なるほどそんな気もしなくない。
『いざ休んでからやるのもあれだから、コレ。先にやっておいて』
西洋に、スノードロップだかという恐ろしい花言葉の華があるが、こういう雪国の雪は、何方かと言えば、桜の散るに似ている。
音もなく肩に落ち、何も告げず露と消える、風花を一瞥し、そこの白くなった地平を軽々と踏みしめる。綿の上に寝転ぶがごとく雪ははらはらと抵抗なく私の足を沈め、何やら心地よい。
雪国も、良いと思う。
さて、情緒を楽しむならなおのこと、手早くやることはやらねばならないと、端末のフレンド登録を申請。連絡先を交換しようと。
遊びと事務的なものは分けたい。
【まにょ】
外に出るとハンチング帽を被る。傘の一つでもさせればいいのだが、いかんせん杖で片手がふさがっている上に傘まで差したら両手がふさがってしまう。雪の敷き詰められた道をそんな常態で歩くのはあまりにも危険だったため、やむなく帽子を被ることを選んだのだ。インナーも暖かいものを着ているが、吐く息が白くなるほどの肌を刺すような寒さに身が縮こまる思いだ。
「これ、と言いますと…あぁ、ふれんど登録ですね」
端末を見せられて今度はすぐに分かった様子で頷く。覚えたてのそれをかじかんだ指先で行うと、登録された吸盤の名前を見て満足そうに微笑む。彼の指先に触れた綿雪はふわりと暫く解けることなく、気づいた彼がふっと息を吹きかけるとそのまま綿毛が飛ぶように宙に消えていった。
「これで二人目ですね。後何人と`ふれんど`になれるのか、楽しみです」
端末で口元を隠してはにかむと、端末を袖の下に戻してマリアの隣に並び立つと電車の停留所へと歩き始めた。
【マリア】
『そんなものだっけ。』
友達何人できるかな。ではないのだから、と、やや呆れる。
端末自体、鬼謀神算の人なら、それ自体猛毒にしたてあげる。
とある、白い布を被ったお化けなんかが実に顕著だったけれど。
実践さえまだなら、割とこのくらい軽い考えでも良いのかも。
なんて、不思議だった。
『旅館じゃなくて上、行くのね。
寒いから、これ。』
念の為確認を取り。
路面電車を待つしばしの時間。
見ていてあんまり寒そうなので、私の背広をかけてやった。
私は体は強い質だから、このくらいじゃ風も引かないし、丁度良いだろうと思う。
性別、逆ではないかしら。
なんて、言い出したら悲しき。
『山、登れるの貴方。』
取り敢えず、連れ立って電車の席に座りつつ、一番の不安要素を問いかける。
【まにょ】
ふわ、とストールの上に重なる布地に少しきょとんとなった。それから温かさと女性物のオーデコロンの香りがじわりと感じられて目が細まる。マリアが着ていたからだろう、内側はぽかぽかと温かくてほっとした。
「ありがとうございます」
指先で背広に触れると礼を言い電車を待つ僅かな間、彼女の優しさを素直に甘受した。やがて電車がやってきて、乗り込んだ後、背広を返す為に座った膝の上で畳んでいたが横から飛んできた質問に瞠目する。
「……？温泉に、いくのでは？」
何故急に、山登りの話になったのだろうかと不思議がった。無理もない。普段殆ど外に出られない彼は探索する為にマップを開くこともなく、来たばかりとのことも在って土地勘もない。加えて、先日であった少女が北のエリアに`温泉に行く`と行って出て行った姿を見送ったのだ。幼子の向かった北のエリアの温泉が、山の上にあるなどとは思いもよらなかったのだろう。
【マリア】
『温泉、山の上なんだけど。』
とはいえ、劔岳の如き峨峨とした断崖絶壁というわけでもあるまい。遊歩道もあるそうだから、多分軽くハイキング気分で行けるような話であろう。
だから、難易度的な心配をしている訳では無い。
『まさか………
貴方、知らなかったの？』
体力の方の話だ。
彼がそれを知るか知らぬかという話で。知らずに安易に来たのなら、いよいよ大変である。
病人とはいえ、ある程度動けるかの加減はできるものだが、その気で無かったのがいきなり運動をやるのは些か以上に体に応える。
『まあ、軽そうだしいける……かも、とは思うけど。
体、無理そうなら、確か商店街の方にもあった、はず。
どちらでも、貴方が判断して。』
最悪、抱えてでも行ってやろうかとは言ってみる。
引き返して旅館の方で入っても私は構わないが、どうしても、というのなら、何、野良仕事は悔しいが慣れさせられたし、野山は私の下を尋ねる小童達の遊び場で、よく連れ回された。
子供より軽げな彼程度なら何のことやあらんと言う気概はあるが、身体をあまり冷やすのは心配にならなくもなかった。
どうにも、こう、ほけほけと呑気な相手に私は甘い気がする。
誰かさんのせいである。
【まにょ】
「う、うぅ〜ん……私が、もう少し元気な身体でしたら、吝かでもなかったのですが…」
マリアから話を聞いて初めて知った様子で、驚いて眼を瞬かせる。そして言葉を濁した。もしこれがぽかぽかと陽気の麗らかな時分でのトレッキング程度のものだったら、少しぐらい身体を鍛えるつもりでぐらいの気概も持てたのだろうが本日は生憎の降雪である。舗装してあっても雪で道は滑りやすくなっているし、動きやすい衣服とはいえない格好である自覚はあった。登れたとしてもまた無事に降りることが出来るかどうか、とても怪しい。いきはよいよい、かえりはこわいと言っても過言ではないだろう。
「…無理して悪化したり、怪我をしたり…私がなる分には自業自得ですが、もし私のせいで貴女が怪我をすることがあっては面目しだいもございません。…遠出に心惹かれるところはありますが、無茶はせず、商店街のほうにしようと思います」
先ほどまでのぽわぽわした雰囲気も彼の性質ではあるが、あまりにも無謀だったり、無計画ではない慎重さを内々に秘めているようだった。勘違いしたことに対して恥ずかしそうにしている節も垣間見えるものの、折角ですから楽しい思い出にしたいですからね、などと言いながら軽く畳んだ背広を返した。
【マリア】
『……そ。』
咎めも、残念そうにもする訳もなく。それならそれで良いと軽く頷けば、途中で降り、商店街の旅館の方へ向かう事に。
背広を放り投げるように荒く羽織り直せば、襟を正し。
『そう離れてなくて、良かった。
この街、あんまり広くないし。
ぐるぐる回らされそう。』
私が言うのもなんだが、ぶっきらぼうにそれだけを伝えて、旅館の門をくぐる。
なんとなく、久々に暖かくなった気がして閉口する。
前はまだマシだったと、苦々しい顔を仮面の下でしつつ。
そろそろ良いか、と仮面を外し。
【まにょ】
異国のそれに近かった町の風景から一転、旅館の中に入るとどこか安心感を覚えるのは日本人の性というものだろう。外国旅行中に醤油が恋しくなるのと同じ話で、ホームシックほど酷い不安感はないが、どこかいつもあるものが傍にないような落ち着きのなさを感じていたがゆえに、懐かしい心地になる旅館の雰囲気にほっとした。
「私も、移動の距離が短いのはとても助かります。…回らされそう、と言うのは……もしかして、また私が知らないだけで何か催し物があるのですか？まらそん大会は出来ませんよ？あぁでも、すたんぷらりーなら、頑張れそうですが…」
同意するように頷いた話の後に続いたそれへの疑問に小さな違和感を覚えて呟くと、一拍の間をおいてはっと口元に手を当てて困り顔を浮かべる。マリアが外した仮面の下にあった顔よりもそちらへの焦りが勝ったようで、病院にて銃で撃たれた振りをしたときのような表情を浮かべた。心なしか、青いアザラシの漫画でよく見る焦りの汗表現のようなものを幻視しそうな雰囲気がある。
【マリア】
『…違う。交通網的に、一回行き過ぎたら、また引き返して、そこから電車待ちするのが面倒っていう話。まらそんは、しない。』
まあだから、取り敢えず走り回る心配はいらないと、ため息混じりに伝える。
タネを知らない人間なら、こうなるべきかと考えれば怒る気にもなれず、折角羽を伸ばそうというのに、きゃあきゃあ騒いでいたら本末転倒である。
『取り敢えず、寒いし早く入ろ。私、先入ってるから。』
まずは、温泉に浸かりに来たのだから、そちらが先である。
ぽん、と軽く頭を撫で、私は先を歩いた。一応、彼が男性なら、という諸々の最低限の配慮だ。
幸い、私はそうか弱い女の子という訳でもなかったりするので、いざとなれば薬だけ残して身ぐるみを剥ぎ、金目のものをかっぱらう……なんて山賊じみたマネはしないものの。自衛位はできるので、大した頓着はない。
♦
服を脱ぎ、風呂の道具を借りる。
幸い、誰も居ないのが嬉しい。
別に、露出狂では無いから。
しかし、畜生、と思う。
何故？
そう。
死活問題、胸がない。
確かに、スーツで通じる肢体という時点でまあ、察してはいたのだけれど。こうして目の当たりにすると、悔しい。
元の体になれば、スタイル抜群ボンキュッボンの………
虚しいからやめる。
しかし。前より胸がなくなった気がするのは確かなことだ。
それは譲らない。
さて、そろそろ来るかななんて。いたずら心は無きにしも非ず。
【まにょ】
「あぁ、よかった…。そうですね、私は脱ぐのに少し時間がかかりますし…わ、ふふ」
ほっと胸をなでおろして呟き、先に行っていると言うマリアに頷いた。混浴と言えど更衣室は別れており、和服の自分より余程早く脱ぎ終えるだろう彼女を寒い場所に待たせてしまうのは気が引けた。こくりと頷いて男子更衣室のほうに視線を向けると頭をなでられて驚き、くすぐったそうにはにかんだ。
マリアの去っていった女子更衣室に、少しだけ思うところのあるような視線を向けた後、小さく息を溢して男子更衣室に入っていった。
.........
からから、からから。脱衣室から浴場へ続くスライド式のドアが音を立てた。
服を脱いだから寒いだろうかと思ったが、湯煙の上がる浴場は存外それほどの寒さを感じることなく、少しだけ粟立つ二の腕を軽く擦った。
さすが温泉旅館のサービスと言えばいいのか、貸し出しのアメニティは木桶の中に纏められていた。ありがたく拝借したそれを細腕に抱え、胸元までタオルを巻いた姿は、なまじ挙動がしとやかであるからかどこか女性然としていた。
「お待たせしました。何だか、私たちの貸切みたいですね…」
思ったより静かだった場内にほっとしたような、滅多にない環境にわくわくしたような声音で言うとタイルの上をひたひたと歩く。
【マリア】
『まあ、ね。』
基本的に、温泉地近くで育った私は、生活様式的に、タオルを特に巻かないので、せいぜい腰周りに巻いて、そのままだった。
さにあらず。
それだけが所以ではない。
普段の習慣に更に加えて、奇しくも胸が無いという憎たらしい現状な為、いっそ腹いせに、隠さなくても良いだろうと、妙な思い切りをしたためであるのも一応付け足しておこう。
あの天使には―――諸事情により削除――――せねばならぬ。
『………そんな女の子みたいにしてると、なんか、こっちが恥ずかしいんだけど。』
さて。閑話休題。千年の恨みつらみを語るはこの辺りにして。
あまりに淑女然とした彼を見て、微妙な顔になる。
元は女性だったりするのかもしれないけれど、うん。
なんとなくこちらが恥ずかしい。
痴女みたいではないか。
♦️
因みに。
私に性による頓着が薄いのは、私の師によるものも多分である。
かの女史はれっきとした女性であるが、千変万化少年から年寄りにまで、秘蔵の道具で商売柄化けるので、性別の境がわからぬ。
計ったように、私を起こす時なんかには隣に服のはだけた美男子が寝ていて、甘く囁いたりするものだから、もういよいよ心臓が強くなるわけである。
『あ……セクハラ、か。これ。』
なんて、言い訳じみた回想をしながら、自分の発言が色々酷いのに閉口しながら、速やかに身体を洗い流す。烏の行水という奴で、並の女子の半分位しか風呂に時間はかけない(誰です、不潔とか言ったのは。失礼な。)ので、手際良く済ませて行ってしまう。
割合、事務的である。
【まにょ】
それが相手の照れ隠しなのか、それとも単純に気分を害しただけだったのか、そこまでを推し量ることは仮面を外した表情からでも読み取るのは困難だった。
ただどうしようもない羞恥心が胸を満たして、湯に浸かってもいないのに頬が赤くなる。
「あ……そ、そうです、よね、すみません」
か細い声で吃り、目を伏せる。
これ以上の言葉が浮かばなくなって、それを誤魔化すように別のシャワー台の前に移動する。マリアと対照的に時間がかかるのはまにょがのんびりやというだけではなく、きびきびと動けるだけの筋力もないからだった。洗い終えた髪の毛の水気を切るころには、もうマリアは温泉にでも使っているのだろう。
タオルを巻き直す時にはっとして、先程言われたことを思い出す。胸元まで隠してしまったタオルを押さえるが、またもう一度、というのもあからさまなようで、微かに吹っ切れた気持ちと共にそのまま湯船の方へ向かった。
【マリア】
『別に、責めてない。大丈夫。』
これまたやりにくいと苦笑しながら、髪をタオルで巻く。
素直な子なのであろうが、なんだかこちらが悪いことをした気になる。なんとなく。
とはいえ、およそ検討するに元々女子なのであろう。
ならまあ、いわれのない話。
今更何も言うまい。
『……ねぇ。貴方、怖い？
こんなことになって。』
実は少しだけペースを合わせて、同じくらいに湯船に体を預ければ、出し抜けにこの状況について問いかける。
【まにょ】
肩まで湯船に浸かって、漸く人心地ついてゆるく息を吐いた。冷えた体がじわりと溶かされる気分を味わっていたところにされた質問に、少しだけマリアの方へ視線を向けると、湯の中で膝を抱えた。
「怖くない、と言えば、嘘になってしまいますね…。町の人は皆、心がないみたいに虚ろで、自分の姿かたちも、こんなに変わってしまって、名前を知られたら死んでしまうなんて言われて……悪い夢でも見ているのかと何度も思いました」
そしてその度に、虚弱な体がふとしたことであげる悲鳴で現実の感覚だと思い知らされる。思ったように身体は動かないし、頼ろうにも誰も自分の役割を全うする以外の関心がないし、頼れる相手が見つかったとしても、本当の名前を知られないように気をつけてなくてはいけない。
心細いのに、それを埋められる唯一の方法すら気を張っていなければならないのだ。
並みの神経じゃ、こんな生活は長く続けられないだろう。
「…だから、本当に、嬉しかったんです。病院で貴女が話しかけてくれたことが」
完全に気を抜くことは許されないけれど、冗談を言ったりふざけたり、非凡な世界の中で他愛のないやり取りをしてくれる。ほんの少し、甘えることを許してくれている。そんな存在がいる事実は、大いに安心させられることだった。
【マリア】
『なら―――――………』
無機質な空を見上げ。
思い出すのは、ある日の後悔。
彼が私の親友だと知っていたならば、私は殺していたかしら。
夢に潜った少女が、私とより早く会っていたのだとしたら、それも殺していたかしら。
私の雇い主の少年が、急に訪ねてこなければ、私はなんだかんだ、諦めていたかしら。
どれも、是であろう。
だが。
否、と言いたい意地がある。
だから、私は。
嘘つきらしく、嘘をつく。
口先だけでも、悲劇のヒロインを卒業したいと思う。
親友の面影残る彼に、手前勝手な懺悔と八つ当たりとして。
決意表明として。
『私が、貴方がもう、怖い思いをしないように守ってあげる。
まあ――――なんて、嘘かもしれないぜ。』
あ。
……嘘、つき忘れた。
人間としての特技 3rd-19th
五番目の道化師(3rd)-アダム(19th)
【五番目の道化師】
東のエリアにある広々とした公園で夜なのにも関わらずアスレチックを利用する女性がいた。ロープでできたジャングルジム、ザイルクライミングを軽々とのぼり…細かなところを柔軟さを生かし潜り抜けていく。
「ふぅ…っ」
偽りの姿だとしても練習をしてしておかないと鈍ってしまう。道化師はピエロな技能を鈍らせないようにできるだけ身に付いた業を生かしてザイルクライミングをしていた。
【アダム】
パチパチパチと夜の公園に拍手が鳴る。
どうやらその拍手は公園の入口の所から鳴っているらしく、振り返れば人がいる事が分かる。
「凄いね、貴女。そんな軽々と登っちゃうなんて」
素直に求められてもいない賛辞を送れば近くのベンチに座る。
【五番目の道化師】
「えっ？？」
あれ、いつから人がいたんだろう。
高所からの飛び降りからの回転着地を決めて、やっと気がつく。
「もしかして、ずっと見てました？」
始めた頃は確かに人気がなかったんだけど…いつ来たんだろう。
【アダム】
「うん、最初から見てたよ。にしても身軽だね〜。」
回転して着地したのを見ればまた拍手して
「いやあ、私なんて全然身軽じゃないからね。そんな事出来るとか羨ましいよ。」
とか嘘か誠かよく分からない言葉を発する。まあ疑う理由は無いのだろうけど
【五番目の道化師】
「そ、そうかなぁ…」
少し恥ずかしそうに頬を掻きながら、視線をそらす。
滅多なことでは誉められたことがないからか、体制がないのかもしれない。
「私はピエロだから、これくらいはできないといけないので…。ほら、人それぞれ出来ることが違うので…。むしろ私は曲芸以外からっきし…」
照れたと思ったらなぜか落ち込んだ。
曲芸以外で何があったんだ…()
【アダム】
「へえ道化師なんだ。まあそれでも凄いことじゃん。私なんて何にもできないから」
さらに褒める。褒め殺す、そんな言葉が流行ったのを何となく思い出した。褒め殺してみようかなぁと考えたがまあ辞めておこう。
【五番目の道化師】
「これくらいは基礎の基礎ですから」
道化師はどれだけ高度な技能を持ってなければならないんだ！？お前の技能を基準としたらほとんどのピエロがピエロじゃなくなるよ！！←
「なにもできない人なんていませんよ！」
だって、人間誰しも特技は持ってるものだから。
【アダム】
「じゃあ私も少しやってみようかな」
そう言えば立ち上がり、道化師が登っていた場所へ近付き手を掛ける。
素人がやるのだ、せいぜいゆっくりだろうがその予想は外れる。
案外素早く登る。彼女も案外身軽なようだ。先日のアレでまだ腰とアソコが痛いもののそれを踏まえても早いぶるいだろう。
【五番目の道化師】
(結構…上るのが早い。素人じゃないね。少なくとも何らかのスポーツはやっていたと見える)
なんか、どこか痛めているのかな？少し動きがぎこちないが…どうしたんだろう。あの動きができるということは少なくても手足を負傷してる訳じゃなさそうだけど…。
道化師はクライミングの動きで相手がスポーツをしていた者か、そうでないものかを見ていたようだ。
【アダム】
「ただ腰と彼女は股間を痛めてるだけ。腰は寝違えて、股間は余所見してたら車止めの鉄柱に思いっきりぶつかっただけ。
もしかしてぎこちないように見えた？」
それらしい言葉で誤魔化す。それに直接自分の身に起きた事を他人に言う訳にはいかないしそもそも言いたくない。
まあ嘘だとはバレないだろう。これもまた、疑う理由が無いからだ。
しかし、変わりにおっちょこちょいだと思われるかもしれないが
【五番目の道化師】
「え、ええ…かなりぎこちなく見えたけど、大丈夫？」
スポーツをやっていないとしても、あれはあまりによ不自然だ。
とりあえず、腰はわからなくはないけど後者は無理があるんじゃないか。と、道化師は思いながら苦笑した。まぁ、追求はしてはならない気がするから御大事にとだけ心の中で言っておこう。
(ていうか、痛めてるところはっきりと言っちゃうんだ…恥ずかしくないのかな…)
腰はわかるけど…ソコは普通言わない。
もしかして…恥じらいをあまり感じない人なのかな…。もしかして、痴女…？いや、男性だから恥じらいを感じてないのかも……
【アダム】
「大丈夫、問題ない。友達とランニングしててぶつかっただけだし…てかなんで前に障害物があると教えてくれなかったんだろ…」
少し落ち込みながら話す。残念ながらこれは演技だ。実際にそんな事は起きてないしそもそもぶつかる程ボケっとしてないので注意
【五番目の道化師】
「あ、うん」
教えてくれる、教えてくれないの前に前をみて走らなかったのだろうか。そもそもスポーツしてる人が注意散漫にするはずないよね。
うん、やっぱり余程のことがあったんだ…
「御大事に…」
ソコをぶつけた貴女が男性の身体じゃなくてよかったね。程度に思っておこう。男性はかなり、痛いらしいし…
【アダム】
「ありがとう。ところで名前は？私はアダム。」
と近くのベンチに腰掛け、何処からかスポーツドリンクを取り出してそれを飲み始める。
不味い、もう一杯！
【五番目の道化師】
「私はピエロです」
と、いうが道化師の偽名は<五番目の道化師>でありピエロではない。単にピエロの方がとある事情で名乗りなれてるから(キャラを偽っていないのもあり)間違えたのである。
偽名のリストをみてもピエロはない。
【アダム】
「ピエロ？ピエロって名前は無いけど5番目の道化師って名前はあるね。じゃあそれかな？」
相手に確認をする。今まで後日確認だったが即確認にした。
理由は単純、そちらの方が早いし確実性が高いからだ。
もし相手が不快だと感じてもそれは仕方ない。全ては自分の為なのだから。
【五番目の道化師】
「えっ、あっ！？はい、私は<五番目の道化師>です。すみません、ピエロの方が名乗り慣れていてつい…」
道化師である私はピエロである。
でも。今はメイクしてないから…『ピエロです』と名乗っても「え？」って感じなのかな…
【アダム】
「大丈夫よ。ピエロって…だからあんな身軽なんだね」
と心底納得の言った顔をする。
それは他人が見ても清々しい程に
「ま、5番目の道化師じゃ呼びにくいからピエロちゃんって呼ばせてもらうけど…大丈夫？」
【五番目の道化師】
「えぇ、大丈夫ですよ」
むしろ五番目の道化師という長々しい名前を律儀に呼ぶ方がどうかしている。まぁ、私はピエロだし間違ってないから。
「あっ、せっかくなのでフレンド申請していいですか？」
道化師はコロパットを取り出してアピールしてみる。
【アダム】
「勿論。てか既に私がフレンド申請しちゃった」
と笑う。てか先にやるのが普通だろう。
何せ相手より此方の方が先にコロパッドを出していたのだから。
「まあ何はともあれ、これからよろしく。ピエロちゃん」
空いている右手をピエロに向かって微笑みながら差し出す。どうやら握手を求めているようだ
【五番目の道化師】
送られてきたフレ登録を承認にしてから握手に、応じた。これから、なにも起きなければ良いけど…たぶん、無理なんだろうなぁ。
「よろしくね！」
とりあえず、今は平和な時間を謳歌することに専念しよう。
【アダム】
「うん、よろしく。」
快く応じる。と、その直後に欠伸をしてしまう。
気が付けば中々いい時間になっていた。
「…ごめん、どうやら眠くなっちゃったみたい。部屋に戻らなきゃ。
ピエロちゃんは？」
【五番目の道化師】
「私はこれから雪山にある秘湯を探しにいきます」
まだ夜だが、これから準備すれば十分次の日の夜までにはホテルに帰ってこれるだろう。
まぁ、このあとふ○なっしーとは別のキグルミをお化けと勘違いしてゆっくり風呂には入れず帰ってくるわけだが。
【アダム】
「そうなの？じゃあ頑張ってね。私はもう戻るー」
とピエロを鼓舞すれば手を振りながら自身は部屋へ戻ろうと踵を返す。
【五番目の道化師】
「えぇ、じゃあまたね」
そう言って、アダムを見送った。
さぁ、私も秘湯へ行く準備を始めよう。
道化師はショッピングモールへと向かい始めたのだった。。
【五番目の道化師】
東のエリアにある広々とした公園で夜なのにも関わらずアスレチックを利用する女性がいた。ロープでできたジャングルジム、ザイルクライミングを軽々とのぼり…細かなところを柔軟さを生かし潜り抜けていく。
「ふぅ…っ」
偽りの姿だとしても練習をしてしておかないと鈍ってしまう。道化師はピエロな技能を鈍らせないようにできるだけ身に付いた業を生かしてザイルクライミングをしていた。
【アダム】
パチパチパチと夜の公園に拍手が鳴る。
どうやらその拍手は公園の入口の所から鳴っているらしく、振り返れば人がいる事が分かる。
「凄いね、貴女。そんな軽々と登っちゃうなんて」
素直に求められてもいない賛辞を送れば近くのベンチに座る。
【五番目の道化師】
「えっ？？」
あれ、いつから人がいたんだろう。
高所からの飛び降りからの回転着地を決めて、やっと気がつく。
「もしかして、ずっと見てました？」
始めた頃は確かに人気がなかったんだけど…いつ来たんだろう。
【アダム】
「うん、最初から見てたよ。にしても身軽だね〜。」
回転して着地したのを見ればまた拍手して
「いやあ、私なんて全然身軽じゃないからね。そんな事出来るとか羨ましいよ。」
とか嘘か誠かよく分からない言葉を発する。まあ疑う理由は無いのだろうけど
【五番目の道化師】
「そ、そうかなぁ…」
少し恥ずかしそうに頬を掻きながら、視線をそらす。
滅多なことでは誉められたことがないからか、体制がないのかもしれない。
「私はピエロだから、これくらいはできないといけないので…。ほら、人それぞれ出来ることが違うので…。むしろ私は曲芸以外からっきし…」
照れたと思ったらなぜか落ち込んだ。
曲芸以外で何があったんだ…()
【アダム】
「へえ道化師なんだ。まあそれでも凄いことじゃん。私なんて何にもできないから」
さらに褒める。褒め殺す、そんな言葉が流行ったのを何となく思い出した。褒め殺してみようかなぁと考えたがまあ辞めておこう。
【五番目の道化師】
「これくらいは基礎の基礎ですから」
道化師はどれだけ高度な技能を持ってなければならないんだ！？お前の技能を基準としたらほとんどのピエロがピエロじゃなくなるよ！！←
「なにもできない人なんていませんよ！」
だって、人間誰しも特技は持ってるものだから。
【アダム】
「じゃあ私も少しやってみようかな」
そう言えば立ち上がり、道化師が登っていた場所へ近付き手を掛ける。
素人がやるのだ、せいぜいゆっくりだろうがその予想は外れる。
案外素早く登る。彼女も案外身軽なようだ。先日のアレでまだ腰とアソコが痛いもののそれを踏まえても早いぶるいだろう。
【五番目の道化師】
(結構…上るのが早い。素人じゃないね。少なくとも何らかのスポーツはやっていたと見える)
なんか、どこか痛めているのかな？少し動きがぎこちないが…どうしたんだろう。あの動きができるということは少なくても手足を負傷してる訳じゃなさそうだけど…。
道化師はクライミングの動きで相手がスポーツをしていた者か、そうでないものかを見ていたようだ。
【アダム】
「ただ腰と彼女は股間を痛めてるだけ。腰は寝違えて、股間は余所見してたら車止めの鉄柱に思いっきりぶつかっただけ。
もしかしてぎこちないように見えた？」
それらしい言葉で誤魔化す。それに直接自分の身に起きた事を他人に言う訳にはいかないしそもそも言いたくない。
まあ嘘だとはバレないだろう。これもまた、疑う理由が無いからだ。
しかし、変わりにおっちょこちょいだと思われるかもしれないが
【五番目の道化師】
「え、ええ…かなりぎこちなく見えたけど、大丈夫？」
スポーツをやっていないとしても、あれはあまりによ不自然だ。
とりあえず、腰はわからなくはないけど後者は無理があるんじゃないか。と、道化師は思いながら苦笑した。まぁ、追求はしてはならない気がするから御大事にとだけ心の中で言っておこう。
(ていうか、痛めてるところはっきりと言っちゃうんだ…恥ずかしくないのかな…)
腰はわかるけど…ソコは普通言わない。
もしかして…恥じらいをあまり感じない人なのかな…。もしかして、痴女…？いや、男性だから恥じらいを感じてないのかも……
【アダム】
「大丈夫、問題ない。友達とランニングしててぶつかっただけだし…てかなんで前に障害物があると教えてくれなかったんだろ…」
少し落ち込みながら話す。残念ながらこれは演技だ。実際にそんな事は起きてないしそもそもぶつかる程ボケっとしてないので注意
【五番目の道化師】
「あ、うん」
教えてくれる、教えてくれないの前に前をみて走らなかったのだろうか。そもそもスポーツしてる人が注意散漫にするはずないよね。
うん、やっぱり余程のことがあったんだ…
「御大事に…」
ソコをぶつけた貴女が男性の身体じゃなくてよかったね。程度に思っておこう。男性はかなり、痛いらしいし…
【アダム】
「ありがとう。ところで名前は？私はアダム。」
と近くのベンチに腰掛け、何処からかスポーツドリンクを取り出してそれを飲み始める。
不味い、もう一杯！
【五番目の道化師】
「私はピエロです」
と、いうが道化師の偽名は<五番目の道化師>でありピエロではない。単にピエロの方がとある事情で名乗りなれてるから(キャラを偽っていないのもあり)間違えたのである。
偽名のリストをみてもピエロはない。
【アダム】
「ピエロ？ピエロって名前は無いけど5番目の道化師って名前はあるね。じゃあそれかな？」
相手に確認をする。今まで後日確認だったが即確認にした。
理由は単純、そちらの方が早いし確実性が高いからだ。
もし相手が不快だと感じてもそれは仕方ない。全ては自分の為なのだから。
【五番目の道化師】
「えっ、あっ！？はい、私は<五番目の道化師>です。すみません、ピエロの方が名乗り慣れていてつい…」
道化師である私はピエロである。
でも。今はメイクしてないから…『ピエロです』と名乗っても「え？」って感じなのかな…
【アダム】
「大丈夫よ。ピエロって…だからあんな身軽なんだね」
と心底納得の言った顔をする。
それは他人が見ても清々しい程に
「ま、5番目の道化師じゃ呼びにくいからピエロちゃんって呼ばせてもらうけど…大丈夫？」
【五番目の道化師】
「えぇ、大丈夫ですよ」
むしろ五番目の道化師という長々しい名前を律儀に呼ぶ方がどうかしている。まぁ、私はピエロだし間違ってないから。
「あっ、せっかくなのでフレンド申請していいですか？」
道化師はコロパットを取り出してアピールしてみる。
【アダム】
「勿論。てか既に私がフレンド申請しちゃった」
と笑う。てか先にやるのが普通だろう。
何せ相手より此方の方が先にコロパッドを出していたのだから。
「まあ何はともあれ、これからよろしく。ピエロちゃん」
空いている右手をピエロに向かって微笑みながら差し出す。どうやら握手を求めているようだ
【五番目の道化師】
送られてきたフレ登録を承認にしてから握手に、応じた。これから、なにも起きなければ良いけど…たぶん、無理なんだろうなぁ。
「よろしくね！」
とりあえず、今は平和な時間を謳歌することに専念しよう。
【アダム】
「うん、よろしく。」
快く応じる。と、その直後に欠伸をしてしまう。
気が付けば中々いい時間になっていた。
「…ごめん、どうやら眠くなっちゃったみたい。部屋に戻らなきゃ。
ピエロちゃんは？」
【五番目の道化師】
「私はこれから雪山にある秘湯を探しにいきます」
まだ夜だが、これから準備すれば十分次の日の夜までにはホテルに帰ってこれるだろう。
まぁ、このあとふ○なっしーとは別のキグルミをお化けと勘違いしてゆっくり風呂には入れず帰ってくるわけだが。
【アダム】
「そうなの？じゃあ頑張ってね。私はもう戻るー」
とピエロを鼓舞すれば手を振りながら自身は部屋へ戻ろうと踵を返す。
【五番目の道化師】
「えぇ、じゃあまたね」
そう言って、アダムを見送った。
さぁ、私も秘湯へ行く準備を始めよう。
道化師はショッピングモールへと向かい始めたのだった。。
ミリホラーテイスト 8th-11th
酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)-ヒガンバナ(11th)
【酢豚パイナポー】
「ふむふむ、この病院。なんだか怖いですねぇ…。まぁ、商店街よりかは怖く無いですがっ！」
古ぼけた病院、廃墟のようでどこか既視感のあるような…そんな場所。どこで既視感を感じたか思い出して…
そうだそうだ、さっきの商店街や廃工場。あのがらんとした活気のない場所と同じように、なんとも言えない恐怖感を見る人へと与えてくる。
しかし、パイナポーは怖くない。こんなのただの肝試しにすらならない。こんな場所に入るほど笑わないと。
「よしっ…行きますっ…！」
パイナポーが入った理由、それは探検が多分に含まれている。他には救急道具やら病院内にあるものの中から役立つ物を取りに行くこと。
怖いけど…必要な事でもあるのだ。うんz
【ヒガンバナ】
ぎぃ、ぎいぃ、きゅっ……ぎぃこぎぃこ……
不気味な病院の奥から、不可思議な音が鳴り響く。
ぎこ、ぎこ……きゅ、きゅっ……
それはまるで、刃物を研いでいるような、不快な音で。
それでいて、パイナポーを誘っている様だった。
【酢豚パイナポー】
「…なんの、音？」
微かに耳へと届く耳障りな音。黒板を引っ掻いたり、発泡スチロール同士を合わせたり…そんな不快な気分を引き起こすような音。
パイナポーは、ふと。疑問に思う。どうしてこの音は鳴っているのだろうか。公園の遊具が風に吹かれ揺れるように、水に垂らした紅が広がるように。物理的な作為を感じさせない音ではない。
つまるところ、誰かが奥に。
何故か、音を立てて。
パイナポーに悪寒が走る。ぞわりと尾骶から首筋へとなぞられる様に、酷く不可解で自己同一性を焼き菓子の如く砕かれれる様な、冷たく鋭い悪寒。
ニューロンから伝わる信号は警告を発し、全身の筋肉が精神と別れてしまった様に動かない。神経が凍りつき、地面へと絹糸で縫い付けられた様な違和と不和。
しかし。彼女が同時に感じたのはキラリと光る探究心と好奇心。この謎について理解したいと思う抗い難い人間としての欲求。
パイナポーは意を決して縫い目を引きちぎって。
その音の主へと足を進めた。
そして、そこには、
【ヒガンバナ】
ぎぃこ……ぎぃこ……
手術室に入った彼女の、目の前で響く音。
それは、髪に何本もの彼岸花を生やした女が、刀を研いでいる音であった。
無影灯と呼ばれる明かりを煌々と光らせながら、その下で夢中になって刀を研いで、あの音をたてていた。
ぎこ……ぎぎぎっ……
だが、その音が不意に止むことになる。
……手を止めた、女は、ゆっくりと、彼女の方を向き
ニィ、と口の端を吊り上げた。
【酢豚パイナポー】
きゅ、と。ナニカが掴まれた
それは可笑しい、目の前の女性と自分とは視認できるとは言え、まだまだ距離があるのだから
じゃあ、なんだろうか 今触れられた物は
パイナポーはその存在を確かめようと、辺りと見回そうとする でも、首が動かない
パイナポーは代わりに肩を動かして腕を後ろへと回そうとする でも、腕が動かない
じゃあ、代わりに腿をあげて足を運び、後ろを向こうとする でも、脚が動かない
きゅるきゅるきゅるきゅる
不思議な音が聞こえる気がする
ごりごりごりごり
何かが擦り切れて行く音が聞こえる気がする
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
何かが潰される音が聞こえる気がする
あぁ、そっか。そういう事か。
パイナポーは先程から感じたコレを理解する。
掴まれたのは……心臓だったんだ。
パイナポーは動かない、動けない。その女性への圧倒的な恐怖感。それが全身を鉄の様に固めて、動かしてくれないのだ。
【ヒガンバナ】
「……だァれだ、そこに居るのは？」
立ち上がった女は、研いでいた刀を持って、ゆったりとした足取りで彼女に近付いていく。
カリカリ……カリリ……
今度は、引き摺っている刀が地面と擦れる音。
眼鏡の奥の、赤い瞳は、しっかりと彼女を捉えて離さない。
【酢豚パイナポー】
「…ぁ……ぁぅ…」
パイナポーは頭で逃げようと考えた。しかし、その信号は何故か身体に届かない。
だったらと自分の切り札…有機溶剤を投げつけようと考えた。だけれどそれらはホテルの部屋に置いて、そのままだ。
逃げ場はない。相手は武器持ち。
このまま走れば出口まで向かえるだろうが、そこまではそこそこの距離があり、一直線上。
追いつかれる可能性が高いのは自明の理。
逃げ場はない。
勝ち目もない。
死んじゃう。いやだしにたくない。
まだやりたいこともあるしとーますさんとおしょくじしてないしですにゃんさんとぷらねたりうむをみにいけないしおいしいおりょうりをたべることもできないしいやだやめてこわいこわいたすけてわたしのしんゆうどうしていないのわたしをみすてたのしんじゃったのいきてるのなんでなんでなんで
【ヒガンバナ】
カリリ……カリリ……
刃を引き摺る音、既に、目の前。
「…………私は忙しいんだ。
それに、余りジロジロ見られると気が散る。」
掛けられる声は低く、冷たい。
……が、それ以外はない。
まあ、予想はされてたみたいだけどね。
【酢豚パイナポー】
砂漠の様に乾く喉。
何かを言葉へと練り上げて打ち出そうとしても、ただ風が吹くようにひゅーひゅーと声とは似ても似つかぬ音だけが出てくるだけ。
パイナポーは、この状況を打破すべく一つ、ごくりと唾液を喉へと送り出す。
未だ渇きを潤す事は出来ぬが、これだけでいくらかはマシになるという事で、どう足掻いても勝てぬと負けを認めた彼女にとってコレはとても重要な事であるかも知れぬのであった。
「……ぁごめっ…なさっ……。」
固まった身体を必死で動かして下へと視線を送り、渇いた喉から吐き出す様に言葉を紡ぎ。
必死に紡いだ言葉は掠れて小さく、常時であれば人波の音に掻き消えてしまうほど儚いものである。しかし、ここは人一人居ぬ(正確に言えば自身を含めて2人は確定的に居るのだが)廃病院。
その小さな言葉は広く反響し、幸か不幸か相手へと聞こえる程にまでなる事であった。
まあ、それがどうしたという話ではあるが。相手からしたらただ苛立ちの溜まる行為にも思えるかもしれぬ。広義の上での悪手、であった。
【ヒガンバナ】
「わかればいい。」
そう言い残すと、また戻っていき、刀を研ぎ始めた。
元々は平べったい板だった物が、ヒガンバナの才能と、集中力により、段々と鋭くなってきている。
「…………貴様を襲うつもりはない。
ああ、ヒガンバナと言うユーザーにフレンド申請しておいてくれ。
後で承認しておく。」
【酢豚パイナポー】
「…は、はい。分かりっ…ました…。」
パイナポーは頭でくるくると先ほどの彼女の言葉を反芻し、思考する。
この女性は存外自身の思う様な危険思想を持つのではなく、ただ単にちょいと金属を研ぐのが趣味な女性なのではないか。余り常識の範疇にない考えだが…その様な人物がいる可能性をパイナポーは否定する事が出来ない。俗に言う悪魔の証明である。
が、パイナポーからしてみたら何方にせよ恐怖を抱くのには十分な事。先程の思考で金縛の様に固まった身体は溶けたものの、未だに目の前の女性への苦手意識は混在していると言わざるを得ない。
「とっ…とりあえず、今送っておきますねっ…。」
パイナポーは体を寒さと恐怖に小さく震えさせながら、自身のコロパッド欄から“ヒガンバナ”と書かれたものを探し出し、フレンドの申請を送った。
【ヒガンバナ】
「………………。」
フレンド申請はされたのだろうが、今は承認する気は無いらしい。
黙々と、刀を研いでいる。
ぎぃこ……ぎぃこ……また、不快な音が響く。
「…………貴様は存外普通そうに見えるな。
何故かクラスメイトの筈なのに、ここにいるのは、一癖も二癖もある奴らばかりになっている。」
【酢豚パイナポー】
「私、が普通…ですか。」
問いかけられた言の葉。思考を巡らせば、確かに何人か…一見では俗に言う”変態”に属する人物が思い当たる。
しかし、どれもこれも優しい人であったのはパイナポーの記憶に刻まれており、それを癖のあると呼ぶに足る人物である、とは余り考えの付かぬものである。そのはパイナポーには極極自然に入ってきた思想であった事を明記しておく必要性があるだろう。
無論、二十数人のうちの極少数しか出会って居ないため、それを裏付ける証拠はないのだが…
「そうで…しょうか。私が今まで会った人はそこまで変わった人は居ませんでしたが…。
でも、きっとそんなお人も居るんでしょうね。ちょっとだけ……怖いです。」
恐怖が除かれて回る様になってきた口を水車の如くからからと空回りさせている事には気付かず、パイナポーは己が持論を展開し、どこか不思議そうな表情を地面へと向ける貌に浮かべた。
【ヒガンバナ】
「……ああ、姿が変われば人も変わるのか……それとも、何か『別のモノ』でも紛れ込んでいるのか。
……私には分からぬ所だがな。」
何度か角度を変えながら、ヒガンバナは刀作りをしている。
気が散る、と言っておきながら、何だかんだ会話はしてしまっている。
「…………信用する相手は選べ。
こんな状況では特にな……下手をすれば殺されかねん。」
この、何処か空恐ろしい状況を察して、色々動いている者も居るのだろう。
生憎と、ヒガンバナも引っ掛かりはあるものの、この後にどんな恐ろしい事が起こるのかは全くもって分かっていない。
……頭が切れる者は本当に恐ろしい。
【酢豚パイナポー】
「は、はい…分かり、まし…た？」
金属の不快な音ともに乗せられて耳へとやってきたヒガンバナ…と名乗る女性の言葉。
急な事に思わず疑問符を付けてしまったが…。
“こんな状況では信用する人を選ばないといけない”…一体彼女はどうしてこの言葉を自分へと投げかけたのだろうか？
ここは誘拐じみた事をされたとは言えバカンス、パイナポーは楽しむ気ではいたのだ。能天気に思考停止、平和ボケした彼女の脳はこれから起こることなどチラとみえる様にしか考えて居なかったのだから。
「あの…、ヒガンバナ…さんは。貴方は、その…この場所は、一体なんだと思うのですか…？」
曖昧かつ要領を得ない質問。しかし、彼女にできる質問はこれしかないのだ。未だかつて大きく動く様な出来事を経験していない彼女には。
パイナポーは思わずヒガンバナの方向へと顔を上げ、その瞳を横から見つめた。
【ヒガンバナ】
「…………………………。
曖昧な質問だな。そんな質問では、私は『修学旅行先の雪国』だとしか答えられぬぞ。」
流石にそんな質問では、こう答えるしかない。
何しろ、ヒガンバナだって、分からない事だらけなのだから。
【酢豚パイナポー】
「あぁ、すみません…。そうですね…。」
顎へと人差し指一本を押し付け、暫し押し黙る。
パイナポーがこのパイナポーとしての姿になってから…する様になった癖であるパイナポー。
「ヒガンバナさんは…この場所で、命の危険に晒される可能性があると考えますか…とか。」
パイナポーが思考できるこの場所が危ない理由、それは全て“自分が死ぬ可能性があるという危険性を多分に含んでいるもの。
故に、彼女がその方向性へと思考を練り上げているのか…知りたくなったのだ。
【ヒガンバナ】
「ある。」
断言する。
現に、ナイフを持って、脅してくる様な奴まで現れているのだから。
それが過激になっていけば、何時かは命の危険も伴う。
「私も脅されたからな……只の冗談なら良いのだが……こんな状況が続いていけば、何時かは、な。」
【酢豚パイナポー】
「…そう、なのですか。それは…気をつけないといけませんね。」
パイナポーは知らなかった。人の悪意というものは自分の見えないところでも確実に起こっているという事を。
それがどの様になっているかは箱の外側から覗くかの様に分からないが、決して嘘を彼女が付いている訳ではない事を。パイナポーは名前こそふざけていて、お人好しに分類される人種であるが、馬鹿ではないのだ。
故に、今回受けた衝撃は想像以上。
自身の無知と、自身の無能さをここまで呪ったにはいつ以来か…あぁ、『あの時』以来か。
パイナポーはその眉の間を縮め、思案を重ねる様に顎に置いた手をとんとんとしきりに叩いた。
「とりあえず、ヒガンバナさん。私はこの病院を探索します…。何かあればいつでも…呼んでください。」
「貴方は、どうやら信頼できそうですし…ね。」
【ヒガンバナ】
「……私も暫くはここにいる。
何かあれば呼んでくれ。」
大分鋭くはなってきたが、まだ仕上げをしなければ。
まだここに留まる筈なので何かあればここに来れば良いだろう。
「……ふっ、どうだろうな……もしかすると、私も信用してはならない人種かもしれないぞ。」
【酢豚パイナポー】
「大丈夫ですっ。私の“目”はいいですからっ。」
視力の事ではない。
パイナポーが言いたいのは“人を見る目”という事だろうか。今までの例を見るに、些かそれは誇大な表現ではないか、と言わざるを得ないのだが…
そんな事は然程重要ではないのだ。パイナポーというひとりの少女が、ヒガンバナというひとりの少女を信じると決めた。それだけが今回の趣旨にして要項なのだから。
パイナポーはすでに消え去った恐怖についてを全く気にしないで、ぺこりとお辞儀を一つ送って病院の別場所へと歩んでいった。
【酢豚パイナポー】
「ふむふむ、この病院。なんだか怖いですねぇ…。まぁ、商店街よりかは怖く無いですがっ！」
古ぼけた病院、廃墟のようでどこか既視感のあるような…そんな場所。どこで既視感を感じたか思い出して…
そうだそうだ、さっきの商店街や廃工場。あのがらんとした活気のない場所と同じように、なんとも言えない恐怖感を見る人へと与えてくる。
しかし、パイナポーは怖くない。こんなのただの肝試しにすらならない。こんな場所に入るほど笑わないと。
「よしっ…行きますっ…！」
パイナポーが入った理由、それは探検が多分に含まれている。他には救急道具やら病院内にあるものの中から役立つ物を取りに行くこと。
怖いけど…必要な事でもあるのだ。うんz
【ヒガンバナ】
ぎぃ、ぎいぃ、きゅっ……ぎぃこぎぃこ……
不気味な病院の奥から、不可思議な音が鳴り響く。
ぎこ、ぎこ……きゅ、きゅっ……
それはまるで、刃物を研いでいるような、不快な音で。
それでいて、パイナポーを誘っている様だった。
【酢豚パイナポー】
「…なんの、音？」
微かに耳へと届く耳障りな音。黒板を引っ掻いたり、発泡スチロール同士を合わせたり…そんな不快な気分を引き起こすような音。
パイナポーは、ふと。疑問に思う。どうしてこの音は鳴っているのだろうか。公園の遊具が風に吹かれ揺れるように、水に垂らした紅が広がるように。物理的な作為を感じさせない音ではない。
つまるところ、誰かが奥に。
何故か、音を立てて。
パイナポーに悪寒が走る。ぞわりと尾骶から首筋へとなぞられる様に、酷く不可解で自己同一性を焼き菓子の如く砕かれれる様な、冷たく鋭い悪寒。
ニューロンから伝わる信号は警告を発し、全身の筋肉が精神と別れてしまった様に動かない。神経が凍りつき、地面へと絹糸で縫い付けられた様な違和と不和。
しかし。彼女が同時に感じたのはキラリと光る探究心と好奇心。この謎について理解したいと思う抗い難い人間としての欲求。
パイナポーは意を決して縫い目を引きちぎって。
その音の主へと足を進めた。
そして、そこには、
【ヒガンバナ】
ぎぃこ……ぎぃこ……
手術室に入った彼女の、目の前で響く音。
それは、髪に何本もの彼岸花を生やした女が、刀を研いでいる音であった。
無影灯と呼ばれる明かりを煌々と光らせながら、その下で夢中になって刀を研いで、あの音をたてていた。
ぎこ……ぎぎぎっ……
だが、その音が不意に止むことになる。
……手を止めた、女は、ゆっくりと、彼女の方を向き
ニィ、と口の端を吊り上げた。
【酢豚パイナポー】
きゅ、と。ナニカが掴まれた
それは可笑しい、目の前の女性と自分とは視認できるとは言え、まだまだ距離があるのだから
じゃあ、なんだろうか 今触れられた物は
パイナポーはその存在を確かめようと、辺りと見回そうとする でも、首が動かない
パイナポーは代わりに肩を動かして腕を後ろへと回そうとする でも、腕が動かない
じゃあ、代わりに腿をあげて足を運び、後ろを向こうとする でも、脚が動かない
きゅるきゅるきゅるきゅる
不思議な音が聞こえる気がする
ごりごりごりごり
何かが擦り切れて行く音が聞こえる気がする
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
何かが潰される音が聞こえる気がする
あぁ、そっか。そういう事か。
パイナポーは先程から感じたコレを理解する。
掴まれたのは……心臓だったんだ。
パイナポーは動かない、動けない。その女性への圧倒的な恐怖感。それが全身を鉄の様に固めて、動かしてくれないのだ。
【ヒガンバナ】
「……だァれだ、そこに居るのは？」
立ち上がった女は、研いでいた刀を持って、ゆったりとした足取りで彼女に近付いていく。
カリカリ……カリリ……
今度は、引き摺っている刀が地面と擦れる音。
眼鏡の奥の、赤い瞳は、しっかりと彼女を捉えて離さない。
【酢豚パイナポー】
「…ぁ……ぁぅ…」
パイナポーは頭で逃げようと考えた。しかし、その信号は何故か身体に届かない。
だったらと自分の切り札…有機溶剤を投げつけようと考えた。だけれどそれらはホテルの部屋に置いて、そのままだ。
逃げ場はない。相手は武器持ち。
このまま走れば出口まで向かえるだろうが、そこまではそこそこの距離があり、一直線上。
追いつかれる可能性が高いのは自明の理。
逃げ場はない。
勝ち目もない。
死んじゃう。いやだしにたくない。
まだやりたいこともあるしとーますさんとおしょくじしてないしですにゃんさんとぷらねたりうむをみにいけないしおいしいおりょうりをたべることもできないしいやだやめてこわいこわいたすけてわたしのしんゆうどうしていないのわたしをみすてたのしんじゃったのいきてるのなんでなんでなんで
【ヒガンバナ】
カリリ……カリリ……
刃を引き摺る音、既に、目の前。
「…………私は忙しいんだ。
それに、余りジロジロ見られると気が散る。」
掛けられる声は低く、冷たい。
……が、それ以外はない。
まあ、予想はされてたみたいだけどね。
【酢豚パイナポー】
砂漠の様に乾く喉。
何かを言葉へと練り上げて打ち出そうとしても、ただ風が吹くようにひゅーひゅーと声とは似ても似つかぬ音だけが出てくるだけ。
パイナポーは、この状況を打破すべく一つ、ごくりと唾液を喉へと送り出す。
未だ渇きを潤す事は出来ぬが、これだけでいくらかはマシになるという事で、どう足掻いても勝てぬと負けを認めた彼女にとってコレはとても重要な事であるかも知れぬのであった。
「……ぁごめっ…なさっ……。」
固まった身体を必死で動かして下へと視線を送り、渇いた喉から吐き出す様に言葉を紡ぎ。
必死に紡いだ言葉は掠れて小さく、常時であれば人波の音に掻き消えてしまうほど儚いものである。しかし、ここは人一人居ぬ(正確に言えば自身を含めて2人は確定的に居るのだが)廃病院。
その小さな言葉は広く反響し、幸か不幸か相手へと聞こえる程にまでなる事であった。
まあ、それがどうしたという話ではあるが。相手からしたらただ苛立ちの溜まる行為にも思えるかもしれぬ。広義の上での悪手、であった。
【ヒガンバナ】
「わかればいい。」
そう言い残すと、また戻っていき、刀を研ぎ始めた。
元々は平べったい板だった物が、ヒガンバナの才能と、集中力により、段々と鋭くなってきている。
「…………貴様を襲うつもりはない。
ああ、ヒガンバナと言うユーザーにフレンド申請しておいてくれ。
後で承認しておく。」
【酢豚パイナポー】
「…は、はい。分かりっ…ました…。」
パイナポーは頭でくるくると先ほどの彼女の言葉を反芻し、思考する。
この女性は存外自身の思う様な危険思想を持つのではなく、ただ単にちょいと金属を研ぐのが趣味な女性なのではないか。余り常識の範疇にない考えだが…その様な人物がいる可能性をパイナポーは否定する事が出来ない。俗に言う悪魔の証明である。
が、パイナポーからしてみたら何方にせよ恐怖を抱くのには十分な事。先程の思考で金縛の様に固まった身体は溶けたものの、未だに目の前の女性への苦手意識は混在していると言わざるを得ない。
「とっ…とりあえず、今送っておきますねっ…。」
パイナポーは体を寒さと恐怖に小さく震えさせながら、自身のコロパッド欄から“ヒガンバナ”と書かれたものを探し出し、フレンドの申請を送った。
【ヒガンバナ】
「………………。」
フレンド申請はされたのだろうが、今は承認する気は無いらしい。
黙々と、刀を研いでいる。
ぎぃこ……ぎぃこ……また、不快な音が響く。
「…………貴様は存外普通そうに見えるな。
何故かクラスメイトの筈なのに、ここにいるのは、一癖も二癖もある奴らばかりになっている。」
【酢豚パイナポー】
「私、が普通…ですか。」
問いかけられた言の葉。思考を巡らせば、確かに何人か…一見では俗に言う”変態”に属する人物が思い当たる。
しかし、どれもこれも優しい人であったのはパイナポーの記憶に刻まれており、それを癖のあると呼ぶに足る人物である、とは余り考えの付かぬものである。そのはパイナポーには極極自然に入ってきた思想であった事を明記しておく必要性があるだろう。
無論、二十数人のうちの極少数しか出会って居ないため、それを裏付ける証拠はないのだが…
「そうで…しょうか。私が今まで会った人はそこまで変わった人は居ませんでしたが…。
でも、きっとそんなお人も居るんでしょうね。ちょっとだけ……怖いです。」
恐怖が除かれて回る様になってきた口を水車の如くからからと空回りさせている事には気付かず、パイナポーは己が持論を展開し、どこか不思議そうな表情を地面へと向ける貌に浮かべた。
【ヒガンバナ】
「……ああ、姿が変われば人も変わるのか……それとも、何か『別のモノ』でも紛れ込んでいるのか。
……私には分からぬ所だがな。」
何度か角度を変えながら、ヒガンバナは刀作りをしている。
気が散る、と言っておきながら、何だかんだ会話はしてしまっている。
「…………信用する相手は選べ。
こんな状況では特にな……下手をすれば殺されかねん。」
この、何処か空恐ろしい状況を察して、色々動いている者も居るのだろう。
生憎と、ヒガンバナも引っ掛かりはあるものの、この後にどんな恐ろしい事が起こるのかは全くもって分かっていない。
……頭が切れる者は本当に恐ろしい。
【酢豚パイナポー】
「は、はい…分かり、まし…た？」
金属の不快な音ともに乗せられて耳へとやってきたヒガンバナ…と名乗る女性の言葉。
急な事に思わず疑問符を付けてしまったが…。
“こんな状況では信用する人を選ばないといけない”…一体彼女はどうしてこの言葉を自分へと投げかけたのだろうか？
ここは誘拐じみた事をされたとは言えバカンス、パイナポーは楽しむ気ではいたのだ。能天気に思考停止、平和ボケした彼女の脳はこれから起こることなどチラとみえる様にしか考えて居なかったのだから。
「あの…、ヒガンバナ…さんは。貴方は、その…この場所は、一体なんだと思うのですか…？」
曖昧かつ要領を得ない質問。しかし、彼女にできる質問はこれしかないのだ。未だかつて大きく動く様な出来事を経験していない彼女には。
パイナポーは思わずヒガンバナの方向へと顔を上げ、その瞳を横から見つめた。
【ヒガンバナ】
「…………………………。
曖昧な質問だな。そんな質問では、私は『修学旅行先の雪国』だとしか答えられぬぞ。」
流石にそんな質問では、こう答えるしかない。
何しろ、ヒガンバナだって、分からない事だらけなのだから。
【酢豚パイナポー】
「あぁ、すみません…。そうですね…。」
顎へと人差し指一本を押し付け、暫し押し黙る。
パイナポーがこのパイナポーとしての姿になってから…する様になった癖であるパイナポー。
「ヒガンバナさんは…この場所で、命の危険に晒される可能性があると考えますか…とか。」
パイナポーが思考できるこの場所が危ない理由、それは全て“自分が死ぬ可能性があるという危険性を多分に含んでいるもの。
故に、彼女がその方向性へと思考を練り上げているのか…知りたくなったのだ。
【ヒガンバナ】
「ある。」
断言する。
現に、ナイフを持って、脅してくる様な奴まで現れているのだから。
それが過激になっていけば、何時かは命の危険も伴う。
「私も脅されたからな……只の冗談なら良いのだが……こんな状況が続いていけば、何時かは、な。」
【酢豚パイナポー】
「…そう、なのですか。それは…気をつけないといけませんね。」
パイナポーは知らなかった。人の悪意というものは自分の見えないところでも確実に起こっているという事を。
それがどの様になっているかは箱の外側から覗くかの様に分からないが、決して嘘を彼女が付いている訳ではない事を。パイナポーは名前こそふざけていて、お人好しに分類される人種であるが、馬鹿ではないのだ。
故に、今回受けた衝撃は想像以上。
自身の無知と、自身の無能さをここまで呪ったにはいつ以来か…あぁ、『あの時』以来か。
パイナポーはその眉の間を縮め、思案を重ねる様に顎に置いた手をとんとんとしきりに叩いた。
「とりあえず、ヒガンバナさん。私はこの病院を探索します…。何かあればいつでも…呼んでください。」
「貴方は、どうやら信頼できそうですし…ね。」
【ヒガンバナ】
「……私も暫くはここにいる。
何かあれば呼んでくれ。」
大分鋭くはなってきたが、まだ仕上げをしなければ。
まだここに留まる筈なので何かあればここに来れば良いだろう。
「……ふっ、どうだろうな……もしかすると、私も信用してはならない人種かもしれないぞ。」
【酢豚パイナポー】
「大丈夫ですっ。私の“目”はいいですからっ。」
視力の事ではない。
パイナポーが言いたいのは“人を見る目”という事だろうか。今までの例を見るに、些かそれは誇大な表現ではないか、と言わざるを得ないのだが…
そんな事は然程重要ではないのだ。パイナポーというひとりの少女が、ヒガンバナというひとりの少女を信じると決めた。それだけが今回の趣旨にして要項なのだから。
パイナポーはすでに消え去った恐怖についてを全く気にしないで、ぺこりとお辞儀を一つ送って病院の別場所へと歩んでいった。
水面下を描く 9th-22nd
マリア(9th)-フェルナ(22nd)
【フェルナ】
これでも、探索は続けていた。何かしら起これば、浴槽に向かってその疲れを癒す。これの繰り返しのせいでまともに動く事が出来ず、結局数日かけて全域を周らないと間に合わないという失態を晒している。
仕方ない、温泉が気持ちいいのだから仕方ない。
「…ここでは初めて見たか。」
船着場に到着した少女だったが、そこで見たのはやはり海。しかし、この見慣れない場所では初めてだ。相変わらず雪は振り積もっており、視界も差程良くない。それに、このゲームのルールであれば、きっと見えている船も恐らく動かないのだろう。
「流石に、この天候と気温で入ろうとは思えないな。」
夏だったら、温泉よりもビーチが人気だったのだろう。周囲の確認をしながら、少女はこの場の情報をメモしていく。
【マリア】
『……誰？』
今にも飛び込みそうに、波にさらわれに来たように。虚ろに海原の向こう側を見て、船着き場の緣のすぐそばに立ち尽くす。
自殺志願者にしか見えないだろうが、ぼんやりと海を見る時間位、私も欲しいところだ。
とはいえ、誰か来た以上反応しないという訳にもいくまい。
自分より幼げに見えたその容姿を、ついついからかいながら。
『落ちたら、危ないよ。』
【フェルナ】
「……む、先に居たんだな。」
こんな何も無さそうな場所に向かうのは少女くらいのものだと思っていた。実際船はあったが、使えると期待するのは見当違いというもので。
包帯を引き摺りながら、視界に既に入っていたような彼女の元へと歩み寄る。
「寧ろそっちの方が落ちそうな場所にいるじゃないか。……ん？いやまて、遠回しに馬鹿にしてるのか、おい。」
まさか、出会い頭に頬を引き攣ってしまう羽目になるとは思わなかった。彼女から受け取れる、『子供』という認識。確かに認めざるを得ない身長と体格だが、流石にそこを指摘されるとこの世界を作った者に恨みを抱いてしまう。
いや、すまない。元から抱いていた。
「そして、君の方は…ここで何か詩でも詠もうとしてるのか？」
見たところ、そこそこの間海だけを眺めているように感じられる。なるほど、海から来た人魚だったりするのだろうか。メルヘンチックなのは好きだが、ココには合わないな、うん。
【マリア】
『散歩。別に理由はない。
詩はともかく。
絵なら、描きたいかも。』
漠々とした灰色の海原は、なんとなく、琴線に触れなくもなかった。きっと、私が奪い返そうとしている人は、あの中に身を投じたようなものだから。
『あと…馬鹿にしてるかは、想像にお任せする。お・嬢・様。』
なんて感傷を誤魔化し、微かに笑んで皮肉を言って。
『まあ、それは良いけど。
貴方は何しに来たわけ？』
それから、目的を問う。
【フェルナ】
「なるほど、絵画か…私にはよく解らないが、これも絵になる…というものなのか。」
そういった事に詳しい訳じゃないが、しんしんと降り積もる雪と濁った海、そこに浮かぶ1隻の船…。絵が上手いと言える自信はないが、絵を描ける場所だと言われると、そこも絶景に錯覚するような気がする。何効果だっただろうか。
「……今直ぐにでも突き飛ばしてやりたいよ。」
その姿で凍える所を是非とも視界に収めたいくらいに、胸の内から何かが湧き上がってくるような、そんな気持に襲われる。だが、ここでそんな気を起こせるほど非情なキャラにはなりたくない。
え、一度腹パンしたって？ちょっと何言ってるか分からない。
「そうだな…簡単に言えば地図作りだろうか。暫くここで滞在すると思うと、周囲の環境が知っておきたくてね。」
特に飾ることもなく、率直に答える。流石に別の目的はここでは控えるが、そもそも周囲を知らなければ少し怖い。
ダンジョンなどに入ると、最初に歩いて地図を作るタイプだ。
【マリア】
『地図…？』
なるほど確かに、地図は必要か。
今更ながらそんなふうに思う。
私はゲームをやる時は基本的にフィーリングでガリガリ進めてしまう人間なので、そういった細かい作業は苦なのである。
何より、製図の知識など求むべくもない。
割合、感心した。
『まあ確かに、必要……かも。
自分で書いた地図と渡される地図なら、自分で書いた方が覚えていられるだろうし。』
口元に手を当て、一寸考える仕草をして。また、口を開く。
『ところで貴方、名前は？』
名前を聞いていないからだ。
【フェルナ】
「必要かと問われれば、他よりも優先度は低いだろうがな。」
苦笑いを浮かべながら船を眺めている。
寧ろ、これから沢山の人と関わるからこそ会った人とはなるべく会話を交わそうと試みている。コミュ障を発揮するようならば、それこそ早死にしかねないからだ。
「おっと、名乗ってなかったよ。
私は、フェルナ。そう呼んでくれて構わない。」
出来るだけ、相手が覚えられる。そして出来るだけ、目立たないような名前を。
「君のも聞いていいか？」
【マリア】
『私は9th。それだけ。』
フェルナ、か。
実在の人物にも居そうな名前。
響きは嫌いじゃない。
まあ、私は9thでさえあれば良いから、具体的に名乗る気は起きなかったりするのだけど。
『フレンド登録、しといて。
私は大体の人間の味方だから。
役には立つと思うよ。』
取り敢えずフレンド申請をし。
私はまた、水面を見つめる。
【フェルナ】
「ふむ、9thか…。」
番号で答える人は、会った中では初めてか。
不思議な雰囲気を持つ人だとは思っていたが、これは想定以上だ。深い干渉は止めておこう、何か触れてはいけない部分が見える。何処かは解らないが。
「…良い名じゃないか。」
小さく、そう呟く。
承認のパネルを押しつつ、少し気になる言葉に反応を示してみる。
「まだ誰が仲間とも決まった訳では無い筈だが、何かあるのか？」
あくまで、『何か』があるのかと訊く。内容は隠して当然だからほぼ確定の事だろうが、一応知っておきたい。
と、彼女とは別に空を見上げながら言葉を紡ぐ。
【マリア】
『……さあね。』
全貌は言わない。
言ったらルール違反甚だしいだろうから、そこはあの天使の顔を立ててやることにする。
『けど―――――
甘い言葉には騙されたらダメ。
貴方が疑うべきは、あなたの隣にいる人。』
だが。
『それだけは、言っておく。
まあ、嘘かもしれないけど。』
アドバイスなら自由では？
【フェルナ】
これでも、探索は続けていた。何かしら起これば、浴槽に向かってその疲れを癒す。これの繰り返しのせいでまともに動く事が出来ず、結局数日かけて全域を周らないと間に合わないという失態を晒している。
仕方ない、温泉が気持ちいいのだから仕方ない。
「…ここでは初めて見たか。」
船着場に到着した少女だったが、そこで見たのはやはり海。しかし、この見慣れない場所では初めてだ。相変わらず雪は振り積もっており、視界も差程良くない。それに、このゲームのルールであれば、きっと見えている船も恐らく動かないのだろう。
「流石に、この天候と気温で入ろうとは思えないな。」
夏だったら、温泉よりもビーチが人気だったのだろう。周囲の確認をしながら、少女はこの場の情報をメモしていく。
【マリア】
『……誰？』
今にも飛び込みそうに、波にさらわれに来たように。虚ろに海原の向こう側を見て、船着き場の緣のすぐそばに立ち尽くす。
自殺志願者にしか見えないだろうが、ぼんやりと海を見る時間位、私も欲しいところだ。
とはいえ、誰か来た以上反応しないという訳にもいくまい。
自分より幼げに見えたその容姿を、ついついからかいながら。
『落ちたら、危ないよ。』
【フェルナ】
「……む、先に居たんだな。」
こんな何も無さそうな場所に向かうのは少女くらいのものだと思っていた。実際船はあったが、使えると期待するのは見当違いというもので。
包帯を引き摺りながら、視界に既に入っていたような彼女の元へと歩み寄る。
「寧ろそっちの方が落ちそうな場所にいるじゃないか。……ん？いやまて、遠回しに馬鹿にしてるのか、おい。」
まさか、出会い頭に頬を引き攣ってしまう羽目になるとは思わなかった。彼女から受け取れる、『子供』という認識。確かに認めざるを得ない身長と体格だが、流石にそこを指摘されるとこの世界を作った者に恨みを抱いてしまう。
いや、すまない。元から抱いていた。
「そして、君の方は…ここで何か詩でも詠もうとしてるのか？」
見たところ、そこそこの間海だけを眺めているように感じられる。なるほど、海から来た人魚だったりするのだろうか。メルヘンチックなのは好きだが、ココには合わないな、うん。
【マリア】
『散歩。別に理由はない。
詩はともかく。
絵なら、描きたいかも。』
漠々とした灰色の海原は、なんとなく、琴線に触れなくもなかった。きっと、私が奪い返そうとしている人は、あの中に身を投じたようなものだから。
『あと…馬鹿にしてるかは、想像にお任せする。お・嬢・様。』
なんて感傷を誤魔化し、微かに笑んで皮肉を言って。
『まあ、それは良いけど。
貴方は何しに来たわけ？』
それから、目的を問う。
【フェルナ】
「なるほど、絵画か…私にはよく解らないが、これも絵になる…というものなのか。」
そういった事に詳しい訳じゃないが、しんしんと降り積もる雪と濁った海、そこに浮かぶ1隻の船…。絵が上手いと言える自信はないが、絵を描ける場所だと言われると、そこも絶景に錯覚するような気がする。何効果だっただろうか。
「……今直ぐにでも突き飛ばしてやりたいよ。」
その姿で凍える所を是非とも視界に収めたいくらいに、胸の内から何かが湧き上がってくるような、そんな気持に襲われる。だが、ここでそんな気を起こせるほど非情なキャラにはなりたくない。
え、一度腹パンしたって？ちょっと何言ってるか分からない。
「そうだな…簡単に言えば地図作りだろうか。暫くここで滞在すると思うと、周囲の環境が知っておきたくてね。」
特に飾ることもなく、率直に答える。流石に別の目的はここでは控えるが、そもそも周囲を知らなければ少し怖い。
ダンジョンなどに入ると、最初に歩いて地図を作るタイプだ。
【マリア】
『地図…？』
なるほど確かに、地図は必要か。
今更ながらそんなふうに思う。
私はゲームをやる時は基本的にフィーリングでガリガリ進めてしまう人間なので、そういった細かい作業は苦なのである。
何より、製図の知識など求むべくもない。
割合、感心した。
『まあ確かに、必要……かも。
自分で書いた地図と渡される地図なら、自分で書いた方が覚えていられるだろうし。』
口元に手を当て、一寸考える仕草をして。また、口を開く。
『ところで貴方、名前は？』
名前を聞いていないからだ。
【フェルナ】
「必要かと問われれば、他よりも優先度は低いだろうがな。」
苦笑いを浮かべながら船を眺めている。
寧ろ、これから沢山の人と関わるからこそ会った人とはなるべく会話を交わそうと試みている。コミュ障を発揮するようならば、それこそ早死にしかねないからだ。
「おっと、名乗ってなかったよ。
私は、フェルナ。そう呼んでくれて構わない。」
出来るだけ、相手が覚えられる。そして出来るだけ、目立たないような名前を。
「君のも聞いていいか？」
【マリア】
『私は9th。それだけ。』
フェルナ、か。
実在の人物にも居そうな名前。
響きは嫌いじゃない。
まあ、私は9thでさえあれば良いから、具体的に名乗る気は起きなかったりするのだけど。
『フレンド登録、しといて。
私は大体の人間の味方だから。
役には立つと思うよ。』
取り敢えずフレンド申請をし。
私はまた、水面を見つめる。
【フェルナ】
「ふむ、9thか…。」
番号で答える人は、会った中では初めてか。
不思議な雰囲気を持つ人だとは思っていたが、これは想定以上だ。深い干渉は止めておこう、何か触れてはいけない部分が見える。何処かは解らないが。
「…良い名じゃないか。」
小さく、そう呟く。
承認のパネルを押しつつ、少し気になる言葉に反応を示してみる。
「まだ誰が仲間とも決まった訳では無い筈だが、何かあるのか？」
あくまで、『何か』があるのかと訊く。内容は隠して当然だからほぼ確定の事だろうが、一応知っておきたい。
と、彼女とは別に空を見上げながら言葉を紡ぐ。
【マリア】
『……さあね。』
全貌は言わない。
言ったらルール違反甚だしいだろうから、そこはあの天使の顔を立ててやることにする。
『けど―――――
甘い言葉には騙されたらダメ。
貴方が疑うべきは、あなたの隣にいる人。』
だが。
『それだけは、言っておく。
まあ、嘘かもしれないけど。』
アドバイスなら自由では？
凍えてしまってもよくないもので。 2nd-20th
みかんちゃん(2nd)-あいごころ。(20th)
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
…すごく恥ずかしいことをしていた気がする。具体的に言えば幼女になってきた気がする。まあ、きっと気の所為だろう…というか気の所為にしておこう。とりあえず今やるべき事は探索を進める、ということだろう。なのでまだ来ていなかった北エリアに来たわけなのだが…
｢…寒いわね｣
さすがに浴衣姿で来る場所ではなかった。吹雪いている訳では無いがとても寒い。いや、というかもはや痛い。
｢…これは少々まずいわね…｣
さすがにこんな所で凍死はまずいだろう。と、言うところで見えてきたのは…スキー場だった。近くにはスキー用具のレンタルなども兼ねているロビーのような建物もある。
｢…入りましょうか｣
寒さには勝てないものである…ちなみに浴衣の帯は簡単に解けそうなままであったり。
【みかんちゃん】
スキー場に来ていた。
とは言っても別段スキーをしに来たとかそんな理由ではなく(そもそもスキーは好きではないし)、ロビーのレンタルスキー用具に用事があったわけである。
スティック二本を徴収。
武器にでもするのかって？
んな物騒なことしないわ。
そんかこんなで用事を済ませたのはつい先程のこと。
さぁ帰りましょうかなんて入口に向かえば外に何やら人影。
よく見えな…小さいよれた浴衣の白い少女……
「ぎゃあぁ、雪女っ！！？」
いや、幽霊！？何れにしてもなんか怖い感じのやつこちらへと近づいている。
イワコデシマイワコデジマ
【あいごころ。】
｢寒い…寒いわ…｣
やはり身長が小さいというのは移動という観点においてかなり不利だ。降る雪の中体を震わせながらどうにかしてロビーに辿り着く。…寒い。
｢…開かない。｣
扉が開かない。いくら押しても押しても開かなかった。…寒さにより思考が停止している彼女は気づいていないのだが、この扉はどうやら押して開くものではなく、引いて開けるものだったりするのだが。
｢開かない…寒い…｣
ガンガンと扉を叩く。口から白い息が漏れる。開かない。…寒い。そのまま扉を睨みつけるようにして何度も扉を叩く。
ガンガン…ガンガン…ガンガン！
苛立ちが募り徐々に叩く強さは大きくなっていった。
【みかんちゃん】
近づいて来たその少女は扉に手をかけ、 何度も何度も扉を叩き始めたではないか。
「ぎゃあぁぁぁあ………て、」
しかし、オネェはなんやかんや冷静であった。
ここの扉に鍵などかかっていないのに無駄に必死こいて叩く幽霊なんて存在するだろうかとか思考出来るほどには。
いや、そもそも幽霊なら通り抜けてくるに決まってるじゃなぁい！うふふ私のうっかりさん♡
いや、
いやいやいや…
「普通に人間ならまた違った意味で不味いわよ！？」
冷静に戻ったかと思えばまた違ったことに慌てだす。そして必死に扉を開けようとする少女の元へと近づくと扉を押してみた。
そうすれば間違っていることにも気づくだろうと。
【あいごころ。】
｢…あら？｣
ガンガンと扉を叩いていたら何故か開いた…あ、よく見るとこれガラスなのか。恐らく扉を挟んで目の前にいるこの人が開けてくれたのだろう。
｢ありがと…｣
そういって扉を引いていく…あ、これ引き戸なんだ。と、遅まきながら気づいた。体を震わせながら中に入っていく。ロビーの中は暖かく、ここなら凍死することは無いだろうと少しだけ安堵した。
｢あなたもさんか…っくしゅ！｣
扉を開けてくれた相手に対しあなたも参加者なのか、と聞こうとする…がくしゃみ。帯も満足に結べず浴衣は乱れ、体を震わせながらくしゃみする幼女。…まあ、カリスマの欠片もない訳で。というか風邪ひいたかもしれない…
【みかんちゃん】
「あー、あー、もぉ…ちょっと落ち着きなさいな」
色々ツッコミたいところはいくつかあったのだが諸々のことは置いて、一先ずと奥においてあったブランケットを少女に被せてあげた。
暖房はついているし時間もたてば時期暖まるだろうと。
それから少女が言おうとしていた質問を振り返る。
「ふぅ…でなんだったかしら？参加者かって聞いてたのよね…えぇ、そうよ。その口ぶりからするとあなたもそうなのでしょうけど…なんでそんな格好で此処に来ようと思ったのよ？」
質問に応えればこちらからも質問…というよりもツッコミ。何より驚いたことと言えば同じクラスメイトの参加者であるにも関わらず幼い容姿だということだが…ピエロのこともあるからと。
【あいごころ。】
｢それは聞かないで置いてくれるとありがたいわ…｣
言えるわけがない。幼女に絆されて何故か幼女と化していっしょにクレープ食べてた挙句恥ずかしさのあまりショッピングモールに戻るなんてことも出来ずろくな装備もないままここに来た、なんてこと。恐らく思考能力も幼女並になっていたのだろう。自身に刻みつけられている幼女という呪いに少し遠い目をする。
｢それよりも。ここはたしかスキー場、だったわね。あなたはスキーでもしに来たのかしら？｣
貰ったブランケットに包まりながら聞く。体の震えが止まったとはいえまだまだ入ってきたばかりだ。体が冷たいままなので、顔をブランケットに埋めながら聞く。…ちなみに相手の容姿に対してはまだしっかりと見れていなかったりする。
【みかんちゃん】
「そ。よく分からないけど乙女の秘密を詮索するようなことは駄目だものね。」
詮索してはいけないようなこととは思えないけれど、この少女にも何か理由があるのだろう。そう思っておこう。
「ん？あぁ、違うわよ。少しでも多くいろんな場所見て回ったほうがいいと思ってね…それでついでに物を拝借してただぁけ。…スキーがしたいならちゃんと着替えたほうがいいわよ？」
命懸けで来た少女を見て余程スキーでもしたかったのかしらんなんて違った方向に解釈する。ただ、それにしてもその着物だと命取りだと。分かっているだろうが見た目と行動が行動だっただけに指摘せずにはいられないもの。
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
｢スキーねぇ…｣
残念ながらスキーはやったこともないし今後もやることは無いだろう。それに自分はスキーなどで遊ぶ暇なんてなかった。体は温まってきたが、それでもちょっと寒い気がするのと少しのどが乾いたのもありついでに自販機でなにか買おうかと思いくるまっていたブランケットを羽織るようにして顔を上げる。
…ここで初めて話していた相手を見たのだが…さっきの口調からしてオカマ、と言うやつだろうか。いや、こういう人は馬鹿正直にオカマだと言うと失礼に当たるということは何となく知っているのでなんでもなかったかのように振る舞うことに。
｢忠告、感謝するわ。でも私もスキーをしに来た訳じゃなく、ただの探索よ。｣
濡れてしまった髪をみてちょっと乾かしたいな、なんて思ってみる。狐面に雪が積もっていたので軽く払っておいた。
【みかんちゃん】
「あらそう？けど、探索だとしてもその格好は間違えね♡帰りはここのスキー用の防寒具でも借りて帰りなさいな。」
ブランケットから顔を出した少女と目が合うとウィンクをして小首を傾げてみせた。
スキーやスケート、する人いるのかしら？
いや、いるにはいるだろう。
いつ何が始まるかもわからない状況で観光以上にはしゃぐのは流石に怖くて私にはできないのだけれど。楽観的になりきれないところはまだまだといったところか。
そんなこと頭の隅で考えてみてその思考を消すように少女ににこりと笑いかける。
「あ、そーだ！私のことみかんちゃんって呼んでねん。あなた名前はなんて名乗ってるのかしら？ここで逢えたのも縁だもの。よかったら教えて頂戴よ？」
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
｢…そうね。｣
確かに彼女…彼女でいいだろう。の言う通り、このエリアを移動するにはこの服では少々心もとない。勝手に拝借しても構わないだろうと判断する…どうせここは｢ゲーム｣の舞台なのだから。
｢私かしら？…あいごころ。こころでいいわよ。｣
自分の仮名を告げる。こんな仮名、死んだらどうせ使わないくせに。こんな意味の無いことをなんでやらせるんだろうと。
｢…ちょっと飲み物でも買ってくるわ。｣
買ってくる、というのは語弊があるだろう。どちらかと言えば取ってくる。お金を使う必要が無いというのはここに来て数少ない利点だろう。…正直こういう人は苦手だ。性格が、ということではなく身長が、という意味だが。室内にある自動販売機(販売、というのもおかしな話だが)に向かう。適当に欲しい飲み物を見つけ手を伸ばす…が。
｢……｣
…届かない。目をつけた飲み物が高い位置の場所だったため、手を伸ばしても届かない。ちょっとジャンプしてみる。ギリギリ届かない。それでも、ここで飲み物を変えるのも負けた気がして何度も飛ぶ。ぴょん、ぴょん、ぴょん。
【みかんちゃん】
「おーけぇおーけぇ、こころちゃんね。」
久しぶりにまともな偽名の人間にあった気もしなくはないが。いや、やっぱ久しぶりだわ。
飲み物を買いに行くという少女を見送りながら、その背中を何となしに見ていた。
彼女自身中身は少女ではないのだろうが、なんというか幼い少女というのはあまり心持ちがよくない。
…苦手なのよ、幼い少女というのが。
嫌な采配をしてくれるものだと誰とも分からぬ誰かに文句の一つ言いたくなる。
「…………んー」
暫く悪戦苦闘する彼女のことを見ていたのだが…。一向に届く気がしない。
諦めないのか、ここまでくると諦めきれないのかしら。 ここで助けるのもなんだかプライド的なものを傷つけてしまいそうだけれどここまでくるとほっとけない。
それ故に傍に行くと彼女の代わりにそのボタンを押してあげることにした。
怒られたり文句を言われるのは重々承知の上で、ね。
【あいごころ。】
｢…むぅ｣
押そうとしていたら押された。別にもう少し頑張れば届いたのに、とすこしむっとする。…ただ見かねて押してくれたのは善意に他ならないだろう。ならばお礼を言うというのが筋というもの。
｢…ありがとう。｣
それでもやっぱり不機嫌さは隠せない。事実とそれを納得出来るかどうか、というのは別物なのだ。下の取り出し口から飲み物を…ミルクセーキを取り出した。
｢…？｣
と、その時、少しだけ腰の辺りに違和感を感じた気がするが…まあ、気の所為だろう。かしゅ、と言う音と共にミルクセーキの缶を開ける。それを両手でもって口の中に1口。…美味しい。芯から来る温かさに思わずほっと息を吐いた。
｢さて…ひとつ聞きたいのだけれど。｣
一呼吸置く。そして。
｢あなたは、この状況どう思うかしら？｣
久しぶりに言う言葉だな、とか思いながら。そう質問する。
【みかんちゃん】
「いいえ。うふふ、悪く思わないで頂戴な？」
不満げな少女にくすくすと含み笑いをこぼして眉尻を下げた。
ここまできたついでに自分もとボタンを押せば下からほうじ茶を取り出す。
蓋を開けようとして少女の問いにその手を止めた。
「この状況？んー…そうね、よくわからないとでも言っておこうかしら。みんながみんな何か悪いことが起こるっててんやわんやしたってそれが始まるまで結局何も、わからないのよ。」
なんて応えを濁すのもこれで何度目か。
蓋を開けてほうじ茶を一口。
けど、思ったよりも熱くてほんの少ししか飲めなかった。猫舌はここでも同じみたいね。
【あいごころ。】
…よくわからない、ね。よく言うわ。こんなふうにどこでも殺せるような物が落ちてるステージ。送られた“名前がバレると死ぬ”というメッセージ。そして黒幕からと思わしき人物からの放送。さらに言えば姿形を変えて見た目ではわからないようにされたクラスメイト…ここまで情報が揃っていてまだわからない、なんて本気で言っているとしたらそれはただの阿呆か馬鹿の付くほどの正直者ぐらいしかいないだろう…まあ、彼女は恐らくどちらでもない。つまり、あえてはぐらかした。それだけの事。
｢そうね…わからない、ね。私もなにが起こるかさっぱりだわ。｣
あえてなんでもない風に。おちゃらけた様子で返す。そう。確かにまだ“目に見えるところでは”なにも始まっていない。なら確かに。始まるまで何が起きるか分からないというのも道理である。だって何が起きるは予測は出来ても、実際にそれがあってるかどうか確認するには始まってみないと分からないものね？
｢シュレティンガーの猫みたいね…？｣
少しだけ楽げに、そう呟く。…それが相手に聞こえたかどうか分からないけれども。
【みかんちゃん】
「そうよ、さっぱりなのよねぇ。」
なんて苦笑いを浮かべて肩を竦めた。
少女が呟いた何気ない一言は、聞こえないフリをした。
シュレティンガーの猫だなんてそれまた嫌な例えをするものだ。
ほんとうに、言い得て妙だから、嫌になるのよ。
それが一つの答えに収束するまであと少し。それまではせめて間抜けでありたい。
いや、多分…収束したその先でも自分はこのままで在り続けたい。
知ってしまえば考えてしまえば気づいてしまえば人は簡単に狂えるから。
それは知ってるから知らないふり。
「まぁ、さっぱりなときほど仲間って大切なものよ？なんならフレンド登録しておきたいのだけれど、いいかしら？」
なんて尋ねてパッドを取り出した。
【あいごころ。】
｢…そうね。仲間を持っておくのは確かに重要ね。いいわ。フレンド登録、しましょう？｣
仲間。そんな言葉がこんな状況で通用するだろうか。…いつか、協会の中で手を出しながら言った言葉を思い出す。
ーー協力しましょう？
期待なんてしてなかった。そして、相手は期待通りの反応をしてくれた。だから。この状況で仲間を募るなんてこと。無意味だって再確認出来た。だからこの登録も布石。やっておこう程度の伏線。回収はするか分からないけれども。
お互いのフレンド登録を済ませる。追加された名前を見てやっぱり思う。…フレンドなんて、本当に
悪趣味だって。
｢…みんな一緒に帰れるといいわね。｣
みんなで一緒に帰ることも、きっと無いだろう。心情と矛盾した心無いことを言ってみる。…きっと、感情はこもってなかっただろうなぁ。
【みかんちゃん】
「ありがとう♡勿論よ、みんなで帰りましょうね？」
嬉しそうに笑ってみせる。
あくまで平和ボケし続けている一クラスメイトであったときと同じように何ら変わらない笑顔で。
笑っておけば楽しくしておけば何事も誤魔化せる。
誤魔化して生きてさえいれば、それで。
もしかしたら死んでいるかもしれないけれど。
そのときは…それこそ、蓋を開けてみなきゃわからない仮定として蓋をしておこう。
「さて、と…私はそろそろホテルに戻るけれど、こころちゃん1人でも平気かしら？」
若干冗談じみた心配を口にして小首を傾げた。
ここまで浴衣でほっつき歩くような少女は心配だとでもいうように。
【あいごころ。】
｢ええ、さすがに着込めば問題ないわ。｣
ここまで来たのに苦労したのは浴衣だけで来たせいだ。防寒着さえあれば特に問題はないであろう。適当にかっぱらってきたジャンパーを着込む。
…少々大きすぎてカッパみたいになってしまっているが。
｢さて、また会えるといいわね。｣
そういって扉から出ていく。…先程とは違い普通に扉は開いた。…また会えるといいか。本当に、会えなくなる可能性があるのが笑えないわね…
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
…すごく恥ずかしいことをしていた気がする。具体的に言えば幼女になってきた気がする。まあ、きっと気の所為だろう…というか気の所為にしておこう。とりあえず今やるべき事は探索を進める、ということだろう。なのでまだ来ていなかった北エリアに来たわけなのだが…
｢…寒いわね｣
さすがに浴衣姿で来る場所ではなかった。吹雪いている訳では無いがとても寒い。いや、というかもはや痛い。
｢…これは少々まずいわね…｣
さすがにこんな所で凍死はまずいだろう。と、言うところで見えてきたのは…スキー場だった。近くにはスキー用具のレンタルなども兼ねているロビーのような建物もある。
｢…入りましょうか｣
寒さには勝てないものである…ちなみに浴衣の帯は簡単に解けそうなままであったり。
【みかんちゃん】
スキー場に来ていた。
とは言っても別段スキーをしに来たとかそんな理由ではなく(そもそもスキーは好きではないし)、ロビーのレンタルスキー用具に用事があったわけである。
スティック二本を徴収。
武器にでもするのかって？
んな物騒なことしないわ。
そんかこんなで用事を済ませたのはつい先程のこと。
さぁ帰りましょうかなんて入口に向かえば外に何やら人影。
よく見えな…小さいよれた浴衣の白い少女……
「ぎゃあぁ、雪女っ！！？」
いや、幽霊！？何れにしてもなんか怖い感じのやつこちらへと近づいている。
イワコデシマイワコデジマ
【あいごころ。】
｢寒い…寒いわ…｣
やはり身長が小さいというのは移動という観点においてかなり不利だ。降る雪の中体を震わせながらどうにかしてロビーに辿り着く。…寒い。
｢…開かない。｣
扉が開かない。いくら押しても押しても開かなかった。…寒さにより思考が停止している彼女は気づいていないのだが、この扉はどうやら押して開くものではなく、引いて開けるものだったりするのだが。
｢開かない…寒い…｣
ガンガンと扉を叩く。口から白い息が漏れる。開かない。…寒い。そのまま扉を睨みつけるようにして何度も扉を叩く。
ガンガン…ガンガン…ガンガン！
苛立ちが募り徐々に叩く強さは大きくなっていった。
【みかんちゃん】
近づいて来たその少女は扉に手をかけ、 何度も何度も扉を叩き始めたではないか。
「ぎゃあぁぁぁあ………て、」
しかし、オネェはなんやかんや冷静であった。
ここの扉に鍵などかかっていないのに無駄に必死こいて叩く幽霊なんて存在するだろうかとか思考出来るほどには。
いや、そもそも幽霊なら通り抜けてくるに決まってるじゃなぁい！うふふ私のうっかりさん♡
いや、
いやいやいや…
「普通に人間ならまた違った意味で不味いわよ！？」
冷静に戻ったかと思えばまた違ったことに慌てだす。そして必死に扉を開けようとする少女の元へと近づくと扉を押してみた。
そうすれば間違っていることにも気づくだろうと。
【あいごころ。】
｢…あら？｣
ガンガンと扉を叩いていたら何故か開いた…あ、よく見るとこれガラスなのか。恐らく扉を挟んで目の前にいるこの人が開けてくれたのだろう。
｢ありがと…｣
そういって扉を引いていく…あ、これ引き戸なんだ。と、遅まきながら気づいた。体を震わせながら中に入っていく。ロビーの中は暖かく、ここなら凍死することは無いだろうと少しだけ安堵した。
｢あなたもさんか…っくしゅ！｣
扉を開けてくれた相手に対しあなたも参加者なのか、と聞こうとする…がくしゃみ。帯も満足に結べず浴衣は乱れ、体を震わせながらくしゃみする幼女。…まあ、カリスマの欠片もない訳で。というか風邪ひいたかもしれない…
【みかんちゃん】
「あー、あー、もぉ…ちょっと落ち着きなさいな」
色々ツッコミたいところはいくつかあったのだが諸々のことは置いて、一先ずと奥においてあったブランケットを少女に被せてあげた。
暖房はついているし時間もたてば時期暖まるだろうと。
それから少女が言おうとしていた質問を振り返る。
「ふぅ…でなんだったかしら？参加者かって聞いてたのよね…えぇ、そうよ。その口ぶりからするとあなたもそうなのでしょうけど…なんでそんな格好で此処に来ようと思ったのよ？」
質問に応えればこちらからも質問…というよりもツッコミ。何より驚いたことと言えば同じクラスメイトの参加者であるにも関わらず幼い容姿だということだが…ピエロのこともあるからと。
【あいごころ。】
｢それは聞かないで置いてくれるとありがたいわ…｣
言えるわけがない。幼女に絆されて何故か幼女と化していっしょにクレープ食べてた挙句恥ずかしさのあまりショッピングモールに戻るなんてことも出来ずろくな装備もないままここに来た、なんてこと。恐らく思考能力も幼女並になっていたのだろう。自身に刻みつけられている幼女という呪いに少し遠い目をする。
｢それよりも。ここはたしかスキー場、だったわね。あなたはスキーでもしに来たのかしら？｣
貰ったブランケットに包まりながら聞く。体の震えが止まったとはいえまだまだ入ってきたばかりだ。体が冷たいままなので、顔をブランケットに埋めながら聞く。…ちなみに相手の容姿に対してはまだしっかりと見れていなかったりする。
【みかんちゃん】
「そ。よく分からないけど乙女の秘密を詮索するようなことは駄目だものね。」
詮索してはいけないようなこととは思えないけれど、この少女にも何か理由があるのだろう。そう思っておこう。
「ん？あぁ、違うわよ。少しでも多くいろんな場所見て回ったほうがいいと思ってね…それでついでに物を拝借してただぁけ。…スキーがしたいならちゃんと着替えたほうがいいわよ？」
命懸けで来た少女を見て余程スキーでもしたかったのかしらんなんて違った方向に解釈する。ただ、それにしてもその着物だと命取りだと。分かっているだろうが見た目と行動が行動だっただけに指摘せずにはいられないもの。
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
｢スキーねぇ…｣
残念ながらスキーはやったこともないし今後もやることは無いだろう。それに自分はスキーなどで遊ぶ暇なんてなかった。体は温まってきたが、それでもちょっと寒い気がするのと少しのどが乾いたのもありついでに自販機でなにか買おうかと思いくるまっていたブランケットを羽織るようにして顔を上げる。
…ここで初めて話していた相手を見たのだが…さっきの口調からしてオカマ、と言うやつだろうか。いや、こういう人は馬鹿正直にオカマだと言うと失礼に当たるということは何となく知っているのでなんでもなかったかのように振る舞うことに。
｢忠告、感謝するわ。でも私もスキーをしに来た訳じゃなく、ただの探索よ。｣
濡れてしまった髪をみてちょっと乾かしたいな、なんて思ってみる。狐面に雪が積もっていたので軽く払っておいた。
【みかんちゃん】
「あらそう？けど、探索だとしてもその格好は間違えね♡帰りはここのスキー用の防寒具でも借りて帰りなさいな。」
ブランケットから顔を出した少女と目が合うとウィンクをして小首を傾げてみせた。
スキーやスケート、する人いるのかしら？
いや、いるにはいるだろう。
いつ何が始まるかもわからない状況で観光以上にはしゃぐのは流石に怖くて私にはできないのだけれど。楽観的になりきれないところはまだまだといったところか。
そんなこと頭の隅で考えてみてその思考を消すように少女ににこりと笑いかける。
「あ、そーだ！私のことみかんちゃんって呼んでねん。あなた名前はなんて名乗ってるのかしら？ここで逢えたのも縁だもの。よかったら教えて頂戴よ？」
【あいごころ。】
【みかんちゃんside】
｢…そうね。｣
確かに彼女…彼女でいいだろう。の言う通り、このエリアを移動するにはこの服では少々心もとない。勝手に拝借しても構わないだろうと判断する…どうせここは｢ゲーム｣の舞台なのだから。
｢私かしら？…あいごころ。こころでいいわよ。｣
自分の仮名を告げる。こんな仮名、死んだらどうせ使わないくせに。こんな意味の無いことをなんでやらせるんだろうと。
｢…ちょっと飲み物でも買ってくるわ。｣
買ってくる、というのは語弊があるだろう。どちらかと言えば取ってくる。お金を使う必要が無いというのはここに来て数少ない利点だろう。…正直こういう人は苦手だ。性格が、ということではなく身長が、という意味だが。室内にある自動販売機(販売、というのもおかしな話だが)に向かう。適当に欲しい飲み物を見つけ手を伸ばす…が。
｢……｣
…届かない。目をつけた飲み物が高い位置の場所だったため、手を伸ばしても届かない。ちょっとジャンプしてみる。ギリギリ届かない。それでも、ここで飲み物を変えるのも負けた気がして何度も飛ぶ。ぴょん、ぴょん、ぴょん。
【みかんちゃん】
「おーけぇおーけぇ、こころちゃんね。」
久しぶりにまともな偽名の人間にあった気もしなくはないが。いや、やっぱ久しぶりだわ。
飲み物を買いに行くという少女を見送りながら、その背中を何となしに見ていた。
彼女自身中身は少女ではないのだろうが、なんというか幼い少女というのはあまり心持ちがよくない。
…苦手なのよ、幼い少女というのが。
嫌な采配をしてくれるものだと誰とも分からぬ誰かに文句の一つ言いたくなる。
「…………んー」
暫く悪戦苦闘する彼女のことを見ていたのだが…。一向に届く気がしない。
諦めないのか、ここまでくると諦めきれないのかしら。 ここで助けるのもなんだかプライド的なものを傷つけてしまいそうだけれどここまでくるとほっとけない。
それ故に傍に行くと彼女の代わりにそのボタンを押してあげることにした。
怒られたり文句を言われるのは重々承知の上で、ね。
【あいごころ。】
｢…むぅ｣
押そうとしていたら押された。別にもう少し頑張れば届いたのに、とすこしむっとする。…ただ見かねて押してくれたのは善意に他ならないだろう。ならばお礼を言うというのが筋というもの。
｢…ありがとう。｣
それでもやっぱり不機嫌さは隠せない。事実とそれを納得出来るかどうか、というのは別物なのだ。下の取り出し口から飲み物を…ミルクセーキを取り出した。
｢…？｣
と、その時、少しだけ腰の辺りに違和感を感じた気がするが…まあ、気の所為だろう。かしゅ、と言う音と共にミルクセーキの缶を開ける。それを両手でもって口の中に1口。…美味しい。芯から来る温かさに思わずほっと息を吐いた。
｢さて…ひとつ聞きたいのだけれど。｣
一呼吸置く。そして。
｢あなたは、この状況どう思うかしら？｣
久しぶりに言う言葉だな、とか思いながら。そう質問する。
【みかんちゃん】
「いいえ。うふふ、悪く思わないで頂戴な？」
不満げな少女にくすくすと含み笑いをこぼして眉尻を下げた。
ここまできたついでに自分もとボタンを押せば下からほうじ茶を取り出す。
蓋を開けようとして少女の問いにその手を止めた。
「この状況？んー…そうね、よくわからないとでも言っておこうかしら。みんながみんな何か悪いことが起こるっててんやわんやしたってそれが始まるまで結局何も、わからないのよ。」
なんて応えを濁すのもこれで何度目か。
蓋を開けてほうじ茶を一口。
けど、思ったよりも熱くてほんの少ししか飲めなかった。猫舌はここでも同じみたいね。
【あいごころ。】
…よくわからない、ね。よく言うわ。こんなふうにどこでも殺せるような物が落ちてるステージ。送られた“名前がバレると死ぬ”というメッセージ。そして黒幕からと思わしき人物からの放送。さらに言えば姿形を変えて見た目ではわからないようにされたクラスメイト…ここまで情報が揃っていてまだわからない、なんて本気で言っているとしたらそれはただの阿呆か馬鹿の付くほどの正直者ぐらいしかいないだろう…まあ、彼女は恐らくどちらでもない。つまり、あえてはぐらかした。それだけの事。
｢そうね…わからない、ね。私もなにが起こるかさっぱりだわ。｣
あえてなんでもない風に。おちゃらけた様子で返す。そう。確かにまだ“目に見えるところでは”なにも始まっていない。なら確かに。始まるまで何が起きるか分からないというのも道理である。だって何が起きるは予測は出来ても、実際にそれがあってるかどうか確認するには始まってみないと分からないものね？
｢シュレティンガーの猫みたいね…？｣
少しだけ楽げに、そう呟く。…それが相手に聞こえたかどうか分からないけれども。
【みかんちゃん】
「そうよ、さっぱりなのよねぇ。」
なんて苦笑いを浮かべて肩を竦めた。
少女が呟いた何気ない一言は、聞こえないフリをした。
シュレティンガーの猫だなんてそれまた嫌な例えをするものだ。
ほんとうに、言い得て妙だから、嫌になるのよ。
それが一つの答えに収束するまであと少し。それまではせめて間抜けでありたい。
いや、多分…収束したその先でも自分はこのままで在り続けたい。
知ってしまえば考えてしまえば気づいてしまえば人は簡単に狂えるから。
それは知ってるから知らないふり。
「まぁ、さっぱりなときほど仲間って大切なものよ？なんならフレンド登録しておきたいのだけれど、いいかしら？」
なんて尋ねてパッドを取り出した。
【あいごころ。】
｢…そうね。仲間を持っておくのは確かに重要ね。いいわ。フレンド登録、しましょう？｣
仲間。そんな言葉がこんな状況で通用するだろうか。…いつか、協会の中で手を出しながら言った言葉を思い出す。
ーー協力しましょう？
期待なんてしてなかった。そして、相手は期待通りの反応をしてくれた。だから。この状況で仲間を募るなんてこと。無意味だって再確認出来た。だからこの登録も布石。やっておこう程度の伏線。回収はするか分からないけれども。
お互いのフレンド登録を済ませる。追加された名前を見てやっぱり思う。…フレンドなんて、本当に
悪趣味だって。
｢…みんな一緒に帰れるといいわね。｣
みんなで一緒に帰ることも、きっと無いだろう。心情と矛盾した心無いことを言ってみる。…きっと、感情はこもってなかっただろうなぁ。
【みかんちゃん】
「ありがとう♡勿論よ、みんなで帰りましょうね？」
嬉しそうに笑ってみせる。
あくまで平和ボケし続けている一クラスメイトであったときと同じように何ら変わらない笑顔で。
笑っておけば楽しくしておけば何事も誤魔化せる。
誤魔化して生きてさえいれば、それで。
もしかしたら死んでいるかもしれないけれど。
そのときは…それこそ、蓋を開けてみなきゃわからない仮定として蓋をしておこう。
「さて、と…私はそろそろホテルに戻るけれど、こころちゃん1人でも平気かしら？」
若干冗談じみた心配を口にして小首を傾げた。
ここまで浴衣でほっつき歩くような少女は心配だとでもいうように。
【あいごころ。】
｢ええ、さすがに着込めば問題ないわ。｣
ここまで来たのに苦労したのは浴衣だけで来たせいだ。防寒着さえあれば特に問題はないであろう。適当にかっぱらってきたジャンパーを着込む。
…少々大きすぎてカッパみたいになってしまっているが。
｢さて、また会えるといいわね。｣
そういって扉から出ていく。…先程とは違い普通に扉は開いた。…また会えるといいか。本当に、会えなくなる可能性があるのが笑えないわね…
唐揚げクンの三分実況withレモン 18th-25th
唐揚げ食べたい(18th)-柏木 愛(25th)
【唐揚げ食べたい】
「唐揚げ食べたいのぉぉ〜〜
ワクワク☆3分(以上)…クッキングゥ〜〜ッ！」
(さあ始まりました"唐揚げ食べたいのワクワク☆3分(以上)クッキング"のお時間です。
実況(？)は私唐揚げ食べたいが、解説(？)は私唐揚げ食べたいお送りします。
“───まず何をするんですか？”
はいそうですね。今回は醤油で下味を付けた唐揚げになりますので、まずは一口大の大きさに鶏肉を切り刻みます。
“───なるほど。食べやすくするんですね！
では次は下味を付ける段階ですが…、唐揚げさん此処はどんな感じでしょう？”
えーと、こちらはですね。ジップロックにお肉やわらかの素と醤油を入れてよく揉み込みます。そして30分程放置しましょう。
出来たものがこちらになりますとかは無いので待ちましょう──────。
(中略)
“───では、これにて出来上がりでしょうか。美味しそうですね！”
はい、出来上がりですね。いい出来栄えだと思います。
“───盛り付けですが、千切りキャベツとかがあった方が見栄えが良さそうですが…これで？”
…はい、大丈夫です。こちらで。だって千切りキャベツ買ってないですもん。
“───あー…なるほど。では出来上がりです！”
今回使った材料はこちら☆
鶏肉、お肉やわらかの素、醤油、唐揚げ粉、水
…と、言う感じで唐揚げを作った唐揚げくん。美味しそうな匂いがペンションの食堂に広まっている。)
【柏木 愛】
「えぇ……」
（あ、ありのまま起こったことを話すぜ！ペンションの食堂に来てみたら、一人二役で実況かましながら、やたら軽快に唐揚げを作ってる少年が一人！
相手のロルを勝手に発声してることにしちゃう技術。GMじゃなきゃ見逃しちゃうね）
「あ、あの！随分おいしそうなもの、作ってますね」
（この人も俺と同じく友達がいないんですね……などとちょっと同情かつ親近感を抱きながら、後ろから控えめに声をかける）
【唐揚げ食べたい】
「お？」
(こんなクソみたいなクッキングあったまるか！喋ってるわけないだろ！
…でもGMだから許すね(はぁと)
唐揚げが盛りつけられている皿を両手で持ちながら、ズカズカと食堂のテーブルにドン。と置いた。
そしたら、なんか人が居る。気付かなかったが人が居る。戯けた声を出した。)
「食べたいのか？いいぞ、一緒に食べようぜ」
(と、一言。…二言だけど。
…え？後ろから話しかけられているのになんで一回素通りして皿を置いてから気が付いたんだって？
そりゃお前、…柏木の影が薄かったんだろ。そして唐揚げの耳のラグが酷かったんだろう。
ラグが酷いから仕方ないんだ。通信回線悪そう。)
【柏木 愛】
(キャッシュクリア。再起動。これでラグは改善されたはず。大丈夫)
「え、い、いいんですか！？で、でも、俺みたいなカス鼻毛埃ゲロが、こんなのをいただくなんて……恐れ多いですよ、ごめんなさい。まだ虫に食べさせた方が有意義だと思います」
(正直言って腹ペコである。今日はトロンパの看病に明け暮れ、食事をまともに摂っていなかったのだ。しかし、ネガティブモードであった彼は、怒涛の如く遠慮した。食べ物の前でゲロとか言うなよ)
【唐揚げ食べたい】
「えぇ…オイオイ、いろいろと酷いなお前」
(よっしゃ来た、ラグの無い俺に死角はない。
でも流石の唐揚げくんも困惑。
…えぇ、何この人。告白して振られた気分だ。
いや、でも待てよ。
此処で食べさせないとなると、自分の食べる分が増える…？
やめろ、やめるんだ俺。そんな思考はダメだ。
目の前の彼女？が腹ペコかは分からないが、もし腹ペコだった場合なんだか凄い悪者だ。
罪悪感というプレス機にかけられて潰れてグチャッとなりそうだ。
ここは一つ、良い人になろう。そうしよう。)
「いや、良いんだよ。例え虫に食べさせた方が有意義でもナ、俺はお前と一緒に食べたいわけだ。
ホラ、食べようぜ。いやもう食べろ。」
(あ〜凄い好きな人に猛烈なアピールしてる気分。最後命令形だけどそんな気分。
目の前の人見た目的には初対面だし、知らないんだけどな…。誰だよ…。)
【柏木 愛】
「ああ、ありがとうございます、ありがとうございます……！」
(自分は赦されたのだ。彼の手料理をいただくという、身に余る光栄に与る傲慢さを。
半泣きになりながら食卓につく)
「あ！唐揚げといったらやっぱりこれですよね！」
(どこからともなく取り出したのは、Lemonでした。
〜夢ならばどれほど良かったでしょう。目の前で唐揚げにレモン絞る。忘れた風味取りに帰るように。これでもかっちゅーくらいめちゃ絞る〜
彼の地雷を踏まなければ良いのだが)
【唐揚げ食べたい】
「おう、そうだナ〜」
(良かったですね。唐揚げくんも別にレモン"かけてもいい派"だったようですよ。
ただし、"かける派"ではない。"かけない派"でもない。
レモンが付いてきたらかけるし、付いてこなかったらかけない。
そうつまり唐揚げに関して、彼はオールマイティ。なんでもいける。
別に最悪鶏肉じゃなくてもいい。軟骨の唐揚げって美味いよね。…鶏やんけ。)
「絞りすぎじゃない？」
(時に、冷静なツッコミ。これが出来てこそ男である。今適当言った。
唐揚げくんもレモン絞るときは結構絞る側だけど流石に絞りすぎじゃない？醤油味じゃなくてもうそれレモン味だよ。
まあでもね、自分から食べろ！って言ったのに文句言うのは違うよね…と。
だから取り敢えず一つ摘んで食べてみた。
酸っぱかった。)
【柏木 愛】
「いや、これくらい絞るとウマイんですよ。いただきます！」
(彼はサラダにもドレッシングを死ぬほどかけるタイプである。なんというか、調味料大好き人間だ。きっと彼女の手料理を食べるときに一悶着起きるに違いない。まあ、彼女が出来る前に彼の人生を終わりを告げると思うのだが(無慈悲)
ともかくレモンまみれの唐揚げをいただく)
「うーん、うまい！うまいですよ！俺もたまに唐揚げ作りますけど、そんなのより全然うまい！」
【唐揚げ食べたい】
「まッ、不味くはないな。」
(と、フォロー。
唐揚げくんは大体全部"適量"と言うやつで少なくも多くもない感じでドレッシングとかもかけるからねちょっと味濃いよね。
でも味濃くて不味いやつなんかそんなにないから美味しいね。…と言う意味での"不味くはないな"。
後、自分で作ったものを"めっちゃ美味い！"とか言わない謙虚な人だから俺。…と言う意味での"不味くはないな"。
日本人の心。謙虚。でも謙虚過ぎるのも考えものだよね。)
「へへ、それなら良かったぜ。
俺これから此処のペンション拠点にするつもりだからよ、また唐揚げ食べたくなったら来てくれよな。」
(どうやら唐揚げ以外を作る予定は無いようだ。そんな何でも作れる器用人じゃないもの。
と、拠点。
まあ嘘かもしれないし、本当かもしれない。
既にホテルにもペンションにもチェックインしているわけで、どちらを拠点にしても何ら問題はないわけだ。
まあ、そのどちらかを拠点にするかも分からないけど。
もしかしたら、廃病院とかを拠点にするかもね。
なんて、適当なことを思いながら。
柏木が美味しそうに食べてくれる様子を見て、軽く微笑んだ。)
【柏木 愛】
「もぐもぐ……ふはぁ、ここが拠点ですか。中々アクセスの悪い場所ですよね。まー落ち着く場所なのも事実ですが……あ、店員さんだ。彼女たちは何なんでしょうね」
(ハイペースで食事を頂いていると、向かい側……つまり唐揚げの後ろ側から、エプロンを着けたひとりの少女が、ピッチャー片手に向かってくるのが見えた。この世界に溢れかえっている"NPC"である)
『ペンション従業員』
『お水のおかわりはいかがですか？』
(二人のテーブルまで来ると、抑揚のない声でそう告げる。自分たちは注文などせず、自分で作って自分で食べていただけなのだが、食堂に人がいると、このような行動に出るプログラムのようであった)
【唐揚げ食べたい】
「…アクセスが悪いなら、人もあんま来ないだろ？ならちょっとは安心できるかもナーって。
さァなー。なんかアレだろ、最新型ロボットみたいな感じなんだろぉ……
っあ、…え？」
(適当なことを柏木へ言いながら、背後から来る従業員の方に目を向け。
そしたら、見覚えのある人間。
明らかに、彼女。
なんで？
いや、NPC。…きっと運営側に操作されているヤツ。いや、でも、何故彼女の姿なのか。
そっくりサン？…にしては、似過ぎている。見た目としては、本人。
思考していたものは、確信を帯びていく。
…───やっぱり、彼女はこの"終学旅行"に？)
「…あ、ください」
(と、素っ気ない返事。思考に気を取られて、あんまり上手いことは言えなかった。
取り敢えず、思考を流すために水を貰っておこう。物理で殴るわけじゃないけども。
まあ、あんま何か言ってもアレだなと。
目の前の柏木という彼は"この姿の人間"を知らないわけであるし。)
『ペンション従業員』
『ごゆっくり』
(透明なプラカップに丁寧に水を注ぎ、規則的な足取りで奥へと消えて行った)
【柏木 愛】
「あの、どうかしました？確かにあんまり胸は無かったですけど……」
(従業員の姿を見るや否や固まる彼を見て、きょとんとする。確かに今の従業員の胸は、愛を満足させるに値しないものであったが、そこまで驚くことだろうか？)
【唐揚げ食べたい】
「あ？……いや、知り合いに似てるなって思ったけど、そっくりさんだったワ〜」
(と、言うことにしておこう。アレは"そっくりさん"で済ませられるほどのモノではなかったが。
もしアレが"彼女を象って出来たもの"だとすると、いろいろ気になることが出て来る。
…姉さん……
あんまり、ネガティブな思考は似合わないが。
今回限りは、そうも言ってられない。)
「…なっ！オイ、折角会えたんだしフレンド登録しとこうぜ。申請送っとくな」
(本来ならば急ぎたいところではあるが。
まだここに来たばかり、"人狼ゲーム"というのも始まったわけじゃない。
急ぎ過ぎて何かあっても困る、落ち着いていこう。
取り敢えず。
話せる人は大いに越したことはない。デメリットもあるが、そんなこと気にしてられない。
柏木にフレンド申請を送り。承認したならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが飛んでくることであろう。)
【柏木 愛】
「はえ〜。まあ、世界に同じ顔の人は三人いるっていいますからね〜」
(微塵も不思議に思っていない。おめでたい頭であった)
「ああ、ありがとうございます！俺みたいな雑巾クソ野郎なんかと、ありがとうございます！
あっ！俺食器洗っておきますよ！」
(コロパッドに届いたメッセージを見て、破顔。せめてもの恩返しをしようと、食べ終わった食器は片付けておこうと、腰を浮かした)
【唐揚げ食べたい】
「…おー！マジ？ありがとよ！」
(皿洗ってくれるの？やったー！という、単純思考。
面倒なことはしたくないからね！やってくれるならそりゃもう喜んで押し付けるよね！
感謝の言葉を言って、自分も席を立った。)
「じゃ、俺一足先に出掛けてくるわ！何かあったら個別チャットにヨロシクなー」
(と、柏木へと一声かけて。
唐揚げに使った材料以外の持ち物をビニール袋に持ち。
元々一人用で作っていたのだから鶏肉やら材料は多少なり残っているだろうが、面倒なのでまるごと冷蔵庫にぶち込んでおいた。
嗚呼、そうだ。鞄買おうか。
なんて思いながら、外へ出ようと歩き出し──。)
【唐揚げ食べたい】
「唐揚げ食べたいのぉぉ〜〜
ワクワク☆3分(以上)…クッキングゥ〜〜ッ！」
(さあ始まりました"唐揚げ食べたいのワクワク☆3分(以上)クッキング"のお時間です。
実況(？)は私唐揚げ食べたいが、解説(？)は私唐揚げ食べたいお送りします。
“───まず何をするんですか？”
はいそうですね。今回は醤油で下味を付けた唐揚げになりますので、まずは一口大の大きさに鶏肉を切り刻みます。
“───なるほど。食べやすくするんですね！
では次は下味を付ける段階ですが…、唐揚げさん此処はどんな感じでしょう？”
えーと、こちらはですね。ジップロックにお肉やわらかの素と醤油を入れてよく揉み込みます。そして30分程放置しましょう。
出来たものがこちらになりますとかは無いので待ちましょう──────。
(中略)
“───では、これにて出来上がりでしょうか。美味しそうですね！”
はい、出来上がりですね。いい出来栄えだと思います。
“───盛り付けですが、千切りキャベツとかがあった方が見栄えが良さそうですが…これで？”
…はい、大丈夫です。こちらで。だって千切りキャベツ買ってないですもん。
“───あー…なるほど。では出来上がりです！”
今回使った材料はこちら☆
鶏肉、お肉やわらかの素、醤油、唐揚げ粉、水
…と、言う感じで唐揚げを作った唐揚げくん。美味しそうな匂いがペンションの食堂に広まっている。)
【柏木 愛】
「えぇ……」
（あ、ありのまま起こったことを話すぜ！ペンションの食堂に来てみたら、一人二役で実況かましながら、やたら軽快に唐揚げを作ってる少年が一人！
相手のロルを勝手に発声してることにしちゃう技術。GMじゃなきゃ見逃しちゃうね）
「あ、あの！随分おいしそうなもの、作ってますね」
（この人も俺と同じく友達がいないんですね……などとちょっと同情かつ親近感を抱きながら、後ろから控えめに声をかける）
【唐揚げ食べたい】
「お？」
(こんなクソみたいなクッキングあったまるか！喋ってるわけないだろ！
…でもGMだから許すね(はぁと)
唐揚げが盛りつけられている皿を両手で持ちながら、ズカズカと食堂のテーブルにドン。と置いた。
そしたら、なんか人が居る。気付かなかったが人が居る。戯けた声を出した。)
「食べたいのか？いいぞ、一緒に食べようぜ」
(と、一言。…二言だけど。
…え？後ろから話しかけられているのになんで一回素通りして皿を置いてから気が付いたんだって？
そりゃお前、…柏木の影が薄かったんだろ。そして唐揚げの耳のラグが酷かったんだろう。
ラグが酷いから仕方ないんだ。通信回線悪そう。)
【柏木 愛】
(キャッシュクリア。再起動。これでラグは改善されたはず。大丈夫)
「え、い、いいんですか！？で、でも、俺みたいなカス鼻毛埃ゲロが、こんなのをいただくなんて……恐れ多いですよ、ごめんなさい。まだ虫に食べさせた方が有意義だと思います」
(正直言って腹ペコである。今日はトロンパの看病に明け暮れ、食事をまともに摂っていなかったのだ。しかし、ネガティブモードであった彼は、怒涛の如く遠慮した。食べ物の前でゲロとか言うなよ)
【唐揚げ食べたい】
「えぇ…オイオイ、いろいろと酷いなお前」
(よっしゃ来た、ラグの無い俺に死角はない。
でも流石の唐揚げくんも困惑。
…えぇ、何この人。告白して振られた気分だ。
いや、でも待てよ。
此処で食べさせないとなると、自分の食べる分が増える…？
やめろ、やめるんだ俺。そんな思考はダメだ。
目の前の彼女？が腹ペコかは分からないが、もし腹ペコだった場合なんだか凄い悪者だ。
罪悪感というプレス機にかけられて潰れてグチャッとなりそうだ。
ここは一つ、良い人になろう。そうしよう。)
「いや、良いんだよ。例え虫に食べさせた方が有意義でもナ、俺はお前と一緒に食べたいわけだ。
ホラ、食べようぜ。いやもう食べろ。」
(あ〜凄い好きな人に猛烈なアピールしてる気分。最後命令形だけどそんな気分。
目の前の人見た目的には初対面だし、知らないんだけどな…。誰だよ…。)
【柏木 愛】
「ああ、ありがとうございます、ありがとうございます……！」
(自分は赦されたのだ。彼の手料理をいただくという、身に余る光栄に与る傲慢さを。
半泣きになりながら食卓につく)
「あ！唐揚げといったらやっぱりこれですよね！」
(どこからともなく取り出したのは、Lemonでした。
〜夢ならばどれほど良かったでしょう。目の前で唐揚げにレモン絞る。忘れた風味取りに帰るように。これでもかっちゅーくらいめちゃ絞る〜
彼の地雷を踏まなければ良いのだが)
【唐揚げ食べたい】
「おう、そうだナ〜」
(良かったですね。唐揚げくんも別にレモン"かけてもいい派"だったようですよ。
ただし、"かける派"ではない。"かけない派"でもない。
レモンが付いてきたらかけるし、付いてこなかったらかけない。
そうつまり唐揚げに関して、彼はオールマイティ。なんでもいける。
別に最悪鶏肉じゃなくてもいい。軟骨の唐揚げって美味いよね。…鶏やんけ。)
「絞りすぎじゃない？」
(時に、冷静なツッコミ。これが出来てこそ男である。今適当言った。
唐揚げくんもレモン絞るときは結構絞る側だけど流石に絞りすぎじゃない？醤油味じゃなくてもうそれレモン味だよ。
まあでもね、自分から食べろ！って言ったのに文句言うのは違うよね…と。
だから取り敢えず一つ摘んで食べてみた。
酸っぱかった。)
【柏木 愛】
「いや、これくらい絞るとウマイんですよ。いただきます！」
(彼はサラダにもドレッシングを死ぬほどかけるタイプである。なんというか、調味料大好き人間だ。きっと彼女の手料理を食べるときに一悶着起きるに違いない。まあ、彼女が出来る前に彼の人生を終わりを告げると思うのだが(無慈悲)
ともかくレモンまみれの唐揚げをいただく)
「うーん、うまい！うまいですよ！俺もたまに唐揚げ作りますけど、そんなのより全然うまい！」
【唐揚げ食べたい】
「まッ、不味くはないな。」
(と、フォロー。
唐揚げくんは大体全部"適量"と言うやつで少なくも多くもない感じでドレッシングとかもかけるからねちょっと味濃いよね。
でも味濃くて不味いやつなんかそんなにないから美味しいね。…と言う意味での"不味くはないな"。
後、自分で作ったものを"めっちゃ美味い！"とか言わない謙虚な人だから俺。…と言う意味での"不味くはないな"。
日本人の心。謙虚。でも謙虚過ぎるのも考えものだよね。)
「へへ、それなら良かったぜ。
俺これから此処のペンション拠点にするつもりだからよ、また唐揚げ食べたくなったら来てくれよな。」
(どうやら唐揚げ以外を作る予定は無いようだ。そんな何でも作れる器用人じゃないもの。
と、拠点。
まあ嘘かもしれないし、本当かもしれない。
既にホテルにもペンションにもチェックインしているわけで、どちらを拠点にしても何ら問題はないわけだ。
まあ、そのどちらかを拠点にするかも分からないけど。
もしかしたら、廃病院とかを拠点にするかもね。
なんて、適当なことを思いながら。
柏木が美味しそうに食べてくれる様子を見て、軽く微笑んだ。)
【柏木 愛】
「もぐもぐ……ふはぁ、ここが拠点ですか。中々アクセスの悪い場所ですよね。まー落ち着く場所なのも事実ですが……あ、店員さんだ。彼女たちは何なんでしょうね」
(ハイペースで食事を頂いていると、向かい側……つまり唐揚げの後ろ側から、エプロンを着けたひとりの少女が、ピッチャー片手に向かってくるのが見えた。この世界に溢れかえっている"NPC"である)
『ペンション従業員』
『お水のおかわりはいかがですか？』
(二人のテーブルまで来ると、抑揚のない声でそう告げる。自分たちは注文などせず、自分で作って自分で食べていただけなのだが、食堂に人がいると、このような行動に出るプログラムのようであった)
【唐揚げ食べたい】
「…アクセスが悪いなら、人もあんま来ないだろ？ならちょっとは安心できるかもナーって。
さァなー。なんかアレだろ、最新型ロボットみたいな感じなんだろぉ……
っあ、…え？」
(適当なことを柏木へ言いながら、背後から来る従業員の方に目を向け。
そしたら、見覚えのある人間。
明らかに、彼女。
なんで？
いや、NPC。…きっと運営側に操作されているヤツ。いや、でも、何故彼女の姿なのか。
そっくりサン？…にしては、似過ぎている。見た目としては、本人。
思考していたものは、確信を帯びていく。
…───やっぱり、彼女はこの"終学旅行"に？)
「…あ、ください」
(と、素っ気ない返事。思考に気を取られて、あんまり上手いことは言えなかった。
取り敢えず、思考を流すために水を貰っておこう。物理で殴るわけじゃないけども。
まあ、あんま何か言ってもアレだなと。
目の前の柏木という彼は"この姿の人間"を知らないわけであるし。)
『ペンション従業員』
『ごゆっくり』
(透明なプラカップに丁寧に水を注ぎ、規則的な足取りで奥へと消えて行った)
【柏木 愛】
「あの、どうかしました？確かにあんまり胸は無かったですけど……」
(従業員の姿を見るや否や固まる彼を見て、きょとんとする。確かに今の従業員の胸は、愛を満足させるに値しないものであったが、そこまで驚くことだろうか？)
【唐揚げ食べたい】
「あ？……いや、知り合いに似てるなって思ったけど、そっくりさんだったワ〜」
(と、言うことにしておこう。アレは"そっくりさん"で済ませられるほどのモノではなかったが。
もしアレが"彼女を象って出来たもの"だとすると、いろいろ気になることが出て来る。
…姉さん……
あんまり、ネガティブな思考は似合わないが。
今回限りは、そうも言ってられない。)
「…なっ！オイ、折角会えたんだしフレンド登録しとこうぜ。申請送っとくな」
(本来ならば急ぎたいところではあるが。
まだここに来たばかり、"人狼ゲーム"というのも始まったわけじゃない。
急ぎ過ぎて何かあっても困る、落ち着いていこう。
取り敢えず。
話せる人は大いに越したことはない。デメリットもあるが、そんなこと気にしてられない。
柏木にフレンド申請を送り。承認したならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが飛んでくることであろう。)
【柏木 愛】
「はえ〜。まあ、世界に同じ顔の人は三人いるっていいますからね〜」
(微塵も不思議に思っていない。おめでたい頭であった)
「ああ、ありがとうございます！俺みたいな雑巾クソ野郎なんかと、ありがとうございます！
あっ！俺食器洗っておきますよ！」
(コロパッドに届いたメッセージを見て、破顔。せめてもの恩返しをしようと、食べ終わった食器は片付けておこうと、腰を浮かした)
【唐揚げ食べたい】
「…おー！マジ？ありがとよ！」
(皿洗ってくれるの？やったー！という、単純思考。
面倒なことはしたくないからね！やってくれるならそりゃもう喜んで押し付けるよね！
感謝の言葉を言って、自分も席を立った。)
「じゃ、俺一足先に出掛けてくるわ！何かあったら個別チャットにヨロシクなー」
(と、柏木へと一声かけて。
唐揚げに使った材料以外の持ち物をビニール袋に持ち。
元々一人用で作っていたのだから鶏肉やら材料は多少なり残っているだろうが、面倒なのでまるごと冷蔵庫にぶち込んでおいた。
嗚呼、そうだ。鞄買おうか。
なんて思いながら、外へ出ようと歩き出し──。)
五番目の道化師(3rd)-海月(23rd)
【五番目の道化師】
南エリアのショッピングモールに道化師は訪れていた。
玩具屋にあるカラーボールを手に取り、ポンっと宙に放り投げ、キャッチし、を繰り返し…何かを確かめる。
(ダメ、しっくりこない…。)
道化師はあらかじめこの店で集めておいた片手で掴めるサイズの次のボールを手に取り、確認を繰り返していた。
【海月】
あの後、当初の予定通り武器っぽいものを見て回ろうかとも思ったが…その前に玩具のナイフは返しておこう、と思い。
"彼女"の言っていた事の意味を考え乍ら歩いてると…
「……おっ」
二又の帽子、何かよく分からないけど着るのが大変そうな服。
あれは、初めて見た。挙動からしても、もしかしなくても。
「ねえねえねえっ！！キミピエロさん！？サーカスとかやる人！？
うわー、すっげー初めて見た！！何か出来る！？ジャグリングとか！
ピエロの基本技の一つに<首吊り>ってヤツあるんだけど知ってる！？やってみてよ！！」
飛ぶようにその道化師の元に駆けつけてはマシンガンの言葉を浴びせる。
少し嘘が混じっていたような気もするが些細な違いでしょ！
【五番目の道化師】
急に声をかけられ、少し驚く道化師。
あれか、これが例のマシンガントークなのか。まぁ、ジャグリングはいつでもできるから披露することはできなくはない。しかし───なんでこの人ピエロの裏技能を知っているの！？
できないなら、出来ないと言えるが───私は不得意ながらその首吊り芸が<できる>。あと、ピエロとして話しかけられてしまったから『喋ってはいけない』
道化師はニコリと笑みを浮かべ…先ほど集めておいたボールではないものを、何も無かったはずの空から取りだしジャグリングを始めた。
【海月】
おお、と。ちょっと、感嘆の言葉を漏らす。
ちなみに裏技能に関してはヒミツの情報網があるからそう易々とは教えられないよ！あ、でも嘘かもよ？
――にしても、流石か。道化師としての、一連の手並みは出来るってトコロかなぁ？
オレも出来るってわけじゃないから良くは分からないけれど。
…あ、悪いことしちゃったかな？多分この道化師さん、"ここの人"じゃないだろうし。…クラスメイト？
「すごいすごいっ。何処でこんなスゴ技覚えてくるんだろうねー？流石に教えられない？
いいなあっ、羨ましいなぁ！昔からピエロになるのが夢だったんだよね嘘だけど！
あ、そうだ、多分もうやめていいと思うよ！自分としても"キミ"に話したいことあるし！
それが見れなくなるのは名残惜しいけどね！」
飽くまでもきゃっきゃとした発言の波は途絶えさせない。黙りこくった空気が好きじゃないだけなんだけど。
【五番目の道化師】
ニコッ、と笑みを浮かべお辞儀をすると…観客となってくれた女性の言葉を聞いて少々フリーズした。
「ワタクシィが、NPCじゃないってよくわかりまぁしたねぇ…。ところぉで、なんのご用でぇすか？」
一応、NPCのふりをしているつもりだったようだ。そんな感情豊かなNPCがいてたまるか、と言いたくもなるが…。
【海月】
「ショッピングモールの玩具屋でボールを見定めてるNPCがいるかなー、なんてね。
うーん、用事かぁ。ああ、そうだ！まず今の状況確認からだよね。まだ此処のことをそこまでよく知らないから、情報交換でもしようよ！」
なんて、嘘なんだけれど。
ここで一気に伝えてしまってもつまらないだろうし、情報は小出しにしていくか。
あ、それとも撫子ちゃんみたいに殺意湧かせるってのも一興かなー。んー、どっちがいいかなぁ？
「まず自己紹介からだよね？キミの名前は？オレのことは海月って呼んでよ！」
まあ、まずはここからか。
【五番目の道化師】
「海月さんでぇすか。ワタクシィ、五番目の道化師でぇす。…それにしても情報交換でぇすか。ワタクシィ、何人か人に会いましたぁが、思いっきり遊んでいたのでぇ…」
申し訳なさそうに頭を下げる道化師。
ほら、だって友好を深めると帰れるっていってたから…。道化師は馬鹿正直に友好を深めることに専念していたようだ。
【海月】
「ふーん…？」
遊んでいた、というとさっきのみたいな事をオレ以外にもしていた？いやいや、多分それはないと思うけれど。
目の前のヤツが嘘を吐いている可能性もなくはない。けれど…あー、放送を馬鹿正直に聞いているって可能性、あるか…？
…いやいや、ないでしょ？まあいっか。ないならないで。
「遊んでた、って、この状況で良くそんなに暢気でいられるね？オレら、控えめに言って集団誘拐だよ？
それに、此処、日本か何かも分からない場所だし。本当にそんな甘えた構えでいいのかなー？
本名を知られると死ぬってルールがあるくらいだしさ。何か覚悟しといたほうがいいんじゃないの？
例えば、人が死ぬ覚悟とか…例えば、自分が死ぬ覚悟とか？」
そういえば、と思ったが、此処に来る前に他の所へ寄らなかったから武器らしいものは手に入れられてなかった。
残念。脅しまがいのことが出来るかと思ったのに。
【五番目の道化師】
「あー…まぁあ本名をぉ、呼ばれれば死にまぁすねぇ。でもぉ、『クラスメイトが殺し合いをするはずがない』でぇす！」
だって、クラスメイトだし。
殺し合いなんて…余程のことがない限りしないと信じている。殺し合いが始まるときは…そう、『大切な人が人質にとられている』時とか。まぁ、そんなことあるはずがない！
「ワタクシィ、皆で帰れると信じてますから！」
その表情はメイクをしていてもわかる。明るく、希望に満ちている顔だった。
【海月】
「クラスメイト、ね。」
滑稽な。余程のコトが無い限り、なんて言うけれど、その余程のコトが起ころうとしているのが今なんじゃないか。
あの天使の言う事を真に受けるなら、だけれど。
「っはは、面白いコト言うね？残念だけど、その信用はムダだよ。確実に。
このゲエムには"黒幕"がいて、"首謀者"がいて。その状況下でオレらは籠の中の鳥。
相手はこんなことしてくるヤツらだし、きっとなりふり構わない。オレらを"殺させる"。
そのクラスメイトに、ね。」
空回りの信用ほど、タチの悪いものはない。知っている。
その笑顔が剥がれるときがいつなのかは知らないけれどね。
「例えば今だって、さ。そういう無駄な信用が、キミに"死"ってカタチで帰ってくることが、あるんだよ
…オレとかからね。」
そういうと同時に、ぐぐっと顔を近づけた。身なりが同じくらいだからか、特段キツさを感じない。
【五番目の道化師】
「えぇ、まぁその可能性はあるでしょうね。でも、『だからどうした』？」
ニコッ、ではなく、ニヤリ。
「信頼してぇ、何がぁ悪いんですかぁ？生温い世界に浸かってぇ何が悪いんでぇすか？『まだ』何も始まってないんですからぁ、怯えたってぇしかたないじゃないでぇすか。クヒヒヒ♪」
備えるのは自由だ。怖がるのも自由だ。
「…私は信じてますからね。クラスメイトのこと、既に出会った友達のこと…。殺されたら、自分が信じる相手を間違えたってだけのことでぇす☆」
まぁ、始まったら…また信じる相手を考え直さなければならないのかもしれないが。
【海月】
「……へえ。ただのつまんないヤツだと思ってたけど。」
道化師、の名は伊達ではないってトコロか。それともオレが見くびっていただけ？
それでもいい。相手が期待より高い思想を持っていた、それだけのことだ。むしろ都合がいい。
――敵は強い方がいい。ゲエムはハードモード。コンティニューなんて許されない。
「ただ、一つだけ訂正。"まだ"って言うのは恐らく間違い…だと思うよ？
嘘かもしれないけどね。ただ、"今"はまだ何も起きていないし、キミの言っていることも強ち間違いではない。
…足を掬われる自信があるなら、いいんだけどね。」
オレも、キミも。誰だって、信頼に殺される可能性がある。
仲間だった人が、友達だった人が、オレたちを嘲笑い、殺していく可能性がある。
その時は、泣いても笑っても運命は変えられないのだから。
「…ああ、そういえば。キミは"道化師"だと言ってたけれど。
ジョーカー、ピエロ、クラウン。キミはどれが好き？」
【五番目の道化師】
「確かに厳密にはぁ、始まっているでしょう。なにせ、『死者が姿を変えて此処にいる』んでぇすから☆」
自分は(寝てたけど)確かに死んだ。
それなのに、姿は変わっても此処にいる時点で『何かに巻き込まれた』ことは確定。これから悲惨なことがおきるかもしれない。それでも───私は信じる。
「皆さんはぁ、ピエロとワタクシィを呼びますが<クラウン>に成りたぁいですねぇ？でも、ワタクシィはピエロでぇす」
【海月】
「死者が、姿を変えて。まあ、そういわれればオレたちは死んでるんだよね！
だったら、これは敗者復活のゲエムなのかもしれないね？」
死んだ、か。そう言われれば、確かに…死。
……死。死をこの目で体験したのは、いつ以来だっけ。
…いや、やめておこう。今は、目の前のことに集中しないと…"また"。
「まあ、クラウンというよりはピエロの方がサマにはなってるよね。
荒唐無稽な行動をしている…とはオレから見たらそう思えないし。」
それはむしろ…こっちの方、かな。まあ、オレも、人を愉しませているとは言い難いか。
唯一楽しませていると言えば、あの天使ちゃんなんだけれど。
「ま、何は、ともあれ。折角だしフレンド登録とかしておく？」
【五番目の道化師】
「えぇ、良いですよぉ？」
そう言って、指を鳴らしてから円を書くように手を振るうとポンっとコロパットが現れる。
「ではぁ、申請しまぁす☆」
【海月】
「はいはい。んじゃ、これでオッケーだね！」
…そういえば、自然とオレからフレンド登録なんて言ってしまっていた。
不覚、って言ったところかな。…まあ、いいや。
「それじゃあ、"運が悪ければ"また会うだろうね！
その時までオレを信頼してくれてることを信じてるよ、道化師ちゃん！」
嘘だけれど。信用、信頼なんて言葉ほど嘘で塗り固められた言葉もない。
けれど、今だけは"クラウン"の言葉に乗ってやろう。
手を振って、踵を返して向こうへ。玩具のナイフは…折角だしまだ持っておこうか。
【五番目の道化師】
「えぇ、『運が良ければ』また会いましょー☆」
手を振って道化師は海月を見送り…ふたたび、ボールの調達を続けるのであった。
【五番目の道化師】
南エリアのショッピングモールに道化師は訪れていた。
玩具屋にあるカラーボールを手に取り、ポンっと宙に放り投げ、キャッチし、を繰り返し…何かを確かめる。
(ダメ、しっくりこない…。)
道化師はあらかじめこの店で集めておいた片手で掴めるサイズの次のボールを手に取り、確認を繰り返していた。
【海月】
あの後、当初の予定通り武器っぽいものを見て回ろうかとも思ったが…その前に玩具のナイフは返しておこう、と思い。
"彼女"の言っていた事の意味を考え乍ら歩いてると…
「……おっ」
二又の帽子、何かよく分からないけど着るのが大変そうな服。
あれは、初めて見た。挙動からしても、もしかしなくても。
「ねえねえねえっ！！キミピエロさん！？サーカスとかやる人！？
うわー、すっげー初めて見た！！何か出来る！？ジャグリングとか！
ピエロの基本技の一つに<首吊り>ってヤツあるんだけど知ってる！？やってみてよ！！」
飛ぶようにその道化師の元に駆けつけてはマシンガンの言葉を浴びせる。
少し嘘が混じっていたような気もするが些細な違いでしょ！
【五番目の道化師】
急に声をかけられ、少し驚く道化師。
あれか、これが例のマシンガントークなのか。まぁ、ジャグリングはいつでもできるから披露することはできなくはない。しかし───なんでこの人ピエロの裏技能を知っているの！？
できないなら、出来ないと言えるが───私は不得意ながらその首吊り芸が<できる>。あと、ピエロとして話しかけられてしまったから『喋ってはいけない』
道化師はニコリと笑みを浮かべ…先ほど集めておいたボールではないものを、何も無かったはずの空から取りだしジャグリングを始めた。
【海月】
おお、と。ちょっと、感嘆の言葉を漏らす。
ちなみに裏技能に関してはヒミツの情報網があるからそう易々とは教えられないよ！あ、でも嘘かもよ？
――にしても、流石か。道化師としての、一連の手並みは出来るってトコロかなぁ？
オレも出来るってわけじゃないから良くは分からないけれど。
…あ、悪いことしちゃったかな？多分この道化師さん、"ここの人"じゃないだろうし。…クラスメイト？
「すごいすごいっ。何処でこんなスゴ技覚えてくるんだろうねー？流石に教えられない？
いいなあっ、羨ましいなぁ！昔からピエロになるのが夢だったんだよね嘘だけど！
あ、そうだ、多分もうやめていいと思うよ！自分としても"キミ"に話したいことあるし！
それが見れなくなるのは名残惜しいけどね！」
飽くまでもきゃっきゃとした発言の波は途絶えさせない。黙りこくった空気が好きじゃないだけなんだけど。
【五番目の道化師】
ニコッ、と笑みを浮かべお辞儀をすると…観客となってくれた女性の言葉を聞いて少々フリーズした。
「ワタクシィが、NPCじゃないってよくわかりまぁしたねぇ…。ところぉで、なんのご用でぇすか？」
一応、NPCのふりをしているつもりだったようだ。そんな感情豊かなNPCがいてたまるか、と言いたくもなるが…。
【海月】
「ショッピングモールの玩具屋でボールを見定めてるNPCがいるかなー、なんてね。
うーん、用事かぁ。ああ、そうだ！まず今の状況確認からだよね。まだ此処のことをそこまでよく知らないから、情報交換でもしようよ！」
なんて、嘘なんだけれど。
ここで一気に伝えてしまってもつまらないだろうし、情報は小出しにしていくか。
あ、それとも撫子ちゃんみたいに殺意湧かせるってのも一興かなー。んー、どっちがいいかなぁ？
「まず自己紹介からだよね？キミの名前は？オレのことは海月って呼んでよ！」
まあ、まずはここからか。
【五番目の道化師】
「海月さんでぇすか。ワタクシィ、五番目の道化師でぇす。…それにしても情報交換でぇすか。ワタクシィ、何人か人に会いましたぁが、思いっきり遊んでいたのでぇ…」
申し訳なさそうに頭を下げる道化師。
ほら、だって友好を深めると帰れるっていってたから…。道化師は馬鹿正直に友好を深めることに専念していたようだ。
【海月】
「ふーん…？」
遊んでいた、というとさっきのみたいな事をオレ以外にもしていた？いやいや、多分それはないと思うけれど。
目の前のヤツが嘘を吐いている可能性もなくはない。けれど…あー、放送を馬鹿正直に聞いているって可能性、あるか…？
…いやいや、ないでしょ？まあいっか。ないならないで。
「遊んでた、って、この状況で良くそんなに暢気でいられるね？オレら、控えめに言って集団誘拐だよ？
それに、此処、日本か何かも分からない場所だし。本当にそんな甘えた構えでいいのかなー？
本名を知られると死ぬってルールがあるくらいだしさ。何か覚悟しといたほうがいいんじゃないの？
例えば、人が死ぬ覚悟とか…例えば、自分が死ぬ覚悟とか？」
そういえば、と思ったが、此処に来る前に他の所へ寄らなかったから武器らしいものは手に入れられてなかった。
残念。脅しまがいのことが出来るかと思ったのに。
【五番目の道化師】
「あー…まぁあ本名をぉ、呼ばれれば死にまぁすねぇ。でもぉ、『クラスメイトが殺し合いをするはずがない』でぇす！」
だって、クラスメイトだし。
殺し合いなんて…余程のことがない限りしないと信じている。殺し合いが始まるときは…そう、『大切な人が人質にとられている』時とか。まぁ、そんなことあるはずがない！
「ワタクシィ、皆で帰れると信じてますから！」
その表情はメイクをしていてもわかる。明るく、希望に満ちている顔だった。
【海月】
「クラスメイト、ね。」
滑稽な。余程のコトが無い限り、なんて言うけれど、その余程のコトが起ころうとしているのが今なんじゃないか。
あの天使の言う事を真に受けるなら、だけれど。
「っはは、面白いコト言うね？残念だけど、その信用はムダだよ。確実に。
このゲエムには"黒幕"がいて、"首謀者"がいて。その状況下でオレらは籠の中の鳥。
相手はこんなことしてくるヤツらだし、きっとなりふり構わない。オレらを"殺させる"。
そのクラスメイトに、ね。」
空回りの信用ほど、タチの悪いものはない。知っている。
その笑顔が剥がれるときがいつなのかは知らないけれどね。
「例えば今だって、さ。そういう無駄な信用が、キミに"死"ってカタチで帰ってくることが、あるんだよ
…オレとかからね。」
そういうと同時に、ぐぐっと顔を近づけた。身なりが同じくらいだからか、特段キツさを感じない。
【五番目の道化師】
「えぇ、まぁその可能性はあるでしょうね。でも、『だからどうした』？」
ニコッ、ではなく、ニヤリ。
「信頼してぇ、何がぁ悪いんですかぁ？生温い世界に浸かってぇ何が悪いんでぇすか？『まだ』何も始まってないんですからぁ、怯えたってぇしかたないじゃないでぇすか。クヒヒヒ♪」
備えるのは自由だ。怖がるのも自由だ。
「…私は信じてますからね。クラスメイトのこと、既に出会った友達のこと…。殺されたら、自分が信じる相手を間違えたってだけのことでぇす☆」
まぁ、始まったら…また信じる相手を考え直さなければならないのかもしれないが。
【海月】
「……へえ。ただのつまんないヤツだと思ってたけど。」
道化師、の名は伊達ではないってトコロか。それともオレが見くびっていただけ？
それでもいい。相手が期待より高い思想を持っていた、それだけのことだ。むしろ都合がいい。
――敵は強い方がいい。ゲエムはハードモード。コンティニューなんて許されない。
「ただ、一つだけ訂正。"まだ"って言うのは恐らく間違い…だと思うよ？
嘘かもしれないけどね。ただ、"今"はまだ何も起きていないし、キミの言っていることも強ち間違いではない。
…足を掬われる自信があるなら、いいんだけどね。」
オレも、キミも。誰だって、信頼に殺される可能性がある。
仲間だった人が、友達だった人が、オレたちを嘲笑い、殺していく可能性がある。
その時は、泣いても笑っても運命は変えられないのだから。
「…ああ、そういえば。キミは"道化師"だと言ってたけれど。
ジョーカー、ピエロ、クラウン。キミはどれが好き？」
【五番目の道化師】
「確かに厳密にはぁ、始まっているでしょう。なにせ、『死者が姿を変えて此処にいる』んでぇすから☆」
自分は(寝てたけど)確かに死んだ。
それなのに、姿は変わっても此処にいる時点で『何かに巻き込まれた』ことは確定。これから悲惨なことがおきるかもしれない。それでも───私は信じる。
「皆さんはぁ、ピエロとワタクシィを呼びますが<クラウン>に成りたぁいですねぇ？でも、ワタクシィはピエロでぇす」
【海月】
「死者が、姿を変えて。まあ、そういわれればオレたちは死んでるんだよね！
だったら、これは敗者復活のゲエムなのかもしれないね？」
死んだ、か。そう言われれば、確かに…死。
……死。死をこの目で体験したのは、いつ以来だっけ。
…いや、やめておこう。今は、目の前のことに集中しないと…"また"。
「まあ、クラウンというよりはピエロの方がサマにはなってるよね。
荒唐無稽な行動をしている…とはオレから見たらそう思えないし。」
それはむしろ…こっちの方、かな。まあ、オレも、人を愉しませているとは言い難いか。
唯一楽しませていると言えば、あの天使ちゃんなんだけれど。
「ま、何は、ともあれ。折角だしフレンド登録とかしておく？」
【五番目の道化師】
「えぇ、良いですよぉ？」
そう言って、指を鳴らしてから円を書くように手を振るうとポンっとコロパットが現れる。
「ではぁ、申請しまぁす☆」
【海月】
「はいはい。んじゃ、これでオッケーだね！」
…そういえば、自然とオレからフレンド登録なんて言ってしまっていた。
不覚、って言ったところかな。…まあ、いいや。
「それじゃあ、"運が悪ければ"また会うだろうね！
その時までオレを信頼してくれてることを信じてるよ、道化師ちゃん！」
嘘だけれど。信用、信頼なんて言葉ほど嘘で塗り固められた言葉もない。
けれど、今だけは"クラウン"の言葉に乗ってやろう。
手を振って、踵を返して向こうへ。玩具のナイフは…折角だしまだ持っておこうか。
【五番目の道化師】
「えぇ、『運が良ければ』また会いましょー☆」
手を振って道化師は海月を見送り…ふたたび、ボールの調達を続けるのであった。
恋仲寄りの獲りあい 9th-GM
マリア(9th)-アカエル(GM)
【マリア】
『……案外、出来が悪いわね。』
仮面はまた、つけていない。
少しばかり細工をして、それが出来上がるまではそっとしておきたく思えたからだ。
しかし、仮面を外すと、雪国は案外退屈だった。
仮面の内側から見る景色は、磨りガラスの向こうにあって、何もかも優しくて、微かに霞んでいた。
ノスタルジーとは、直視の対義語の事かしら。
だが、今は、克明になった分空虚で、つまらない。
作り物ですよ、と前置きしてから見るホラー映画ほどつまらないものが無いように。言わなくて良い所ばかりを強調されている。
これ自体、ただの箱庭ですよ。
言わぬが花という言葉をご存知？
と、諸々の文句を言いながら、暇つぶしに散策中。
教会を見つけた。
私はクリスチャンではないから礼拝に来たりはしないのだけど。
不思議と、こういう場所に私は足を踏み入れる悪癖がある。
『天使だけに教会……
っていう訳？』
一呼吸置いて。
ステンドグラスから漏れる、古ぼけた光を背にし。
私は、ゆっくりと上を見上げた。
【アカエル】
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ〜ん！
やっほーマリアちゃん！元気？
え、呼んでない？細かいことは気にしちゃダメダメ☆」
(絵画のような静けさを放ちながら立ち尽くしていたマリアの後ろから、ひょっこりと覗き込むように現れる。場に不釣り合いなふざけたテンションと笑顔を放ちながら、手をヒラヒラと振った)
【マリア】
『……貴方、もう少し位威厳なかったかしら。』
皮肉るような笑みを浮かべ、私は振り向く。今更彼女相手に、口調を誤魔化すだのなんだのと言った小芝居は、不毛だと思う。
何せ……
まあ、私からしたらある意味、一番会いたかった、とてもとても気になる相手なのだから。
恋仲？
まさか、そんな訳ないでしょう。
そんなものより、それはそれは深い仲である。
『全く、人間同士の、もとい、人天同士の縁って不思議ね……
こんな事もあるんだから。』
彼女の顎を持ち上げれば、三日月に口角を吊り上げ、私はハサミを手に取る。
そう。こんな具合に。
会ったそばから、臨戦態勢になる位には、私は縁が深い。
【アカエル】
「おやおや、怖いなぁ。お涙頂戴の感動シーンなのに、そんなものを持ち出すなんて」
(不敵に笑うも、無抵抗。ハサミ一本で変化が生まれるなど、自分も、彼女も、思ってはいないだろう)
「不思議？そんなことはないだろう。全部、君の想い描いていたことじゃないか。
そう、ここまでは、ね」
【マリア】
『私と貴方の仲でしょう？刃物くらいなきゃつまらないわ。』
おどけたように肩をすくめる。
依然、殺意は消えた訳では無いのだけれど、それはもう、万丈に燃え盛るものがあるけれど。
今はそれをぶつける時じゃない。
それを叩きつけるのは、彼女の手駒に対してでなければならない。
『それに…随分、知ったような口を聞くのね。貴方。
私は、貴方を殺したくて殺したくて仕方ないのに。』
首筋にキスをして、軽く舌を這わせながら、私は、自分でも驚く程に甘えた声を出す。
『……まあ、だからといって、正義の味方なんかでは無いけど。』
正義対悪。
否。
悪対悪の構図。
どちらが先に、目的を果たすか。
『……だから一つ提案がある。
貴方に、有益な話が。』
【アカエル】
「はは、僕を殺したいだって？それはお門違いだなぁ。恨むべくは僕じゃなく、君の無力さじゃないのかい？」
(クスクスとこそばゆそうに笑うと、彼女の背に両手を回した。近接した彼女の耳に顔を寄せ、ちろちろと舐める。言動と同じく、アカエルなりの煽りだった。
アカエル、もといアカエルの"中の人"は、マリアに一目置いていた。しかし、彼女がいくらもがいた所で、所詮は井の中の蛙。度し難く無様で、哀れな人間。その程度にしか、思っていないのだ。
その彼女が、提案、とな。
興味を持たざるを得なかった)
「面白そうだね。聞かせてもらえるかな？」
【マリア】
『正当じゃないから、恨みなんではないかしら。』
敵同士の筈なのに、情事のように絡み付き合う。然れども、お互いはお互いの急所に触れている、そんな状態。ある意味、この因縁を象徴するべき状態だと、私は思った。教会の中というのが、より一層いじらしく見える。
『……まあ、簡単な話。
私が生き残ったら――――……
交換条件に、私の兎をもらって帰るのが条件だけど。
安い取引ではないかしら。』
実にあっけなく、非合理かつ不合理な、条件。果たしてどうしようもなく惨めな約定であろう。
笑われても仕方ない。
『こんな馬鹿みたいなの、貴方は失望するかもしれないけれど。
悪くはないんじゃない？
ほら…貴方を潰す前段階には。』
けれど。
今に、笑えなくしてやる。
【アカエル】
「ふふ、ふふふふふ……面白い。面白いなぁ、君は。僕をこんなにも愉しませてくれるなんて、君は良い子だなぁ」
(抑えきれない笑いを漏らし、耳に浅い吐息をかける。ーーーー。彼女を選んだ僕の目に、狂いはなかった)
「いいよ。その条件、受け入れよう。
でも、君の大好きな兎さんは、僕も大好きなんだよ。
彼女は今でも、休む事なく、僕を愉しませてくれるんだ。僕は彼女を、盗られたくないなぁ。
だから、僕から言えることは……このゲームで惨めに死んで、くらいかな」
【マリア】
『応援ありがと。』
気の無い返事をして。
『なら、心置き無く貴方の子達を殺すわ、クソ天使。
というか、寧ろ――――――』
口を離し、背を向ける。
生暖かい吐息を振り払うように。
『少しは私を楽しませてくれるのかしら？今回は。』
そして、二三歩出口に向かい進んでから、止まり。
私は、出来る限りの、満面の笑みでそう問いかける。
あの意地悪で、性格の悪さが滲むような笑顔。ああ。あの人に似たんだなあと、実感しつつ。
宣戦布告、という奴である。
【マリア】
『……案外、出来が悪いわね。』
仮面はまた、つけていない。
少しばかり細工をして、それが出来上がるまではそっとしておきたく思えたからだ。
しかし、仮面を外すと、雪国は案外退屈だった。
仮面の内側から見る景色は、磨りガラスの向こうにあって、何もかも優しくて、微かに霞んでいた。
ノスタルジーとは、直視の対義語の事かしら。
だが、今は、克明になった分空虚で、つまらない。
作り物ですよ、と前置きしてから見るホラー映画ほどつまらないものが無いように。言わなくて良い所ばかりを強調されている。
これ自体、ただの箱庭ですよ。
言わぬが花という言葉をご存知？
と、諸々の文句を言いながら、暇つぶしに散策中。
教会を見つけた。
私はクリスチャンではないから礼拝に来たりはしないのだけど。
不思議と、こういう場所に私は足を踏み入れる悪癖がある。
『天使だけに教会……
っていう訳？』
一呼吸置いて。
ステンドグラスから漏れる、古ぼけた光を背にし。
私は、ゆっくりと上を見上げた。
【アカエル】
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ〜ん！
やっほーマリアちゃん！元気？
え、呼んでない？細かいことは気にしちゃダメダメ☆」
(絵画のような静けさを放ちながら立ち尽くしていたマリアの後ろから、ひょっこりと覗き込むように現れる。場に不釣り合いなふざけたテンションと笑顔を放ちながら、手をヒラヒラと振った)
【マリア】
『……貴方、もう少し位威厳なかったかしら。』
皮肉るような笑みを浮かべ、私は振り向く。今更彼女相手に、口調を誤魔化すだのなんだのと言った小芝居は、不毛だと思う。
何せ……
まあ、私からしたらある意味、一番会いたかった、とてもとても気になる相手なのだから。
恋仲？
まさか、そんな訳ないでしょう。
そんなものより、それはそれは深い仲である。
『全く、人間同士の、もとい、人天同士の縁って不思議ね……
こんな事もあるんだから。』
彼女の顎を持ち上げれば、三日月に口角を吊り上げ、私はハサミを手に取る。
そう。こんな具合に。
会ったそばから、臨戦態勢になる位には、私は縁が深い。
【アカエル】
「おやおや、怖いなぁ。お涙頂戴の感動シーンなのに、そんなものを持ち出すなんて」
(不敵に笑うも、無抵抗。ハサミ一本で変化が生まれるなど、自分も、彼女も、思ってはいないだろう)
「不思議？そんなことはないだろう。全部、君の想い描いていたことじゃないか。
そう、ここまでは、ね」
【マリア】
『私と貴方の仲でしょう？刃物くらいなきゃつまらないわ。』
おどけたように肩をすくめる。
依然、殺意は消えた訳では無いのだけれど、それはもう、万丈に燃え盛るものがあるけれど。
今はそれをぶつける時じゃない。
それを叩きつけるのは、彼女の手駒に対してでなければならない。
『それに…随分、知ったような口を聞くのね。貴方。
私は、貴方を殺したくて殺したくて仕方ないのに。』
首筋にキスをして、軽く舌を這わせながら、私は、自分でも驚く程に甘えた声を出す。
『……まあ、だからといって、正義の味方なんかでは無いけど。』
正義対悪。
否。
悪対悪の構図。
どちらが先に、目的を果たすか。
『……だから一つ提案がある。
貴方に、有益な話が。』
【アカエル】
「はは、僕を殺したいだって？それはお門違いだなぁ。恨むべくは僕じゃなく、君の無力さじゃないのかい？」
(クスクスとこそばゆそうに笑うと、彼女の背に両手を回した。近接した彼女の耳に顔を寄せ、ちろちろと舐める。言動と同じく、アカエルなりの煽りだった。
アカエル、もといアカエルの"中の人"は、マリアに一目置いていた。しかし、彼女がいくらもがいた所で、所詮は井の中の蛙。度し難く無様で、哀れな人間。その程度にしか、思っていないのだ。
その彼女が、提案、とな。
興味を持たざるを得なかった)
「面白そうだね。聞かせてもらえるかな？」
【マリア】
『正当じゃないから、恨みなんではないかしら。』
敵同士の筈なのに、情事のように絡み付き合う。然れども、お互いはお互いの急所に触れている、そんな状態。ある意味、この因縁を象徴するべき状態だと、私は思った。教会の中というのが、より一層いじらしく見える。
『……まあ、簡単な話。
私が生き残ったら――――……
交換条件に、私の兎をもらって帰るのが条件だけど。
安い取引ではないかしら。』
実にあっけなく、非合理かつ不合理な、条件。果たしてどうしようもなく惨めな約定であろう。
笑われても仕方ない。
『こんな馬鹿みたいなの、貴方は失望するかもしれないけれど。
悪くはないんじゃない？
ほら…貴方を潰す前段階には。』
けれど。
今に、笑えなくしてやる。
【アカエル】
「ふふ、ふふふふふ……面白い。面白いなぁ、君は。僕をこんなにも愉しませてくれるなんて、君は良い子だなぁ」
(抑えきれない笑いを漏らし、耳に浅い吐息をかける。ーーーー。彼女を選んだ僕の目に、狂いはなかった)
「いいよ。その条件、受け入れよう。
でも、君の大好きな兎さんは、僕も大好きなんだよ。
彼女は今でも、休む事なく、僕を愉しませてくれるんだ。僕は彼女を、盗られたくないなぁ。
だから、僕から言えることは……このゲームで惨めに死んで、くらいかな」
【マリア】
『応援ありがと。』
気の無い返事をして。
『なら、心置き無く貴方の子達を殺すわ、クソ天使。
というか、寧ろ――――――』
口を離し、背を向ける。
生暖かい吐息を振り払うように。
『少しは私を楽しませてくれるのかしら？今回は。』
そして、二三歩出口に向かい進んでから、止まり。
私は、出来る限りの、満面の笑みでそう問いかける。
あの意地悪で、性格の悪さが滲むような笑顔。ああ。あの人に似たんだなあと、実感しつつ。
宣戦布告、という奴である。
信用を売り、鞄を買い 11th-18th
ヒガンバナ(11th)-唐揚げ食べたい(18th)
【唐揚げ食べたい】
(今まで行ってない場所に行きたいと、そう思った。だから病院に来たわけだが。
取り敢えず無人であろう病院を徘徊、「メス」を2本程手に入れて"さて、帰ろう！"と思った時。何処かから音が聞こえたような気がした。(幻聴)
やっぱりこういう雰囲気のあるところって、怖いよね。…というのは置いておいて。
武器を手にした身、余り誰かにその場を見られたくはない。…見られたからなんだ、という話でもないけど。)
「チ〜ッス…失礼しマース……」
(…と、いうことで。一部屋ずつ回っていくことにした。
いや、誰か居たからといって何かするわけではない。誰か居たらそれはそれでいろいろお話をですね、したいなと。
そんな思いで殺人鬼の如く、部屋という部屋に一つずつ入っては出て…を繰り返している。)
【ヒガンバナ】
唐揚げがとある部屋に入ると、そこは荒れ果てていた。
ベッドやカーテンなどが無惨に切り裂かれており、部屋中に散乱している。
その中心には、刀……と言うには余りにも武骨だが、刃物を持っている。
「…………ん？」
ゆっくりと、髪に赤い花が生えた女は振り返った。
【唐揚げ食べたい】
「……ギョギョギョ！？」
(あっやっべ某魚類クンみたいな声出た。
誰か居るかもしれないとは思っていたが、まさか刀紛いな武器を持っている人間が居るとは思わなかった。
びっくり。何も見なかったことにしたい。
ギギギ…
扉を閉めた。…そして、また開けた。
いや、やっぱり見て見ぬ振りはダメだろう。人間として。)
「…………誰だ？お前…
嗚呼、俺は唐揚げ食べたいってんだ！ヨロシクなお嬢ちゃん☆彡」
(取り敢えず、怒らせて一刀両断されても困る。あんまり逆鱗に触れないようにしよう。
と思ってからのこれである。"お嬢ちゃん"とか煽っているようにしか聞こえない。いや、お嬢ちゃんなんだけども…クラスメイトなのにそれはどうなのか。)
【ヒガンバナ】
「……唐揚げ……ああ、確かそんな偽名の者が居たな。
それから嬢ちゃんではなく、私はヒガンバナと言う。」
全く、偽名は好きに付けるのは構わないが、何故こんな変わった名前を付けるのだろうか。
分かりにくいったらありゃしない。
刀を腰のベルトに挿すと、ゆっくりと唐揚げに近付いていく。
「驚かせてすまない。
試し切りをしていたら、ちょっと羽目を外しすぎてしまった。」
【唐揚げ食べたい】
「ほえ〜、ヒガンちゃんね！それともハナちゃんの方がいいかな？
あ、俺は唐揚げくんでいいからね！」
(なんて、ケラケラ笑いながら名前を覚え。そして、"自身のことはこう呼べ"と。
相手が近付いて来るのに合わせ、一歩二歩と後ろに下がる。
ずっと同じくらいの距離を保っているという解釈をすれば警戒しているのだろうな…と思うだろが、余りいい気分はしない行動ではあるだろう。
まあ、相手の気分とかどうでもいいわけで。
兎に角、自分の身を守るための行動である。)
「オイオイオイ…何刃物持ってウッキウキ☆試し斬りターイム☆しちゃってんの？？え？怖くね？？お前。」
(と、動揺。そりゃ、試し斬りとか言って部屋のもの切り刻んでる人いたら"うわ…"って思っちゃうよね。
コイツやばい奴や、と。冷静に判断し。
だが、"本当にコイツもクラスメイトなのか？"とは思わず。
思うだけ愚問であろう。自分もそうだが、此処に来てから変わっていない人間など居ないのだから。…少なくとも、今まで出会った人間の中では。)
【ヒガンバナ】
「呼び方はどちらでも構わないが…………
いや、本当に私も、なんと言うか……はしゃぎすぎてしまっただけなのだ。
だからそんなに引かないでくれ頼む。」
ヒガンバナも内心「やっちまった」状態なのだ。
だからこうあからさまに引かれると傷つく。
「大丈夫だ！少なくとも人は斬らない！
ほら、男子も刀が好きなんだろう！？
作りたくなるだろう！？そう言うことだ！」
【唐揚げ食べたい】
「じゃあヒガンちゃんね！
…しょーがないなぁ！分かった！信用するぜお前の事！」
(そんなこと言って。信用する気など毛頭無いわけだが。
取り敢えず、後ろに下がるのをやめ。腰が引けているような素振りを見せて、"攻撃してくんなよ！くんなよ！"と。
(少なくとも姿上は)男なのにこの女々しさと言ったら何なのか。)
「な〜んだそっかぁ！人を斬らないなら安心だなァ〜…
生憎俺は刀には興味ないケド……でもまあ、好きなものを作りたくなるって気持ちは分かるぜ！」
(まあ、その言葉が本当かは分からないが。これから先、あるであろう"ゲーム"に巻き込まれた時。
目の前の彼女は嬉々として人に向かって刀を下ろすかもしれない。
そして、俺がその被害者になるかもしれない。
勿論、逆も然りだけど。
なんて、妄想を膨らませたところで。
でも、分かる。好きなものを作りたくなるって。
例えば、─────そう、唐揚げとかね。)
【ヒガンバナ】
「……そうか、良かった……ああ、フレンド登録しておこう！
何かしらあれば助けにいくからな！」
なんとか信用して貰えたらしいので、ほっと一安心。
そして、フレンド申請もしておく。何時でも助けられるように、信用をもっとされるように。
【唐揚げ食べたい】
「ホントォ？助けてくれるのか？ありがとなァ！んじゃ、何かあったら連絡するわ！」
(と、フレンド申請を承認し。
何かあった時にはもう遅いのだろうが、それでも登録しておく価値はある。
戦略とか、策略とか、そういう危険性は置いておいて。
だって、そういうのも全部。
"そのときになって見ないと危機なんて分からない"からね。
今は、形ばかりの"仲間(フレンド)"を増やすことにしておく。)
「にしても此処怖いよナー。本名バレたら死ぬって言ってんのに本名後悔したり、この後なんかあるのかね？」
(と、無知のフリをして呟き。
これで相手が何か食いつけば吉、食いつかなかったり相手が何も知らなければ凶。
情報にしか興味が無いんだから、ハナから期待などそんなもの。
いや、まあ。
別に、人と仲良くしたくないとは言っていない。
形ばかりのとはいえ、仲間ってのは大切だもの。
というのもまあ、演技(フェイク)かもしれないが。)
【ヒガンバナ】
「ああ、何かあれば駆け付けるし、相談にも乗ろう。」
唐揚げが裏で何を考えているかなんて気にせず、真剣に助けるつもりでいる。
「……この後か。
何かは起こるだろうな、あのアカエルとやら……ああ言う輩が、この程度の事で終わらせるとは思えないんでな。」
とは言え、こちらもそれ以上の情報が有るわけではない。
そんな、勘の様な考察しかない。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ〜…？
マッ、確かに俺もそれには同感だなァ！何やんのかね、これから。ビンゴ大会でもすんのかな〜！」
(いつもの、"ビンゴゲーム"という例え。数を打ち、クリア(ビンゴ)を目指すというもの。
嗚呼、なんだか。少しだけ似ているような気がしなくもない。数を打ち(人を殺し)、クリア(平和)を目指す。
そんな、予想。
これもただ人狼ゲームに当てはめただけのこと。自分には何も知らないし、始まってみなきゃ分からない。
でも本当に人狼が居て、その通りゲームが始まるなら。
案外、"ビンゴゲーム"という例えも間違ってはいないのかもしれない。)
「じゃあ、俺はそろそろ行くぜ。行きたいところもあるし、話したい人も居るしナ。
何かあったらそっちからも連絡くれよ！」
(ヒガンバナに背を向け、出口の方へ歩き始め。
行きたいところ、というのはついで。色々持ち運びたいものもあるし、鞄は買っておきたい。
問題としては、話したい人。
出会えるか分からないが、会えたとするなら此方としては利益となり得る可能性が高い。
そう、ソイツは。
今、話に出た。
…───"限りなく悪魔に近い天使(アカエル)"。
さあ、行こうか。
天使に会いに。…否。
鞄を買いに、ね。)
【唐揚げ食べたい】
(今まで行ってない場所に行きたいと、そう思った。だから病院に来たわけだが。
取り敢えず無人であろう病院を徘徊、「メス」を2本程手に入れて"さて、帰ろう！"と思った時。何処かから音が聞こえたような気がした。(幻聴)
やっぱりこういう雰囲気のあるところって、怖いよね。…というのは置いておいて。
武器を手にした身、余り誰かにその場を見られたくはない。…見られたからなんだ、という話でもないけど。)
「チ〜ッス…失礼しマース……」
(…と、いうことで。一部屋ずつ回っていくことにした。
いや、誰か居たからといって何かするわけではない。誰か居たらそれはそれでいろいろお話をですね、したいなと。
そんな思いで殺人鬼の如く、部屋という部屋に一つずつ入っては出て…を繰り返している。)
【ヒガンバナ】
唐揚げがとある部屋に入ると、そこは荒れ果てていた。
ベッドやカーテンなどが無惨に切り裂かれており、部屋中に散乱している。
その中心には、刀……と言うには余りにも武骨だが、刃物を持っている。
「…………ん？」
ゆっくりと、髪に赤い花が生えた女は振り返った。
【唐揚げ食べたい】
「……ギョギョギョ！？」
(あっやっべ某魚類クンみたいな声出た。
誰か居るかもしれないとは思っていたが、まさか刀紛いな武器を持っている人間が居るとは思わなかった。
びっくり。何も見なかったことにしたい。
ギギギ…
扉を閉めた。…そして、また開けた。
いや、やっぱり見て見ぬ振りはダメだろう。人間として。)
「…………誰だ？お前…
嗚呼、俺は唐揚げ食べたいってんだ！ヨロシクなお嬢ちゃん☆彡」
(取り敢えず、怒らせて一刀両断されても困る。あんまり逆鱗に触れないようにしよう。
と思ってからのこれである。"お嬢ちゃん"とか煽っているようにしか聞こえない。いや、お嬢ちゃんなんだけども…クラスメイトなのにそれはどうなのか。)
【ヒガンバナ】
「……唐揚げ……ああ、確かそんな偽名の者が居たな。
それから嬢ちゃんではなく、私はヒガンバナと言う。」
全く、偽名は好きに付けるのは構わないが、何故こんな変わった名前を付けるのだろうか。
分かりにくいったらありゃしない。
刀を腰のベルトに挿すと、ゆっくりと唐揚げに近付いていく。
「驚かせてすまない。
試し切りをしていたら、ちょっと羽目を外しすぎてしまった。」
【唐揚げ食べたい】
「ほえ〜、ヒガンちゃんね！それともハナちゃんの方がいいかな？
あ、俺は唐揚げくんでいいからね！」
(なんて、ケラケラ笑いながら名前を覚え。そして、"自身のことはこう呼べ"と。
相手が近付いて来るのに合わせ、一歩二歩と後ろに下がる。
ずっと同じくらいの距離を保っているという解釈をすれば警戒しているのだろうな…と思うだろが、余りいい気分はしない行動ではあるだろう。
まあ、相手の気分とかどうでもいいわけで。
兎に角、自分の身を守るための行動である。)
「オイオイオイ…何刃物持ってウッキウキ☆試し斬りターイム☆しちゃってんの？？え？怖くね？？お前。」
(と、動揺。そりゃ、試し斬りとか言って部屋のもの切り刻んでる人いたら"うわ…"って思っちゃうよね。
コイツやばい奴や、と。冷静に判断し。
だが、"本当にコイツもクラスメイトなのか？"とは思わず。
思うだけ愚問であろう。自分もそうだが、此処に来てから変わっていない人間など居ないのだから。…少なくとも、今まで出会った人間の中では。)
【ヒガンバナ】
「呼び方はどちらでも構わないが…………
いや、本当に私も、なんと言うか……はしゃぎすぎてしまっただけなのだ。
だからそんなに引かないでくれ頼む。」
ヒガンバナも内心「やっちまった」状態なのだ。
だからこうあからさまに引かれると傷つく。
「大丈夫だ！少なくとも人は斬らない！
ほら、男子も刀が好きなんだろう！？
作りたくなるだろう！？そう言うことだ！」
【唐揚げ食べたい】
「じゃあヒガンちゃんね！
…しょーがないなぁ！分かった！信用するぜお前の事！」
(そんなこと言って。信用する気など毛頭無いわけだが。
取り敢えず、後ろに下がるのをやめ。腰が引けているような素振りを見せて、"攻撃してくんなよ！くんなよ！"と。
(少なくとも姿上は)男なのにこの女々しさと言ったら何なのか。)
「な〜んだそっかぁ！人を斬らないなら安心だなァ〜…
生憎俺は刀には興味ないケド……でもまあ、好きなものを作りたくなるって気持ちは分かるぜ！」
(まあ、その言葉が本当かは分からないが。これから先、あるであろう"ゲーム"に巻き込まれた時。
目の前の彼女は嬉々として人に向かって刀を下ろすかもしれない。
そして、俺がその被害者になるかもしれない。
勿論、逆も然りだけど。
なんて、妄想を膨らませたところで。
でも、分かる。好きなものを作りたくなるって。
例えば、─────そう、唐揚げとかね。)
【ヒガンバナ】
「……そうか、良かった……ああ、フレンド登録しておこう！
何かしらあれば助けにいくからな！」
なんとか信用して貰えたらしいので、ほっと一安心。
そして、フレンド申請もしておく。何時でも助けられるように、信用をもっとされるように。
【唐揚げ食べたい】
「ホントォ？助けてくれるのか？ありがとなァ！んじゃ、何かあったら連絡するわ！」
(と、フレンド申請を承認し。
何かあった時にはもう遅いのだろうが、それでも登録しておく価値はある。
戦略とか、策略とか、そういう危険性は置いておいて。
だって、そういうのも全部。
"そのときになって見ないと危機なんて分からない"からね。
今は、形ばかりの"仲間(フレンド)"を増やすことにしておく。)
「にしても此処怖いよナー。本名バレたら死ぬって言ってんのに本名後悔したり、この後なんかあるのかね？」
(と、無知のフリをして呟き。
これで相手が何か食いつけば吉、食いつかなかったり相手が何も知らなければ凶。
情報にしか興味が無いんだから、ハナから期待などそんなもの。
いや、まあ。
別に、人と仲良くしたくないとは言っていない。
形ばかりのとはいえ、仲間ってのは大切だもの。
というのもまあ、演技(フェイク)かもしれないが。)
【ヒガンバナ】
「ああ、何かあれば駆け付けるし、相談にも乗ろう。」
唐揚げが裏で何を考えているかなんて気にせず、真剣に助けるつもりでいる。
「……この後か。
何かは起こるだろうな、あのアカエルとやら……ああ言う輩が、この程度の事で終わらせるとは思えないんでな。」
とは言え、こちらもそれ以上の情報が有るわけではない。
そんな、勘の様な考察しかない。
【唐揚げ食べたい】
「へぇ〜…？
マッ、確かに俺もそれには同感だなァ！何やんのかね、これから。ビンゴ大会でもすんのかな〜！」
(いつもの、"ビンゴゲーム"という例え。数を打ち、クリア(ビンゴ)を目指すというもの。
嗚呼、なんだか。少しだけ似ているような気がしなくもない。数を打ち(人を殺し)、クリア(平和)を目指す。
そんな、予想。
これもただ人狼ゲームに当てはめただけのこと。自分には何も知らないし、始まってみなきゃ分からない。
でも本当に人狼が居て、その通りゲームが始まるなら。
案外、"ビンゴゲーム"という例えも間違ってはいないのかもしれない。)
「じゃあ、俺はそろそろ行くぜ。行きたいところもあるし、話したい人も居るしナ。
何かあったらそっちからも連絡くれよ！」
(ヒガンバナに背を向け、出口の方へ歩き始め。
行きたいところ、というのはついで。色々持ち運びたいものもあるし、鞄は買っておきたい。
問題としては、話したい人。
出会えるか分からないが、会えたとするなら此方としては利益となり得る可能性が高い。
そう、ソイツは。
今、話に出た。
…───"限りなく悪魔に近い天使(アカエル)"。
さあ、行こうか。
天使に会いに。…否。
鞄を買いに、ね。)
おばけなんてないさ 3rd-26th
五番目の道化師(3rd)-ですにゃん(26th)
【五番目の道化師】
雪山の山頂付近、私はようやく辿り着いた。
誰も人が来ないことを信じて、素顔をあまり見られないようにわざわざ山登りまでして、ようやく秘湯に辿り着いた！！
「はぁ…これで、安心してお風呂に！！」
もう、ピエロメイクは外してある。
急遽借りてきたスキーウェアを脱いで、バスタオルを巻いて…さぁ、お風呂だ！！(どうやら道化師は商店街の風呂で癒しのバスタイムを邪魔されたので、今度こそゆっくりお風呂に入れると考えているのでかなーり、テンションが上がっているようだ)
【ですにゃん】
「ふぅー。」
ですにゃんは秘湯に肩までつかっていた。キグルミは何故か脱げなくなっており、頑張って脱ごうとして腕を引っ張ってわかった事は痛覚がキグルミにも広がっているって事だった。キグルミの毛を引っ張ったらとても痛かったのだ。
そのお陰でホテル近くの風呂に行ったときに風呂までたどり着く事が出来ずに水道で血のついた(血糊なのだが)足を洗うはめになった。雪国、とても寒かった。…寒かった…っ！
もう愛着がついた猫頭をすっぽりとかぶり、あったか〜…癒される〜…ともう３０分程入り続けていた。
…どうやって湯から出ればいいのか？と言う思考に目を背けて。
【五番目の道化師】
さぁ、いざ風呂へ！！というところでふと気がつく。
(あれ、誰かいる…？)
主に、キグルミの恐怖再来か。
湯から猫の頭だけ出した謎の存在がそこに居るということが把握できた。
「───ひっ！？」
ゾワリ、と背筋に悪寒が。
道化師はどうやら名前を知らない存在(ふ○なっしー)のようなキグルミに拒絶反応に近いリアクションを示すほどアレが怖かったらしい。
【ですにゃん】
悲鳴のような声にですにゃんはビクッと肩を震わせ、寒いのに湯からキグルミの手をあげ、猫頭を押さえながら視界を巡らす。
こんな秘湯に人が来るわけない。そんな何処かから生まれた自信に変な動物でもいるのか？と言う…
…熊？やっぱり、山だから熊なのか！？
頭を回す速度はぎ、ギギギとかなりゆっくりであった。…いた、…居ました。
「…白い筒？」
それは、猫頭の視界の遮りによってバスタオル部分しか見えていない為、そんなことを言う。ほとんど寝るように入っていたが、白い筒に興味が湧き寒いが座り直し近くに寄ろうと動く。
【五番目の道化師】
(ひぃ！？なんか近づいてきた！？)
黒い猫頭がゆっくりと近づいてくる！
道化師は慌てて湯から離れようとするが───その足場は凍りついていた！！道化師は後ろへ下がろうとして、ツルリと足を滑らせることとなった。
「きゃわ…っ！？」
道化師は見事にバシャン！と大きな音をたてて湯の中に落ちてしまった。
【ですにゃん】
バッシャーンと水飛沫が上がり、なんか落ちた？！とその場所をまじまじと見る。驚きのあまり声はでなかった。
悲鳴？え？人間？こんな所に？え？…え！？
「…ぁ…、だ、大丈夫、です…、か？」
とても変な秘湯の入りかただった。そんなに秘湯に入るのが楽しみだったんだな、と思う。だが、風呂に飛び込みで入るのは危ない。
あの入り方頭をぶつけているかもしれない。
【五番目の道化師】
正直、かなり危なかった。
咄嗟に受け身を取る練習をしてなかったら完全に頭を打っていた落ちかただった。
「ぷは…っ、はぁ、はぁ…(死ぬかとおもい───)ッ、ひぃ！！お化け！！」
猫の頭を指差してバッと距離を取った。
以前出会ってしまった(別物の)キグルミへの恐怖は忘れない
【ですにゃん】
「おば…？…っオバケ！！？」
ですにゃんはこちらに向いて言っているのに気づかず、オバケの言葉にビビりその発言した人の隣にﾋﾞｭｰﾝと逃げる。
30分秘湯に入っていたのだ、この人が言ってる事が本当ならおれは、いや、いつからオバケと混浴していたんだろう？とｶﾀｶﾀと揺れる。
【五番目の道化師】
(な、なんで隣に来るの！？)
隣に移動してきたキグルミから逃げるように走って秘湯内を移動する。
「お化けいやぁ！！」
【ですにゃん】
「ま、まて、まって！置いてかないで…」
ですにゃんもオバケが怖い。つい先に逃げる人を追いかけてしまう。
恐怖でﾊﾞｸﾊﾞｸと心臓がなっているのがわかる。涙が出、こんなとこに秘湯があって人気がないのはオバケのせいだったんだっ！と秘湯に対するトラウマが刻まれていく。
【五番目の道化師】
「ついて、来ないでってばぁ！！」
咄嗟に投げるは、バスタオルとサラシの合間に隠すように持ち歩いていた<文鎮>。それは、なんの偶然か手が滑り、ですにゃんには当たらず真上の方を通り──遥か後方へと飛んでいった。
「なんで、当たらないの！！」
【ですにゃん】
「オバケだ…ごぼごぼ、オバケ実体ないからだよぉ…っ」
恐怖に恐怖に恐怖。あまりに大きな声を出しすぎて咳き込む。そして重そうな…何かを、そう、あればまさに<文鎮>…をですにゃんの遥か後ろにぽぉーんと投げられ、ですにゃんは、オバケの場所を把握したぜ！と言わんばかりに文鎮の落下場所から反対方向に走り、秘湯から冷たい雪がある地面に上がる。
「……ごめんなさいっ」
それは見捨ててごめん、という謝罪。もう、寒いとか関係なしに、ただただ怖い。ですにゃんは走り…逃げ去っていった。
【五番目の道化師】
文鎮を怖がったのか反対方向に逃げていくキグルミ。
道化師は咄嗟に文鎮を投げた方向に逃げ出した。
「もういや！！秘湯なんて二度と来ない！！」
自分が着用していたスキーウェアを急いで回収して秘湯から逃げるように立ち去った。
【五番目の道化師】
雪山の山頂付近、私はようやく辿り着いた。
誰も人が来ないことを信じて、素顔をあまり見られないようにわざわざ山登りまでして、ようやく秘湯に辿り着いた！！
「はぁ…これで、安心してお風呂に！！」
もう、ピエロメイクは外してある。
急遽借りてきたスキーウェアを脱いで、バスタオルを巻いて…さぁ、お風呂だ！！(どうやら道化師は商店街の風呂で癒しのバスタイムを邪魔されたので、今度こそゆっくりお風呂に入れると考えているのでかなーり、テンションが上がっているようだ)
【ですにゃん】
「ふぅー。」
ですにゃんは秘湯に肩までつかっていた。キグルミは何故か脱げなくなっており、頑張って脱ごうとして腕を引っ張ってわかった事は痛覚がキグルミにも広がっているって事だった。キグルミの毛を引っ張ったらとても痛かったのだ。
そのお陰でホテル近くの風呂に行ったときに風呂までたどり着く事が出来ずに水道で血のついた(血糊なのだが)足を洗うはめになった。雪国、とても寒かった。…寒かった…っ！
もう愛着がついた猫頭をすっぽりとかぶり、あったか〜…癒される〜…ともう３０分程入り続けていた。
…どうやって湯から出ればいいのか？と言う思考に目を背けて。
【五番目の道化師】
さぁ、いざ風呂へ！！というところでふと気がつく。
(あれ、誰かいる…？)
主に、キグルミの恐怖再来か。
湯から猫の頭だけ出した謎の存在がそこに居るということが把握できた。
「───ひっ！？」
ゾワリ、と背筋に悪寒が。
道化師はどうやら名前を知らない存在(ふ○なっしー)のようなキグルミに拒絶反応に近いリアクションを示すほどアレが怖かったらしい。
【ですにゃん】
悲鳴のような声にですにゃんはビクッと肩を震わせ、寒いのに湯からキグルミの手をあげ、猫頭を押さえながら視界を巡らす。
こんな秘湯に人が来るわけない。そんな何処かから生まれた自信に変な動物でもいるのか？と言う…
…熊？やっぱり、山だから熊なのか！？
頭を回す速度はぎ、ギギギとかなりゆっくりであった。…いた、…居ました。
「…白い筒？」
それは、猫頭の視界の遮りによってバスタオル部分しか見えていない為、そんなことを言う。ほとんど寝るように入っていたが、白い筒に興味が湧き寒いが座り直し近くに寄ろうと動く。
【五番目の道化師】
(ひぃ！？なんか近づいてきた！？)
黒い猫頭がゆっくりと近づいてくる！
道化師は慌てて湯から離れようとするが───その足場は凍りついていた！！道化師は後ろへ下がろうとして、ツルリと足を滑らせることとなった。
「きゃわ…っ！？」
道化師は見事にバシャン！と大きな音をたてて湯の中に落ちてしまった。
【ですにゃん】
バッシャーンと水飛沫が上がり、なんか落ちた？！とその場所をまじまじと見る。驚きのあまり声はでなかった。
悲鳴？え？人間？こんな所に？え？…え！？
「…ぁ…、だ、大丈夫、です…、か？」
とても変な秘湯の入りかただった。そんなに秘湯に入るのが楽しみだったんだな、と思う。だが、風呂に飛び込みで入るのは危ない。
あの入り方頭をぶつけているかもしれない。
【五番目の道化師】
正直、かなり危なかった。
咄嗟に受け身を取る練習をしてなかったら完全に頭を打っていた落ちかただった。
「ぷは…っ、はぁ、はぁ…(死ぬかとおもい───)ッ、ひぃ！！お化け！！」
猫の頭を指差してバッと距離を取った。
以前出会ってしまった(別物の)キグルミへの恐怖は忘れない
【ですにゃん】
「おば…？…っオバケ！！？」
ですにゃんはこちらに向いて言っているのに気づかず、オバケの言葉にビビりその発言した人の隣にﾋﾞｭｰﾝと逃げる。
30分秘湯に入っていたのだ、この人が言ってる事が本当ならおれは、いや、いつからオバケと混浴していたんだろう？とｶﾀｶﾀと揺れる。
【五番目の道化師】
(な、なんで隣に来るの！？)
隣に移動してきたキグルミから逃げるように走って秘湯内を移動する。
「お化けいやぁ！！」
【ですにゃん】
「ま、まて、まって！置いてかないで…」
ですにゃんもオバケが怖い。つい先に逃げる人を追いかけてしまう。
恐怖でﾊﾞｸﾊﾞｸと心臓がなっているのがわかる。涙が出、こんなとこに秘湯があって人気がないのはオバケのせいだったんだっ！と秘湯に対するトラウマが刻まれていく。
【五番目の道化師】
「ついて、来ないでってばぁ！！」
咄嗟に投げるは、バスタオルとサラシの合間に隠すように持ち歩いていた<文鎮>。それは、なんの偶然か手が滑り、ですにゃんには当たらず真上の方を通り──遥か後方へと飛んでいった。
「なんで、当たらないの！！」
【ですにゃん】
「オバケだ…ごぼごぼ、オバケ実体ないからだよぉ…っ」
恐怖に恐怖に恐怖。あまりに大きな声を出しすぎて咳き込む。そして重そうな…何かを、そう、あればまさに<文鎮>…をですにゃんの遥か後ろにぽぉーんと投げられ、ですにゃんは、オバケの場所を把握したぜ！と言わんばかりに文鎮の落下場所から反対方向に走り、秘湯から冷たい雪がある地面に上がる。
「……ごめんなさいっ」
それは見捨ててごめん、という謝罪。もう、寒いとか関係なしに、ただただ怖い。ですにゃんは走り…逃げ去っていった。
【五番目の道化師】
文鎮を怖がったのか反対方向に逃げていくキグルミ。
道化師は咄嗟に文鎮を投げた方向に逃げ出した。
「もういや！！秘湯なんて二度と来ない！！」
自分が着用していたスキーウェアを急いで回収して秘湯から逃げるように立ち去った。
道化師の受難(？)・社交性オネェ編 2nd-3rd
みかんちゃん(2nd)-五番目の道化師(3rd)
【みかんちゃん】
オネェさん！今日はどこにいるのぉ？
オネェさんはね、今日はショッピングモールに来ているよ♡
てなわけで現在ショッピングモール中。
特に目標があるわけではなくなんか面白いものないかしら程度のお買い物。
ついでに人に会えればそれに越したことはないのだけれど。
「あ、プラネタリウムもあるのね。ロマンチックだわぁ♡」
暇である。
【五番目の道化師】
南エリアのショッピングモール。
そうとう規模が大きいショッピングモールのようで、映画館やプラネタリウムなども入っているらしい。
とりあえず、案内掲示板とかを見てショッピングモールを歩いていると…なんか、人がいる。
「こんにちわ？」
とりあえず、話しかけといた方がいいのかな？って感じで話しかけてみる。
【みかんちゃん】
おや、人の声が何処からか聞こえてきた。
どうやら人がいたみたi……………
「ぬぉぉおっ！？？(超低音)」
そこにいたのは紛うことなきピエロ。
思わず素で飛び出た声に咳払い。
うふ、ごめんあそばせ♡
「んっんん…びっくりしたわぁぁあ…なに？え？あなたそれ何なのよ？怖っ！？超怖いんだけどぉ…」
自分の肩を抱くような素振りをしながら引き気味にピエロに対して怖いを連呼。
【五番目の道化師】
「…ピエロでぇ、悪かったでぇすねぇ…」
少しむすっとしながら女口調の男を見て…『ピエロは笑わなきゃ』と慌てて笑顔を浮かべ
「ワタクシィ、五番目の道化師と申しまぁす☆貴方の名前を教えてくださぁい！」
なるべくテンションを高めに言ってみるが…うん、怖がられたからショックを受けてむしろ落ち込み…うん。
【みかんちゃん】
急に登場したピエロにうひゃあ…とか思ってはいたが、ピエロと連呼したことに不貞腐れたあたり恐らく実際はそう怖くもない子なのかもしれない。
だとしたらピエロになるとはよっぽど引きが悪いのでは？
ちょっとだけ申し訳なくなるから心の中で謝っておこうそうしましょう。
と、思ったが、
「ふぅん、なっがい名前ねぇ？ピエロちゃんじゃダメかしら？あ、私はみかんちゃんよ。可愛いくて覚えやすいでしょう？？」
長すぎる名前にまたもやつっこむ。
そしてもはや偽名のカケラもないピエロに命名。
覚えづらいもの。
【五番目の道化師】
ピエロが当たったのではなく、自分でピエロメイクしているだけなのだが。とりあえず『ピエロ』だろうが『道化師』だろうが自分しかピエロはいないのでそれでいいや。と。
「えぇ、えぇ！ワタクシィのことは<ピエロ>と呼んでくださぁい！！番号で呼ばれてしまうとぉ3なのかぁ5なのかぁよぉくわからなくなってぇしまいまぁすからねぇ☆」
うん、本当なんで<五番目の道化師>なのに<3rd>なんだろう。ややこしくてしかたない。
「よろぉしくでぇす☆みかんちゃんさぁん☆」
【みかんちゃん】
「…えぇ、よろしくねピエロちゃん？」
思わずちょっと間が空いてしまった。
……………うん、やっぱりちょっとキモい。
けど、視点を変えるのよオネェ｡
あれはあちらの偽りの姿性格であって実際あんなやつはいない。実はガチムチかもしれないし実はガチムチかもしれない。
そう、ガチムチなのかもしれない。
あ、興奮してきた…じゃない、落ち着いた。
「うふ、とりあえずそうね…せっかく出会った人間同士フレンド登録しないかしら？あなたもこの世界に迷い込んだうちの一人なのでしょ？」
【五番目の道化師】
「いいでぇすよ！」
そう言って端末をいじり、フレンド追加する。
「ところぉで、なぁんでぇ、みなさぁんピエロ嫌いなんでしょうかぁ？」
やっぱり、落ち込む。
だって、道化師(自分的に)は『ピエロ=かわいい』ものとしてみていたから理由がわからない。なんで、かわいいものを怖がるの？って感じである。
【みかんちゃん】
申請承認を終えると落ち込み気味に告げる彼女のほうを見て小首を傾げた。
「そりゃあそうよ。ほら、考えてもご覧なさいな。例えばピエロじゃなくとも一人でいるときに厚化粧のミニスカオジサンが声をかけてきたらビビるじゃない？それと同義よ。」
そんなシチュエーションないけど。
まぁ、つまるところ自分の認識外の、想定外の存在を前にしたとき人間はそれの異質さに気味が悪いと思う。本能的に。
いや、そっちで説明しろよオネェとか言わないで頂戴よ。頭お堅い説明したくないもの。
【五番目の道化師】
「ミニスカオジサぁン？どうしてぇ、オジサンがぁミニスカ履くんでぇすかぁ？」
想像ができない道化師。
いや、身近にそんな人いないし。いたとしても性別がわからないほど女装してるし。
とりあえず、わからないから笑っとく。
「最近ではぁ男性もぉ女性のぉ格好をしてるのがぁ流行りなんでぇすかぁ？」
【みかんちゃん】
「やぁね、例えよ例え？いたら怖いじゃないのよ。」
遠回しにピエロがうろちょろしているのが怖いといっているようなものだけどだいぶオブラートに包んだのだから私の優しさ♡
「怖がられたくないならお化粧落としたらどうなのよ？ほら？」
そしてピエロの最もなるチャームポイントを剥がせばいいと提案。酷くない。優しさよ。
【五番目の道化師】
「…あー、なるほどぉ、だけどぉ！メイクは外したくありませぇん☆だってぇ、メイクにかなぁり時間(四時間)をかけてるんでぇすからぁ！」
慣れないメイクなこともあり、結構大変なのだ。
その苦労を水の泡にしたくない。
「落とすのにもぉ、時間(１時間)かかるんでぇす☆」
つまり、メイクをして、落とすだけでも一日のうち五時間は無駄にしている可能性があると…
【みかんちゃん】
彼女の言い分ではっとした。
そうか、つまりこの子にとってこのピエロメイクは
「乙女の、勝負メイクってわけね。」
さも勝負下着的なノリでそんなことを言ってるが正直勝負メイクってなんなんだろうか。
わからないけどまぁ、それっぽいじゃない？
「簡単に落とせなんてすっぴん言わば乙女の岩石を晒せと言ったも過言ではない。ぁぁあん、私はなんという惨いことをあなたに言ってしまったのかしら！！ごめんなさいね？」
違うと思う。
だけどオネェは全力で申し訳なさそうに謝罪する。
乙女の気持ちがわかるオネェ様ですから。
【五番目の道化師】
違うよ、みかんちゃんさん。
このメイクは確かに重要だけど勝負の為のメイクだったらナチュナルメイクにしていくよ。誰がこんなふざけたメイクを勝負メイクにしていくんだ？
(わたし、ピエロメイク以外にメイクしたことないっ！？)
恋愛してみたいなぁ…とか言う以前に化粧のひとつでもチャレンジしたほうが女子力上がったの！？なんて、別なことに衝撃をうけてる道化師。
「みかんちゃんさあん、気にしないでくださぁいワタクシィ、気にしてませぇん。」
次はピエロメイク以外にもチャレンジしてみようかな。
【みかんちゃん】
「そぉう？ならいいのだけれど…あ、あと私にさん付けは不要よ？ちゃんって呼ばれたいのよ♡」
ちゃんさんとか語呂悪いしなんて付け加えてうぃんくしてみせる。
お化粧にこだわる乙女ということはわかった(わかってない)。
これは同盟のとき！！！！
「ね、ピエロちゃん。せっかくの乙女同士…なにか合ったときは協力するわ。こんなわけわからない状況で一人だと不安だもの。ね？」
手を握って微笑む動作口調諸々女子そのものだから混乱するが男がこれをやっているからやばみがある気もする。
【五番目の道化師】
「えぇ、よろしくでぇす☆」
めっちゃテンション高くなった。これは親友になるチャンス☆的に受け取ったのだろう。とりあえず、中の人の感想を言おう。
───ピエロとオネェの同盟ってやばくね？
【みかんちゃん】
「うふふ、嬉しいわぁ〜♡それじゃあ情報交換以外にも暇な時連絡頂戴な？」
女子かよこいつとか言わないで乙女だもの(迫真)
きゃっきゃうふうふしてるのがまともな女子二人なら可愛いものだが外面180超の男とピエロ女がきゃっきゃうふうふしてるのだからこれは怖い。
怖すぎる(中の人感)
「それじゃあ、そろそろ私は行くわね？まだ色々とみたいものもあるし…それじゃあ、ちゃお☆」
【みかんちゃん】
オネェさん！今日はどこにいるのぉ？
オネェさんはね、今日はショッピングモールに来ているよ♡
てなわけで現在ショッピングモール中。
特に目標があるわけではなくなんか面白いものないかしら程度のお買い物。
ついでに人に会えればそれに越したことはないのだけれど。
「あ、プラネタリウムもあるのね。ロマンチックだわぁ♡」
暇である。
【五番目の道化師】
南エリアのショッピングモール。
そうとう規模が大きいショッピングモールのようで、映画館やプラネタリウムなども入っているらしい。
とりあえず、案内掲示板とかを見てショッピングモールを歩いていると…なんか、人がいる。
「こんにちわ？」
とりあえず、話しかけといた方がいいのかな？って感じで話しかけてみる。
【みかんちゃん】
おや、人の声が何処からか聞こえてきた。
どうやら人がいたみたi……………
「ぬぉぉおっ！？？(超低音)」
そこにいたのは紛うことなきピエロ。
思わず素で飛び出た声に咳払い。
うふ、ごめんあそばせ♡
「んっんん…びっくりしたわぁぁあ…なに？え？あなたそれ何なのよ？怖っ！？超怖いんだけどぉ…」
自分の肩を抱くような素振りをしながら引き気味にピエロに対して怖いを連呼。
【五番目の道化師】
「…ピエロでぇ、悪かったでぇすねぇ…」
少しむすっとしながら女口調の男を見て…『ピエロは笑わなきゃ』と慌てて笑顔を浮かべ
「ワタクシィ、五番目の道化師と申しまぁす☆貴方の名前を教えてくださぁい！」
なるべくテンションを高めに言ってみるが…うん、怖がられたからショックを受けてむしろ落ち込み…うん。
【みかんちゃん】
急に登場したピエロにうひゃあ…とか思ってはいたが、ピエロと連呼したことに不貞腐れたあたり恐らく実際はそう怖くもない子なのかもしれない。
だとしたらピエロになるとはよっぽど引きが悪いのでは？
ちょっとだけ申し訳なくなるから心の中で謝っておこうそうしましょう。
と、思ったが、
「ふぅん、なっがい名前ねぇ？ピエロちゃんじゃダメかしら？あ、私はみかんちゃんよ。可愛いくて覚えやすいでしょう？？」
長すぎる名前にまたもやつっこむ。
そしてもはや偽名のカケラもないピエロに命名。
覚えづらいもの。
【五番目の道化師】
ピエロが当たったのではなく、自分でピエロメイクしているだけなのだが。とりあえず『ピエロ』だろうが『道化師』だろうが自分しかピエロはいないのでそれでいいや。と。
「えぇ、えぇ！ワタクシィのことは<ピエロ>と呼んでくださぁい！！番号で呼ばれてしまうとぉ3なのかぁ5なのかぁよぉくわからなくなってぇしまいまぁすからねぇ☆」
うん、本当なんで<五番目の道化師>なのに<3rd>なんだろう。ややこしくてしかたない。
「よろぉしくでぇす☆みかんちゃんさぁん☆」
【みかんちゃん】
「…えぇ、よろしくねピエロちゃん？」
思わずちょっと間が空いてしまった。
……………うん、やっぱりちょっとキモい。
けど、視点を変えるのよオネェ｡
あれはあちらの偽りの姿性格であって実際あんなやつはいない。実はガチムチかもしれないし実はガチムチかもしれない。
そう、ガチムチなのかもしれない。
あ、興奮してきた…じゃない、落ち着いた。
「うふ、とりあえずそうね…せっかく出会った人間同士フレンド登録しないかしら？あなたもこの世界に迷い込んだうちの一人なのでしょ？」
【五番目の道化師】
「いいでぇすよ！」
そう言って端末をいじり、フレンド追加する。
「ところぉで、なぁんでぇ、みなさぁんピエロ嫌いなんでしょうかぁ？」
やっぱり、落ち込む。
だって、道化師(自分的に)は『ピエロ=かわいい』ものとしてみていたから理由がわからない。なんで、かわいいものを怖がるの？って感じである。
【みかんちゃん】
申請承認を終えると落ち込み気味に告げる彼女のほうを見て小首を傾げた。
「そりゃあそうよ。ほら、考えてもご覧なさいな。例えばピエロじゃなくとも一人でいるときに厚化粧のミニスカオジサンが声をかけてきたらビビるじゃない？それと同義よ。」
そんなシチュエーションないけど。
まぁ、つまるところ自分の認識外の、想定外の存在を前にしたとき人間はそれの異質さに気味が悪いと思う。本能的に。
いや、そっちで説明しろよオネェとか言わないで頂戴よ。頭お堅い説明したくないもの。
【五番目の道化師】
「ミニスカオジサぁン？どうしてぇ、オジサンがぁミニスカ履くんでぇすかぁ？」
想像ができない道化師。
いや、身近にそんな人いないし。いたとしても性別がわからないほど女装してるし。
とりあえず、わからないから笑っとく。
「最近ではぁ男性もぉ女性のぉ格好をしてるのがぁ流行りなんでぇすかぁ？」
【みかんちゃん】
「やぁね、例えよ例え？いたら怖いじゃないのよ。」
遠回しにピエロがうろちょろしているのが怖いといっているようなものだけどだいぶオブラートに包んだのだから私の優しさ♡
「怖がられたくないならお化粧落としたらどうなのよ？ほら？」
そしてピエロの最もなるチャームポイントを剥がせばいいと提案。酷くない。優しさよ。
【五番目の道化師】
「…あー、なるほどぉ、だけどぉ！メイクは外したくありませぇん☆だってぇ、メイクにかなぁり時間(四時間)をかけてるんでぇすからぁ！」
慣れないメイクなこともあり、結構大変なのだ。
その苦労を水の泡にしたくない。
「落とすのにもぉ、時間(１時間)かかるんでぇす☆」
つまり、メイクをして、落とすだけでも一日のうち五時間は無駄にしている可能性があると…
【みかんちゃん】
彼女の言い分ではっとした。
そうか、つまりこの子にとってこのピエロメイクは
「乙女の、勝負メイクってわけね。」
さも勝負下着的なノリでそんなことを言ってるが正直勝負メイクってなんなんだろうか。
わからないけどまぁ、それっぽいじゃない？
「簡単に落とせなんてすっぴん言わば乙女の岩石を晒せと言ったも過言ではない。ぁぁあん、私はなんという惨いことをあなたに言ってしまったのかしら！！ごめんなさいね？」
違うと思う。
だけどオネェは全力で申し訳なさそうに謝罪する。
乙女の気持ちがわかるオネェ様ですから。
【五番目の道化師】
違うよ、みかんちゃんさん。
このメイクは確かに重要だけど勝負の為のメイクだったらナチュナルメイクにしていくよ。誰がこんなふざけたメイクを勝負メイクにしていくんだ？
(わたし、ピエロメイク以外にメイクしたことないっ！？)
恋愛してみたいなぁ…とか言う以前に化粧のひとつでもチャレンジしたほうが女子力上がったの！？なんて、別なことに衝撃をうけてる道化師。
「みかんちゃんさあん、気にしないでくださぁいワタクシィ、気にしてませぇん。」
次はピエロメイク以外にもチャレンジしてみようかな。
【みかんちゃん】
「そぉう？ならいいのだけれど…あ、あと私にさん付けは不要よ？ちゃんって呼ばれたいのよ♡」
ちゃんさんとか語呂悪いしなんて付け加えてうぃんくしてみせる。
お化粧にこだわる乙女ということはわかった(わかってない)。
これは同盟のとき！！！！
「ね、ピエロちゃん。せっかくの乙女同士…なにか合ったときは協力するわ。こんなわけわからない状況で一人だと不安だもの。ね？」
手を握って微笑む動作口調諸々女子そのものだから混乱するが男がこれをやっているからやばみがある気もする。
【五番目の道化師】
「えぇ、よろしくでぇす☆」
めっちゃテンション高くなった。これは親友になるチャンス☆的に受け取ったのだろう。とりあえず、中の人の感想を言おう。
───ピエロとオネェの同盟ってやばくね？
【みかんちゃん】
「うふふ、嬉しいわぁ〜♡それじゃあ情報交換以外にも暇な時連絡頂戴な？」
女子かよこいつとか言わないで乙女だもの(迫真)
きゃっきゃうふうふしてるのがまともな女子二人なら可愛いものだが外面180超の男とピエロ女がきゃっきゃうふうふしてるのだからこれは怖い。
怖すぎる(中の人感)
「それじゃあ、そろそろ私は行くわね？まだ色々とみたいものもあるし…それじゃあ、ちゃお☆」
食べ物関係かもしれないけれど 2nd-18th
みかんちゃん(2nd)-唐揚げ食べたい(18th)
【唐揚げ食べたい】
「…………んー、とまぁ…こんなもんか」
(此処はそう、山奥のペンション。食堂のその奥、厨房にて。
彼は醤油と唐揚げの素、そしてお肉やわらかの素をキッチンに置いて。…そしてうーうーと唸っていた。
ハサミで買ったTシャツをいくつかの布切れとして切り。…それ以外することがない。
あー、お酒買うべきか。でも未成年だしな、と。
そんなわけで、気が変わったのか別のことを並行してしようと思ったのか。その辺にあった瓶に油を入れた。)
「……よし、取り敢えず肉と酒と…あと何だ？
まァ、いっか！取りに行こ〜っと。」
(所持品をコロパットで撮れば、全てビニール袋に詰め持ち歩き。
そうして、彼はペンションから出ようと、まず厨房から離れ。
現在、食堂を歩いているところである。)
【みかんちゃん】
お腹が空いた。
いや、うん、当たり前。
だって色々と観光したりなんだのしているけれど今のところ口にしたのは温泉饅頭くらいだったもの。
ホテルで自ら調理を済ませるというのも手ではあるのだが、ホテルに帰るには空腹に耐えきれず、故にこのペンションの食堂へと立ち寄った。
ぐるりと見渡して、おや、奥の厨房から人が？
なんて。
明らかにこの雪国に置ける商い専用AIみたいな奴ではない人間が出てきた。
勿論、見たことない。
初めましてね。此処では。
「はぁい、ご機嫌いかがかしらぁ？」
歩いてくる彼に笑顔で呼びかける。
第一印象コレ大事。
私が彼をあ、可愛い♡と思ったのと同様。
見境ないオネェとかいわないでね？
喜んじゃうから。
【唐揚げ食べたい】
「…………ぉほ？」
(よーし外行くぞーバリバリー！と思っていたら、話しかけられた。
話しかけられた、ということはNPCではないはず。
じゃあ、やっぱりクラスメイトか。…なんて思い、言葉を綴ろう。
いきなり話しかけられて酷くマヌケな声が出たのは気にしてはいけない。
彼は元々マヌケだ。そう、マヌケなのだ。気にしてはいけない。いいね？)
「おっ、チーッス！チッス！チッスチッス！！
お前誰だ？海神学園の人間か？？
俺は"唐揚げ食べたい"っつーんだ！唐揚げくんって呼んでくれよなッ☆彡」
(と、いつもの。当たり障りの無い"俺"の自己紹介、そして質問。…いや、少し煽ってる感じだから当たり障りがないわけじゃ無いけど。
だー！もう、どうでもいいんだそんな細かいことは。バカだからよく分かんねぇってことにしとこ。
彼の口調。ちょっとだけ引っかかった。
だって女口調だから。…でも、よく考えたらこんな場所で口調を偽るなんて当たり前だよな、と。
だから、気にしないでおいた。ソッとしておこう。)
【みかんちゃん】
「んっんー、唐揚げ食べたいは長いから唐揚げクンにしとくわねん♡」
唐揚げ食べたいって共有チャットに結構な頻度で顔出ししていたっけ？
唐揚げか……、私も食べたい(意味深)
あらやだ、意味深が勝手についてきたわ、やぁねぇ。勝手についてきただけだから。別にただ唐揚げが食べたいだけだから(意味深)
「そぉよ、海神学園の乙女ことみかんちゃんよ♡みんなの女神になるみかんちゃんだから今後以後よろしくして頂戴な？」
なんかあちらの自己紹介が始まったからこちらもしなければならない。テンプレとかなぁんも考えてないのでとりあえず乙女ゴリ押ししておいた。
乙女マシマシオネェ。
「んで、厨房から出てきたみたいだけれど…何してたのかしら？」
【唐揚げ食べたい】
「おう！みかんちゃんナ！OKだぜ。
フレンド申請しておくぞ、"何かあったとき"に個別に連絡出来るのは楽だからなァ！」
(と、言いながらコロパットを開き。そのままみかんちゃんへとフレンド申請をする。
承認したならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが飛んでくるであろう。…まあ、これも最早テンプレなわけだが。
彼(彼女)の挨拶については特に反応せず。生き残る為には演技は必要だし、自分も似たようなことやってるからね仕方ないね！)
「おおん？ただ唐揚げ作ろうと思って買ってきたもの確認してただけだぞ。
…まァ、鶏肉買うの忘れたんだけどなァ！ナハハ！」
(と、冗談のような本当のことを返す。嘘は言っていない。実際に一度買ったものを出して確認してたのだ。
…まあ、隠し事がないとは言ってないけどね。
と言っても。ハサミで布を切ったり、油を入手したくらいだが。)
「腹が減っては戦はできぬ！って言うダロ？
マッ、そういうことよ！…何かこの雪山胡散臭いし、この後も何か起きそうだしなぁ〜」
【みかんちゃん】
「おーけぇおーけぇ。」
フレ登録は断る理由なし。
貴重な第二男性陣だもの。
最初此処に来たときに比べて誰しも構わずフレ登録をするのはもう誰もかもが気づいているからなのだろうななんて他人事のように頭の隅で考えて、
気にしないでおいた。
「ふぅん？唐揚げ作るのに鶏肉買うの忘れるなんてとんだおっちょこちょいなのねぇ♡」
唐揚げ食べたいだから唐揚げ食べる…うぅんこのカオス。
「と、まぁ、その考え方は一理あるわ。けど、思うのはどうしてその起きるかもわからない何かに固執するのかしらん？
ほら、放送でも言ってたじゃないの…
なんとかキボウプログラム？みたいなやつ。
あれかもしれないじゃなぁい？」
なんて馬鹿みたいにお気楽に言っては小首を傾げて笑ってみせた。
【唐揚げ食べたい】
「てへ☆」
("おっちょこちょいだ"と言われては、まるで"てへぺろ☆"とでもいうようなポーズ。
まあ、おっちょこちょいであることに変わりはないか。実際鶏肉忘れてるわけだし。
あー、唐揚げ食べてぇ。
とか、考えてんだろうな。俺。)
「まぁ〜な〜。そこ！そこなんだよ。確証が無いってのがイタイよな〜。"証拠"が無いからあくまで推測でしかねぇもん。
マッ、でも。その"ユキグニ・キボウ・プログラム"だとしても、ある意味戦っつーか。
だからよ、“何が起こってもいいように”飯を食いたかったわけよ。俺はな。」
(お前は知らんけど、とでも言うように。
でも、…どうせ。"みんなが気付き始めてる次の展開"になるのだろうな、なんて。
だって、本当に"ユキグニ・キボウ・プログラム"なんだとしたら。
先程出会った9thの彼女が俺に聞いてきたように、本名がバレて死ぬなんてスリルのあるルールを作るわけない。
"姿、名前が違う中で絆を作れるか"ということだったとしても、わざわざ死ぬなんてそんな非人道的な───。
まあ。
そんなのも、ただの憶測でしか無いけど。)
「だからよ、お前も万が一の為に色々用意したほうがいいぜ！
武器までとは行かなくても、ホラ。護身用の蜜柑とかナ。」
【みかんちゃん】
「まぁ、それもそうよねぇ〜」
推測、だなんて言って確証してるんでしょうに。
現に誰もが本名を口にしてみようなぞ馬鹿げたチャレンジをしていないのだから。
仲良しこよしのゲームに疑心暗鬼埋め込むルールがある時点でキボウプログラムとか陳腐な後付けに過ぎない。
なんて、私は知らない。
別に知らないフリ気づかないフリとかではなくてね。
不安を紛らわすため？
そういうことにしておこう。
ほら、現実から目を背けるのが人間だもの。
「んっんー、武器は物騒だから兎に角として…けど万が一を考えておかなくちゃバカンスにはトラブルが付き物だものね♡」
だから敢えてバカンスなんて言葉を使ってみる。
彼が共有チャットでバカンスなのだと言ったのだからこれはバカンスなのだと。
【唐揚げ食べたい】
「そう！！
ドキッ☆偽名だらけの雪山バカンス！＼トラブルもあるよ！／っつーわけよ。」
(と、巫山戯ているように適当な一言。然し、共有チャットにもこんな感じで書いてるわけだから何ら問題はない。
まあ、早くも真相に気付き始めている…ような人間もいたわけだし。
その逆の、何も気付かずただただ言われた通りバカンスを楽しむ人間も居るのだろう、と。
目の前の人間を見て思うわけだが。
嗚呼、いや。彼がそうとは知らないが。
だから、取り敢えず。
…ただただ勝手な憶測を立てながら、バカンスを楽しんでいる悪趣味な人間を装っておいた。
装い、なんて言って。…本当に悪趣味なだけかもしれないけど。)
「マッ、一緒にバカンス楽しもうぜぇ！
なんてったって"人生は一度きり"だからなァ！」
(そう、一度きり。"もし"巻き戻ることができたら、なんて思うけど。
人生に"もし"なんて無いもんで。非情なもんだよな。
あ、今いいこと言った。スクショして晒していいよ。やっぱやめて石投げないで。)
【みかんちゃん】
──……。
［一度きりの人生］だとか。
［一度きり］とか。
［人生］とか。
いや、もう手遅れでしょ。
いや、いや、いや、訂正。
「そうそう！人生は一度きりだもの！ありのまま後悔ないようにしなくっちゃっ♡」
肯定。
危ないところでしたね。
「──さっ、そうと決まれば私はお腹を満たさなくっちゃ！！あなたと話していたら唐揚げ食べたくなっちゃったから今日のご飯は決定ねん。」
なぁんて掌叩いて笑ってみせる。
そういえばここにきた理由はお腹が空いたからだったのに、ついかわい子ちゃんがいるものだからお喋りに夢中になってしまった。
乙女の弾丸トークってやつね。
【唐揚げ食べたい】
「ああ！後悔の無いように。
──────"一緒に"楽しもうな！」
(……────そうか、なるほど。
"後悔"とか、そういうの。彼は、抵抗がない奴か。
どうにも、苦手だ。
反吐が出る。
嗚呼、いや。嘘さ。
「初対面」の人間に期待するほど、アホじゃない。バカでは、あるけど。
だから、刹那に出てしまった冷酷な表情も。
きっと、気の所為だ。)
「────おう！唐揚げは美味いからな、いっぱい食べれば元気モリモリだぜ！
んじゃ、俺は肉買いに行ってくっからよ。」
(そう、一言。まあ、戻って来るつもりは無いけど。
この場から離れようと、彼の真横を通り過ぎ。
一瞬何処かから香った甘い匂いは、幻なのだと。
そうだと、願いたい。
───…こういうの、頭が痛くなるんだよな…。)
【唐揚げ食べたい】
「…………んー、とまぁ…こんなもんか」
(此処はそう、山奥のペンション。食堂のその奥、厨房にて。
彼は醤油と唐揚げの素、そしてお肉やわらかの素をキッチンに置いて。…そしてうーうーと唸っていた。
ハサミで買ったTシャツをいくつかの布切れとして切り。…それ以外することがない。
あー、お酒買うべきか。でも未成年だしな、と。
そんなわけで、気が変わったのか別のことを並行してしようと思ったのか。その辺にあった瓶に油を入れた。)
「……よし、取り敢えず肉と酒と…あと何だ？
まァ、いっか！取りに行こ〜っと。」
(所持品をコロパットで撮れば、全てビニール袋に詰め持ち歩き。
そうして、彼はペンションから出ようと、まず厨房から離れ。
現在、食堂を歩いているところである。)
【みかんちゃん】
お腹が空いた。
いや、うん、当たり前。
だって色々と観光したりなんだのしているけれど今のところ口にしたのは温泉饅頭くらいだったもの。
ホテルで自ら調理を済ませるというのも手ではあるのだが、ホテルに帰るには空腹に耐えきれず、故にこのペンションの食堂へと立ち寄った。
ぐるりと見渡して、おや、奥の厨房から人が？
なんて。
明らかにこの雪国に置ける商い専用AIみたいな奴ではない人間が出てきた。
勿論、見たことない。
初めましてね。此処では。
「はぁい、ご機嫌いかがかしらぁ？」
歩いてくる彼に笑顔で呼びかける。
第一印象コレ大事。
私が彼をあ、可愛い♡と思ったのと同様。
見境ないオネェとかいわないでね？
喜んじゃうから。
【唐揚げ食べたい】
「…………ぉほ？」
(よーし外行くぞーバリバリー！と思っていたら、話しかけられた。
話しかけられた、ということはNPCではないはず。
じゃあ、やっぱりクラスメイトか。…なんて思い、言葉を綴ろう。
いきなり話しかけられて酷くマヌケな声が出たのは気にしてはいけない。
彼は元々マヌケだ。そう、マヌケなのだ。気にしてはいけない。いいね？)
「おっ、チーッス！チッス！チッスチッス！！
お前誰だ？海神学園の人間か？？
俺は"唐揚げ食べたい"っつーんだ！唐揚げくんって呼んでくれよなッ☆彡」
(と、いつもの。当たり障りの無い"俺"の自己紹介、そして質問。…いや、少し煽ってる感じだから当たり障りがないわけじゃ無いけど。
だー！もう、どうでもいいんだそんな細かいことは。バカだからよく分かんねぇってことにしとこ。
彼の口調。ちょっとだけ引っかかった。
だって女口調だから。…でも、よく考えたらこんな場所で口調を偽るなんて当たり前だよな、と。
だから、気にしないでおいた。ソッとしておこう。)
【みかんちゃん】
「んっんー、唐揚げ食べたいは長いから唐揚げクンにしとくわねん♡」
唐揚げ食べたいって共有チャットに結構な頻度で顔出ししていたっけ？
唐揚げか……、私も食べたい(意味深)
あらやだ、意味深が勝手についてきたわ、やぁねぇ。勝手についてきただけだから。別にただ唐揚げが食べたいだけだから(意味深)
「そぉよ、海神学園の乙女ことみかんちゃんよ♡みんなの女神になるみかんちゃんだから今後以後よろしくして頂戴な？」
なんかあちらの自己紹介が始まったからこちらもしなければならない。テンプレとかなぁんも考えてないのでとりあえず乙女ゴリ押ししておいた。
乙女マシマシオネェ。
「んで、厨房から出てきたみたいだけれど…何してたのかしら？」
【唐揚げ食べたい】
「おう！みかんちゃんナ！OKだぜ。
フレンド申請しておくぞ、"何かあったとき"に個別に連絡出来るのは楽だからなァ！」
(と、言いながらコロパットを開き。そのままみかんちゃんへとフレンド申請をする。
承認したならば、すぐさま「ヨロシクな！」とメッセージが飛んでくるであろう。…まあ、これも最早テンプレなわけだが。
彼(彼女)の挨拶については特に反応せず。生き残る為には演技は必要だし、自分も似たようなことやってるからね仕方ないね！)
「おおん？ただ唐揚げ作ろうと思って買ってきたもの確認してただけだぞ。
…まァ、鶏肉買うの忘れたんだけどなァ！ナハハ！」
(と、冗談のような本当のことを返す。嘘は言っていない。実際に一度買ったものを出して確認してたのだ。
…まあ、隠し事がないとは言ってないけどね。
と言っても。ハサミで布を切ったり、油を入手したくらいだが。)
「腹が減っては戦はできぬ！って言うダロ？
マッ、そういうことよ！…何かこの雪山胡散臭いし、この後も何か起きそうだしなぁ〜」
【みかんちゃん】
「おーけぇおーけぇ。」
フレ登録は断る理由なし。
貴重な第二男性陣だもの。
最初此処に来たときに比べて誰しも構わずフレ登録をするのはもう誰もかもが気づいているからなのだろうななんて他人事のように頭の隅で考えて、
気にしないでおいた。
「ふぅん？唐揚げ作るのに鶏肉買うの忘れるなんてとんだおっちょこちょいなのねぇ♡」
唐揚げ食べたいだから唐揚げ食べる…うぅんこのカオス。
「と、まぁ、その考え方は一理あるわ。けど、思うのはどうしてその起きるかもわからない何かに固執するのかしらん？
ほら、放送でも言ってたじゃないの…
なんとかキボウプログラム？みたいなやつ。
あれかもしれないじゃなぁい？」
なんて馬鹿みたいにお気楽に言っては小首を傾げて笑ってみせた。
【唐揚げ食べたい】
「てへ☆」
("おっちょこちょいだ"と言われては、まるで"てへぺろ☆"とでもいうようなポーズ。
まあ、おっちょこちょいであることに変わりはないか。実際鶏肉忘れてるわけだし。
あー、唐揚げ食べてぇ。
とか、考えてんだろうな。俺。)
「まぁ〜な〜。そこ！そこなんだよ。確証が無いってのがイタイよな〜。"証拠"が無いからあくまで推測でしかねぇもん。
マッ、でも。その"ユキグニ・キボウ・プログラム"だとしても、ある意味戦っつーか。
だからよ、“何が起こってもいいように”飯を食いたかったわけよ。俺はな。」
(お前は知らんけど、とでも言うように。
でも、…どうせ。"みんなが気付き始めてる次の展開"になるのだろうな、なんて。
だって、本当に"ユキグニ・キボウ・プログラム"なんだとしたら。
先程出会った9thの彼女が俺に聞いてきたように、本名がバレて死ぬなんてスリルのあるルールを作るわけない。
"姿、名前が違う中で絆を作れるか"ということだったとしても、わざわざ死ぬなんてそんな非人道的な───。
まあ。
そんなのも、ただの憶測でしか無いけど。)
「だからよ、お前も万が一の為に色々用意したほうがいいぜ！
武器までとは行かなくても、ホラ。護身用の蜜柑とかナ。」
【みかんちゃん】
「まぁ、それもそうよねぇ〜」
推測、だなんて言って確証してるんでしょうに。
現に誰もが本名を口にしてみようなぞ馬鹿げたチャレンジをしていないのだから。
仲良しこよしのゲームに疑心暗鬼埋め込むルールがある時点でキボウプログラムとか陳腐な後付けに過ぎない。
なんて、私は知らない。
別に知らないフリ気づかないフリとかではなくてね。
不安を紛らわすため？
そういうことにしておこう。
ほら、現実から目を背けるのが人間だもの。
「んっんー、武器は物騒だから兎に角として…けど万が一を考えておかなくちゃバカンスにはトラブルが付き物だものね♡」
だから敢えてバカンスなんて言葉を使ってみる。
彼が共有チャットでバカンスなのだと言ったのだからこれはバカンスなのだと。
【唐揚げ食べたい】
「そう！！
ドキッ☆偽名だらけの雪山バカンス！＼トラブルもあるよ！／っつーわけよ。」
(と、巫山戯ているように適当な一言。然し、共有チャットにもこんな感じで書いてるわけだから何ら問題はない。
まあ、早くも真相に気付き始めている…ような人間もいたわけだし。
その逆の、何も気付かずただただ言われた通りバカンスを楽しむ人間も居るのだろう、と。
目の前の人間を見て思うわけだが。
嗚呼、いや。彼がそうとは知らないが。
だから、取り敢えず。
…ただただ勝手な憶測を立てながら、バカンスを楽しんでいる悪趣味な人間を装っておいた。
装い、なんて言って。…本当に悪趣味なだけかもしれないけど。)
「マッ、一緒にバカンス楽しもうぜぇ！
なんてったって"人生は一度きり"だからなァ！」
(そう、一度きり。"もし"巻き戻ることができたら、なんて思うけど。
人生に"もし"なんて無いもんで。非情なもんだよな。
あ、今いいこと言った。スクショして晒していいよ。やっぱやめて石投げないで。)
【みかんちゃん】
──……。
［一度きりの人生］だとか。
［一度きり］とか。
［人生］とか。
いや、もう手遅れでしょ。
いや、いや、いや、訂正。
「そうそう！人生は一度きりだもの！ありのまま後悔ないようにしなくっちゃっ♡」
肯定。
危ないところでしたね。
「──さっ、そうと決まれば私はお腹を満たさなくっちゃ！！あなたと話していたら唐揚げ食べたくなっちゃったから今日のご飯は決定ねん。」
なぁんて掌叩いて笑ってみせる。
そういえばここにきた理由はお腹が空いたからだったのに、ついかわい子ちゃんがいるものだからお喋りに夢中になってしまった。
乙女の弾丸トークってやつね。
【唐揚げ食べたい】
「ああ！後悔の無いように。
──────"一緒に"楽しもうな！」
(……────そうか、なるほど。
"後悔"とか、そういうの。彼は、抵抗がない奴か。
どうにも、苦手だ。
反吐が出る。
嗚呼、いや。嘘さ。
「初対面」の人間に期待するほど、アホじゃない。バカでは、あるけど。
だから、刹那に出てしまった冷酷な表情も。
きっと、気の所為だ。)
「────おう！唐揚げは美味いからな、いっぱい食べれば元気モリモリだぜ！
んじゃ、俺は肉買いに行ってくっからよ。」
(そう、一言。まあ、戻って来るつもりは無いけど。
この場から離れようと、彼の真横を通り過ぎ。
一瞬何処かから香った甘い匂いは、幻なのだと。
そうだと、願いたい。
───…こういうの、頭が痛くなるんだよな…。)
衣食住の衣を持って。round1 12th-13th
トロンパ(12th)-撫子(13th)
【トロンパ】
ショッピングモール
「えーと、冬服…冬服…」
彼は予備の服を手に入れるため、衣服コーナーに来ていた。
(うーん、この身長だと中々いい感じのが見つからない…)
高身長のデメリットが意外な形で現れた。取り敢えずいくつかジャンパーを手に取って当ててみる
「…これなら合うな…いっそ同じやつを数着用意すればいいか。後は…ズボンか」
数着のジャンパーを手に取り、再び探索へ。
【撫子】
【トロン犯サイド】
あー冬服ー…あったかいよぉー…
なんでこんな格好になったんだろぅ…
（その横で冬服を抱きしめて幸せそうに、結構大きい独り言を言う少女がいた。
ホテルでしばらく自堕落な時間を送っていたのだが、「やばい、このままじゃ外出れない」ってなって寒いのを我慢してここまで来た。そして、今ようやく防寒具を獲得。これで寒くない、と満足していた。）
【トロンパ】
「おぉ…？店員じゃ無かったか…」
すっかり自分の世界に入っているように見える少女に声をかけるかどうか若干悩む。が、今は少しでも多くの情報が欲しいし、何よりいろんな人と仲良くしておいた方がいいだろうから声をかけてみる事に決めた。
「……よお、そっちも急にここに？俺の事は…トロンパって呼んでくれ。…この辺、なんか面白そうなものあったか？」
【撫子】
【ドドンパサイド】
……………
（少しの沈黙の後、すっと防寒着を普通の持ち方へ戻す。顔が少し赤い。恥ずかしかったようだ。
じゃあなんであんなことしてたのか、というと誰かいるとは思ってなかったからだった。）
ないと思う…
（目を合わせずに答える。相当気にしているようだ。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢あー...その....そうか。.....えーと、なんか、ごめんな?｣
顔を赤らめる少女にどう対応したものか若干迷った挙げ句、よくわからない謝罪をする
【撫子】
………あ、謝らないで、えーと…
（謝られるとこっちが恥ずかしいようなことをしてたと自覚させられるからやめて、というのが本音だった。
が、それを言うこと自体も自覚することに繋がるので言うのはやめて…そうすると今度こそ自覚が強まって、の悪循環へ。
目を逸らし、顔を赤くした次は少し縮こまった。）
【トロンパ】
｢あー...その...そっちは、なんて呼べばいい?｣
とりあえず名を尋ねる。自己紹介は基本
【撫子】
撫子って呼んで…
（まだ目を合わせる気にはなれないらしく、さっきと変わらない様子で答える。
元の様子で話せるようになるまではまだ時間がかかりそうだ。）
【トロンパ】
｢そうか、よろしく。.......そっちも、服を買いに?｣
着物についてはあまり詳しくはないのだが、それでも確かに目の前の少女の格好は寒そうに見える。
【撫子】
そ、そう……あまりに寒いものだから…
（こくりと頷いて肯定、ついでにさっきの変な動きの弁解をする。
顔の赤みは引き始めたし、目も合わせようとし始めたが、顔が動いていない。つまり上目遣い的なSomethingが出来上がった。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢そうか。俺は、予備の服を揃えにだな。....前偉い目にあったからな....｣
思い出し、若干遠い目に。しばらく酒は御免だ
【撫子】
そう……
（何があったのか、と聞きたくもなったが、梨型モンスターに追いかけられた時とかに結構汚れてはいたし、自分も何か予備の服があるべきかな、と少し考えてもみた。
が、それよりも防寒着。何よりも防寒着。
ちなみにまだ目の角度も顔の角度も変わってない。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢えーと、防寒着は...これから。.....げ、サイズ合わねえ....｣
そんな少女の隣で、彼もまた防寒着を漁る。中々ちょうどいいものが見つからないようだ。
｢あー、そうだ。コロパッドのフレンド登録しとかねえか?なんか役に立つかもしんねえし｣
【撫子】
そうだね…連絡取れて困ることはないし……
（そう言ってコロパッドを取り出して操作し始める。目を合わせなくていい口実にもなるし丁度良かった。
なお、相手の防寒着のサイズ問題は一旦スルー。それはこっちの仕事でもないはずだし。）
【トロンパ】
「よしっと…ま、よろしくな。」
また一つ連絡先が増えた。
(ここではっきりと"ある"ものは、今の所これくらいだからな…)
「ま、なんかあったら連絡くれよ。…さて、もう少し探すかな…」
そう言って、服売り場の探索に戻っていく
【撫子】
わかった…私はもうどっか行くから、何かあったらまたね。
（そう言って軽く会釈しながらそさくさとその場を後にしようとする。
単純にここに来た目的は果たしたからというのもあるが、恥ずかしいところ見られたから早いところ彼から離れておいて忘れることに努めようと思っていた。）
【トロンパ】
ショッピングモール
「えーと、冬服…冬服…」
彼は予備の服を手に入れるため、衣服コーナーに来ていた。
(うーん、この身長だと中々いい感じのが見つからない…)
高身長のデメリットが意外な形で現れた。取り敢えずいくつかジャンパーを手に取って当ててみる
「…これなら合うな…いっそ同じやつを数着用意すればいいか。後は…ズボンか」
数着のジャンパーを手に取り、再び探索へ。
【撫子】
【トロン犯サイド】
あー冬服ー…あったかいよぉー…
なんでこんな格好になったんだろぅ…
（その横で冬服を抱きしめて幸せそうに、結構大きい独り言を言う少女がいた。
ホテルでしばらく自堕落な時間を送っていたのだが、「やばい、このままじゃ外出れない」ってなって寒いのを我慢してここまで来た。そして、今ようやく防寒具を獲得。これで寒くない、と満足していた。）
【トロンパ】
「おぉ…？店員じゃ無かったか…」
すっかり自分の世界に入っているように見える少女に声をかけるかどうか若干悩む。が、今は少しでも多くの情報が欲しいし、何よりいろんな人と仲良くしておいた方がいいだろうから声をかけてみる事に決めた。
「……よお、そっちも急にここに？俺の事は…トロンパって呼んでくれ。…この辺、なんか面白そうなものあったか？」
【撫子】
【ドドンパサイド】
……………
（少しの沈黙の後、すっと防寒着を普通の持ち方へ戻す。顔が少し赤い。恥ずかしかったようだ。
じゃあなんであんなことしてたのか、というと誰かいるとは思ってなかったからだった。）
ないと思う…
（目を合わせずに答える。相当気にしているようだ。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢あー...その....そうか。.....えーと、なんか、ごめんな?｣
顔を赤らめる少女にどう対応したものか若干迷った挙げ句、よくわからない謝罪をする
【撫子】
………あ、謝らないで、えーと…
（謝られるとこっちが恥ずかしいようなことをしてたと自覚させられるからやめて、というのが本音だった。
が、それを言うこと自体も自覚することに繋がるので言うのはやめて…そうすると今度こそ自覚が強まって、の悪循環へ。
目を逸らし、顔を赤くした次は少し縮こまった。）
【トロンパ】
｢あー...その...そっちは、なんて呼べばいい?｣
とりあえず名を尋ねる。自己紹介は基本
【撫子】
撫子って呼んで…
（まだ目を合わせる気にはなれないらしく、さっきと変わらない様子で答える。
元の様子で話せるようになるまではまだ時間がかかりそうだ。）
【トロンパ】
｢そうか、よろしく。.......そっちも、服を買いに?｣
着物についてはあまり詳しくはないのだが、それでも確かに目の前の少女の格好は寒そうに見える。
【撫子】
そ、そう……あまりに寒いものだから…
（こくりと頷いて肯定、ついでにさっきの変な動きの弁解をする。
顔の赤みは引き始めたし、目も合わせようとし始めたが、顔が動いていない。つまり上目遣い的なSomethingが出来上がった。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢そうか。俺は、予備の服を揃えにだな。....前偉い目にあったからな....｣
思い出し、若干遠い目に。しばらく酒は御免だ
【撫子】
そう……
（何があったのか、と聞きたくもなったが、梨型モンスターに追いかけられた時とかに結構汚れてはいたし、自分も何か予備の服があるべきかな、と少し考えてもみた。
が、それよりも防寒着。何よりも防寒着。
ちなみにまだ目の角度も顔の角度も変わってない。）
【トロンパ】
(かわいい)
｢えーと、防寒着は...これから。.....げ、サイズ合わねえ....｣
そんな少女の隣で、彼もまた防寒着を漁る。中々ちょうどいいものが見つからないようだ。
｢あー、そうだ。コロパッドのフレンド登録しとかねえか?なんか役に立つかもしんねえし｣
【撫子】
そうだね…連絡取れて困ることはないし……
（そう言ってコロパッドを取り出して操作し始める。目を合わせなくていい口実にもなるし丁度良かった。
なお、相手の防寒着のサイズ問題は一旦スルー。それはこっちの仕事でもないはずだし。）
【トロンパ】
「よしっと…ま、よろしくな。」
また一つ連絡先が増えた。
(ここではっきりと"ある"ものは、今の所これくらいだからな…)
「ま、なんかあったら連絡くれよ。…さて、もう少し探すかな…」
そう言って、服売り場の探索に戻っていく
【撫子】
わかった…私はもうどっか行くから、何かあったらまたね。
（そう言って軽く会釈しながらそさくさとその場を後にしようとする。
単純にここに来た目的は果たしたからというのもあるが、恥ずかしいところ見られたから早いところ彼から離れておいて忘れることに努めようと思っていた。）
子供に好かれるのがゆるキャラなので 1st-17th
ふ〇なっしー(1st)-エム(17th)
【エム】
こころちゃんと別れたあと、私はとりあえずいろんな場所を回ってました。
お菓子売り場とか、おもちゃ売り場とか、お菓子売り場とか。
そして、2度目のおもちゃ売り場へとたどり着いた時、私はそれを見つけたのです。
「…………大きいなぁ……」
2mほどの、おっきな梨の妖精さんのお人形が座っているのを。
こんなの、1回目に来た時あったっけ？ なんて疑問もありましたが、そんなことより好奇心が勝ってしまうというもので。
エムは我慢しきれずに、それの近くに近寄っていきました。
【ふ〇なっしー】
獲物がかかった……つまり
『ﾋｬﾊｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!!!!!!!』
今まで以上に、叫ぶ喉が痛くなるまで
耳を塞ぎたくなるほどの叫び声、もはや咆哮とも言えるその絶叫はエムの耳を殺しにかかるだろう
『なっしー!!!!!!!!』
ガバッと勢いよく立ち上がる範馬勇次郎みたいなのポーズしながら←
その姿はもはや妖精とは言えない………例えるなら
無駄に給料のいいピザ屋を夜夜間するバイトでなんかむちゃ動くイロドリミドリな人形のそれ
【エム】
「――――ッ！！？？」
急に、動きました、この人形。
なんか、近づいていったら、目の前で、急に叫び出して、変なポーズとって……:
エムは、こころちゃんのお姉ちゃんです。
だから、強くないといけません。
……でも、これはいくらなんでも許容範囲を超えていて……
「……ふぇぇ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえん！！」
溢れ出る涙が、止められませんでした。
可愛いお人形だな、なんて、近づいて行ったエムが悪いけど、それでも、急にはすごく怖くて……
こんな突飛な状況でも涙を流さなかったのに、こればっかりは我慢できませんでした。
【ふ〇なっしー】
『あ、いや……ごめんなし…そんな泣くこと無いなし……だから泣き止んで欲しいなし』
やりすぎた……そう思った……いや、精神年齢低すぎね？と思ったがまぁよし。
『ほ。ほらふ○なっしーの特技見せるなしよ？』
特技見せるには脱がないといけないんじゃがの
【エム】
「うぇぇん……とくぎ……？」
まだ涙が完全に止まった訳では無いけど、このお人形さんの言う特技というのが気になって、頑張って涙は我慢して、そう聞きました。
……怖かったけど、悪い梨さんじゃないのかもしれないし……
【ふ〇なっしー】
『そ、そうなしよ？ふ○なっしーの特技は人間になれる特技なしよ！』
焦る……準備してねぇ…と……どうするどうするふ○なっしー！！！
『目をつぶってて欲しいなし！ふ○なっしーがいいよ！って言うまで目を開けたらダメなしよ？』
まぁ、恐らく目開けそうだから目隠しの変わりに大量のトランプ撒いて視界を遮るのだが
【エム】
「え……うん…………」
エムは言われた通り、目をしっかりと瞑りました。
ついでに、両手で目を隠して、完全に塞ぎます。
…………人間になるって、要は着ぐるみ脱ぐってことなんだろうけど、とりあえず乗っかっておくことにします。
【ふ〇なっしー】
『いくなしよ？』
保険を掛けてトランプをばら撒く、その次の行動は早かった。素早くふ○なっしーを脱ぎ、素早く隠す。どこに隠したのかは秘密だ
「目を開けいいなしよ〜」
そう……出てきたのは白骨化したふ○なっしー……では無く可愛らしいロリが出てきたのだ←
【エム】
「…………ふぇ？」
エムは思いました、計算合わなくない？ と。
でも、さすがにそこを指摘するのは野暮、って言うことくらいは理解しています。
だから、とりあえず拍手することにしました。
何がすごいんだろう、と少しピンと来ていないようなふりをして。
【ふ〇なっしー】
「はい、ここにジョーカーがあります……これをハンカチを被せると〜……ジョーカーが2枚になります！」
とジョーカーを2枚に増やすふ○なっしー、特に意味は無い
「またハンカチを被せると〜、ナイフになります〜またまたハンカチを被せると〜……バハムートになります！」
某メンコの奴をそのまま連れてくるキチガイ。
「バハムートの形したお菓子を上げよう！」
と言ってバハムートを渡すふ○なっしー、見た目そっくり、匂いを匂ってみればお菓子という事が分かるだろう
【エム】
「うぇ…………？ あ、ありがとう……」
よく分からないまま、とりあえずそのばはむーとというものを受け取りました。
あまり、こういうゲームとかはよく分からないので、どう返せばいいのか分かりませんが……
「……えっと、あなたのお名前は？」
とりあえず、話題の変更がてら、お名前を聞くことにしました。
名乗るなら自分から、なんていうのは、もう頭の中からすっぽ抜けてしまいました。
【ふ〇なっしー】
「皆大好きなフリッツさんだ！！！ﾖﾛｼｸﾈ!」
とニンマリ笑顔
「さてさて、君のお名前は？何かなぁ〜？」
【エム】
「え、えっとね、エムはエムって言うんだ……」
みんな大好き……なんでしょうか。
それなら、私も大好きになった方がいいのかな、なんて考えてみました。
悪い人ではなさそうですけど、ひとまず好感度は置いといて。
「…………こんな所で何してたの？」
【ふ〇なっしー】
「何って驚かせるために居たのさ！」
まぁ、通ったのエムちゃんだけだけどね！
そんな事はどうでも良い
「可愛いなぁ〜……良く可愛いって言われるでしょ？」
膝を屈め同じ目線で話しかける
【エム】
「…………ううん、分からない……」
たしか、まだそんなこと言われたことは無かったと思います。
忘れているだけなのかもしれないけど。
「でも、どうして？ 」
なんでそんなことを聞かれたんだろうなって、そう質問しました。
【ふ〇なっしー】
「どうしてって言われてもなぁ……まぁ、そんな話は置いといて………エムちゃんはさ！この状況どう思う？簡単な言葉で表現していいよ！怖いと思う、とか楽しいと思うとか」
まともに人と喋ったことはここに来てから少ない。今の状況をどう思っているか……それだけ聞きたい
「僕的には楽しい事になりそうと思ってるんだ！理由はなんかこう……ホラーゲーム定番じゃん？見知らぬ土地に飛ばされた〜とかさ」
【エム】
「……えっと、なんで怖いと思うの？」
これは、なんとかキボウプログラムっていう、仲良しになるための一環だって、聞きました。
だから、これはきっと楽しい事なんだって、
これからみんな仲良くなって、そして本当の修学旅行に戻るんだって、ずっと思ってました。
だから、なんでそんなこと聞くのかよくわかりませんでした。
【ふ〇なっしー】
「仲良くなるなら姿は変わらないし、偽名も名乗らない。仲良くなるならありのままの姿の方が良い……今の僕の性別は女だがもし……もしもだ、元の姿が男だったらどうする？恋した相手が実は男だった〜なんてそう簡単には受け入れられないよ？」
率直に語る、思った事を……希望とか仲良くなるためにとか言ってるが仲良くして欲しいなら姿なんて変えないし偽名なんて使わない
「だからさ！なーんか大きな事が起きると思うんだよね〜、俺的にはさ」
【エム】
「……そう、なのかな……」
言われてみれば、確かにそうです。
これで元の姿に戻って、僕が私がと仮の姿の時のことを話し始めて、仲良くなれるとは限りません。
むしろ、プライバシーに触れられたと怒る人も出てくるかもしれません。
だから、フリッツお姉さんの言う通りなのかも、しれません。
【ふ〇なっしー】
「そうさ！だからあんまり……ここで人は信用しない方がいいと思うんだよね……うん！」
つまり皆嘘つき、ふ○なっしーも嘘つきだしエムも嘘つき……6も嘘つきで23も嘘つき
嘘つきだらけの所で仲良くしたいとか思わないしなれない
「僕は結構嫌われてるからさぁ……えーと……誰だっけかなぁ…？メガネかけたなんかヤクザの鉄砲玉みたいな女……棒持ってたな金属の。うんその人は気をつけた方がいいよ！恨まれる事はなんにもしていないのに金属の棒でなんな首はねようとしたし胸ぐら掴んできたからね！」
そう、恨まれるような事は言っていないしやっていない
ただ家族、友人の名前出しただけだし殺してもいないからね。脅しはしたけど
【エム】
「……うん、よく分からないけどわかった」
金属の棒とか、よく分からないけど金属バットのことでしょうか。
ひとまず、そういう危ない人がいるってことは頭の中に入れておく事にします。
どことなく、あったことがあるような気もしましたが、鉄の棒なんて持ってなかったのでセーフ。
【ふ〇なっしー】
「いいかい？人なんてきっかけさえあればガラリと変わるんだ、もしかしたらエムちゃんも………
『はぁい、調子いいィ？』
とか排水溝の中に入って男の子に話しかけるかもしれないんだ」
ありえない話……いや有り得るか？ピエロ居たエムちゃんがペニーなワイズになりえる可能性もある
「だから自分の意志を強く持った方が良いよ、他人に流されずに自分の意思で動くんだ……まぁ、これから何が起きるかはわかんないけど…」
【エム】
「えっと、うん、がんばる」
もはやなにを言ってるのか、ちんぷんかんぷんだったけど、多分心配してくれてるんだろうなと判断しては、頷いて。
これから先、たしかに何が起こるかわからないのも事実。
あながち、お姉さんの言うことも間違いではないなと思って。
【ふ〇なっしー】
「頑張れー、んじゃ私は他の人驚かせるから、じゃあね！」
颯爽と去っていくフリッツ、その後にふ○なっしーも着いてゆく←
種は不明だ
「じゃあね！エムちゃん！！！！」
【エム】
「あ、ちょっと待ってお姉さん！ フレンド！！」
去って行こうとするお姉さんを、慌てて呼び止めようとコロパッドを取り出しました。
色々考えてて、心配してくれているようだったから、何か情報があったら教えてあげられるようにしたいなって。
【ふ〇なっしー】
「およ？フレンド交換か、別にいいぜ」
とコロパットを取り出しフレンド交換をするふ○なっしー
「んじゃやること済んだし……もう要はない？」
【エム】
「うん、ありがとう、お姉さん」
出会い頭のあれは唐突すぎて混乱しちゃったけど、とりあえず目標はクリア出来たので、良しとします。
そして、多分すぐに去っていくであろうお姉さんに手を振りながら、エムもそこから離れていきました
【エム】
こころちゃんと別れたあと、私はとりあえずいろんな場所を回ってました。
お菓子売り場とか、おもちゃ売り場とか、お菓子売り場とか。
そして、2度目のおもちゃ売り場へとたどり着いた時、私はそれを見つけたのです。
「…………大きいなぁ……」
2mほどの、おっきな梨の妖精さんのお人形が座っているのを。
こんなの、1回目に来た時あったっけ？ なんて疑問もありましたが、そんなことより好奇心が勝ってしまうというもので。
エムは我慢しきれずに、それの近くに近寄っていきました。
【ふ〇なっしー】
獲物がかかった……つまり
『ﾋｬﾊｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!!!!!!!』
今まで以上に、叫ぶ喉が痛くなるまで
耳を塞ぎたくなるほどの叫び声、もはや咆哮とも言えるその絶叫はエムの耳を殺しにかかるだろう
『なっしー!!!!!!!!』
ガバッと勢いよく立ち上がる範馬勇次郎みたいなのポーズしながら←
その姿はもはや妖精とは言えない………例えるなら
無駄に給料のいいピザ屋を夜夜間するバイトでなんかむちゃ動くイロドリミドリな人形のそれ
【エム】
「――――ッ！！？？」
急に、動きました、この人形。
なんか、近づいていったら、目の前で、急に叫び出して、変なポーズとって……:
エムは、こころちゃんのお姉ちゃんです。
だから、強くないといけません。
……でも、これはいくらなんでも許容範囲を超えていて……
「……ふぇぇ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえん！！」
溢れ出る涙が、止められませんでした。
可愛いお人形だな、なんて、近づいて行ったエムが悪いけど、それでも、急にはすごく怖くて……
こんな突飛な状況でも涙を流さなかったのに、こればっかりは我慢できませんでした。
【ふ〇なっしー】
『あ、いや……ごめんなし…そんな泣くこと無いなし……だから泣き止んで欲しいなし』
やりすぎた……そう思った……いや、精神年齢低すぎね？と思ったがまぁよし。
『ほ。ほらふ○なっしーの特技見せるなしよ？』
特技見せるには脱がないといけないんじゃがの
【エム】
「うぇぇん……とくぎ……？」
まだ涙が完全に止まった訳では無いけど、このお人形さんの言う特技というのが気になって、頑張って涙は我慢して、そう聞きました。
……怖かったけど、悪い梨さんじゃないのかもしれないし……
【ふ〇なっしー】
『そ、そうなしよ？ふ○なっしーの特技は人間になれる特技なしよ！』
焦る……準備してねぇ…と……どうするどうするふ○なっしー！！！
『目をつぶってて欲しいなし！ふ○なっしーがいいよ！って言うまで目を開けたらダメなしよ？』
まぁ、恐らく目開けそうだから目隠しの変わりに大量のトランプ撒いて視界を遮るのだが
【エム】
「え……うん…………」
エムは言われた通り、目をしっかりと瞑りました。
ついでに、両手で目を隠して、完全に塞ぎます。
…………人間になるって、要は着ぐるみ脱ぐってことなんだろうけど、とりあえず乗っかっておくことにします。
【ふ〇なっしー】
『いくなしよ？』
保険を掛けてトランプをばら撒く、その次の行動は早かった。素早くふ○なっしーを脱ぎ、素早く隠す。どこに隠したのかは秘密だ
「目を開けいいなしよ〜」
そう……出てきたのは白骨化したふ○なっしー……では無く可愛らしいロリが出てきたのだ←
【エム】
「…………ふぇ？」
エムは思いました、計算合わなくない？ と。
でも、さすがにそこを指摘するのは野暮、って言うことくらいは理解しています。
だから、とりあえず拍手することにしました。
何がすごいんだろう、と少しピンと来ていないようなふりをして。
【ふ〇なっしー】
「はい、ここにジョーカーがあります……これをハンカチを被せると〜……ジョーカーが2枚になります！」
とジョーカーを2枚に増やすふ○なっしー、特に意味は無い
「またハンカチを被せると〜、ナイフになります〜またまたハンカチを被せると〜……バハムートになります！」
某メンコの奴をそのまま連れてくるキチガイ。
「バハムートの形したお菓子を上げよう！」
と言ってバハムートを渡すふ○なっしー、見た目そっくり、匂いを匂ってみればお菓子という事が分かるだろう
【エム】
「うぇ…………？ あ、ありがとう……」
よく分からないまま、とりあえずそのばはむーとというものを受け取りました。
あまり、こういうゲームとかはよく分からないので、どう返せばいいのか分かりませんが……
「……えっと、あなたのお名前は？」
とりあえず、話題の変更がてら、お名前を聞くことにしました。
名乗るなら自分から、なんていうのは、もう頭の中からすっぽ抜けてしまいました。
【ふ〇なっしー】
「皆大好きなフリッツさんだ！！！ﾖﾛｼｸﾈ!」
とニンマリ笑顔
「さてさて、君のお名前は？何かなぁ〜？」
【エム】
「え、えっとね、エムはエムって言うんだ……」
みんな大好き……なんでしょうか。
それなら、私も大好きになった方がいいのかな、なんて考えてみました。
悪い人ではなさそうですけど、ひとまず好感度は置いといて。
「…………こんな所で何してたの？」
【ふ〇なっしー】
「何って驚かせるために居たのさ！」
まぁ、通ったのエムちゃんだけだけどね！
そんな事はどうでも良い
「可愛いなぁ〜……良く可愛いって言われるでしょ？」
膝を屈め同じ目線で話しかける
【エム】
「…………ううん、分からない……」
たしか、まだそんなこと言われたことは無かったと思います。
忘れているだけなのかもしれないけど。
「でも、どうして？ 」
なんでそんなことを聞かれたんだろうなって、そう質問しました。
【ふ〇なっしー】
「どうしてって言われてもなぁ……まぁ、そんな話は置いといて………エムちゃんはさ！この状況どう思う？簡単な言葉で表現していいよ！怖いと思う、とか楽しいと思うとか」
まともに人と喋ったことはここに来てから少ない。今の状況をどう思っているか……それだけ聞きたい
「僕的には楽しい事になりそうと思ってるんだ！理由はなんかこう……ホラーゲーム定番じゃん？見知らぬ土地に飛ばされた〜とかさ」
【エム】
「……えっと、なんで怖いと思うの？」
これは、なんとかキボウプログラムっていう、仲良しになるための一環だって、聞きました。
だから、これはきっと楽しい事なんだって、
これからみんな仲良くなって、そして本当の修学旅行に戻るんだって、ずっと思ってました。
だから、なんでそんなこと聞くのかよくわかりませんでした。
【ふ〇なっしー】
「仲良くなるなら姿は変わらないし、偽名も名乗らない。仲良くなるならありのままの姿の方が良い……今の僕の性別は女だがもし……もしもだ、元の姿が男だったらどうする？恋した相手が実は男だった〜なんてそう簡単には受け入れられないよ？」
率直に語る、思った事を……希望とか仲良くなるためにとか言ってるが仲良くして欲しいなら姿なんて変えないし偽名なんて使わない
「だからさ！なーんか大きな事が起きると思うんだよね〜、俺的にはさ」
【エム】
「……そう、なのかな……」
言われてみれば、確かにそうです。
これで元の姿に戻って、僕が私がと仮の姿の時のことを話し始めて、仲良くなれるとは限りません。
むしろ、プライバシーに触れられたと怒る人も出てくるかもしれません。
だから、フリッツお姉さんの言う通りなのかも、しれません。
【ふ〇なっしー】
「そうさ！だからあんまり……ここで人は信用しない方がいいと思うんだよね……うん！」
つまり皆嘘つき、ふ○なっしーも嘘つきだしエムも嘘つき……6も嘘つきで23も嘘つき
嘘つきだらけの所で仲良くしたいとか思わないしなれない
「僕は結構嫌われてるからさぁ……えーと……誰だっけかなぁ…？メガネかけたなんかヤクザの鉄砲玉みたいな女……棒持ってたな金属の。うんその人は気をつけた方がいいよ！恨まれる事はなんにもしていないのに金属の棒でなんな首はねようとしたし胸ぐら掴んできたからね！」
そう、恨まれるような事は言っていないしやっていない
ただ家族、友人の名前出しただけだし殺してもいないからね。脅しはしたけど
【エム】
「……うん、よく分からないけどわかった」
金属の棒とか、よく分からないけど金属バットのことでしょうか。
ひとまず、そういう危ない人がいるってことは頭の中に入れておく事にします。
どことなく、あったことがあるような気もしましたが、鉄の棒なんて持ってなかったのでセーフ。
【ふ〇なっしー】
「いいかい？人なんてきっかけさえあればガラリと変わるんだ、もしかしたらエムちゃんも………
『はぁい、調子いいィ？』
とか排水溝の中に入って男の子に話しかけるかもしれないんだ」
ありえない話……いや有り得るか？ピエロ居たエムちゃんがペニーなワイズになりえる可能性もある
「だから自分の意志を強く持った方が良いよ、他人に流されずに自分の意思で動くんだ……まぁ、これから何が起きるかはわかんないけど…」
【エム】
「えっと、うん、がんばる」
もはやなにを言ってるのか、ちんぷんかんぷんだったけど、多分心配してくれてるんだろうなと判断しては、頷いて。
これから先、たしかに何が起こるかわからないのも事実。
あながち、お姉さんの言うことも間違いではないなと思って。
【ふ〇なっしー】
「頑張れー、んじゃ私は他の人驚かせるから、じゃあね！」
颯爽と去っていくフリッツ、その後にふ○なっしーも着いてゆく←
種は不明だ
「じゃあね！エムちゃん！！！！」
【エム】
「あ、ちょっと待ってお姉さん！ フレンド！！」
去って行こうとするお姉さんを、慌てて呼び止めようとコロパッドを取り出しました。
色々考えてて、心配してくれているようだったから、何か情報があったら教えてあげられるようにしたいなって。
【ふ〇なっしー】
「およ？フレンド交換か、別にいいぜ」
とコロパットを取り出しフレンド交換をするふ○なっしー
「んじゃやること済んだし……もう要はない？」
【エム】
「うん、ありがとう、お姉さん」
出会い頭のあれは唐突すぎて混乱しちゃったけど、とりあえず目標はクリア出来たので、良しとします。
そして、多分すぐに去っていくであろうお姉さんに手を振りながら、エムもそこから離れていきました
気温差にはタコス 4th-5th
タコスタコスタコス(4th)-まにょ(5th)
【タコス】
この子は現在の容姿になってから、いかにロリらしく、いかに幼く振る舞えるかと一応考えて行動していた。
分別など弁えず、自分のしたいことばかりし、他人への迷惑など顧みない。
どう振る舞おうと心がけていたかいくつか並べてみたが………うん、たしかにそういう子だっているだろう。
しかしタコスに関してはそうじゃない。理由を付けはしたが結局のところそれを免罪符にして好き勝手やろうという……ただの馬鹿であった。ついでに言うと世の普通の幼女とやらがどんなものかも大して良くわかってなかったりする
「ひゃ〜すずしくてきもちいいな」
馬鹿と煙はなんとやら、と言う。
この馬鹿がある程度欲を満たし、好物を掻き集めて向かったのはそこそこデカイ病院。
夜に来たくない程度には雰囲気がある。
まあそんなことは一切気にせず突入し屋上へとやってきたのだった。
ここは雪国。涼しいじゃ済まないだろ？もうその辺の感覚はログアウトなさってる。そして馬鹿は風邪をひかないのでそちらの心配も無用だ………多分。
【まにょ】
先日来たばかりであるのにどうして再びここにまにょが訪れているのかと言えば、所用があったから、としか言いようがない。この場所は常に寒々しい風が吹き、時に雪が降る。ただの降雪ならまだマシだが、降雪に強風が吹けばまともに歩くことも儘ならなくなる。そういうときに対象を崩してしまうと、病院に来るのも一苦労。いつ帰れるのか、全くの目処が立っていない現状、何が合っても大丈夫なようにしておかなければと言う気持ちになるのは自然なことだっただろう。
そういうわけで、自分たちが入り込んでも目くじらを立てるどころか注意すらしない従業員の横を通って色んな科の部屋に入り、資料を片手に薬を集めていた。
やがて、不安にある程度の満足度が加わって落ち着いた頃合。荷物は増えたが所詮は薬。細腕にもさほど負担にならないビニール袋を持って、階段を登っていった。途中までは大きい病院だからか幾つかエスカレーターも支えたものの、屋上へ行くのには流石に階段で登るしかない。
何故向かっているのかと言えば、人の姿が見えたからだ。
下のフロアの窓際の渡り廊下を歩いていたとき、自分の向かっている棟の屋上にちらりと人の影が見えた。今日は少し風邪が吹いていて寒いぐらいで雪が降っていなかったため、雪の影を見間違えた、なんてことはないだろう。
どうして、あんなところに人が？
いや、本当に人かな？
そんな気持ちが鎌首を擡げて、ついつい、足を運んでしまったのだ。
ぎい、と音を立ててドアを開ける。外から吹いてくる冷たい風に思わず目を細めると、ストールを掛けなおして屋上の人の姿を探すように左右を見回した。
【タコス】
(寒さも気にせず、背後の方でなったドアが開く音も気にせず、厚着というほどの厚着でもないロリっ娘は屋上の床にぺたりと座り込みタコスを頬張っていた。)
つめたい…………
(バッグに乱雑に突っ込んだだけで保温なんかもせずにいたタコスたちはすっかり冷えきっており)
まあでもひえててもたこすはたこすだからな！
(それでも冷えたとかも気にせずにやはりタコスを頬張った
【まにょ】
こんな寒空のした、病院の屋上でピクニックだろうか。不思議に思いながら近づいていく。
「こんにちは。こんなに寒いところにいては、お風邪を召してしまいますよ？」
真後ろに立つ、などとホラーゲームにありがちな登場はせず、右側から少し姿を見せてから声をかけた。
【タコス】
？はむふなんふぁふぁいほ？
(掛けられた声にそちらを向く。
タコスをむしゃむしゃしながら返答したせいで何を言ってるのかよくわからない。
一応訳すなら寒くなんかないぞ？だ
馬鹿の温度感覚は狂っているらしい。
まあこの寒さの中で厚着もせずに外にいるのだから……うん。
そのうち外で寝て目を覚まさないとか普通にあるだろうなこれ。
【まにょ】
この気温を寒くないと感じる少女にまにょはぞっとした。本来感じるべきものが感じられない、というのは便利なようでその実とても恐ろしい。例えばまにょが寒さを感じなかったとすれば、ものの数十分で屋外凍死を遂げることだろう。寒さに強いと言うにも限度があるし、感覚が狂っているだけなら尚悪い。
「本当に寒くないのですか…？」
もしかしたら目の前の少女は人間ではなかったのかもしれない。そうでなければ気味が悪すぎる。子供は風の子と言えば、極寒の雪国で冷たい風の吹く日に季節感のない衣服を纏いながら冷え切った食べ物を胃に収めても何もおかしくないという現状に納得が出来るのか。いやできない。
【タコス】
おにいさんはさむいのか？
(キョトンと、これは演技でもなんでもなく。本気でそう問うた。
寒さは感じていない。少なくともタコスが感じる分には。
まあ寒さどころか所々感覚があるかどうか怪しいのでだいぶヤバイのだけれど………「まあこんな場所だし感覚が鈍くなるくらいよくあるよね？」
とか言っちゃうくらいには危機管理能力もバグってる馬鹿だった。
【まにょ】
「えぇ、寒いです。私ではなくても、このぐらいの気温だと誰でも寒いものですよ」
隣にしゃがんで答える。迂闊に触れようとしないのは、いくら幼くても他所の子に簡単に触るのは期が引けるからなのか、それとも本当にお化けか何かだったらどうしようと思っているからなのか。後者なら今すぐ会話をやめてとっとと立ち去るのが一番正しい行動なので、恐らくは前者なのだろう。
【タコス】
そうか……じゃあたこす食えたこす
(会話の流れなどすべてぶった切って現れるタコス。
きっと彼はタコスを食べていないから寒いのだろう。だからタコスを食えば寒くなくなる。
だからタコスを食え、と１つ激辛のソースをかけて冷え切ったタコスを差し出す。
【まにょ】
「う、うーん……」
幾ら辛くても冷たかったらただ舌が痛くなるだけで終わる気がしなくもない。あまり刺激物が得意な体ではないし、お礼だけ言って受けとるのは遠慮しておく。
「寒くないかもしれませんが、体が冷えていると具合が悪くなってしまいますよ。それに、たこすも温めた方がきっと美味しいです。……一緒にお部屋に戻りませんか？」
そっと手を差し出して問い掛けた。
【タコス】
ん………おにーさんはろりこんさんなの？
(受け取ってもらえなかったタコスを自分で一口頬張ると差し出された手を見てからまにょの目を見て問う。
こんな見た目の少女を部屋に誘うなどもうロリコン変態ペド野郎だろう。きっとそうだ。こいつは変態に違いない。
心配してくれてるらしい人物に対して酷い感想だった
【まにょ】
向けられる視線を見詰め返せば、純真無垢な光が………そんなものは毛頭感じられなかった。
どこかひねた思考が、いたいけな外観と不釣合いにこちらを探るように視線の中で渦巻いている。そういえば、と思い出した。見た目は確かに小さな子供だが、中身はどうだか分からない。油断をするな、と誰かに言われたような心地がして、手を引っ込めて苦笑いを浮かべる。
「耳年増なお嬢さんですね…生憎、その手の趣味はございません」
立ち上がってストールを掛けなおす。そろそろ、自分の体が冷えてきてしまった。病院の中は温かいとはいえないが、風邪が凌げるだけ室内のほうがまだマシだろう。お部屋に戻りましょう、と言う言葉で恐らく深読みをしたのだろうが、幼稚園や保育園の先生が、外遊びをしている園児に言うそれ以上の意味合いは持たない。本当に、相手が幼い子供だったから、油断をして子供相手の言葉選びをしただけだったのだろう。
「私は寒いので、もう戻りますね。お風邪を召さないようにお気をつけて」
立ち上がって一礼、所作のしとやかな会釈を残すとドアの方へと向かっていった。
【タコス】
ん、ばいばいペドのおにいちゃん
(明確な悪意を持って、去って行くまにょに別れを告げる。
まったく、寒くもないのに部屋に誘うなんてとんだペド野郎だった。)
………とりあえずたこすたべよ
【タコス】
この子は現在の容姿になってから、いかにロリらしく、いかに幼く振る舞えるかと一応考えて行動していた。
分別など弁えず、自分のしたいことばかりし、他人への迷惑など顧みない。
どう振る舞おうと心がけていたかいくつか並べてみたが………うん、たしかにそういう子だっているだろう。
しかしタコスに関してはそうじゃない。理由を付けはしたが結局のところそれを免罪符にして好き勝手やろうという……ただの馬鹿であった。ついでに言うと世の普通の幼女とやらがどんなものかも大して良くわかってなかったりする
「ひゃ〜すずしくてきもちいいな」
馬鹿と煙はなんとやら、と言う。
この馬鹿がある程度欲を満たし、好物を掻き集めて向かったのはそこそこデカイ病院。
夜に来たくない程度には雰囲気がある。
まあそんなことは一切気にせず突入し屋上へとやってきたのだった。
ここは雪国。涼しいじゃ済まないだろ？もうその辺の感覚はログアウトなさってる。そして馬鹿は風邪をひかないのでそちらの心配も無用だ………多分。
【まにょ】
先日来たばかりであるのにどうして再びここにまにょが訪れているのかと言えば、所用があったから、としか言いようがない。この場所は常に寒々しい風が吹き、時に雪が降る。ただの降雪ならまだマシだが、降雪に強風が吹けばまともに歩くことも儘ならなくなる。そういうときに対象を崩してしまうと、病院に来るのも一苦労。いつ帰れるのか、全くの目処が立っていない現状、何が合っても大丈夫なようにしておかなければと言う気持ちになるのは自然なことだっただろう。
そういうわけで、自分たちが入り込んでも目くじらを立てるどころか注意すらしない従業員の横を通って色んな科の部屋に入り、資料を片手に薬を集めていた。
やがて、不安にある程度の満足度が加わって落ち着いた頃合。荷物は増えたが所詮は薬。細腕にもさほど負担にならないビニール袋を持って、階段を登っていった。途中までは大きい病院だからか幾つかエスカレーターも支えたものの、屋上へ行くのには流石に階段で登るしかない。
何故向かっているのかと言えば、人の姿が見えたからだ。
下のフロアの窓際の渡り廊下を歩いていたとき、自分の向かっている棟の屋上にちらりと人の影が見えた。今日は少し風邪が吹いていて寒いぐらいで雪が降っていなかったため、雪の影を見間違えた、なんてことはないだろう。
どうして、あんなところに人が？
いや、本当に人かな？
そんな気持ちが鎌首を擡げて、ついつい、足を運んでしまったのだ。
ぎい、と音を立ててドアを開ける。外から吹いてくる冷たい風に思わず目を細めると、ストールを掛けなおして屋上の人の姿を探すように左右を見回した。
【タコス】
(寒さも気にせず、背後の方でなったドアが開く音も気にせず、厚着というほどの厚着でもないロリっ娘は屋上の床にぺたりと座り込みタコスを頬張っていた。)
つめたい…………
(バッグに乱雑に突っ込んだだけで保温なんかもせずにいたタコスたちはすっかり冷えきっており)
まあでもひえててもたこすはたこすだからな！
(それでも冷えたとかも気にせずにやはりタコスを頬張った
【まにょ】
こんな寒空のした、病院の屋上でピクニックだろうか。不思議に思いながら近づいていく。
「こんにちは。こんなに寒いところにいては、お風邪を召してしまいますよ？」
真後ろに立つ、などとホラーゲームにありがちな登場はせず、右側から少し姿を見せてから声をかけた。
【タコス】
？はむふなんふぁふぁいほ？
(掛けられた声にそちらを向く。
タコスをむしゃむしゃしながら返答したせいで何を言ってるのかよくわからない。
一応訳すなら寒くなんかないぞ？だ
馬鹿の温度感覚は狂っているらしい。
まあこの寒さの中で厚着もせずに外にいるのだから……うん。
そのうち外で寝て目を覚まさないとか普通にあるだろうなこれ。
【まにょ】
この気温を寒くないと感じる少女にまにょはぞっとした。本来感じるべきものが感じられない、というのは便利なようでその実とても恐ろしい。例えばまにょが寒さを感じなかったとすれば、ものの数十分で屋外凍死を遂げることだろう。寒さに強いと言うにも限度があるし、感覚が狂っているだけなら尚悪い。
「本当に寒くないのですか…？」
もしかしたら目の前の少女は人間ではなかったのかもしれない。そうでなければ気味が悪すぎる。子供は風の子と言えば、極寒の雪国で冷たい風の吹く日に季節感のない衣服を纏いながら冷え切った食べ物を胃に収めても何もおかしくないという現状に納得が出来るのか。いやできない。
【タコス】
おにいさんはさむいのか？
(キョトンと、これは演技でもなんでもなく。本気でそう問うた。
寒さは感じていない。少なくともタコスが感じる分には。
まあ寒さどころか所々感覚があるかどうか怪しいのでだいぶヤバイのだけれど………「まあこんな場所だし感覚が鈍くなるくらいよくあるよね？」
とか言っちゃうくらいには危機管理能力もバグってる馬鹿だった。
【まにょ】
「えぇ、寒いです。私ではなくても、このぐらいの気温だと誰でも寒いものですよ」
隣にしゃがんで答える。迂闊に触れようとしないのは、いくら幼くても他所の子に簡単に触るのは期が引けるからなのか、それとも本当にお化けか何かだったらどうしようと思っているからなのか。後者なら今すぐ会話をやめてとっとと立ち去るのが一番正しい行動なので、恐らくは前者なのだろう。
【タコス】
そうか……じゃあたこす食えたこす
(会話の流れなどすべてぶった切って現れるタコス。
きっと彼はタコスを食べていないから寒いのだろう。だからタコスを食えば寒くなくなる。
だからタコスを食え、と１つ激辛のソースをかけて冷え切ったタコスを差し出す。
【まにょ】
「う、うーん……」
幾ら辛くても冷たかったらただ舌が痛くなるだけで終わる気がしなくもない。あまり刺激物が得意な体ではないし、お礼だけ言って受けとるのは遠慮しておく。
「寒くないかもしれませんが、体が冷えていると具合が悪くなってしまいますよ。それに、たこすも温めた方がきっと美味しいです。……一緒にお部屋に戻りませんか？」
そっと手を差し出して問い掛けた。
【タコス】
ん………おにーさんはろりこんさんなの？
(受け取ってもらえなかったタコスを自分で一口頬張ると差し出された手を見てからまにょの目を見て問う。
こんな見た目の少女を部屋に誘うなどもうロリコン変態ペド野郎だろう。きっとそうだ。こいつは変態に違いない。
心配してくれてるらしい人物に対して酷い感想だった
【まにょ】
向けられる視線を見詰め返せば、純真無垢な光が………そんなものは毛頭感じられなかった。
どこかひねた思考が、いたいけな外観と不釣合いにこちらを探るように視線の中で渦巻いている。そういえば、と思い出した。見た目は確かに小さな子供だが、中身はどうだか分からない。油断をするな、と誰かに言われたような心地がして、手を引っ込めて苦笑いを浮かべる。
「耳年増なお嬢さんですね…生憎、その手の趣味はございません」
立ち上がってストールを掛けなおす。そろそろ、自分の体が冷えてきてしまった。病院の中は温かいとはいえないが、風邪が凌げるだけ室内のほうがまだマシだろう。お部屋に戻りましょう、と言う言葉で恐らく深読みをしたのだろうが、幼稚園や保育園の先生が、外遊びをしている園児に言うそれ以上の意味合いは持たない。本当に、相手が幼い子供だったから、油断をして子供相手の言葉選びをしただけだったのだろう。
「私は寒いので、もう戻りますね。お風邪を召さないようにお気をつけて」
立ち上がって一礼、所作のしとやかな会釈を残すとドアの方へと向かっていった。
【タコス】
ん、ばいばいペドのおにいちゃん
(明確な悪意を持って、去って行くまにょに別れを告げる。
まったく、寒くもないのに部屋に誘うなんてとんだペド野郎だった。)
………とりあえずたこすたべよ
音響が雪に融けて 7th-20th
ロティ(7th)-あいごころ。(20th)
【ロティ】
｢…………雪国ならではの光景だね…これは……。
うん、悪くない……ギターも手に入ったから満足だ。｣
沢山の雪の像が立ち並ぶ……ここはらアート展示場だろうか？
ふらふらと歩いて居たので辿り着いのは偶然なのだが、まあ悪くない。
雪の像は雪国ならではの光景。
ギターも手に入れて、背中にギターケースに入れて持ち歩いている。
片手には手に入れた金属バット。
此方は特に隠す素振りは見せていない。
なお頬には切り傷がついている。
相手も、そんな様子のロティを見つけるだろう。
【あいごころ。】
｢あら…｣
前からギターケースに金属バット…なんとも珍妙な装備をもった男…いや、おそらく、女だろうか？がやってくる。金属バットを隠す様子もなく持ち歩いているあたり、恐らく相手に対する牽制だろうか。それとももしもの状況のための備え？…いずれにせよあまり賢い行為ではないように思えるが…まあ、ここは無難に話しかけるべきだろう。
｢綺麗な光景。確かに“観光”するにはうってつけね。そう思わないかしら？｣
狐面をそっと触り、すこし頬を釣りあげ、ゆったりと話しかける。まあ、実際そこまで警戒はしていない。話し合える内はまだ、こちらに危険は無いと見ていいだろう。
【ロティ】
｢…………あぁ、“観光”…なら、最高だ。｣
そうだ、観光なら……最高だった。
この様な白いカーペットの様な雪原に、巧みな技術で作られた雪像。
ロケーションとしては最高だから。
しかし……それが観光ならばの話だ。
これはその様なものでは無いというのは、自分の姿が変わっている事からおかしいだろう？
それは今、実感しつつも、自分は失われていない事は分かっている。
そう思いつつ、金属バットを肩に担いで。
｢……君は観光かい？｣
なお、こちらからも問いかけておく。
もし関係ない人であったならば、赤面もいい所だ。
【あいごころ。】
｢そうね…私はついでに観光、と言ったところかしらね。｣
そう言ってクスクスっと笑ってみせる。ここで一旦落ち着こうとしたのも確かな事実なので間違ったことは言っていない。
｢こんなところでこんないい景色が見られるなんて思ってもいなかったわ。｣
こんな悪趣味な場所で、恐らく現実にあったらもっと賑わうであろう光景。本当にそれぐらいは綺麗な光景であった…だからだろう。こんなにも、その綺麗さ不気味に見えるのは。
｢私はあいごころ。あなたの名前を聞いてもいいかしら？｣
そう問いかける。…仮の名前を自分から言うなんてね。
【ロティ】
｢ん……あぁ、僕か……。
僕は……ロティだ、あいごころ…だったね、こころでも良いだろうか？
……あぁ、金属バットは気にしないでおくれ。｣
声を掛けられて、少し拍子抜けした様な顔。
だが、偽名であるが名乗りをあげておく。
あいごころ、という名前を名乗った彼女もまた同じようにこのゲームに放り込まれたのだろうと思いつつ。
とりあえずこころと呼んでも良いだろうかと問いかけつつ、金属バットは気にするなと告げて。
【あいごころ。】
｢ええ、こころでいいわよ。｣
むしろあいごころとフルネームで呼ぶ方が珍しいだろう。ロティの名乗る彼女に特に気にしないような素振りで言う。
｢まあ、物騒なメッセージも来てるし。用心に越したことはないものね。｣
金属バットのことについてはそう返す。…少なくとも、それを持っているということは“用心”していることになる。つまりここから先、そういうことが起きる、ということを理解しているのだろう。…本当に観光だったらどんなによかったことか。
｢そうね…綺麗な景色だけれども…ちょっと味気ないかしらね。例えば、こんな雪景色には心地よい音楽が付き物だと思うのだけれど。どうかしら？｣
気分転換に来たのにこんな暗いことを考えては元も子もない。狐面をすっと触るとさりげなく相手の背中にあるギターに目を向ける。…これも武器、という訳では無いのだろう。暗に1曲引いてもらってもいいかしら？ということを伝えてみる。ついでに、近くにあったベンチに腰掛ける。
【ロティ】
｢一曲か……まあ、構わないよ。｣
一曲演奏する位ならば全く持って構わない。
それを伝えてあいごころの隣に、少しスペースを取って座れば、ギターケースからギターを取り出して。
軽く試し弾きをして、少しどんな曲が良いだろうかと考える。
｢……まあ、この前作った曲で良いか…。｣
そう呟き、ギターの演奏を始める。
この雪国をイメージして、そしてこのロケーションに合わせた、穏やかで物静かな曲。
少し儚げなリズムと共に、穏やかな曲を奏でて行く。
【あいごころ。】
｢あら…いい曲ね。｣
荒んだ心が和むぐらいには。その曲はこの綺麗な銀世界の景色の中に静かに溶けていくような、それでいてどこか儚げな雰囲気がある。嫌い、じゃなかった。だから、それにしばし耳を傾けることにする。
…なんとなく、この穏やかな時が続けばどうなっていたのだろうか、とか考えてみた。きっと騒がしい日常だろう。きっと落ち着く暇もない時間だろう。でも、それはどんなに楽しくて…どんなに無意味なんだろう。
｢…結局…ね。｣
無意識に言葉に出てしまっていた気がする。それはきっとこの時間だけは、リラックスしていた証拠だろう。
｢…フレンド登録、しましょうか。｣
曲が終わると同時に相手にそう持ちかける。
【ロティ】
｢……ん？
あぁ、フレンド登録か……構わないよ、僕で良ければね。｣
演奏が終わって、少し落ち着いた頃。
相手からのフレンド登録の頼みが来て、少し経ってから理解して。
そして構わないと伝えて端末を取り出す。
フレンド登録するのは構わないが、まあ何かしらのことには使えるだろう。
｢……やり方が分からないから、やって貰って良いかな？｣
…………が、やり方が分からないので全部任せる。
【あいごころ。】
｢なら、こっちでやっておくわね。｣
相手のコロパットを取ってフレンド登録をすましておく。…あまり機械は得意ではないのだろうか？
｢ありがとう。｣
演奏に対して素直にそう伝えた。とても素晴らしい演奏だったし、何より目的であった心を落ち着かせられた。…もう、大丈夫だろう。だから。
｢これは感謝ついでに言っておくわね…“気をつけなさい”。｣
気をつけろ。恐らく彼女はもちろん警戒しているのだろう。この後に起こる何かについて。きっといいことは起きないと。 …最善を願い最悪に備えている、と。だから、あえて言う。…無意味かもしれないけれど。
｢それじゃあね。｣
ベンチを降りて別れを告げる。いい、気分転換になったな。そう思いながらアート展を後にする。…せめて何も起きないといいな。なんて、ね。
【ロティ】
｢……あぁ、分かったよ…気を付けるさ。｣
彼女からコロパッドを受け取り、気を付けるさと伝えてそのまま見送る。
これ以外になにかする訳では無い。
ただここでしばらく演奏をしようと思う。
この雪原に、響く限りのメロディを奏で、このおぞましき出来事を少しでもどうにか誤魔化す為に。
｢……全く、ちゃんと帰れるのかな…。｣
雪国の星空を見上げ、一人思い耽け、そう呟く。
今度は星空をテーマに作ってみようか、なんて、思ったりしながら。
【ロティ】
｢…………雪国ならではの光景だね…これは……。
うん、悪くない……ギターも手に入ったから満足だ。｣
沢山の雪の像が立ち並ぶ……ここはらアート展示場だろうか？
ふらふらと歩いて居たので辿り着いのは偶然なのだが、まあ悪くない。
雪の像は雪国ならではの光景。
ギターも手に入れて、背中にギターケースに入れて持ち歩いている。
片手には手に入れた金属バット。
此方は特に隠す素振りは見せていない。
なお頬には切り傷がついている。
相手も、そんな様子のロティを見つけるだろう。
【あいごころ。】
｢あら…｣
前からギターケースに金属バット…なんとも珍妙な装備をもった男…いや、おそらく、女だろうか？がやってくる。金属バットを隠す様子もなく持ち歩いているあたり、恐らく相手に対する牽制だろうか。それとももしもの状況のための備え？…いずれにせよあまり賢い行為ではないように思えるが…まあ、ここは無難に話しかけるべきだろう。
｢綺麗な光景。確かに“観光”するにはうってつけね。そう思わないかしら？｣
狐面をそっと触り、すこし頬を釣りあげ、ゆったりと話しかける。まあ、実際そこまで警戒はしていない。話し合える内はまだ、こちらに危険は無いと見ていいだろう。
【ロティ】
｢…………あぁ、“観光”…なら、最高だ。｣
そうだ、観光なら……最高だった。
この様な白いカーペットの様な雪原に、巧みな技術で作られた雪像。
ロケーションとしては最高だから。
しかし……それが観光ならばの話だ。
これはその様なものでは無いというのは、自分の姿が変わっている事からおかしいだろう？
それは今、実感しつつも、自分は失われていない事は分かっている。
そう思いつつ、金属バットを肩に担いで。
｢……君は観光かい？｣
なお、こちらからも問いかけておく。
もし関係ない人であったならば、赤面もいい所だ。
【あいごころ。】
｢そうね…私はついでに観光、と言ったところかしらね。｣
そう言ってクスクスっと笑ってみせる。ここで一旦落ち着こうとしたのも確かな事実なので間違ったことは言っていない。
｢こんなところでこんないい景色が見られるなんて思ってもいなかったわ。｣
こんな悪趣味な場所で、恐らく現実にあったらもっと賑わうであろう光景。本当にそれぐらいは綺麗な光景であった…だからだろう。こんなにも、その綺麗さ不気味に見えるのは。
｢私はあいごころ。あなたの名前を聞いてもいいかしら？｣
そう問いかける。…仮の名前を自分から言うなんてね。
【ロティ】
｢ん……あぁ、僕か……。
僕は……ロティだ、あいごころ…だったね、こころでも良いだろうか？
……あぁ、金属バットは気にしないでおくれ。｣
声を掛けられて、少し拍子抜けした様な顔。
だが、偽名であるが名乗りをあげておく。
あいごころ、という名前を名乗った彼女もまた同じようにこのゲームに放り込まれたのだろうと思いつつ。
とりあえずこころと呼んでも良いだろうかと問いかけつつ、金属バットは気にするなと告げて。
【あいごころ。】
｢ええ、こころでいいわよ。｣
むしろあいごころとフルネームで呼ぶ方が珍しいだろう。ロティの名乗る彼女に特に気にしないような素振りで言う。
｢まあ、物騒なメッセージも来てるし。用心に越したことはないものね。｣
金属バットのことについてはそう返す。…少なくとも、それを持っているということは“用心”していることになる。つまりここから先、そういうことが起きる、ということを理解しているのだろう。…本当に観光だったらどんなによかったことか。
｢そうね…綺麗な景色だけれども…ちょっと味気ないかしらね。例えば、こんな雪景色には心地よい音楽が付き物だと思うのだけれど。どうかしら？｣
気分転換に来たのにこんな暗いことを考えては元も子もない。狐面をすっと触るとさりげなく相手の背中にあるギターに目を向ける。…これも武器、という訳では無いのだろう。暗に1曲引いてもらってもいいかしら？ということを伝えてみる。ついでに、近くにあったベンチに腰掛ける。
【ロティ】
｢一曲か……まあ、構わないよ。｣
一曲演奏する位ならば全く持って構わない。
それを伝えてあいごころの隣に、少しスペースを取って座れば、ギターケースからギターを取り出して。
軽く試し弾きをして、少しどんな曲が良いだろうかと考える。
｢……まあ、この前作った曲で良いか…。｣
そう呟き、ギターの演奏を始める。
この雪国をイメージして、そしてこのロケーションに合わせた、穏やかで物静かな曲。
少し儚げなリズムと共に、穏やかな曲を奏でて行く。
【あいごころ。】
｢あら…いい曲ね。｣
荒んだ心が和むぐらいには。その曲はこの綺麗な銀世界の景色の中に静かに溶けていくような、それでいてどこか儚げな雰囲気がある。嫌い、じゃなかった。だから、それにしばし耳を傾けることにする。
…なんとなく、この穏やかな時が続けばどうなっていたのだろうか、とか考えてみた。きっと騒がしい日常だろう。きっと落ち着く暇もない時間だろう。でも、それはどんなに楽しくて…どんなに無意味なんだろう。
｢…結局…ね。｣
無意識に言葉に出てしまっていた気がする。それはきっとこの時間だけは、リラックスしていた証拠だろう。
｢…フレンド登録、しましょうか。｣
曲が終わると同時に相手にそう持ちかける。
【ロティ】
｢……ん？
あぁ、フレンド登録か……構わないよ、僕で良ければね。｣
演奏が終わって、少し落ち着いた頃。
相手からのフレンド登録の頼みが来て、少し経ってから理解して。
そして構わないと伝えて端末を取り出す。
フレンド登録するのは構わないが、まあ何かしらのことには使えるだろう。
｢……やり方が分からないから、やって貰って良いかな？｣
…………が、やり方が分からないので全部任せる。
【あいごころ。】
｢なら、こっちでやっておくわね。｣
相手のコロパットを取ってフレンド登録をすましておく。…あまり機械は得意ではないのだろうか？
｢ありがとう。｣
演奏に対して素直にそう伝えた。とても素晴らしい演奏だったし、何より目的であった心を落ち着かせられた。…もう、大丈夫だろう。だから。
｢これは感謝ついでに言っておくわね…“気をつけなさい”。｣
気をつけろ。恐らく彼女はもちろん警戒しているのだろう。この後に起こる何かについて。きっといいことは起きないと。 …最善を願い最悪に備えている、と。だから、あえて言う。…無意味かもしれないけれど。
｢それじゃあね。｣
ベンチを降りて別れを告げる。いい、気分転換になったな。そう思いながらアート展を後にする。…せめて何も起きないといいな。なんて、ね。
【ロティ】
｢……あぁ、分かったよ…気を付けるさ。｣
彼女からコロパッドを受け取り、気を付けるさと伝えてそのまま見送る。
これ以外になにかする訳では無い。
ただここでしばらく演奏をしようと思う。
この雪原に、響く限りのメロディを奏で、このおぞましき出来事を少しでもどうにか誤魔化す為に。
｢……全く、ちゃんと帰れるのかな…。｣
雪国の星空を見上げ、一人思い耽け、そう呟く。
今度は星空をテーマに作ってみようか、なんて、思ったりしながら。
昨日の変態は今日の女 24th-25th
痴漢者トーマス(24th)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「お、おお……女の子の服なんてわからない……」
(トロンパに服を洗濯されて以来、ジャージで過ごしている。洗濯された服は乾いたのだが、そもそも薄手で寒いし気に入っていなかったので、新たな服を選びに来た。
レディースコーナーに入るという背徳感に腰を引きつつ、不審者のようにウロウロしている)
【痴漢者トーマス】
ふんふっふ〜〜♪
いえす、そこの麗しきレディー！お姉さんと遊ぼうね！！それとも、どうする？お姉さんが服を選んでやろっかね？ンケケケケー！
(そんな愛ちゃんを後ろから強襲！抱きつき、胸に手を伸ばして。(あるタイプのなら)ジャージのファスナーを外そうと…。
しかし、何だその笑い声。)
【柏木 愛】
「オァアアア！？へ、変態ですか！？
やめてください！俺の身体に価値はないと俺が一番わかってます！」
(あまりの唐突さに抵抗もできず、ファスナーが一気に降りる。なんとその下はノーブラである。詳しくはwikiのストーリー第零章、多人数ログまとめの「※未成年の方は絶対に真似しないでください」を見てくれよな！
変態の拘束から逃れようと、身体をよじるよじる)
【痴漢者トーマス】
ヘッヘッへ、良いではないか良いではないかねー。
大丈夫だって、何にでも価値を見出だすのが私の仕事だからねぇ！
(価値の見いだし方が迷惑すぎる。)
大丈夫だって、お姉さんに身を任せて！ピンクのお花畑に全力で連れていってあげるね！！
…ところで、ジャージの下ノーブラって大丈夫ね？擦れないね？お姉さんもブラジャーの付け方位は分かるから教えるね？
(女性ながらガタイよし、筋力中々よし！そう簡単に逃れられると思うてか！そんな勢いでジャージ下も脱がしに行く。
……そんな大胆なことしたらさすがに脱出できそう。)
【柏木 愛】
「オァアアア！？やばいです！貞操の危機！」
(元々サイズが合っていなかったようで、スポーン！と脱げる。それはもう漫画のように。そして、当然、ノーパンであった。なぜか両胸を抑えて隠し、暴れ続けながら叫ぶ)
「待ってください！俺、本当は男なんですよ！許してください！なんでもしますから！」
【痴漢者トーマス】
良いじゃないね、たかが貞操の一つや二つ〜。
あっても無くても大して変わらないね！
…というか、ノーパンって、前からそんなことしてたの？
(セクハラしながら相手への疑問点をちょくちょく挟み込む。)
へえー、男？いや、別に私はそれでも良いけどね？…というか、今何でもするって言ったよね？
…あと、下は隠さなくていいのね？
(ニヤニヤしながら。)
【柏木 愛】
「えええ！？この人マジでやばいですよ！
なんでもしますから、なんでもするのはやめてください！」
(指摘されて慌てて下も隠す。右腕で胸を、左手で下を。完全に貞操消失3秒である。
あれ？よく考えたらこの人は……女……？)
「お前の胸も揉ませろください！」
(ぐりんと身体を捻り、相手のπ乙に向けて両手をシューッ！超エキサイティン！)
【痴漢者トーマス】
失礼ねー。私これでも自重はしてるつもりねー。ヤバイだなんて心外ね！
(この惨状でまだ自重していると申すか。)
…キャーッ！お姉さんの胸を揉もうとするなんて変態さんなのね！サケナキャー！
(そんなことを言って、胸に迫る手を避けようと…。してませんでした。寧ろ、前進してました。でも、嫌がってそうな振りだけはする。そう、シチュエーション重視なのだ。もう手遅れな気はするが。
ちなみに、胸の大きさはそれなり。それなりである。)
【柏木 愛】
「お、おお、おおおおお…………」
(両手に伝わるソフトな感覚。全身に走る電流。
これは歴史的瞬間でる。一同、刮目せよ。そう、彼は今、人生で初めてπ乙を揉んだ！！エキサイティングなエクスピアリアンスによりエクスタシィがエクステンド)
「もっと！もっとぉおおおお！」
(押さえつけられていた妄想と欲求が爆発する。服の上からなんかじゃ物足りない。直で行きたい、生で行きたい。その勢いで服を脱がそうと奮闘する)
【痴漢者トーマス】
ん…。もー、がっついちゃってー(はぁと)。
…ぁ、ちょっと、すこし、恥ずかしいかもねー…。
(素直に脱がせられるが、少し顔が紅潮しているようだ。さすがに、場所が場所だしね。いや、コイツが今までやってきたことだけど。)
『服屋のNPC』
『お客様、どうぞご試着なさってください』
(棚の間からスッと現れ、静かに声をかけると、店内の巡回に戻る)
【柏木 愛】
「はぁ、はぁ、はぁ……！！
……はっ」
(周知など頭の片隅にもない。今はただ、目の前の御馳走にありつくだけだ。
……が、タイミングの悪いことに、NPCの店員が声をかけてきた。一瞬で現実世界に引き戻され、己の醜態を自覚する)
「あ、ああ……ご、ごめんなさいでしたぁ！！欲望に目が眩み……死にます！死にます！」
(ズザザザと距離を取り、硬い床に連続でヘッドバット土下座)
【痴漢者トーマス】
もー…しょうがないにゃぁ…。
私以外にこんなことしちゃダメだからネ☆
(頬に手をやって乙女なポーズ。ついでに店員の尻をなんとなく触りながら。)
あ、そうだ。とりあえず、フレンド登録しとこうね？その後で…えーっと、君のブラジャーとか色々探そうね！
(名前知らないままこんなことしてたのだ。服を着直しつつ、コロパッドを取り出す)
【柏木 愛】
「ご、ごめんなさいごめんなさい……産まれてごめんなさい、生きててごめんなさい」
(額の絆創膏に血が滲む。このペースでは頭蓋骨がこんにちはするのも時間の問題である。
ぺこぺこしながらジャージの下を履き、上のファスナーを上げる。コロパッドを取り出し、フレンド登録に応じるのであった)
「お、俺ブラジャーいらないっすよ。まじ絶壁っつーか、元の身体と変わりません」
【痴漢者トーマス】
えーっと、そこまで謝ることじゃないからね、大丈夫…。あ、でも、実際ここじゃなきゃ確かに刑務所行きだねー。お互いにー。
(コロパッドをしまいつつ)
まぁ、ブラジャーが要らないとしても…。
…でも、せめてパンツ位は履くべきだね？女物じゃなくても良いからさ。
【柏木 愛】
「え、ええ……いえ、もう女物の下着に身体が慣れてしまいましたので……。
パンツを買うためにここを訪れた次第でもあります、ええ」
(今更ながらに痛む額を抑えながら、へこへこする。あらゆるデザインの下着がありすぎて、正直目移りしていた所もある)
【痴漢者トーマス】
ああ、そこはそうなんだねー…。
で、ジャージも変える…んだよね？
ところで、…ええと、さっきから気になってるんだけどねー。下手に出過ぎなのは直した方が良いんじゃないね？人によっては鬱陶しいとか思うかもしれないしねー。
【柏木 愛】
「え、ええ。あまりにも寒いですし。それにどうせ女の身体になったなら、女のお洒落って奴をしてみたいですね……」
(柏木の癖に生意気である)
「あ、ああ、ごめんなさい！ウザいですよね俺！ごめなさい！ゴミでごめなさい！」
【痴漢者トーマス】
おー、いい心がけだねー。おしゃれは女の子の命！よしよし、満足が行くまでお姉さんが付き合ってやるね！
(気合い十分だが、実際のところファッションにそこまで詳しいわけではない模様。)
そういうとこだよねー。折角別人になったんなんだからねー、もっと、不遜でも良いんじゃない？
グハハハハ！そこの女！この俺に乳を揉ませよ！！逆らったらどうなるかわかってんだろうな？
みたいなねー。…いや、極端な例だけどね？流石にここまでは…うーん、ね？
【柏木 愛】
「べ、別人になったから……ですか……」
(言われてみればその通りかもしれない。見た目は女子なのに一人称は俺だし、常々違和感を抱いていた所だ。ちょっとくらいハメを外しても良いのではなかろうか)
「わ、私におっ○い揉ませろくださいわよ！む、難しいです……わよ。
お洋服選んでくれるの、助かります、わよ！」
【痴漢者トーマス】
そうそう、その調子なのねー。
とりあえず、デェト(強調)しつつ口調に慣らしていけばいいね！
お、あの服すきねー。…けど、愛ちゃんに似合う服ってどれかねー。
あと、折角だしねー、アクセサリーとかも付けたいねー。ネックレスとかー…。白だったら…金色？金色…シルバーも好きだけどね…むむむ。
(親指をグッと立てながら愛ちゃんを誉める。
そして、白いフリルレースのワンピースを指差した。ここら辺完全に趣味である。)
【柏木 愛】
「な、なるほどですわよ。こ、このワンピースは確かに可愛いですわよが、ちょっと寒すぎるのではありませんかわよ？」
(すらりと背の高い(166cm)この身体なら、ワンピースのようなものも似合うかもしれない。問題は気温である。季節外れでは)
【痴漢者トーマス】
あ、うーん。それも確かにそうだねー。
…………。
……うーん…部屋着…とかですの？普段は、あちらのコートなどを着れば良い、のかもしれませんわね。
…しかし、愛様は可愛らしい顔立ちで羨ましいですわ〜。私は、こういったものが中々似合わなくて…。
(ちなみにこちらは174。可愛いワンピースよりもスーツの方が似合っているのが悔しい。
しかし、なぜ自分も上品っぽいタイプの口調に変えようと…。)
【柏木 愛】
「あっ、このコート良いですわよ！なんか大人っぽくて……外の雰囲気にも合ってますわよ」
(指されたコートを手に取る。シンプルなデザインの白いボアコートであり、落ち着いた雰囲気があった。暖かそうでもある)
「えっ、えーと……トーマスさん？はめちゃ可愛いですわよ！スラっとしてて、顔立ちしっかりしてて、胸もデカくて……その身体になりたかったですわよ」
【痴漢者トーマス】
そうよね！やっぱり！
…ふふ、私も一着持っていこうかしらぁ…。
(愛ちゃんの取ったコートに似た、茶色いものをとって。)
あ、あら…。そんなこと…。
ありますわぁ！可愛くて、背が高くて、お胸が……。
…まぁ、と言っても、ワンピースが似合うか、は別だけどね。ちょっと腕が太く見えるからねー、私はスーツのままでいいねー。
(そこが重要だ。ワンピースに腕は重要なのだ。…うむ、褒めてくれるのはうれしいが、着るのは辛い。相手が口調に慣れてきた気もするし、そろそろ戻そうかなー、みたいな。分かりづらいし、効果も無さそうな謎の優しさ。)
【柏木 愛】
「このコートなら中は、こういうセーターが似合いますかねぇ……。あ、あのマフラーも可愛いですわよ！うふふ、楽しくなってきたですわよ〜！」
(意気揚々と、あっちへこっちへ。変な趣味に目覚めてしまったのか、コーディネートに花を咲かせるのであった。
結局、赤いタートルネックのセーターに、白のボアコートと白いマフラー。濃いブラウンのスカートに厚手のタイツ、ショートブーツといった格好に落ち着いた)
「うふ、うふふ……俺……いや、私、可愛いですわよ……」
【痴漢者トーマス】
うふふー…いやぁ、こんなの着たら、もうジャージになんて戻れないねー？
良いね！超可愛いよ！一緒に写真とかどうね？生まれ変わった記念だね！
(いえーいいえーいダブルピースとか言いながら、コロパッドを取り出した。
なお、こっちはコート以外は前のまんま。白スーツである。)
【柏木 愛】
「ええ、あんなものを着ていた私とはお別れですわよ。
いいですわね！SNOWを使ってさらに可愛くなるのですわ！」
（ニコニコと楽しそうに笑う。身も心も生まれ変わった気分であり、女子になる、ということに愉悦を覚えてしまったようだ。
トーマスに身体を寄せ、上目遣いをしつつ頬のあたりでピースサインを作る）
【痴漢者トーマス】
いえーい！ピースピース！共有チャットにも上げていいね！とか貰おうね！
はい！チーズッ…ネ。
…っというか、SNOWあるんだねー、コロパッド…。
(自分はピースマーク作って、目の辺りに。つまり、キラッ☆のポーズ。で、エガオー。
しかし、これ専用の端末とかじゃないんだ。…どこの端末なんやろ…とか。SNOWあるんだ…。)
【柏木 愛】
「ウフフ、いいね！は女の生命線ですわよ〜〜。
SNOWありますわよ〜ほら、ここをこうして……いえーいですわよ！」
（ノリノリで写真に写っていく。相手のコロパッドを勝手に操作し、SNOWを起動させると、また自撮り。十数枚に上る写真を撮影していくのであった）
【痴漢者トーマス】
…ここまで生まれ変わるってのも面白いねー。
いや、私が言えた義理じゃないけどね。
(もとからそういう願望あったのかな？って思いながら。…しかし、自撮り数十枚って疲れないのかな？楽しいなら良いけど。)
………あ、ところで、愛ちゃん？
(善意から悪いことを思い付いた感じの顔。)
【柏木 愛】
「うふふ、なんだか元の姿に戻るのも億劫になってきましたですわよ〜。
はい、なんでございましょう？」
（こちらは純粋度100%の笑顔である）
【痴漢者トーマス】
……あー…。
(どんな反応するのか、と思って。本当は胸でも触ってやろうかと思ったのだが。純粋な笑顔に完全に毒気を抜かれたと言うか…。)
…んー、私はさ、ちょっと眠いし疲れてきちゃったからさ、そろそろホテルに帰るんだけどー…。また、会おうね！
それでさ、もしもなんか会ったときは連絡してね！私が助けに行くからさ！
(フレンドの女の子全員助けるつもりなのかってレベルでそんなこと言ってるな。)
【柏木 愛】
「？？？
承知したですわよ〜！今度は一緒にお買い物してくださいですわよ！」
(一体何をするつもりなのだったろうか。今の彼にとっては些細な問題である。
彼はもう少しここに残るようだ。去りゆくトーマスに、手をヒラヒラ振るのだった)
【柏木 愛】
「お、おお……女の子の服なんてわからない……」
(トロンパに服を洗濯されて以来、ジャージで過ごしている。洗濯された服は乾いたのだが、そもそも薄手で寒いし気に入っていなかったので、新たな服を選びに来た。
レディースコーナーに入るという背徳感に腰を引きつつ、不審者のようにウロウロしている)
【痴漢者トーマス】
ふんふっふ〜〜♪
いえす、そこの麗しきレディー！お姉さんと遊ぼうね！！それとも、どうする？お姉さんが服を選んでやろっかね？ンケケケケー！
(そんな愛ちゃんを後ろから強襲！抱きつき、胸に手を伸ばして。(あるタイプのなら)ジャージのファスナーを外そうと…。
しかし、何だその笑い声。)
【柏木 愛】
「オァアアア！？へ、変態ですか！？
やめてください！俺の身体に価値はないと俺が一番わかってます！」
(あまりの唐突さに抵抗もできず、ファスナーが一気に降りる。なんとその下はノーブラである。詳しくはwikiのストーリー第零章、多人数ログまとめの「※未成年の方は絶対に真似しないでください」を見てくれよな！
変態の拘束から逃れようと、身体をよじるよじる)
【痴漢者トーマス】
ヘッヘッへ、良いではないか良いではないかねー。
大丈夫だって、何にでも価値を見出だすのが私の仕事だからねぇ！
(価値の見いだし方が迷惑すぎる。)
大丈夫だって、お姉さんに身を任せて！ピンクのお花畑に全力で連れていってあげるね！！
…ところで、ジャージの下ノーブラって大丈夫ね？擦れないね？お姉さんもブラジャーの付け方位は分かるから教えるね？
(女性ながらガタイよし、筋力中々よし！そう簡単に逃れられると思うてか！そんな勢いでジャージ下も脱がしに行く。
……そんな大胆なことしたらさすがに脱出できそう。)
【柏木 愛】
「オァアアア！？やばいです！貞操の危機！」
(元々サイズが合っていなかったようで、スポーン！と脱げる。それはもう漫画のように。そして、当然、ノーパンであった。なぜか両胸を抑えて隠し、暴れ続けながら叫ぶ)
「待ってください！俺、本当は男なんですよ！許してください！なんでもしますから！」
【痴漢者トーマス】
良いじゃないね、たかが貞操の一つや二つ〜。
あっても無くても大して変わらないね！
…というか、ノーパンって、前からそんなことしてたの？
(セクハラしながら相手への疑問点をちょくちょく挟み込む。)
へえー、男？いや、別に私はそれでも良いけどね？…というか、今何でもするって言ったよね？
…あと、下は隠さなくていいのね？
(ニヤニヤしながら。)
【柏木 愛】
「えええ！？この人マジでやばいですよ！
なんでもしますから、なんでもするのはやめてください！」
(指摘されて慌てて下も隠す。右腕で胸を、左手で下を。完全に貞操消失3秒である。
あれ？よく考えたらこの人は……女……？)
「お前の胸も揉ませろください！」
(ぐりんと身体を捻り、相手のπ乙に向けて両手をシューッ！超エキサイティン！)
【痴漢者トーマス】
失礼ねー。私これでも自重はしてるつもりねー。ヤバイだなんて心外ね！
(この惨状でまだ自重していると申すか。)
…キャーッ！お姉さんの胸を揉もうとするなんて変態さんなのね！サケナキャー！
(そんなことを言って、胸に迫る手を避けようと…。してませんでした。寧ろ、前進してました。でも、嫌がってそうな振りだけはする。そう、シチュエーション重視なのだ。もう手遅れな気はするが。
ちなみに、胸の大きさはそれなり。それなりである。)
【柏木 愛】
「お、おお、おおおおお…………」
(両手に伝わるソフトな感覚。全身に走る電流。
これは歴史的瞬間でる。一同、刮目せよ。そう、彼は今、人生で初めてπ乙を揉んだ！！エキサイティングなエクスピアリアンスによりエクスタシィがエクステンド)
「もっと！もっとぉおおおお！」
(押さえつけられていた妄想と欲求が爆発する。服の上からなんかじゃ物足りない。直で行きたい、生で行きたい。その勢いで服を脱がそうと奮闘する)
【痴漢者トーマス】
ん…。もー、がっついちゃってー(はぁと)。
…ぁ、ちょっと、すこし、恥ずかしいかもねー…。
(素直に脱がせられるが、少し顔が紅潮しているようだ。さすがに、場所が場所だしね。いや、コイツが今までやってきたことだけど。)
『服屋のNPC』
『お客様、どうぞご試着なさってください』
(棚の間からスッと現れ、静かに声をかけると、店内の巡回に戻る)
【柏木 愛】
「はぁ、はぁ、はぁ……！！
……はっ」
(周知など頭の片隅にもない。今はただ、目の前の御馳走にありつくだけだ。
……が、タイミングの悪いことに、NPCの店員が声をかけてきた。一瞬で現実世界に引き戻され、己の醜態を自覚する)
「あ、ああ……ご、ごめんなさいでしたぁ！！欲望に目が眩み……死にます！死にます！」
(ズザザザと距離を取り、硬い床に連続でヘッドバット土下座)
【痴漢者トーマス】
もー…しょうがないにゃぁ…。
私以外にこんなことしちゃダメだからネ☆
(頬に手をやって乙女なポーズ。ついでに店員の尻をなんとなく触りながら。)
あ、そうだ。とりあえず、フレンド登録しとこうね？その後で…えーっと、君のブラジャーとか色々探そうね！
(名前知らないままこんなことしてたのだ。服を着直しつつ、コロパッドを取り出す)
【柏木 愛】
「ご、ごめんなさいごめんなさい……産まれてごめんなさい、生きててごめんなさい」
(額の絆創膏に血が滲む。このペースでは頭蓋骨がこんにちはするのも時間の問題である。
ぺこぺこしながらジャージの下を履き、上のファスナーを上げる。コロパッドを取り出し、フレンド登録に応じるのであった)
「お、俺ブラジャーいらないっすよ。まじ絶壁っつーか、元の身体と変わりません」
【痴漢者トーマス】
えーっと、そこまで謝ることじゃないからね、大丈夫…。あ、でも、実際ここじゃなきゃ確かに刑務所行きだねー。お互いにー。
(コロパッドをしまいつつ)
まぁ、ブラジャーが要らないとしても…。
…でも、せめてパンツ位は履くべきだね？女物じゃなくても良いからさ。
【柏木 愛】
「え、ええ……いえ、もう女物の下着に身体が慣れてしまいましたので……。
パンツを買うためにここを訪れた次第でもあります、ええ」
(今更ながらに痛む額を抑えながら、へこへこする。あらゆるデザインの下着がありすぎて、正直目移りしていた所もある)
【痴漢者トーマス】
ああ、そこはそうなんだねー…。
で、ジャージも変える…んだよね？
ところで、…ええと、さっきから気になってるんだけどねー。下手に出過ぎなのは直した方が良いんじゃないね？人によっては鬱陶しいとか思うかもしれないしねー。
【柏木 愛】
「え、ええ。あまりにも寒いですし。それにどうせ女の身体になったなら、女のお洒落って奴をしてみたいですね……」
(柏木の癖に生意気である)
「あ、ああ、ごめんなさい！ウザいですよね俺！ごめなさい！ゴミでごめなさい！」
【痴漢者トーマス】
おー、いい心がけだねー。おしゃれは女の子の命！よしよし、満足が行くまでお姉さんが付き合ってやるね！
(気合い十分だが、実際のところファッションにそこまで詳しいわけではない模様。)
そういうとこだよねー。折角別人になったんなんだからねー、もっと、不遜でも良いんじゃない？
グハハハハ！そこの女！この俺に乳を揉ませよ！！逆らったらどうなるかわかってんだろうな？
みたいなねー。…いや、極端な例だけどね？流石にここまでは…うーん、ね？
【柏木 愛】
「べ、別人になったから……ですか……」
(言われてみればその通りかもしれない。見た目は女子なのに一人称は俺だし、常々違和感を抱いていた所だ。ちょっとくらいハメを外しても良いのではなかろうか)
「わ、私におっ○い揉ませろくださいわよ！む、難しいです……わよ。
お洋服選んでくれるの、助かります、わよ！」
【痴漢者トーマス】
そうそう、その調子なのねー。
とりあえず、デェト(強調)しつつ口調に慣らしていけばいいね！
お、あの服すきねー。…けど、愛ちゃんに似合う服ってどれかねー。
あと、折角だしねー、アクセサリーとかも付けたいねー。ネックレスとかー…。白だったら…金色？金色…シルバーも好きだけどね…むむむ。
(親指をグッと立てながら愛ちゃんを誉める。
そして、白いフリルレースのワンピースを指差した。ここら辺完全に趣味である。)
【柏木 愛】
「な、なるほどですわよ。こ、このワンピースは確かに可愛いですわよが、ちょっと寒すぎるのではありませんかわよ？」
(すらりと背の高い(166cm)この身体なら、ワンピースのようなものも似合うかもしれない。問題は気温である。季節外れでは)
【痴漢者トーマス】
あ、うーん。それも確かにそうだねー。
…………。
……うーん…部屋着…とかですの？普段は、あちらのコートなどを着れば良い、のかもしれませんわね。
…しかし、愛様は可愛らしい顔立ちで羨ましいですわ〜。私は、こういったものが中々似合わなくて…。
(ちなみにこちらは174。可愛いワンピースよりもスーツの方が似合っているのが悔しい。
しかし、なぜ自分も上品っぽいタイプの口調に変えようと…。)
【柏木 愛】
「あっ、このコート良いですわよ！なんか大人っぽくて……外の雰囲気にも合ってますわよ」
(指されたコートを手に取る。シンプルなデザインの白いボアコートであり、落ち着いた雰囲気があった。暖かそうでもある)
「えっ、えーと……トーマスさん？はめちゃ可愛いですわよ！スラっとしてて、顔立ちしっかりしてて、胸もデカくて……その身体になりたかったですわよ」
【痴漢者トーマス】
そうよね！やっぱり！
…ふふ、私も一着持っていこうかしらぁ…。
(愛ちゃんの取ったコートに似た、茶色いものをとって。)
あ、あら…。そんなこと…。
ありますわぁ！可愛くて、背が高くて、お胸が……。
…まぁ、と言っても、ワンピースが似合うか、は別だけどね。ちょっと腕が太く見えるからねー、私はスーツのままでいいねー。
(そこが重要だ。ワンピースに腕は重要なのだ。…うむ、褒めてくれるのはうれしいが、着るのは辛い。相手が口調に慣れてきた気もするし、そろそろ戻そうかなー、みたいな。分かりづらいし、効果も無さそうな謎の優しさ。)
【柏木 愛】
「このコートなら中は、こういうセーターが似合いますかねぇ……。あ、あのマフラーも可愛いですわよ！うふふ、楽しくなってきたですわよ〜！」
(意気揚々と、あっちへこっちへ。変な趣味に目覚めてしまったのか、コーディネートに花を咲かせるのであった。
結局、赤いタートルネックのセーターに、白のボアコートと白いマフラー。濃いブラウンのスカートに厚手のタイツ、ショートブーツといった格好に落ち着いた)
「うふ、うふふ……俺……いや、私、可愛いですわよ……」
【痴漢者トーマス】
うふふー…いやぁ、こんなの着たら、もうジャージになんて戻れないねー？
良いね！超可愛いよ！一緒に写真とかどうね？生まれ変わった記念だね！
(いえーいいえーいダブルピースとか言いながら、コロパッドを取り出した。
なお、こっちはコート以外は前のまんま。白スーツである。)
【柏木 愛】
「ええ、あんなものを着ていた私とはお別れですわよ。
いいですわね！SNOWを使ってさらに可愛くなるのですわ！」
（ニコニコと楽しそうに笑う。身も心も生まれ変わった気分であり、女子になる、ということに愉悦を覚えてしまったようだ。
トーマスに身体を寄せ、上目遣いをしつつ頬のあたりでピースサインを作る）
【痴漢者トーマス】
いえーい！ピースピース！共有チャットにも上げていいね！とか貰おうね！
はい！チーズッ…ネ。
…っというか、SNOWあるんだねー、コロパッド…。
(自分はピースマーク作って、目の辺りに。つまり、キラッ☆のポーズ。で、エガオー。
しかし、これ専用の端末とかじゃないんだ。…どこの端末なんやろ…とか。SNOWあるんだ…。)
【柏木 愛】
「ウフフ、いいね！は女の生命線ですわよ〜〜。
SNOWありますわよ〜ほら、ここをこうして……いえーいですわよ！」
（ノリノリで写真に写っていく。相手のコロパッドを勝手に操作し、SNOWを起動させると、また自撮り。十数枚に上る写真を撮影していくのであった）
【痴漢者トーマス】
…ここまで生まれ変わるってのも面白いねー。
いや、私が言えた義理じゃないけどね。
(もとからそういう願望あったのかな？って思いながら。…しかし、自撮り数十枚って疲れないのかな？楽しいなら良いけど。)
………あ、ところで、愛ちゃん？
(善意から悪いことを思い付いた感じの顔。)
【柏木 愛】
「うふふ、なんだか元の姿に戻るのも億劫になってきましたですわよ〜。
はい、なんでございましょう？」
（こちらは純粋度100%の笑顔である）
【痴漢者トーマス】
……あー…。
(どんな反応するのか、と思って。本当は胸でも触ってやろうかと思ったのだが。純粋な笑顔に完全に毒気を抜かれたと言うか…。)
…んー、私はさ、ちょっと眠いし疲れてきちゃったからさ、そろそろホテルに帰るんだけどー…。また、会おうね！
それでさ、もしもなんか会ったときは連絡してね！私が助けに行くからさ！
(フレンドの女の子全員助けるつもりなのかってレベルでそんなこと言ってるな。)
【柏木 愛】
「？？？
承知したですわよ〜！今度は一緒にお買い物してくださいですわよ！」
(一体何をするつもりなのだったろうか。今の彼にとっては些細な問題である。
彼はもう少しここに残るようだ。去りゆくトーマスに、手をヒラヒラ振るのだった)
お手伝いさん 8th-12th
酢豚に極稀に入ってるパイナポー(8th)-トロンパ(12th)
【トロンパ】
西エリア・病院
「風邪薬、風邪薬〜っと。…流石に、風邪でダウンはもう勘弁だ…」
そんな事を呟きながら病院に入って行くのはそう彼、トロンパである。言っているとうり、目的は医薬品の調達である
「…昼なら、まあ怖くないよな…」
【酢豚パイナポー】
「えっと、包帯とか消毒液とか…あ、ハサミもある…持ってとこっかな。何があるか分からないし。」
「ここは…薬の保管室かな。風邪薬と、麻酔薬と…あ、睡眠薬も持っていっておこ。あとはこれとこれと…。」
「手術用の服…ですか。…後これはなんで防護服？ウイルスでもあるですか…？
…一応、一応。」
廃工場のデジャヴを感じるが、まあ置いておこう。パイナポーはヒガンバナとの邂逅後、来るであろう命の危機に備え、出来るかぎり、思いつく限りのものを集め始める。
メス、ハサミ、ピンセット、包帯、絆創膏、麻酔薬、風邪薬、消毒液、生理用品、睡眠薬、防護服、漢方、手鏡、エトセトラエトセトラ…。
考えうる限りの状況を想定し、考えうる限りの生存方法を考えて。戦利品を全て大きなアタッシュケースへと詰め込んで(なんでこんなところにあったのだろうか？)
パイナポーはどこか満足げに病院を後にしようと階段を下りていく。そして…彼女は見覚えのある顔を目にすることになったのであった。
「あっ！トロンパさんっ！こんにちはっ！」
【トロンパ】
「おお、パイナポーか…って、えらい荷物だな…」
一体何をどれだけ詰め込んだのやら。
「…よかったら、運ぼうか？俺も、自分が欲しかったものは見つけたし…」
【酢豚パイナポー】
「あっ、じゃあお願いしてもいいですか…？ちょっと腕が疲れ来ちゃってたんですっ。
西エリアの駅までで良いので…お願いしますっ」
パイナポーはにこにことその顔に笑い慣れていない人特有のぎこちない笑みを浮かべて。
パイナポーへとフラつきながら歩んでいく。
幸いにして、中央エリアの駅からホテルまではかなり近い場所にある。それこそ徒歩でだっていけるのだから。故に、こうして荷物を西エリアの駅まで持って貰えるのは、願っても無い幸運であった。
【トロンパ】
「おう、任せとけ…って重いな！？」
予想の倍近くの重量に驚く。何入れたんだ
「まあいいや、向こうだな？安心安全のトロンパ宅配でーすっと。」
そのまま言われたとうりに駅に向かって歩く
【酢豚パイナポー】
〜西エリア、駅にて。
「ありがとうございます、トロンパさんっ！やっぱり、トロンパさんはお優しいですねっ！」
パイナポーは終始駅に着くまで微笑みを浮かべて、トロンパの後ろを雛鳥が如くついて行った。
トロンパは初対面から現在まで、悪感情を抱くことのない…それこそヒガンバナの言っていた“信頼するべき人物”に当てはまる事だろう。
パイナポーはこれから何が起こるかわからない。でも、こうした人の繋がりで…きっと、そんなものも乗り越えられるんじゃないかなって。
甘く未熟な考えを抱いていた。
「はいっ、トロンパさん。珈琲ですっ。さっき、そこで買ってきたんですよっ。」
そういうパイナポーの手にはまだ熱を多分に含んだスチール缶。パイナポーはそれをトロンパへと差し出した。
【トロンパ】
「おお、さんきゅ。」
礼を言って感を受け取る。あったけい
「気は優しくてちから↑持ちってな。ま、なんかあったら連絡くれれば、できる事は手伝うさ。そうすれば出られるって話だしな。」
そんな事を言いながら、はぁー、と白い息を吐く
「…ま、そのうち帰れるだろうから、そうなったら偽名公開でもしようぜ。案外、隣の席だったりするかも知れねぇし。」
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、トロンパさん野球でもやってたんですかねっ…？私はソレと巨人の星くらいしか分からないですけどねっ。」
珈琲を手渡して、ふふっと微笑む。ぎこちなさもだいぶ取れてきた。この分ならすぐにでも自然な笑顔を作る事が出来るようになるだろう。
パイナポーは特段その辺については知識がないが…まぁ、スラング程度になら知っている。彼の元ネタの年代とも微妙に被ってるしね。
「……？そうですねー…もしかしたら、もう会ってるかも知れませんものねっ。本名言ったら死んじゃうので言えないですけど…。」
ーーーそうだったら嬉しいなって。
そう言ってパイナポーは自然な笑みを、その顔に浮かべた。
【トロンパ】
西エリア・病院
「風邪薬、風邪薬〜っと。…流石に、風邪でダウンはもう勘弁だ…」
そんな事を呟きながら病院に入って行くのはそう彼、トロンパである。言っているとうり、目的は医薬品の調達である
「…昼なら、まあ怖くないよな…」
【酢豚パイナポー】
「えっと、包帯とか消毒液とか…あ、ハサミもある…持ってとこっかな。何があるか分からないし。」
「ここは…薬の保管室かな。風邪薬と、麻酔薬と…あ、睡眠薬も持っていっておこ。あとはこれとこれと…。」
「手術用の服…ですか。…後これはなんで防護服？ウイルスでもあるですか…？
…一応、一応。」
廃工場のデジャヴを感じるが、まあ置いておこう。パイナポーはヒガンバナとの邂逅後、来るであろう命の危機に備え、出来るかぎり、思いつく限りのものを集め始める。
メス、ハサミ、ピンセット、包帯、絆創膏、麻酔薬、風邪薬、消毒液、生理用品、睡眠薬、防護服、漢方、手鏡、エトセトラエトセトラ…。
考えうる限りの状況を想定し、考えうる限りの生存方法を考えて。戦利品を全て大きなアタッシュケースへと詰め込んで(なんでこんなところにあったのだろうか？)
パイナポーはどこか満足げに病院を後にしようと階段を下りていく。そして…彼女は見覚えのある顔を目にすることになったのであった。
「あっ！トロンパさんっ！こんにちはっ！」
【トロンパ】
「おお、パイナポーか…って、えらい荷物だな…」
一体何をどれだけ詰め込んだのやら。
「…よかったら、運ぼうか？俺も、自分が欲しかったものは見つけたし…」
【酢豚パイナポー】
「あっ、じゃあお願いしてもいいですか…？ちょっと腕が疲れ来ちゃってたんですっ。
西エリアの駅までで良いので…お願いしますっ」
パイナポーはにこにことその顔に笑い慣れていない人特有のぎこちない笑みを浮かべて。
パイナポーへとフラつきながら歩んでいく。
幸いにして、中央エリアの駅からホテルまではかなり近い場所にある。それこそ徒歩でだっていけるのだから。故に、こうして荷物を西エリアの駅まで持って貰えるのは、願っても無い幸運であった。
【トロンパ】
「おう、任せとけ…って重いな！？」
予想の倍近くの重量に驚く。何入れたんだ
「まあいいや、向こうだな？安心安全のトロンパ宅配でーすっと。」
そのまま言われたとうりに駅に向かって歩く
【酢豚パイナポー】
〜西エリア、駅にて。
「ありがとうございます、トロンパさんっ！やっぱり、トロンパさんはお優しいですねっ！」
パイナポーは終始駅に着くまで微笑みを浮かべて、トロンパの後ろを雛鳥が如くついて行った。
トロンパは初対面から現在まで、悪感情を抱くことのない…それこそヒガンバナの言っていた“信頼するべき人物”に当てはまる事だろう。
パイナポーはこれから何が起こるかわからない。でも、こうした人の繋がりで…きっと、そんなものも乗り越えられるんじゃないかなって。
甘く未熟な考えを抱いていた。
「はいっ、トロンパさん。珈琲ですっ。さっき、そこで買ってきたんですよっ。」
そういうパイナポーの手にはまだ熱を多分に含んだスチール缶。パイナポーはそれをトロンパへと差し出した。
【トロンパ】
「おお、さんきゅ。」
礼を言って感を受け取る。あったけい
「気は優しくてちから↑持ちってな。ま、なんかあったら連絡くれれば、できる事は手伝うさ。そうすれば出られるって話だしな。」
そんな事を言いながら、はぁー、と白い息を吐く
「…ま、そのうち帰れるだろうから、そうなったら偽名公開でもしようぜ。案外、隣の席だったりするかも知れねぇし。」
【酢豚パイナポー】
「ふふっ、トロンパさん野球でもやってたんですかねっ…？私はソレと巨人の星くらいしか分からないですけどねっ。」
珈琲を手渡して、ふふっと微笑む。ぎこちなさもだいぶ取れてきた。この分ならすぐにでも自然な笑顔を作る事が出来るようになるだろう。
パイナポーは特段その辺については知識がないが…まぁ、スラング程度になら知っている。彼の元ネタの年代とも微妙に被ってるしね。
「……？そうですねー…もしかしたら、もう会ってるかも知れませんものねっ。本名言ったら死んじゃうので言えないですけど…。」
ーーーそうだったら嬉しいなって。
そう言ってパイナポーは自然な笑みを、その顔に浮かべた。
安堵。 20th-23rd
あいごころ。(20th)-海月(23rd)
【あいごころ。】
｢さて…戻ろうかしら。｣
アート展を出て、さてどこ行こうかと考えた時。そういえばナイフが消失したままだったことを思い出しショッピングモールに戻ることにした。
｢武器、ねぇ…｣
用心に越したことはない。それはわかってはいる…が、しかし。特に得意な武器なんてものない。初心者でも使えるような武器をいくつか頭の中で思い浮かべ、適当に調達しに行くことにした。
［ショッピングモール］
特に何も無く到着。そして中に入り、適当に見回りながら目的の場所を目指す。さて、どこにあるかな…まあ、そのうち見つかるだろう、と楽観視。
【海月】
取り敢えず、今ある限りの記憶を整理してみよう。さっきはいつの間にか教会にいて、変な人…あの人すごい背高かったけど、その人…を一瞬見たような気がする。
あの人ちょっとうるさかったな…あれ、そんな人と対峙してすごい饒舌に喋ってたボクはナニモノ？え、こわ、普通ボクそんな喋らないのに、え、こわ…
えっと。その後…いつの間にかここで倒れていた。出血が原因かな…まだ血出てるし、痛いし…
こういう時って包帯でも巻けば治るのかな？
「…あ。女の子…？」
きょろきょろとあちらこちらを見ながら歩いている、少女。というか本当に女の子。ボクより身長低い…というか、今のボクの姿じゃないからあんまり測れないんだけれど…
…何でここにいるんだろう？見た感じ…ショッピングモールかな。あんまり騒がしくないけれど…迷子？
もしかして、助けてあげた方がいい、のかな？
「あ、ねえ…！そこのキミ、大丈夫？」
左手は痛むけれど、それよりも他人が優先だよね。あ、ナイフは誰かに拾われないように、一応持っておこう…
【あいごころ。】
｢…？あら、あなたは…｣
声をかけてきたのはエチゼンゼリー生命体だった。まあ面倒なことをしに来たのかとはぁ、と大きくため息を吐く。
｢大丈夫、ねぇ…今しがた大丈夫じゃなくなったわ。｣
あなたの顔をみたらね、とちょっと睨んでみる。…とそこで相手が左手から血を出していることに気づいた。
｢あなたの方が大丈夫なのかしら…？｣
当然の疑問だろう。自分が怪我してるにも関わらず平然と歩いているこちらに対して大丈夫、などと聞いてくるのだ。ついに頭をやったのかと心配になるが…
【海月】
大丈夫じゃなくなった…って本当に大丈夫なのかな。
というか、この子、思ったより子供じゃない…？いや、身長的に、あり得ない…よね。背伸びしてるんだなぁ。
「あ、うん…大丈夫じゃないとは思うんだけど、ほら、女の子には優しくしないと。
迷子とかなら案内…出来ないかもしれないけど、付き添いは出来る、と思うよ？本当に大丈夫？」
なんて、むしろこっちが女の子に包帯のあるところまで案内してもらいたい気分なんだけれど…
流石に子供にそんなこと言うわけにはいかない、よね…？
…あれ、でも、これボク傍から見たら犯罪者だったりする…？いや、今、女の子になっているわけだし、ないか。
【あいごころ。】
｢一体なんの冗談かしら…｣
新手の嫌がらせだろうか？なんでこんな馴れ馴れしく話しかけられるのか全く意味がわからない。どうせ困っているこちらを見てニヤついているのだろうと睨むが…少し違和感に気づく。もし海月だとしたらこんな回りくどいことをするだろうか。今まで彼女の嫌がらせ良くも悪くも直球的であった。転んだ写真を撮ったり目を隠してだーれだ、などと言ってみたり。そこには確かに相手の様子を見るため動揺させたり激昂させたりといった目的が少なからずあった気がする。確かな違和感。一体何が目的なのだろうか。それとも、何かが彼女に起こった？…この、違和感は…私にとって少し、気持ち悪かった。
｢…あなたは、今まで私に何をしたか覚えてないのかしら？｣
確認するように聞く。嫌な予感がする。お願いだ、どうか、そんなことはないで欲しいと確かめるように。…こういうときは大抵ーー
【海月】
「…ええと、何をしたか…？」
おかしい。この子には今この瞬間が初対面なのだけれど。何をしたか、と言われても、声を掛けたくらいしか。
…だから、こういう時はたいてい、"ボク"が関わっている。んだよね？
「…えっと、ね。もしかして、キミ、ボクに会ったことがあるのかな。覚えてはいないんだけど…
思い当たる節があって…」
然ういえば、この子のボクに対する目から、良い関係ではなさそうなのは察知できたはずなんだけど。
ボク、やっぱり鈍いところがある。…あれ？つまり"ボク"、女の子に何かしたってこと？
【あいごころ。】
｢え…｣
今私はどんな顔をしているのだろう。…いや、さっきまでの彼女の行動から、この自体は予測出来ていただろう。そう。この“最悪”の状況を。ただ最悪な状況が起こっただけ…そうでしょう？
｢そう、なのね…｣
多重人格者。別に詳しいという訳では無い。ただ、そういう人は見たことない、という訳では無い。そして大抵の場合、その記憶は共有されないと言われている。…恐らく、彼女もそうなのだろう。
｢……？｣
頬に何かが垂れてきた…ああ、泣いてるのね。私。袖で涙を拭く。…うん。大丈夫。とりあえず現状は理解した。また立て直せばいいだけ。
｢…大丈夫、大丈夫だから。｣
気がつけば、そう呟いていた。
【海月】
「……え」
自分も、どう返答すればいいのか分からなくて誤魔化してはいたけれど。まさか、泣かれてしまうとは。
如何して、だろう。これを隠していたこと？それとも"ボク"じゃなかったこと…？
――いや、そんな些細なことは今はどうでもいい。
「えっ、と…ボクも今、分からないことだらけだから…あまり深くは言えないんだけどさ。
とりあえず落ち着いて……その、自己紹介でもしない？名前も知らないのは、あれだし…二回も名乗らせちゃうってことになったなら、申し訳ないけどさ」
そう励まして、何気なく、自然にそっと頭をなでていた。何でそんなことしたのかは、よく分からないけれど。
励ます側は笑顔でいないと。ボクは、今、笑えている？
【あいごころ。】
｢…え、ええ。大丈夫。｣
大丈夫。そう。なにも最悪なことが起こっただけだから。
｢私はあいごころ。こころでいいわ。｣
…1回名乗ってはいるのだけれどね。きっと相手は覚えてない無いのだろう。
｢あなたは、どこまで覚えているのかしら？｣
多分、二重人格。どちらが元の人格かは、知らないけれど。とりあえずそう聞いてみることにする。狐面を触って…少しだけ笑ってみる。…いや、笑えてないかもしれない。
【海月】
「そっか。あいごころさん…じゃなくて、こころさん。よろしくね」
大丈夫ならばいいのだけれど…なんて、流石に、過剰に心配してもストレスにさせてしまうだろうか。
ボクの名前は…流石にいいかな。偽名じゃないとダメ、って端末には書いてあったけれど…
「…どこまで、覚えているのか…えっとね。此処にどうやって来たのかは覚えてないんだけど…確か、修学旅行で、駅に向かうバスの途中で…あれ？事故…？…あ、ごめん。続けるね。
その後記憶にあるのは…教会かな。すごく大きい人が…こういうコト言っちゃうのは良くないかもしれないけど、変人さんがいてね。
名前は確か…トロンパ＝ヴァン・ルードツィッヒ…？だっけ。その後その人とちょっと言い争って…
気付いたらここにいた。そこからはキミと会って、って感じだよ。」
かなり簡易に説明したし、人名なんて分からないだろうから出す必要もなかった、かな。
…というか、あれ。あの時、確かボク、崖から落ちたような…？ハッキリと、覚えているわけではないのだけど。
「えっと、逆に聞いちゃっていいかな…？キミが知ってる範囲で、ボクが何をしてたか、とかって分かる？」
【あいごころ。】
｢…そうね。｣
ええ。あなたは色々私にしてきたわよ。本当に、色々ね。
｢…なにも。ただ、少し性格が合わなかっただけよ。気にしないで。｣
それを今の彼女に伝えたところで何になるとも思わない。余計彼女を心配させるだけだろう。それよりも今、私にとって大切なのは彼女がどういう存在であるか、ということ。
｢ねぇ、あなたってこの状況。どう考えてるのかしら？｣
いつもの質問を問う。大抵これで相手の反応を見たり推測したりするけども…今回のは違う。相手がどういう性格かハッキリさせることが目的。…そういえば彼女は現状をどの程度まで把握しているのだろうか。
【海月】
「性格が合わなかった…何か、よくそう言われるよ。えっと、一応ごめんね」
ボクからしてみれば"ボク"の性格は分かりようがないのだけれど、本当によくそう言われる。
"ボク"がどういう性格なのは…気になるけれど対峙はしてみたくない。
「この、状況？」
さっき、状況を整理するときに、持っていた端末をちらと眺めていたから分かる。
観光を楽しんで、とか、友好関係を良いものへ、とか。まるきり修学旅行みたいな感じの。
…あれ、海神学園って明記されているってことは、この子ももしかして…？いや、流石にないか。こんな…言ってしまうとあれだけれど、こんな体型の子、ボクのクラスにはいなかった。…よね？
まあ、でも、修学旅行というのなら悪い気はしない。まだショッピングモール程度しか見れていないんだけれど。
友達同士で買い物とか楽しそうではある。…ココの雰囲気が静かなのが、唯一気にはかかる。
「どう、考えてるって…修学旅行の延長、みたいなものじゃないのかな？観光を楽しんで、とか書いてあったし。
…ただ、名前縛りなのはちょっとヘンだな、とは思ってる。」
【あいごころ。】
｢あら、そうなのね…｣
…そうか。まったく状況を把握してないと来たか。狐面を触り、少し考える。恐らく彼女はこ子に来てからの記憶がほとんどない。恐らく彼女から出た記憶はたまたま、偶然元に戻り、それから直ぐに性格が入れ替わったのだろう。…なるほどね。
｢そうね。本名は言わない方がいいわよ？バレると死ぬ、らしいからね。｣
そういってニヤリと笑ってみせる。大丈夫。今度は上手く笑えてると思う。
｢今私たちが置かれてる状況は結構深刻な状況よ。…あなた、今の自分の姿鏡で見たことあるかしら？｣
そういうとコロパットを取り出し彼女の姿をパシャリと撮る。そしてその撮った写真を、見せてみる。
【海月】
「バレると、死ぬ…それに、これ、え、ボク？」
思ったより可愛い…じゃなくて、姿が変わっている。…どういうことだ？
いやいやいや、流石に記憶が無いからといってその間に姿かたちが変わるなんてあり得ない。
「…えっと、今何が起きてるの？姿も、名前も変えたままで、友好関係とか…可能なの？
それに、此処、何でこんなに人が少ない…というか、活気がないの？」
分からない。分からないコトだらけだけれど、少しだけ分かる。
こころさんが言っている通り、今この状況を考えてみると、お世辞にも"いい状況"とは、言えない。
何か起きているの？でも、今は、観光を楽しんでとしか書いていない。
…楽しむことなんて、できるのかな。
【あいごころ。】
｢何が起きているか、ね。それは私にも分からないわ。｣
渡したコロパットを取り、そう。こちらだって全てを把握している訳では無い。ただ、名前を言われると死ぬ状況。そして姿形さえ変わった状況で友好関係を築くなどかなり困難であろう。そこまで直ぐに頭が回るあたりはやはり本人、というところか。…つまり信じられる人がいなくなるということだから、ね。
｢活気がないどころかそもそもここにはクラスメイトしかいないと思うわよ？そのクラスメイトも姿形変えて偽名を名乗っているのだけれど、ね。｣
恐らくここまでならば言わなくてもそのうち気づくのだろう。人はいるに入るが…いや、あれは人というのだろうか？と少し疑問に思ってみたりする。
｢まあ、ここまで聞けば分かるでしょう？…これは楽しい楽しい“修学旅行”だってこと。｣
皮肉気味に言う。ニヤリとした笑みはそのままに。本当に、楽しい修学旅行ね。…誰かさんにとっては、だろうけど。
【海月】
本当に、"異常事態"。そもそも、最初の時点から正常ではなさそうだったんだけれど。
姿形が変わったり、といった非現実的なこともそうだけれど。
クラスメイトだけがここに集められている、という事態の深刻性もそうだけれど。
「…楽しい、修学旅行。か。これを楽しんでいる人もいる、ってことなのかな…？」
少なくとも、状況が呑み込めない今の状況では、ボクは楽しいとは思えない。
…本名を当てられると死ぬ。これが本当かどうか…本当だと、仮定したら。こんなルールを設ける意味は何なのか。紐解いていく。
もし、仮定が正しいのなら。
「…このルールを作った人は…ボクたちに仲間割れをさせようとしているのかな？
それに、包丁とか、普段"見慣れない"ものが置いてあるってことは…」
ああ、なるほど。そういう意味での"楽しい"なのか。理解した。
それなら、ボクは――――
「キミはこの修学旅行を楽しんでいるの？」
【あいごころ。】
｢まあ、恐らくそんな所ね。私も同じ結論よ。｣
仲間割れをさせる。それは1番わかりやすい例えだろう。それにショッピングモール、なんて言っているけども実際の所は凶器の楽園。そこら中に殺せるようなものが落ちているのがこのモールだ。
…君は修学旅行を楽しんでいるの、か。
正直こんな悪趣味なこと。全くもって楽しめない。心休まる暇もないのだから。…だから、だろう。すこしだけ余裕たっぷりに見せる。純粋に楽しんでみせている、“あいつ”の真似をしたくなったのは。
｢…楽しいわよ。とってもね。…嘘かもしれないけどね｣
狐面を触りながら、そういってクスクスと笑ってみせる。自分らしくないな。そう思いながら。
【海月】
目の前の少女…いや、実際は同じクラスメイトか。こころさんの、悪戯に、悪趣味に微笑んでいる姿を見て。
"楽しい"という単語を耳にして。
…とても、とても安堵した。
「……そっか、それなら良かった。こころさんが楽しいなら良かった。」
確かに、仲間割れが起きる可能性がある。人が死んでしまう可能性も否定できない。
そもそも"死ぬ"可能性があるというルールを堂々と提示するあたり、これを仕組んでいる人はそういう腹積もりなのだろう。
だから。
「それって、この状況に"良い感情"を持っている人がいたってことでしょ？
それは多分、これを仕組んでいた人にとっても嬉しいだろうし、キミにとっても嬉しい。
ボクは、そう言う"嬉しい"が増えるなら、それでいいと思ってるよ。」
なんて。本心から。そう伝える。
嘘かもしれない、という文面を付け足したところはちょっと不安だけれど、それでも楽しめているのなら。
"楽しめている"と感じる人が一人でも二人でもいるのなら。
「――仲間割れが起きても、人が死んでも、それは"誰かにとっての有意義"になるだろうから。」
別に、ボクとしては、人が死ぬとか仲間割れが起きるとかにケチをつけるつもりなんてない。
それを仕組んでいる人がいるってことは、それを望んでいる人がいて、それを望んでいる意味があるということ。
その"意味"まで問いただして更正しようなんて烏滸がましい。
【あいごころ。】
｢…｣
正直言葉を失った。ああ、そうか。やっぱり彼女は…いや、こいつは悪趣味なんだなって。結局彼女の中身が変わっても本質は変わることは無かった。そしてそのことに、私は…
｢…ええ、そうね。楽しければいいのかもしれないわね。｣
とても。とても安堵した。きっと顔に出たかも知れない。ほっとしたというか、そんな表情が。ああ、やっぱりこいつは狂っていて、私には理解できない存在でいるんだなと。
｢さて、申し訳ないけれど。わたしはそろそろ行くわね。｣
ここは調理売り場。確かに包丁も、いいかもしれないが刃物は少々不安だ。もう少し武器を選ぶべきだろう。そう考え、この場を離れる。…あ、そうだ。1つ言っておこうかな。
｢こんな悪趣味なこと、本当は私は嫌いなのよ？｣
そう言ってみる。…何が、なんてのは、言わないでおいて。
【海月】
「そっか。えっと…こんなことを、修学旅行中に言うのは場違いかもしれないけど。
気を付けてね？こころさん。誰が何をしてくるかも…なんて、ごめん…クラスメイトのこと、信用できてないね。」
皆のコトを信じておこう。仲間割れとか、コロシアイだのの話は、始まってしまってからにしよう。
全てが遅すぎてからにしよう。だから、それまで、皆が楽しめている事を願っておく。
「そっ、か。ボクも殺人とか仲間割れに関しては同意見だよ。"ボクは"楽しめない、かな…」
ボクじゃない他の人が楽しめているというのなら、別にそれでいいだけ。
ボクの価値なんてそんなもの。人々の意見と違っていたなら擦り合わせるべきで、楽しいコトを優先させるべき。
だから、こころさんが嫌いだと言うのなら、こころさんがこの修学旅行を止められることを願っておこう。
それがきっと、こころさんにとっての嬉しいことだから。
ボクはあくまでも、皆の為に。そんなことを考えつつ、見送ることにした。
【あいごころ。】
｢さて…戻ろうかしら。｣
アート展を出て、さてどこ行こうかと考えた時。そういえばナイフが消失したままだったことを思い出しショッピングモールに戻ることにした。
｢武器、ねぇ…｣
用心に越したことはない。それはわかってはいる…が、しかし。特に得意な武器なんてものない。初心者でも使えるような武器をいくつか頭の中で思い浮かべ、適当に調達しに行くことにした。
［ショッピングモール］
特に何も無く到着。そして中に入り、適当に見回りながら目的の場所を目指す。さて、どこにあるかな…まあ、そのうち見つかるだろう、と楽観視。
【海月】
取り敢えず、今ある限りの記憶を整理してみよう。さっきはいつの間にか教会にいて、変な人…あの人すごい背高かったけど、その人…を一瞬見たような気がする。
あの人ちょっとうるさかったな…あれ、そんな人と対峙してすごい饒舌に喋ってたボクはナニモノ？え、こわ、普通ボクそんな喋らないのに、え、こわ…
えっと。その後…いつの間にかここで倒れていた。出血が原因かな…まだ血出てるし、痛いし…
こういう時って包帯でも巻けば治るのかな？
「…あ。女の子…？」
きょろきょろとあちらこちらを見ながら歩いている、少女。というか本当に女の子。ボクより身長低い…というか、今のボクの姿じゃないからあんまり測れないんだけれど…
…何でここにいるんだろう？見た感じ…ショッピングモールかな。あんまり騒がしくないけれど…迷子？
もしかして、助けてあげた方がいい、のかな？
「あ、ねえ…！そこのキミ、大丈夫？」
左手は痛むけれど、それよりも他人が優先だよね。あ、ナイフは誰かに拾われないように、一応持っておこう…
【あいごころ。】
｢…？あら、あなたは…｣
声をかけてきたのはエチゼンゼリー生命体だった。まあ面倒なことをしに来たのかとはぁ、と大きくため息を吐く。
｢大丈夫、ねぇ…今しがた大丈夫じゃなくなったわ。｣
あなたの顔をみたらね、とちょっと睨んでみる。…とそこで相手が左手から血を出していることに気づいた。
｢あなたの方が大丈夫なのかしら…？｣
当然の疑問だろう。自分が怪我してるにも関わらず平然と歩いているこちらに対して大丈夫、などと聞いてくるのだ。ついに頭をやったのかと心配になるが…
【海月】
大丈夫じゃなくなった…って本当に大丈夫なのかな。
というか、この子、思ったより子供じゃない…？いや、身長的に、あり得ない…よね。背伸びしてるんだなぁ。
「あ、うん…大丈夫じゃないとは思うんだけど、ほら、女の子には優しくしないと。
迷子とかなら案内…出来ないかもしれないけど、付き添いは出来る、と思うよ？本当に大丈夫？」
なんて、むしろこっちが女の子に包帯のあるところまで案内してもらいたい気分なんだけれど…
流石に子供にそんなこと言うわけにはいかない、よね…？
…あれ、でも、これボク傍から見たら犯罪者だったりする…？いや、今、女の子になっているわけだし、ないか。
【あいごころ。】
｢一体なんの冗談かしら…｣
新手の嫌がらせだろうか？なんでこんな馴れ馴れしく話しかけられるのか全く意味がわからない。どうせ困っているこちらを見てニヤついているのだろうと睨むが…少し違和感に気づく。もし海月だとしたらこんな回りくどいことをするだろうか。今まで彼女の嫌がらせ良くも悪くも直球的であった。転んだ写真を撮ったり目を隠してだーれだ、などと言ってみたり。そこには確かに相手の様子を見るため動揺させたり激昂させたりといった目的が少なからずあった気がする。確かな違和感。一体何が目的なのだろうか。それとも、何かが彼女に起こった？…この、違和感は…私にとって少し、気持ち悪かった。
｢…あなたは、今まで私に何をしたか覚えてないのかしら？｣
確認するように聞く。嫌な予感がする。お願いだ、どうか、そんなことはないで欲しいと確かめるように。…こういうときは大抵ーー
【海月】
「…ええと、何をしたか…？」
おかしい。この子には今この瞬間が初対面なのだけれど。何をしたか、と言われても、声を掛けたくらいしか。
…だから、こういう時はたいてい、"ボク"が関わっている。んだよね？
「…えっと、ね。もしかして、キミ、ボクに会ったことがあるのかな。覚えてはいないんだけど…
思い当たる節があって…」
然ういえば、この子のボクに対する目から、良い関係ではなさそうなのは察知できたはずなんだけど。
ボク、やっぱり鈍いところがある。…あれ？つまり"ボク"、女の子に何かしたってこと？
【あいごころ。】
｢え…｣
今私はどんな顔をしているのだろう。…いや、さっきまでの彼女の行動から、この自体は予測出来ていただろう。そう。この“最悪”の状況を。ただ最悪な状況が起こっただけ…そうでしょう？
｢そう、なのね…｣
多重人格者。別に詳しいという訳では無い。ただ、そういう人は見たことない、という訳では無い。そして大抵の場合、その記憶は共有されないと言われている。…恐らく、彼女もそうなのだろう。
｢……？｣
頬に何かが垂れてきた…ああ、泣いてるのね。私。袖で涙を拭く。…うん。大丈夫。とりあえず現状は理解した。また立て直せばいいだけ。
｢…大丈夫、大丈夫だから。｣
気がつけば、そう呟いていた。
【海月】
「……え」
自分も、どう返答すればいいのか分からなくて誤魔化してはいたけれど。まさか、泣かれてしまうとは。
如何して、だろう。これを隠していたこと？それとも"ボク"じゃなかったこと…？
――いや、そんな些細なことは今はどうでもいい。
「えっ、と…ボクも今、分からないことだらけだから…あまり深くは言えないんだけどさ。
とりあえず落ち着いて……その、自己紹介でもしない？名前も知らないのは、あれだし…二回も名乗らせちゃうってことになったなら、申し訳ないけどさ」
そう励まして、何気なく、自然にそっと頭をなでていた。何でそんなことしたのかは、よく分からないけれど。
励ます側は笑顔でいないと。ボクは、今、笑えている？
【あいごころ。】
｢…え、ええ。大丈夫。｣
大丈夫。そう。なにも最悪なことが起こっただけだから。
｢私はあいごころ。こころでいいわ。｣
…1回名乗ってはいるのだけれどね。きっと相手は覚えてない無いのだろう。
｢あなたは、どこまで覚えているのかしら？｣
多分、二重人格。どちらが元の人格かは、知らないけれど。とりあえずそう聞いてみることにする。狐面を触って…少しだけ笑ってみる。…いや、笑えてないかもしれない。
【海月】
「そっか。あいごころさん…じゃなくて、こころさん。よろしくね」
大丈夫ならばいいのだけれど…なんて、流石に、過剰に心配してもストレスにさせてしまうだろうか。
ボクの名前は…流石にいいかな。偽名じゃないとダメ、って端末には書いてあったけれど…
「…どこまで、覚えているのか…えっとね。此処にどうやって来たのかは覚えてないんだけど…確か、修学旅行で、駅に向かうバスの途中で…あれ？事故…？…あ、ごめん。続けるね。
その後記憶にあるのは…教会かな。すごく大きい人が…こういうコト言っちゃうのは良くないかもしれないけど、変人さんがいてね。
名前は確か…トロンパ＝ヴァン・ルードツィッヒ…？だっけ。その後その人とちょっと言い争って…
気付いたらここにいた。そこからはキミと会って、って感じだよ。」
かなり簡易に説明したし、人名なんて分からないだろうから出す必要もなかった、かな。
…というか、あれ。あの時、確かボク、崖から落ちたような…？ハッキリと、覚えているわけではないのだけど。
「えっと、逆に聞いちゃっていいかな…？キミが知ってる範囲で、ボクが何をしてたか、とかって分かる？」
【あいごころ。】
｢…そうね。｣
ええ。あなたは色々私にしてきたわよ。本当に、色々ね。
｢…なにも。ただ、少し性格が合わなかっただけよ。気にしないで。｣
それを今の彼女に伝えたところで何になるとも思わない。余計彼女を心配させるだけだろう。それよりも今、私にとって大切なのは彼女がどういう存在であるか、ということ。
｢ねぇ、あなたってこの状況。どう考えてるのかしら？｣
いつもの質問を問う。大抵これで相手の反応を見たり推測したりするけども…今回のは違う。相手がどういう性格かハッキリさせることが目的。…そういえば彼女は現状をどの程度まで把握しているのだろうか。
【海月】
「性格が合わなかった…何か、よくそう言われるよ。えっと、一応ごめんね」
ボクからしてみれば"ボク"の性格は分かりようがないのだけれど、本当によくそう言われる。
"ボク"がどういう性格なのは…気になるけれど対峙はしてみたくない。
「この、状況？」
さっき、状況を整理するときに、持っていた端末をちらと眺めていたから分かる。
観光を楽しんで、とか、友好関係を良いものへ、とか。まるきり修学旅行みたいな感じの。
…あれ、海神学園って明記されているってことは、この子ももしかして…？いや、流石にないか。こんな…言ってしまうとあれだけれど、こんな体型の子、ボクのクラスにはいなかった。…よね？
まあ、でも、修学旅行というのなら悪い気はしない。まだショッピングモール程度しか見れていないんだけれど。
友達同士で買い物とか楽しそうではある。…ココの雰囲気が静かなのが、唯一気にはかかる。
「どう、考えてるって…修学旅行の延長、みたいなものじゃないのかな？観光を楽しんで、とか書いてあったし。
…ただ、名前縛りなのはちょっとヘンだな、とは思ってる。」
【あいごころ。】
｢あら、そうなのね…｣
…そうか。まったく状況を把握してないと来たか。狐面を触り、少し考える。恐らく彼女はこ子に来てからの記憶がほとんどない。恐らく彼女から出た記憶はたまたま、偶然元に戻り、それから直ぐに性格が入れ替わったのだろう。…なるほどね。
｢そうね。本名は言わない方がいいわよ？バレると死ぬ、らしいからね。｣
そういってニヤリと笑ってみせる。大丈夫。今度は上手く笑えてると思う。
｢今私たちが置かれてる状況は結構深刻な状況よ。…あなた、今の自分の姿鏡で見たことあるかしら？｣
そういうとコロパットを取り出し彼女の姿をパシャリと撮る。そしてその撮った写真を、見せてみる。
【海月】
「バレると、死ぬ…それに、これ、え、ボク？」
思ったより可愛い…じゃなくて、姿が変わっている。…どういうことだ？
いやいやいや、流石に記憶が無いからといってその間に姿かたちが変わるなんてあり得ない。
「…えっと、今何が起きてるの？姿も、名前も変えたままで、友好関係とか…可能なの？
それに、此処、何でこんなに人が少ない…というか、活気がないの？」
分からない。分からないコトだらけだけれど、少しだけ分かる。
こころさんが言っている通り、今この状況を考えてみると、お世辞にも"いい状況"とは、言えない。
何か起きているの？でも、今は、観光を楽しんでとしか書いていない。
…楽しむことなんて、できるのかな。
【あいごころ。】
｢何が起きているか、ね。それは私にも分からないわ。｣
渡したコロパットを取り、そう。こちらだって全てを把握している訳では無い。ただ、名前を言われると死ぬ状況。そして姿形さえ変わった状況で友好関係を築くなどかなり困難であろう。そこまで直ぐに頭が回るあたりはやはり本人、というところか。…つまり信じられる人がいなくなるということだから、ね。
｢活気がないどころかそもそもここにはクラスメイトしかいないと思うわよ？そのクラスメイトも姿形変えて偽名を名乗っているのだけれど、ね。｣
恐らくここまでならば言わなくてもそのうち気づくのだろう。人はいるに入るが…いや、あれは人というのだろうか？と少し疑問に思ってみたりする。
｢まあ、ここまで聞けば分かるでしょう？…これは楽しい楽しい“修学旅行”だってこと。｣
皮肉気味に言う。ニヤリとした笑みはそのままに。本当に、楽しい修学旅行ね。…誰かさんにとっては、だろうけど。
【海月】
本当に、"異常事態"。そもそも、最初の時点から正常ではなさそうだったんだけれど。
姿形が変わったり、といった非現実的なこともそうだけれど。
クラスメイトだけがここに集められている、という事態の深刻性もそうだけれど。
「…楽しい、修学旅行。か。これを楽しんでいる人もいる、ってことなのかな…？」
少なくとも、状況が呑み込めない今の状況では、ボクは楽しいとは思えない。
…本名を当てられると死ぬ。これが本当かどうか…本当だと、仮定したら。こんなルールを設ける意味は何なのか。紐解いていく。
もし、仮定が正しいのなら。
「…このルールを作った人は…ボクたちに仲間割れをさせようとしているのかな？
それに、包丁とか、普段"見慣れない"ものが置いてあるってことは…」
ああ、なるほど。そういう意味での"楽しい"なのか。理解した。
それなら、ボクは――――
「キミはこの修学旅行を楽しんでいるの？」
【あいごころ。】
｢まあ、恐らくそんな所ね。私も同じ結論よ。｣
仲間割れをさせる。それは1番わかりやすい例えだろう。それにショッピングモール、なんて言っているけども実際の所は凶器の楽園。そこら中に殺せるようなものが落ちているのがこのモールだ。
…君は修学旅行を楽しんでいるの、か。
正直こんな悪趣味なこと。全くもって楽しめない。心休まる暇もないのだから。…だから、だろう。すこしだけ余裕たっぷりに見せる。純粋に楽しんでみせている、“あいつ”の真似をしたくなったのは。
｢…楽しいわよ。とってもね。…嘘かもしれないけどね｣
狐面を触りながら、そういってクスクスと笑ってみせる。自分らしくないな。そう思いながら。
【海月】
目の前の少女…いや、実際は同じクラスメイトか。こころさんの、悪戯に、悪趣味に微笑んでいる姿を見て。
"楽しい"という単語を耳にして。
…とても、とても安堵した。
「……そっか、それなら良かった。こころさんが楽しいなら良かった。」
確かに、仲間割れが起きる可能性がある。人が死んでしまう可能性も否定できない。
そもそも"死ぬ"可能性があるというルールを堂々と提示するあたり、これを仕組んでいる人はそういう腹積もりなのだろう。
だから。
「それって、この状況に"良い感情"を持っている人がいたってことでしょ？
それは多分、これを仕組んでいた人にとっても嬉しいだろうし、キミにとっても嬉しい。
ボクは、そう言う"嬉しい"が増えるなら、それでいいと思ってるよ。」
なんて。本心から。そう伝える。
嘘かもしれない、という文面を付け足したところはちょっと不安だけれど、それでも楽しめているのなら。
"楽しめている"と感じる人が一人でも二人でもいるのなら。
「――仲間割れが起きても、人が死んでも、それは"誰かにとっての有意義"になるだろうから。」
別に、ボクとしては、人が死ぬとか仲間割れが起きるとかにケチをつけるつもりなんてない。
それを仕組んでいる人がいるってことは、それを望んでいる人がいて、それを望んでいる意味があるということ。
その"意味"まで問いただして更正しようなんて烏滸がましい。
【あいごころ。】
｢…｣
正直言葉を失った。ああ、そうか。やっぱり彼女は…いや、こいつは悪趣味なんだなって。結局彼女の中身が変わっても本質は変わることは無かった。そしてそのことに、私は…
｢…ええ、そうね。楽しければいいのかもしれないわね。｣
とても。とても安堵した。きっと顔に出たかも知れない。ほっとしたというか、そんな表情が。ああ、やっぱりこいつは狂っていて、私には理解できない存在でいるんだなと。
｢さて、申し訳ないけれど。わたしはそろそろ行くわね。｣
ここは調理売り場。確かに包丁も、いいかもしれないが刃物は少々不安だ。もう少し武器を選ぶべきだろう。そう考え、この場を離れる。…あ、そうだ。1つ言っておこうかな。
｢こんな悪趣味なこと、本当は私は嫌いなのよ？｣
そう言ってみる。…何が、なんてのは、言わないでおいて。
【海月】
「そっか。えっと…こんなことを、修学旅行中に言うのは場違いかもしれないけど。
気を付けてね？こころさん。誰が何をしてくるかも…なんて、ごめん…クラスメイトのこと、信用できてないね。」
皆のコトを信じておこう。仲間割れとか、コロシアイだのの話は、始まってしまってからにしよう。
全てが遅すぎてからにしよう。だから、それまで、皆が楽しめている事を願っておく。
「そっ、か。ボクも殺人とか仲間割れに関しては同意見だよ。"ボクは"楽しめない、かな…」
ボクじゃない他の人が楽しめているというのなら、別にそれでいいだけ。
ボクの価値なんてそんなもの。人々の意見と違っていたなら擦り合わせるべきで、楽しいコトを優先させるべき。
だから、こころさんが嫌いだと言うのなら、こころさんがこの修学旅行を止められることを願っておこう。
それがきっと、こころさんにとっての嬉しいことだから。
ボクはあくまでも、皆の為に。そんなことを考えつつ、見送ることにした。
犯罪以上重罪未満 20th-25th
あいごころ。(20th)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「本当に生まれ変わった気分ですわよ……。
以前の私は、とても好きにはなれませんでした。今の私なら、好きになれそうな気がしますですわよ。ウフフ、ウフフ……」
（解放的な気分になった彼は、雪の積もった公園で一人、くるくると舞っていた。
ずっとこの姿でいたい……そう思ってしまうと前村の自分と被る（クソメタ）のだが、そんな気分である。
雪を被ったアスレチックを遠くに見つけると、スキップで寄る。久しぶりに体を動かそうか、と考えた）
【あいごころ。】
｢ここまで来れば寒くないわね…｣
スキー場の方の探索を終えた後、直ぐに北エリアから抜けた。寒い場所にはあまりいたくない。そう思うのは自然なことだろう。あまり寒くないことを確認しつつ、適当なところでジャンパーを脱ぐ。こういう服はあまり好きではないのだ。ここらへんならばまだ着物だけでも問題ない。さて、暫く歩いていると公園のような場所を発見する。
｢あら、ここは…公園、かしらね。｣
相も変わらずに雪が降っているがまあ、問題ない。あれは高いところにいったから寒くなったのだ。あまりめぼしいものなど無さそうだが一応探索はしておくことにしたのだが…
｢…なにかしら、あれ。｣
雪の積もった公園の中。1人の少女がくるくると舞っていた。…いや、何をしているのだろう。
あまりお近づきになりたくはなかったが、恐らく彼女もクラスメイトなのだろう。深くため息を吐くと、声をかけるべく近づいて行った。
【柏木 愛】
「ひい、冷たい……手袋を持ってくれば良かったですわよ」
(チェーンで出来たジャングルジム的な何かによじ登る。金属のチェーンはたっぷり冷やされており、素手で掴むのは少々抵抗があった。真ん中辺りまで登った時、ひとりの少女が近寄ってくるのが見えた。着物姿が雪景色と異常にマッチしていたが、あまりにも寒そうである。それよりもこの少女、どこかで見たことがあるような……？)
「こんにちは、お嬢さん。あなたもお散歩ですこと？」
【あいごころ。】
｢ええ、そうね。そんなところかしら。｣
とりあえずそう返しておく。…なんだか呑気な人ね。というかアスレチックやってるのにお散歩っていうのかしらそれ。なんだか楽しそうな相手を見てると毒気が抜かれてしまうような…そんな感じがした。
｢…まあ、なんていうのかしら。単刀直入に聞くけれど、あなた何してるのかしら？｣
…正直突っ込まざるおえないだろう。恐らく中身は高校生なのだろうがこの状況下でそんなアスレチックをやるなんて図太すぎる神経がとても信じられなかった。思わずジト目になってしまうのも仕方ないだろう。
【柏木 愛】
「……え？」
（この少女、なんか冷めてない？雪に冷まされちゃったの？
以前に会ったエムもそうだったが、ここのロリはなんか若干冷めてない？
うっかり素に戻ってしまいそうな自分を抑え、笑顔をキープする）
「も、もちろん、遊んでいるのですわよ！寒いですし、身体を動かして温めるのですわよ！てい！」
（ジャングルジムから飛び降り、雪の上に着地する。思ったより着地点の雪が浅く、地面も硬かったので、足への衝撃がちょっとアレだった）
【あいごころ。】
｢…ああ、そう｣
わかった。こいつ多分馬鹿だ。心の中でそう結論を出した。まあ、ガチの馬鹿なのか、馬鹿に見せかけた狂人なのかはまだ分からないけれど。
｢まあ、そういうことなら別にいいわ。｣
ただこういうのの相手は疲れることを知っている。今は軽く山を、降りてきた所なのだ。こんなやつを見ていては相手の体と反比例的に心が冷えていくだろう。と、なると…
｢…まあ、楽しくやってればいいんじゃないかしら。｣
そういってこの場を離脱するべく踵を返す。多分今の自分の表情は死んでるだろうなぁとか思いつつ
【柏木 愛】
「え、ええ！？」
(何故だ！？自分より圧倒的歳下に見える幼女に、なぜ愛想を尽かされなければならない！？
モード・ネガティブが心を支配する。やっぱり俺はカスだ、ゴミだ、ミジンコだ……)
「ォァアアラッシェイ！」
(否っ！私は生まれ変わったのだ！この程度の絶望に屈してたまるか！シュバババとこころちゃんの前に回り込み、海水をかけるかの要領で地面の雪をバッサバッサと彼女にぶつける)
「そんな連れないこと、言っちゃダメですわよ！私と一緒に雪合戦しましょう！オホホ！」
【あいごころ。】
｢え、ちょっ…！｣
いきなり目の前にさっきの少女が現れたと思った瞬間。いきなり雪をぶっかけられた。反射的に避けようと慌てて体を大きく動かしてしまった…。
…さて、彼女自身忘れているのだが。彼女の帯は今非常に解けやすい状態であった。それもそのはず。ろくな縛り方をせずに温泉からやって来て、そのままショッピングモール、スキー場へとやってきたのだ。帯の結び目はもう解けるところまで来ていた。そして今回、体を大きく動かしたことにより。
…帯が、ほどけた。
さらに彼女には不幸な点がある。それは体系の問題だ。ブラ、などといったものはまだ早く、サラシなんてものも巻いていない。さらに言えばパンツも実は履いていなかったりした。そして避けきれなかった雪が彼女に降り落ちる。まあ、要は。
彼女の浴衣は帯が解け、完全に崩れてしまい前ががら空きに。そして彼女の生まれたまま(まあ仮りの肉体なのだが)の姿がさらけ出されてしまい、そこに降り落ちる雪…という構図が完成してしまったわけである。だから、
｢あ…｣
そんな、情けない声を出してしまったのも仕方ない。
【柏木 愛】
「オ°……」
(眼前に晒された一糸纏わぬ幼女の姿を目にし、世界が止まる。
それは、あまりに美しすぎた。美の最高峰である女子の裸体に、白銀のパウダースノーが舞い注ぐ。
ーーああ、これは、芸術だ。
さしずめ、この状況を作り出した自分は、アーティストである。
この作品を、後世に語り継がせよう。
流れるような動きで、無意識に、懐からコロパッドを取り出す。カメラが起動し、シャッターが切られるまで、あと数秒……)
【あいごころ。】
｢え…？｣
突然のことに頭がフリーズする。…えっとこれは、何が起こったんだろう。状況を整理しよう。まず彼女に雪をかけられた。すると帯が解けた。…何だこれは。全く意味がわからないじゃないか。今日の夕食は唐揚げにしようかしらと全くもって思考が回らない。と、そこに。
ーーパシャッ
と音が聞こえた。ゆっくりとそちらを向くとカメラを構え全てをやり切ったと言わんばかりの少女の顔が。…え？写真、撮ったということだろう。おそらく。今まで撮られた中で1番恥ずかしいであろう写真を。
｢……｣
彼女は、体を震わせ始める…
【柏木 愛】
「I D I D I T (やったぜ)！！！！！！」
(今この瞬間、この世の何よりも貴重な存在となったコロパッドを握りしめ、天に向けて快哉を叫ぶ。
アーティスト・愛はやり仰せたのだ。苦節17年、鬱屈とした日々の果てに、一つの完全なる作品を生み出した。
作品の要となってくれた、目の前の少女には感謝せねばならない。
この作品は世に知らしめる必要があるだろう。そうだ、痴漢者トーマス君にプレゼントしよう。服を選んでくれたお礼である。そしてこれを持ち帰り、額縁に入れて自宅に飾ろう。
夢が広がる、未来が広がる。
彼の心はどこまで清らかで、無限の可能性に満ちていた)
【あいごころ。】
｢ちが、違くて…｣
恥ずかしい。こんな所で裸をさらけ出すなんて変態じゃないか。目の前の彼女もなんかすごい叫んでいるし、あ、違うの、こんなんじゃないのに、違う違うちがうちがう…
｢ぅ…ぅ…｣
雪に小さなシミ1つ。
｢うわぁぁああああ！！｣
私はまた、泣いてしまいました。はずかしいです。なんでみんな私の写真をとるのでしょうか。
｢おねぇさんひどいよぉ！｣
泣きながらそういいます。このお姉さんはきっとわるい人なのです。でも、私はやっぱりはずかしくて、どうしてもないちゃいます。
【柏木 愛】
「え"っ！？」
(ようやく我に帰る。周囲の世界に時が戻った。
目の前の少女が素っ裸で泣いている。何故だ？ああ、自分が写真を撮ったからか……そら泣くわな……自分、カスやな……。
己のやったことを漸く自覚したようだ。とにかく、彼女はこのままでは風邪を引いてしまう。彼女に歩み寄り、自分の着ていたコートとマフラーを外し、彼女にかけてやった)
「この写真を流されたくなかったら私のいうことを聞けよ！！？！？」
(加虐心が芽生えてしまったようだ)
【あいごころ。】
おねぇさんにコートをもらいます。…マフラーもあったかいです。でも。おねぇさんが怖いのです。
｢ぁ…ぁぅ…はい…｣
私もはだかの写真がほかの人に見られるのはいやです。…でも、おどされてますし…。どうしようもないです。またないてしまいます。
｢ぅぅ…ぐすっ…どうしてひどいことするの…ぐすっ…？｣
おねぇさんはなにかいやなことがあったのでしょうか…？ひどいです。私はかなしくなってしまいます。
【柏木 愛】
「あぁ！？そんなの、俺が楽しむために決まってるだろうがぁ！ぐへへ！」
(さあ、どうしてやろう……この写真をネタにあんなことやこんなことを……と、考えた所で、ふと気がついてしまった。
その果てに何がある？欲望のままに暴れた果てに、何が残る……？
そんなものは虚しいだけだ。その事に気づけただけ、まだ彼も捨てたものではない……と、思いたい)
「あ、あの、ごめんなさい。調子乗ってすみませんでした……。君の写真、ちゃんと消しますので……泣かないでください、ごめんなさい、ごめんなさい」
(両手両膝をつき、いつもよりスローペースで土下座を繰り返す)
【あいごころ。】
｢…ぅぅ…ほんとぅ…？｣
こわいお姉さんが写真をけしてくれるそうです…ほんとうでしょうか？
｢けしてくれるの…？きょうゆーちゃっとにながしたり…しない？｣
まだちょっとないちゃいますが、こころはつよいこです。きっとお姉さんもわるい人じゃないのです。
｢…あのね、お姉さんが写真けしてくれるならね。…いぃょ。｣
目をあわせるのがはずかしくて、すこしこえがちっちゃくなっちゃいました。…きっと、きこえてるよね？
【柏木 愛】
「ほ、本当に消します。だから泣かないでください。あ、ほら、これ……コートもあげますし、風邪引いちゃうから、早く着てください。ごめんなさい」
(土下座を数度繰り返した後、雪の上に落ちたままの着物を拾い上げ、手渡してあげる。
オイお楽しみはこれからだもっと泣き喚け、というのが中の人の本心であるが、柏木クンは根は良い子である。よかったな、感謝しろよ(傲慢))
【あいごころ。】
｢お姉さん、ありがとぅ…｣
なみだをぬぐってお礼をいいました。だいじょうぶ。こころはつよいこなのです。コートをしっかり来て、マフラーをまくと、お姉さんにしつもんします。
｢お姉さん、お名前は？｣
私はお姉さんの名前をまだきいてませんでした。ちょっと首をかしげてしまいます。
【柏木 愛】
「俺は柏木愛っていいます。もちろん偽名ですけど……。あなたは、えっと、あいごころ。さん……ですよね？
本当にすみませんでした。俺はやっぱり生きてる価値のないゴミカスうんちっち人間です、はい」
(名前を聞かれ、素直に答える。目線を合わせるためというか、土下座していたので、膝立ちのまま会話を続ける。膝が冷たい。
彼女の名前は既に存じ上げていた。共有チャットに写真流されてた子だもの)
【あいごころ。】
｢そうだよ。こころの名前よくしってるね？｣
自分の名前いったっけなぁとふしぎにおもいましたけど、きっと自分で名前をいったんだとおもいます。
｢こころね…かしわぎさんがいきてるかちないなんてこと、ないとおもうよ？｣
…だってほんとうにそうなら、死はどれほどかちがなくなってしまうのか。かんがえたくないから。
｢だからね。げんきだして？｣
そういってかしわぎさんのあたまをなでてあげます。げんきになーれ。
【柏木 愛】
「な、なんだって……」
(自分は彼女を泣かせてしまうほど酷い事をしたのに。その自分を慰め、撫でてくれるなんて。なんて良い子なのだろう。自分が全て間違っていた。自分死ね。いやこころちゃんの言う通り死なない)
「き、君は良い子ですね……ありがとうございます！あの、こんな俺で良ければ是非フレンド登録を！ていうかめっちゃ今更ですけど、最初と随分違いますね」
【あいごころ。】
｢ふれんどとーろく？しよっか！｣
これでまたこころのともだちたくさんけいかくがすすむのです。みんなで楽しくしゅうがくりょこうするのです！ふれんどとーろくしながらしつもんにこたえます。
｢そうかな？やっぱりからだにひっぱられてるのかな？｣
でもこころはそんなこときにしないのです。おともだちがふえたことがうれしいですから！
｢それじゃ、お姉さん。こころ、もういくね？｣
もっといろんなところに行っていろんな人とともだちになりたいのです。めざすはたのしいしゅうがくりょこうなのです！
【柏木 愛】
「はい！えっと、服ちゃんと着てくださいね！寒いし滑るから気をつけて！」
(彼女に笑顔が戻ったことに安堵する。やっぱり女性の最高の化粧は、笑顔だぜ(イケボ)
フレンド登録を終え、立ち去ろうとする彼女に向けて手を振る)
【柏木 愛】
「本当に生まれ変わった気分ですわよ……。
以前の私は、とても好きにはなれませんでした。今の私なら、好きになれそうな気がしますですわよ。ウフフ、ウフフ……」
（解放的な気分になった彼は、雪の積もった公園で一人、くるくると舞っていた。
ずっとこの姿でいたい……そう思ってしまうと前村の自分と被る（クソメタ）のだが、そんな気分である。
雪を被ったアスレチックを遠くに見つけると、スキップで寄る。久しぶりに体を動かそうか、と考えた）
【あいごころ。】
｢ここまで来れば寒くないわね…｣
スキー場の方の探索を終えた後、直ぐに北エリアから抜けた。寒い場所にはあまりいたくない。そう思うのは自然なことだろう。あまり寒くないことを確認しつつ、適当なところでジャンパーを脱ぐ。こういう服はあまり好きではないのだ。ここらへんならばまだ着物だけでも問題ない。さて、暫く歩いていると公園のような場所を発見する。
｢あら、ここは…公園、かしらね。｣
相も変わらずに雪が降っているがまあ、問題ない。あれは高いところにいったから寒くなったのだ。あまりめぼしいものなど無さそうだが一応探索はしておくことにしたのだが…
｢…なにかしら、あれ。｣
雪の積もった公園の中。1人の少女がくるくると舞っていた。…いや、何をしているのだろう。
あまりお近づきになりたくはなかったが、恐らく彼女もクラスメイトなのだろう。深くため息を吐くと、声をかけるべく近づいて行った。
【柏木 愛】
「ひい、冷たい……手袋を持ってくれば良かったですわよ」
(チェーンで出来たジャングルジム的な何かによじ登る。金属のチェーンはたっぷり冷やされており、素手で掴むのは少々抵抗があった。真ん中辺りまで登った時、ひとりの少女が近寄ってくるのが見えた。着物姿が雪景色と異常にマッチしていたが、あまりにも寒そうである。それよりもこの少女、どこかで見たことがあるような……？)
「こんにちは、お嬢さん。あなたもお散歩ですこと？」
【あいごころ。】
｢ええ、そうね。そんなところかしら。｣
とりあえずそう返しておく。…なんだか呑気な人ね。というかアスレチックやってるのにお散歩っていうのかしらそれ。なんだか楽しそうな相手を見てると毒気が抜かれてしまうような…そんな感じがした。
｢…まあ、なんていうのかしら。単刀直入に聞くけれど、あなた何してるのかしら？｣
…正直突っ込まざるおえないだろう。恐らく中身は高校生なのだろうがこの状況下でそんなアスレチックをやるなんて図太すぎる神経がとても信じられなかった。思わずジト目になってしまうのも仕方ないだろう。
【柏木 愛】
「……え？」
（この少女、なんか冷めてない？雪に冷まされちゃったの？
以前に会ったエムもそうだったが、ここのロリはなんか若干冷めてない？
うっかり素に戻ってしまいそうな自分を抑え、笑顔をキープする）
「も、もちろん、遊んでいるのですわよ！寒いですし、身体を動かして温めるのですわよ！てい！」
（ジャングルジムから飛び降り、雪の上に着地する。思ったより着地点の雪が浅く、地面も硬かったので、足への衝撃がちょっとアレだった）
【あいごころ。】
｢…ああ、そう｣
わかった。こいつ多分馬鹿だ。心の中でそう結論を出した。まあ、ガチの馬鹿なのか、馬鹿に見せかけた狂人なのかはまだ分からないけれど。
｢まあ、そういうことなら別にいいわ。｣
ただこういうのの相手は疲れることを知っている。今は軽く山を、降りてきた所なのだ。こんなやつを見ていては相手の体と反比例的に心が冷えていくだろう。と、なると…
｢…まあ、楽しくやってればいいんじゃないかしら。｣
そういってこの場を離脱するべく踵を返す。多分今の自分の表情は死んでるだろうなぁとか思いつつ
【柏木 愛】
「え、ええ！？」
(何故だ！？自分より圧倒的歳下に見える幼女に、なぜ愛想を尽かされなければならない！？
モード・ネガティブが心を支配する。やっぱり俺はカスだ、ゴミだ、ミジンコだ……)
「ォァアアラッシェイ！」
(否っ！私は生まれ変わったのだ！この程度の絶望に屈してたまるか！シュバババとこころちゃんの前に回り込み、海水をかけるかの要領で地面の雪をバッサバッサと彼女にぶつける)
「そんな連れないこと、言っちゃダメですわよ！私と一緒に雪合戦しましょう！オホホ！」
【あいごころ。】
｢え、ちょっ…！｣
いきなり目の前にさっきの少女が現れたと思った瞬間。いきなり雪をぶっかけられた。反射的に避けようと慌てて体を大きく動かしてしまった…。
…さて、彼女自身忘れているのだが。彼女の帯は今非常に解けやすい状態であった。それもそのはず。ろくな縛り方をせずに温泉からやって来て、そのままショッピングモール、スキー場へとやってきたのだ。帯の結び目はもう解けるところまで来ていた。そして今回、体を大きく動かしたことにより。
…帯が、ほどけた。
さらに彼女には不幸な点がある。それは体系の問題だ。ブラ、などといったものはまだ早く、サラシなんてものも巻いていない。さらに言えばパンツも実は履いていなかったりした。そして避けきれなかった雪が彼女に降り落ちる。まあ、要は。
彼女の浴衣は帯が解け、完全に崩れてしまい前ががら空きに。そして彼女の生まれたまま(まあ仮りの肉体なのだが)の姿がさらけ出されてしまい、そこに降り落ちる雪…という構図が完成してしまったわけである。だから、
｢あ…｣
そんな、情けない声を出してしまったのも仕方ない。
【柏木 愛】
「オ°……」
(眼前に晒された一糸纏わぬ幼女の姿を目にし、世界が止まる。
それは、あまりに美しすぎた。美の最高峰である女子の裸体に、白銀のパウダースノーが舞い注ぐ。
ーーああ、これは、芸術だ。
さしずめ、この状況を作り出した自分は、アーティストである。
この作品を、後世に語り継がせよう。
流れるような動きで、無意識に、懐からコロパッドを取り出す。カメラが起動し、シャッターが切られるまで、あと数秒……)
【あいごころ。】
｢え…？｣
突然のことに頭がフリーズする。…えっとこれは、何が起こったんだろう。状況を整理しよう。まず彼女に雪をかけられた。すると帯が解けた。…何だこれは。全く意味がわからないじゃないか。今日の夕食は唐揚げにしようかしらと全くもって思考が回らない。と、そこに。
ーーパシャッ
と音が聞こえた。ゆっくりとそちらを向くとカメラを構え全てをやり切ったと言わんばかりの少女の顔が。…え？写真、撮ったということだろう。おそらく。今まで撮られた中で1番恥ずかしいであろう写真を。
｢……｣
彼女は、体を震わせ始める…
【柏木 愛】
「I D I D I T (やったぜ)！！！！！！」
(今この瞬間、この世の何よりも貴重な存在となったコロパッドを握りしめ、天に向けて快哉を叫ぶ。
アーティスト・愛はやり仰せたのだ。苦節17年、鬱屈とした日々の果てに、一つの完全なる作品を生み出した。
作品の要となってくれた、目の前の少女には感謝せねばならない。
この作品は世に知らしめる必要があるだろう。そうだ、痴漢者トーマス君にプレゼントしよう。服を選んでくれたお礼である。そしてこれを持ち帰り、額縁に入れて自宅に飾ろう。
夢が広がる、未来が広がる。
彼の心はどこまで清らかで、無限の可能性に満ちていた)
【あいごころ。】
｢ちが、違くて…｣
恥ずかしい。こんな所で裸をさらけ出すなんて変態じゃないか。目の前の彼女もなんかすごい叫んでいるし、あ、違うの、こんなんじゃないのに、違う違うちがうちがう…
｢ぅ…ぅ…｣
雪に小さなシミ1つ。
｢うわぁぁああああ！！｣
私はまた、泣いてしまいました。はずかしいです。なんでみんな私の写真をとるのでしょうか。
｢おねぇさんひどいよぉ！｣
泣きながらそういいます。このお姉さんはきっとわるい人なのです。でも、私はやっぱりはずかしくて、どうしてもないちゃいます。
【柏木 愛】
「え"っ！？」
(ようやく我に帰る。周囲の世界に時が戻った。
目の前の少女が素っ裸で泣いている。何故だ？ああ、自分が写真を撮ったからか……そら泣くわな……自分、カスやな……。
己のやったことを漸く自覚したようだ。とにかく、彼女はこのままでは風邪を引いてしまう。彼女に歩み寄り、自分の着ていたコートとマフラーを外し、彼女にかけてやった)
「この写真を流されたくなかったら私のいうことを聞けよ！！？！？」
(加虐心が芽生えてしまったようだ)
【あいごころ。】
おねぇさんにコートをもらいます。…マフラーもあったかいです。でも。おねぇさんが怖いのです。
｢ぁ…ぁぅ…はい…｣
私もはだかの写真がほかの人に見られるのはいやです。…でも、おどされてますし…。どうしようもないです。またないてしまいます。
｢ぅぅ…ぐすっ…どうしてひどいことするの…ぐすっ…？｣
おねぇさんはなにかいやなことがあったのでしょうか…？ひどいです。私はかなしくなってしまいます。
【柏木 愛】
「あぁ！？そんなの、俺が楽しむために決まってるだろうがぁ！ぐへへ！」
(さあ、どうしてやろう……この写真をネタにあんなことやこんなことを……と、考えた所で、ふと気がついてしまった。
その果てに何がある？欲望のままに暴れた果てに、何が残る……？
そんなものは虚しいだけだ。その事に気づけただけ、まだ彼も捨てたものではない……と、思いたい)
「あ、あの、ごめんなさい。調子乗ってすみませんでした……。君の写真、ちゃんと消しますので……泣かないでください、ごめんなさい、ごめんなさい」
(両手両膝をつき、いつもよりスローペースで土下座を繰り返す)
【あいごころ。】
｢…ぅぅ…ほんとぅ…？｣
こわいお姉さんが写真をけしてくれるそうです…ほんとうでしょうか？
｢けしてくれるの…？きょうゆーちゃっとにながしたり…しない？｣
まだちょっとないちゃいますが、こころはつよいこです。きっとお姉さんもわるい人じゃないのです。
｢…あのね、お姉さんが写真けしてくれるならね。…いぃょ。｣
目をあわせるのがはずかしくて、すこしこえがちっちゃくなっちゃいました。…きっと、きこえてるよね？
【柏木 愛】
「ほ、本当に消します。だから泣かないでください。あ、ほら、これ……コートもあげますし、風邪引いちゃうから、早く着てください。ごめんなさい」
(土下座を数度繰り返した後、雪の上に落ちたままの着物を拾い上げ、手渡してあげる。
オイお楽しみはこれからだもっと泣き喚け、というのが中の人の本心であるが、柏木クンは根は良い子である。よかったな、感謝しろよ(傲慢))
【あいごころ。】
｢お姉さん、ありがとぅ…｣
なみだをぬぐってお礼をいいました。だいじょうぶ。こころはつよいこなのです。コートをしっかり来て、マフラーをまくと、お姉さんにしつもんします。
｢お姉さん、お名前は？｣
私はお姉さんの名前をまだきいてませんでした。ちょっと首をかしげてしまいます。
【柏木 愛】
「俺は柏木愛っていいます。もちろん偽名ですけど……。あなたは、えっと、あいごころ。さん……ですよね？
本当にすみませんでした。俺はやっぱり生きてる価値のないゴミカスうんちっち人間です、はい」
(名前を聞かれ、素直に答える。目線を合わせるためというか、土下座していたので、膝立ちのまま会話を続ける。膝が冷たい。
彼女の名前は既に存じ上げていた。共有チャットに写真流されてた子だもの)
【あいごころ。】
｢そうだよ。こころの名前よくしってるね？｣
自分の名前いったっけなぁとふしぎにおもいましたけど、きっと自分で名前をいったんだとおもいます。
｢こころね…かしわぎさんがいきてるかちないなんてこと、ないとおもうよ？｣
…だってほんとうにそうなら、死はどれほどかちがなくなってしまうのか。かんがえたくないから。
｢だからね。げんきだして？｣
そういってかしわぎさんのあたまをなでてあげます。げんきになーれ。
【柏木 愛】
「な、なんだって……」
(自分は彼女を泣かせてしまうほど酷い事をしたのに。その自分を慰め、撫でてくれるなんて。なんて良い子なのだろう。自分が全て間違っていた。自分死ね。いやこころちゃんの言う通り死なない)
「き、君は良い子ですね……ありがとうございます！あの、こんな俺で良ければ是非フレンド登録を！ていうかめっちゃ今更ですけど、最初と随分違いますね」
【あいごころ。】
｢ふれんどとーろく？しよっか！｣
これでまたこころのともだちたくさんけいかくがすすむのです。みんなで楽しくしゅうがくりょこうするのです！ふれんどとーろくしながらしつもんにこたえます。
｢そうかな？やっぱりからだにひっぱられてるのかな？｣
でもこころはそんなこときにしないのです。おともだちがふえたことがうれしいですから！
｢それじゃ、お姉さん。こころ、もういくね？｣
もっといろんなところに行っていろんな人とともだちになりたいのです。めざすはたのしいしゅうがくりょこうなのです！
【柏木 愛】
「はい！えっと、服ちゃんと着てくださいね！寒いし滑るから気をつけて！」
(彼女に笑顔が戻ったことに安堵する。やっぱり女性の最高の化粧は、笑顔だぜ(イケボ)
フレンド登録を終え、立ち去ろうとする彼女に向けて手を振る)
墓穴が大好きな 23rd-25th
海月(23rd)-柏木 愛(25th)
【柏木 愛】
「うまい……」
（SCTの展望台にあるカフェで、なんちゃらかんちゃらフラペチーノとかいう、自分でもよくわからない飲み物を注文し、啜っていた。
ひとしきり外で遊んだ後だったので、温かい飲み物が身体に沁みた。
ちなみにコートとマフラーをあいごころ。ちゃんにあげちゃったが、ショッピングモールで同じものを調達してきた。つまりペアルックである）
「もう少し女の子になりきってみましょうかね……ですわよ」
【海月】
とりあえず、ショッピングモールの近くに高い塔があったので、近場から探索する意味もかねてSCTに来てみることにした。
今はまず他に人を探さないと、こころさん以外にもボクのことを知ってる人がいるかも……
「…あ、見つけた。」
寒い気候だし服は違和感ないのだけれど、何というか、挙動が不安になる女の子がいる。
…とりあえず話しかけてみよう。女の子にばかり声をかけていると、その、そういう疑いをかけられる可能性もあるけど。
「えっと…そこの人、ちょっと、いいかな？」
【柏木 愛】
「バファ」
（飲み物を啜っていたところいきなり声を掛けられたので驚き、カップからなんちゃらかんちゃらフラペチーノが飛び散る。ちょっと服についてしまい泣きそうになるが、幾らでも無料で調達できることを思い出した）
「は、はい！こんにちはですわよ！ご機嫌いかが？」
【海月】
「あ、と…えっと、ご機嫌の方は普通だけど…その、ごめん。服、大丈夫…？」
どう見ても大丈夫じゃないんだけど、一応確認する。ここはカフェだし服は調達できない。するならまた一旦ショッピングモールに戻らないと、なんだけど…流石にそこまで歩かせるわけにもいかない、かなぁ…
「えっ、と。一応自己紹介とかしようかなって思って。」
駄目だ、口下手すぎてこれじゃ伝わりにくい。服…と言ってもボクも薄着だし、渡してあげられるものが…
というか、あったとしても女の子の服を剥いだりとか出来ないよね。
【あいごころ。】
「ええ、問題ないですわよ。ショッピングモールに行けばなんでもあるのですわよ」
（心配ご無用。彼は一人でBBQの素材を買い込んだり、アスレチックと戯れたり、行動力には長けている）
「いいですわね。親睦を深めないと修学旅行も終わらないらしいので。
私は柏木愛、と申しますわ。オホホ」
【海月】
そのショッピングモールに行かせるのが億劫になるんだけど…いや、こころさんはともかく、彼女は見た感じボクと同じくらいの背丈だし、あまり問題はない…のかもしれない。
「えっと、じゃあ柏木さんだね。ボクは…"ミヅキ"でいいかな？海の月って書いて海月。
良い名前でしょ。」
なんて。親睦を深めて修学旅行が終わって、それが皆の幸せになるならそれでもいいんだけれど。
終わらないんだろうなぁ。…終わらないならそれはそれで、幸せになる人がいるだろうし、ボク的にはどっちでもいいか。
「ショッピングモールに行けば、って言うけど…あそこ、本当に何でもあったよね。
ここから見える景色も霧ばっかりで見渡せないし…変な雰囲気するから、柏木さんも気を付けた方がいいよ？
…あ。ボクも注文していいかな」
一応注意はして。喉が渇いたし何か頼もうかな…あんまり苦いのは飲めないから、水とかでいいかなぁ。
【柏木 愛】
「海の月でミヅキ……ええ、とても良い名前ですわよ。私もアナグラムなんかではなく、そのような素敵な名前にすればよかったですわよ」
（海の月と書いてクラゲと読むことを彼は知らないようだった。漢字は苦手である）
「気を付ける、ですか？オホホ、考えすぎですわよ。暗い思考ばかりでは人生楽しませんわ。
ええ、好きに頼んで、一緒にお茶しましょう。せっかくですし、フレンド登録も」
（どの口が言うんだろうか。コロパッドを机の上に置く）
【海月】
「あはは…良い名前だけど、あんまり名乗りたくはない、かな。変なコト思い出すし。
…それと、あんまり本名に繋がることは言わない方がいいと思うよ。冗談か本気かは分からないけど、ルールがあるくらいだし。」
と言っても、ボク、あまりクラスメートの名前を憶えられてもいないんだけれどね。途切れ途切れになるし。
ただ、柏木さんが他の人にもそういう言い方をして特定されてしまったら可哀想だし、一応言っておくことにした。
「…そうだね。ボクが心配性で考えすぎなだけかも…柏木さんがそういうなら頑張ってみるね。
フレンド登録もやっておこっか。」
柏木さんは、どうやら楽観的で、"楽しめば終わるだろう"と考えている人みたいだ。それも考えの一つだろう。
ボクも、殺人云々に関してはあまり関わりたくないから気持ちは分かるんだけれど。皆が言うなら、ってヤツだよ。
フレンド登録をしようと柏木さんのコロパッドに目を向けて…
「あれ？柏木さん、たくさん写真撮ってるんだね。ちょっと見てもいい、かな？」
流石に(どれくらい日にちが経っているのか分からないけど)数十枚というのは違和感がある。
…というか、そうやって目の前に出されると単純に気になる。
【柏木 愛】
「オホホ、確かに無警戒すぎるのも良くないかもしれないですわ……！？」
（悠々と女子になりきりながら事を進めていたのに、写真の話題を出され、戦慄。
服の下に変な汗が湧き出る。落ち着け。プライバシーだと言えば問題ない。彼はコロパッドを直ぐに机の下に仕舞った）
「こ、これにはちょっと見られたくない写真もあるのですわよ！そ、それより海月さんってなんだか、共有チャットの文章とは違う印象を受けますのね。もっとこう、溌剌としたお方だと思ってましたわよ」
【海月】
「あ、そう、なんだ…えっと、ごめん。すごく失礼なこと言っちゃってたね」
そりゃ、自分が趣味で撮っているものなのだから見られたくないものもあるだろう。…気になるのには変わりないけれど。
あとで機会があれば見てみたい。
…共有チャット、って、アレだよね。コロパッドに搭載されている…
それで、溌剌？ボクに覚えがないってことは、なんだけど、何て説明すればいいかな…
「あ、あー…えっと…ご、ごめん…人前だとなんかこう、上手く喋れなくて…
ほら、恥ずかしいし…えっとそうだ！柏木さんも共有チャットと印象違うけどどうかな！？」
ごめんもう一人の"ボク"！！すごい変な誤魔化し方しちゃった！！でもそういうコト易々とは人に言えないし…
というか、それで思い出したけれど柏木さんも共有チャット見ると…あれ、というか、男の人？
【柏木 愛】
「あっ……」
（誤魔化しのつもりだが、墓穴を掘ってしまった。自分は共有チャットで男だと明言したではないか。なるほど、安易に自分の事を話すのは良くないものだな）
「え〜と……実は俺、男です。仮の身体で女になっているだけで……せっかくだし、ちょっと女としての生活を楽しんでたんです。ごめんなさい、キモくてごめんなさい。死んだ方がいいですよね……」
（彼は別に、ネカマで男を吊りたいわけではない。正直に全てを話した）
【海月】
「あ…そうだったんだ。やっぱりみんな仮の姿になってて…性別が変わってる人もいる。
えっと、ボクもそう、なんだよね。だから別にそんな、卑下することはないし…大丈夫…？」
いきなり自分を卑下し始めた柏木さん。どう対応すればいいのか分からなかったけれど、とりあえず慰めないと。
別に個人的にもそういう、いつもの自分を捨てて為りきるのは悪いことではないだろうし。
普通だと出来ないことができる、ってむしろ素晴らしい事だと思うし…
「死んだ方がいいとか、そんなことはないと思うよ。自分で自殺したい！って言うなら止めはしないけど…
死んで無くなっちゃうっていうのも、悲しいものだから。キミが楽しいことをすればいい、んじゃないかな。」
【柏木 愛】
「あっ！ご、ごめんなさいごめんなさい……俺いっつもこんなんで……ほんとごめんなさい……カスですよね……」
（無限ループである。彼の心が変わる時は来るのだろうか）
「俺が楽しいことを……ですか……。
女子でいるのは中々楽しいですわ！おほほ！私、元の姿よりこっちの方が好きですわ。帰ってもこの姿でいられないかしら……」
【海月】
「まあまあ、落ち着いて…」
慰めようとすればその慰めに謝罪する、そんな流れを何回か繰り返した。
ボクとしては、その。こういう人は何とも扱いづらい。ボクとおんなじ感覚な気がする。
「女子でいるのが楽しい、かぁ……帰ってもっていうのは流石に無理だと思うけど。
その、それに…女の子の身体だと、ほら、色々気にならない…？何処がとかは言わないけど…」
そもそも男が女になっているって点からおかしい。気にせずにはいたけど、意識すると何とも恥ずかしい。
柏木さんはそういう感覚……あ、そっか。体型の違いかぁ…
さり気なく柏木さんと自分の胸を比べてみる。…ダメだやっぱり無理。意識しないようにしないと。
恥ずかしい恥ずかしい…
「ま、まあ、柏木さんが楽しいなら。それでいい、とは思うよ。
おしゃれとかも、中々出来ない機会だろうし…」
【柏木 愛】
「ええ、特にオシャレは楽しいですわ。男でいた頃は、あまり自分の服装に気を遣ったことがなかったのですけれども。それに……」
（と、言いかけてやめた。女子の姿なら合法的に女子とイチャイチャできるというのは、密かな楽しみにしておこう。本当に最初から男だとバラさなければよかったと、悔やみに悔やむ）
「わたしはこの後、ショッピングに興じるとしますわ。貴方はどうします？」
【海月】
「あはは…前の自分と違うところがある、って、何か変な気分だよね。嬉しいやら…」
そう言いかけて、やめておくことにした。少なくとも今、柏木さんはこの状況で、平穏に過ごすことを楽しみにしているのだから。その時にこんな話は無粋、だろう。
「ボクは…また何処か行ってみようかな。まだ回れてないところがたくさんあるし。ここの近くだと…ホテル、とか。」
衣食住が揃っているか、確かめるのはそこからだよね。
…身体が身体なこともあるから、衣に関しては不安しかないけれど…まあ、いいか。
久々にちゃんと目を見て人と話せた気がする。
「えっと…ありがとうね、柏木さん。またね。」
次は服選びでもしている彼女と会えるのかな、とか。
この後に起きることも予期しつつ、そう考えてもみて。展望台をゆっくり去っていった。
【柏木 愛】
「うまい……」
（SCTの展望台にあるカフェで、なんちゃらかんちゃらフラペチーノとかいう、自分でもよくわからない飲み物を注文し、啜っていた。
ひとしきり外で遊んだ後だったので、温かい飲み物が身体に沁みた。
ちなみにコートとマフラーをあいごころ。ちゃんにあげちゃったが、ショッピングモールで同じものを調達してきた。つまりペアルックである）
「もう少し女の子になりきってみましょうかね……ですわよ」
【海月】
とりあえず、ショッピングモールの近くに高い塔があったので、近場から探索する意味もかねてSCTに来てみることにした。
今はまず他に人を探さないと、こころさん以外にもボクのことを知ってる人がいるかも……
「…あ、見つけた。」
寒い気候だし服は違和感ないのだけれど、何というか、挙動が不安になる女の子がいる。
…とりあえず話しかけてみよう。女の子にばかり声をかけていると、その、そういう疑いをかけられる可能性もあるけど。
「えっと…そこの人、ちょっと、いいかな？」
【柏木 愛】
「バファ」
（飲み物を啜っていたところいきなり声を掛けられたので驚き、カップからなんちゃらかんちゃらフラペチーノが飛び散る。ちょっと服についてしまい泣きそうになるが、幾らでも無料で調達できることを思い出した）
「は、はい！こんにちはですわよ！ご機嫌いかが？」
【海月】
「あ、と…えっと、ご機嫌の方は普通だけど…その、ごめん。服、大丈夫…？」
どう見ても大丈夫じゃないんだけど、一応確認する。ここはカフェだし服は調達できない。するならまた一旦ショッピングモールに戻らないと、なんだけど…流石にそこまで歩かせるわけにもいかない、かなぁ…
「えっ、と。一応自己紹介とかしようかなって思って。」
駄目だ、口下手すぎてこれじゃ伝わりにくい。服…と言ってもボクも薄着だし、渡してあげられるものが…
というか、あったとしても女の子の服を剥いだりとか出来ないよね。
【あいごころ。】
「ええ、問題ないですわよ。ショッピングモールに行けばなんでもあるのですわよ」
（心配ご無用。彼は一人でBBQの素材を買い込んだり、アスレチックと戯れたり、行動力には長けている）
「いいですわね。親睦を深めないと修学旅行も終わらないらしいので。
私は柏木愛、と申しますわ。オホホ」
【海月】
そのショッピングモールに行かせるのが億劫になるんだけど…いや、こころさんはともかく、彼女は見た感じボクと同じくらいの背丈だし、あまり問題はない…のかもしれない。
「えっと、じゃあ柏木さんだね。ボクは…"ミヅキ"でいいかな？海の月って書いて海月。
良い名前でしょ。」
なんて。親睦を深めて修学旅行が終わって、それが皆の幸せになるならそれでもいいんだけれど。
終わらないんだろうなぁ。…終わらないならそれはそれで、幸せになる人がいるだろうし、ボク的にはどっちでもいいか。
「ショッピングモールに行けば、って言うけど…あそこ、本当に何でもあったよね。
ここから見える景色も霧ばっかりで見渡せないし…変な雰囲気するから、柏木さんも気を付けた方がいいよ？
…あ。ボクも注文していいかな」
一応注意はして。喉が渇いたし何か頼もうかな…あんまり苦いのは飲めないから、水とかでいいかなぁ。
【柏木 愛】
「海の月でミヅキ……ええ、とても良い名前ですわよ。私もアナグラムなんかではなく、そのような素敵な名前にすればよかったですわよ」
（海の月と書いてクラゲと読むことを彼は知らないようだった。漢字は苦手である）
「気を付ける、ですか？オホホ、考えすぎですわよ。暗い思考ばかりでは人生楽しませんわ。
ええ、好きに頼んで、一緒にお茶しましょう。せっかくですし、フレンド登録も」
（どの口が言うんだろうか。コロパッドを机の上に置く）
【海月】
「あはは…良い名前だけど、あんまり名乗りたくはない、かな。変なコト思い出すし。
…それと、あんまり本名に繋がることは言わない方がいいと思うよ。冗談か本気かは分からないけど、ルールがあるくらいだし。」
と言っても、ボク、あまりクラスメートの名前を憶えられてもいないんだけれどね。途切れ途切れになるし。
ただ、柏木さんが他の人にもそういう言い方をして特定されてしまったら可哀想だし、一応言っておくことにした。
「…そうだね。ボクが心配性で考えすぎなだけかも…柏木さんがそういうなら頑張ってみるね。
フレンド登録もやっておこっか。」
柏木さんは、どうやら楽観的で、"楽しめば終わるだろう"と考えている人みたいだ。それも考えの一つだろう。
ボクも、殺人云々に関してはあまり関わりたくないから気持ちは分かるんだけれど。皆が言うなら、ってヤツだよ。
フレンド登録をしようと柏木さんのコロパッドに目を向けて…
「あれ？柏木さん、たくさん写真撮ってるんだね。ちょっと見てもいい、かな？」
流石に(どれくらい日にちが経っているのか分からないけど)数十枚というのは違和感がある。
…というか、そうやって目の前に出されると単純に気になる。
【柏木 愛】
「オホホ、確かに無警戒すぎるのも良くないかもしれないですわ……！？」
（悠々と女子になりきりながら事を進めていたのに、写真の話題を出され、戦慄。
服の下に変な汗が湧き出る。落ち着け。プライバシーだと言えば問題ない。彼はコロパッドを直ぐに机の下に仕舞った）
「こ、これにはちょっと見られたくない写真もあるのですわよ！そ、それより海月さんってなんだか、共有チャットの文章とは違う印象を受けますのね。もっとこう、溌剌としたお方だと思ってましたわよ」
【海月】
「あ、そう、なんだ…えっと、ごめん。すごく失礼なこと言っちゃってたね」
そりゃ、自分が趣味で撮っているものなのだから見られたくないものもあるだろう。…気になるのには変わりないけれど。
あとで機会があれば見てみたい。
…共有チャット、って、アレだよね。コロパッドに搭載されている…
それで、溌剌？ボクに覚えがないってことは、なんだけど、何て説明すればいいかな…
「あ、あー…えっと…ご、ごめん…人前だとなんかこう、上手く喋れなくて…
ほら、恥ずかしいし…えっとそうだ！柏木さんも共有チャットと印象違うけどどうかな！？」
ごめんもう一人の"ボク"！！すごい変な誤魔化し方しちゃった！！でもそういうコト易々とは人に言えないし…
というか、それで思い出したけれど柏木さんも共有チャット見ると…あれ、というか、男の人？
【柏木 愛】
「あっ……」
（誤魔化しのつもりだが、墓穴を掘ってしまった。自分は共有チャットで男だと明言したではないか。なるほど、安易に自分の事を話すのは良くないものだな）
「え〜と……実は俺、男です。仮の身体で女になっているだけで……せっかくだし、ちょっと女としての生活を楽しんでたんです。ごめんなさい、キモくてごめんなさい。死んだ方がいいですよね……」
（彼は別に、ネカマで男を吊りたいわけではない。正直に全てを話した）
【海月】
「あ…そうだったんだ。やっぱりみんな仮の姿になってて…性別が変わってる人もいる。
えっと、ボクもそう、なんだよね。だから別にそんな、卑下することはないし…大丈夫…？」
いきなり自分を卑下し始めた柏木さん。どう対応すればいいのか分からなかったけれど、とりあえず慰めないと。
別に個人的にもそういう、いつもの自分を捨てて為りきるのは悪いことではないだろうし。
普通だと出来ないことができる、ってむしろ素晴らしい事だと思うし…
「死んだ方がいいとか、そんなことはないと思うよ。自分で自殺したい！って言うなら止めはしないけど…
死んで無くなっちゃうっていうのも、悲しいものだから。キミが楽しいことをすればいい、んじゃないかな。」
【柏木 愛】
「あっ！ご、ごめんなさいごめんなさい……俺いっつもこんなんで……ほんとごめんなさい……カスですよね……」
（無限ループである。彼の心が変わる時は来るのだろうか）
「俺が楽しいことを……ですか……。
女子でいるのは中々楽しいですわ！おほほ！私、元の姿よりこっちの方が好きですわ。帰ってもこの姿でいられないかしら……」
【海月】
「まあまあ、落ち着いて…」
慰めようとすればその慰めに謝罪する、そんな流れを何回か繰り返した。
ボクとしては、その。こういう人は何とも扱いづらい。ボクとおんなじ感覚な気がする。
「女子でいるのが楽しい、かぁ……帰ってもっていうのは流石に無理だと思うけど。
その、それに…女の子の身体だと、ほら、色々気にならない…？何処がとかは言わないけど…」
そもそも男が女になっているって点からおかしい。気にせずにはいたけど、意識すると何とも恥ずかしい。
柏木さんはそういう感覚……あ、そっか。体型の違いかぁ…
さり気なく柏木さんと自分の胸を比べてみる。…ダメだやっぱり無理。意識しないようにしないと。
恥ずかしい恥ずかしい…
「ま、まあ、柏木さんが楽しいなら。それでいい、とは思うよ。
おしゃれとかも、中々出来ない機会だろうし…」
【柏木 愛】
「ええ、特にオシャレは楽しいですわ。男でいた頃は、あまり自分の服装に気を遣ったことがなかったのですけれども。それに……」
（と、言いかけてやめた。女子の姿なら合法的に女子とイチャイチャできるというのは、密かな楽しみにしておこう。本当に最初から男だとバラさなければよかったと、悔やみに悔やむ）
「わたしはこの後、ショッピングに興じるとしますわ。貴方はどうします？」
【海月】
「あはは…前の自分と違うところがある、って、何か変な気分だよね。嬉しいやら…」
そう言いかけて、やめておくことにした。少なくとも今、柏木さんはこの状況で、平穏に過ごすことを楽しみにしているのだから。その時にこんな話は無粋、だろう。
「ボクは…また何処か行ってみようかな。まだ回れてないところがたくさんあるし。ここの近くだと…ホテル、とか。」
衣食住が揃っているか、確かめるのはそこからだよね。
…身体が身体なこともあるから、衣に関しては不安しかないけれど…まあ、いいか。
久々にちゃんと目を見て人と話せた気がする。
「えっと…ありがとうね、柏木さん。またね。」
次は服選びでもしている彼女と会えるのかな、とか。
この後に起きることも予期しつつ、そう考えてもみて。展望台をゆっくり去っていった。
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